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過去編・SS & アンケート結果

ゆりちゃんと洗濯もの

※この記事には『神木さんちのお兄ちゃん!』のネタバレがあります。


***


皆様、こんにちは~


今日は、Twitterでやっていたアンケートの結果が出ましたので、それについての雑談です。


https://twitter.com/yukizakuraxxx/status/1519492667717357568?s=21&t=BaEIcxNmmeyNz7cFffiJ9g



Q.私が書いた歴代の過去編の中で、好きなのはどれですか?


というアンケート。で、結果は


転校生と黄昏時の悪魔   3票

死と絶望の果て      1票

偏愛と崩壊のカタルシス  3票

情愛と幸福のノスタルジア 4票

始と終のリベレーション  2票

恋と別れのリグレット   3票

復讐と愛執のセレナーデ  2票

選べない         4票


となりまして『ノスタルジア編』と『選べない』が同数でした。


まずは、投票してくださった皆様、ありがとうございます。


皆さんが、どんな鬱展開をお好みなのか、興味本位で始めましたが『ノスタルジア編』は、ゆりと侑斗の馴れ初めを書いた過去編でした。


一番幸せな過去編だからか、ある意味、一番人気なことに納得しました(やっぱり幸せなのがいいよね!笑)


でも、この後『死と絶望の果て編』に入って、むちゃくちゃ落としたんですよね…飛鳥が霊安室で呆然としてるシーンとか、泣きながら書いた記憶が…


ゆりが、亡くなるのは分かっていたこととはいえ、超ド級の鬱展開だったと思います。本当に、あげて落としまくって、当時は、すみませんでした(土下座)


でも、そんな『死と絶望の果て編』にも1票入ってまして、過去編全てに票が入ったのが、すごく嬉しかったです。


本当に、過去編って、いつも胃を痛めたながら書いているので、報われた気分です…


ありがとうございます。



***


さて、せっかくアンケートとって、作者だけ満足してもアレなので、カタルシス~ノスタルジア編の裏話を少々。


この辺りを書いていたのは、2017年の話でした。もうかなり昔ですね。


しかも8月の暑い頃で、真夏に真冬の話を公開していて、かなり季節感がバグってたのが、いい思い出です。


また、このカタルシス編~の目玉は、やっぱり主人公・飛鳥の過去が明らかになる事でした。


そして、その際に一番重要だったのが、ゆりの存在。


それまで、ずっと伏せてきた双子の母親が明らかになるわけだし、無駄に力も入って、ヤバいスランプにも突入してました(笑)


で、今回は、そのゆりのキャラ設定についての裏話です。


実は、なにかと女子高生のイメージが強いゆりですが、最初考えていた設定は、女子高生ではありませんでした。


なんと、だったんです(暴露)


これは、飛鳥が保育士を目指していたことから保育士にしようと思っていて、年齢も18歳ではなく、22~24歳くらいのつもりでいました。


でも、なんとなくその設定を、急に女子高生に変えたくなった。


理由は、18から!


どんな理由だ!って感じですが…… なんか飛鳥が出会った時の二人の年齢を同じにしたくなりました。


あかりとゆりは、度々『似てる』と言及されてきましたが、ただ笑った顔や雰囲気が似てるだけだと、ちょっと弱い気がしたので、いっそ年齢も同じにするかと。


だから、飛鳥が4歳の時に初めて会ったゆりの年齢と、飛鳥が20歳の時に初めて会ったあかりの年齢は、どちらも18歳。


そして、二人とも、寒い冬の2月に出会ってたりします。


この、ゆりの女子高生設定は、飛鳥が、あかりとゆりをダブらせる要因を、少しでも増やそうとした結果でした。


ただ、そうなると、また別の問題も出てくるわけです。


そう、パパが女子高生に手を出してしまう!!笑


これはヤバイ!流石に主人公の父親に犯罪を犯させる訳にはいかない!


