第8話

魔女および魔獣ら被害に対する戦闘兼救助部隊として国家により作られた組織「対魔女防衛部隊」通称「魔女狩り」。彼方はその部隊の「第陸部隊」に配属している。

「ここは危険だから、早く離れて」

「……君、そんなこと言って身体が震えてるじゃない」

聖の言う通り、彼方の背中は緊張と怯えから震えていた。「魔女狩り」に所属しているからと言って楽々と魔獣を倒せるわけではない。特に彼方には向いていない所業だった。

だと言って、逃げるわけにはいかない。そう彼方の内なる野望が断言していた。

「これが俺の使命だから、命を懸けてでも君を守る」

「……わかった。死なないでよね」

彼方の忠告通り聖は魔獣と反対側の方に走った。それを確認し視線を再び魔獣に向ける。

剣を固く握りしめて態勢を低く構える、その姿は武士を思わせる風貌をしていた。

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