うっかり女神の転生ミスで冥界送りとなったスキル開発部スタッフの手記
帝国妖異対策局
第1話 松田史晴の日誌
天上歴■■■■■年■■月■日、勇者派遣神会社 第■惑星支社のスキル開発部で松田は意識を失って倒れた。神医療診断の結果、彼は過労による脳疾患が認められ、そのまま
以下の日記は、彼のデスク上に置かれていた手帳に記されていた個人日誌の抜粋である。本抜粋を含めた報告書が同支社の上層部に提出されたことにより、ようやくスキル開発部の現状が認識されるに至った。
―― 同支社スキル開発部部長 家路小石
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以下、松田史晴の日誌抜粋
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天上歴■■■■■年3月10日
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今日、エンジェル・キモオタから【例のスキル】についての要求仕様書が提出された。内容はありえないくらい無茶なものだったけれど、キモオタさんのスキルに傾ける情熱は半端じゃない。おれはその意気に応えたい。
チート系スキルの開発は数えきれないくらいやってきたし、最近ではどれもこれも似たようなものばかりで飽きが来ていた。正直、キモオタさんのこれには参ったとしか言えない。スケジュールは厳しいが、きっとおれの手で実現してみせる!
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天上歴■■■■■年3月28日
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ゴンドワルナ担当の女神様が転生でポカをやらかしたらしい。頼むから、このクソ忙しいときに余計な仕事を増やしてくれるなよ。
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天上歴■■■■■年4月22日
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どうしてうちは新たに人を雇い入れしないんだよ! 人員が足りない! 単純に人手が足りねぇ! おれの代わりにトイレで[
勇者や転生者共にしても、どいつもこいつも楽することばっかり考えやがって! なんでもかんでもスキルに頼るなよ! 頼ってもいいけど、こっちにクレームが入るようなことすんじゃねぇ! スキル頼みじゃなく、ちったぁ自分で工夫して、とにかくおれたちの仕事増やすなよ!
レベルアップ加速系とかステータス上昇系のチートスキルなんざ、新人のスキルプログラマーだって出来るっつーの! 新人さえ入れてくれりゃ、一か月で使い物になるようにしてみせるわ!
いや、そんな時間なかったわ!
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天上歴■■■■■年8月3日
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もう数か月家に帰ってない。最後に家を出るとき、洗面所の蛇口閉め忘れたかもしんなくて気になってるんだけど……まぁ、いいか……。
今日も、勇者からスキルについてクレームが入っていたらしい。
死ねっ!
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天上歴■■■■■年9月10日
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なんか支援精霊のココロさんが担当している
おれもおすそ分けしてもらった。
めっちゃ美味かった。
あんまりにも美味かったのでおれは声を上げて泣いてしまった。スキル開発部のみんなもおいおい泣いてた。
スケジュールはキツイが何とかお礼をしたいと思ったので、おれは簡易なプラグインスクリプトを組んだ。喜んでくれるといいのだが……。
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天上歴■■■■■年■月1日
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いつも差し入れをしてくれる田中様が妖異に【例のスキル】を使ったところ1度で転換できなかったらしい。確かに妖異相手じゃ完璧な対応は難しい。しかし、妖異を次元の外に飛ばすことに特化すれば、最悪OSから書き換えていけば何とかできるかもしれない。
その話を部長にしたら、日頃からお世話になっている田中様のためだということで、妖異撃退システムの開発プロジェクトを立ち上げることになった。スキル開発部全員が、それぞれギリギリのスケジュールの合間を縫って携わってくれることになった。
やるぜ!
今日も家には帰れないけど、サウナでリフレッシュできれば十分だ! いあ! いあ! 田中様! 素晴らしいスキルアップグレードをプレゼントしますよ!
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天上歴■■■■■年■月5日
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できた。
せかいがへいわでありますよに
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補遺
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天上歴■■■■■年■月5日の日記を最後に松田の筆は止まっている。その翌週、彼は
彼の穴を埋めるために急遽、新人が一人雇用された。スキル開発部の現状を認識したうえでの対策がこの新人一人というのが
まぁ、新人は元気いっぱいだ。元気なうちに最低限の技術を仕込んでおこう。
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~ 新人初日の挨拶 ~
「チース! 今日からこのスキル開発部でお世話になります。元勇者の
「「「「「地獄へようこそ!」」」」」
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~ 関連話 ~
異世界転生ハーレムプラン ~ 最強のスキルが【幼女化】ってマジですか?~
第79話 勇者 vs 悪魔勇者
https://kakuyomu.jp/my/works/16816927860409109640/episodes/16816927861808322524
うっかり女神の転生ミスで冥界送りとなったスキル開発部スタッフの手記 帝国妖異対策局 @teikokuyouitaisakukyoku
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