第2話

 痛ってぇ…何だこれ、背中がくっそ痛いんだが。あと下半身がくっそ冷たい、え?俺水に浸かってたりするの?

 何とか腕を突っ張って身体を起こしてみる…けどイタタタタ痛い痛い!うぉぉぉよく見ると身体があったところ血溜まりィ!


 ふぅ、何とか腰掛けることが出来た。俺今までうつ伏せで泉の中に下半身浸かったまま伸びてたっぽい、少し自分が居た周りの水が薄ピンク色になってました。

 神様この死にかけというか魂が死んだ肉体って言ってたから死んでたのか?まぁ、この肉体を選んだのか。最後に言ってた不穏な言葉が気になるが…こういうのってステータスオープンとか言えばステータス出たりするのかね?


「ステータスオープン!」


 …何も起きなかった。

 周りに人いなくて良かったぁ、大恥をかくところだった。ん?この腕時計みたいなのなんだろ、まるでアッ〇ルウォッチのような。画面タッチしてみよ。


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 名前:ライト・アイゼンフォード

 年齢:20

 称号:魔法騎士見習い


 スキル:剣術・氷魔法・雷魔法・隠密・鑑定

 その他:ルージュ神の加護・トラブルデスメイカー


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 お!すげぇ!これステータスじゃないか?俺の身体騎士だったんだなぁ、しかも魔法が使える騎士。年齢が俺と一緒だし神様割と適当に選んだ訳じゃなかったのかな。

 てか最期のトラブルデスメイカーって何?タッチしたら詳細見れたりしないのかな。


『トラブルデスメイカー:【トラブルメイカー】と【死に愛されし者】を組み合わせたもの。

 貴方は自分だけが死に瀕するだけでなく周りを巻き込み大勢を危険にさせる程才能を持っています。気を付けましょう。』


 なーんかとんでもない者があるんですけど?え?神様〜適当に合成するとか言ってたけどマジで適当にやりやがったか、今世まで悪運と仲良しこよししないとダメなのか。

 まぁとりあえず気を取り直して周りを見てみよう、俺の近くには浸かっていた泉と劣化した剣があった。とりあえず剣は回収する…のだがなんか切れ味悪そう、そこら辺の葉っぱを切ってみたが断面がギザギザでスパッと切れなかった。こりゃ鈍器にしかならんか。


 少し遠くまで見てみると前の肉体の持ち主が此処を通ったのであろう血の道が出来てる。この先に元凶がいたんだろう、傷が自分の背中だから獣にやられたのか人間によってやられたのかも判別が付かない。獣によってやられたと思いたい。


 さて、何処へ向かうか。

 元凶が居る可能性がある方向へ行くか、その場合元凶と会う可能性があるものの戦ったその時仲間がいたならばその周囲で俺の事を探している可能性がある。助けて貰える可能性がゼロとは言えない。

 それとも何も道標が無い道を行くか、この場合ほぼ確実に助けが来るとは思えないだろう。だが元凶から逃げることが恐らくできる、危険から距離をとるという点では良いだろう。


 どうしようかと迷っていると近くの草むらからガザゴソと音が、なんだ?と思いつつその方向を見ていると全長十センチくらいであろう薄緑色の可愛いハムスターがこちらを見ているではないか。


「お?めっちゃ可愛いな。お前どこから来たんだー?」


 手でちょいちょいと招くと素直にこちらに向かってきた、素直な可愛いやつだなぁ。

 そんなことを考えれるのはそこまでだった。あろう事かそのハムスター、近くまで来ると目にも留まらぬ速度で俺の背後に周り背中を勢いよく噛んできたのだ。


「イダダダダ?!お前何してんの?!」

「チューチュー」

「離れ…痛い痛い!」


 まさかこいつ血の匂いに寄ってきただけか?!可愛いと思ってたのに!

 そうだ、泉の中に背中浸かれば水に溺れて離れるのでは?


 そう思ってから俺の行動は早かった、脇目も振らず泉の中へ飛び込んだ。水に傷が触れズキズキとした痛みがあるもののこのハムスターがは慣れるまでは辛抱だ、てか全然離れないなコイツ。

 体感で十分は水の中に居たと思う、それくらいでハムスターは溺死したのか泉の上に浮いた。助かった…まぁこれだけで終わればよかったのだがハムスターの死骸からだんだん緑色の液体が漏れだしたんですね。何だこれ。

 鑑定持ってるし試しに鑑定してみるか、心の中で唱えてみる。


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【厄毒ネズミ】状態:死亡

 体液全てに毒を持ち噛んだ相手に毒を付与する。死んだ際には体から毒素だけでなく呪いを滲み出す、触れた物には一時間程吐き気と下痢に悩まされるであろう。


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 厄介でしかねぇ?!あれ、待って俺これに触れたってことは一時間吐き気と下痢に?あ、何か気持ち悪くなってきた…うぇぇ。

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トラブル【デス】メイカー 朱雀神子 @yurika_0116

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