10年ぶりの再会-2

 同窓会から3週間ほど経った頃だった。携帯からメッセージの着信を知らせる音が鳴る。確認してみると翔からのメッセージだった。


 『おもしろいものを見つけたからちょっと見てくれ』というメッセージとともにURLが送られてきている。早速送られてきたURLを開いてみると、旅行日記のようなブログだった。いや、正確に言うとブログのようなサイトだった。


 そのサイトにはとても見覚えがあった。10年前に流行った怖いサイトの一つだ。

10年前の記憶を思い出しながらサイトをスクロールしていく。そのサイトは一見ただの旅行日記であいだあいだに女の人が映った風景写真もある。しかし、読み進めていくとあるところで文章が途切れ画面が動かなくなる。途切れていた文が少しずつ打ち込まれていくと画面が上にスクロールされ女性の叫び声と共に心霊写真のような女性の顔が画面いっぱいに出てくるというものだ。


 当時はSNSもそこまで発達していなかったため、そのサイトを知った誰かが別の人に教え、その教えられた人がまた別の人に教え…とまるで呪いのメールのように広がっていったのである。俺と翔も休み時間に一緒に見ていたな、と思い出しながら翔に返事をする。


 『懐かしいな、久しぶりに見るとやっぱりびっくりするわ』

『なんか感じなかったか?』翔からの返事は予想していたものとは違った。どうやらただの懐かしさだけで送ってきたわけではないようだ。

『なんかって?懐かしいなとかか?』

『いや、違和感を感じる点がいくつかあるんだよ』

『違和感?たとえば?』

『まず、サイトが当時のものではないんだ』 

そう言われて確認すると、たしかにこのサイトは3年前に開設されていた。

『でもそれは前のサイトのサーバー切れとかかもしれないだろ』

『たしかにそうかもしれない、でもそれだけじゃないんだ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

呪われたサイトの行方 芋でんぷん @imodenpun

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る