第4話 再会
2年後、ジョージが迷子になった時に家を探してくれた、青年と妹が恋に落ち、結婚して鹿児島市で生活することになりました。そこではネコが飼えないとのことで、再び、私の所にかえって来ました。
年をとり、毛が少なくなって、昔の面影はありませんでした。
「ジョージ、ジョージ」
私が呼びかけても反応は無く、妻が、「ジョージどうしたの。私のことも忘れたのか。さみしいな」と呼びかけ、昔、使っていた食器をだすと「ニャーニュアーニュアー」と甘えるように鳴き、妻に食事をねだりました。
食べ終わると、昔のようにかがんだ私の肩にかろうじて飛び乗りました。
「お母さん、このネコさん弱っているの」私の娘が聞きます。
「そうだね。もうおじいさんだからネ」
そして、妻がジョージとの関係を簡単に説明しました。
翌日から、子供部屋に入って、二人の子供を起こすのがジョージの役目になり、朝ご飯を一緒に食べます。
こんな出来事もあり、我が家の子供達に可愛がられましたが、年によるおとろえは、はなはだしく、2年後に亡くなりました。庭に大きな穴を掘って焼いて埋め、小さなそてつ(蘇鉄)を植えました。
今、そのそてつは、我が家の主になり存在感を増しています。
年に数回、家族が集まると、“ジョージ”の思い出を語り合います。
私達、家族に幸せを運んでくれた幸せを運ぶネコでした。
完
幸せを運ぶネコ @takagi1950
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