コンコルドP型
英仏共同開発で計画された超音速旅客機だが、開発途上で、開発費高騰により計画は挫折しかけた。
そこへ日本が製造権、独自改修権と引き換えに資金提供を申し出て開発された。
しかし、太平洋で運用するには航続距離が短いため、日本は早速、権利を行使して独自改修型を開発し、P――パシフィック型と命名し太平洋横断飛行が可能な機体にした。
当初は、開発費に対して、収益が見込めない――基本型でさえそうだった――と反対があった。
だが、日本は開発を強行。
乗客数の削減と燃料タンクの増大で航続距離を高めた。
元々、燃費がかかる上に乗客数が制限されたため、航空券の費用は大西洋航路の一.五倍となった。
だが、長距離飛行により時間短縮効果がより高く発揮。
大陸上は飛行制限により超音速飛行できず、シアトル止まりだったが、接続便を用意することで従来の半分の時間でニューヨーク、ワシントンを行き来できる
時間の限られたビジネスマン、特にアメリカと取引をする大手商社がこぞって座席を購入。
数年先まで座席が予約されるという事態となり日本航空は導入機数を当初の三倍に増やした。
しかし、発展著しいアジア圏の商社マンが成田経由でコンコルドを利用しはじめ、更に利用者が増大。
増便と機体のさらなる追加取得が行われた。
新たに乗客数を増やした発展型の開発も計画される。
また、太平洋横断がギリギリのため、他のアジア諸国、上海、香港からの飛行は難しいため、さらなる航続距離の延伸型が作られた。
だが、原油価格の高騰と燃費の悪さから、コストがかかるとされ、省燃費型の研究が行われている。
航続距離延伸型も日本沿岸で衝撃波による騒音公害問題から、迂回コースを取らざるを得ず、迂回や、沿岸での速度低下があり、採算が合っていない。
そのため衝撃波による騒音公害を抑えるための形状を備えた新型機の開発も行われているが見通しは暗い
コンコルド全体での製造数はP型五〇機を含め八〇機ほどしかなく採算ラインの三〇〇機には届かず後継機の開発は研究段階でとどまっている。
諸元
製造会社:アエロスパシアル(フランス)、ブリティッシュ・エアロスペース(イギリス)、川崎重工(日本)
運航開始年:1977年
サイズ・重量
全長:61.66メートル
全幅:25.6メートル
全高:12.2メートル
翼面積:358平方メートル
空虚重量:78トン
最大離陸重量:185トン
乗客数
最大乗客数:66人(標準配置)
エンジン
エンジンタイプ:ロールス・ロイス/スネクマ オリンパス593ターボジェットエンジン
エンジン数:4基
推力:各エンジン38,050ポンド(再熱装置使用時)
性能
最大巡航速度:マッハ2.04(約時速2,180キロメートル)
巡航高度:約18,000メートル(60,000フィート)
航続距離:9,667キロメートル
離陸滑走距離:約3,600メートル
着陸滑走距離:約2,400メートル
燃費
燃料消費量:通常の超音速巡航時で約25,629リットル/時(1機あたり)
軍用型
日本政府がコンコルドの速度性能を見込んで購入した機体。
アジアへの兵員の迅速移動に利用出来ると導入されたが、輸送力が小さい上に燃料費がかさむため断念。
政府要人の輸送用として導入した。
軍用のために通信能力の拡充、空中給油装置の追加など、政府高官の移動に使えるようにしている。
空中給油装置があるためアメリカ西海岸近くで給油を受ければ、東海岸まで無着陸で飛行可能。
大陸では騒音公害のため、超音速飛行は出来ないが、着陸の時間ロスがない分
導入数は四機と少ないが、最低でも一機が成田空港で緊急発進に備えて待機している。
その後の政府専用機の運用にも応用される。
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https://kakuyomu.jp/works/16816927862106283813/episodes/16818093088547628798
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