でも、飛鳥と双子の年齢差を5歳差にした時点で、二人がスピード結婚するのは決まってる!(変えられない設定)


さぁ、どうしよう!!困った!


で、ゆりの誕生日を少し早めて、早く19歳になってくれ!と祈った!(うん、祈っただけ!)


なんでしょうね。不思議と女子高生にしようとしたら、意外とすんなりピースがハマったんです。


むしろ、保育士設定にして、私はどう侑斗と恋愛させる気だったのか??


今となっては、謎です(笑)


ただ、手は出してないけど、女子高生の時点で、家に入れて同居はしてるので、ギリギリアウトなのかな?(今の常識だと)


でも16年も前の話だし、飛鳥もいるし、2人きりじゃないし、侑斗が好きを自覚するのも、1回ゆりがマンションを出てからだし、ゆりの家庭の事情とかもあったし、まぁ、大丈夫だろうと押し通しました。ここで見捨てる方が、どうかしてるよね?(言い張る)


そんなわけで、ギャルな女子高生とバツイチ子持ち男の恋愛話がスタートしたわけですが、今思えば、保育士より女子高生の方がインパクトがあるから、こちらで正解だったんでしょうね。


いいな~、12歳も年下の若妻!


まぁ、離婚したてなのに、子持ちでスピード結婚できた侑斗も凄いですけどね(笑)


というわけで、創作時の裏話でした。


あと、せっかくノスタルジア編が1番票を頂いたので、侑斗パパとゆりちゃんのちょっとしたSSをオマケとして公開しときます。


ここまで読んでくださった方へのちょっとしたお礼です。本当に、舞台裏まで覗いて下さり、ありがとうございます。


では、お話は、ノスタルジア編 第130話(https://kakuyomu.jp/works/1177354054888822143/episodes/1177354054897835198)ゆりが退院して、同居を始めた、次の日の朝のお話です。


少しでも楽しんで頂けたら♡










『ゆりちゃんと洗濯もの』



 それは、寒い2月の頃──


 退院したゆりを、侑斗がマンションで預かることになった次の日の朝のこと。


 寝不足のまま目を覚ました侑斗は、大きく欠伸をしながら、洗面所に向かっていた。


(ふぁぁ~、洗濯物、今日から3人分かぁ…)


 少し前までは、1人分だった洗濯物が、飛鳥が増え、ゆりが増えと、一気に3人分になった。


 量が増えれば、その分重いし、時間もかかる。だが、こうなったからには泣きごとは言ってられない。


 侑斗は、多少憂鬱になりながらも、洗面所に向かう。すると、そこには、昨日来たばかりのがいた。


「あ。お兄さん、おはよう~」


 洗濯機から衣類を取り出しながら、ゆりが、にっこりと清々しい笑顔を向けて侑斗に挨拶をする。


 その愛らしい姿を見れば、憂鬱な気分も少し吹っ飛んだ。


 正直、ゆりの笑顔は、このむさ苦しい男だけの家の中では、まさに花のようだった(いや、うちのも、十分、花ではあるのだけど…)


「おはよう、ゆりちゃん。早いね。まだ、寝ててよかったのに」


「寝ててよかったって……朝ごはんの準備しなきゃいけないし、その前に洗濯もの干しとこうと思って」


「え!? いやいや、いいよ。洗濯物は俺が干すし!」


「何言ってんの。昨日、料理や洗濯などの家事全般と夜のご奉仕は、私がするっていったばっかりじゃん!」


「いや待て! 夜のご奉仕は頼んでないから!!」


 なんで、そこだけ抜けてないんだ!?

 大体、ご奉仕なんてさせたら、確実に俺は犯罪者だ!!


