第4話 はじめての要件定義

 私が特別集荷をもう少し作業効率を上げようと思い考えてた結果、発注情報を見やすくするところに気づきました。

 当時の発注書はラインプリンター(ここで言うラインプリンターはドットで文字を連続用紙に出力する音がすごくうるさいプリンターです。)で出力されたものでした。出力された内容は4mmから5mmくらい(申し訳ないです。記憶でしかないのであいまいです。)の文字サイズで統一されていて、用紙の上の方に発注した店舗コードと店舗名が表示されます。店舗の情報以下は、発注されている商品名が左はしにならんでいて、右はしに発注数が出力されていました。商品名と発注数の間には商品のサイズなどのシステムに登録された付随情報が出力されていて、一つの商品の発注情報として出力されているものでした。紙のサイズは横幅は40cmくらいだったと思います。


 ◆ 表現するとこのような感じです。


 商品名           サイズ ロット数    発注数


 ○○○ 妖精のチョコレート 80×40 12       14

 ○○○ 天使のチョコレート 40×40 6        18

   ・

   ・

   ・


 このような発注情報が小さい文字で並んでいるのです。この用紙を見ながら商品を探して個数を数えていると間違いが発生します。倉庫の片隅で薄暗い中、この発注情報は決して見やすいものではなかったのです。私自身も発注情報を見ながら商品を探して集荷するという作業を行いました。余談ですが私はその当時「眼だけはいい」とよく知人にも言われるくらい視力が2.0とよかったのです。それでも、細かい文字を読むことは出来ますが45cmくらい(この辺りも記憶だけが頼りなのであいまいです。)の幅の用紙に左はしと右はしに出力されている情報が同じ行なのかを判断することは難しかったのです。単純に商品の発注数を把握するのに指でなぞって発注情報を読まないと理解できない状態でした。この発注情報を読むために視力がよいとかはあまり関係がなかったのです。そもそも、この発注情報が読みにくいということが改善すべきことと考えたのです。

 私はどのようにしたら文字を大きく見やすい発注情報を出力できるのかを考えるようにしました。会社に用意されたシステムではラインプリンタで出力する情報しかない状態だったので、必要なことは何だろうと考えた結果、以下のことを解決する必要があると考えました。

 ● 発注情報をデータとして取得する必要があります。

 ● 発注情報を集約して店舗ごとに振り分ける必要があります。

 ● 振り分けた情報を見やすい用紙に出力する必要があります。


 必要だと思うことを考えていくことでこれから作成するツールの機能が決まってきます。

 今の私自身、要件定義(業務要件のみを対象としています。)という工程はどのようなことが必要なのかを考えて、必要だと思えたものをどのような流れでつなげていけば納得できるツールになるのかを考え続けるフェーズだと思っています。

 たぶん、私はここで考えるということが重要なんだということは理解していなかった、それでも、考えるということを当たり前にすることを身に着けたのだと思います。

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プログラマなんだなと思うこと のりぽん @latias1976

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