第7話 天才治癒師は土下座する

ちょっと見た目変わってるってどれくらい変わったのですか!?

もしかして今以上に不細工になったりして無いでしょうね!!

今世ではちゃんと卒業したいんですよ僕!!


『大丈夫〜大丈夫やで。凄く見た目が変化したって訳や無いから。元のアスクくんもそんな不細工やあらへんやん。』


そんな事ないんです!!

僕はいつもいつも父上や義弟に馬鹿にされるし、また歩けば女の人にクスクス笑われるし…陰キャ全開な見た目なのです…


『んー?雰囲気は隠キャやけど顔はそうでもないで?もし君が不細工なら双子の妹のエリスちゃんは何故あんな美少女なん?』


エリスに御母様の良い所を全部持っていかれたから僕は不細工なのです…


『そんな事あらへんけどなぁー?アスクくんもエリスちゃんもお母さんに似て美形やと思うんやけどなぁ、まぁ、ええけど。ちょっと髪色が変わったぐらいやで?後はお楽しみに〜☆』


え、あの真っ黒な髪色が変わったんですか!!

隠キャ度を増すあの黒髪から脱出出来たとか神様ありがとうございます!!

ちょっと目覚めるの楽しみになってきた〜

ってか聴き忘れてたんですけど、僕のスキルと固有魔法ってなんなんですか?

どうやってすれば使えるんですか?


『教えてあげたいのは山々やけどそろそろ時間やわー目覚めてからのお楽しみに☆でも、どうしてもわからん事あったら俺の教会においでー祈ってくれたらまた神界まで飛ばしてお話聞いたるわ。ってな訳でばいはーい!!』



え、えぇぇぇぇ!!!

まだ聞きたいことがいっぱいあるんですけどー!!!!



そんな僕は急に視界が暗くなってまた意識を無くす。



『今度は私を助けてね健太郎…』



誰?

また神様の悪戯?

今度は女性の声が聴こえた。

誰かは分からない…

でも、何処か懐かしい優しい声…

貴女は誰ですか?


『私の名前は…………』


え、聞こえない…もう一度お願いします。

ねえ、貴女は誰ですか?

僕の事を知ってるんですか?

どうやったら貴女を救えますか?

ねぇ、教えてくださいよ…


「ねぇっ!!」

「きゃーっ!!変態っ!!!」

「へっ?」


ーばちこーん!!!ー


とてつもなく綺麗なビンタの音が響き渡った…


さっきのは夢で今は現実世界に戻って来たと言う事ですか…


そして、僕は見知らぬ場所で見知らぬ女性の手首を掴んで、いきなり話しかけて来たから変態扱いされた訳ですね。


うわ、きんもー僕。


と言う事で僕が今一番しなきゃいけない事は…


「いきなりすみませんでしたぁぁぁぁあ!!!」


見知らぬ女性に綺麗な土下座を決めました!

土下座からゆっくり顔を上げるとそこには可愛いネコさんマークの付いたパンツを履いた女性が顔を真っ赤にして涙目で睨んできました。


あ、やらかした…


ーばちこーん!!ー


僕はもう一度綺麗な音のなるビンタをくらいもう一度意識を手放しました。

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天才治癒師は世界を翔ける @poiful7nanase

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