「とにかく、洗濯ものは俺が干すから。3人分もあれば重いし、傷口に響くかもしれないだろ」


「そ……それは、そうかもしれないけど」


 ミサに刺された腹部を見つめながら、侑斗がそういえば、ゆりは、ほんのり頬を染めて俯いた。


 居候とはいえ、ゆりはまだ病み上がりだ。

 無理はさせられない。


 そう思うと、侑斗は更に追い打ちをかける。


「それに、ゆりちゃんまだ若いし、男物の下着を干すのには抵抗があるだろ」


「そ、それは……でも、そんなこといったら、お兄さんだって、私の下着を見たり、触ったりするのには抵抗が」


「あー、俺は大丈夫だよ。女物の下着なんてし、下着なんて見ても、なんとも思わないないから」


「…………」


 だが、その瞬間、赤らんでいたゆりの顔が、一気に真顔になった。そして、その後、にっこり笑ったゆりは


「へ~そうなんだー。さっすがバツイチ子持ち。これまで、さぞかし、たくさんの女を泣かせてきたんでしょうねぇー! イケメンって、マジサイテー!」


「え!? ちょっと待って、いきなりなに!?」


「いえいえ、別にー! お兄さんは、どうぞそのままでいてください。そして、いつかハゲろ!」


「ちょっと待って、なんで怒ってるの!? 俺、なんか変なこと言った!?」


 いきなりご機嫌斜めになったゆりを見て、侑斗が慌てふためく。


 にっこり笑顔を浮かべてはいるが、心が笑っていないのは、よくわかる!


 だが、何がダメだったんだ!?


(もしかして、子供の下着なんて言ったのがダメだったのか? でも子供の下着だし……それとも、見なれてるなんて言ったのがダメだった?)


 もしや、見慣れるほど、女を取っかえ引っ変え弄んできたゲス野郎だとでも思われたのか?


 いや、でもバツイチだし!

 結婚してたわけだし!


 女(妻)の下着くらい見慣れるものだろ!?


 わからない!!

 女子高生の考えてることが、何一つわからない!!


「とにかく。洗濯ものは私が干すから!」


「……!」


 すると、衣類の入ったカゴを抱き抱えながら、ゆりが、ズイッと侑斗に顔を近づけてきた。心做しか距離が近づけは、ちょっとだけ戸惑う。


「で、でも」


「大丈夫だよ。重たい時は2回に分けて運ぶし。それと、今日から私が飛鳥と寝るから!」


「え?」


「だって、お兄さん、目の下にクマできてるし。どうせ夕べも飛鳥が夜泣きして、あまり眠れなかったんでしょ?」


「っ……それは」


「やっぱり。お仕事もあるんだから、無理しちゃダメだよ。ぶっ倒れたらどうすんの? だから、私がいる間は、いっぱい甘えてね。私だって、お兄さんの役に立ちたいんだから」


「……っ」


 ふわりと笑ったゆりの声は、やたらと心地よくて、なんだか妙に心が安らいだ。


 だが、そう言って、洗面所から去っていくゆりを見つめながら


「甘えてって……っ」


 30のオッサンが、12歳も年下の女の子に??

 そんなの──


「ありえないだろ」


 だが、この時は、ありえないと思っていた12歳も年下の女の子に、その後、がっつり心を鷲掴みにされてしまうなんて


 ──この時の侑斗は、知る由もなかった。




《オマケのオマケ》


「ねぇ、ゆりさん! 俺、今日は、ゆりさんと一緒に寝るんでしょ!」


「そうだよ、飛鳥~。今夜は布団の中で、いっぱいイチャイチャしようね~♡」


「いちゃいちゃ? いちゃいちゃって、どんなことするの?」


「んーとねー」


「ちょ、ちょっと、ゆりちゃん!? 本当に大丈夫!?」


「え? お兄さん、なに慌ててんの? いくらなんでも、14歳も年下の幼児に手出したりしないよー」


「いや、そうだけど! でも、飛鳥の美貌は幼児だからって侮ってはいけないからね! てか、ホントに何する気!? 俺、心配でしかたないんだけど!?」


「お兄さん、って言われない?」


「言われないよ!」


 そんなこんなで、ゆりが来てから、何かとハラハラする侑斗だった。



 END.





閲覧、ありがとうございました。

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