後編
母の手紙にはこう書かれていた。
『怜へ
こんにちは。お元気ですか』
随分と他人行儀な書き出しだった。私は鼻で笑う。こんなこと、手紙で聞くことではない。特に、もう返事のできない手紙なんかでは。私は無性に苛立った気持ちで読み始めた。
『あなたと私が最期に会ってから、どれくらい経ったのでしょうか。もしかしたら、もうあなたも大人になっているかもしれませんね。あなたの大人になった姿が見られないこと、それだけが残念です』
そう言うのなら。そう言うのなら、生きてちゃんと見届けてくれれば良かったのだ。勝手に死んでいったくせに、随分と我儘な事を言う。私は思わず、便箋を強く握りしめた。クシャリ、と紙に少しシワが寄る。私はそれを気にしなかった。
『私はあなたにとって、とても酷い母親だったでしょう。あなたに対して母親らしいことはほとんど出来ずにいました。ただ病院のベッドの上に座って、毎日を死と生の間で生きていました。あなたがいるのだから、まだ死ねないという気持ち、あなたのためにもこんな弱い母親は死ぬべきだという気持ち。私にはそれしかありませんでした』
思い出す。母が病院のベッドに座っていた姿を。母は私を見るたびに、苦しそうに笑っていた。「ごめんね」といつも泣きそうな声で私の頭を撫でた。私はふと、その体温を思い出した。今にも消えてしまいそうな、儚い思い出だった。そんな記憶の中を揺蕩いながら、手紙の文字を追いかける。
『怜、怜。あなたは私の生きる希望でした。同時に死ぬ理由でもありました。こんな言葉を娘であるあなたに投げかけるなんて、私は本当に母親失格ですね。でも、私にとってはあなただけが全ての世界なのです。私にはもう他に何も残っていない。身体を生贄にし、愛憎を目にして、業を負った。希望も、お金も、倫理も。もう、私には何もないのです』
母の身の上はなんとなくだが、知っていた。お前は売女で殺人鬼の女と気狂いのストーカー男の血が混ざった穢らわしい子供だと。叔母が母を引き合いに出して、度々私を罵ったからだ。だから、はっきりとしたことが何一つとして書かれていないこの手紙でも、母を襲った不幸がどんなモノであるかは理解できた。私は荒々しく乱れた母の字の波間に溺れそうになっていた。
『かつて、絶望の黒い波が私を襲った後、私は死のうとしました。しかし、服部先生がそれを止めて、言いました。「怜ちゃんが大人になるまでは生きていてほしい」と。「君は怜ちゃんを幸せにすると決めていただろうと」と。それはかつての私の言葉です。しかし、あの人はそれを「僕のわがまま」だと言いました。例え、この願いがエゴなのだとしても、生きていて欲しいと服部先生は私に言ったのです。私はそれを聞いて、頷きました。確かにそうでした。怜は、怜だけは幸せにしなければと、全てを失っても、それだけ確かには強く思っていたのです』
服部先生の言っていた、わがまま。それは私のために生きてほしいと言ったことだった。私は「生まれなきゃ良かった」と言った時の、先生が浮かべた表情を思い出した。普段は穏やかな先生の、激情を宿した瞳。それは私をどこまでも案じるものだったのだと、今、真の意味で気がつく。あの人は本当に優しい人だった。なのに、母はそんな人のわがままも聞けないままに死んだ。その理由が手紙の先には続いていた。
『でも、その覚悟が甘かったことを今日、痛いほどに感じています。怜、私はセーラ服を着た十五才のあなたを見て、怖くなったのです』
怖くなった。その文字を読む己の心も恐怖で震えた。母が死の淵へと転がっていく様を、私は見ていた。
『やせ細った手足が、虚ろな瞳が、かつての私にあまりにも似ていたから。この子は私と同じ運命を繰り返しているんじゃないかと、ふとそんな風に思ったのです。それに気づいてしまったら、終わりでした』
終わりにしないで。もう結末はわかりきっているのに、そう叫びたくなった。勝手に終わらせないでほしいと、懇願したくなった。
『怜、私は人を殺しました。あなたを犯罪者の子供にしました。それから、良い母親にもなれませんでした。私があなたに与えたものはたった一つの命、それだけです。それだけしか与えなかったくせに、それに見合わない重いものを背負わせました。それはあなたを幸せにするという誓いに矛盾している。では私は今、何故生きているのでしょう。それが不思議でなりません。私はとても、生きていていい人間ではありませんでした。そのことに今更ながら気がつきました』
