第9話
GYAOS!!
戦闘開始の合図のように魔獣が再び咆哮を上げ、我武者羅に彼方へ突進する。
野良犬とは違い、1メートルを超える体躯と獰猛な目つき、そして一度噛みつけば引きちぎるまで離れないような鋭い牙を持っている。
魔獣は牙を剥き出しにし、獲物である彼方に噛みつこうと跳びかかる。すかさず彼方は構えた剣の腹でそれを薙ぎ払い、合気道で魔物の攻撃の勢いを反撃に変えた。
「雨宮(あまみや)流合気、涙大蛇(なだおろち)」
彼方が最も得意とする剣技。身体を捻り、剣を下から上へ振り上げて魔獣の首元を狙う。
定めもタイミングも完璧、彼方は技が決まりと確信していた。
剣の刃が魔獣にあたるその刹那、魔獣の身体が異様に光だし、その光線は紫色の稲妻に変わり彼方に直撃する。
「うっ……がぁはっ!」
予測不能な一撃に一瞬意識が飛ぶも、最新科学技術「マナ構造」により身体をシールドコーティングされていることもありノーガードだがダメージを最小限に抑えることができた。すぐさま意識を覚醒し身を起こす。
魔獣は苦しむ彼方を見て優勢に立ったことを確信するように再び咆哮を上げる。同時に魔獣の首元から雷撃が周囲に放たれた。
対魔女防衛第陸部隊(休止中) 連夜 @renya_novel
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