小賢しい状態異常系スキルに愛されたのですが、どうやらこのゲームには状態異常無効が存在するようです。

生焼け海鵜

第1話

 害? 私は害? 害なのか?

 害。確か聞き慣れた言葉ではある。

 薬害。塩害。雪害。水害。そんな聞きなれた言葉。

 

 空を見た。どんよりと鈍色の空。でも、そこに青く差し光る部分がある。

 私は、そんな光に照らされたくない。だって害。私は害。



 白い天井を見た。床が動いている。薬臭い。変なにおい。

 しょうがない。

 病院?


 血がとばとば口から漏れ出している。私は害助けなくていい。

 鎮痛剤が体に浸透する。


 モルヒネ? 手術でもするの?

 眠い。気持ち悪い。


 気持ち悪い。

 眠い。


 ただ、眠いって夢を見ていたい。



「残念ながら意識が錯乱している為、現実世界との接触は避ける必要があります。幸いにもこの当院には医療用VGSバーチャルゲームステーションが完備されている為、それに接続する事が可能ですが、どうなさいましょう?」

「はい。お願いします」


「わかりました。では、タイトルをお選びいただきたい。MMORPGなどがよろしいですが」

「なるほど、では、OOOオンラインオープンオペレーションでお願いします」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

小賢しい状態異常系スキルに愛されたのですが、どうやらこのゲームには状態異常無効が存在するようです。 生焼け海鵜 @gazou_umiu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