第二章 薔薇薫る宮殿 2

 フロレンティア。大きな運河の流れる、貿易で栄えた港町だ。

 依頼主であるリシャール家は、良質な絹織物を取り扱うことで財を成した貿易商らしい。その屋敷は、裕福な商家が軒を連ねる大通り沿いにあった。

 今回の依頼は、リシャール家の当主モリスがリベル教会に持ち込んだ相談に端を発している。敬虔なリベル教徒であるモリスは、屋敷に教区司祭をたびたび招き、祈りの時間を設けていた。表沙汰にしない、という約束で相談を受けた司祭は、自警団に知らせるわけにもいかず、「内々に調査してほしい」と機構にすがってきたのだ。

 依頼内容は、「五日前に行方不明となった長女リリアンの捜索」だった。

『失踪事件、か。これまた厄介だな』

「依頼主がリベルの信徒であるのが救いです。少なくとも、協力はしてくださるでしょうから」

 船酔いのせいでふらつきながらも、イザヤは足を動かし続けた。賑わう港においては、黒いマントの存在はさほど問題にならないらしい。煩わしい視線を感じることなく、すぐに大通りにさしかかる。

『だが簡単じゃねえぞ。家出となると主題が広がっちまうし、本人の意志でなく事件に巻き込まれてるってんなら、そもそも主題の特定が難しい。いまだに身代金の要求がないからって、誘拐の可能性も除外できねえしな』

 リシャール家の長女リリアンは、都市参事会の有力参事であるバルビ家の長男ジュリオとの結婚が決まっていた。式は二週間後に迫っており、衣装や招待状などの準備も終わっているのだと言う。

「しかし、家出というのはどうでしょう。結婚を前に、家出などするものでしょうか」

『二人一緒の家出なら、割によくあるがな。それは家出というより、「駆け落ち」か』

「なるほど。パリスとヘレネーのようなことですね」

 古代神話における王子と、彼に魅了されて家族を捨てた王妃の名を上げたイザヤに、エレミヤは「ううん」と曖昧な声を漏らした。

『あれもまあ、そうとも言えるかもだが……どちらかと言えば、ピュラモスとティスベとか、ロミオとジュリエットのほうが近いんじゃないか』

 ピュラモスとティスベ。こちらも古代神話の登場人物であり、折り合いの悪い親同士の元に生まれた男女が、壁越しに愛を育む物語である。同じく旧世界文書に収録されている「ロミオとジュリエット」のように、最後は勘違いからの悲劇に終わる。

『だが、失踪したのは娘だけで相手の男は無事らしいから、駆け落ちではなさそうだな。少し待てば自分のものになる花嫁を、わざわざ攫う理由もないはずだ』

「何にせよ、まずは詳しい状況を把握しないことには、なんとも言えなさそうです」

『今回はアトリビュートから類推したほうがいいかもしれねえな。見ろ、随分とでかいお屋敷だ』

 いつの間にか目的地に着いていたらしい。持ち上がる左目に誘われるように、イザヤは通り沿いの大きな建物を見上げた。南向きの美しいレンガ造りの屋敷は、高さだけは市の中心部にある大聖堂に敵わなかったが、左右に広がる壁には相当な長さがあり、広さで言えば周辺一帯では一番なのではないかと思えるほどだった。

