特殊攻撃機 桜花

桜花


 太田特務少尉が考案した特攻専用機。

 マリアナ諸島を奪われた戦局悪化を受けて、起死回生の策として考案した。

 当初滑空、突入時の推進力買う保養にロケットモーターのみを設けた一一型で実戦投入する予定だった。

 だが佐久田参謀の指摘、米軍のピケットラインを突破出来なければ意味が無い、という意見具申により一旦は不採用となった。

 しかし、太田と組む少尉は改善点と認識し、桜花の改造を開始。

 爆弾の量を減らし、機体後部に無人飛行爆弾梅花で使われていたパルスジェットを搭載 し航続距離の増大を図った。

 投下時のエンジン始動に問題があったが、投下後ロケットモーターを使い加速することでエンジンの起動速度、空気圧縮を得られるように改良。

 エンジン始動の目処が付き、航続距離は大幅に改善。

 二〇〇キロの航続距離を発揮し一五〇キロの射程を得た。

 五〇キロ少ないのは、敵機からの回避行動や敵艦が回避をおこなった時、追随するため余分に航続距離を設けたためである。

 更に突入用にロケットモーターを機体の上部、下部の左右に箇所に装備。最終突入速度は時速千キロを超え米空母を一撃で大破させられると考えられていた。

 運用部隊として迅雷部隊を編成し、桜花とその母機一式陸攻、護衛の戦闘機隊で構成される。

 母機には三式陸攻や連山の投入が検討されたが、三式陸攻は防弾装備が重く、桜花を搭載した場合、離陸も困難となるため不採用。

 連山は搭載は可能だが大型機のため生産数が少なく、高空酸素魚雷を使った作戦がとれるため、却下された。(ただし、現場の指揮官が特攻に反対する意見を持っていたため、有形無形に拒否したことが戦後明らかになっている)

 神雷部隊は第五航空艦隊に編入され、大和の沖縄突入作戦の時に初の実戦投入がなされた。

 来たるべき本土決戦に備え、量産が進んでおり、海上だけでなく、陸上からも発進が予定されていた。

 艦艇への装備は進んでいたが、地上配備は機体の数が足りず、また設備が整わなかった事もあり、発射の記録は無い。

 沖縄の場合は地上設備の建設が終わる前に米軍侵攻があり、実戦使用は無かった。


 開発中から有用性、速度と爆弾搭載量、最後まで人間が操縦する事による高い命中率が見込まれており、派生型が計画された。

 更に機体を軽量化して銀河への搭載を計画した三二型――炸薬量が少ないため、前衛のピケット艦を狙う事が計画された。

 また橘花のネ20エンジンを搭載した四三型が計画される。

 だがネ20の生産余力がないため、橘花を優先したため生産は少数に留まった。




諸元


桜花二二型

全長 6メートル

全幅 5メートル

全高 1メートル

駆動方式 パルスジェットエンジン一基

発進用ロケットモーター二基

加速用ロケットモーター三基

静止推進力 パルスジェットエンジン 300kg

ロケットモーター(発進用、加速用共に同じ)一基あたり800kg

全重量 2.41t

制限速度 1100km/h

航続距離 200km

母機 一式陸攻


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https://kakuyomu.jp/works/16816927862106283813/episodes/16817330660204149083

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