やめて、やめて。いかないで。勝手に結論を出さないで。そう思うのに、手に握った紙は過去のもので。私はこの文字を紡ぐ母を止められなくて。脳裏によぎるのは、血の海に沈む母の姿だった。骸と化した母の姿が、牢獄のような場所で力なく横たわっている。
『ねぇ、怜。私には度胸がありません。同じことを繰り返し、堕ちていくかもしれないあなたのいく末を見守る度胸が。あなたはある時気がつくでしょう。己のこの境遇は母である私のせいだと。私を強く憎しみ、睨み付けるでしょう。私はあなたのそんな目に耐えられる自信がない。未来のあなたが怖いのです』
私は母の骸にすがりついていた。鉄の匂いが鼻に付くのも、気にならなかった。手が汚れるのも気にならなかった。でも、泣けなかった。私は母の体温を失ったそれを抱いていただけだった。
『その前に、私はこの身体を捨てます。少年法と精神病と、情状酌量によって生きながらえてしまった、汚い身体を。きっとそれをしたところで何も変わらないでしょう。あなたに背負わせてしまったことも、今の境遇も。ただ、私が臆病なだけなのです。あなたがこんなにも愛しいのに、怯えてしまう私自身が嫌なのです。ごめんなさい。私にはあなたを幸せにできるだけの力がなかった』
母の骸が真っ赤な炎に包まれて、燃えた。灰と骨になった。それはもはや母ではなかった。母は私の頭の中だけにしか、記憶の中の触れられないところにいってしまった。
『怜、こんな私の言葉を信じないでください。けれど、一言、愛していると言わせてください。私はあなたの母親になってしまった。愛してしまった。ただ、それだけは本当なのです』
記憶の中の母は私に問いかけた。優しく、寂しげに問いかけた。
『ねぇ、あなたは幸せ?』
手紙はあの問いかけで終わっていた。ずっと、私が答えを出せずにいるあの問い。でも、私はずっと答えを持っていた。手紙を読んで、ようやくそのことに気づかされた。
私は大きく息を吐き出す。頬はいくつもの涙で濡れていた。手紙はもうぐしゃぐしゃだった。それを丁寧にたたんで、私は立ち上がる。冷蔵庫を開けて、二リットルのペットボトルのお茶をそのまま飲む。普段ならしないことだが、今はとても冷静になれそうになかった。心の内を怒りと虚無感が荒らしている。
私は満足のいくまで喉を潤すと、今度は机に向かった。万年筆を握りしめ、最初の一行目を書き出す。一行目は「僕にはどうしても幸せにしたい人がいる」だ。
書き出したのはとても陳腐な物語だった。一人の少年が、母と喧嘩をし、時に支えあいながら、家を出ていくまでの話だ。どこにでもある、退屈でありきたりな話だ。私はそれを書き出した。
正直、苦痛だった。見ていられなかった。でも、書き続けた。五千字を一心不乱に書き続けた。それが、母のあの問いかけに対しての答えだったから。
やがて、手が止まった。
なんて残酷な物語を書いたのだろう。私は自分の書き綴った物語を見つめ、そう思う。そして、手にしていた万年筆を机の上に置いた。物語の中の怜が手にしているのは、私が手に入れられなかったもの全てだった。母との人生と愛、普通の青春と反抗期、ありきたりな日常と恋、くだらないと言いながら、欲しがったもの全てだ。
私は自嘲した。気がつけば、再び頰に涙が伝っていた。涙は原稿用紙の上に落ちて、文字を滲ませる。私は不意にようやく書き上げたこの物語をくしゃくしゃに丸めて、捨ててしまいたい衝動に襲われた。でも、今そうしてしまえば、私はまたこの現実から目をそらしてしまう気がした。だから、じっと耐えて、濡れた部分を指で拭う。インクはさらに広がって、その部分はセピア色に染まった。
ママ、私は気がついていたんだよ。幸せとは何かって。
私は心の中で呼びかけた。もう届かないあの人に向かって、質問の答えを今更返す。
私は私なりの答えをちゃんと持っていた。私の憧れた幸せっていうのは、この物語の男の子のような人生だった。私とは正反対の人生だった。でも、それを私は認めたくなかった。ずっと。それを認めるには、私の現実はあまりに辛かったから。
だから、私は幸せかという問いに、「幸せ」がそもそもわからないフリをした。私は母に似た娘以外の何者かにはなれなかった。参観日に来てもらったり、他愛のない喧嘩をすることはできなかった。「わからないよ」と答えた後は、死んでしまいそうな母を引き止めることすらできなかった。そして、大人になった私を見てもらうことすらできなかった。全て求めたところでどうしようもないことばかりだった。だから、私は自分に嘘をつき続けることで自分の心を守っていた。
そして、私は自分を守り続けた結果、いつしか母の姿も見えなくなっていった。
ママ。私、あなたの弱さを馬鹿にしていたの。そうやって、生きてきたの。
