枠連は5枠ボックスで買え

単話 日記というより自分への言い聞かせでは？

　15時43分。

　私は頭を抱えていた。

　理由は単純。

　馬券を外したからだ。

　珍しく前日深夜の予想番組も観て(というのも海外競馬中継があったからだが)、普段はほぼほぼ自己判断だけだったところ、番組出演者たちの考え方を聞いてしっかり選択肢を纏めた。その上で毎週の使用金額の上限を1000円にするマイルールを守って馬券を買うことにした。

　その内訳としては今をときめく注目の名古屋走りお嬢様への応援として単勝と複勝、そしてその馬も含まれる枠連ボックスを4枠分で600円。馬券を買ってる人じゃないとわからない単語が出てきたが説明は正直に言って億劫なので各自で調べてくれ。

　まぁ兎も角馬券をインターネットで買って(買い方の説明は以下略)、いざレース開始を待つ。今年に入ってからは初めてとなるファンファーレが高らかに響き渡り、選ばれしサラブレッドとそれを導く騎手たちがゲートに納められ、

　スタート。

そして道中の展開なんてものは観ててもそんなにわからない程度の甘ちゃんに馬たちが駆ける姿を文字に起こす能力は無く。

　冒頭に戻る。

　馬券は外れた。

　名古屋走りお嬢様は惜しいところだったが馬券には絡まなかった、これは仕方ないからもういい。一着馬の枠は買っていた、予想番組でも競馬好き芸人が挙げておりそれを参考にして組み込んだのが当たった形だ。だが2着馬、この馬の枠番を買っていない。

枠連は1着と2着の枠番を当てなければならない、故に600円の枠連ボックスは全てがチャラだ。外れたのである。使った800円はJRAと馬券を当てた人の元へ流れていった。

　そして終わってからの恒例行事、馬券を外した事への後悔である。勝利馬と勝利騎手や陣営にとっては悲願の勝利である。それをとやかく言う筋合いは一切なく、むしろ勝利ジョッキーインタビューで見せた男泣きの姿にはこちらにも感じられるものがあった。

それはそれとして、である。そして今回についてはその後悔が大きかった。

そう、予想番組から取ったメモに入れていた馬がいる枠を買っていなかったのである、そしてよりにもよってその枠の馬が2着に突っ込んだのである。なんなら3着もであるが、生憎と三連単に手を出すほど競馬沼に肩まで浸かっている訳ではないのでここでは気にしない(流石に百万馬券であることには驚いたが)。

　メモにあった馬を買っていない、直前にインターネットから馬券を購入するときには忘れていたという大ポカによって、自分は数十倍の払戻金を得る絶好の機会を逃したのである。これには流石に頭を抱えた。使用金額からもわかる通り、馬券の当たり外れが生活に直結するような馬鹿な真似はしていないが、それでも当てようと努力はしている。その中で着実に馬券を当てられる状況下で、凡ミスによって金をドブに捨てたに等しいというのは、己が秘めるギャンブラー心理からすれば慟哭モノである。今までにも散々に買おうと思えば買えた馬券を買わなかったことで当たりを逃したことはあるが、そういうものは自力で考えた上で切ったら当たった、というものばかり。己の予想が外れたのであるから仕方がないと諦めがつくものである。しかし今回ばかりは寝る前にメモをして買うつもりでいたのである。それをみすみす忘れた結果こうなるというのは流石に自分自身に呆れて、「アホ～～～！！！」と頭を抱えて声を絞り出すしかなかった。

　枠連ボックスというのは絡める枠数に応じて枚数が増える。4枠ボックスなら6枚、5枠ボックスなら10枚、6枠ボックスなら15枚。上位人気で決着がつけば配当はなかなか10倍を上回らない(1枚100円で購入した時の払戻金が1000円を越えない)ので、収支プラス狙いではあまりよろしくない買い方ではある。しかし1回1000円の使い方で500円ほど返ってくれば御の字のような考え方でいるならば、馬番でワイドの選択に頭を悩ませるよりも選択肢を少なく済ませることが出来るので楽である。確かに8枠あるうちの5枠なので他の3枠が絡んだら全てボツになるし、なんなら1枠あたり1〜3頭の馬がいる以上同じ枠番でワンツーフィニッシュする時もある(所謂ゾロ目決着である)。しかしゾロ目決着の可能性がある時は別途で買っておいたり(5枠ボックスに追加すると1000円を越えてしまうが)、外れたら流石に想定外の大穴を開けられたことになるので諦めがつきやすい。

　ということで、今回の4枠ボックスで外した反省を踏まえ、自分自身を含むカジュアルに枠連を買う人たちへの教訓とする。

　枠連は5枠ボックスで買え。

　来週のレースの馬番・枠番が確定したら、また次の枠連を考えよう。