結
なんだかんだあって結局、警察を呼んで処理をした。
祖父ちゃんは爆竹を使いすぎとか、モデルガンでも人に向けちゃ駄目とか、そういうときはまず警察に相談してとか、いろいろ注意されたようだけど基本的には笑い話になったようだ。
冷蔵庫に隠されていた死体は、やせ型とぽっちゃりは下っ端すぎて何も知らされていなかったらしい。
その二人から辿って、ヤクザの一部が逮捕されたと聞いた。
何はともあれ、あれから不法投棄されることはなくなったからよかった。
山下さん家は山で捕れた山菜をネットで売っているから、山をゴミだらけにされたら商売に影響が出る。
俺は宿題の日記を書き込みながら、祖父ちゃんとあの日の話をする。
そのまま提出はできないと思うから、ゴミを棄てにきた奴らを驚かしてやっつけたとだけ書いた。
詳細を書いても、先生に信じてもらえないかもしれない。
明日にはもう家に帰るんだ。
怖かったけど楽しかった。
やっぱり祖父ちゃんはかっこいい。
「その山下さんだけどな」
祖父ちゃんが変な顔をしてこんな話をした。
あの夜、山下さんは小屋の中から大鉈を持って飛び出してくる筈だったが、実は小屋の中で眠ってしまっていたらしい。
だから、何が起きたのか知ったのはすべてが終わってからだと。
言われてみれば確かに、最後にみんなで奴らを取り囲んだときにシズ江さんはいたけど、山下さんはいなかった気がする。
みんなそれどころじゃなくて気が付かなかったけど。
そして「あの火の玉すごかったな。どういう仕組みだったん?」と聞いても、なんのことかわからないらしい。
シズ江さんもそんなことは聞いてないと言っていた。
「じゃあ、あのとき飛びだしてきたのは誰なの?」
「山下さんじゃないらしい……」
祖父ちゃんは頭を抱える。
俺も確かにあのとき、山下さんの声じゃないとは思ったけど。
『奴らが来ましたよ』
『わかった』
祖父ちゃんと俺は、しばらく頭を悩ませたけど考えれば考えるほどわからないし、正直怖いので、考えないようにしようという結論にたどり着いた。
KEEP OUT!!―その山、入るべからず― あきのりんご @autumn-moonlight
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