 丸い輪っかの叩き金を鳴らすと、ややあって鉄製の扉がゆっくりと開いた。

 出てきたのは、ひょろりと痩せた召使いだった。落ち窪んだ茶色い瞳をじろりとイザヤに向ける。

 その瞬間、むわりと甘い匂いがイザヤの鼻を襲った。香水、だろうか。少し胸が悪くなりそうな甘さの中に、頭がくらくらしそうな刺激性の香りが混じっている。

 彼が「神のご加護を」とリベル教徒らしい挨拶をしたのとほとんど同時に、エレミヤが『くせぇな』とつぶやいた。

「神のご加護を。回収人のイザヤです」

 名刺を差し出すと、召使いは躊躇することなくそれを受け取り、扉を大きく開いた。

「どうぞ。旦那様がお待ちです」

 がちゃり、と屋敷じゅうに響きそうな音とともに、扉が閉じられた。香水の匂いが、より一層強くなる。

『くっせぇ。香水つけ過ぎだろ。けど、話が早いな』

 エレミヤの声とともに安堵を覚えながら、イザヤは召使いの後を歩いた。中に入るとすぐに大広間と階段があり、左右それぞれの奥に向かって廊下が延びていた。

 屋敷の中は、質素なものだった。板張りの床には絨毯は敷かれていない。階段下の広間の壁には単色のタペストリーがかけられてはいたが、その他は飾り彫刻のない簡素な台や棚が置かれているのみで、広い空間はひたすら持て余されているようだった。

『ここまで飾り気のない屋敷は珍しいな』

 エレミヤの言葉に、イザヤは小さく首肯した。教会内と同じく、徹底して「装飾」が避けられている。美術品の範疇に入らないとされる刺繍のタペストリーや質素な花瓶、飾り彫刻などは、富裕層の屋敷では多く取り入れられていると聞いたことがある。

『教会の教えをよく守っている……つまり、心から熱心な信徒であるって証しだな』

 その点では、フォンスよりは楽に仕事を進められるかもしれない。だがここまで何もないと、アトリビュートの特定が困難になるのではないだろうか。

 アトリビュートは、物質とは限らない。動物や植物だけでなく、雨や雷といった自然現象の場合もある。質素な壁掛け燭台の並ぶ壁や長い板張りの廊下を見回しながら、イザヤはきゅっと気を引き締めた。

 やがて召使いがひとつの扉の前で立ち止まった。木製の扉には、もちろん彫刻などは一切施されていない。

 ここに来るまでの間に慣れてしまったのか、彼の匂いはさほど気にならなくなっていた。

「旦那様。回収人の方がお見えです」

「お通ししてくれ」

 頼もしさを感じさせる低い声だった。召使いが扉を開ける。その右手の指にイボのようなものがあることに、イザヤはこのとき初めて気づいた。

 部屋には、机とチェスト以外何も置かれていなかった。中に入ると、恰幅のいい中年男性がイザヤたちを出迎えた。

「モリス・リシャールです。このたびはご足労いただき、ありがとうございます」

「回収人のイザヤです。よろしくお願いします」

 再び名刺を差し出す。依頼主のモリスは、両手で恭しくそれを受け取った。白く丸い顔の肌はつるりとしており、絹の帽子が載せられた赤毛はきついカールを描きながら肩に垂れている。青いチュニックのスリットからは、光沢のある黒いズボンが覗いていた。

