第3話 救急外来
救急車は大学病院に行くと言います。
コロナの感染が落ち着き、医療機関も少し余裕が出て来た時だったから、
大学病院の救急外来で取ってくれることになりました。
この時私は、母の倒れた原因について脳梗塞を疑っていました。
夏に亡くなったばかりの父は、2年前脳梗塞で救急入院。
転院を経て、一度も自宅に帰れぬままに召されてしまったのです。
母も同じ道をたどるのだろうか。
たけど、慢性期の脳梗塞なんて大学病院では、ずっと入院させてくれない。
転院先とか今から考えないと。
父がそうであったように一気に認知症になっちゃうのかな。
ERで処置中は何もない家族控室で待機していたので、色々考え込んでいました。
救急外来。処置中は家族は蚊帳の外。
何をしているのかも知らされず、一人待つだけです。
年齢も高いから延命処置とか、聞かれるんだろうし、今って、入院に保証人いるのかな。保証人は同じ市内の弟の方がいいかもしれない。
脱力した手じゃ書類書けないから、代筆だろうし。
やっぱり弟いるか。いつ来てもらうのが正解なのか?
弟は実家で待機しているので、控室は一人です。
家族控え室ですることがなく、経過の記録をLINEにしていました。。
その後、処理に当たった救急の医師からムンテラがありました。
「運ばれた時の第一対応は低体温の処置でした。」
「低体温は、温浴で体温が少しずつ上がり、手足も動くようになりました。」
「ろれつが回らなかったのは低体温による意識障害です。」
「え?脳梗塞?脳梗塞だと思ったんですか。脳梗塞はありませんよ。」
全身のCT画像をぐるぐる動かして頭の方を示し、
「小さいものも含めてありません」、と。
脳梗塞のつもりで話を聴いていた私は、え?という感じでした。
じゃあ、体温が上がってきたら早々に退院できるのかしらん。
救急車の中で、脳梗塞で倒れた87歳の独居高齢者の母がリハビリを経ても自宅マンションに戻れることはもうないと心の中で覚悟をしていたので、
短期で帰れるかもしれないと、ほっとしたのですが。
事態はもっと深刻でした。
医師の口からは予想外の現状が。
自分の愚かさを恥じました。
そして、そこから同じところをぐるぐる回り続けています。
あの時、なぜ私は、・・・・・・・・・・・
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