第3話 自身の過去と、彼女との出逢い(1)
私は重度の男性恐怖症だった。
原因は、高校の先輩からの暴力と教師からのセクハラ行為。当時の私は今より気が弱く交友関係も広くなかった為、いじめの標的にされやすく、誰にも相談が出来ずにいた。最初は何とか耐えれていたのだが、日に日に酷くなる暴力とセクハラ行為についに心が折れ、不登校に追い込まれてしまった。
不登校になり、家に閉じ籠る生活を続けていたある日、定期検診のために久しぶりに外に出た。数ヶ月ぶりの外は快晴で、晴れやかな空とは裏腹に、私の心は沈んでいた。あの私をいじめていた不良達のこと。もしかしたら、今頃授業をサボって近所を彷徨いているかもしれない。もし、鉢合わせてしまったら…。そう思うと、折角の晴天もあまり綺麗だと感じられなかった。
病院に着いて、母が受付に向かう。いじめっ子に遭遇することなく目的地に着き、やや一安心しつつ、久しぶりに自宅から出たことに少しの気まずさと開放感を覚えながら院内を軽く見て歩いた。
暫く歩いてみて、自分の居る場所が受付と大分離れていることに気付く。慌てて戻ろうとしたが、そこで私の方向音痴が発動し、戻るに戻れず、それどころか余計に離れてしまった。
どうしようかと困っていると、私と同年代くらいの少女が声をかけてくれた。
...それが、琥珀との出逢いだった。
勿忘草 蒼乃咲耶 @rionheats
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。勿忘草の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます