東北大学工学部新入生に対するレポート課題

梨実さん

東北大学工学部新入生に対するレポート課題

B-1.自分について知ってほしいこと、語りたいいこと。


私は、これはまだ、親しい友人と家族を除きだれにも言ったことのないことなのですが、しかし、本学に進学するにあたり、実験時になにかしらの事故が起こり、ないしは、酒ということもありますでしょう、アルコールの過度の摂取が原因で私が自分自身を見失うこともありますから、実際過去に私は何度となく飲酒により失敗をしており、そのことを恥じていますし、後悔しているのです、したがってこの二つの事柄によって私の正体が公のものとなり、本学及び仙台市を含む周辺地域に多大なる影響を与え、ひょっとすると死者の出る事態にもなるかもしれません(あくまで副次的な要因によって連鎖的に事態が悪化した場合最悪のケースとして考えられることであります)から明かすのであります、これにあたり明かされた一人目の友人は口から泡を吹いて倒れましたし、二人目の友人はぎょっとした様子で私を凝視した後貧血を起こしてその場に座り込んでしまったものです、家族は私の小さいころから一緒にいるために(幸いこれは遺伝性のものではなく後天的にないし先祖返り的な遺伝子異常のために発生したものであるため私以外の家族にはこの特性は見られませんでした)特段気味悪がることもなく優しく接してくれていました、ただ母は飲酒により少し荒っぽくなると私のエラ蓋を引っ張って怒鳴り散らすことはありましたがこれは私の特性に対して何らかの感情を抱いているというよりはそこに”つかむことができる私の体の一部”があったから、ようはつかみやすかったからだと考えられます、して、この特性によって私は本来そこらの人間より高い運動能力を発揮できる(ただし、水の中、それも淡水限定で、海水の中で発揮するとひどく皮膚が荒れてしまって、時には高熱をだして倒れてしまうことがありました)のですけれど、その外見的特性から、トラブルを起こすことが容易に想定できたために、今まで深い知り合い以外の前でこの特性を発揮したことがありません、茫然自失によって多大なる迷惑を本学にかけるからという理由とともにもう一つ理由があり、それはこの特性が年々強まってきているということです、風呂の中で透明な(といってもわずかに緑色がかっている)粘液が体中から出てきますし、これは2年前まではなかった現象です、指と指の間の襞も大きくなってきていますし、なにより水中で長時間活動できるようになりました、今では30分程度であれば潜水できます、顎もよりエラの形状に近づいてきました、目は一層飛び出し、ギザギザの歯が一週間単位で生え変わります、皮膚には赤黒いうろこがパラパラと生え始めました、つまるところ魚人なのです。

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東北大学工学部新入生に対するレポート課題 梨実さん @ban_do_taro

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