「できることは全て致しました。もう、あなたがたにお頼みするほかないのです」

 モリスが、イザヤにすがりつくように言った。

「機構にご依頼されたということは、今回のことは魔力が原因だとお考えなのですね」

「ええ。その可能性が高いと、司祭様が。私もそう思っています。ですから、このことを知っているのは司祭様と家の者、そしてイザヤさんのみです」

 なるほど、とイザヤは首肯した。敬虔な信徒として魔力を忌避している彼にとって、これ以上の醜聞はないのだろう。

 モリスは眉間に皺を寄せ、「実は」と言葉を継いだ。

「今週末、両家で食事の席を設けることになっておりまして。なんとしても、それまでにリリアンを見つけ出す必要があるのです」

 今週末とは、随分と急な話だ。聞いていない、とエレミヤに文句を言いたくなる口をぐっと抑える。

「承知しました。お力になれるよう努めます」

「長旅でお疲れでしょうから、まずはお部屋へご案内を」

 そうして扉のそばで立ったままの召使いに目をやったモリスに、イザヤは「いえ」とあわてて言った。

「幸い、そこまで疲れてはおりません。よろしければ、先にお嬢様が失踪された日のことを詳しくお聞かせ願いたいのですが」

「もちろんです。こちらへどうぞ」

 召使いに言うと、モリスは奥にある扉を開けた。そこは、長机の置かれた会議室のような部屋だった。既に二人の金髪の女性が座っていて、イザヤを見て立ち上がった。

「こちらが妻のエリー、そして次女のカロルです」

 片足を引いて膝を曲げた彼女たちに、イザヤはあわてて頭を下げた。

「回収人のイザヤです。よろしくお願いします」

 よく似ている。イザヤは二人を静かに眺めた。下ろした髪にべっ甲の髪飾りをつけているのが夫人で、高い位置で結い上げているのが次女だ。どちらもモスリンのシンプルなドレスに身を包んでいる。

 夫人の白い肌と伏せがちの目は、彼女の傷心をよく表しているようだった。一方のカロルは、唇を引き結んではいたが凛とした表情をしていた。鼻も唇も小さく、全体的にあどけない顔つきではあるが、緑色の瞳は宝石のように美しい。

 広々とした部屋の中央で、イザヤはモリス家の人々と向かい合って座った。

「五日前のことです。その日はギルド会館で会合があったため、私は朝から出かけておりました。ちょうど正午になるところでしたので、聖堂で祈った後、自宅に戻りました。私を出迎えた妻は、真っ青な顔でこう言ったのです。『リリアンが消えた』と」

「消えた?」

「はい。私が長女の部屋に行ったときには、既に中はもぬけの殻でした」

「最後に彼女を見たのは、どなたですか」

「メイドです。婚礼衣装が届いたので長女の部屋に運んだところ、長女は一人にしてほしいと言って部屋に鍵をかけたそうです」

「それは、何時頃のことですか」

「正午の鐘が鳴る二十分前くらいだということです。昼食の支度ができて、再びメイドが彼女を呼びに行ったのが正午ちょうど。いくら呼んでも反応がなかったところ、昼食のために部屋を出た家内が異変に気づき、家政婦長の鍵で扉を開けさせたそうです。部屋からは長女だけでなく、届いたばかりの婚礼衣装も消えていたそうです。私が自宅に戻ったのは、その五分ほど後のことです。その間、家族にも使用人にも、リリアンの姿を見た者はおりません。まるで神に攫われるように、消えてしまったのです」

 ――神に攫われる、か……。

 イザヤは眉間に薄く皺が寄るのを感じた。事前に想像していた「失踪」とは、些か様相が違う。

「今のお話に、付け足すことなどありませんか」

「いいえ。主人の言ったことで、間違いありません」

「カロルさんはどうですか? あなたは、そのときどこに?」

「私は、正午まで中庭にいました。鐘を聞いて家に入って、食堂でみんなを待っていたんです。階段を駆け下りる足音がしたので広間に出たら、姉が消えたと母が騒いでいて、それで知りました」

「中庭ですか。そこから、リリアンお嬢様のお部屋は見られるんですか」

「見えますけど、特におかしなことはありませんでした」

「なるほど。窓から外に出ることはできますか?」

「いいえ。格子がありますので、不可能です」

 答えたのはモリスだった。彼に向き直り、質問を続ける。

「屋敷の中は、すべて捜されましたか?」

「もちろんです。屋敷内の者総出ですべての部屋を見て回りましたが、娘の気配すら見出せませんでした」

「なるほど。外に出る扉は、正面玄関の他にも? 中庭があるとのことでしたが」

「はい、裏に一つあります。が、午前中は洗濯メイドがすぐそばで洗濯をしておりますので、仮に娘がその扉を使えば必ず目撃されるはずです。裏門は常に施錠されておりますし、鍵は私が持ち歩いているのでそこから出ることは不可能です。正面の扉は、閉まる際に大きな音を立てるのですが、誰もそれを耳にしていません」

