第5話許せない事

 「お嬢様、レイ様をお連れしました。」


案内された場所には豪華な馬車が止まっていてオリビアさんが声をかけると傍にいた騎士がドアを開けた


 「此の度はオークの集団から護っていただきポーションまでお世話になりありがとうございました。申し遅れましたが私ラインハルト公爵が長女レイン=ラインハルトと申します。レイ様此の度はありがとうございました。」


そう言ってレインと呼ばれる公爵令嬢は深々と頭を下げた


 「お嬢様!この様な者に頭を下げる必要などありません。オイ、貴様も用が済んだならさっさと立ち去れ!」


 「ガイ!!私の恩人になんと言う暴言を。さっさと謝罪しなさい!」


 「そうだ、お嬢様のお呼びした方に何という無礼を。恥を知れ!」


 「お嬢様も隊長もコイツに騙されているんですよ。こんなヤツにオークを倒せるはずがない。貴様もいいかげんここから立ち去れ!どうせ謝礼目当ての小悪党だろう。他の者は騙せてもこのクズモン男爵が嫡男ガイ=クズモンの目は誤魔化せんぞ!即刻立ち去るがいい!」


 「…貴様は先程から我々の恩人にむかってなんという無礼を!私がこの場で切り捨ててやろう」


 「オリビア、即刻この愚か者を処分なさい。ガイ=クズモンこの私にこれ程の恥をかかせるとは許せません。今この場で自らその首を差し出すなら家族へは罪は問いません。どうしますか?」


 「…ば、馬鹿な。お嬢様も隊長も何を言ってらっしゃるのですか?ハッ、さては貴様がお嬢様達を操っているのだな。この私が切り捨ててくれるわ!」


ガイはそう言って突然切りかかってきたがあっさりと殴りとばされ意識を失った



 「…何なんだコイツは?オリビアさん、お嬢様お二人がコイツを処理しようとしていたので信じますが、僕はとある事情から権力者の横暴を許す事が出来ません。ですので次は例え誰であってもその場でソイツを処分します。それだけは理解しておいて下さい。」


零はその言葉と同時にその場の全員に殺気を放った

ある者は気を失い、ある者は粗相をしていたがこの場でレインとオリビアだけは何とか意識を保っていた


 「…レイ様、此の度はウチの者がとんだご無礼を働き申し訳ございませんでした。この者には公爵家の名にかけたきっちりと相応の処分を下しますのでどうかお許し下さい。」


 「レイ様、私も部下の管理不行き届きでした。如何様な罰でもお受けしますのでご容赦願います。」


 「いえ、別に僕はレインさんやオリビアさんに文句がある訳ではないので謝罪は必要ないです僕も苛ついて少しやり過ぎてしまいましたすいません。」


 「それではこの件はこれでお仕舞にさせていただきます。それではレイ様に謝礼をお渡し「お嬢様!」何事です!」


 「新たにオークの群れが現れました。」


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理解、分解、再構築で生き抜く異世界生活 @KL97

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