ミステリー?
フィガレット
ミステリー?
最近のスマホの写真は画像解像度が非常に高い。
写真に写る顔の眼球に写る景色で、個人情報がバレるなんて事も・・・。
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とあるホテルである女性が殺された。
ミステリーのトリックは多くの場合、特定の人の犯行に見せかける、
もしくは自殺と見せかけるもの。
明らかに他殺の、誰も容疑者のいない密室殺人など意味がない。
証拠を徹底的に無くす方が生産的だ。
ただ悪戯にリスクを犯すのは狂った犯人の行動。
知能犯が密室を作り出すのには理由がある。
今回は明らかに他殺。正に前者、特定の犯人へとリードするものだろう。
今回殺された彼女は、お忍びで男とホテルに来ていた。
彼女は読者モデルをしており、SNSのフォロワーは1万人近くいるようだ。
お忍びではあったが、実は今日このホテルに彼女がいる事は、
このSNSから容易に推測出来てしまう。
彼女は自身の居住地をある程度、明かしてしまっていた。
危険な行為だが、今までの投稿から最寄駅までは推測出来る。
そして今回の旅行スケジュールも投稿。ある程度、行き先は断定出来る。
昨日、特徴的な建物を背景に今日の宿と投稿していた。
そして連泊である今晩、彼女は殺された。
昨日の投稿を確認し、このホテルへ訪れた犯人は殺害へ至ったのだろう。
犯人は、このSNSを見ている。
お忍びの為、知りえなかったと言う事は無いのだ。
誰もが、犯行可能であった。
普通に考えれば一緒に宿泊していた男が怪しい、となる。
恐らく、犯人の狙いはこれだろう。
SNSの件も、警察がこの答えまで辿り着けるだろうか?
無理な可能性が高い。そうなると、より一層、一緒の男が疑われるだろう。
犯人はどうやって彼女が泊まる部屋に侵入したのだろうか?
オートロックのホテルの部屋。
普通、怪しい人物が部屋に来たら招き入れるだろうか?
知っている人物であったとしても、お忍びで後ろめたい部分もあるのだ。
まず容易に部屋には入れないだろう。
推察されるのは、事情のある知人か、ルームサービスか・・・警察か・・・。
第一発見者は、ホテルの従業員。
ルームサービスでワインを頼んでいたが、持って行っても誰も出ない。
しかし、テレビの音は聞こえる。
さらに、隣の部屋からテレビの音がうるさいと苦情も来ていたようだ。
この為、返事は無いがスペアキーで中へ入り事件が発覚した。
明らかに発見を早めようとしている。
なぜか?犯人が同行者では無いとすれば、
戻って来る前に発見させたかったのではないだろうか?
警察官にも違和感を覚えた。
発見から、現場に来るまで20分も掛からなかった。
偶然、近くにいた警官が駆けつけたらしい。
こうなると名乗り出る事も出来ない・・・。
犯行動機が嫉妬なのだとすれば、本来の狙いは私だ。
こんな事になるのなら目立つ赤い眼鏡で撮影などしなければよかった・・・。
最近のスマホのカメラは画像解像度が高い。
撮影された眼球から場所や撮影者がバレる事がある。
明らかに自撮りではない写真をあえて撮らせた事もあった。
それはきっと・・・ちょっとした優越感だったのだろう・・・。
眼球に写る、赤い眼鏡の人物・・・。
犯人は、彼女の彼氏か・・・ファンか・・・旦那か・・・。
誰にせよ、次に狙われるのは私だろう。
私はポケットに隠した赤い眼鏡を握りしめ、切に願う。
金田○でもコ○ンでも古○任三郎でも、
誰でもいいから犯人を捕まえてくれ・・・。
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