私は母みたいにはなりたくないとずっと強がってきた。母を否定することで、自分を定義してきた。母は私にとっての、唯一の家族だったから、それしか指標を持ち合わせていなかった。その否定はいつしか歪み、肥大して、憎しみになった。私は自分を置いていった、母を許せなくなっていった。かつて、母が恐れた私に、私はなっていたのだった。
私は自嘲した。今の自分が滑稽だった。
母は生前、十分すぎるくらい辛い思いをした。たくさんの悲劇を背負って生き、死んでいった人だ。その中でも、私を愛そうと努力してくれた。母は死んで、ようやくそれらから解放されたはずだ。なのに、その母が死して尚、私は彼女の死を憎み、死者に十字架を背負わせている。
私は目を閉じ、母の顔を思い浮かべた。初めに浮かんだのは、やっぱりあの命のない姿で、次いで浮かんだのもやっぱり悲しげな笑顔だった。でも、もっともっと思い出してみる。幸せそうに、私の成長を喜んでいた母の姿を思い起こす。それは、遥か底に眠っていた。本物かどうかわからなくらいに、うすぼんやりとしていた。けれども、それでよかった。私は母に笑っていて、欲しかった。そうすることで、ようやく許し、本当に愛することができるような気がした。
ああ、私は。
一つ一つ、自分の心を覆い、絡まっていた、糸を解いていく。ここに私を傷付けるモノはもう、何もない。鎧はもう必要ないのだと言い聞かせて、自分の裸を見てみようと、その先へと目を凝らす。
私は、ずっと。
劣等感、孤独、恐怖。それらは中々剥がれてくれなかった。ずっと心に棲みついていたせいで、心の一部になっていた。私はそれを選り分けることを諦めた。それも自分なのだと受け入れることにした。それを理解すると、見えてきたものがあった。
私はずっと、自分を好きになりたかった。誰にも愛されない自分を、自分だけでも好きになってあげたかった。
驚かなかった。本当はわかっていたことだった。なにせ、私は自分のためだけに生きてきた。他人を寄せ付けないのも、嘘をついていたのも、母を憎しんでいたのも、全部自分のためだ。とても自己中心的で、我儘で、臆病な生き物。それが私だ。
開いて、出てきたのはちっぽけなモノだった。落胆しなかったといえば嘘になる。けれど、今の自分を理解しなければ、目をそらしてきたものに目を向けなければ、私は一生ちっぽけなままだ。自分を好きになりたい、というその欲望は一生満たされない。だから、私はまず、弱い私を認めることにした。
私は掌を見下ろす。空っぽだ。何も握ってはいない。でももう、小さくはない。私の手は大人の手だ。もうなんだって掴める、ちゃんとした手が今の私にはついている。
私はそれをギュッと握りしめ、立ち上がった。自分を好きになるためには、やっぱり何かを頑張らないといけないような気がした。何がやりたいなんて、今はまだない。今までの私の世界は小さすぎたのだ。片田舎の小さな街と、この六畳一間だけがずっと私の世界だった。私は無知だ。だから、これからもっと大きな世界を見て、私はその何かを探していく。そうしてやると、決めた。
気分は高揚していた。これまでにないほどに心が軽くて、万能感に支配されていた。私はその勢いのままに、小さいカバンを手にとった。財布とケータイとポケットティッシュ、それと母の手紙をその中に入れて、部屋を飛び出す。
外は焼き殺されそうな暑さだった。日差しが痛い。空気は湿り、肌の上にはすぐに玉のような汗が浮かんだ。太陽は散歩に出た時よりも少し傾いでいたけれど、日は長く、まだ空は青かった。
私は少しヒールのついたサンダルを履いて、駅を目指して歩いた。道中はセミの大合唱が降り注いでいた。都会でもセミはうるさいのだと、ここに来て半年も経っているのに、初めて知った。
駅にはたくさんの人がいた。最寄り駅はこの都会の中では大して、大きいものでもない。しかし、私が知っている田舎の駅に比べれば、十分に混雑している。夏休みの親子連れやデート中の恋人同士、部活帰りの高校生。みんな楽しそうにしている。私は彼らを横目に電車を待った。
それから程なくして、電車がホームに着いた。学に向かう時には乗らない行き先の電車だ。私はそれに乗り込んで、たまたま空いていた座席に座った。車内は冷房がよく効いていて、少し寒く感じるほどだった。
窓の外の景色を眺める。たくさんの家、ビル、駅を通り過ぎていく。どれも私の知らない景色だ。目を向けてこなかった世界だ。この通り過ぎていく全てに、その中に人間が生きているのだと考えると、どことなく恐ろしく感じる。私が今まさに足を踏み入れようとしている世界はこんなにも大きいのだと思い知らされているかのようだった。それでも、私は目をそらさないでいた。全てを目に止めることはできなくても、できるだけ目を開いていようと思った。
