ゲストハウスは家主とゲスト、あるいはゲスト同士で新たな関係が生まれる場所。そんなゲストハウスを舞台に、何層にも重なる終わりゆく恋と新たに生まれた恋とを、切なくも前向きに描いたお話です。小樽は、雪が舞う中で灯りが輝くという観光地としてキラキラした面がある一方、かつての繁栄が遠くなった過疎地でもあるという寂寥感をも併せ持つ街です。喜びと淋しさの両方を描いたこのお話にぴったりの舞台ではないでしょうか。結論としては、雪乃ちゃん健気かわいい。
小樽にあるゲストハウスが舞台となっているお話しです。ゲストハウスNORTH CANALにある日謎めいたお客さんが訪れます。観光客らしからぬ様子が気になる主人公の雪乃は彼と交流を始めるのです。静かな語り口で表現される情緒豊かな風景と、登場人物達の温かさに触れながら、静かに歩み寄っていく二つの心にじわりと心を溶かされていくような物語でした。優しい気持ちになれる物語、おすすめです。