第67話 皇帝、始めました
袁術が皇帝を自称した。
国号を『
まず大将軍が任命された。
まさかのダブル大将軍で世間をあっと驚かせた。
「血迷ったか! 袁術!」
王允が激怒した。
袁術を逆賊呼ばわりして賞金首にしてしまった。
呂布は淡々としていた。
むしろ腹を立てているのは高順や張遼で、
「殿を張勲や橋蕤のような男と同列にするな!」
といって兵士らの気持ちを代弁した。
袁術から劉協宛の書簡が送られてきた。
その中で袁術は自分の国を『兄』、漢王朝を『弟』と呼んだ。
『司隷、并州、涼州、あと袁紹の領地をやるから、それ以外は朕がもらう。兄弟で天下を二分しよう』という内容だった。
これには呂布も我慢の限界だった。
「なあ、青。袁術の要求は本気だと思うか? それとも単なる挑発か?」
「残念ながら本気でしょう。現実と妄想の区別ができないのが、袁術の才能であり一番怖いところです」
「ふむ、バカにつける薬はないな」
袁術の暴走を他の諸侯らも非難した。
袁紹、曹操、劉表はクレームの書簡を送ったし、孫策も絶縁状を叩きつけて独立した。
とうとう長安から大軍が出発した。
第一軍:呂布(部将に高順、張遼)
第二軍:樊稠
第三軍:徐栄
第四軍:華雄
第五軍:胡軫
第六軍:徐晃
第七軍:馬超
総勢で十六万。
劉協の時代になって以降、最大の戦力だった。
兵糧の一部を劉表が負担してくれることになった。
また水軍を動かして背後からプレッシャーをかけてもらった。
孫策は呉郡太守となり三万の軍勢を集めた。
こちらは西から袁術の本拠地・寿春を目指した。
袁術軍の陣容も分かった。
第一軍:張勲
第二軍:
第三軍:
第四軍:
第五軍:
第六軍:
第七軍:橋蕤
総勢で十七万。
数こそ多いが無理やり徴兵してきた農民が多い、と順風隊から報告があった。
ちなみに呂青は参戦していない。
袁紹への牽制として兵一万を率いて并州へ向かった。
同じく曹操への牽制として李粛が、劉焉への牽制として張済が動いた。
皇帝 vs 皇帝。
偽帝だろうが広い意味では皇帝である。
一個の戦場に三名の大将軍が出てくるという空前絶後の大々々イベントが起ころうとしていた。
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