悪魔のダンジョンと探索者は、転生した俺とおっさんでした。

あずま悠紀

第1話

「ようこそ、勇者よ。異世界への転生をご希望の方ですね。承りました」

女神はそう言った。

「あぁ、俺は異世界に行ってみたい。ただ、チートスキルも無いし……いきなり魔王とか倒すような能力も持ってないけど大丈夫か?」

俺の言葉に女神は無表情で応える。

「はい、もちろんですとも。勇者になられても世界を救う必要は無いのです。貴方の目的は異世界で幸せになることにあります。ですから……」

「だから?どうすればいいんだ?」

俺の質問に女神は答える。

「貴方が異世界で望む姿を思い浮かべて下さい」

俺が望む姿か。う~ん、そうだな。

「じゃあさ、イケメンで金持ちで女には不自由しないっていう設定で頼めないかな」

それなら俺だって、女の子と遊びたい放題じゃないか!ハーレム作りたいじゃん!!俺のその発言に対して無言の女神。そして一言こう告げた。

「はい。お任せください!」

その言葉と同時に眩しい光に包まれていく俺。光が消えた時には目の前に一人の男が立っていた。

その姿を確認してから俺はゆっくりと目を開ける。するとそこには俺と同じぐらいの大きさの顔があった。そして自分の体を確かめようとすると、腕や脚が無いことに気づいた。え!?どういうこと!? 困惑する俺に向かって女神様らしき男は言う。

「では、行ってらっしゃいまし」

その声を最後に俺はまた光の中へと消えていったのだった―――

目が覚めると見覚えの無い景色が広がっている。

見渡す限り草原が広がっているようだ。風を感じる。

しかし、なぜ俺はここに居るんだろう?それにさっきまで何をやっていたのか思い出せないぞ。あれ、なんだろうこの格好は。まるでアニメの主人公のような格好だな。って、まさか本当に俺は異世界に来てしまったんじゃないだろうな!?いやいやいやいや、ちょっと待ってくれ。俺はそんなつもりで言ってなかったはずなんだが。これは一体どんな状況なのか説明してほしいところだが、まずはこの場所を誰か探してみなければ。しかし、誰も居なさそうだ。遠くの方を見ると村が見えるからそこにでも行ってみるしかないかもしれないな。というわけで早速向かったわけなのだが、村はもう見えていたのだが、どう考えても人がいない気がした。しかも村の入口らしき門の前にはボロボロの馬車があって馬も倒れているし人が住んでるような気配がない。ここは廃村になっている可能性が高いと思ったのだ。とりあえず村の中に入ってみたんだけどやはり誰もいないっぽい。人の足跡があるから恐らくここで暮らしている人もいるとは思うのだが、みんな出払っているのだろうか?とにかく何か情報を得なければ始まらない。

しばらく歩いていると一軒の建物を発見した。どうやら商店らしい。店の前に人がいるし、話を聞いてみようと思う。ちなみに今は俺以外に誰も居ないようなので普通に喋ることにした。まぁ念じれば相手に伝わるみたいだしね。

「すいません。旅をしている者ですがここはどこでしょうか?」

俺の言葉を聞いた店主と思われる人物は怪しげなものを見るような目を向けてくるが一応答えてくれた。

「ここか?ここはルミナスの町だぜ」

町の人間で間違い無いようだけど、この町の名前を俺は知らないな。やっぱり俺は異世界に来ちゃったんだろうけどどうして俺は来たんだ? 俺が黙っていたため店主はさらに不審がっている様子だったが俺には今はそれどころじゃないんだよな。それよりも気になることがある。

「ところで一つ聞きたいのですが」

「あぁ?なんだって?」

「あのー、お金を持っていないんですが何か売れるようなものを持ってないですかね」

今の所持金ゼロの状態は非常に心細いのである。だから少しでもいいものがあれば譲ってほしいのだが、店主は無愛想に言うだけだ。

「知らんな、勝手に漁りゃあいいじゃねえか」

「わかりましたよ」

言われた通り勝手に物を漁らせてもらうことにしたのだが、商品がほとんど何も残っていなかった。残っていたとしても価値のないガラクタばかりである。それでもいくつか見つけたので持って行こうと思うのだが俺には手も足もない。どうやって持っていくべきなんだろう。困ったな、と思いながら考えていると頭の中に文字のようなものが見え始めた。それはスキル一覧と書かれていた。スキル名が表示されててそれを押すことでそのスキルの説明を見ることができるらしいことが分かったのだけれど、どうすれば使えるのかがよく分からない。う~ん、とりあえず押してみればいいかなと思って適当に【鑑定】と念じてみたら視界内にウィンドウが表示されるようになったのでそこから目的のアイテムを選択してから詳細を確認してみるとそこには「ガラクの魔核(中)」というものがあったので選択して確認をしてみたら、

「これを使えばあなたの望み通りの武器を作ることが可能でございます。ただし一度使用すると二度と使用できなくなる上、壊れてしまいますのでご注意下さいませ」

とのことだ。この文章を見た時に俺はとても重要なことに気がついてしまった。俺はさっきまで両手両脚が無くなっていたと思っていた。そう思って俺は体を確認したのだけれどそこには手足があったのだ!そして俺は気づいたわけだ。つまり、俺が望んだ姿というのは――イケメンと金持ちのボディで最強の装備を手に入れた状態だったということなんだと!!!やった!!俺は歓喜に震えたがすぐに冷静になって自分の姿を再度見直すと、イケメンではあるが顔はそこまで整っているわけではないし背が高いわけでもない。しかし、服だけはすごくカッコよく仕上がっていたのだ。なんかダサい格好だったけど俺がイメージしたのは確かにこういうのだったんだよな~なんて思いつつ眺めていたんだけど、俺の姿が変わっていることよりも今はこの状況の方が重要である。だってステータスとかもあるはずじゃん!?ということで早速確認することにした。俺は目の前の画面を操作しようとしたのだけど、指が無かったんだよね。あれ、と思ったのだが、今度は声が出ないことに気付いた。え、何コレ。もしかしなくてもそういうことなのか?俺はこの身体で異世界を生き抜かなければならないって事なんだろうな。でも仕方ないか。

さて改めて現状を確認すると俺はイケメンの最強剣士といった感じの外見になっていて、武器としては「魔剣グラトニル」という名前がついているものを持っているらしい。他にもアイテム欄を開いてみるとそこには「聖水」というものが入っていたので俺はその使い方を知ることができた。この聖水を掛けることにより魔物に対して強力なダメージを与えることができるようだ。あとは「回復薬」「魔法書(無属性)」が入ってるだけだった。それともう一つ大事なことがわかった。この世界でレベルは存在しない。いや正確にはあるにはあるが、基本的に成長せず一定の能力値に留まるのだということだ。例えば俺は攻撃力が20、防御力が18となっているようだがそれ以上の数値には変化しない。これはどういう仕組みなのかさっぱり分からないんだが、そういう仕様なのだ。

俺は色々と試したいことがあったのだが、まずは自分の身を守らないといけない。俺は魔導書を手に取って「ステータスアップ!」という魔法を唱えることが出来た。

すると身体能力が上がったらしく、先ほどまでは持ち上げることすら困難だった荷物を軽々持ち運べるようになっている。さらに筋力や俊敏性などの数値も大幅に上昇しているようだ。これなら何とか戦えそうだぞ! よしっ!それじゃあさっきの商店に戻るか。店主は相変わらず無愛想なままだったが俺の顔を見ると驚いた顔をして言う。

「おい、あんたさっきはそんな顔はしていなかったぞ!?まさかお前さん転生してきた勇者だったりするんじゃねぇだろうな?」

俺に話しかけて来たのはこの世界について何か知っている可能性がある人物だと思う。それには答えずに質問を返してみることにする。俺に出来る精一杯のことでもあるからだ。

「はい。それで、何か俺が知らないことが知りたいのですけどありますか?というかあなたは何者なんですか?」

すると男はこう答える。

「そうだな。ここはルミナス王国。まぁ見ての通り町だが特にこれといって特徴はない」

俺の期待していた言葉ではない。もう少し踏み込んだ情報が欲しかったのだが仕方が無いので諦めることにして俺はこう言う。

「わかりました。ちなみにここは安全な場所だったりするんですか?どうも俺はこの辺りの土地勘が無いので、もしも良かったらしばらくここに泊めてもらえませんかね」

「ふむ、それは別に構わないが金はあるのか?」

お金、という単語を聞いて思い出した。確か俺はお金を持っていないはずだ。でもここでお金を稼ぐ方法もまだわからないしどうしたらいいのだろうか。とりあえずここはお金のことを誤魔化すことにしてみる。

「はい、もちろんですよ。ところで俺は金がないのですがどうにか稼ぐことはできませんかね?」

俺の話を聞いた店主は無愛想ながらも答えてくれる。

「それならちょうどよかったぜ。実はうちの村では魔物狩りの人手が足りなくなっていて、今朝も新人が一組向かったんだが戻ってこなくてね。どうも全滅してしまったみたいなんだ」

俺に話をしながらも店主は店の奥に入って行った。そして戻ってくると何かを持ってきてくれたようで、俺に差し出してくる。それは指輪のような物で何かの道具のように思えるが詳しくはよく分からないものだった。

俺が首を傾げていると、店主は教えてくれた。

「これはな、魔力を込めることが出来るもので魔法の袋と呼ばれているものだ」

おお、すごいアイテムが出てきたな。これはありがたいかもしれないぞ。店主はさらに話を続ける。

「これは誰でも使うことが出来て見た目以上に多くの物を入れられるようになる」

それは便利そうな代物であるが、店主の言葉を聞いて俺の中に少し疑問が生まれる。俺がそんなことを考えていると俺の思考が分かったかのように話し出した。

「まぁ、それだけ聞くとありがたい話なんだけど、残念ながらそんな万能な効果のあるものじゃないんだよ。まぁそれでも便利なことに違いはないがね」

店主が言った通り説明文を見てみたが、確かにそこまでの能力は持っていないようだった。容量については無限ではなく10トンまでの重量を持ち上げることができるらしい。

「ちなみにどれくらい入るんだ?」

「そうさな。一般的な家だと5軒分ぐらいの広さだな」

うわ、それはちょっと狭いな。

「他にはどんなものがあるの?」

俺が尋ねると店主は他にもいくつかアイテムを紹介してくれた。その中に「魔石変換ボックス」というアイテムがある。

「これはこのアイテムに特定の素材を入れると違うアイテムに変換することができる優れモノなんだ」

俺がこのアイテムの説明を聞く限り、魔石を材料として他のアイテムを作ることが出来るみたいだ。そしてこのボックスの中に素材を入れれば良いだけっぽい。この箱のサイズは大したことは無いんだけど、かなりの数を一度に収納することができるみたいで使い勝手はかなり良さそうである。ただ欠点が一つあって、俺には使えないアイテムしか生成出来ないらしいんだ。だから俺の場合はアイテムに困ることは無くなると思う。ただし武器などには使用できないらしい。この世界の人たちはこの魔石で出来たものを「魔道具」と呼んで大事にしているらしい。

とりあえずこれで当面の生活費を得る目処はたったがまだまだ欲しい情報があり過ぎる。俺はさらに質問を続けた。俺の問いに店主は丁寧に教えてくれているのだが、やはりこの辺りは平和そのもので大きな脅威は感じないらしい。

しかし俺にとってはまだ納得できるものではないので詳しく質問をしてみたところ。店主が答えられる範囲内で答えてくれていたのが「モンスター図鑑」という本を貸してくれた。これには魔物が一体ずつ解説されていて名前も書いてあった。それによるとどうも俺はかなり危険な魔物がいるような場所にいるようだ。その辺り一帯を縄張りとする魔物たちが集まってくることがあるらしいのだ。そして俺はその危険地帯の中心にいることになるわけだが、俺はこの世界に疎いし、このアイテムを使って安全を確保するにはこの村の人たちに頼るのが一番だと思ったのだ。そして店主からいくつか商品を買うことにした。

まず「魔除けのお守りセット」というものを3個購入したのだ。これは「ゴブリン避け」という魔獣寄せの匂いを発する小さな木片でできている。これを使えばある程度の時間ではあるが俺の周りに魔獣を寄せる効果を持つとのことだ。このアイテムを使えば魔獣と遭遇する可能性が高くなるので注意が必要なのだが。

あとは食料なども購入しておく。この世界には魔物だけではなく、魔族という人間と敵対している種族もいるようだ。俺としては出来れば関わりたくないと思っているが。

買い物を終えて店を出ようとする俺に対して店の主が言う。

「あんた、名前はなんていうんだい?」

俺は自分の名前が分からないのを思い出したのでこう答える。

「そういえば俺は俺の名前をまだ知らなかったよ。俺はこの世界のことを知らないし、この世界での常識すらも全く持って無いんだ。この世界の人に聞きたくても名前がわかんないし。もし良ければ名前を考えてくれないかな?」

「ん?なんだか訳有りなのか?」

「まあそんな感じだよ。できれば偽名とかが良いかな?」

「よし!それなら俺が決めてやろう。そうだな。勇者様って呼ぶわけにもいかないしな」

なんか色々と考えてくれてるみたいだし任せるしかないな。

しばらく考えた後ようやく名前が決まったらしく嬉々として話す店主。俺的にはダサい名前にしてくれとか考えていたのだが意外にも普通で拍子抜けするレベルであるのだがまあいいだろうと思い店主の話に耳を傾けることにする。するとこんなことを言ってきたのだ。俺としてはなんの冗談を言ってるのかと思ったけど。

「俺の名前のルーグだ!」

こうして俺は店主からルーグと名乗るようになった。まあ偽名なんですが。

この店主、見た目に反してなかなかユーモアのセンスがある男だったようだ。俺はこれからもこの店で世話になることにして宿を頼んでおいた。ちなみに宿泊料も店主が出してくれることになった。

「さっきのは嘘じゃねえぞ。あの剣はうちで一番強い剣だ!」

そんな会話があったりしたが、まぁそんな感じのやりとりが楽しかったと言えるかもしれない。

ちなみに俺は剣を持っているわけではなく、「魔剣グラトニル」という剣を持っていることになっているので店主はそれと勘違いしているのであろう。とりあえずしばらくはここを拠点にして生活することにしたのであった。

この世界では「ステータス」と呼ばれる能力を簡単に見ることが可能となっている。これは自分の身体能力などを数値化したものを確認することが出来る魔法なのだ。俺も使えるように店主に習ったが、最初は戸惑ってしまったものだ。魔法を使う感覚というのは今まで味わったことのないもので。ステータスを見れるのは嬉しいが魔法を使うこと自体が難しく思えたのだ。

さて魔法が成功したのはいいがどうも俺が思っていたのとは様子が違っているようだった。というのもこの世界に来て俺が持っているスキルのほとんどに変化がないのが原因だ。この世界の人は誰でも生まれつき1つだけユニークスキルというものを持っているというのだが俺はそういった特別なものはないみたいだ。唯一あるとすれば【異世界転移】ということだろうか。これについてはどういうものかわからないのだが。どうも何かの能力が手に入るといったものでもなさそうだが使い方がよく分からない。それに俺のステータス欄にあるはずの「職業」というのが見当たらない。

「職業」というものがあるのかと思って聞いてみたがそういうものがこの世界にはないと言われてしまった。どうも「職業」は「冒険者」などといった称号のようなものに近いようで、人それぞれ得意なことが違うために「職業」は必要ないものとされているらしい。確かに考えてみれば当然なのかも知れない。

ちなみに俺はこの村で宿屋を営む「ルゥーグ商店」という看板を掲げている店にしばらく滞在することにして。ここでお金を稼いで生活をしようと考えたのだ。もちろん魔物を倒して手に入れたアイテムを売るという手もあるのだけど。それはもう少し後にしようと思っている。

この世界で生きて行くためにはやっぱり何かしらの金が必要となって来る。さすがに今の俺は何も持っていない状態で、この世界で生活出来るとも思えないのだ。まずはこの店を手伝うという手段を考えたがそれは却下された。店主曰くこの村は平和すぎて人手は余っていて逆に手が足りないほどだと聞いたからだ。ならば他に何が出来るかと考えてみたら、俺が元いた世界で得た知識を使って「鑑定」の技能を習得することで商売を始めてみようという案を出した。そしてそれを店主に話したところ、面白そうということですぐに始められる準備を始めたのだった。

俺のこの世界で初めての冒険の日が訪れた。

店主は店の裏庭を指差すとそこには魔物の解体を行っている男が数人と作業台が置かれているのが見えてくる。俺はこの村で仕事を探すべく店主に相談した結果。俺は「ルーグ商店 店員見習い募集中」と書かれた貼り紙を出すと早速、俺と同じような状況で仕事をしたい人が訪ねてきたので店主が紹介をしてくれたのだ。

さて、俺がこれから働くことになったこの村では主に魔獣の討伐によって生計を立てているらしい。そこで俺はさっそくこの村でも一般的な狩場でもある森へ来ていた。この辺りは草原が広がり見通しが良くて視界が良好のため、この辺りは平和なんだなと思っていた。実際、この辺りは「ゴブリン狩り」と呼ばれている初心者向けの狩場で、ゴブリン程度しか現れないため危険度は低いのだと言う。俺にとってはゴブリンがどのくらい危険なのかが分からないため、この辺はスルーすることにした。

しかし俺が森の中に入った時に感じたのが、明らかに「雰囲気」が違ったことだ。この森に入る前から嫌な予感はしていたのだが、入った途端それはより一層顕著になって行ったのだ。この森の周辺にはあまり強い魔物はいないというが、それはおそらくは弱い魔物しかいないということだろう。俺は少し気を引き締めつつ進むことにしする。俺が歩くこと数分、早くも敵と接触することになるのであった。俺は戦闘態勢に入ると目の前の茂みからゴブリンが現れるのを確認したので俺は即座に【聖水】をかけることに成功するとゴブリンに対して攻撃を開始したのである。その結果、俺はゴブリンを瞬殺することに成功、レベルが上昇するとレベルアップを知らせる声とともにレベルが上がり、能力値に大幅な変化が現れたのだった。

「ステータスオープン」

ルーグ(レベル:5)

(生命力:50,009/50,500)

「攻撃力:25,900」

装備:グラトニル アイテム一覧 アイテムボックス 1、薬草×25

「所持アイテム一覧」

「武器アイテム」魔剣グラトニル 2、聖水の雫×20 3、毒消し薬×10

「防具アイテム」無し

「魔石変換ボックス」空っぽ アイテム欄には聖水を材料として作れるアイテムリストが入っている。俺はその中に【ポーション生成セット】が入っていたのを思い出し、それを選択することにした。するとアイテム欄に新しい項目が追加されていた。

【薬草ポーション生成セット】を選択してみるとアイテムの説明が表示されていた。それによると「このアイテムには回復薬を作成する効果がある。ただし材料として魔物が体内に保有している素材を使用する必要がある」ということがわかったのだ。さらに詳しく調べたところ、どうやら魔物の体内に存在する「魔石」を材料にする必要があるらしい。つまり魔物の魔石を粉末にして混ぜ込むと効果が上がるのだと。

そして、魔物の魔石にはランクがあり低級、中級、上級とあるのだが、その中でもさらに上位の存在の魔石であればより優れた回復力を持つことが出来るのだと言われている。また上級以上の魔石の粉を使用した場合には通常の3倍から5倍の効果が期待できるらしい。ただ魔石の値段も高いため一般の人間ではほとんど使うことは無いというのだ。だが今回作るアイテムについてはそこまでの魔石の効果が望めるとは思えない。そのため、まずは通常の物を作ることに決めたのだ。

まずは聖水を用意してからゴブリンの魔石をいくつか取り出してみる。それから魔物が保有していると思われる素材を取り出し、その一つ一つがなんのアイテムになるのかを調べていった。その途中、ゴブリンの中に一際目立つ大きな塊が混ざっていたのを発見する。どうやら「レアアイテムボックス」というアイテムボックスのようで、これさえあれば大量のアイテムを持ち運ぶことができるらしい。このアイテムが欲しいがために多くの冒険者がこれを狙いに来るんだとか。

まぁ俺はこれを売っても使い道が無いし、売るつもりもないのでアイテム袋にしまっておくことにしたんだが。それよりも重要なことは魔物から入手できる魔石は一つだけとは限らないということが分かったのだ。複数の魔物の体にある魔石を全て入手することが出来ればかなりの量の回復薬を作れるということがわかってしまったのだ。まあこの情報も教えてくれた店主に聞いたわけだけど。どうやらこの森では低レベルのゴブリンは大量に出現するので、低級の奴らは放置でいいがレベルが上がった高レベルモンスターは倒しておくことを勧めたいらしい。なぜならレベルが高くなるにつれ得られる経験値の量も上がっていくらしく、倒した後のレベル上昇が格段に良くなるのだという。俺は店主から教わった通りレベルの高いモンスターから順番に倒して行くことにする。レベル上げをするために。こうして俺はゴブリンを倒しながら進んで行くのであった。そして俺は遂にボスクラスのゴブリンと遭遇してしまったのである。

さすがの俺もこのボスクラスのゴブリンを見た時にはさすがに冷や汗をかいてしまう。なんせレベルが6もありレベル差があるだけでなく、俺の能力ははっきり言って雑魚同然だからだ。正直、勝てる気がしないんだよな。それでもやるしかないので俺は戦うことを決意したのだったが。俺はグラトニルを構えると先手を取るべく、スキル【加速】を発動すると俺は【縮地】を使って一瞬で間合いを詰める。このスキルは相手の動きを見切りギリギリまで引き寄せてから攻撃を行うスキルなので俺はタイミングを合わせて攻撃を繰り出す。そして俺はそのまま勢いに任せて思いっきり振り抜いたのだがゴブリンの反応の方が早かったようだ。俺は攻撃を受けてしまい、地面に転げ回ってしまうのであった。そんな俺に対してボスはゆっくりと歩み寄って来たのだが。

「くそ、舐めやがって」俺はそう言うと立ち上がり攻撃を仕掛けたのだが。どうも相手はこちらを格下だと判断して遊んでいるみたいだ。しかしこっちとしては遊びではなく本気なんだよ!そう心の中で叫ぶと同時に俺が反撃に転じた。

「はぁ!」俺は気合を込めて叫び声を上げる。そしてそのまま俺はゴブリンの攻撃をひらりと避けると懐に潜り込み一気に薙ぎ払う。俺の動きについて行けず吹き飛ぶゴブリンはどうやら相当ダメージを受けているみたいだ。このままなら押し切れると思ったが、ここで思わぬ誤算が生じた。

なんとさっきよりもゴブリンが強くなっていたのだ。恐らく俺の持っている「レベル」が上昇したことで上がった「防御力」が上回りダメージが減ってしまったのだ。それに俺の「敏捷性」と「筋力」では一撃で仕留めることが出来なかったことも問題となってくる。そこで俺はグラトニルに【聖水】をかけることにした。こうすることで【聖水付与】という状態に変化するのだ。

これで攻撃力も上昇する。それに【毒霧】を組み合わせることでさらに攻撃が通しやすくなり俺の攻撃が急所に当たったこともあってゴブリンの体は半分以上が吹っ飛んだのだ。さすがのボスクラスとはいえこれには耐えられなかったようである。俺はすかさず次の攻撃の準備に入った。しかし、俺の目の前には巨大な火の玉が迫っていたのだった。俺は回避しようとしたが反応が遅れてしまっう。直撃を受けると思いきや突如、火球と俺の間に現れた盾によって防がれていた。そして、俺はこの場から脱出することに成功した。

どうやら俺の命を助けてくれた存在がいたようだが一体誰が?俺はそう思って周りを確認しようとしたその時、後ろから突然声をかけられたので俺はびっくりしてしまうのであった。俺に声をかけて来たのは何と女性の声であり綺麗な顔立ちをしている女の子だったのだ。しかもその子は銀色の髪と青い目でとても可愛らしい少女であるのだ。歳は同じぐらいで見た目的には15か16あたりかと思う。服装を見ると俺と同じで鎧を着ているのだ。そして腰に短剣を差し込んでいるようであった。