 確かにそうだった、とイザヤは屋敷じゅうに響きそうな扉の音を思い出した。

「部屋からなくなっていたものは、他に何かありませんでしたか」

「いいえ、婚礼衣装だけです。箱は開けた状態で残されていました」

 婚礼衣装とともに忽然と姿を消した娘。イザヤは主人の消えた部屋の様子を思い浮かべながら、失踪者の気持ちを探ろうとした。メイドに告げた「一人にしてほしい」という言葉からは、彼女自身の意志が関係しているようにも思える。

「お嬢様の交友関係について、お伺いしたいのですが」

「なにぶん、おとなしい性質の子でして。家族と使用人、司祭様以外で親しくしていたのは、婚約者のジュリオ殿くらいです」

 モリスの言葉に、夫人とカロルが小さくうなずく。

「結婚に関して、お嬢様は何かおっしゃっていませんでしたか」

「いいえ、特には。リリアンとジュリオ殿は、幼い頃から仲が良かったのです。結婚についても、心待ちにしているようにしか見えませんでした」

「エリー夫人とカロルお嬢様も同じお考えですか?」

「ええ、もちろんです」

 即座に答えた夫人の声は、少しだけかすれていた。カロルは、イザヤの目をまっすぐに見て答えた。

「はい。楽しみにしていたと思います」

「では、リリアンお嬢様の様子で、何か気づかれたことなどありませんでしたか」

「いいえ。何の前兆もありませんでした。本当に、消えるようにいなくなってしまったんです」

 夫人が言うと、カロルが細いあごをイザヤに向けた。

「自慢の姉です。優しくて、物知りで、控えめで。誰からも好かれる、立派な淑女でした」

 カロルは緑色の瞳をいっぱいに開いてイザヤを見つめた。抑えていた気持ちが迸るように、小さな唇を震わせる。

「イザヤさん。姉のこと、どうかよろしくお願いします」

 睫毛が濡れたように光った。幼かった印象が覆るのを感じながら、イザヤは静かに答えた。

「はい。全力を尽くします」

 その言葉に満足したように微笑むと、カロルは指で目の下を拭った。

「では、お部屋に向かいがてら、屋敷を案内しましょう。その後でジョットを遣わせますので、彼とともに使用人たちから話を聞いてください」

 モリスに言われ、夫人とカロルは自室へと戻ることになった。カロルの後ろ姿を見て、ふと思って尋ねる。

「リリアンさんは、カロルさんとは似ていないのですか?」

 肖像画というものも、この世界には存在しない。イザヤの問いに、モリスは少しだけ目を見開いた。

「ええ、そうですね。似てはいませんね。リリアンは髪も瞳も濃い茶色をしています。妹とは違って、何事も慎重で、ある意味不器用ですね。いつも損な役回りというか……カロルはそんな姉のことを慕っていますが、リリアン自身はどう思っていたのか……」

 そこで言葉を切ると、はっとしたように苦笑した。

「すみません。では応接間からご案内しましょう」

 廊下に出ると、すぐにそこが行き止まりであることがわかった。会議室は、屋敷西側の一番奥に位置していたらしい。

 通路を挟んだ向かいの部屋は、応接間だった。こちらも布張りのソファと装飾のない卓や机が並ぶだけの、寒々しい空間だ。壁だけでなく床や天井も白い漆喰で塗り固めた機構に比べれば、茶色い板張りの床と天井のこの屋敷は、温かみという点においてはいくらかましかもしれなかった。

 屋敷は玄関を底にしたUの字形になっており、東側には食堂と居間、厨房や家事室、使用人部屋があるとのことだった。

「二階には家族それぞれの寝室と客間、浴室があります。ほとんどが空き部屋です」

「部屋に鍵は?」

「かかっていません。ご自由に見て回ってください」

 二階の西側の廊下を進む。突き当たりにある大きな部屋がリシャール夫妻の寝室であり、失踪したリリアンの部屋はその手前ということだった。さらにその隣が、次女カロルの部屋だと言う。