やがて、ビルの合間に煌く光が目を刺した。私はその煌めきに誘われるように電車を降りる。しかし、降りた先はビルが乱立していて、風だけが微かにその香りを届けていた。
私はヒールを鳴らし、コンクリートの上を歩いた。来たことのない場所で、内心ビクビクしていた。けれど、ここで引き返すのは、これまでの決意を無駄にしてしまうようで、どうしてもできなかった。
あっちへ、こっちへ。少し迷いながらも、私は歩き続けた。香りが、私を導いていく。やがて、視界に再びあの煌めきが映る。耳を打つ涼やかな音に期待を膨らませながら、足を早める。
「わぁ」
ビルの間をぬって進んだ先に見えたのは海だった。陽炎の向こうに、私の知らない海が広がっている。私は興奮して、声をあげた。
砂浜はなかった。海に落ちないように手すりが設けられている。身を乗り出すようにして水面を覗き込むも、黒く波立つ海の水には触れられなかった。
きっとしょっぱいのだろうな、と私は想像する。私の故郷には海がなかった。修学旅行や遠足では見たことがあったけれど、私はとても冷めた子供で、その時は周囲が興奮する気持ちがわからなかった。だから、本当に海というものに興味を持って、こうして近くに感じるのは初めてだった。
私は遠くへ視線を向ける。残念ながら、あまり地平線は見えなかった。代わりに見えるのは工業地帯で、もくもくと煙を吐き出す煙突が見える。でも、それがちょうどよかった。もし、その先の地平線まで見えてしまっていたら、私は本当にどうにかなってしまいそうだ。こうして笑うことさえ、十分に私でないように思えるのだから。
「広い、広すぎるよ」
きっと、どんな探検家でさえ、この世界の隅々まで知り尽くすことなどできないのだ、と改めて思った。地図で見ていた日本は本当に小さかった。そんな小さい日本ですら、全てを知るなんて、到底出来っこないのだ。なのに、世界は広すぎる。私は海を見て、呆然としてしまった。
誰かが言った。自分の悩みなんて、大きな世界にとってはとても小さいのだと。私はそれを聞いた時、どこか憤るような気持ちでいた。どれだけ世界が広かろうと、自分の中でその悩みは深く、重いものであるのには変わりないと、無邪気なその言葉が嫌いだった。
じゃあ、今はどうだろう。海を見て、その言葉通りだと、頷くことができるだろうか。答えは否だ。今でも、その考えは変わらない。自分の過去を全て忘れることなんてできないし、心の傷をこの海に癒してもらうことなどできない。解決はきっと難しいし、一生できないかもしれない。
「でも、だ」
海が目も眩みそうなほど広いこと、それだけは事実だった。太陽の光に照らされて光る水面をぼんやりと見つめていると、次第に心も落ち着いてきた。きっと以前なら、同じ景色を見ていても、身を投げることしか考えなかっただろうなと思い至って、苦笑する。なんだか、今日は穏やかで不思議な気持ちだった。
私はカバンにしまっていた母の手紙を取り出した。そして、それを柵の向こうに差し出すと、手を離す。風が少し吹いて、白い便箋はひらりと宙を舞った。五枚の便箋はバラバラになった。海面に落ち、そして、文字をにじませながら沈んでゆく。あっという間に見えなくなる。
私はその場に跪いた。目を閉じる。暗闇が広がる。波音が耳の奥で響き、潮風が長い髪を揺らす。私はその優しい暗闇に包まれて、願った。
次、目が覚めた時、同じ夢を見られますように。
そう、静かに願った。ここでは誰も知らない彼女の、幸せの為に願った。
目を開ける。そこには依然として海が広がっていた。遠くでは貨物船が渡っていく。海鳥が飛んでいく。大きな入道雲が私を見下ろしていた。
「帰ろう」
ヒールに重心を預けて、クルリとターンした。潮風に吹かれながら、颯爽と歩き出す。それから、「野望」を新たに更新した。
私は大人になるのだ。もう泣いてばかりの子供じゃない。前を見て、一歩一歩歩ける人間になる。そして、自分を好きになる。悲劇は終わりだ。これから私の手でハッピーエンドの人生が始める。だって、私は私にしか救えない。
私は空を仰いで、挑戦的に笑った。私のことはこの街では誰も知らない。だから、ゼロから始められる気がした。
誰も知らない彼女 桜庭 暁 @sakuraba349
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