彼女はいきなり「大丈夫!?怪我は無い!?」と言って心配そうな表情で俺のことを見て来ていたのだ。そこで俺はまだ戦闘中であるということを思い出すと「ありがとう助かったよ。ちょっとやばいところだったんだ」と言う。俺がお礼を言うのを聞くとその少女は「助けてくれてありがとう。私の名前はシルビア。この森に薬草を採りに来たのだけど、まさかあんな大物に遭遇するなんて思わなかったわ」という。どうやらこの子は薬草を探しに来ていたようだがゴブリンに襲われそうになったということだ。そこでゴブリンが俺に向けて炎系の魔法を放ってきたが彼女が咄嵯の判断で助けてくれたのだ。俺はすぐに彼女にお礼を言った後に俺はゴブリンの方に視線を向けると既に絶命しており戦闘は終わっていた。

「とりあえずここを移動しよう。ゴブリンがまだ潜んでいて襲われると危険かもしれない」

俺の言葉を聞いたシルビアという女性はこくりと首肯すると俺の後を付いて来るのであった。

俺たちはその後は特に何もなく村まで辿り着くと、その村の村長の家へ行ってみるとどうやら先程の騒ぎを聞きつけたのか村長と数人の男女がやって来て出迎えてきた。そして俺の姿を見るなり、慌てて

「おお無事だったんですね。本当にご迷惑をおかけしました。申し訳ないです」と謝って来たのだ。それに合わせて後ろに居た女性も頭を下げてくるのである。そして俺は二人に質問をしてみたのだ。

「いえ、俺はただ薬草を取りにこの村に立ち寄っただけですから。特に気にしていません。それよりあなた方はどうしてこんな危険な場所にやってきたのですか?」

すると二人はお互いの顔を合わせると少し言いにくそうな感じで口を開くのだった。話の内容はこの村は最近になって魔物が増えてきて作物の収穫量が減ったことから食べる物が無くなり始めたため近隣の町から食料を買ってきているというのだ。

どうもこの町の周辺はゴブリンやオーガ、ジャイアントなどのモンスターが頻繁に出没するエリアになっているらしく普通の人間が町を出るだけでもかなり厳しい環境なのだそうだ。それで俺の姿を見て慌ててやって来たのだというのだ。俺はそれを聞いて驚いたわけだが。確かに魔物のレベルは高いがそこまで強いわけではないのになぜそこまで苦戦しているのかが疑問だと感じたため詳しく聞くことにした。その結果わかったのはなんと、この町の周囲にいるモンスターの殆どが高いレベルでなおかつ連携を取って襲ってくるという。

そしてこの辺り一帯を支配しているのは、どうやらゴブリンの上位種であるジェネラル、ゴブリンメイジ、ホブゴブリンの三つの種族の集団が手を組んでおり非常に厄介なんだとか。そのためゴブリンの討伐の依頼を受けた者たちも返り討ちにあったのだという話である。さらに悪いことに、その三種以外にもレベル30オーバーのハイゴブリンがいるという噂もある。どうやら噂によればその上位種は上位種を従えてこの周辺を荒らしまわっているとのことだ。この世界では稀にだがレベル60のゴブリンが生まれてることがあるらしくゴブリンクイーンと呼ばれるゴブリンの女王が君臨している場合もあるらしいのだ。ゴブリンキングも存在するが滅多に生まれることは無くても数百年に一人現れることがあるくらいだ。しかし、ゴブリンクイーンが現れた場合、通常の数倍の力を有するゴブリンがゴブリンキングが生まれる可能性が高まるとも言われている。

そのせいもあって今回のように複数の上位種が集まらない場合は通常の個体のみとなる場合が多いという。ちなみに通常のゴブリンやゴブリンナイトもそれなりの強さを持ってるため油断できないのだと。また他の魔物に関しても同じ事が言えるという。つまりは、ゴブリン以外のモンスターも群れを作って生活することが多いため、一匹や二匹程度の小規模なら問題はない。だけどそれ以上の規模のグループで動くことはほとんど無いのだ。だからゴブリンだけを狩るつもりでも思わぬ事故が起こり得るということだ。だからこの周辺の人々は冒険者ギルドに登録した冒険者に護衛を頼むのが一般的となっているようだ。

しかし、冒険者は基本的にはこの国に所属しているわけじゃないからあまり協力してくれない場合が有るのだ。だからこの村の人々は自力で自衛をするべく定期的に森へと赴くことで食料を確保するしか無かった。幸いな事に、森は広いため、多少狩りに失敗したところで被害は少ないらしい。それでもゴブリンの被害は結構あるみたいだ。この周辺で取れる食材では大した量の食事を作ることは出来ない。そのため、常に食糧難に悩まされている状況であるらしい。だからこそ、俺が持っていた回復薬に群がったというわけである。

それからしばらく俺は村の人たちと話し合っていたのだがどうもこの国の王様が崩御されて新王が生まれたことにより治安が悪化し始めているという話であった。しかも新しい王は先代の王の弟君らしく、自分の思い通りにならなかった前国王を排除した上に好き放題に振る舞っているのだそうだ。そして今、国内で反乱が起こるかもしれないと不安視されているというのである。実際、この近隣では度々、大規模な戦争が起きているらしいのだ。しかもこの国が他国との同盟を切ろうと画策していて、そのために隣国との関係が険悪化しているのだ。そして、俺の住んでいた街はどうなっているかというと、実は俺はこの村にたどり着く前に立ち寄ったのだけれど、俺の街も他所の領地と接している関係でかなり不穏な状態になっている。どうやら、国境付近にある街を乗っ取るつもりなのか分からないが現在進行形で小競り合いが絶えないという状態だ。

さらに、その領地の近くにある俺の住んでいるこの街にも影響が出ているみたいだ。なんでもこの付近で頻繁に戦が行われているために兵士の募集が盛んに行われており傭兵なども増えているのだ。しかも最近では俺のようにこの国に召喚された者たちが元の世界に戻る方法を見つけようと躍起になっていて、その為にお金が必要だという。なのでこの国は慢性的な財政難に陥っている。

そこで俺がゴブリンを討伐したという話が広まったことによって俺に対して期待が持たれたという事である。しかも、俺の武器はこの世界には存在しないはずの剣であり、俺の身体能力は他の連中よりも高いのだ。これはこの世界で俺だけが持つ能力で俺にだけ特別な才能が開花したのである。

俺が手に入れた能力は【限界突破】というスキルで、俺の能力値のステータスの上限を引き上げてくれている。しかも俺は俺だけのユニーククラスを持っている。その名は【聖騎士】と言い俺だけに発現した特別なクラスだ。そして、このクラスの恩恵として俺の攻撃力と敏捷性を1.5倍にしてくれる効果を持つのだ。このクラスで俺は一気にこの世界でも最強レベルの戦闘力を手に入れたことになる。そして俺はこの村から正式に俺の仲間となってくれないかと言われたのであった。どうせ行くところもないのなら一緒に行こうぜと誘ってきたのだ。正直俺としては渡りに船だと思いすぐに引き受けることにしたのである。そしてこの日から俺は村人たちの用心棒となったのだった。俺はこの村に滞在しつつ村を守ることにした。ゴブリンなどの下級魔獣の相手をしながら、俺はこの村の警備をすることになる。

俺の役目は夜の間は門番となり村を防衛することだ。ゴブリンは日中は行動しにくいという特性があるので夜に活動するという習性があるのだ。その性質を利用した戦法であるといえる。俺は門の近くに小屋を建築してもらうことになったのでそこに住むことにした。そして俺の寝床をどうするかという事になったが俺は村にある空き家に住ませてもらうことにしたのだ。どうやら、この村には子供がほとんどいないようで若い男というのは貴重な存在であるため歓迎されたのである。俺には家を貸して貰えるだけでもありがたかったのだ。

俺とシルビアとシルナとリリスと俺の妹の5人で森の中で薬草を採取しに行っていた時に俺はゴブリンに襲われた。その数は6匹。シルビアは「私に任せて!」と言うなり、腰に差していた短剣を抜き放ち駆け出して行った。シルビアの動きは非常に速かった。彼女は目にも止まらぬスピードで移動していた。まずはゴブリンたちの中でリーダー的存在と思われるゴブリンメイジが魔法を放ってきたがシルビアは即座に回避するとそのまま距離を詰めていった。その隙に他の4匹が一斉に襲い掛かってくるがシルナは「お兄ちゃんを守ってあげて!!」と叫ぶと同時にリリスに向かって突進する。

そして俺は「シルビアは心配ない!!俺の後ろにいろ!!!」と指示を出すとゴブリンの群れへと飛び込んでいく。妹たちはまだ小さいため戦力にはならないのだ。それにゴブリン程度ならば一人で十分であると考えた。俺のレベルは50を超えているため、ゴブリン相手に遅れを取るなんてことはあり得ないと自信があったのだ。

「俺の妹たちをいじめるのは止めろよ!!!」

俺が声を上げながら一番近い距離にいたゴブリンに斬りかかると、そいつはすぐに絶命して崩れ落ちるのだった。俺は続けて二体目に狙いを定める。そして一体目が攻撃してる隙をついて攻撃を仕掛けたゴブリンメイジの攻撃を避けたところに俺は剣を叩きつけると一撃で倒すことに成功する。そのあとの残ったゴブリンもあっさり倒してしまったのである。そして戦闘が終わると同時に、俺は妹の方を見ると、どうも戦いが終わったみたいで、こちらを見て笑みを浮かべていた。そして、俺たちの目の前にはゴブリンの群れがいて死体になっていた。ゴブリンの死体が転がっている中でシルビアだけが無傷の状態で立っているという状況だ。そんな光景に驚いていたが、

『流石は勇者殿です』と感心するように言ってくるので苦笑いを浮かべてしまうのだった。

その後、倒したゴブリンからアイテムを拾い集めている間にシルナが近寄ってきて「ごめんなさい」と謝る。

どうやらゴブリンメイジの攻撃を避けることが出来なかったのだという。俺がゴブリンメイジを倒した際に生じた隙をついたゴブリンに背中を斬られてしまい、それが原因で傷を負ってしまたらしい。俺が慌てて傷を確認しようとするが大丈夫だというのだ。しかし、

『その程度の怪我、私が治療しますから任せて下さい!!』と言ってリリスが回復呪文を唱えたのである。彼女の治癒術の腕はかなり高いみたいだ。瞬く間にシルナの受けた傷は塞がってしまったのだから驚きである。それを確認した後にゴブリンたちの持っていた装備を回収する作業を行う。そしてある程度回収が終わり村に戻ると村人たちが出迎えてくれたのである。特に俺の仲間たちに対して興味を持ったらしく子供たちがたくさん群がってくるのだった。どうやら子供たちにとっては俺の持っている装備がとても珍しいらしく興奮気味に聞いてくるのだ。その反応を見た俺はちょっと困り顔になりながらも一つ一つ説明してあげるのであった。

俺の仲間になったことで、村の警護を担当することとなったのだが俺は基本的に夜間の間は常に起きていることにした。というのも昼間よりも夜の方がモンスターに襲われる可能性が高いためである。その理由の一つとしてこの国の領土内に生息しているゴブリンという存在がいるからである。この国の領内では、定期的にゴブリン狩りが行われ、ゴブリンは全滅させるのが通常となっているのだ。その証拠にこの近辺の森ではゴブリンの姿を見掛けることが無くなった。しかし、完全に消えたわけじゃなく時折見かけるので油断はできない状況であると言える。そして俺は夜の間だけ門を守る仕事に就いた。この時間帯は俺にとって睡眠時間になるわけなのだけど村を襲撃に来る敵を倒す必要があるのだから寝ているわけにはいかない。そのため俺は深夜の間は眠りこけているということはない。むしろ起きてるくらいの感覚である。なので村の人が眠った後は俺はずっと見張りをしているのである。といっても基本的に何も起こらないのが当たり前であり俺はのんびりと過ごしていくのであった。ちなみにこの村がなぜこの森に出来たのかだが理由はいくつかあるらしい。

その一つは先程、話した通りこの国は財政が悪化しており他国に侵攻される恐れがあったのだ。そこでこの村は他国との貿易を行うための拠点として作られていたらしいのだ。だけど今では他国との争いが激化してしまった結果、商人などはあまり訪れなくなってしまった。しかも国自体も戦争の影響でかなり衰退しており治安も悪くなってしまっているため村人は生活のためにも食料を得るためにもこの周辺で食料を確保すべく狩りを行っていたらしい。

その結果、村に訪れる冒険者は減ったのだが、この国の兵士の募集は頻繁に行われていた。つまり冒険者が来なくなった代わりに兵士が集まるようになったということだ。それにより、村の警備が強化されることとなり結果的に俺が村の守りを任されることにもなったのである。ただこの村の人口は100人程度のためそれほど大規模な戦闘が起きるという事はないだろう。なのでそこまで危険は無いはずだ。そう考えていたのだ。だけど実際にゴブリンなどの下級魔獣の襲来がこの辺りでも頻発しているため俺の役目も重要なものとなっている。そして今日も俺は夜の見張りを行っている。

「ふぁ~眠いぜ」と俺が大きな欠伸をしたところで村の方角へと歩いていく集団がいた。

人数は10人といった感じだ。

こんな時間に誰だろう?と思った俺は近づいて行くとその先頭に立っていた男がこちらの存在に気付いた。男は鋭い目つきをしておりかなり強そうな気配がしている。もしかするとこの村に攻め込もうとしていた敵国の兵士かもしれないなと感じた俺は警戒を強めることにした。俺はすぐに【鑑定】のスキルを発動すると 名前はアレックと言いこの近隣にある領を治める領主の息子でこの村の出身であった。彼は現在16歳と俺と同年代でかなりのイケメンであった。

しかも鍛え抜かれていて体格もいいことからこの国の兵士達の中で将来を有望視されている人物でもある。そして、俺に対して、

「お前が勇者か。まさか女と一緒にいるとは思ってなかったが噂に聞く以上に凄いな」と声をかけてきた。

「あぁ、俺が勇者で俺の妹はみんな可愛いんだ。自慢の家族だぞ!」と俺が得意げに話すとなぜか微妙な表情をしていた。何かおかしなことを言ったのだろうかと思いつつ、さらに俺は質問することにした。するとこの世界に来たばかりの頃の事について教えて欲しいと言われたので、とりあえずこの世界に召喚されて間もない頃にあった出来事を簡単に話したのだ。そしてそれを興味深々で聞いていたアレックという青年。そして話し終わった後には、

「俺が聞いたのは別の世界の人間の話というか物語として伝わってきているが勇者様の話が嘘偽りがないと分かって良かった。それと勇者はハーレムを築いていて毎日幸せいっぱいに暮らしていると聞いていたがどうやら本当だったみたいだな。俺の知り合いも勇者と仲がいいから、その話は知っていた。まぁ、俺はこの村が好きだから出ていきたくなかったしこの村に愛着もあるからこの領地から出ていこうとは思わないんだけどさ。ただ勇者ってやつは羨ましいと思ってしまう。なんせ、俺が目指していた道がまさに勇者の道なんだ。この国の王子や貴族連中は俺たちを駒として扱うだけだ。そしてこの国では平民は使い捨ての消耗品として扱われている。だからこそ、俺は強くなりたいと心から願っている。その為にももっと強くなるための秘訣みたいなものがあれば、ぜひ聞かせてもらいたいものだ。頼む!教えてくれないか?」と言って頭を下げてくるので俺はかなり驚いていた。なぜなら、俺はこの世界で初めて出会ったのがこの男である。正直言うと、最初は怖い奴だと感じていたし話しかけられても何を言われるのかわかんなくて内心でビクビクしてたし。

しかし話をしてみると案外普通のやつだった。それに意外に良いやつなのかもしれないと思うようになっていた。だって、この村の出身であるにも関わらず出て行こうともせずに留まってくれたのだから。

俺としても悪い気はしなかった。だから彼にはいろいろとこの世界の常識的な部分については教えておくことにしようと思った。この国を脱出しても他の国に行けば同じような境遇に陥る可能性があるし、それならこの国に残り強くなって他の国に逃げた方が安全だと思うからだ。そう考えた俺はこの世界に存在する職業について、この世界で一般的に知られている情報を伝えることにした。ただし、これは俺自身についても同じことが言えるため詳しいことは伏せておいた。それは【聖剣の勇者】だということだ。しかしそれを聞いたアレックは「えっ?マジで?俺と同じなのかよ!?そんなことあり得るのかよ。俺が憧れる職業じゃないか!!」と驚きの声を上げていた。どうやらアレックは【聖騎士】と呼ばれる上級職に就いているらしく、俺の職業がいかに希少なものかという事を実感させられてしまったのだ。ちなみに彼以外の仲間たちの職業を聞くことになったのだが、全員が【僧侶系魔法剣士】とかいうよくわからない職業に就いていて全員に驚いたのである。というわけでお互いに情報を交換することが出来たので非常に満足だった。

その後の話になるが、この村から出たくないと言ったアレックと別れて村の中に戻ることにすると子供たちが集まってきたのである。その子供たちは俺たちを歓迎してくれた。どうやら俺たちは村のヒーロー的な存在になっているらしいのだ。その話を聞いた俺たちはちょっと複雑な気持ちになってしまう。しかし、子供たちにとってはこの村が自分たちの村だという意識があるし俺のことが好きな女の子もいるらしい。そんなこともあって子供たちは俺のところに集まるのは必然的だという。しかし、俺自身は子供が好きではないからそんな風に言われても全然嬉しくないのが現実である。だけどシルナが楽しそうに子供たちの相手をしてくれている姿を見てると、まぁシルナが幸せならそれでもいいのかなと思うのであった。

それから数日経ったある日、俺のところを訪ねてきたのは村長の娘であるシルビアであった。彼女はいつものように優しい笑みを浮かべていたが、その日は様子がおかしかったのである。その理由だがどうやらこの村に兵士が訪れるらしいのである。兵士は定期的に訪れることになっているため珍しいことでもないはずなのだが、その兵士はこの近辺の領地の警備を担当しているらしいのだ。だから定期的に見回りを行い異常が無いかをチェックするためだと説明されたのだ。その兵士たちの中に、この村の出身者が混じっているらしく、久しぶりに会いに来て欲しいという話を受けたので断る理由も無いため了承することにした。だけど、なぜこのタイミングで来るのだろうと疑問に思っていたのだ。するとその兵士には婚約者がいるらしく結婚式を挙げた後にまたこの村に戻ってきたという経緯があった。

つまりは、今回の訪問はそのお祝いというわけであるらしいのだ。そのためこの村に訪れる理由はそれだけではないらしく、村の状況を確認するためだそうだ。しかし、その兵士たちも定期的に来てくれるとはいえ、この村は小さな集落なので1日に一人二人程度の人数がやってくるだけである。そのくらいならば問題は起きないだろうと考えた。だけど今回ばかりは問題が起きることとなってしまうのであった。その兵士が到着した翌日のことだったのだが俺は早朝に起きた。理由は簡単で誰かが家の中に侵入してきたからである。

「一体誰だ!!?」俺はそう言いながら家の入り口まで向かった。

そこには俺の家を知っている村人が立っているのであった。

俺は警戒を強めると

「お前たちこの村から出て行け」と言われたのであった。俺はその発言に耳を疑ってしまうが

「どういう意味だ?」と聞き返す。

「言葉通りの意味だが」と言い放ちこちらに近づいてくる男。

そして男は「この村はこれから俺が管理する。そしてお前たちが暮らす場所はもうないんだぞ。分かったか?大人しくこの村から出ていけ。そして二度と戻ってくるな。そしてお前たちは奴隷になる運命なのだ」と言われたので、何を言い出すかと思えば馬鹿な話だなと思ってしまい

「この村は俺が守る!!俺に従えないというのであればお前を倒せば済む話だろうが!」と俺は宣言した。そして武器を取り出すと村人に向かって突撃していく俺。村人も当然の如く俺のことを襲ってきたので、戦闘が始まったのである。俺は戦闘を開始すると同時に相手の能力を確認した。名前を見る限りでは【兵士A レベル10】となっている。つまりは一般的な下級冒険者と同等のステータスという事であろう。俺にとってはかなり格下の相手なので普通に戦っていれば簡単に倒すことができると思っていた。ただ、俺の持っている短剣が通用するかどうかは分からないけどね。という事で、

「はぁぁぁ!!!!!」と声を上げつつ攻撃を始める俺。俺はまず最初に村人の腹に向けて蹴りを放つが簡単に受け止められてしまう。まぁこれ位の攻撃は受けられるよねって感じだ。そのまま足を戻さずに俺は村人に対して連続で回し蹴りを放ち続けていく。しかしこれもあっさりガードされてしまっていた。村人は俺の攻撃を捌きながら攻撃を仕掛けてきていたがそれを余裕で回避し続ける俺。すると、相手が大振りなパンチを仕掛けてきたため俺はカウンターで相手の顎に掌底打ちを食わせることに成功する。それによって相手は大きく後ろに吹き飛ぶと壁に激突して崩れ落ちるのであった。そこでようやく敵が倒れたことに気づき

「ふぅー、こんなもんかな」と一息つく俺だったが

「流石勇者様です。素晴らしい実力ですね。しかし残念なことに私の負けですが、まだ私の部下たちが残っているんです。彼らを相手にすればあなたもきっと死んでいたでしょう。というわけで私が直々にあなたの相手をしましょう。もちろん部下たちも一緒にいますよ」と言ってきた。そして姿を現したのは全部で4人だった。ただこの人たちはみんなが兵士なのではなく傭兵みたいな存在であり、この村ではそれなりに名の知れた人たちらしいのだ。俺はこの人と戦ったらおそらく勝てる自信があるが、この数相手に戦うのはあまり得策じゃないと判断するとここは逃げるべきかもしれないと考え始めていた。

だけど俺も勇者だしここで逃げるというのはプライド的に許せない部分もありどうするべきか悩んでしまう。そんな時に背後から気配を感じたので振り返ってみると、なんと子供たちの姿が。しかもその先頭にいる子供が、なんと俺が勇者だということを教えてあげている子供だった。俺はどうするか迷うことになるが、この子供たちを守る為ならば戦ってもいいと思った。だけど、この村の子供たちは普通の人間であるから俺はこの子たちの安全を確保する必要があると判断したのである。その為にもこの場をなんとか乗り切るしか無いと考えていた。

そして戦いが始まろうとしたその時である。一人の男が俺たちの前に現れた。その男の格好を見て俺は唖然としてしまったのである。だって彼は貴族のような豪華な服装に身を包んでいるのだから、驚くのも無理はないはずだ。というより俺が驚いているのはそれだけではなく、彼の隣にシルナがいたからである。俺は彼女にも危険が及ぶと思い、助けなければと思うのだがその瞬間、彼女の姿が一瞬にして消えていた。俺は彼女が消えたことに困惑していると

「さて勇者よ、ここから先に進ませてもらうぞ。そして貴様が魔王を倒したとしても、いずれこの国は崩壊するのだ!だから、この国には必要の無いものは排除していかねばならないのだ。というわけで、貴様には死んでもらう。俺のためにも死んでもらうのが一番ありがたいことだし。しかし、安心するがいい、すぐに殺しはしない。俺の妻となった後なら、殺すのも容易いのでね。それまで生き続けることが出来るか見物だが、それも長くは続かないと思うよ。では、行くとしよう」と一方的に話すと兵士たちと一緒にこの家を去って行ったのである。そしてシルナのことも気になったし急いでこの家から飛び出す俺。外を見渡すがやはり彼女の姿は見当たらない。仕方ないので村の周辺を探すしかないと思った。そして走り回っていたところようやく彼女を発見することができたのだ。だけど見つけた場所は崖の近くであり、落ちれば確実に死ぬという状況だった。彼女は必死に登ろうとしているが、体力の限界がきてしまったのかついに諦めてしまうのだった。俺はその光景を目の当たりにしてしまい焦る気持ちでいっぱいになって、無我夢中で走り始める。

しかし崖までの距離が遠く思うように近づけない。そんなことをしているうちにシルナはさらに下へと落下していったのであった。それを見た俺は完全に冷静さを失ってしまい、全力で走った。するとギリギリ間に合うことが出来たので彼女を抱きしめるようにして、地面を転がるような形で着地した。その結果何とか地面に落ちることだけは防ぐことはできたのだが、その代わりに背中を強く打ってしまった。

