KACをジャックします!⑩

ぺんぺん草のすけ

第1話 夜泣きソバ

 さて、今年もやってきました!


 えっ? 何が!


 決まっているじゃないですか! KACですよ! KAC!

『KAC2022 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022~』 が今年も始まりました。


 去年の本作はボヤッキーシリーズとして、リワードの有効期限の撤廃を寿限無を交えて訴えてまいりました!

 体制に物申す!

 いいですね~

 やはり風刺はいい!


 まぁ、言論に対して比較的自由なスタンスのカクヨムだからこそ許してもらえるテーマだったのでしょうけどね。


 えっ? この入り方、前回のものと一緒だって?

 いいじゃないですか!

 こうでもしないと、文字数稼げないでしょ!

 こう見えても私、かなり忙しいんですよ!

 こんなの可愛い★ばくカービィみたいなもの!


 ダメ! 絶対! 不正はダメョ!


 という事で、前回同様にグルメ記事でも書くか!


 今日は一品だけ!

 真夜中に食べる一人夜泣きソバ! 


 ふと夜なると、少々塩気のあるものが欲しくなる。

 海苔をまいたせんべいや、ドクターストップのアラレでもいいのだが、やっぱり寒い夜は温かいソバに限る。


 鍋でコトコトと煮込まれるソバを見ながら、俺は思うのだ。


 ――俺はなぜ、小説を書いているのだろう……かと。


 最近のKACの原稿も、ほぼ誰からも相手にされなくなった。

 長編物の小説など言うまでもない。


 誰も読まない文章を、書き続ける。

 これほど生産性のない作業はないだろう。


 むなしい……


 そんな俺の頬を一粒の涙がつたって落ちていくと、ポトリと泡立つスープへと溶け込んだ。


 誰もいない真夜中。

 コンロの上のスポットライトが、湯だつ鍋だけを黄色い光の中へと映し出している。

 その鍋の中では、まるでお祭り騒ぎでもするかのように先ほどから麺が踊り続けていた。


 そんな光の輪に入ることも許されず、ただただその傍に広がる影の中に立つことしかできない俺。

 分かっているんだ……そんな事。

 どんなに頑張っても、決してライトに照らし出されることがないと分かっている。

 だけど……

 だけど……

 

 いつしか暗い真夜中のキッチンに鼻水をすする音だけが響き、ソバはすでにのびきっていた。


 ピンポーン!


 だれやねん!

 こんな時間に呼び鈴押すやつは!

 俺は今、こののび太ソバをどうするか考えていて忙しいねん!


「N〇Kなんばグランド華菊からのお届け物です~❤」

「………」


「あれ? 今日はおらんか?」

「留守みたいね?」


「あいつKACの皆勤賞、あきらめたんかいな?」

「いやぁ、それはないでしょ。だって、皆勤賞がないとリワード換金できないですからね」


「なら、絶対に中におるはずやな! コラっ! 居留守使うな! ここを開けんかい!」

「……」


「蘭華ちゃん、こんな真夜中に外で騒いでるとお巡りさん呼ばれるわよ」

「仕方ない! 今日はこれぐらいにしといたるわ!」


 ということで、あと残り1回で皆勤賞ゲットだぜ!


 マジで、むなしい……


 って、うそで~す!

 コンロの上に昇って光に照らし出されたりでもしたら、ガスの炎で燃え上がってしまうわい!

 はい! これで台無し! ちゃぶ台返し!


 えっ! つまらん? 知らんがな!

 もうね、誰も読んでないから無問題もうまんたい

 (≧▽≦)


 真夜中に一人寂しく泣くときに……誰かがソバにいてほしい……

 それで心は温まる……



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