夢の中へ

新吉

第1話 インザドリーム

 時は3000年、宇宙の果てのひとつの惑星に人間という生物がいた。彼らは夢を見る。夢にはいろんな意味や表記があるが、ここでは「ドリーム」を使用し、寝ている時の記憶の整理は除外する。


 ドリームは数ある夢の中でも、非日常で空想的で現実味のないありえない妄想も含む。夢の中では一番不可能な夢とされている。簡単に思い描けて、一番自由だとも言われる。


 最近の研究より、真夜中にふと目が覚めたときに浮かびやすく、眠っていた体と頭の誤作動とされている。そのせいで体が勝手に動いてしまうこともあるくらいだ。


 今回はインザドリーム状態となった一人の女性10代、そのドリームへ私も入ってみることにした。ドリームの内容を知ることが目的であるため、実施方法は各自で確認してほしい。



 真っ白な世界。彼女はクリームの海に浮かんでいた。ピンク色の水着姿、ソフトクリームのコーンの中、時々ストローで甘い液体をすすっている。遅いのはどろどろではなくて凍っている部分も残っているからだ。船は次第にふやけていき、彼女は溶け出したクリームの海を泳いだ。上がった先には砂糖の砂浜やホイップの浮き輪があった。泳ぎ疲れた彼女は笑顔で寝転んだ。


 現実の彼女はひどく痩せていて、夢の中とは別人だ。以前与えた砂糖水の影響だろうか。記憶の整理ではなく、このような甘さを通り越した空間に居続けたいと夢見るものだろうか。


 知らない世界を体験できた

 今後活用方法を検討していく

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