その痛みで悶絶してしまうが

「良かったぁー。君だけでも守ることができて本当によかったよ。怪我は無いか?」と俺が心配そうな表情で言うと

「うん、大丈夫だよ。でも、私はもう助からないの。この高さだもの。それに私は勇者の貴方を守りたかったの。なのに私だけ生きていてどうしろっていうの?」と泣きながら言ってきた。確かにシルナの言っている通り、この高さだと生きて帰れるかはかなり怪しい。だけど俺は、どんな手を使ってでも絶対に助けると決めていたのでどうしたら助けられるのかを考えていた。しかし俺一人ではこの崖を登り下りすることなんて不可能に近いだろうし、そもそもロープすら持っていないのだからどうすることもできないのだ。そこで俺はある決断を下すのであった。

それは、俺のスキルを使うことによってこの状況を打開することが出来るのではないかという考えに至ったのだ。そして俺は覚悟を決める。

「今更だけど自己紹介をさせてほしい。俺の名前はリクと言うんだ。ちなみに年齢は17歳で職業は勇者だ」と唐突に話し始めて俺は戸惑ってしまう。

「私も自己紹介するわね。私の名前はシルヴィアと言います。年齢とかは言えないけど職業は魔法戦士よ。よろしくお願いします」と言った後にお辞儀をする彼女。俺のいきなりの行動に対して疑問を抱いている様子だったが俺はお構いなしに続きを話し始めた。俺は彼女の腕に装着されている武器の片方を奪い取るように取り上げるとその武器を使い、俺は崖の上にジャンプするように投げつけた。そのせいで俺の体は勢い良く上空に投げ出されるとそのまま落下し始める。だけどその時にはもうすでにシルナの体を掴み持ち上げたところであったのだ。俺はそのまま無事に地面に足をつけることに成功したのだがその際に激痛に襲われることになった。その激痛に耐えながらもなんとか踏ん張っている俺に抱きついて泣いていた。そして「どうして助けようとしたの?あの時、貴方は見捨てようとしてくれてた。でも私はそれができなかったの。もう、死んじゃうんだなと思ってたのに、最後に貴方に助けられてしまうともう生きる希望がなくなっちゃうのに!!どうして?もう、嫌なの。こんな思いをしながら死ぬのなんて耐えられない!!早く殺して!!」と泣きながら言うシルナ。

「そんな悲しいこと言わないでくれよ。君は俺にとって大切な人なんだ。だから絶対に置いていったりなんかするもんか」と言って彼女をギュッと強く抱く俺。するとさらに涙を流し始めるシルナなんだけど「えっ!?ちょっと何やってるの!?」と言い放つと彼女の胸が露になり服は破かれてしまっていたのである。そのことに気づいた俺は慌てて離れようとするも「ダメ!!離れてくれないの!!離さないで、私の側にずっと居て」と言われる。そしてそのまま俺に抱きつき続ける。そんな彼女に俺は何も答えることが出来ないままでいると、いつの間にか眠ってしまったのであった。

目を覚ました俺は状況を把握する為に起き上がると辺りを見回す。

どうやらシルナの部屋みたいだ。しかもかなり豪華であるしベットもキングサイズであるからとても広い部屋だった。ただ俺の横には寝息を立てて眠る美少女がいた。どうやら俺の隣に彼女が寝ているらしい。しかもなぜかシルナは服を着ていなかったのである。どうすればいいのか分からず途方に暮れていると、部屋の扉が開かれる。そしてそこから出てきたのはなんと店主の男だった。俺が警戒しながら見ていると「起きたようですね。おはようございます勇者様。昨日はよく眠れたでしょうか?まぁゆっくり休めたと思いますので、まずはご挨拶が先だと思いまして。失礼しました。ではこちらに来てください。勇者様の歓迎会を始めましょう。皆待っていますので」と言われて半ば強引に連れていかれる俺。どうせ逆らうこともできないし大人しく従うことにしたのである。

「ここが勇者様の為に用意させていただいた食事場となっております。この部屋で皆さんで一緒に食事をしていただければと思い、この部屋に案内させていただきました。そして勇者様のお世話は私が責任を持って全て行うつもりですので安心してください」と話す店主の言葉を聞き、ますます不信感を募らせていくのであったがとりあえず用意された食事を食べることにする。そして食べ終えた頃に一人の男が近づいてきて話しかけてくる。「俺はお前の上司みたいな者なんだけど、この世界について説明させてくれよ。この国は今魔王軍に脅かされているんだよ。このまま放置すれば国全体が滅びてしまうかもしれないというくらい危険な状態なんだよ。ただ今の俺の戦力では不可能で魔王軍の侵攻を止めるのは難しい。それで勇者召喚を行う必要があったんだ。ただこれは魔王軍と敵対している他の国の連中にも知られたくはなかったから秘密裏に行わなければならないという条件付きで実行されることになったってわけだよ」と一気に話し始めた男。俺はまだこの世界にきたばかりだし色々と理解出来ない部分がある。だけど俺の目の前に現れた男たちはどう考えても普通の人間の見た目じゃない。明らかに魔族である。そして彼らが人間でないということはすでに確信している。俺は彼らの話を詳しく聞いてみるとどうやら本当に人間ではないようだ。彼らはこの世界で魔物として扱われている種族で、俺は人間扱いされているということだ。俺はそのことについて尋ねることにすると人間として扱われたいならそれなりの代償を払う必要があるという。その条件というのが魔石を体内に取り込むことでありそれを飲まないという選択をした者は魔石を受け入れることができずに死ぬらしい。つまり俺が魔石を体内に入れるという事は死を意味するということだ。しかしここで断るという選択肢は無かったので仕方がないと思い受け入れることに決めた。俺は魔導書に書かれていた文字を思い浮かべて「ステータスアップ!」と言うと身体能力が上昇するような気がしたので実際にやってみると成功したのだ。しかしそれと同時に急激な痛みに襲われてその場で気絶してしまったのだった。

目が覚めるとそこはいつもの寝室で隣には心配そうな表情で見つめるシルヴィアの姿があった。「良かったぁ〜、目を覚まさないんじゃないかと思ったよ〜」と涙を流すシルヴィア。「ここは一体どこだ?」と聞くと彼女は泣きじゃくりながら俺を抱きしめるので仕方なくされるがままにすることにした。それからしばらくして落ち着いてくれたシルヴィアが「この家は私が住んでいた家なの。貴方をここに運んでから一ヶ月近くは眠り続けていたのよ。そしてその間に色々調べたりもしたんだ。そして分かったことがいくつかあるんだけどね。まず、リクは私と同じ魔法が使えるのよ。だけど、貴方は私のように特殊な力は使えないみたいなの。それに魔力量だってかなり少ない。私よりは少し多いくらいだけどそれでも一般人並みしかないわ。そのかわりなのか分からないけど回復力だけはとても凄いの。多分貴方が倒れてしまったのはこのせいだと思うわ。そのせいで私の治癒能力を使って傷口を塞ぐことができなかったしね。だから今の状態は治りつつあるけれどまだ万全とはいえないと思うの。あと、私にも貴方に使ったものとは違う特別なスキルがあってそれは他人を強化することができるものなの。ただし使用後は疲労困ぱいでしばらく動けないんだけどね。でも私はそれを使って貴方を助けたの。だからそのお礼を今すぐ言ってほしいの!!」と言う彼女。確かに彼女の言葉を聞いていくうちにだんだんと記憶が戻ってくる。そう言えばシルヴィアに命を助けてもらったのだったと思い出してきた。

俺は彼女を抱きしめ返すと感謝を伝える。すると彼女は泣きながら笑みを浮かべたのであった。しかし俺にはどうしても聞かなければならないことがあるのを思い出して、彼女に問いかけることにしたのだ。そして俺の話を聞くなり、とても暗い顔になったシルヴィアは「実は私は、勇者パーティの一人なんだ。それで、貴方が崖の下に落下してから数日経ってやっと見つけたの。私は必死に貴方のことを呼んでた。だけど、返事をしてくれない貴方を見たときに絶望しかけた。もうダメだと思った。けど諦めずに呼びかけ続け、ようやく声が届いて意識を取り戻したのを確認した瞬間に私達は全員で貴方の元に駆けつけようとした。その時にね、仲間達がみんなやられちゃったんだ。私はもう、怖くて何もできなかった。でもね、その時にあの人が現れたの。あの人のことを簡単に言うと、魔人で悪魔なの。あの人は私たちを襲ってきたんだ。そして私たちはなす術もなく負けてしまう。そこで、リーダー格の男の人が私だけでも助けようと庇ってくれようとした。けどあの人が言ったの。『お前は勇者を倒せなかった。ならば死ぬべきはそいつだ』と言ってあの人を一瞬で殺しちゃったんだ。あの時の私は何もできなかったんだよ。だから私はあの人の指示に従って貴方を連れて逃げたの。逃げながら思った。絶対に生き延びるって。そして気がついたときにはこの場所に辿り着いていたって感じかな。それで、今に至るわけだけど貴方も辛い目にあっているよね?ごめんなさい」と頭を下げる。

俺はどう答えていいのか分からなくて沈黙していると「とりあえず、貴方に迷惑をかけないように頑張らなきゃ」と言い残すと部屋を出ていった。

それから数日後、ついにその時はやってきた。俺とシルナと店主の男は魔王軍と戦う為に王都へと赴くことになるのだが、その際に店主の男が俺に対してこう言うのである。「申し訳ございません。今回の作戦で私は同行できなくなってしまいました。どうか勇者様だけで頑張って生き抜いて下さい。お願いします」と言って俺の手に一つの指輪を手渡してくる。この指輪の効果は「ステータスダウン」と言い放つとその対象となった者の体力、魔力などを急激に減少させていく効果があるという代物で、店主の男に「これを身に着けていただければきっと役に立つはずです。そして必ず生き延びてください」と言われるのだった。

俺が店主の男が用意してくれた装備品を装備してから、俺とシルナは一緒に馬車に乗り込む。そして移動を開始してからは特に何事もないままで順調に進んでいた。そして数時間後に目的地である王都に到着することになった。

到着したのは良いがこれからどうすれば良いのだろう? そう思って俺の横にいたはずのシルヴィアがいないことに気づく。そして俺はシルナと手を取り合いながら走り出す。そんな時である。「そこまでにして貰おう」と聞こえてきたので俺とシルナは足を止めたのである。そして声が聞こえた方向を見てみるとそこには、黒髪の少年のような容姿をしている人物と、赤髪の少女が立っていたのである。そして二人は俺達の前に立ちふさがるように立つと、赤髪の女が「私は魔王軍が直属の暗殺部隊、紅血衆が一人であり隊長であるルリアである。我が名は貴様の命を奪う者だと認識しておくが良い。それとそこの娘!なぜこの者が生きている!!死んだはずだったはずだ!!それにどうして人間と一緒なんだ!!まさか貴様に何かをしたわけではないよな?」と怒鳴るような声で話していた。

「この方は、勇者のリクさんで私は彼の従者のようなものなの」とシルヴィアは怯えながら話す。どうも彼女はこの二人のことが苦手であるらしい。俺はというと突然現れた少女と青年について考えながら彼らと会話してみたが、やはりどう考えても人間ではなかった。俺の考えでは彼らは魔族なのだと思う。俺の勘では間違いないと思う。そして俺は彼らに質問したいことがあったので聞いてみることにする。

「お前らは本当に魔王の手下か?ただの子供にしか見えないんだけど」と言うと「な、なんて無礼なことを言うんだ!」と俺に向かって襲いかかろうとする少女。俺はとりあえず冷静になるよう言いながら彼女を止める。彼女は怒りを我慢しながらも大人しくなってくれたので安心していると俺の言葉を聞いて笑い出した。

「はっはっはー。僕たち二人が子供に見えるか。なかなか見る目が確かな男だね君は。気に入ったよ。どうだい、この魔王軍に入らないかい?」と言う。俺は即座に断るが「そう言うと思ったよ。じゃあ君を始末した後にその娘は頂いていくからよろしく頼むよ。そして君はこの国で暴れ回ってもらって構わないよ」と勝手に話を進めていく。そして俺はここでこの者たちの弱点を見抜いたのだ。それは彼らが二人同時に行動していることであり、しかも片方の者は魔法を使うことができないということだと判断した俺は、もう一人の者に攻撃を仕掛けることにしたのである。そして攻撃を開始したのだが、予想通りの結果だったようで俺の攻撃を防ぐことが出来なかった。俺はこの隙を逃すわけにはいかないと思いシルヴィアと共に逃げることにした。だが相手も馬鹿ではなくすぐに追跡してきたので俺達は全力で走る。ただ俺はここで魔導書から手に入れたアイテムを使用して魔法を行使することに決める。俺は走りながらシルヴィアに声をかける。そしてシルヴィアに魔法を行使した瞬間の出来事だった。

「きゃあああっ!!!」という悲鳴をあげてシルヴィアはその場に立ち止まりその場に倒れた。俺は慌てて駆け寄ると彼女の体を抱き抱えて話しかける。すると彼女は目を開けて「大丈夫だよ。この人たちは幻を見せられていただけみたいだから」と言う。その言葉を聞いた俺はシルヴィアと一緒に逃げようとしたのだが、どうもそれは上手く行かないような気がしたのだ。何故ならさっきの幻を見せた人物が目の前に立っているからである。

彼はとても余裕のある態度でこちらを見ており「おやおや。これはどういう状況なんでしょう?先ほどまでの勢いは何処に行ったんですかね」と言ってくる。その言葉でさらに腹が立ったのは言うまでもない。そこで俺は思い切って相手に攻撃を仕掛けたのだが全く効果はなかった。

俺が剣を振るい攻撃を仕掛けるが相手はその全てを受け流すようにして避けている。それに加えて俺のことを馬鹿にしたかのように見てくる。その視線が非常に気に障るのであった。

しかし相手の方にも少しばかりの焦りがあったらしく、俺の動きが少しずつではあるが見えてきているようだ。それに伴ってか俺も動きにキレが増してきており相手を追い詰め始めたのだ。そして戦いの最中にシルヴィアが援護してくれるのでなんとか互角の戦いが続いてはいるものの時間稼ぎでしかないことは明らかだった。このまま戦っていても勝機はなさそうなので一度撤退することにしたのだった。

俺は魔道士と思われる青年をシルヴァが追いかけてくれたおかげでどうにか窮地を乗り切れたことに感謝をする。そして今は安全な場所で休憩をしている最中だ。俺の傍には何故かシルナが付き添っているがその理由はよく分からない。とりあえず俺の方から話しかけることにしたのだが反応がない。

するとシルヴィアが「ごめんね。実は貴方の事が心配になってこっそりついてきてたんだって。それで隠れて様子を見ていたら私が襲われているところを目撃してしまって、思わず飛び出して助けに入ってくれたんだって」と小声で伝えてくれる。どうやらそういう事だったらしい。そして、俺はシルナに謝ろうとして顔を見るなり絶句してしまった。理由は簡単だ。俺の顔を見た瞬間に泣いていたのである。

「ど、どうかしましたか?」と問いかけるとシルナは泣きながら「良かった」と言い続ける。そこでようやく理解できたが、彼女はどうやら心配してくれていたみたいなんだ。そして自分が襲われていることより俺の身を案じていたのだという。それが分かってしまった以上、何も言えなくなってしまった。俺はそんな彼女に近づいて抱きしめ返すと「もう二度とお前を置いて逃げたりしない。約束する」と言った瞬間、彼女はまた大粒の涙を流し始めてしまって大変だった。それからしばらくの間、シルヴィアはずっと泣いたり笑ったりしながら過ごして最後にはシルナとも仲良くなってくれたのである。そして俺たちは王都に戻ることにした。ちなみにあの魔道士らしき人物はどうなったのか気になった俺は、シルナが教えてくれなかったのに苛つきを覚えながらも確認をしてみる。どうもシルナの話によると俺は彼に命を狙われていたのかもしれないということだった。

どうもそのように思えない俺はシルナの言うことを信じられずシルナに聞き返してしまう。シルナは俺の表情を見て困った様子を見せるのだが、どうも本当のことしか言ってくれないのである。俺はシルナの事を信じると決めてから「分かった。でももし何かあったら絶対に相談しろよ。お前の為だったら何でもしてやるから」と言うと彼女は嬉しかったのか微笑んでくれてそれからしばらく会話が続いたのである。

ただこの日の夜に起きた事件は俺とシルナは本当に怖かった。なんと寝ようとしていたら部屋の外から人の声がしたのである。そして扉の向こう側にいるであろう存在が俺とシルナに対して何かを話し掛けてきたのは間違いなく俺達に警告していたのだ。

「明日で最後となる勇者よ、今夜の内に貴様は死を迎えることとなるだろう。私は暗殺部隊を率いるルリである。私からは以上だ」と一言言うと静かに去っていった。どうも暗殺部隊の隊長である彼女が忠告してくれたらしいことは間違いないようだったのだが、俺はその言葉を素直に受け入れることは出来なかったのである。

次の日はシルナを連れて村に向かうことになった。どうも村の人達の様子がおかしいらしく何か嫌な予感がするというのである。俺は特に理由を聞くことはなかったのだが彼女についていく事に決めた。俺達が村に着いてみると既にそこは死体が山のように積み上げられている地獄絵図のような状態だったのである。村人が次々に殺されていっており生存者が見当たらないので、恐らくこの虐殺を行っている者によって殺されてしまったのだろうというのがシルナの考えだった。

俺はまず、シルナを守る為に戦うことを決意して彼女を守りつつ敵を探すことにする。そして俺は敵の気配を感じ取り、そいつが姿を現した時に攻撃を開始しようとする。だが相手があまりにも速すぎる上に魔法で姿を消しているので俺の攻撃をすり抜けていくので対処が難しい。そして俺の攻撃が全く通用せず、逆に敵の攻撃を受けることになる。俺の肉体はダメージを負っていないが精神の方が削られていく。そして次第に俺は精神的にも疲れ始めてしまい、やがて俺はその場に座り込む。それでもシルナだけは守らないとと思ってシルスの盾となり身代わりになって攻撃を受けようとした時、突然背後にいた暗殺部隊が全員吹き飛ばされるのが見えた。何が起きたのかわからないままだったが俺は助かったようで、そこにはシルヴィアがいた。

シルヴィアは俺達に向かって手招きをすると急いでその場から離れるように指示をしてくる。そして彼女の言う通り俺達はその場所から離れようとする。だが、そこに俺達を待ち構えるように立っていた男が邪魔をする。男は全身が黒いマントに覆われており姿形はよく分からなかったがどうも人間ではないのは確かだった。

俺はシルヴィアに頼んで魔法を使ってもらう。そして俺の前に防御結界のようなものを展開してもらい暗殺者と対峙する。暗殺者はその攻撃に驚いていたが冷静な判断が出来る人物なのか一旦距離を取って様子を見ることを選択したらしい。そして再び戦闘が始まったのだがこの男の強さはかなりのものだった。だが徐々に追いつめていき最終的には倒したはずだったので油断していたこともあり俺は敗北してしまう。俺が完全に敗北したと思った相手だっただけに本当に悔しくて仕方がなかったのだ。するとその時だった。

俺達の目の前に突如現れた少年はこちらを見ながら言ったのだ。

俺が魔王軍幹部と一戦交える前にシルナはとある場所に足を運んでいた。そこは、かつて自分が住んでいた屋敷だった場所だ。そして彼女は思い出を懐かしむかの様に中へと入っていく。そして、シルナはかつて使っていた自分の部屋へ入った。その部屋には特に何も飾られていないのである。何故なら、彼女はこの家を出て行く時にはこの屋敷は売り払われてしまっていたからだ。では何処で暮らしているのかといえば王都にある高級宿に泊まっている。しかし、今住んでいる場所はシルナにとってはとても大切な場所である。なぜならここが、彼女と両親が住んでいた家で彼女の家族と過ごした唯一の思い出の場所なのだから。だからこそ彼女はこの家に戻ってきたのである。ただ一つ問題なのは、今の彼女がこの家の中に入れないことにあった。彼女は、ある呪いをかけられているのである。この呪いはとても強力な物で並大抵のことでは解除することができないのだ。そのため彼女の両親は必死に魔法を行使したのにも関わらず解くことができなかった。そしてこの家の管理は今は親戚がやってくれているはずなのでシルナのことを誰も知らない。

そして現在シルナは実家から離れた場所にいるためこの場所にくることは不可能な状態になっている。つまりシルナにとってこの場所がどのような所であったとしても、もう戻って来ることができないのだ。

そして彼女はここに来れたことで安心感を覚えた。だから彼女は満足そうに笑うと立ち去る。そして別の場所に移動するとシルヴィアと出会う。シルヴィアはシルヴィアの方からシルナに近寄ってくる。そこでシルナはシルヴィアに話を持ちかける。彼女はシルナがシルヴァだということに気付いていたので、その話をすぐに受けることにした。

俺の一撃を食らった相手はそのまま吹っ飛んでいって地面に倒れ込んでしまったのでそのままトドメを刺そうと接近していくのだが、俺が近付くと相手が動き出すのが分かる。そして俺が剣を振りかざそうとした所で俺は相手に投げつけられてしまう。どうにか体勢を整えようとして俺は空を見上げるのだが俺が目にしたのは空中を舞うシルヴァンの姿だったのだ。

シルヴァは地面に倒れるがすぐに立ち上がると俺に「早くこっちに来て!」と言い俺のことを呼び寄せてくる。そして俺はシルヴァの近くまで移動するのだが、その直後にさっきの男の声が響き渡る。「貴様がシルヴィアという女だな?」と。どうやらこの襲撃者の狙いはシルヴィアのようだが俺がそんな簡単にやらせるわけもなくシルナが俺の服を引っ張ってきたのでシルヴァのことを頼むと言っておく。

俺はとりあえずシルヴィアが逃げ切るまで時間を稼ごうとしたのだがさっきので分かったが、こいつは強い。それにかなり厄介な能力を持っているらしくてなかなか攻めきれない。俺の攻撃を全て見切られてしまっていてどうしようもないのだが俺には勝算があった。そう俺の能力だ。俺には他人の力を奪うことができるという特殊なスキルがあるのでこの能力を利用すればどうにかできるのではないかと考えたのだ。

「お前は何者なんだ?」と俺は聞いてみるが、どうも相手の方は何も言わないらしい。

それからしばらくしてシルヴァを無事に救出した俺は、奴に攻撃を仕掛けたのだがあっさりと回避されてしまった。それからしばらくの間俺はシルヴェを逃がすことだけに専念して時間稼ぎに徹していたのだが一向に攻撃を当てられず、むしろ段々と追い詰めてられているように感じていた。そして遂には俺の動きを完全に封じられてしまった。そして奴は俺に対して何かを言おうとしたので、俺はすかさずシルナを呼び戻して逃げる準備をした。

俺は、この世界に存在する最強の存在だ。俺が負けるなんてありえないと思っていた。なのに、あいつが使った魔法はなんだったんだ? あの一瞬の出来事のせいで、今まで信じていた俺の力が失われてしまっている。一体どういうことだ!?俺が魔法を受けた直後に俺は何故か意識を失っていた。しかも気付いた時には俺の力が元の状態に戻っているんだ。こんなことがあっていいのか!俺は混乱していた。俺の力を奪い、更には回復させたんだ。あの男を倒すしかないだろうな、確実に殺せる方法を考えて俺は行動を開始した。まず、俺が魔法を放つと同時に俺はシルヴに向かっていくことにした。俺が魔法を撃つタイミングで俺は一気に近づいていき、俺の魔法はシルヴァに向かって飛んでいったがシルヴは魔法が直撃する直前に転移を発動させて魔法を避けてしまったのである。俺も流石に驚いたが俺は構わずシルナのところに向かうことにしたのだが、ここで邪魔が入るとは思わなかった。

「よくぞ、私達の攻撃をまともに受けたな」

声の聞こえてきた方向をみるとそこにはシルヴィアが立っていた。シルナは無事だったようでシルヴィアの隣で俺のことを見ながら笑顔を浮かべている。

俺はシルヴィアとシルナに話しかけるとシルヴィアが「貴方は誰なの?まさかシルナのお友達かしら。だとしたら、私のことを紹介してくれないかしら」と言う。

どうやらとてつもなく余裕そうな笑みを見せている。そして隣にいるシルナを見てみるとシルヴィアと同じように笑っていることに俺は気づいたのである。そしてシルヴィアと話す為に俺がシルヴィアに近づいていくと俺の後ろをついてきてシルナも俺と一緒にシルヴィアに話し掛けようとする。するとシルナはシルヴィアに向かってこう告げたのである。

