ビオトープ

 「ビオトープで溺れた◯◯◯くん」という学校の怪談があった。ちょっと昔のある日の登校時刻、3年3組の◯◯◯くんがビオトープで溺れた状態で発見されたという話で、いくらなんでも小学生がビオトープで溺れるはずはないので、警察も色々と調べたのだけれど、事件性を証明するようなものは見つからなかった、という趣旨の怪談。


 登校時刻まで発見されなかったというのはいかにも児童の発想だし、3年3組というワードは当時教育テレビで放送されてた番組の影響が感じられる。つまるところ他愛のない怪談だった。


 印象的なのは、◯◯◯くんの両手の爪が全部剥がれていたという情報で、九つがビオトープの底で見つかったけれど、一つだけが見つからなかった。

 魚にでも食べられたのだろうということだった。

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怖い嘘 青サンダル @blue_sandal

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