旭日旗の元に コラム

戦後の信濃

　戦後、信濃は第一機動艦隊所属のため、大きな損害を受けず、終戦時稼働可能な艦船の一隻であった。

　その巨体から、収容能力が大きく、終戦後から武装を解除し南方から引き揚げ者の収容を行う。

　しかし燃費の悪さからクロスロード作戦への参加、標的艦の一隻となることが決定する。

　だが、ソ連と東側の海軍増強、米海軍の縮小により、東側海軍との差が縮小した事に危機感を抱いたニミッツが旧日本海軍を活用することを決定。

　多数の艦艇を運用する事とした。

　特に信濃は防御力に優れる艦として最優先で改装が決定。

　横須賀で改装が行われた。

　改装の内容は主にアメリカ製の装備への入れ替え。

　五インチ連装両用砲、四〇ミリボフォース砲や最新の対空レーダー、航空管制を担うCDCなどを設置。

　特にアメリカで実戦証明されたCDCの設置は、航空戦の指揮のほか、航空機を使った艦隊指揮に多大な貢献をもたらした。

　優れた感に生まれ変わった信濃は極東における有力な艦の一隻となり、新生日本軍の中核を担うこととなる。

　それでも日本軍の解体を進めるべしと言う声はアメリカ本土で強かった。

　反対意見を躱すために、信濃は新技術のテストヘッドとしても活用され大規模改装を受けた。。

　ハリケーンバウへの変更、アングルドデッキ、サイドエレベーター、最新型のカタパルトなどが装備され実験される。

　今でこそ空母の標準装備だが当初は、最新装備のため失敗の危険が非常に大きく、最悪の場合、欠陥空母として生涯を終えていた可能性が高い。

　しかし注ぎ込まれた技術は全て良く、信濃が近代空母として活躍できる基板を作った。

　甲板は張り出しが設けられ、最大幅は倍近くに伸び、格納庫も広くなった。

　また搭載機数は折りたたみ機能が優れたアメリカ製艦載機と甲板への駐機によって戦中よりも大幅に増加。

　極東戦争中の定数は一五〇機だがそれでも余裕があり最大で二〇〇機を搭載できるとされ、信濃の存在感を大きな物にした。

　空軍創設によりユナイテッド･ステーツが起工直後に建造中止になったことや、数少なくなった装甲空母ミッドウェー級が大西洋へ優先配備された事により、海軍戦力が不足する東アジアの国連軍の中核として信濃の担う役割は重くなった。

　海上警備隊誕生後は、所属が移り、航空支援警備艦として参戦。

　期待通りの活躍を示した。

　姉妹艦も同様の改造が行われ、国連軍の主力として活躍する。

　排水量の割に搭載数がミッドウェー級と同等で非効率と言われたが、防御力は圧倒的で、信頼される洋上の航空要塞として中核となる。

　ただ、技術者達は予算がないため、不十分な改造に留まった事に不満を抱いており、更なる改造を、今回の改装での失敗部分の改修を含めて新たな改装提案を出している。

基準排水量 65,000トン

満載排水量 75,000トン

全長 　　266.0m

最大幅 38.90m

水線幅 36.30m

飛行甲板 256.00 x 78.00m

エレベーター3基

吃水 10.312m

ボイラー ロ号艦本式缶(空気余熱器付)12基

主機 艦本式タービン(高低圧2組)4基

推進 4軸[x 225rpm、直径5.100m

出力 150,000hp

速力 27.0ノット

燃料 8,900トン(満載)

航続距離 10,000カイリ / 18ノット

乗員 2,400名

艦載機　150機（通常時、機種によって変わる。また艦載機確保の目算が立たず編成定数が定まっていなかったこともあり、暫定値である）

兵装 5インチ連装両用8基16門

　　　　ボフォース四連装対空砲16基72門

　　　　エリコン単装20ミリ機関砲48門

装甲 飛行甲板 20mmDS+75mmCNC鋼

舷側 160-270mmNVNC鋼(傾斜20度)

甲板 190mmNVNC鋼

軽質油タンク舷側25mmDS鋼2枚、同甲板25mmDS+70mm鋼

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