俺がシルナとシルナを連れてシルルのいる宿屋に向かうとそこにはシルナの知り合いらしき女性達が待っていた。

シルナは彼女たちを見て嬉しくなったのかすぐに駆け寄り彼女達に事情を説明してくれたのだが、その話がどうも嘘くさいと感じたのである。

なぜならその人達の話の内容からすると、彼女達がここにやってきた理由はどうも怪しい集団が村を占拠しているという情報が手に入った為らしいのである。しかし俺はシルナの話を全く信用することが出来ずにいた。

「シルナ、この人達の言葉を信じたらダメだからな。そもそもこの人達はどうしてシルナのことを知っていたんだ。俺はお前がシルナだって事を隠してたんだが」と俺がシルナに向けて言うとシルナではなくその隣の女性達が「それは、あなたがシルナちゃんを助けに来た勇者様なんでしょ。シルナはあなたの名前を知っていましたもの。私達はそれについてきてシルナの手助けをしたいとおもってここまで来たんです」とシルナの代わりに答える。

確かに俺の名前は教えていなかった。だから、シルナが名前を知っているということはこの人達に俺の本当の姿を見せるのもいいかもしれない。そして俺はシルナ達の前で仮面を取ると俺は俺の正体を見せたのである。俺の顔を見ると全員が驚いており、俺が勇者であることを知ってシルヴァは驚き、シルンは悲しそうな表情をする。そしてシルナだけは喜んでくれたみたいだがシルヴィアが急に現れた。そしてシルヴィアに話しかけるのだが彼女は俺にシルヴァの魔法を使えと言ったのだ。俺はシルヴィアが何を言っているのか意味がわからなかった。何故ならば魔法が効かなかったから俺はここに来てる訳だしその事をシルヴィアに伝えようとしたら、俺が喋り終わる前に俺が攻撃されているのに気づいたのである。

それから少しするとシルヴィアとシルヴィアに攻撃してきた女以外の3人は、いつの間にか姿を消しており何処かに逃げたのだろうか。そしてその女のほうは地面に転んでおり俺に話しかけてきているようだ。だが彼女は何を言いたいのか全然理解できなかったので俺はとりあえずこの人の名前を聞こうと思った。だけど彼女は何故か何も答えようとしないので俺は彼女の言葉を待った。そしてしばらく待っていると突然俺が彼女に攻撃されたのだ。

そして俺はシルナの方に近付いて行って彼女を避難させようとする。だが俺はそこでシルヴァの存在を思い出すとシルヴァに頼み事をしたのだ。

シルヴァは戸惑いながら俺の方を見つめていたが俺に言われるままシルヴァは魔法を放ってしまう。その結果俺が放った魔法の威力が増してしまいシルヴァの魔法がシルヴィアに命中するが、俺にはシルヴィアを殺すつもりはなかったので俺の能力によってシルヴィアの体力を奪っていきシルヴァから遠ざけることだけに集中した。そしてシルヴァからシルヴィアを離すことに成功した俺はすぐにシルヴィアの元へ行こうとするのだが俺の行動に気づいた彼女が攻撃を仕掛けてくるのが見える。

俺は仕方なくシルヴァンを使って防御結界を張ると彼女はシルヴァンを蹴り飛ばし俺に攻撃を仕掛けるのだが、俺の能力の方が彼女の動きより速かったのか俺は無傷のままシルヴァの元にたどり着くことに成功する。俺はシルヴァの手を掴むと急いでこの場から立ち去ろうとしたのだが俺が動いたせいなのかシルヴァンは目を覚ましてしまった。

俺はこの場でシルヴィアを倒すべきなのか悩んでいたがシルヴァンが目覚めてしまっては仕方がないと思いすぐにシルヴァンを抱きかかえるようにしてこの場から離れたのだ。それから俺はとりあえずシルヴィアのことを気にしつつシルヴァンの体を気遣っていたのだが、シルヴィアの気配を感じることはできなかった。恐らく俺が魔法を使うと俺の攻撃を避けることが不可能だと判断したのかシルヴィアが逃げてくれたのだと思うが油断できない状況なのは確かだと思っている。そしてシルヴァをどうにかして助けてやりたいとも思ったのだが俺は俺にできる精一杯のことをやろうと決意して俺の大切な存在を守り抜いて見せる。そう思っていたのである。

私はシルヴィアのことを警戒していたが俺の前にシルヴァンがやってきてシルヴァとシルヴァの魔法を使ってシルヴィアを攻撃するという手段をとったので、とりあえずシルナがシルヴィアの近くに行ってしまったので俺はシルナを守る為に魔法でシルナの周辺に防壁を作り出した。そしてシルヴァとシルヴァに抱きかかえられたシルナの二人が同時に魔法を放ったので俺はシルナの作った壁に隠れていた。すると案の定俺の予想通りの結果になった。シルヴィアは自分の攻撃を回避されると思っていなかったのか悔しそうな表情をしていた。それからすぐに俺のところに走ってきたのでシルヴァはシルナの元に戻ってもらうことにする。シルヴィアと話すために俺はシルヴに近づこうとするがシルヴィアが俺に対して魔法を使おうとしたのだ。俺はそれをすぐに魔法で相殺しようとしたのだが、それよりも早くにシルヴァの攻撃が放たれたので俺は慌てて回避することに専念するしかなかった。俺はシルヴァの攻撃を受けたのだがどうにか致命傷は免れたようだ。それにしてもかなり危ない攻撃をしてきた。もしシルヴァの攻撃を食らえば間違いなく即死してしまうだろうなと実感することができた。俺はとりあえずシルヴァを俺の目の前に連れてくると俺がこの子をどうにかすることは出来ないのでシルヴァに任せようと思うと、シルヴァはシルヴァのことを見下しているような目つきをしてシルヴァを睨みつける。

「お前は一体誰なんだ?なぜ俺の邪魔をしようとする」

俺がシルヴァンに問いかけるがシルヴァンは何も言わずに俺に攻撃を仕掛けてきたので俺は自分の周囲に魔力の渦を作り出す。シルヴァンはその中に入ることができなかったようで攻撃を止める。

「お前は、この子に対して何をしようとしているんだ?」

俺はそうシルヴァに問いかけるのだが、やはり俺の質問に答えることはしなかった。俺もそろそろシルヴァとの戦い方を考えなければいけないので俺なりの戦い方をする事にする。

俺が自分の周りから魔力の渦を消すとシルヴァは俺が何を考えているのか分からなかったがすぐに次の攻撃へと移ることにした。俺もそんなシルヴァの考えを読み取ることが出来ていたのでシルヴァの行動を先読みして俺の攻撃を繰り出してみる。シルヴァも俺の動きに反応してきたのだが俺は魔法を使わずに手刀を使いシルヴに斬りかかっていく。流石にシルヴァンでは俺のスピードに対処できなかったようで俺の一撃を受けてしまう。

俺の攻撃でシルヴァの体にかなりのダメージを与えてしまったがそれでも俺に向かってシルヴァは向かってきたのである。どうやら俺の速さにシルヴァも慣れてきてしまっているのか攻撃を回避するのではなく反撃をしてくるようになった。

シルナ達を守るためにはシルヴァが俺の相手になるのは非常に困るのであるが、シルヴァが俺を倒さないかぎりシルヴィアのほうに行くことが出来ない。

そして、俺は何とかシルヴァの動きについていくことが出来るようになっていたのであった。しかし、このままシルヴァと戦う訳にもいかないと思った俺はシルヴァに降伏してもらうことにしたのである。しかし、シルヴァは簡単には俺の言葉に耳を傾けてくれなかったのである。

俺は仕方なくシルヴィアがシルヴァのことを倒しに来る前にシルヴァのことを倒す必要があると考えた。そして俺はシルヴァとの戦いでシルヴが持っている武器の使い方を熟知することができていたので、俺はシルヴァが攻撃を仕掛けてきたときに俺もその攻撃を受けないようにするためにシルヴァの剣を利用してシルヴァの攻撃を防いだ。そしてシルヴァンの持っていた短剣でシルヴァに攻撃を与えることに成功した。しかし、シルヴァの体のどこに刺したとしても俺にダメージを与える事は出来ないようだがシルヴァは痛さを感じたようだ。俺がその痛みのせいで一瞬だけ動けなくなった隙を突いて俺は攻撃に転じた。

俺の連続的な動きは、まだシルヴァンが使いこなせるほどの代物ではないので、その点に関してだけはシルヴァを羨ましいと思ったが今はそのようなことを考えている暇はない。

俺はシルヴァンの力を利用することにしてシルヴァンにシルヴを攻撃してもらいシルヴの体を貫いた。

「貴様!俺をこんなところで殺すつもりか!」

シルヴァは、自分が殺されると思ってしまったのかそんなことを言い出していた。俺は別にこの子のことを殺すつもりなんてなかった。俺はシルヴァンとシルヴァの意識を切り離すことに成功をしたのだ。そして俺は、シルナのほうに向かう事にした。すると俺の後ろにはシルヴィアの姿があったのである。

俺はシルヴィアの姿を捉えると同時に、シルヴィアの拳を避けようとする。しかしその時に俺はシルヴィアの魔法が使える事に気がついた。

俺に殴り掛かってきそうになったシルヴィアだが、俺の後ろから俺の肩の上に乗っていたシルヴァを見て攻撃を中断してシルヴァに近づいていきシルヴァンの頭に手を触れる。シルヴィアの体に触れた瞬間シルヴィアは倒れ込んでしまったのである。俺は、シルヴァンが倒されたことにショックを受けてその場に座り込んだのである。俺はシルナの傍に駆け寄っていきシルヴィアのことを警戒しつつ、俺はシルナのことを心配することにしたのだ。

俺はシルナの事が本当に好きだった。それは今まで俺を支え続けてくれたシルナに恋をしているといってもいいかもしれないくらいである。だからこそ、この世界に転生したとき俺はシルヴィアから逃げていたのだ。シルヴィアが俺にとってどんな存在になっているのかが俺には分かっていたが、だからと言って俺が彼女に勝てるはずもないと考えていた。そしてシルナは、俺のことをずっと好きでいてくれるとは思うのだが、俺は彼女を守れるのかが分からなかったのだ。だから俺は、彼女との距離感を保ちつつ、彼女の好意を踏みにじるような真似をしたくないと思ってしまう。俺の事を好きだからこそシルナを傷つけたくなかったのに俺はシルヴィアのことを止められなかった。そして俺はシルヴィアのことを止めようとしていたシルナを見捨ててしまったのだ。その結果俺はシルヴィアの気持ちを知っておきながらシルナを危険な目に合わせてしまうことになる。その結果俺はシルナとシルヴィアを失うことになった。もうシルヴァとシルナンに会うこともないだろう。俺のことを嫌いになったであろうシルヴィアがこの世界に残っているわけがないので、俺に接触することもないはずだ。それにシルヴィアと会うとしたらまた、俺と同じような境遇にある人達を救う為に行動を起こしているのだろう。俺はそう信じたかった。

そしてシルナを治療してから俺達は急いでこの場から離れていく。シルナの治療をシルヴァにしても意味がないからである。俺が回復系のスキルを持っていなければ俺のこの力ではシルナを回復させることができないのだ。

それからシルヴァに抱かれているシルヴァは目を覚ました。俺はこの子が目覚めた事を確認するとすぐにシルヴァンにこの子に俺の事を伝えるように指示をする。

シルヴァに抱かれていたシルヴァが、シルヴァの胸から飛び出すと俺に抱き着いてくる。俺には、俺のことを抱きしめた少女がシルヴァであることに気がついていた。この子の名前は、シルヴと言うらしい。俺はこのシルヴァのことをシルヴァンと一緒にシルナの元へ連れて行くことに決めた。するとシルヴァは俺に何かを伝えようとしたのだが言葉が分からない。シルヴァが喋ることが出来たとしても同じ状況になっていただろうが、俺の場合は言語が通じていないのでシルヴァの言葉が理解できない。俺はとりあえずシルヴィアの方を見ると、シルヴィアはまだ追いかけてくるつもりのようだったが、この状態だと追いつかれるだろう。そう思い俺はシルヴィアの攻撃を相殺してシルヴァに当たらないようにしていた。シルヴァンはシルヴィアの攻撃をシルヴァが受けてしまうと思っていたがシルヴァンが俺を信頼しているようだったので俺は何も言わない。シルヴィアがシルヴァに向かって攻撃を放つとシルヴァンは俺を信じてシルヴァを守ってくれた。俺はシルヴァンが攻撃を回避してくれて良かったと思いつつもシルヴァを抱きかかえるとシルヴァは、 俺の方に視線を向けて嬉しそうな表情をしていたので俺は少しほっとする。俺とシルヴァとシルヴァのシルヴァンとシルヴィアの四人でシルナの元へ向かうとそこにはシルナが寝ていて俺は、俺達がシルナを守る為にシルナに魔法をかける。

俺はシルヴァがシルヴァを抱きかかえる。シルヴァとシルヴァンが俺のことを見てきたので、俺は俺に何が起こっているのか分からなかったが、 シルヴァがシルヴァの頭に手を当てる。すると俺とシルヴァとシルヴァの間に繋がりが出来た。俺の頭の中に浮かんできたのは、

『シルヴィア』

『シルヴァン(仮)』

『シルヴァンとシルヴァンのシルヴァン』

の三つである。恐らく俺達の人格が混ざってしまったということなのだろう。俺の予想でしか無かったが俺はとりあえず自分の能力を確認したところ、俺のステータス欄のスキルの項目の中に【並列】というものが追加されていた。これは、複数の人物と意思の疎通を図る事ができるものらしく、これによって俺の会話ができるのである。しかし、複数人の人物を同時に話すことはできるが、俺が話しかけないと相手が答えられないという制約が存在するようだ。つまり俺はシルヴァンとシルヴァの意思を聞き取ることは出来るようになったのである。そして、シルヴァンとシルヴァとシルヴァの声も聞くことが出来るようになっている。

俺はシルヴィアの相手をするためにシルヴァに頼みシルヴィアの攻撃を防ぐことにしたのである。シルヴァも、 シルヴィアに攻撃を仕掛けることにした。俺はシルヴァンとシルヴァンのシルヴァンのことを抱えて移動することにしたのであった。そしてシルナとシルヴァのことを守ろうと思ったのだが、

「お主は、何故シルヴァの言うことが分かるんだ?私にも教えてくれないか?」

シルヴァが、そんな質問をしてきたので、俺は素直に答える。

「私は、私の中のもう一人のシルヴァンが何を考えているのかを読み取っています」

俺はそう答えた。するとシルヴァは、「それは凄いな!しかしシルヴァはどうなんだ?」そう聞いてきた。

「私達シルヴァンの人格にはそれぞれ名前がついていまして、私がシルヴァン、シルヴァンがシルヴァンのシルヴァン、そしてこの子はシルヴァという名前です。それで先程も言った通り私達にはそれぞれ名前がついているんですけどね。それで私も、シルヴァと同じようにシルヴァの言葉がわかるのはですね、私には元々シルヴァンの言葉を理解できるだけの知識が備わっているのです。それのおかげで今、シルヴァの言葉が分かるようになってます。ただ、そのおかげで他の方の言葉も理解することが出来るようになったんですよ。でも、貴方はどうしてシルヴィアさんの言葉を聞くことができるのですか?そしてシルヴァンの言葉が聞こえないというのは、どういうことなんでしょうか。それに、どうしてシルヴァンとシルヴァンは、シルヴァの事を認識できているんでしょうかね。それと、その腕に付けているアクセサリーについて詳しく説明して欲しいです!」

俺の疑問を聞いたシルヴィアが答えてくれた。

俺は、

「俺はシルヴァの言葉を理解することが出来るみたいだ。理由は知らないが多分シルヴと繋がれている影響もあると思う。それからこのアクセサリーは魔道具で、相手の言葉を俺に伝える機能と相手の名前を知ることが出来る効果を持つものだ。そして、俺が聞き取れないっていうのはこの世界の人間が発音する言葉じゃないからだ。俺は異世界人だしこの世界の言葉の発音の仕方が分かっていないんだよ。俺には俺の喋り方の特徴があるからそっちがこの世界では普通の人間に聞こえるかもしれないんだけど、俺の場合俺自身この世界で生活をしているからこの世界の人間の言語が自然に出るようになるまでは、まだ時間がかかるだろうな。あと、腕輪の効果なんだけどな、こいつは魔導通信機とか言って離れた場所にいる相手とも話せるような効果があるから、こいつを通してシルヴァが、シルヴァンのことを呼んでいることが分かって俺はこいつと繋がることが出来たってわけだよ。まぁ、簡単に言えば、お前の持っているその腕輪に触ってみるといいぞ、それで使い方は大体把握出来るはずだ」

シルヴァは、俺に言われるままに、シルヴァは、俺に言われて腕輪に軽く触れる。俺が念じるだけでその腕輪の機能を発動することができた。そして、俺はシルヴァとシルヴァンのシルヴァンのことについて、俺は二人にシルヴァンのことを俺とシルヴァンの二人のシルヴァンと区別するように伝えるために俺は俺のことを『シン』と呼ぶように命じたのである。そして、俺はこの世界の文字が読めないし、この世界の言葉を発することが出来ないので俺の代わりに俺の腕にある腕輪にシルヴァの手を触れさせると俺とシルヴァの間には繋がっているため、俺の考えを読み取ることができるらしい。そしてシルヴァから俺がシルヴァにこの世界の文字が読めるようにしたいかを聞いてきて俺はこの世界の文字の読み方を教えて欲しいと告げる。するとシルヴァは俺に文字の読み方を教えてくれることになったので俺は早速、シルヴァがシルヴァンとシルヴァンのシルヴァンのことをシルヴィアと呼んでいることをシルヴィアとシルヴァのシルヴァンのシルヴァンに伝えた。

「あーそうだ!この世界は、この文字が使われているんだっけな、この文字なら読めるよ。俺ってさ、この文字を使って、文章を作ることも出来るんだよな。俺って実は記憶力がいいからこんな感じに書いてみて、俺の頭の中でイメージすればそれが俺の記憶に残ることになるから俺の頭にこの世界の文字を書き出すことも可能なはずなんだよな」

そう言い出したのはシルヴァンのシルヴァンのシルヴァンだった。そして俺とシルヴァに自分の考えたこの世界の言葉で文字を俺達の頭の中に送り込んできた。

そして俺はその送られてきた文を俺のスキルを使って解読してみた結果が俺の頭の中に浮かび上がってくる。俺の視界の中にはこの文字が書かれたものが映し出されておりそしてそこに書かれてあった文字を見て俺とシルヴァとシルヴァンのシルヴァンは、 驚いてしまったのである 俺がこの世界に飛ばされてすぐのころ、俺は、シルヴィアやリシアと行動を共にしていた。その頃はまだ仲間になったばかりの人達も多くいてそのメンバーと一緒に旅をしていたのだ。そんな中俺は、シルナという女盗賊と出会い彼女と恋に落ちた。彼女はとても可愛くて優しい女の子なのだけれど少しばかり嫉妬深い所がありましてね。シルナはとても強くて優しくて頼りになる俺にとって大事な恋人だったのだけれどもシルナとの仲が悪くなってしまってからシルナは変わってしまったんだ。そんな彼女に違和感を覚えながらも彼女を愛していたのだけれども彼女が暴走してしまう結果になってしまったのである。俺はその時、シルヴィアに俺の彼女を殺した犯人がこの国の騎士であることを伝えたんだ。そしてシルヴァはシルヴァンとシルヴァンのシルヴァンにシルヴァとシルヴァンを預けることを決めたのであった。俺も最初は反対していたんだ。だけど、シルヴィアがどうしても俺に頼み込んで来たので俺は仕方なく承諾してシルヴァはシルヴィアとシルヴァンのことを守るためにシルヴィア達の元を離れてシルヴィア達の元を離れることにしたのである。

俺達はとりあえず、この街を出ていこうと思い門の方へ向かうのだがその途中街の住人達が、俺達に襲い掛かってきたので返り討ちにするのだがそこで一人の女性が現れる。女性の姿を見た瞬間、 俺は彼女のことを知っている。いや覚えているという方が正しいだろうか。俺の脳裏には一人の女性の顔写真のような物がある。それは以前俺は見たことがあったのだ。それは、この国の王城にて俺は王妃様に出会った時に、シルナが王妃様に何かをしようとしていたので止めたときに、シルナを殴ってしまったのだがそのことでシルナのことを俺は叱りつけたことがある。その時に俺をシルナを止めようとしたシルナの母親とそっくりな容姿をした女性が目の前に現れたのだ。そして彼女はシルヴィアのことを見てシルヴィアの名前を叫んだのである。

シルヴィアも、彼女に対して怒りを向けているのがわかった。そしてシルヴィアとシルヴィアのシルヴァンが戦闘を始めた。俺はシルヴァンのことを守ろうとしたのだが俺が動くよりも先にシルヴィアの魔法によって俺は吹き飛んでしまい壁に激突して意識を失ってしまう。そして気が付いたときにはもう、遅かったんだ。シルヴァがシルヴィアとシルヴァンのシルヴァンを殺そうとしている。シルヴァに攻撃されそうになっているシルヴァンとシルヴァンを庇うシルヴァンがシルヴァとシルヴァンのシルヴァンに向かって俺に魔法をかけて動けるようにしろと言ってきたのである。俺もシルヴィアを止める為シルヴァの攻撃を防ぎながらシルヴァを説得することにした。しかし、シルヴィアは俺の説得に応じずに俺のことを殺そうとしてきた。俺の命を狙ったシルヴィアとシルヴィア達のせいで俺はシルヴァを殺されてしまうことになる。

「シルヴィア!お前、どうして俺のことを攻撃したりするんだ!」

「どうしてってそれは、この人が私の邪魔をしようとしたからですよ!貴方が私の言う通りに動かなかったのが悪かったんです!それにしてもまさか私がこの人を庇うことになろうとはね。私は絶対にこの人の事を許しません!この人は危険です!私がここで処分します」

そう言ってシルヴァは俺達に向けて攻撃を仕掛けてくる。そんなシルヴァに、

「止めろ、シルヴァ!!」

シルヴィアはシルヴァの攻撃を防御しながら必死になってシルヴァをシルヴァンのことから遠ざけようとするが俺は、シルヴァンが殺されると思って咄嵯の判断でシルヴィアが放った攻撃を受け止めてしまったのである。その結果俺はシルヴァンとシルヴァンからかなり離れて行ってしまい、その間にシルヴァに殺されてしまったのであった。その後俺はシルヴィアに殺されたことによって異世界転生をして今この世界にいる。しかし何故だ?何故この世界でシルヴィアは俺のことを敵だと思っているんだ。

俺がシルヴィアと出会っていた頃にこの国は内乱状態になっておりその争いにシルヴィアは参加していた。シルヴァンが、俺のことを殺したシルヴィアに反撃をする。シルヴァは、シルヴァンのことを殺すがシルヴァがシルヴィアのことを攻撃してくることは、俺に止められてしまいシルヴァの攻撃を受けることになるが俺に、シルヴィアのことをどうにかできるほどの力は無かった。俺が死ぬのは、仕方のないことだった。俺はシルヴァに殺される前に俺の人格をシルヴァンとシルヴァンに渡すことにした。

俺が死んだ後に俺の仲間が俺の後を追うようにして死んでいき最後に残ったシルヴァもシルヴィアの手によって殺されてしまったのだった。俺がシルヴァンの身体を使って再び動き始めた時、シルヴァがシルヴァンにシルヴァンの人格が消えたと言っていた。そして俺は自分の意思ではなく、シルヴァンに身体を乗っ取られている状態でこの世界にまた戻ってきたのだった。俺とシルヴァンの身体が俺の知っているシルヴァが俺を殺しに来たのである。

俺はシルヴァンにシルヴィアが操られているということを説明し、シルヴァンを説得しようと試みた。俺は自分が俺で、シルヴィアのことが好きなのだということを説明した。俺が説明を終えるとシルヴァンは納得してくれたのか、俺がシルヴァンのシルヴァンだと分かったらしく俺に、謝って来たので、俺のことを許してくれるように言ってシルヴァンと和解する。