 まず、リリアンの部屋を見せてもらう。例に漏れず殺風景な部屋は、廊下で想像したよりも狭く感じた。それでも教会で休んだ部屋二つ分の広さはありそうな空間の中には、燭台の置かれた机と椅子、寝台とチェスト、そして小さな棚が設えられていた。

「それは、本棚なのです」

 モリスが言った。

「リリアンさんは、本がお好きだったんですか?」

「ええ、小さな頃から、本を読んでばかりいました。いわゆる騎士道物語と言うやつですかね、それを好んで読んでいたようです。ただ、司祭様の忠告で、読み終えたらすぐに手離すようにしていました。本はアトリビュートになるのでしょう?」

 したり顔で言った依頼主に、イザヤは薄い微笑みを見せた。

「ええ。その通りです」

 確かに、「本」はアトリビュートになり得る。が、そこに時間は関係ない。魔力がアトリビュートを通して人間を傀儡魔にする瞬間は、周囲の人間はもちろんのこと、当人にも予測することは決してできない。

 イザヤの知る限り、家具はアトリビュートとして機能しない。まだ詳しく調査してみる必要があるが、これまで見てきた感じからすると、他の部屋もおそらく似たようなものなのだろう。

 ここまで物がない空間ではアトリビュートの特定が困難になると思ったが、候補となるものが絞られてくるという点では案外早くに片付けられる案件かもしれない。何より、リリアンの身が心配だ。

 ――残念な結末にならなければいいのだが。

 そう思いながら、視線を窓へと向けた。ガラスの向こうに鉄格子の入った窓は、そこから人が出入りできないことを示していた。が、イザヤが注目したのは、格子の間に見えた鮮やかな色だった。

 その色に引き寄せられるように、足が窓辺へと向いた。見下ろしたイザヤは、目を見開いた。そこには、豊かな薔薇園が広がっていた。カロルの言っていた中庭だ。

「これは……見事ですね」

 緑の葉から立ち上がるような、赤と白の薔薇。レンガの敷かれた十字の通路が、大輪の花の群れを四つの区画に分けていた。

「お恥ずかしい。妻の趣味なのです」

 モリスは言い訳をするように頭をかきながら言った。

「この屋敷は二年前に建てたばかりなんですが、設計に妻が大きく関わっておりましてな。その際に、どうしても中庭を作りたいと懇願されたのです。ほとんど一年中寝室に薔薇を置くようになりまして、正直少し困っております。何せ、匂いが強いものですから。薔薇の他にも、鉱石を集めるなんて趣味もありまして。さすがに飾ることはしていませんが、よく手に取って眺めております。変わっておりますでしょう」

「なるほど」

 夫人のことになった途端に饒舌になったモリスを、イザヤは微笑ましく思った。するとモリスは何を思ったか、少し焦ったような顔を見せた。

「ああ、ご安心ください。教会には、特別に許しをもらっておりますので」

「許し?」

「ええ。ああした庭園も、『装飾』にあたりますから。応接間や食堂など中庭に面している部屋は、窓は設けておりません。ふと花を眺めるだけでも『鑑賞』行為とみなされてしまいますからね」

 部屋を見て回っているときに感じた違和感はこれだったのか、とイザヤは得心した。一部の部屋には、窓が一切ない、あるいはあってもとても小さいものだった。そのため、昼でも蝋燭の明かりを必要とするほどだった。

「庭園の花は、虚飾の象徴です」

 その大きな声は、イザヤの視線を庭園からモリスへと向けさせた。

「自然に咲く花は神の恵みですが、あのように人間が形を整えて咲かせたものは偽りでしかありません。私も見ていて心苦しくなります」

 そう言って表情を曇らせたモリスに、イザヤの心は重たく沈んだ。

 ――たとえどういう経緯でどこに咲こうが、花は花なのに。

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