満州国軍 制式戦車 猛虎

 平原の多い中国大陸において機甲戦が発生しやすいと考え、起こりうる西側との戦いで戦車戦に勝つべく満州軍は戦中より大量の戦車を導入していた。

 旧日本軍の五式戦車を中心に配備していたが米軍のM26パーシングやその後継車両を相手には力不足となる事は目に見えていた。

 また、大戦末期の劣勢故に防御戦闘を主眼に作られたため、機甲戦、戦車が拘束で長距離を移動し敵地奥深くへ斬り込む戦い方が出来ない事は明らかだった。

 そこで、満州国軍は当初より重戦車も相手に出来る対戦車戦闘を考慮した戦車の開発を始めた。

 当初はソ連最強のIS3をライセンス生産するつもりだったが、当初、西側への情報漏洩を恐れたソ連はライセンス生産を拒絶した。

 さらに調査団がIS3の情報を手に入れたところ、余りにも重量がありすぎて、アジアの地形、田畑が多い平野での運用は難しいと判断。

 他にも低車高のため、著しく居住性に欠け、弾薬誘爆の危険のある車内配置など問題が多かった。

 以上の経緯により満州国軍はIS3の導入を断念。

 自ら新型の戦車を作る事にした。

 基本的に五式戦車を傾斜装甲化し、ソ連戦車との弾薬を共用するため122ミリ砲を搭載することにした。

 車高が高くなり装甲が増えたが、重量軽減のため装甲は薄くなった。

 防御性能が低下していたが、二重装甲化してバズーカ対策としている。

 また、重量軽減により機動力がアップし運用性が高まっている。

 鉄道輸送を考慮して重量と車幅を制限されており防御力こそIS3に劣っているが、M4やM26パーシングに対抗可能。

 鉄道輸送可能なため戦略的機動性が良い点が高評価となり即刻採用が決定。

 こうして猛虎は1950年満州国軍に配備される。

 諸外国への販売も計画されたがその前に極東戦争が勃発。

 満州国軍が防備を固めるため、各国への輸出は延期あるいは中断となった。

 しかし、半島の戦況劣勢のため義勇軍が派遣されることとなり、猛虎も派遣が決定して初陣を果たす。

 機動力と防御力により、善戦し反撃を成功させる原動力となった。

 しかし、大口径による携行弾数の少なさ、大きすぎるため砲弾と薬嚢の分割による発射速度の低下など、欠点も露呈。

 威力減少を承知の上で100ミリへのダウンサイジングと携行弾数の増加を図ったタイプもある。

 欠点はあったM26に対抗できる優秀な戦車として名声を集め、東側主力戦車の一角を担う。

 装甲を削ったが、IS3の時点で過剰装甲であり、低軌道の原因となり、むしろ削って機動力をアップした分バランスがとれた。

 そのため、センチュリオンと並びMBT第一世代の一両とされる。

 戦後は共産陣営を中心に輸出され、ソ連でも触発されてT55の開発に影響を与えたとされる。


 ヨーロッパ平原ほど平坦地ではなく、低すぎることもあり、車高が高くなった。

 そのため砲弾の保管場所を砲塔内に改めるなどの改良がされた。

 当初は敵に見つかりやすい点が嫌われていた。

 だが、他のソ連戦車のように砲弾の上を駆け回るあるいは座ることがなく、誘爆した際に生存率が高く、機動力が高いため、迅速に回避する事も可能なため、次第に好まれるようになった。


全長 9m

車体長 6.5m

全幅 3.2m

全高 2.8m

速度 40km/h

重量 40t

航続距離 250km

主砲 100mm戦車砲


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https://kakuyomu.jp/works/16816927862106283813/episodes/16818093076257141737

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