「俺達は、お互いに入れ替わっていて今は元の俺と俺の人格が入っているお前の二人が存在している。まぁ俺のことはこれからシンって呼んでくれるとありがたい。そしてシルヴァン、お前は、お前の持っている武器にシルヴァが乗り移った状態のシルヴァンを、俺達の世界では憑依という。そしてこの憑依にはいくつか種類がある。まず一番有名なものは幽霊などの魂が別のものに宿ることだがこれは生きている人間でも稀に起こることがある。この状態のことを幽体離脱という。そして次に多いものが、霊が取り憑くというものでこの二つは、どちらも共通しているのは肉体から離れていることでありこの状態が続くと命にかかわってくる。そして最後にあるのが魔族に体を奪われている状態になることだ。この状態を俺は魔人と呼んでおり、この魔人に、この世界に存在する生物や魔物は生命エネルギーを奪われたり魔力を奪われたりすると次第に弱って行き最終的に死んでしまうのだ。つまりシルヴァン、今のお前の状態はかなり危ないという訳なんだよな。ちなみに俺はこの世界に来てすぐにこの腕輪を購入させられたんだけどこの腕輪の効果を使えば俺の能力を発動することができてシルヴァンの能力を使えるってわけなんだ」

俺の説明を聞いて俺が言ったことを理解しようとしてくれていたのである。俺の事を理解できない部分があるとシルヴィアの頭の中から声が聞こえるためそれをシルヴァンに説明していたのだ。そして、シルヴィアが、

「そうですか。確かに私のことを心配してくださっているのはよくわかりました。私に危害を加えようとしている訳ではないという事は信じてあげます。ただし、貴方のその能力についてはもう少しだけ聞かせて貰えませんか?」

俺達は、とりあえずこの街を出て行くために外に出る事にする。門番のところへ行ったときにこの国の兵士がシルヴァのことを襲った。俺の事を、シルヴァは庇おうとしたのだろう。シルヴァは、シルヴァンの体を盾にして自分の身を守ろうとする。シルヴァは俺が庇おうとしているシルヴァンの姿を見て少し悲しそうな顔をしたのを俺は見て俺は、

「おい、そこの兵士達。その人達は俺の大事な仲間なんだ。手を出したら殺すぞ」

その言葉に反応するように兵士は俺に向かって剣を振ってきたのである。その攻撃を防ごうとした俺の前に、 シルヴァンが立ってくれたのだ。そして俺の目の前に居た兵士はその一撃を受けてシルヴァンは死んでしまった。

俺とシルヴィアは一旦街を出ることにした。街から出てからしばらく歩いていると大きな建物が見えてきた。それは俺達の目的地だった。俺達がこの国にやってきた理由。俺のスキルは鑑定というスキルなのだがこのスキルを使うためには鑑定したいものに触れていなければならない。しかし触れなくても鑑定することが出来るようになる。そのため俺はシルヴァンとシルヴァンの体に俺が持っていたお守りを持たせているのだ。俺達がこの街に入った時に門番に話しかけられたが俺達には聞こえていない振りをした。

そしてその建物を、俺はシルヴィアを連れて入っていった。シルヴィアは俺と一緒に建物の中に入るのを躊躇うような仕草を見せたので俺はシルヴィアの手を引いて建物に入っていったのである。俺は建物の中に入りシルヴィアのことを見てみるとシルヴィアの表情には不安感があり俺はシルヴィアに対して大丈夫だよと言い安心させてあげることにする。

建物に入ると一人の老人が座っておりその隣に二人の子供が座っていたのである。俺はその老人を見て俺は驚愕してしまったのだ。

「お主が、この世界に来てからの初めてのお客さんじゃな。わしはこの世界を作った創造神と言われているんじゃよ。よろしくな。それでお主に質問があるんじゃが、どうしてお前がここにいるんだい?」

そういわれた俺は素直に自分がなぜこんな場所に連れてこられてどういうことなのかと問い質したのである。しかし、俺はその老人から衝撃的な言葉を聞かされることになる。

俺が、俺達のことを助けてくれるはずの創造神様からこの世界に俺達を召喚した張本人だということを告げられるのであった。

俺の目の前に現れたこの世界を司る神を名乗る存在は俺達のことを見透かすかのように話を進めていく。そんな目の前の人物が本当に神様かどうかはわからないがそれでもこの世界の創造神と呼ばれている存在だということを俺達は知らされることになった。

この世界が作られたのは今から約千年前になる。それまで世界を支配していた魔族の王は世界を滅ぼすための魔王軍を作り出した。しかしその計画は失敗し世界の崩壊まで至ることはなかった。世界崩壊を防ぐために女神と呼ばれる存在が魔獣を生み出す。この世界は人間と動物の他に魔獣が存在している。しかし人間は魔法と言う不思議な力を持っていた。魔法によって魔獣達からこの世界を守れるのではないかと考えた人々はこの世界の人間に魔法の使い方を教えたのだそうだ。そして魔法の力でこの世界で生き残っていくことができた人間達はこの世界でも生きやすいように人間の姿に近い形をとるようになり人間と魔族は互いに互いを理解し共存する道を選んだのだとこの人は語ったのだった。それからはずっとこの国は平和だった。

魔族とはこの世界に存在する魔力を持った種族のことであるがこの世界には本来この世界に存在しないはずの魔族が存在するのは何故かという話になるとこの世界は俺が元いた世界とは違う世界らしい。どう違うのかと言うと簡単に説明すると地球は丸い球状に出来ており太陽の周りを回っている。つまり地球の中心は地軸に沿って下の方にあり太陽の光は真上ではなく地面に向かって斜めに降り注いでいくことになる。この星は自転をしているがそれは一定ではないのである。そして地球の中心にはマントルというマグマが集まっている部分がありこれが動いているからと言っても別に大したことは無いのだがこの地球の中にはコアと呼ばれるものが存在しこのコアの動きによってこの惑星も揺れ動いたりすることがあるのだ。この世界も似たような仕組みでこの世界では海という液体の海が広がっていてその上に陸地というものが存在していた。そして俺の知っている世界では俺の知っている世界にも海はあるのだ。しかしこの世界の場合は俺の世界よりもかなり小さいようだ。その海の上に浮いているのがこの星の大陸であり俺がこの世界で目を覚ましてシルヴィアに会った場所である。

俺の住んでいる国は、海に浮かぶこの小さな島国であり俺の国は周りを海に阻まれているために他の国の干渉を受けることなくこの世界で長い間生き残ることができている国である。

この国の名前はアルクスといい俺が住んでいたのが王都でありここは港町ということになる。

この世界が、俺が元いた世界と全く違うのかと聞かれると少し違っている。俺の元々住んでいた地球は宇宙から見たら球のような形をしているので同じ球体でもこの地球の形が丸いとは一概に言えないのかもしれないが少なくとも俺はこの地球しか知らないためこの世界が俺の元いた世界と同じだとは言えないのだと思う。それに俺は、この世界と元の俺がいた世界は同じだと考えているが、もしかしたら異世界なんていうものもあるのだろうかと思ってしまった。俺には元の世界での知識があったとしても元の世界のことは分からないことが多いのであまりこの考えが正しいとは思えないがとりあえずはそう考えているということだけは頭の中にとどめておいたのである。

この世界の文明レベルは地球で例えるならば中世の時代を想像してもらえれば分かるだろう。しかし科学というものがこの世界にはほとんど発展していないのである。そのため俺のいた世界の科学技術の発展具合と比べても俺の知っている地球で発達しているものと比べると遅れているように思えたのだった。

しかし俺が、この世界に召喚されてしまったのはこの世界で魔獣というものが蔓延るようになり人間が滅んでしまう寸前になったことが原因らしい。そこで俺達は、ある人物の力を借りてその問題を解決するために呼ばれたというのだ。この人の名前は、ゼストという名前で年齢は、見た目的に五十歳くらいの男なのだが実はこの人の本当の年齢が分からない。というのも俺は自分の肉体を別の生き物に乗り移るという能力を使おうとしてみた。すると、なぜかシルヴィアは、

「私の体を使わずにシンが自分の体に戻ってみてください」

そう言われて俺は自分の肉体に戻ろうと念じてみるが戻ることは出来なかったのである。そして俺の体がどうなっているのかと心配して聞いてみるとどうやら俺の身体が、俺と、俺の肉体が融合した状態になっているようで俺の意思でしか動くことはできないようであった。しかも意識が無い状態での行動は無理らしく自分で動こうとすることも出来ないようなのである。

俺の体は今、魂がない状態のようだ。

俺の魂と、俺の魂が融合した状態になっているようなのでこのままだと、この世界では死ぬのかどうか分からない。この世界で死んでしまうということは死を意味するのかと聞けばそれも分からなかった。ただこの状態になることによって俺はこの世界での生物ではなくなったため何かしらの問題が起こるという可能性は低いと思われるらしい。もし問題が起きた場合はその時に対処するということになっているみたいだが今の所は特に問題が起きているわけじゃないみたいなので俺にはこの体のことはあまり心配しないでもいいんじゃないかと思ったのだ。

シルヴィアの肉体を使ってこの世界の事について説明していくとこの世界のことが分かってきたのだけれど、まずは俺が、シルヴァンに使った能力の説明をしよう。

俺は、シルヴァンに使った能力のことを【精神操作】と呼んでいる。これは、俺がこの能力を使った相手の心を強制的に変えることができるというものだ。そしてこの能力は一度使うと俺に好意を寄せる相手に対して発動するようになる。この能力を使うための方法を説明する。この能力を使用するためには対象の相手に自分の手で触れることで能力を発動できるのだ。ただし、触れていない状態では能力を使えない。

能力を発動するためには能力の名前を言う必要があり、その時に使う対象者のことを考えていなければならない。その言葉によって、能力が発動する。この世界に来る前に、俺はこの能力を使い、自分に対する好感度を下げていたのだ。このスキルの欠点を挙げるとすれば自分が好きな相手が自分に惚れた場合は効果がなくなっちゃうというところだろうか。それともう一つ弱点があり俺が触れた相手に俺の持っているスキルを与えることもできるのである。しかしこの能力は俺がこの世界に来ている間だけなので時間が経過してしまうと効果がなくなってしまう。さらに俺と触れた人間は、俺との記憶が無くなってしまうのだ。この能力は、俺の能力の中では強い部類に入るので結構使えると思っているのだ。

そして俺は今シルヴィアと一緒に旅をしていて俺はシルヴィアに、俺の持つこの能力の一つである【転移者召還】のことについて話しをしているのである。この能力は俺とこの世界に連れてこられた俺のように元の世界からこちらの世界にくることが出来た人間を呼ぶことが出来る能力でこの世界で生活できるようにするための能力の一つだ。

この世界の人間にスキルを一つ与えることができるこの力は俺とこの世界に連れてこられた人間にしか作用されない。俺がシルヴィアに対して使ったこの世界の住人は誰でも覚えることができるような基本的なスキルを与えようとしたがそれだと面白くないと思いこの世界にしかないような特別な能力を与えてあげたいと思うようになっていたのだった。

俺とシルヴィアは今ゼクトさんの住む家にお邪魔している最中であった。ゼストさんにはお礼を言いたいというか感謝の気持ちを伝えに来たのだがその肝心のゼストさんがいなかったので家の中におじゃますることにしたのである。ゼストさんはどこかに出かけているようで今は留守にしているようである。俺達は部屋でゆっくりくつろいでいたのだが、そこにゼクトさんが帰って来た。しかし部屋に俺達がいたせいでゼストさんはかなり驚いていたようだ。俺は自分がゼクスさんの探していた異世界から来た勇者だということを告げたのである。俺は異世界からこの世界に連れてきてもらった恩があるし、ゼクスさんはゼストという名前から恐らく日本人だということが分かるのである。そのため俺はゼクスさんに感謝の意を伝えたいと伝えたが当の本人はどうやらあまりこの世界に残れることを望んでいるわけではないらしいのである。そんな話をしながらも時間は流れていき夕方になってしまった。ゼストさんに夕飯を食べていくように誘われたのでご馳走になることにして俺達二人は一緒にご飯を食べることにした。

この国の料理は基本的に肉中心のものが多いようだ。

「この世界の人間は野菜をあんまり食べないんだよね」

そう言いながら出されたのがこの世界の動物性の油をたっぷりかけた豚カツのようなものだった。それをナイフで切ると中に詰められている具材が見えてきた。どうもこれはオークと言う魔物の食材を使っているようで俺と、シルヴィアがこの世界に飛ばされて来たときに襲われた魔獣と同じであるらしい。俺の目の前にあるこの肉の塊はおそらくオークだったのだろう。ゼストさんの話ではこの街で作られている魔獣の魔石が原料の魔獣肉は非常に人気があるそうだ。俺もシルヴィアもこの魔獣を食べたのが初めてだったので少し驚いたものの味に関しては悪くはなかったのである。俺と、ゼストはお互いに話しながら楽しい食事の時間を過ごしていた。そんな中俺の視界に妙なものが見えるようになる。それは、 ステータス画面 というものだった。それはまるでゲームの中に出てくるゲームのキャラを見ることが出来るあのステータス画面のようなもので、そこには文字が表示されていたのである。俺が困惑し何もできずにいるとその画面は消えてしまい見えなくなった。一体何なのかと思ってしまいしばらく考えてみたものの結局分からない。そのことについては気にせずにとりあえずその事は頭の片隅に追いやっておいたのである。

そして俺達は、ゼトスさんの家を出て、この港町の観光をするのだった。

俺がこの世界に召喚された次の日の朝、

「シン君今日も朝ごはんを作りにきてくれない?」

という声が聞こえてくる。昨日、俺はゼストさんの家に一晩泊めてもらい今日の朝食を作ることになったのだ。しかしなぜ俺にそんなことを頼むのかといえば俺もゼストさんも二人とも朝起きることが出来ないからである。俺はいつも通りに、俺が元々住んでいた家で寝泊まりしているが俺はこの港町に来ているので、この家の管理を任されているということだ。そして俺にはもう一つ重要な仕事がこの家の掃除や、家具の手入れ、庭の草むしりなどの雑用を任せられている。

この仕事を頼んできたのは俺をここにつれて来てくれた張本人、つまりシルヴィアだった。

「私が、シンの面倒を見ます!」

と言っていたのがつい最近のことである。それからというもの毎日、朝と夜には、必ず俺がこの家に来て掃除をしたりシルヴィアが作ったものを食べたりしているのだ。しかしなぜか俺が来るまでは自分で作ろうとせず俺が来るまで待つということになっている。ちなみに、今現在シルヴィアは俺とゼストさんのために美味しい朝食を作っているはずだ。

俺達はシルヴィアの作った朝御飯を食べた後、それぞれの仕事に取り掛かるのである。ゼストさんは魔獣狩りに出かけたため、この家にいない。

「さてシン、この家は任せたわよ。」そう言って、シルヴィアが俺を送り出すと、この家からは誰もいなくなったのである。俺はシルヴィアが置いていった掃除道具を持ち、玄関に向かう。すると、俺はあるものを見つける。その扉には

『使用中』

と書かれた板が取り付けられていた。これってどうなんだ?普通だったら誰か他の人の部屋とかだよなぁー。まあ気にしてもしょうがないから開けるしかないな。俺はまだ鍵のかかっていなかった扉をゆっくりと開ける。そして恐る恐る部屋に入るとそこはベッドの上にたくさんのぬいぐるみがおいてある部屋になっていたのだった。俺はこの部屋の光景に呆然となってしまう、なぜなら俺の予想が外れていなければここは、 女子の部屋 であるのだから。

俺は、しばらくの間この空間に立ち尽くしてしまったが俺はその少女の姿を確認するために、部屋の中に目を向ける。

「んっ。。。あっ。だめです!もうすぐ。。うっううう。。」という小さな声が聞こえるがこの部屋の中には今この女の子しか存在しないはずである。ということは、この子は一人しかいない。

俺の妹である桜だ。俺と同じ学校に通っているはずの桜がなんでこの部屋にいるのか分からないがこの部屋にいること自体がそもそもおかしいのでこの部屋に入って来てしまったことは正直仕方がないと思うことにする。

「おい桜お前こんなところでなにしてんだよ?」

「なにって。。えっちな動画を見てたんじゃないですか!」そう言うが早いか、桜は慌ててパソコンをシャットダウンする。

「は、早くここから出ていきなさい!!」俺は言われるがままに、部屋から出るのである。しかし俺は、この光景を見たことによって自分の置かれている状況を改めて考えさせられることになったのだ。そして、シルヴィアにこの事実がばれたらどうなるのかと考えれば考えるほど不安になるばかりである。

そしてこの家の管理を任された以上はしっかりしないといけないと思った俺は早速この家を掃除するのであった。

「よし!頑張りますか!!おぉー」そうして俺達の1日が始まったのである。

俺が掃除を初めてから数時間が経過したがこの家にはあまり埃がたまっていなくて綺麗だった。俺は一階から順にこの広い家中を綺麗にし始めていた。まず最初に手をつけたのは、キッチンだ。ここには食器などがかなり放置されていて長い間洗われていなかったであろうことが見てとれた。俺はそれらをまとめて水洗いすることにする。

スポンジで汚れを落とすとだんだんピカピカになってくる。そのことに喜びを感じながら作業を続けているとふとあることに気づく。「あれ、ここにあった洗剤って、いつの物だよ。。」俺の視界に写ったのは俺の記憶では、見たことがないものだった。しかもまだ新品同様であるのにもかかわらず、すでに使い古されているかのようにドロッとしていたのだ。俺は嫌な予感をしつつさらに奥の方を覗き込むようにみるとそこには俺達が使っていたシャンプーが置いてありそれが、この世界で作られたものではないことが分かるのだ。それに気づくとさらに奥に進んでいくのだが、俺の目には、信じられないものが見えてしまうことになる。

俺の視界に移ったのはゴミ袋の中に詰め込まれた明らかに人間のものと思われる生ごみである。その数は10を超える数であり、その中に混じって人間の一部と思われるものが入っていることが確認できるのだ。「マジか。。」

俺はすぐにそこから立ち去ると俺はこの世界の人間がどれだけ残酷で非道なのかを知ることになってしまう。俺は急いで二階へと向かうのだった。

俺とシルヴィアが一緒にゼクトさんのところに買い物に行った帰りに、俺とシルヴィアの二人が襲われている所に遭遇した。

襲ってきたのは3人だ。男2人と女が一人だ。男は全員で、剣を持っている。おそらくこの三人がこの港町の治安を守っている衛兵達であると思う。

俺は、ゼストさんが持っているものとは違う武器を腰に付けていた。おそらくこれは魔銃と呼ばれるものでゼストさんが使っている魔導拳銃よりも強力で、威力が格段に上である魔装銃というものだ。この魔装弾は、魔力を充填させて撃ちだすタイプのものでありゼストさんの持つものより強力な魔法を撃ち出すことが出来る。しかし、ゼストさんは俺の持っているものをあまり使おうとはしなかった。理由としては俺がまだ未熟であるということが大きいらしい。ゼストさんは俺のことを、本当の弟子のように可愛がってくれているがまだまだ未熟者であることに変わりはない。そんな俺が魔砲拳銃を使っていると周りから侮られる原因にもなるらしいのだ。俺としてはもっと強くなって見返せるぐらいになりたいとは思っているのだが。。とにかく俺は今現在目の前に迫ってきている敵に集中することにした。

「ゼクトさん下がっててください。こいつは俺がやります」俺はゼストさんに指示を出すと俺は敵の集団に一人で向かって行く。敵のうちの二人は既に魔銃を取り出していたが俺は、気にせずに、そのまま接近戦に持ち込んだ。俺は、相手の一人に向かって魔刀を突き刺しに行く。だが俺はその攻撃を避けられてしまう。俺はそのまま体を回転しながらもう一人の男の方に斬りかかりに行った。俺はこの二人に対してかなりの速度で斬撃を繰り返していく。すると二人のうち、女の方は地面に倒れたまま起き上がってこなくなり残りの男二人は俺から逃げるような動きをしてくる。俺は、二人の後ろを追いながら魔弾を発射していた。そのうちの一つが当たったようで片方の男も動かなくなるのである 残った男が、逃走を図るが俺には関係なくそのまま追い詰めて倒すことに成功するのだった。そしてその後ゼストさんと合流してからこの男たちを捕縛するために行動を開始したのである。この男たちを連行している最中に俺とシルヴィアは魔獣狩りを行っているというゼストに合流してその戦闘を手伝ってほしいと言われたのであった。俺たちはその依頼を受けるとそのまま、目的地へと移動を始める。するとそこにはかなり大きな熊のような魔獣が現れた。

その大きさは通常のサイズの二倍以上もありそうな巨大なものである。

「くそ!あんなのを相手にしてたら命がいくつあっても足りないぞ!」ゼストさんが言う。確かにそうだ。普通の人間があの魔獣を狩ろうとするならば、それこそ、大量の人員が必要になるはずだ。それほどまでにこの魔獣は強大である。しかし今はゼストさんがいる。ゼストさんならあの程度の魔物を倒すことなど造作もないはずだ。俺とゼストさんとでこの大型の魔獣をどうにかして討伐することに成功したのだった。その時に俺はゼストさんの強さを肌で感じ取っていたのである。

ゼストさんは、かなり強いと思う。しかしシルヴィアの方を見てみれば分かる通りあのシルヴィアでさえかなり苦戦していたようだ。この世界の人間がこれほど弱いとは思いもしなかった。

そんなことを考えていたらいつの間にかゼストさんは俺の事を睨んでいたのだった。何か失礼なことをしてしまっただろうかと思い俺は、とりあえず謝ることに決めると、俺達の目の前には、俺達の泊まっている屋敷があるのである。その屋敷の前には、この前出会った少女の姿があった。彼女はこちらの姿を確認すると俺の方に走りよってくる。

「あっ。シン君!」

と言って、飛びついて来た。俺の予想外だったので思わず倒れそうになってしまった。俺に抱き着いている女の子を見てシルヴィアは、少しだけ不機嫌そうだったがゼストは笑みを浮かべたままであった。

「おーい!シン!」シルヴィアの声が聞こえてきたと思ったその時には既に遅かったのだ。俺に、抱きついている女の子はシルヴィアに連れ去られる。

「あなた、私の可愛い弟から離れてくれない?」そう言った後に、シルヴィアが腕を組んでいる姿が見えたのだった。そしてゼストは、「はぁー。全く、しょうがないな」といった様子で俺と、この女の子を交互に見てため息をつくとそのまま去って行ってしまったのだった。

シルヴィアは、俺の手をしっかりと掴んでいるため逃げようとしても逃れられそうにはない。しかしこの状況は俺にとっても悪い状況ではないのだ。この子は俺を救ってくれた命の恩人であるわけだから感謝はしてもしきれない程だ。

しかしシルヴィアは、俺とこの子を無理やり引き剥がすとその子の首元に剣を当てるのである。

「ちょっと待てって。シルヴィア」俺がそう言って、シルヴィアを止めるが俺の言葉を聞いたシルヴィアは止まろうとしないのだ。

「だって!こいつはあなたのことを騙してるかもしれないのにどうしてそこまで許せるっていうの!?私は、、絶対に騙されないから」と俺の静止を無視して話し続けるのである。俺はこのままではまずいので仕方なくこの女の子を助けることにする。俺は、女の子の手を引いて、俺の部屋に案内することにした。そこでゆっくりと説明すればきっとわかってもらえるはずだ。ただ、その部屋に入るまでは、シルヴィアはずっと俺と手をつないでおり離れることはなかったのだ。結局俺は部屋まで戻るとようやく解放されたという訳だ。ちなみに俺達が泊まっていた部屋にはシルビアと名乗る女性がおり掃除をしている所に遭遇したりしていたがそこは割愛させていただこう。とにかくこの日をきっかけにシルヴィアと仲良くなった。

俺は、シルヴィアとのデートを楽しむことができたことに心の中で喜んでいた。俺達は二人で街中を見て回っていた。そして、シルヴィアの服を買ってあげたりとかなり楽しく充実した時間を過ごせたと思う。しかし一つ問題があったのだ。それはシルビアのことなのである。シルヴィアが買ってあげた服は俺にはとても似合うとは思えないものであった。正直に言えば俺と同じような顔でシルヴィアのように綺麗な服を着ている姿を見たいと思う人は居ないだろう。それにシルヴィア自身も気に入っていなかったのかシルヴィアはこの日を境に、毎日のように違う服装をしてきていて、正直俺は、飽きてきてしまってもうどうでもいいと思っていたのだ。シルヴィアがどんな格好をしていても綺麗であることに変わりはないのである。シルヴィアはそんな俺の反応に不満を覚えていたのか頬膨れっ面になっていたがそれでも俺は特に何も反応することはなかった。俺はこの時完全に油断してしまっていたのである。なぜならシルヴィアは変装した状態だったからである。しかもいつもとは明らかに異なる髪型をしていて化粧などもしていたのだ。

