猫の手を借りた結果、僕の異世界チーレムが終った件
玄武堂 孝
【KAC20229】猫の手を借りた結果、僕の異世界チーレムが終った件
僕こと
チートで無双し、そのたびに嫁が増えていった。
チーレム大勝利のはずなのだがちっともそんな感じではない。
僕の異世界チーレム生活はどこかおかしい。
猫の手を借りた結果、順調だった僕の異世界チーレム生活が終了した。
なぜなら知ってはならないこの世界の真実に辿り着いたからだ。
零というのは浪漫の数字だ。
僕のような中2病で永遠に14歳を生き続ける
そして僕の『一』という名前の由来は新選組三番隊『斎藤 一』からなのだ。
その必殺技『牙突零式』は子供の頃に僕が必至で習得しようとした技なのだから個人的にも『零』には思い入れがある。
僕の異世界チーレム大勝利の産物であるお嫁さんズの第1夫人はヘラだ。
第1夫人とは早い話が正妻。
この世界は序列社会なので第1夫人の立場は強い。
だが僕には第零夫人がいる。
白猫ニア。
普段は白いただの猫…いや喋るのだからただの猫ではないか。
最初は異世界なのだからケットシーだと思っていたが実はそうではなかった。
レベル1300、MP55万を自称。
しかも3回変身するという盛に盛った設定に偽りはなかった。
この白猫姿はニアの第1形態『にゃんこモード』にすぎない。
第2形態『ヒューマンモード』は踵まである真っ白な髪の松本アニメのヒロインのような絶世の美女。
残念なのは(本当に残念なのだが…)胸がAAAという絶壁なところ。
僕はちっぱいスキーだから耐えられた。
巨乳スキーだったら絶対嫁にしなかった。
第3形態『ビーストモード』は猫耳の体にモノキニのような毛が生えているキャットウーマン。
ビーストモードは僕のような中2病で永遠に14歳を生き続ける(以下略。
よく考えると夜の戦場以外でビーストモードで戦うのを見た事がない。
にゃんこモードでも尻尾の一振りで魔獣が『お手紙ちょうだーい!』的な感じで吹っ飛ぶのだからこれ以上の戦闘力はオーバーキルだよね?
むしろ叡智な御奉仕でまたたびをもらった猫さんのようになるので弱体化しているような気がする。
そして最後に最終形態『妖精女王モード』。
この形態は現実世界に多大な影響を及ぼすので妖精界でしか返信出来ない。
ニアの正体は『妖精女王ティターニア』。
そしてその夫である僕は妖精達から『オベロン』と呼ばれている。
近年オベロンといえばMMORPGを題材にして大ヒットしたアニメのイメージが認知されていて正直勘弁して欲しい。
ヒロインを軟禁して頬を舐めるアレだ。
だが僕は声を大にして宣言する!
僕は正面から正々堂々ペロペロするし、色々叡智な部分もペロペロします!
だって、僕は淫魔王だから!!
…さて、こんな感じでチートインフレなニアと辺境領主として開拓を始めた僕は異世界チーレム大勝利した。
領地は大いに発展、それと同時に嫁も増えていった。
猫の手を借りた結果僕の異世界ライフが充実していった。
…あのときまでは。
そう、僕が日本に戻りたいと考えるまでは。
「ハジメは戻りたいのか?」
「生まれた場所に戻りたいって思うのは人間として当たり前じゃない?
いきなり生き別れになった両親にお別れの挨拶だけはしたい…かな?
勿論サザンクロスに戻ってくるけどね」
僕はこの時すでに自分の領地であるサザンクロスで生きていくと決めていた。
ただクラスメイトを送り返してやりたかっただけなのだ。
「ならば頼んでやろう」
「……………は?」
「具体的にはどうするの?」
「そんなものシンプルに宇宙船を借りるだけじゃ」
僕らが異世界だと思い込んでいたこの世界は宇宙人アヌンナキの実験惑星だったのだ。
そしてそのあとさらに衝撃の告白をニア本人から告げられる。
「
アヌンナキでは変わり者と言われておるの」
…いやいやいやいやいや!!
異世界召喚された先で結婚した嫁が宇宙人って駄目でしょ!?
そもそも異世界ラノベで宇宙人って単語が出たら読者様ブチ切れだから!!
誰がなんと言おうとここは異世界。
じゃないと僕の異世界チーレムが大宇宙チーレムになっちゃうじゃないか!
「…と思っていた時代も僕にはありました」
もうね、目の前に宇宙船を出されたら受け入れるしかないでしょ?
「ハジメのために宇宙船が銃に変形するギミックも入れておいたぞ!」
「ニア!心の友よ!!」
こんなスゲー宇宙船を持っているのは僕と宇宙刑事くらいだ!
ニアと付き合っていくなら小さい事は気にしないのが一番!!
そもそも地球まで半日の航海とか言っていた気がした。
それに誰に向かってこんな物ぶっぱなすのかも不明。
かっこいいから許可!…多分これが正解。
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【 閲覧ありがとうございました 】
猫の手を借りた結果、僕の異世界チーレムが終った件 玄武堂 孝 @genbudoh500
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