夢日記

ゆーにゃん

日記に描く黒い列車の正体

 それは小学生の頃だった。曾祖母が亡くなり、葬式に参列したのは。初めてだった。何も分からず親

の言う通りに、黒い服に身を包み。親戚が一同に集まったのを見たのも。

 人が死ぬと、こんなにも人が集まって静かで息苦しさを感じる。僕は何も喋ることなく、親の言う通りにして大人しくして葬式が終わった。


 その年の夏、夏休みの宿題に日記帳が出た。何を描けばいいのか分からない。そんな日の夜に、不思議な夢を見た。

 真夜中に人知れず走る黒一色の列車だ。車掌さんは、大柄で男の人なのか女の人なのかも分からない。大きい人だから男の人なのかな、と思ったけど顔も見えないから、僕には判断できない。


 その夢は、毎日のように見るようになった。知らない人を列車に乗せて、街を走るけど次第に空を走っていく。

 列車は宇宙を走って、その次はマグマへ近づいていく。その中に列車は入っていき、列車がマグマを通り過ぎると車内にいた人達はみんないなくなっていた。

 最初は理解出来なかったけど、いつしか黒い列車に乗る人達はみんな死んだ人なんだと理解できるように。


 マグマはきっと、火葬なんだと僕はそう思った。


 そんな夢を、僕は日記に描いていく。黒い列車、列車に乗る人達、性別が分からない車掌さん。

 毎日、見る夢を日記に描いてページを埋め、学校が始まった時に提出。

 先生から、色々と聞かれたけど上手く答えられない。だって、これは僕が夢に出てきたものを描いただけ。

 どうして、こんな夢を見るのかも僕には分からない。


 そんな不思議な夢と夏休みを過ごした。


 それから、大人になって僕は知る。


 あの夢に出てきた黒一色の列車と車掌は、実際に存在し噂になっていたということ。

 真夜中に人知れず走る列車。

 死者を、あの世へと誘い連れて行く、僕が夢に見て描いたもにが現実になり今日も死者の下へと列車を走らせ、銀河を見せマグマの中へ魂を焼き、また死者を捜し真夜中に走る列車を――。

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夢日記 ゆーにゃん @ykak-1012

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