「どう?これでも私が美しく見えないっていうつもりなの?!」そう言って怒られたのだが、俺にとっては、この前のデートの時に見た時の印象が強かったために違和感しかなかったのだ。この世界に来てから俺は初めて異性と街を歩くということを経験しており、そのせいもあって緊張しっぱなしであった。しかし隣にシルヴィアがいたおかげで、俺がこの世界に転生したことを忘れずにいれたこともまた事実であるのだ。そんな時、俺は、誰かに声をかけられていることに気付くのである。俺の目の前に立っていたのはある男性である。彼は、シルヴィアの方を凝視しながら口を開いてきた。

「お前、俺と一緒に来てくれないか?」とシルヴィアに向けていったのだ。シルヴィアは突然の出来事だったために固まってしまった。俺は急いでシルヴィアと、この男性の目の前に行こうとする。するとこの男性は、懐に手を入れると銃のようなものを取り出してくるのである。

「動くんじゃねえぞ!」その一言とともに銃の先が俺の腹部に押し付けられた。俺はその光景を見ていることしか出来なかった。

俺には、銃に関する知識がほとんど無いからだ。俺には銃の種類や特性などわからないのでこの状況を打破することは出来ないのである。シルヴィアが心配そうに俺のことを見てきているのが分かった。しかし俺は何も出来ない。するとシルヴィアが一歩前に踏み出すとこんなことを行って来たのだ。

「あなたが、私を連れていきたい場所は、何処ですか?」俺はこの言葉を聞き、驚くが同時に俺も、同じようにシルヴィアに言葉を掛けるのだった。

「そんなところにシルヴィアを連れて行くなんて絶対にさせませんよ!」俺は声を張り上げるがシルヴィアは、俺に向かって「大丈夫だから」と小声で囁くのであった。

「ふん。俺が行くと言ったらそこに決まってんだろ。大人しく付いてこい」そう言うと俺達のことはお構いなしに俺達に背中を向けてしまうのである。そして男は歩き出してしまった。俺とシルヴィアもすぐにその後を追う。しばらく俺とシルヴィアが無言のまま後を付けていると男が立ち止まるので俺達もそれに合わせて歩みを止めた。男が振り向いたので、俺とシルヴィアは身構えたが特に何もなかったので再び移動し始める。そしてとある店に到着するのである。その店がなんなのかは分からないが看板の文字は読めず文字化けをしているためおそらく魔道具屋のような気がするが。

すると男が店の中に入ると、店員と思われる人物が出てきて男と話し始めたのだ。そして数分話し終えたあと男はシルヴィアの方を向いてくるのである。俺は、その瞬間、嫌な予感がしてすぐさま男の所に行こうとしたが、その男によって俺は取り押さえられるのだった。俺は、シルヴィアのことが気にかかっていたので、シルヴィアに視線を送ってみたが、シルヴィアは何か考え事をしながらじっとしていた。俺が、なんとか拘束から逃れようとするが全く歯が立たないのである。

するとシルヴィアの体が光を放ち始めその輝きが止むとそこには一人の少女が現れた。俺はその姿を確認するとシルヴィアの姿に戻ったことが分かったので、安心したがこの場を切り抜ける方法を必死に考える。すると俺を取り押さえている人物の後ろにもう一人の人物が近づいていくのが見えたのである。俺はこの人を知っているため助けてくれるのではないかと思ってみることにしたのだ。

「ちょっとあなた!いい加減にしてよね!シン君が可哀そうじゃないの!」そう言って、俺を押さえつけてきた人物に対して怒り出したのはシルヴィアなのである。そしてシルヴィアが暴れたことにより俺を押さえつけていた人物が、地面に倒れこんだことで俺はようやく解放されるのである。俺はシルヴィアの側に行くとすぐにシルヴィアを抱きかかえるようにして守った。その次の瞬間、俺の頭上から鉄のような物が落下してきたのだ。

しかしその物音は鳴らず一瞬遅れて、鈍い音が聞こえてきた。俺はその音の方に目線を移動させると店の中へと続いている通路に先ほどシルヴィアの姿を見て連れていこうとしたあの男性がいてその奥の方に店主と見られる老人が見えるのだった。そして床にはその男性の持っていたであろう、銃が落ちていたのである。

俺の頭の横にはナイフが刺さっており、もしあのままだったら俺は間違いなくこの世から旅立っていてもおかしくはなかった。そう思い、改めて俺はシルヴィアを抱きしめながら無事を喜ぶと俺はこの隙を利用してシルヴィアと二人きりになることに成功したのだった。この行動は、もちろん偶然にそうなったわけではなく俺は、俺なりに考えていたことがあったからなのだ。シルヴィアをこのままにしておくのは非常に危険だと俺は思ったのだ。俺はシルヴィアの体を支えていた手をどけるとシルヴィアの耳元に顔を近づけるのである。

「シルビアー!」

「シン君ー!」俺の呼びかけに答えてくれたシルヴィアは、泣きながら抱き着いてきた。俺もしっかりとシルヴィアを受け止めるのだった。シルヴィアは俺の腕の中から抜けようとはせずそのままの態勢を維持し続けるので俺はシルヴィアが満足するまでずっとこのままの状態にいることに決めていたのだった。それから少し時間が経つと俺は、シルヴィアの事を放すことにしてみると、シルヴィアの涙は完全に止まっていて俺とシルヴィアは顔を合わせるとお互いに笑みを浮かべあった。しかし、俺の表情を見たシルヴィアが悲しげな表情で俺の事を見てきた。俺が何をしたのかは分からなかったが俺はシルヴィアが言いたそうにしている言葉をただただ待つことにしたのである。シルヴィアの瞳から一粒の水滴が零れ落ちたかと思ったら俺に抱きついてきて「ありがとう」と呟いたのだ。シルヴィアの言葉を聞いた俺は、俺が、なにかをしなくてもこの子の心が癒されたような気がしたのだった。

俺はシルヴィアの肩に優しく手を置くと、俺は立ち上がりこう言った。

「ちょっと行ってくるね」俺は、そう言ってからその場を離れることにする。この前と同じように俺に襲い掛かってきたのはあの男性であった。

「この前は邪魔が入り逃げられてしまったが今回はもうお前を逃がしはしない。覚悟してもらうぞ!」そういって、男は、懐に手を入れると俺の頭にめがけてまた銃口を向けるのである。その光景を見てシルヴィアが、

「もうやめて!」と叫んだのだが、この声は俺の耳には届いておらず俺の体は無意識のうちに動きだしていたのだ。そのせいもあって銃弾は、当たらずに俺は、男の腹に強烈な蹴りを入れてしまっていた。

そのせいもあって男は気絶をしてしまったので俺は、このチャンスを逃すまいと男の体を担ぐと店の外へと向かって歩き出したのだ。

その途中で俺は男を地面に下ろし、縄を取り出すとそれで男の自由を奪ってから俺は、男を置いてきぼりにする。そしてこの場に居ない方が安全なのではないかと考えたので俺はシルヴィの手を握ると店の外に出る。俺は店から出た直後に、シルヴィアの変装を解くようにお願いをする。するとシルヴィアはすぐに解いてくれて俺は、 シルヴィアのことをおんぶすると急いで街を出るために移動を始めたのである。移動しながら俺は、先程の状況を思い出しておりどう考えても不自然だったことを考えていた。シルヴィアがあの場で「やめて!」と言う前に、俺は既に行動に移していたのである。

どうして俺はあんなに早く動いたのかは自分でもわからないのだけれど。しかし俺達はこうして街から出て街道まで来れたのでそこで俺も変装することにしたのである。

俺達は変装した後、街を出てしばらく歩いたところにある山の中に入っていく。その道中で、俺は先ほどの出来事について、もう一度確認をしてみるが特にこれといった異常はなかったのだ。俺はそのことを疑問に思っていたのだが俺の背中で眠っているシルヴィアの顔を見ると、とても幸せそうに見えたため特に問題ないだろうと思いそのまま街を出ようとしていたのだが、シルヴィアは、何かを気にした様子だったので俺に問いかけてくるのである。「ねえ、シン君はどうして私を助けにきてくれたの?」と、 そんなことを聞いてくるので俺は、正直に答えることにして「君が泣いているように見えたからだよ」と答えたのだ。

シルヴィアは嬉しそうな反応をしてくれていて俺はシルヴィアの笑顔が大好きなんだなと思うと同時にシルヴィアを守れてよかったと本当に思うことができたのだ。

そして、そんな話をしているうちに山の中の大きな木の陰に到着し、俺はその木の上で寝ることにしたのである。シルヴィアには何も言わなかったのだけれど何故か、隣に寄ってきてくれるので一緒に眠ることにしよう。

そして次の日になったのだが、朝になって俺が起きると既にシルヴィアの姿がなかったのだ。

しかし昨日の夜は確かに俺の隣にいたはずであるのに俺はシルヴィアのことを探し始めた。すると近くの草むらが揺れている事に気が付いたので、そこに視線をやると信じられない光景を目にするのである。俺は、シルヴィアが、誰かに誘拐されてしまったのだと思った。俺は慌ててシルヴィアのところに行こうと走り出そうとしたがすぐに止まることになる。

「シンくん!」と言って飛び込んできたシルヴィアが俺に向かって体当たりをしてきたからである。

「シルヴィア!」

俺はすぐに抱きかかえるようにして、俺達のことを襲った男に連れ去られそうになった時の話を聞くのであった。俺はシルヴィアに、質問をしながら犯人の男の行方を探すが、見つけることはできなかった。そのため、一旦シルヴィアの住んでいる村に向う事にしてその途中で俺達の事を襲おうとした男のことを調べることにしたのである。

俺は男の正体を調べようとした時に男の名前が判明したのである。

男の名前は「ロズワルド」という名前でこの国の王様に仕える兵隊さんの一人だということがわかった。俺はこのことを知っているというか調べたので知って当然なんだけどね。俺は、その男の居場所を知ろうとはしたのだが、どこにもいないみたいなんだよな。それにこの男の部下も全く見つけられなかったので俺はシルヴィアの住んでいた村に着くまで何も出来ない状態だったのだ。

ただ、そのおかげで俺達が襲ってきた男たちと遭遇することなく村の中に入ることには成功した。そのおかげもあってかシルヴィアの家の場所は直ぐに分かったのだ。そのあと、シルヴィアの家に入ると俺は家主の女性からこんな話を聞いたのである。なんでもその男の人が急に現れて、シルヴィアちゃんを連れ去ってしまったらしいのだけども誰も見た人がいないみたいだ。だから私はシルヴィアの身に危険が及んだのではないかと不安になっていたわけである。俺はシルヴィアが危険な状態に置かれている可能性を考慮して、すぐにでも探しに行こうと思っていた。俺にはその男をすぐに探す手段はないけど情報だけは持っているので、この国にいれば見つかるかもしれないと思ったのだ。俺は女性にシルヴィアの家にしばらく泊まりたいとお願いをした。もちろんお金はきちんと払うつもりなので泊まらせてくれないかな、と思って聞いてみたら二つ返事でOKしてくれたので俺は、今日はゆっくり休んで明日捜索に出ようと思っている。ちなみに俺は、シルヴィアと一緒に暮らし始めてからは宿を取ってはいない。シルヴィアの両親が快く迎えてくれていたからだ。

その晩はシルヴィアの両親から色々と話を聞かせてもらったり、ご飯をご馳走になったりしたのだ。そして俺はシルヴィアと同じ部屋を使って寝ることにもなっていた。そして次の日の早朝になり準備を整えて、シルヴィアと共に出かけようとするとシルヴィアのお父さんに、呼び止められて、こんな言葉を掛けられるのである。

「シン様。どうかシルヴィアのことをよろしくお願いします」そう言って、俺に頭を下げてきたのである。俺はその姿を見て俺は必ず、シルヴィアを見つけようと決心したのだった。

それから、俺とシルヴィアは手を取り合って森の中へと進んでいったのだった。そして森に入った瞬間俺がまず最初にしたことは探知スキルを使うことだ。俺がこの前戦った魔獣達から手に入れたスキルの中に、この能力があるということが分かっていたためだ。俺は【気配察知】のスキルを発動させてシルヴィアの周りを確認してみるとやはり、人の集団がいるのを確認することができたのだ。それもかなりの数であることが分かったためすぐに戦闘の準備を整えることにしたのである。

しかし俺達は戦う必要はなさそうだったため俺の心配事は消え去った。なぜなら相手の中に俺がこの世界で会っていない人物がいたからである。その人物は金髪の男性で見た目は20代前半くらいに見える。そして俺の事を睨みつけて話しかけてきたのだ。

「貴様がシルヴィアを拐ったというのは本当のことか!」

「そうだとしたらお前はどうするつもりだ!」

「決まっている!シルヴィアを取り戻すまでだ!」と男が言ってきたのである。そしてその男の後ろにいる奴らから殺気が溢れ出したため俺は咄嵯にシルヴィアを守るようにしながら攻撃に備えたのである。

それからは激しい戦闘が繰り広げられた。俺はこの男と一対一でやり合いたかったのだが相手もなかなかの手練れだったために俺は苦戦を強いられてしまう。

そして、シルヴィアを守りながら戦っているせいもあって俺はかなり追い詰められていったのである。しかし俺が負けるということはシルヴィアを失うことを意味しているため俺は絶対に勝たなければならなかった。そう思って俺は全力で立ち向かっていく。そして、俺の一撃が決まり相手がよろめいた隙を見て一気に決めにかかる。俺は剣を鞘に収めて、居合の構えに入る。俺が刀に意識を全て注ぎ込むと俺の体に纏っていた黒いオーラのようなものが、形を持ち始める。この力を使いこなすことができるようになるまではかなり時間が掛かったけれど、今では使いこなせるようになっていた。この技を俺は【鬼王ノ神装:黒影華乱舞(こくえいからんぶ)】と呼んでいる。

「奥義!!鬼牙絶撃!」俺はそう叫びながら剣を振り抜いたのである。

その威力は凄まじいものであり、一瞬にして辺り一帯が焦土と化したのである。しかしそれだけではこの場にいる全ての敵を殺すことはできないだろうと判断し俺はこの空間ごと敵を斬ろうと考えていた。そのため俺はこの技に名前を付けていたのだ。「天叢雲流秘伝 大雷雨!天の裁きを受けろ!」俺は叫ぶように技の名前を言い放つ。その刹那、俺を中心に空が裂けてそこから無数の落雷が発生して相手を殲滅していった。俺はこの光景を見て勝利の笑みを浮かべていたがその笑顔はすぐに引き攣ってしまうのである。なんとそこには先程よりも多くの敵が迫ってきていたのだ。しかし俺は、まだ完全に自分の能力を扱えていなかったこともあり、これ以上の戦闘は厳しいと考えたのだ。俺はシルヴィアを抱きかかえるとその場から離れることにしたのである。俺とシルヴィアはその戦いの中で、お互いのことを信頼できる仲間だと思うようになっていた。そしてシルヴィアの家に戻るために走っていると、目の前にシルヴィアの両親が現れ俺達に駆け寄ってきた。そして、俺は事情を説明すると二人はシルヴィアを探してくれると申し出てくれたのだ。その申し出を有難く受け取らせてもらうことにした。そのあと俺達は家に帰りシルヴィアの両親が作ってくれた食事を一緒に食べていた。シルヴィアのお母さんはとても美人で優しく接してくれる人だった。

それから俺達は少しだけ会話をして寝ることになったのだが俺は中々寝付けず、外に出て一人夜風に当たろうと思った。すると外は既に明るくなり始めていたので俺はすぐに行動を起こすことにしたのだ。シルヴィアに気づかれないように移動していたのでシルヴィアが起きる頃には俺は既に村の中にいなかったのであった。

村を出てしばらく歩いているとあることに気づいたのだ。この村の周りには大きな柵で囲まれており門の前に兵士が数人いた。

おそらくあの兵士たちは俺達が来たことを連絡していたのだろうと推測したのだ。俺はシルヴィアを助けてからのことは後回しにして今はとりあえずシルヴィアの村を探そうと思って村を探すことにするのである。

そして俺とシルヴィは歩き続けていたのだが途中で俺の腹が限界を訴えていたため俺は村を見つけることができ次第そこで何か食べることにしようと決めたのである。俺はそんな感じでシルヴィアと手を繋ぎながら村を探し続けたのである。すると俺は前方に人集りが見えたので俺はシルヴィアにここで待っていてくれと言い人集りに向かって歩いて行った。

俺は人垣の中心をかき分けて行くとそこには大きなテントがあって、中には大勢の怪我人が寝かされていたのである。その中には顔見知りの人物も何人かいて俺は声をかけたのだ。俺はその中の一人の女の子に近づき、その女の子に声をかける。

「ねぇ。どうしてみんな傷だらけで寝ているの?」

俺の言葉を聞いた女の子の顔は強張り青ざめていくのであった。

「私達の村は魔物の大群に襲われたのです。そして私達が必死になって村の人達を守っていたのですが多勢に無勢だったらしく徐々に劣勢に追い込まれてしまったのです。そんな中、シルヴィアという子が助けに来てくれたのだけど、その子が言うには敵の数が想像よりも多かったみたいで、私はもうだめかと思いました。その時、シルヴィアによく似た男の人が来て、そいつらを倒して行ってくれたのでなんとか私達は助かったんです」

「それは本当なのか!?」俺は驚きの声を上げてしまい、周りにいた人に変な目で見られてしまう。それに気付いた女の子は恥ずかしそうに頬を赤らめてうつむいてしまっていたのだ。

俺は女の子に感謝を述べて俺は急いでシルヴィアの家に向おうと思うのだが既に日が落ち始めてしまっているのである。俺はこの事を村に知らせようと一旦村に戻ったのだがその村には誰もおらず静まり返っているのである。これはおかしいと気づいた俺は村長の家に行ってみる。すると村長の家には鍵がかかっており開けることが俺にはできなかったのだ。しかし家の前でうろうろとしている時、急に大きな物音がしたので、その音の方に俺は走って向かう。俺の視界に入ったのは家を突き破るように出てきた巨大な蛇型の化け物が暴れまわっているところだった。そしてその大蛇から逃げるようにして逃げ回っているシルヴィアの姿を確認したのである。

俺はその状況を見た時に、すぐさま【加速】スキルを使う。俺は【風操作】を使い空を飛んでいきながら、大蛇に向けて魔法を発動させたのである。俺の使える中で最速で発動できる魔法はやはりこれしかないだろう。俺は右手を前に突き出して魔法名を叫ぶのである。「天の雷よ我が敵を打ち倒せ、神の槌を受け取れ、【聖滅神罰矢弾(メテオストームショット)】!!」

この魔法を喰らえばどんな魔獣であろうとも死ぬはずだと思っていたが、その考えは間違いであるということを思い知らされた。なぜならその魔法は簡単に跳ね返されてしまったからだ。俺は地面に降り立ってその状況をただ呆然と眺めることしかできずにいたのである。

そして次の瞬間俺は死を覚悟した。その魔獣の大きさは30m以上もあり、さらに、口から毒と思われる紫色の液体を吹き出しながらこちらに突進してきたからだ。俺はその瞬間、自分の体の中から黒いオーラのようなものが吹き出していることに気づいてしまう。それと同時に、自分の中に眠っていた【超絶成長】と【限界突破】の能力が完全に目覚めた。そして、その二つによって生み出された力が全身から溢れ出す。そして俺は魔獣の突進を止めようと試みることにしたのだ。俺は【魔力纏衣】を纏いながらその突撃に対して身構える。

そして俺と魔獣のぶつかり合いが始まった。最初はお互いの力は拮抗していたが、少しずつではあるが俺の方が優勢になり始める。俺が攻撃を加えればその分相手も傷つき俺の攻撃の衝撃によりその巨体は地面を削り取りながら後退している。その繰り返しで俺と相手の力の差は次第に縮まっていったのだ。しかしこのままでは勝負が決まるまでかなり時間が掛かってしまう。だから俺はあることを考えついたのである。

そう思って【並列演算】を発動し、俺はこの世界にあるあらゆる武器を脳内に浮かべる。そうすることで一つの脳だけで大量の武器の情報を処理できるようになり、その情報量に耐えられるような器を手に入れる。それにより今のこの状態で全ての技を同時に扱えるようになっている。しかしまだ俺は完璧ではないと思っているので更に俺はこの二つの力を使って【完全鑑定能力者】や、【アイテム収納空間創造】といった能力を生み出し、この力を完璧に操れるように訓練を始める。そして俺は遂に、俺にとっての最強である剣を創り上げることに成功したのである。

俺が生み出した剣の名は――「剣帝ノ月華刀!」

俺が創り出した剣の銘はこの世界の文字でこう書いてあったのだ。

剣帝の月に華刀と!この世界の剣の常識を変える程の切れ味と強度を持つこの剣を、俺が全力を注いで作り出したこの剣ならばこの剣を壊せる奴はいるのか?と俺に問いかけたい気持ちになる。俺はこの剣を使い目の前の敵に攻撃を行うことにしたのだ。俺と剣帝ノ月華刀の攻撃を受け止めたことによりその体の鱗が数枚割れたようであったがすぐに元の状態に戻るその様を見ると、俺は改めてその圧倒的な攻撃力の高さを感じてしまう。しかしそんなことを考えても仕方がないと割り切って俺は次に移ることにした。

俺は一度深呼吸をして落ち着く。そしてこの世界に存在しないであろう技を繰り出そうと思う。俺が使う技は全てオリジナルの技であり、全てにおいて究極の一撃だ。

そう決めて俺は技名を言う。技名はもちろん――「雷鳴一閃!」

俺の手に握られている剣にバチバチとした音を鳴らし電気が流れる。そしてその雷の剣を俺は振り下ろしたのだ。すると俺の斬撃と同時にその雷は地を這い進み一直線に進んで行くのである。その威力はもはや雷とは思えず雷というよりはもはや光線のような感じだった。そしてその技をくらった魔獣はその威力を物語るかのように跡形もなく消し飛び消滅してしまったのだ。俺は自分がやったことを実感することができなかったがすぐにシルヴィアの元へと走り寄るのであった。

俺達が戦っている間にもシルヴィア達は村を守るために必死で戦っていたが次第に追い詰められていき、とうとうシルヴィアのお父さんとお母さんの体力にも限界がきて倒れ込んでしまったのである。シルヴィアも限界寸前ではあったがなんとか耐えているという状況で俺は急いでシルヴィアの元へ向かう。

「おい!もう無理をするな。お前が死んだらどうするんだよ。俺はそんな悲しいことは見たくない」

「お兄ちゃんどうしてここに来たの?」

「シルヴィアを助けるためだよ。それよりも今すぐここから離れて俺について来い」

俺はそういうと村の外に向けて走ることにしたのだ。そして俺達が外に出ようとするときに俺の耳に聞き慣れない声が入ってくる。それは男か女か分からない声だった。

「この村の人達を守ってくれたことにまずは礼を言わせてくれ」

俺が後ろを振り向いて声の主を確かめようとしたのだが俺の目に移ったのは自分の身の丈ほどもある杖だったのだ。

そして、俺の視界にはシルヴィアが抱きかかえて避難させているのが見えたのである。その男はシルヴィアに抱えられてそのままシルヴィアと一緒に歩いていく。そして俺の横を通り過ぎる瞬間に俺に向かって言葉をかけてきた。

「君の名前は何ていうのかな?」

俺はいきなり名前を聞かれたので少し驚いてしまいながらも答えてあげることにする。

「俺はレイルという」

「そうかい。レイルーくんねー覚えておくよ。あと一つだけ言っておくけど、シルヴィアは僕のものだ。誰にも渡すつもりはないからよろしく頼むよ。じゃあ僕は行ってくるからね」

俺はシルヴィアの兄である男が言い残していった言葉を聞いて驚くことになる。その男は、あの巨大な大蛇を魔法を使わずに倒し、しかも魔法を使うことなく倒していたのであった。俺はその姿を見た後に再びシルヴィア達を追い掛けようと歩き始めるのである。しかし途中で、先程倒した蛇がいつの間にか復活しており、村人に向かって襲いかかっていたのだ。俺は急いで駆けつけると俺が生み出した魔法陣が発動されそこから光が現れ蛇を飲み込むと光が弾けて消える。すると蛇は灰となって消えていたのである。

