トラブル【デス】メイカー

朱雀神子

第1話

 眠い、てか身体が異様に軽い気がする。


「なぁ、そろそろ起きてくんねぇ?」


 まるで…そう、魂だけの状態になったかのように軽い。まぁ、そんなことある訳ないんですけどね。あはは。


「いや、実際今お前魂だけだけどな」


 何でそんなことを今俺が思ったかって?仕方がない、その経緯を話してあげよう。何?長いなら嫌だ?大丈夫、そんなに長くないから是非聞いて欲しいな!さぁさぁ!


「なんかコイツ面倒臭い人間だな…放置してゲームしてよ」


 まず初めから話すとしよう、俺の名前は夕闇静流ゆうやみしずる今年で二十歳になった若さピチピチの男性だ。


 そんな俺の身に何が起きたかというと…まぁ簡単に言うと車に轢かれたんですよね、あれです。ご年配の方が運転していたんですけど多分ブレーキとアクセル間違えたのかな?ちょうどコンビニに入ろうとしてた俺に突っ込んできたんですねぇ。

 その後ガッシャーンって音したからコンビニにも突っ込んだんでしょう。そっから意識朦朧として今ココ、打ち所が悪かったのかもしれません。そうじゃなくてもガラスで体ズタズタだっただろうし見るも無惨な姿なのかもしれないなぁ…いやでもコンビニのガラスって粉々に砕けるタイプなのかな?それだったらそこまで体ズタズタそうじゃないけども。


 いやぁこんな死に方するとは思ってませんでしたね、多分死んだんですけども。

 これまで何度も死の危険がありました、例えば道を歩いていたら俺の目の前に植木鉢が落ちてきたり。はたまた違う日は誰かと間違えられて刺されそうになりました、厳密に言えば刺されたんですけど刺され所が良かったのか命に別状無しですぐに退院出来るくらいだったんです。

 割と俺悪運がいいんです!凄いでしょう?褒めてくれていいんですよ?



 という訳でそろそろ話進めてくれませんかね神様っぽい人や


「やっと話終わった?あ、ちょっと待って今人間のピンチ救ってるから」


 あいあいさー




 5分後


「いやぁお待たせ!と言うか待ってたの僕の方だけどね」


 ごもっともで、さて今回の件について教えていただきたいですね


「まぁさっくり説明すると僕のPS不足で君の事死なせちゃったんだよねぇ…やり直し効かないゲームってスリリングで楽しいじゃない?」


 もしかして人の人生で遊んでいたんですか!この人でなし!いや神でなし?


「どっちでもいいけどね。まぁこれまで君を操作して遊んでた訳なのですが殺しちゃいまして、本来君は後五十三年生きて結婚&子供を二人作ってくれると言う社会貢献する予定があったんだよねぇ。

 それを僕が打ち壊しちゃった訳でね?上司に見つからないように処理したい訳なのよ」


 それ…後で見付かったらヤバいですよ?


「なるべく見つからないようにする為に君の魂を輪廻送りにしてないんだよ、輪廻送りする時厳密な書類審査があるからね…絶対そっちにやったら見付かる。」


 それで?総括しますと?


「君の魂あと五十三年分寿命残ってるから違う世界に送るからなんとしてでも消化して?全然五十三年以上生きてもいいけどノルマは達成して欲しいな、とにかく生きて。」


 ほほう、つまり異世界転生と言うやつですな?わくわくすっぜ。


「身体作るの面倒くさいから魂が死んだ肉体に君の魂移植するね、その身体と君の持つ才能…所謂『スキル』を適当に合成するからさ、それ役立てて生きてねー」


 ありがとう神様〜スキル指定とか出来ないんですか?


「一から作るなら出来るけど面倒だし今回は無しね」


 ちぇっ…分かりましたよ生きますよ!生きればいいんでしょう!


「そうそう生きて生きてー。じゃあ肉体見つけたし移植するね、行ってらっしゃ…あ、やべ」


 ん?なんか最後不穏な声が聞こえたが気のせいですよね?気のせいだと言って?!神様?!


 そのまま俺は異世界送りになりましたとさ、おしまい。

 っておしまいじゃねぇから、これからだからおれの人生。何か不穏でしかないけどもさ…。

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