第12話 サントリーニ島と言えば青い海と白い家!(旅行)
サントリーニ島の景色はよくカレンダーにも使われているから、見たことがある人も多いだろう。
クロワッサン型の島は、外側はなだらかだが、中心部分は大昔の火山噴火で沈み、急な崖が内海まで続いている。内海の真ん中には小さな島がある(星を抱く三日月のよう)
一説ではアトランティスのモデルとも言われるサントリーニ島。崖にへばりつくように建っている白い町並みが夢のように美しい島だ。
一泊二日のサントリーニ島小旅行のために、アテネのホテルを一度チェックアウトした私は、早朝の飛行機に乗った。クレタ行きの飛行機とは違い、プロペラの小型機だ。
雲をかき混ぜるようなプロペラを窓の外に見ながら1時間。サントリーニ島は雨が降りそうな曇天だった。
相乗りタクシーでフィラの町まで行く。
白い家々は、夏の観光シーズンに向けて外壁の塗り直しや改装工事が多いようだったが、この中から冬でもやっているホテルを探さねばならない。
地図にのっていた一番の大通りはどう見ても小道で、私は不安になりながら宿探しを始めた。運よく途中で会った白人カップルにホテルを紹介してもらい、アパートのような造りの安宿になんとかチェックインできた。
サントリーニ島に行きたいと思ったきっかけは夢だった。
小学生の頃、森の中で何者かに追われる夢を見た。森の中の一軒家に逃げ込んだ私は、更に奥に逃げようと何処かの部屋のドアを開け放つ。その向こうに広がっていたのが、白い家々が連なるまるでギリシャの島々のような風景だったのだ。(まるで「どこでもドア」だね)
たぶん映画か何かでこの風景を見ていたのだと思うが、同じような夢を3回も見たことで、幼い私の中にこの風景が刻み込まれた。
ホテルを出るころには、曇天だった空はいつの間にか晴れていた。
青空をバックに見る白い家々は素晴らしく綺麗だ。
所々にある小さな町の教会には、小さな白い鐘楼がある。少し大きめの教会には青いドームもあり、その青が何とも言えず美しいのだ。
とにかく青と白がとても素敵で、私は町の中をさまよい写真を撮りまくった。
崖側にはりつくように建つ白い家並みの間には、まるで「いろは坂」のような小道が続いている。観光客はロバに乗って行き来する事が出来るが、私は歩いて崖下の海際まで降りた。
崖にぐるりと囲まれた海は入江のようにも見えるが、かつては島の中心部だった場所だと思うと、何とも不思議な気持ちになった。
帰りはさすがに歩くことを拒否し、ケーブルカーで崖を上ったが、めちゃくちゃ急で怖かった。
この日の夜、宿のシャワーが途中で水になり、私は翌日から体調を崩した(笑)
サントリーニ島にもミノア文明のアクロティリという遺跡がある。翌日はここへ行く予定だったのだが、体調が悪くなった私は諦めて飛行機の時間まで町に留まることにした。
ちなみにアクロティリ遺跡はBC1700年ごろの噴火でポンペイのように火山灰に埋もれた町だ。3階建てから5階建ての建物があり、トイレや配管が設置されていたと言われている。そんな高度な家の中からは、クレタのクノッソス宮殿にあったものとそん色ない素晴らしい壁画が見つかっている。
有名な壁画「ボクシングをする少年」も、このアクロティリ遺跡から見つかったものだと言う。
当時は帰ることに必死で用心深くなっていたのだろうけど、アクロティリに行けなかったのはとても残念だ。高度な文明の跡をこの目で見てみたかった。
そして、沈んでしまった中心部分にはどんな建物が建っていたのか、想像してみたかった。
いつかもう一度海外旅行に行けるとしたら、地中海の島々をめぐる旅に出たいなぁ(*´∀`*)
おわり
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