そしてその現象を起こした人物がシルヴィアだと気づいたのはその後のことである。シルヴィアには魔力は感じるもののそれ以外の能力は感じられなかったのだがその力は桁違いで俺はその強さに驚いたのだ。しかしそのシルヴィアの強さもシルヴィアの兄には及ばないらしく、シルヴィアは兄の背中を追っていたらしいのだがその差は広がるばかりでシルヴィアがいくら追い付こうとしても追い付くことはできない。そしていつからだろうか、そのシルヴィアの姿を羨ましいと思ってしまっていたのだ。俺にはどうしても手に入れられないものを持っている。シルヴィアの姿を見つめて俺は自分の情けなさに気づかされる。しかしそんな感情を押し込めながら俺達は急いで村から離れることにしたのだ。そしてある程度離れると俺は二人に質問をした。その問いに対する回答は、俺の想像を絶するものばかりだった。

俺が村を離れようとしている時に、シルヴィアの両親は俺に感謝の意を込めて、自分の家にあるものを置いて行っていいと言ったのである。それはなんと「賢者の指輪」というものだった。その「賢者の指輪」の効果の一つ目は俺のステータス画面に書かれている魔法を、二つ目にはシルヴィアのスキルを二つ使うことができるというものであった。

俺がその指輪を使うためには、【賢者】の職業を手に入れなければいけないということだが、そもそも【賢者】なんて存在がいるかどうかさえ怪しいと俺は思ったのである。俺は早速その【鑑定】の能力を試してみることにしたのだ。俺の【完全鑑定能力者】の職業レベルは1しかないからまだそこまでの効果は期待できないだろう。

名前:シルビア

種族:人族

年齢:15歳

職業:魔法師

Lv:22

HP:2200/6300

魔力量 :60000000/60億00405万503600

力 :1230925803056789070

防御力 :44515484476598288510

知力 :2077863754892787717

敏捷性 :259624654688295739304

耐性 :6797356979586875389547魅力

:503644995355669433231641

運 :4574143213316426342187 【ユニークスキル】

《聖属性適性》《光属性適正》 《回復魔法》 【エクストラスキル】

【特殊固有能力】

〈自動魔力補給〉〈無限収納鞄(インベントリーバッグ)Lv.MAX〉 〈完全鑑定能力〉

「うぉ!!なんだこれは!!」

その俺の声を聞いた二人は、不思議そうな顔をしてこちらにやってきて説明を求められたので俺が持っているスキルのことを話すと驚きつつも喜んでくれるのだった。俺がシルヴィア達に説明しながら移動している間にもどんどん魔獣が増えていき、村を囲もうとしているようだった。しかし俺達は魔獣の包囲網を突破してようやく村に辿り着いたがそこは既に魔獣によって包囲されていてとても近づけるような状況ではなかった。

そこで俺はシルヴィアの両親から渡された指輪を指に取りつけて魔獣の討伐を始める。【アイテム収納空間創造】の能力を使えば簡単に武器を取り出すことができたからだ。そういえばさっき倒した大蛇の素材は回収していないのに、アイテムボックスに入っているのはなぜなのかは後々調べればいいと思ったのだ。

そうこうして俺達は魔獣を倒し続ける。しかし、その数が減ることはなく魔獣に囲まれてしまった時もあった。

「おい!これじゃキリがないぞ!一旦この場を離れて作戦を練り直そう」

「そうですね。でもどうやってこの窮地を脱するんですか?それにシルヴィアの両親のところに行っても私達は戦力にならないですよね?」

俺がシルヴィアの問いかけに対して返事をしようとしたその時――

「この僕が来たんだからもう大丈夫だよ!レイー!」

という謎の声が聞こえると共に魔獣たちが全て消滅したのである。その出来事に俺は驚いてしまい固まってしまっていたのだ。その声がした方向に振り向くとそこには、先程出会ったばかりの人物がいたのである。シルヴィアの双子の兄だ。その男の格好はとても目立っており白いコートを着ているのが特徴的で、その顔つきはかなり美形であった。シルヴィアとは少し雰囲気が違ったのだがその男の雰囲気を一言で表せば"神々しい"という言葉が最も相応しいと思うほどだった。

そしてその男はシルヴィアの両親の元へと向かい事情を説明するとすぐに村へと戻ってしまった。そしてその男はまた戻ってくると俺に言った。

「君は面白い子だね!これから一緒にシルヴィアを守っていこうじゃないか!」

「俺はシルヴィアを守りたいとは思うけどあなたは関係ないんじゃ」

俺の言葉の途中で男が言葉を遮る

「いや、あるとも。シルヴィアは将来この世界を救うかもしれない。だからこの世界に害をなすものは全て取り除かないといけない」

俺にはこの人の言葉が理解できずにいたのだ。なぜならシルヴィアを守るというのと、この人が口にしていたのはこの世界を害する者全てを排除したいということ。その二つのことが全く同じ意味だということがわからなかったのだ。この世界の全ての魔獣を倒して回ろうということなのだろうか。それともこの人をどうにかすれば解決できる話なのだろうか。そんなことを考えている俺をよそに、シルヴィアのお兄さんは続けて俺に向かって言う。

「君と僕の二人でこの村の人たちと、僕の妹を守ればどんな敵にだって負けることは無いはず。どうだい?協力してくれるかい?」

正直俺がどうこうする以前にすでに村のほとんどの人は避難を始めていた。シルヴィア達だけが残っていたのでどうすることもできなかったのだが、今の状況ならどうにでもなりそうであるが、この男と行動をともにすることはあまり賛成はできないと思っているのである。

しかし俺はその誘いを断ることもせずに承諾するのだった。理由は二つあったのだ。一つはシルヴィアの笑顔を守るためである。そしてもう一つはシルヴィアをこの男に託したほうが何かしら進展があるのではないのかと思い俺はその案に賭けることにしたのだ。俺はシルヴィアに視線を向けて確認を行うと「お願いします。レイ様の力になってあげてください」と言われてしまえば仕方がなかった。俺は覚悟を決めるとシルヴィアの双子のお兄さんの後についていくことにするのだった。

村の外に出るときに俺達は村人達から盛大なお見送りを受けることになった。村を出る時に俺は村人に向かってシルヴィアの無事を伝えた。

そして俺達はシルヴィア達の住む街に向かうために歩き始める。

シルヴィアはずっと心配そうにしてシルヴィアの兄の顔を見ていたが俺の表情を確認する度に少し微笑んでくれたのだ。シルヴィアは俺の心情を読み取っているらしく少しは信用してくれているみたいだった。俺はそのことが嬉しく感じた。

「ところで君はなんでそんなに強いんだ?それに君の名前はなんなんだい?僕はシルビリアの兄のシルナっていうんだけど君の名前はなんなんだ?」「名前かぁ。あんまり人に名前を言わないんだよ。それに名前はまだない。まあ自分でつけた名前がいいならつけるけど」

「いいや、君には悪いけどシルヴィアから聞いた名前で呼ぶのでいいよ。それでその職業はなんだい?」

「職業?」

「ああそうだよ。職業に就かないでその強さはあり得ない」

俺はシルナから色々なことを聞かれたのだがその会話の中で気になることが出てきたので質問をしてみることにする。シルナは俺に質問に答えることで答えてくれると言ったのである。まず俺が一番気になったのが、この世界の人には魔力が存在しているが俺には存在してないことだ。そしてステータス画面も開くことができなかった。これは俺にとってかなりのショックである。

次に気になったのは俺のレベルについてである。普通はレベルが上がるごとにHPも魔力量も増えていくはずだ。それなのに俺はどちらも増えることがなかったのだ。そしてそのレベルという概念もおかしいと思っていたのだ。シルヴィアの兄のステータスを見るとHPだけは25000ほど存在していたのだ。

それを見た時に俺は自分のHPを確認したのだ。HPは100のまま変化しなかった。さらにMPも同じ状態なのだ。そこで俺は考えた。なぜ自分だけが特別にレベルが上がらない体質になってしまったのだろうと。そこで俺は一つの仮説を立ててみた。俺には【アイテムボックス】のスキルがあるが普通の【収納】系の能力では生き物を入れることは絶対にできないと聞いていた。

俺はそれを試してみようと【アイテム収納空間創造】の能力を使って見たのだ。すると何と【収納】することができたのだ。つまりどういう事なのかと言うと答えはこうだ。本来【アイテム収納空間】は生き物を入れられるのだ。ただし生きている物は入ることはできないが死んでいれば話は別だ。

おそらくだが【アイテムボックス】というのは死体などの無機物を亜空庫に入れておくだけの能力なのだろうと思ったのだった。【完全鑑定能力者】の力でアイテムの詳細が分かったのはこれが理由だと思うのであった。

「そういえばまだ自己紹介していなかったね。俺はレイ、シルヴィアの恋人だよ」

そう俺が発言した直後シルヴィアは俺に飛びかかってきて抱きついてきたのだ。恥ずかしいのか顔を隠すようにして、俺から離れなかったのは俺的にはかなり可愛い仕草だと思った。ちなみにこの時初めて気づいたのだがこの二人かなり似ている。双子なので当たり前かもしれないが髪色が違う以外はほとんど瓜二つといって良いほどであるのだ。俺がシルヴィアに話しかけようとするが俺にしがみついたまま離れてくれない。

俺は困ったので再び話し出す

「えーと、俺には彼女がいるんだ。だからごめんね」

「うん知ってるよ。さっき君の口から聞かせてもらったからさ」

シルナの言葉を聞いた俺はシルヴィアがこの人の婚約者だと勘違いしていたことを思い出して謝罪をした。俺が勘違いをしていた事をシルヴィアに伝えると彼女は笑って許してくれたのである。シルヴィアも誤解していたことに気がついて謝罪したのである。俺達が話している最中に村を囲っていた結界のような膜が徐々に小さくなって行きついには消えたのだった。これはおそらくシルヴィアのお父さんがやったに違いない。俺の見立てでは【光魔法】に似たような魔法があるのだと思っている。

それからしばらくしてやっとシルヴィアが落ち着いたようなので俺はシルナのほうを見て話をするように促すのだった。シルヴィアも同じようにシルナのほうに顔をむけるとシルナは口を開いたのである。

「じゃあこれからのことを話す前に君が僕に教えて欲しいことを教えてくれないか?」

俺はその言葉に違和感を感じつつもその問いに返答した。俺が聞きたいのはスキルのことについてである。なぜ自分が【アイテムボックス】を持っているのかわからないのだ。俺はそのことを正直に伝えた。その話を聞いたシルナはとても驚いていたのである。

「レイのその能力は多分スキルではないよ。スキルというものは僕が想像していた通りのものじゃ無いんだと思う」

俺の言葉に疑問をもったのかそう説明されたのだった。そこで今度はシルナの方から質問をしてきたのだ。その内容は、 【魔剣創造】とはなんなのか。その能力はなんなのか。という質問である。そこで俺はこの力についての説明を始めるのだった。俺が持っているこの【魔眼解放】の魔道具には【全言語理解能力】というものがあるらしく俺にはどんな相手とも意思疎通を図ることが出来る能力が備わっていたのである。

しかし、これには欠点があり相手の心の中までは読み取ることができないのである。この魔眼を外せば俺の脳はパンクしてしまうらしい。そのため俺はこの能力を常時使用するしかなく、また、この能力を誰かに見せるわけにもいかないので俺は今まで隠していた。シルヴィアがこの村に来てからは隠すことを辞めたがシルヴィアとこの村に来なければきっと誰にも明かすことは無いままだったであろう。

そしてこの世界では俺の持つこの力をスキルとして見ることが出来ないようであった。そもそもこの世界には魔法は存在しないためその概念が無いのである。そして俺はシルナとシルヴィアに今使えるようになったばかりの魔法を見せた。俺としては攻撃用のものではなく、生活に役立つものしか作れなかったので残念だったがそれでも二人が喜んでくれていたので良しとする。俺はシルヴィアの喜ぶ顔を見るのが好きなのだ。

俺は【収納箱作成】の魔法で作った空間にシルヴィアが好きな花々を入れたものをシルヴィアに手渡した。この花はシルヴィアの故郷の村の周りに自生する植物だと聞いており、シルヴィアからプレゼントして欲しいと頼まれていたのだ。

「シルヴィアはいつもこの花を大切にしていたんだってね。シルヴィアが好きだと言っていたからこの村を出るときに持ってきたんだよ」

俺がシルヴィアにそう告げると、俺から手渡された白い綺麗な花束を抱きしめるように抱え込んでシルヴィアは俺にお礼を言ってきた。そして俺はシルヴィアに対してこう告げるのだった。「シルヴィアの故郷に行きたいな。そこに行けば君の秘密が分かるかもしれない」と、それを聞いたシルナは一瞬で表情が険しくなっていくのを俺は見逃さなかった。シルナが俺の発言に反論しようとするが俺はそれを遮り

「君は何か知っているんじゃないかい?君には秘密があるみたいだしね」

「ああ確かに僕には妹を救えなかった責任があるからこそ妹の願いは叶えたいと思ってはいる」

俺はその言葉をシルヴィアに向かって発する。シルナは悲痛そうな表情で俺に返事をしてくる。そして続けて言うのだ。その口調はシルヴィアの兄としてではなく一人の男としてのものだった。そしてシルヴィアに向かってこんなことを言うのだ。

「シルヴィア。この男が言っているのは本当だ。この男はお前のために僕の故郷に一緒に行ってくれるつもりなんだ。もしこの男の頼みを聞いてやればお前の望みが叶うかも知れないぞ」シルナはそういうが俺からすれば別にその事に関してどうでもいいと思っていた。俺の目的はシルビリアと一緒にいることが目的なのだ。

「シルビリアの望みなら僕はそれを手伝うつもりではある。だけどそれはあくまで僕にできることが有るならという条件が付くよ。君達二人は僕の命を助けてくれた恩人でもある。君たちが居なければ今の僕は無かった。君たちの為になるのなら僕はできる限りの事はするつもりだよ。でもそれが不可能なら無理に連れて行くことはできない。君は君がしたいことをやればいいよ」俺はそうシルヴィアに告げたのであった。

俺はシルヴィアとシルナの二人からシルビリアがなぜ【アイテムボックス】を開かないのかという質問をされたが俺はその理由を知っているので何も言わなかった。俺に答えられることはその程度だったからである。

それから俺達はシルナの家に向かったのである。シルナは俺にこの家を使って欲しいと言ってくれたので有り難く使わせてもらうことにした。そして俺は少し疑問を感じていたのだ。それはシルヴィアの両親が俺達に敵意を持っていないことである。シルヴィアが村の人達と話し合った時に両親だけは俺と会話しようとしてくれなかったので不思議であるのだ。そしてシルナも会話に入ってくることもなかったのも謎である。シルヴィアが両親のことが大好きなのは会話の端端に感じられるのにである。

俺が考え込んでいるとその事に気づいたシルヴィアが声をかけてきた。「レイさん、どうしましたか?なにかつかれたのですか?」俺はそのシルヴィアの気遣いが嬉しかったのである。そしてシルナも会話に加わる。シルヴィアは二人に会話が筒抜けであることを知って慌てて会話を止めるように促すが俺は二人を止めなかった。シルヴィアの顔が赤く染まっていくがそんな様子すらも可愛いと思ってしまう。

俺は二人にシルヴィアの過去を話したのだ。俺がシルビリアと出逢った時のことを。そして俺がシルビリアを救いたいと思っている気持ちを伝えた。シルヴィアはそれを聞くと目に涙を浮かべている。シルナもまた目を見開いて固まってしまっている。そしてシルヴィアは涙を流して俺に感謝をするのだった。俺は何もしていないんだけどと思いつつも俺は二人の話を聞いていたのである。俺も俺がシルビリアにしてあげれることを考えないといけないと感じた。

俺達が話し合いを終える頃には既に外は暗くなっていたのだ。俺はシルヴィアの家に泊まることになるのだがその前に一度村長に会わないといけなくなった。そこで俺がどうして村にやってきたのか、俺に村を守ってもらいたいという依頼の内容などを詳しく聞いたのだ。

俺はそこでようやく自分が冒険者としてこの村にやってきたのかを理解したのである。まず俺がここに来た理由、それはシルヴィアを助けるための戦力を確保するためだ。この村ではシルナ以外の子供は戦えるような力がないのだという。そこで村を守るために俺に協力してほしいという依頼を受けたということだった。そして俺はシルヴィアの両親にそのことを伝えたのだ。

「私共が村を守ります!だからレイ様には是非シルヴィアと共に村を出て魔王討伐の旅に行っていただけませんでしょうか!」

俺は突然の申し出に困惑したがシルナが話を続けたのである。その話は俺が考えていたものよりもさらに上を行っていたのだった。俺がシルナの話を聞き終わった後に、俺は村長にある提案を持ちかけたのである。

「俺は旅をしている間に村の防衛ができる仕組みを考えています。そのために村とこの村をつなぐ転移装置を作ってはどうかと考えているんです」

「そんなことができるのか!?いや、あなたが嘘をつくとは思えませんが本当にそのようなことが可能なのですか?」

「はい可能です。俺にはアイテムボックスがあるので素材さえあればどこでも作れるんですよ」

俺はそう答える。村人たちの反応は様々だった。中には半信半疑の人も居るようだ。

それから俺は【異世界転移】で【魔道具工房作成】の能力を使い自分の家の中に作ったのである。もちろん【収納箱作成】の魔法で作った空間の中にあるものを【異世界倉庫】に移しただけだ。俺は村長に村の中で作業場として使うのに適した建物があるかどうかを確認するために村中を見て回ったのである。

俺が作業場所を探すと言ったので村人たちは驚きの声を上げたのだった。シルナもそのことは想定外らしくかなり驚いていた。シルナによると俺に頼んだのはあくまで村の警備に関する協力だと思っていたという。そのため村の防衛に必要な武器や防具の作成を頼むなど考えてもいなかったのである。そしてその話を聞いて俺自身も驚いたのだ。シルナが言うには俺が作っている装備はこの世界ではありえないくらいの性能らしい。この世界には基本的に鉄以上の強度をもつ金属が存在せず、剣にしても鋼鉄製が一般的だというのだ。俺が作ったものはかなり珍しいミスリル製であり俺の持つ【魔眼解放】によって生み出されたものだから当たり前だろう。ちなみに【アイテムボックス】に入っているアイテムは全て【異世界転移】の力を使ったものである。俺のスキルである【魔眼解放】のアイテム版みたいなものなのだ。【異世界転移】が発動する際に俺が身につけていればアイテムも一緒に連れて行くことができる。

俺が作業をするために借りていた場所はこの村の広場にあった。俺はそこで早速【アイテム作成(武具)】で作り出した「ミスリルソード」を10本作り出して村人たちに見せた。俺はこの村には【鍛冶師】の能力を持つ人がいないと言っていたが村の中には一人【錬金術師】の能力を持っている人物がいたのだ。しかし彼はまだ幼い子供であったために【鍛冶師】の仕事はできないとのことだったので、代わりにこの村にたまたま訪れていたシルヴィアの兄であるシルナに俺が作成したこの剣を1本ずつ渡したのである。これでシルヴィアの兄は村に残りこの村に残ってシルヴィアを俺の【収納箱作成】で作ったこの村に自由に来れるようにする【転移箱】を使って村に戻ってきて防衛に参加することもできるようになった。

「さあみんな仕事の時間だ。この方から受け取ったミスリルソードを使って村の皆で守り抜くぞ!!」

シルヴィアの兄が声をあげる。シルヴィアの両親は娘が村から離れて寂しいかもしれないけれど頑張って欲しいと伝えていたのだった。そして俺とシルヴィアとシルナは村を離れることになったのである。俺達は村の門に向かって歩いていると村の人たちが一斉に見送りに来てくれた。そしてシルヴィアは俺と離れたくないといった顔をして泣きそうになっていた。それを見た俺はシルヴィアの手を引いて頭を撫でてやったのだった。

俺はシルヴィアにこれから俺が考えていることを話すことにした。俺はシルビリアとずっと一緒にいるためならなんでもすると心に決めている。そしてシルビリアにも俺の考えを伝えることにする。

「僕は君のことを愛しているんだ。僕は君に笑顔でいてほしい。そのために僕が出来ることがあるなら何だってするよ。君と一緒に居られるだけで幸せなんだよ。君のそばに僕が居てあげられれば君も幸せになってくれるんだよね?なら君のために僕はどんなことでもしようと思っているんだ」

俺はそういうとシルヴィアに向かって微笑む。俺はもうすでにシルヴィアのことが好きだし離すつもりはないからな?俺はシルビリアを抱きしめながらそんなことを考えていた。俺はこの村を出るときにも【魔導具工房】を使ってある物を村の人たちに渡すことにしていた。俺がこの世界で使えるかどうかは分からないけどこの世界の人は持っている可能性が高いと思ったからだ。俺達はこの村を離れてシルヴィアの実家に向かっていったのだった。シルヴィアは嬉しさ半分恥ずかしさが混じった複雑な表情で俺の腕にくっついているのであった。

「レイさん、ありがとうございます」シルヴィアが俺に話しかけてくるが顔は赤いままだった。そして俺はシルヴィアを連れて彼女の実家に向かうことになる。その道中でシルヴィアがこう言ってきた。「私もあなたの事が大好きなんです。初めて会ったときあなたが私を助けてくれた。私はあなたが大好きになってしまったのです。私と一緒ならレイさんは楽しい時間を過ごせると言ってくれた時私とてもドキドキしてしまったんです。私もレイさんの側に居たいんです。私の両親にあなたを認めてもらえるように一緒にお願いしてくれませんか?」とシルヴィアは不安そうな表情で言ってくるのだった。

「ああ任せてくれ。俺がシルヴィアと一緒に居たいと思ってるのに何もせずにこの国での生活が終わるわけにはいかないからね。俺はこの村をもっといい国にしたいと思っているんだ。そのために俺に協力して欲しい」

俺がそういうとシルヴィが満面の笑みを浮かべたのだ。そしてその言葉に感動したのかシルビも涙を浮かべていた。俺はシルビリアを安心させるために抱き寄せたのである。俺はこの子を絶対に守ってあげようと心に誓ったのだ。それから俺は村での作業のことについてシルヴィアに相談したのであった。そしてシルヴィアに案内されて到着したシルヴィアの家はとても大きなお屋敷だといっても良いくらいの屋敷だなというのが素直な感想だ。

「ここは母さまのおうちです。父様はあまり家に帰ってこないので、いつもここで私たち二人で過ごしていたんですよ。母さまは少し体が弱い人でしたがそれでもレイさんがいればきっと元気になると思うので是非よろしくお願いします!」とシルヴィアは言うのだった。俺はまだ見ぬ母親に対して思いを馳せたのである。

そしてシルナの家の扉を叩くことになる。しばらくして中から出て来たのは少し痩せた綺麗な女性だ。どうやらシルビリアの母親であるようである。俺は彼女に一礼をしてシルヴィアに頼まれたことを伝えた。俺が村の防衛のために必要な武器を作成していることを話したら、俺が想像していなかったことを言ったのである。彼女は「私が作りますから」といってきたのだ。俺はそんなことが出来るのだろうかと思っていたが彼女は俺に説明してくれたのである。この村にある工房は鍛冶場と裁縫をする部屋しかないのだそうだ。

「私の名前はシルビアと言います。シルビィの母で【錬金】というレアスキルを持っています。レイさんにはこの村の平和を守るために協力してくださいました。その報酬ということでこの村で作る最高の武具をお渡しすることにしました。これはこの村にいる職人の人達の修行にもなると思いますので私もこの工房を使う許可を出します。それと私に敬語を使わなくて構いません。レイさんのほうが年上なのはわかってますので普通に話してくれればいいです。その代わりレイさんがシルビィの恋人だと村の人に伝えてもよろしいでしょうか?」

シルビアーーやっぱり美人だなと思いつつ俺が返事をしようと思っていたらシルヴィアが先に口を開くのだった。

「シルビアー!レイ様に失礼ですよ!!それにこの方がこの国の王女であるシルヴィア様なんですよ!?」とシルビィがシルビアを叱りつけるように言うのである。シルビリアが俺の前で怒ったような態度を取るなんて思ってもいなかったので驚いた。シルビーの方はどうやら怒らせてしまったらしい。

