宇宙からの侵略者を倒すために猫?の手を借りた

仁志隆生

第1話

 西暦2022年。

 世界は滅亡の危機に瀕していた。

 宇宙からの侵略者の手によって。


 世界中の人々は「もうなんだかんだ言ってる場合じゃない」と一致団結して侵略者に立ち向かったが、相手の兵器は桁違いでまさに大人と子供の戦い。

 全く敵わず多くの国が滅びて人々も殺されていき、幼い子供達はモルモットにでもするのか、捕らえられていった。

 残った人々ももはやこれまでと、ある者は命乞いして自ら捕らわれ、またある者はあいつらに捕らえられるくらいならと子供と共に命を絶った。


 そんな中「最後まで諦めてたまるか」と戦う者もいた。

 それは日本のとある場所に住む、高校一年生の少年。

 彼は天才剣士と呼ばれ、段持ちの大人ですら敵わない腕。

 先祖が武士で剣術の達人だったらしく、その才能を継いだのだろうと皆言った。

 そして彼は先祖伝来の刀を握りしめ、侵略者達と戦い続けた。




「こ、これで終わりか?」

 彼が息を切らしながら言う。

 そこには侵略者達の骸が山のようにあった。


 だがしばらくすると、遠くから新手が向かってくる気配がした。

「くっそ……誰も一緒に戦ってくれないし、もう猫の手も借りたいくらいだよ」

 もう疲れているのか、思わずそんな事を口走った時だった。


「じゃあ貸してやるにゃ」

「は?」

 いつの間にかそこにいたのは、頭に猫耳、腰に尻尾をつけていて、キトンのような服を着ている、歳は彼と同じくらいだろうかという美少女だった。


「あんた誰? てか危ないから逃げろよ」

 少年がその少女に言う。

「にゃあ、自分で呼んどいてそれはないにゃ」

「は?」

「あんたさっき『猫の手も借りたい』って言ったにゃ。だから一緒に戦う為に来たんだにゃ」

 少女が笑みを浮かべて言った。

「……なあ、冗談言ってる場合じゃないってわからないか?」

「にゃあ、疑うなら戦える証拠見せてやるにゃ……はあっ!」

 少女が手をかざすと、


 チュドーン!


 ギャアアアー!? 


 敵の新手は突然起こった大爆発に巻き込まれ、全滅した。


「……い、今の、あんたがやったの?」

 少年が震え声で尋ねる。

「そうだにゃ。これで信じたかにゃ?」

「あ、ああ……てかあんた何者だよ!?」

「あたしは猫女神バステトだにゃ」

 少女は自分を指してそう答えた。

「……え? それってたしか、エジプト神話の?」 

「そうだにゃ」

 少女、いやバステトが頷く。


「本当に?」

「本当だにゃ」

「本当に……神様がいたんだったらさ、もっと早く助けに来てくれよ!」

 少年が思わず大声をあげた。

「出来ればそうしたかったんだけどにゃ、あたしに対価を払える人が呼んでくれないと下界に来れなかったんだにゃ」

 バステトはそう言って項垂れた。

「え? それが俺だって言うの?」 

「そうだにゃ。あんたなら払えるはずだからにゃ」

「ま、まあタダで助けてくれは虫が良すぎるよなあ」

「で、どうするにゃ?」

 バステトが尋ねる。

「……お願いします。俺を、皆を助けてください」

 少年は口調を改め、バステトに向かって頭を下げた。

「あにゃ? 対価がどんなものか聞かなくてもいいのかにゃ?」

「いいですよ。たとえこの命を差し出せと言われても」

「……うん。じゃあ一緒にあいつらやっつけに行こうにゃ」




 その後、彼と猫女神バステトは侵略者達を次々と倒していき、ついには侵略者の総司令官を倒し、完全勝利した。


「やった……これで地球は救われた」

 少年が涙を流しながら言う。

「うんうん、よかったにゃあ」

 少年の背を擦りながら、バステトは笑みを浮かべていた。


「ええ。あ、対価を払わないと。どうぞ命でもなんでも持ってって」

「にゃあ、命を差し出せなんて神が言うわけないだろにゃ」

「え? じゃあ対価ってなんですか?」

「それは……ジュル」

「は? って、うわああ!?」

 バステトがなぜかいきなりすっぽんぽんになった。


「ちょ、ちょ、なにしてんですか!?」

「対価は若い男の子の、というかあんたのせーしだにゃ」

「は?」

「ええい、さっさと脱ぐにゃ!」

 バステトはそう言いながら少年のズボンをずらして押し倒し、そして……。


 あ~れ~!



 

「にゃあ、ごちそうさまでしたにゃ」

 ヨダレを拭きながら言うバステト。

 ナニしてたかはおわかりでしょう。いや知らんとは言わせませんぞ。


「あ、あ……」

 少年は何度も致したせいで枯れ果てていた。

「でも、まだ足りないにゃあ。だから満足するまで毎日してもらうにゃ。だってあたしは性愛の女神でもあるからにゃあ」

「……せ、せめて週イチ、で」

 少年が掠れた声で言う。

「にゃあ、もうやめてって言わない辺り律儀だにゃあ。それともあたしのお(ズキューン!)、そんなによかったかにゃ?」

「う……」

 それを聞いた少年は、股間を隠そうとした。

「あ、またたって来たにゃ。じゃあもう一回」

「うわあー!」

 

 その後、少年とバステトは昼間は世界の復興に尽力し、夜は……。 




 そんなある日の事だった。

「にゃあ、できちゃったにゃ」

 バステトが腹を擦りながら言う。

「はああ!? ちょ、神様って子供出来るの!?」

 少年が驚きの声をあげた。

「そりゃできるにゃ。けどこれじゃもう天界に帰れないにゃ……だから、あたしをヨメにしろだにゃ」

 バステトが頬を染めて言う。


 それを見た少年は思った。

 最初は逆ごーかんだったけど……今はもう、彼女の事を。


「……うん。俺と、結婚してください」

「にゃあ!」


 そして少年とバステトは夫婦となり、いつまでも仲良く暮らしたそうだ。

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宇宙からの侵略者を倒すために猫?の手を借りた 仁志隆生 @ryuseienbu

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