この短編物語の主人公は健気な可愛い子猫で、いつも食べ物を持って来てくれるバーテンダーの高城という男性に恋をする場面から始まります。
その子猫は、そこからとある女性と出会い、一時的に人間の女性へ変身できる魔法をかけてもらうのですが、その淡く儚い結末に思わずうるっと涙。
けれども決してバッドエンドではなく、最初から最後までのストーリーを暖かく優しく包んでくれるような素晴らしいラストでした。
この美しい物語を何度でも読んでしまいたいと思えるほどに、子猫と高城との幸せなやりとりをずっと見つめていたい、そんな心温まる展開になっています。
短編という制限の中なのに、子猫もそりゃ惚れるわ、と納得の高城さんがそこにいます。たまらんですね、人間の私なんてもういちころすぎるでしょうね。惚れるしかないわ……
魅力あふれる登場人物達と、この暖かく切ない不思議な恋の物語に、ぜひ皆さまにも触れていただきたいなと思います。