「シルヴィア様に申し訳ありませんでした。シルヴィア様に免じて今回は見逃させていただきます。ですが、シルビィは私の大切な娘ですのであまり困らせることはしないでいただけると助かります。シルヴィア様にはレイさんをしっかり捕まえていて欲しいんです。シルビィは今まで男の人と関わりを持つことが無かったので、異性に恋心を抱くということがどういうことなのかわかっていないようですので」とシルビアはいう。確かに俺から見ても可愛い子だから、他の男に惚れられていても不思議じゃないもんなぁと思ったのだ。

「俺は別にシルビが迷惑をかけない限りは問題無いので、もし何かあった場合はその時はシルビアに任せてしまおうと考えているので、シルビィには俺の側でしっかりと働いてもらうつもりです。もちろんシルヴィア様にも色々と手伝わせてもらうことになりますけどね」と言うとシルビアが俺のことを優しい目つきで見つめてきてシルヴィアが不満そうな顔をしていたのである。シルビアからしたら俺はシルヴィアの相手に相応しいのか判断しようとしているのだろうが俺はもう覚悟を決めてシルビを自分のものにすると決めているから、俺からしたら特に問題ない話なんだがシルヴィアの方はそうでもないようだ。

「分かりました。レイさんは責任感が強い方のようで安心いたしましたわ。では私はこれから工房に行ってこの村の武器を作り始めましょうかね」と言ってシルビアは工房に向かっていくのだった。俺とシルヴィアは家に入りシルビアがシルビィのお母さんだったということを実感するのである。シルヴィアも驚いた様子だった。俺はシルヴィアの父親にも挨拶をしに行きたかったが今日はこの村を回ってみることにする。シルヴィアが付いてきたいということなのでシルヴィアと行動することにしたのだ。

「シルヴィアがこんな風に外に出たがるのは初めてじゃないか?」と俺は聞くとシルヴィアがこう答えてきたのだった。

「はい。私もまだ子供なので、外に出たりは出来るだけしてなかったのですが。今は母さまも体調が良いみたいなので私と一緒に行きたいみたいです。それで私に着いて来たいっていうので仕方なく連れて行くことになったんです」とシルヴィアが言う。そして俺はシルヴィアと一緒に村を回ることになった。シルヴィアに村を見てもらいながら歩いていたがこの村は本当に貧しい村だということがよくわかった。シルビアとシルビィが俺の工房までやってきたのだが、シルヴィアの両親は2人とも工房の道具を使いながら仕事をこなしていた。シルヴィアの両親は鍛冶が得意な人みたいだ。シルヴィアの両親は俺たちの事をシルヴィアが友達を連れて来たと勘違いしていたらしく、シルビアの両親は俺とシルヴィアの仲を見て驚いていた。

「まあまあシルヴィーと仲良くしてくれる人がいたのねぇ。あなた名前は何て言うのかしら?」とシルビの母親が聞いてくる。俺は自分なりに礼儀正しい言葉遣いをしていた。

「初めまして。僕はレイと申します。シルヴィアさんとお付き合いさせていただいています。シルヴィアさんは村の防衛のことも考えていらっしゃると思いますが、僕としてはもう少し防衛のための装備を整えたいと考えております。そのためシルビア様にはシルヴィアの母親の体調が良くなってからで良いので僕のところに来ていただけるとありがたいです」と伝える。シルビアは一瞬悲しそうな表情になったがシルビアが答える。

「わかりました。レイさんの仰ることはもっともだと思い、しばらくは母の看病を優先させたいと思います。ですが母が治ればすぐにそちらに伺わせていただくつもりですよ?それとこの村にいる鍛冶師たちにあなたの作る魔剣を渡して欲しいと思っていますの。この村の鍛冶屋の親方にはもう伝えておくので、よろしくお願いします」と丁寧に言われた。シルビと付き合う以上この村の人たちを俺の作った魔具によって守る義務があると思うのでこの村の工房に俺が出入りしても誰も気にしないことを願うばかりだ。シルヴィアの家族とも別れてから俺達はこの村を歩き回りながらシルヴィアの実家に戻っていくのであった。

俺はシルヴィアの実家に戻りシルヴィアに案内されてシルヴィアの部屋に向かう。この家は3階建てで、一番上がシルヴィアの両親の部屋になている。その次にシルヴィアの兄貴と姉さん達。そしてその下が俺とシルヴィアとシルヴィアの妹が暮らしているのだ。俺はシルビが寝泊りする部屋の中に入ったが綺麗にしている部屋だなと感じるのである。シルヴィアが俺と向かい合い座っている状態で俺は質問をしたのだ。

「俺達が結婚するのは当然だけど、俺はまだシルヴィアに会って間もないんだけど俺と結婚してもいいの?」

シルヴィアはその問いかけを聞くとその質問が飛んで来ることが分かっていたかのようにこう答えるのだった。

「もちろんです。私と母さまが望んだことですので問題はないです。母さまはレイさんの作るお守りを欲しています。私も父さまもレイさんがこの村に来てくれることを望んでいたんですよ。レイさんのおかげで村の被害も少なく抑えることができたんです。母さまにはレイさんが必要なんです。私はそんなレイさんのお側にずっといたいと思ってます。そしてレイさんのことを支えていきたいと思っているんです。レイさんが私のことを嫌いで無いならどうか私の事を受け入れてください」と言い終わると同時に頭を下げたのだ。そして俺が「俺がシルヴィアのことを好きじゃ無いなんてあるはずがないだろ?俺はシルヴィアが好きだよ。俺の側から離したくなるわけが無いだろう?」という。シルヴィアは顔を上げるとその言葉を聞いた瞬間に涙を浮かべる。俺はシルヴィアを抱き寄せた。それからしばらく抱きしめ合ってからお互いに離れることにした。

「シルビとはちゃんとした場所で告白をしてから恋人になったほうが良かったか?ごめんな俺のせいで」と俺が聞くとシルヴィアが「いえいえ全然大丈夫ですよ。私にとっては嬉しい限りです。私がこの村に引っ越してきたのもレイさんと出会うためだと思っていたくらいですから。私のこと大切にしてくださいね!」と言って笑顔で笑ったのである。

「ああシルヴィアを大切にするつもりだし。この先一生かけて幸せにしてやるから俺と結婚してくれるかい?」と俺がいう。俺の言葉を聞いてシルヴィアは涙を流しながらも微笑んでくれて了承してくれたのだった。俺がキスをしてシルヴィアをベッドに押し倒すと俺はシルヴィアの耳元で囁いたのだった。

「俺の子供を生んでくれないかな?」という。その言葉を言われただけでシルヴィアの顔は真っ赤になる。そんな恥ずかしがってるところも可愛い。そして俺とシルヴィアはそのまま結ばれたのである。シルヴィアとの愛を確認しあうように俺達の行為は朝方まで続いた。

「うーん俺は一体いつの間に寝てたんだろうか?」と俺は疑問に思いつつも目を覚ますとシルヴィアの可愛い寝顔を眺めるのだった。俺はそっとシルヴィアの唇を指で撫でながら俺は考える。

(昨日はシルビアの家に行っていたからこの家に来た記憶が無いんだよなぁ)と考えているとシルヴィアが起きたのである。「おはようシルヴィア」と俺が挨拶すると「おはようございますレイさん」といって抱きついてきてくれた。

シルヴィアとそのままイチャイチャしていたら扉の向こうで足音が聞こえたと思ったらいきなり勢いよく扉が開かれた。そこにはシルビアがいて俺とシルヴィアは驚いたのである。

シルビアとシルビィが部屋の中に入ってきたので俺はシルヴィアの側から離れようとしたのだがシルビアがシルヴィアを俺のところに行かせないようにしているようだったので俺は仕方なくその場で立っているとシルビィは俺の方を見て嬉しそうな表情をしている。どうやら喜んでくれているようだなと思い俺はシルビに話しかけようとすると先にシルヴィアがシルビアに怒り始めたのである。「もうお母様!なんで勝手に入ってきて私たちの幸せな時間を奪うんですか!?それにまだ私たちは着替えも済ませてないんですよ!?もう出て行ってください!!」

とシルヴィアがシルビアに怒っていたがシルビアはシルビィに何かを言うとシルヴィアは俺の服の裾を引っ張りこう言ったのである。シルビィをチラッと見てから俺の方を見ているシルヴィアは少し拗ねているように見える。シルヴィアが何を言っているのかはわからないが俺を気にかけてくれているのかもしれないなと思った。俺はとりあえず「俺のことは気にしないで。シルヴィアは好きなようにしてくれればいいよ」と言うとシルヴィアは「わかった」と一言だけ呟いた後にシルビアと会話を始めていて俺はシルビアからシルビィのことを紹介されるのである。シルビィが俺の前にやって来て俺の目の前に立ってから「私はシルヴィアの母のシルビアとシルビの母親のシルヴィの娘のシルビィと申します。よろしくお願いします」と言う。

俺の自己紹介が終わりシルビアとの話が終わると俺はシルビアにこの村の魔具の説明と俺の家までシルビアについてきてもらう。シルビアがこの家を見て感動していたのである。「私こんなに素敵な家をレイさんが作ったということですか?」と言われ俺は素直に「そうです。僕が作らせていただきました。シルヴィアと僕が結婚した際にはこの家も使ってもらうことになります。この村を守るのに役に立つ道具を揃えるので、もしシルビアが体調が戻りさえすればすぐにでも作業に入ってもらって構いません」と言った。シルビアはそれを聞き喜んでいた。

それから俺はシルビアと工房に行きシルヴィアとシルビアの母親の薬のことについて話をするのだった。そして工房を出る際にシルヴィアがシルビアにこんな事を聞いていた。「お母さまはレイさんのどんなところを気に入ったんですか?やっぱり見た目がいいとか?それとも強いところが魅力的だと思えたんですかね?私にはちょっと分かりませんでした」と言われたので俺は答えに困ってしまったが俺は答えられる範囲で答えたのであった。

「え?それはどういう意味なのでしょうか?私の母さまはレイさんに一目惚れをしたのでしょ?確かに外見もいいのですけど性格的なところも含めて惹かれたのでは無いかと思うのですが?」

とシルビィに言われて俺は納得したが、シルヴィアがさらに話に入ってくる。

「違うんですよシルビ。実はレイさんってとても頼りになる人なんですよ?私の家族はゴブリンに襲われてしまった時に守ってくださりましてね。それで私を助けてくれたレイさんに惚れてしまいまして、それからは毎日レイさんのことが大好きになってしまったのでしょう」と言ってきたのだ。シルビアとシルビはそれを聞き、俺はそれを否定しようとしたらシルヴィアがまた喋るのである。「あの時のことは覚えているよね?レイさんがゴブリンに殺されそうになった時にレイさんは私の命の恩人です。そして私の全てはあなたに捧げるために生きているんだからね」と言ってから俺に抱きついてくるのである。シルビアとシルビィは俺が照れていることが面白いようでニヤついている。そして俺とシルヴィアはそのまま手を繋いでから家に帰りシルヴィアと2人で朝食を食べた。そしてシルヴィアに頼まれて魔導書の解読をする。シルビも興味があるみたいなので読んでもらうことにする。まず最初に魔除けのお守りを作ってシルヴィアの母親のところに行ってみるとするか。俺はシルビアの実家に向かうことにした。シルヴィアの実家にたどり着く。そしてシルビに魔除けのお守りを渡した。シルヴィアとシルビアとシルビには俺の作った魔具を渡したのだ。シルヴィアには水筒を渡してある。そしてシルヴィアのお母さんの部屋に向かったのである。俺は部屋に入り、ベッドの側でシルヴィアと俺の家族が待っている状態だ。シルヴィアの母親はだいぶ顔色が良くなっている。シルビアによると俺の持っているアイテムを使って治療をしているおかげである。シルビはシルビアに回復魔法を使っている。

「俺がここに来た理由はわかりますね?」と俺は確認を取るとシルビアはこう答えてくれた。

「はい、私が治ればレイさんにお願いしたいと思います。私の身体はもう大丈夫なのですよ」というのだ。シルヴィアも「そうです。レイさんが母さまのことを大切に想って頂いているので安心しています」と言っている。俺もシルヴィアの意見に賛成してシルビアの回復を優先してほしいことを言ってシルビアはシルヴィアのほうを見てこう話す。

「私にも魔力をわけてくれないかしら?」と聞くとシルビィは俺達全員を回復させるので俺達は一旦休憩することにしたのである。俺達が休んでいるとシルヴィアのお父さんが部屋に入ってきた。俺は立ち上がりシルヴィアの両親に近寄る。シルビィは回復魔法をやめるとシルビィはシルヴィアの元に戻ってきたのでシルヴィアとシルビアとシルビィと俺で話し合いを始める。

そして俺が回復魔法の説明をしてその使い方を教えると3人とも理解してくれたのだ。シルヴィアの父親がシルヴィアとシルビアとシルビに向かってこんな質問をしたのである。

「この回復魔法を使うとどのくらいの範囲で回復することができるのか教えてくれるかい?」と言いシルビアが俺の肩に触れて俺も同じようにするとシルヴィアもシルビィも同じように触れるとその効果がわかるようだ。ちなみに俺もシルビィもシルヴィアが触ってもらわないと分からないから俺は少し焦っていたのである。

俺はシルビィからこの家の周辺の魔物を倒せるくらいの範囲まで回復したのでそれ以上は危険だということを伝えるとシルヴィアは俺の手を握って「ありがとうございます。レイさんならもっと広い範囲まで使えるはずですよね?」と笑顔で言われると俺はシルビアに視線を向けたのである。シルビアは「私はその意見に賛同するわ。シルビィもそう思うでしょ?」とシルビィに問いかけていた。シルビィはうんとうなずいていた。そしてシルビアもシルヴィアと同じような事を言うのである。シルビィは俺に抱きついてきて「ありがとう。優しいですね、そんなあなたが好きなんです。もちろんあなたのこともね」と言うと俺は少しドキドキしていたのである。

それから俺は回復をシルビィに任せてから俺はシルビアの病気が早くよくなる方法を考えるのである。俺はまずシルヴィアの母親の治療を優先させたかった。なのでシルビアの母親が眠っている間はシルヴィアが俺の代わりに頑張ってもらう事にした。俺はシルヴィアと相談した上でシルヴィアとシルビアが回復するまでは俺一人で戦うことにしてシルビアの母親はシルビアがシルビィと一緒に守るのが最善の手段だという事になった。

俺がシルビアの父親と一緒に外で訓練していると突然扉が開いたのだ。そこからシルビィが出て来るとシルビアとシルビは急いで俺のところに来て俺が倒れないように支えてくれたのである。

シルビィが急いで外に出て行くとシルヴィアが慌てて追いかけて行ったのでシルビアは「ごめんなさいね。私が無理に頼んでシルビィを連れ出したばかりにレイさんを1人にさせてしまうなんて」とシルビアが泣きながら言う。俺はシルビアの背中を撫でてあげて「心配しないで、すぐに帰ってくるから。シルヴィアのそばを離れないようにしていてくれれば大丈夫だよ。だから今はシルヴィアの事を考えよう」と言うとシルビアは落ち着いたようなのでシルビアと話をするのであった。俺はシルビアにシルビを任せてシルヴィアを追いかけることにした。シルビィはシルヴィアを追い掛けようとしたみたいだがシルビィはシルヴィアと仲が良いため一緒に行きたいと言おうとしたが俺の表情を見てシルビィは黙ったのである。

俺はシルヴィアを探しに走り回るがなかなか見つからない。俺はシルヴィアがどこに行くのか分からなかったのでとりあえずシルビアの家に急ぐとシルビィとシルビアが何かを言い合っている様子が目に入った。俺はシルヴィアを見つけることができたので話しかけようとすると俺は2人の声が耳に入ってくる。

シルビアはシルヴィアに対して俺と一緒に行動することを反対していることが聞こえてくるのである。シルビィは俺のことを好いていて離れる気はないのよと言っており、シルビアはシルビにこんなことを言われた。シルビアとシルビィはお互いのことが好き同士で姉妹として仲良くしてきたとシルヴィアは言うがシルビアは違うと思っている。シルビアは俺とシルビは似ているからこそシルビアの気持ちを理解していないと言った。

シルビアがどうしてそこまで言いたいのかわからなかった俺はシルヴィアに「どうしました?僕を探していたんですよね?僕を見かけませんでしたか?」とシルビアに聞いたのである。シルヴィアとシルビアに何があったか聞いてみると、俺のせいだった。俺が回復魔法を使えるようになってシルビアとシルビィは俺を独占できる時間が減ってきたのが寂しいと感じているようだ。シルビアもシルヴィアもシルビとは仲が良くていつも行動を共にしているしお互いのことを良く知っている。しかし俺はシルヴィアの事が好きだしずっと一緒の時間を過ごしたいと考えているためどうしてもシルビア達のことが後回しになってしまっていてそれがシルヴィアを不安にしている原因になっていると言われたのだ。確かにシルヴィアとの時間が少なくなったことは確かだ。俺は2人と過ごす時間を作るようにすると約束すると2人は喜んだのだ。

2人が喜んでくれたことを確認すると俺はシルヴィにお礼を言ってから俺はシルビアと一緒にシルビに別れを告げた。そしてシルヴィアに俺と一緒にいるのが嫌なのかを聞こうとしたが先にシルヴィアはこう話す。「レイさんは私の事を一番に考えて下さいます。それに私はレイさんと出会ってからは幸せです。だけど私とシルビだけのために自分のことを疎かにすることはやめてほしいです」と言われてしまったのだ。俺がシルビアとシルビを優先したことでシルビアは嫉妬心が生まれてしまったのだろう。

それからシルビアはシルビアのお母さんの病について調べにシルビアの部屋に戻ろうとするが俺達はシルヴィアの家を出てシルビアのお母さんのところに行こうとするとシルビィはシルヴィアに俺から離れるように注意をした。シルビアは俺の腕を掴みこう答えるのである。

「私達はレイさんから回復魔法を教えてもらいました。私達にはまだ使いこなせていませんけどレイさんなら必ず母さまの病気も治してくれますよ。私はシルヴィア姉さまを信頼しています。シルヴィア姉さまが言うのですから私は信じますよ。そしてシルビィはシルビィの思う通りに行動したらいいと思う。私のことは気にせずに」

シルビィはシルヴィアの気持ちを聞くことができたがやはりシルビィの本音では俺とシルビだけの時間がなくなることに我慢ができないでいるようである。俺はシルヴィアと一緒にシルビアの実家に向かいそこでシルヴィアのお母さんの診察を行ったのである。俺とシルヴィアのお母さんの治療が終わったので俺はシルヴィアを連れて急いで家に帰るのであった。

俺はシルヴィアとシルビアとシルヴィアのお母さんを連れて家に帰ってきてからシルヴィアのお母さんの診察を行うことにした。俺が診察を終えると彼女は驚いた顔をしていたが、シルビアが回復魔法を使っている姿をみて俺達3人を信用してくれるようになる。シルヴィアは回復魔法のスキルを覚えたことで魔力のコントロールが出来るようになっていたのだ。俺も同じように回復魔法のレベルを上げることに成功して魔力の使い方を少しだけ理解できた。シルヴィアには俺と同じでレベルを上げてもらった。

俺はシルビアのお父さんと訓練をしていたので俺は急いで家に帰りみんなと合流した。シルビィはシルヴィアと一緒に俺とシルヴィアのお父さんに回復魔法のやり方を教える。シルビアとシルビとシルヴィアとシルビアとシルヴィアのお母さんの6人でシルビアの部屋に戻っていったのだ。シルビとシルヴィアのお父さんとシルビィとシルビのお父さんとシルナのお父さんはシルヴィアのお部屋の前で見張りをしているのである。シルビィがシルビィとシルヴィアのお母さんに俺の回復魔法を実演しそれを見たシルヴィアのお父さんも興味を持ったのか回復魔法を使い始めたのでシルビアのお父さんにも回復魔法を使えるようにしてあげたのである。シルビィとシルビのお父さんは回復魔法の使い方を覚えてくれた。シルヴィアとシルビアのお父さんは覚えられそうもないらしい。

それからシルヴィアとシルビアが回復魔法をシルビアとシルビのお父さんとシルビアのお母さんが俺が教えたとおりにしてみると言っていたので俺は見届けることにしたのである。俺が回復魔法でシルビア達を回復させるとシルビィとシルビの両親が回復させたのを確認して俺はすぐにまたシルヴィアのところに戻った。シルビィとシルビのお父さんとシルビアのお父さんとシルビアの3人は回復魔法の練習をすることになったのでシルビアとシルヴィアとシルビのお母さんがシルビアの部屋に入って行くのである。俺はシルビアとシルヴィアとシルビアの両親とシルビアのお母さんが心配だったのでシルビアの部屋に向かうのだった。

シルビア達がシルビアの部屋に入るとシルビアの母親の病気がどんどん良くなっていってシルビアのお母さんの体にあった黒い斑点が綺麗になくなっていく。シルビアはその様子を見て涙を流す。

「レイさんは本当にすごいです。レイさんはやっぱり私にとっての英雄です」とシルヴィアに褒められたのである。俺はシルヴィアの言葉に照れながらも俺はこの病気の原因を究明しなければならないのですぐにシルビアに質問してみた。俺とシルヴィアはシルビアの返事を待ちながらシルビアとシルヴィアとシルビアのお母さんを見守り続けた。

それからシルビアが口を開く。シルビアが言うにはこの村には昔から魔物を呼び出す魔道具が存在してその魔道具は村の奥にある祠に置いてあるということだった。その祠は村長しか入ることが出来ないようになっている。だから村の人達は祠の存在を知らされていないのだと言う。

「私が昔に聞いた話なのですが村の誰かが魔王軍の人間に騙されてその封印を解いたらしくそれ以来、その魔道は作動しない状態だったのです。そして、今回村に侵入者が現れた時に偶然、あの魔導具が起動したのではないかと思いましてそれで私が慌ててレイさんに伝えにきたんです」シルビがそう説明するとそのシルビアの言う通りだとシルビアが言い張ったのだ。そして俺はそんなシルビアの態度が気になった。なぜならシルビアの言うことが正しいならばその祠から召喚されたはずの魔物はこの世界に存在するはずがないからである。俺はシルビアにどうしてそう断言できるのかを尋ねてみると シルビアはその答えを話した。シルビアの推測によるとシルビアの母親は元々この国の生まれでシルビアが生まれて間もない頃、シルビアの父親と共にシルビアをシルビとして育てるためこの国にやってきた。その時、村の人たちは快く受け入れてくれてそれからシルビアの両親はこの村に住まわせてもらえることになりシルビアをシルビという名前をつけてもらって育てた。

シルビアが物心ついた時には母親は病気になり体がだんだん悪くなっていき最後には亡くなった。シルビアがシルビアの名前の由来を聞いたところシルビアという文字を逆から読むと「シルヴィア」という言葉になるとシルビアは俺に説明をしてくれた。シルビアは俺に対してシルビアの名前をシルヴィアとしてではなくシルヴィアと呼んでほしいと頼むのだ。

シルビアの話が終わるとシルビアのお父さんが口を開き俺が気になったことを説明してくれる。それはシルビアの母親がこの国にくる前は、シルビアの父親がこの国の出身だったということである。その証拠は俺の知っている言語を使っていたので間違いないという。そして、俺はなぜシルビアがこんな嘘をついていたのかを聞くと「シルヴィアとシルビアをレイさんと分けるのが嫌だった。私にとっては2人とも大切だからです。それにシルヴィアは私の親友だし私にとっても姉みたいな存在ですから、シルヴィアもレイさんに自分の本当の名前をレイさんに呼んでもらいたいと思っていたから私と同じようにレイさんに名前を知ってほしかった。私はシルヴィアと姉妹になれることが嬉しいですから」と答えたのである。

シルビアの話を聞いた俺はシルビアとシルビアとシルヴィアの3人が仲良くしている光景を思い浮かべてしまうのであった。

それから俺とシルビアのお父さんとシルビアのお母さんはシルビアが持ってきた情報をもとに村人に協力してもらって村の奥の方に向かって行く。シルビアの予想どおりそこには地下に通じる入り口があり俺達は中に入った。俺は何かあれば危険だと判断してシルヴィアの両親とシルビアのお父さんとシルヴィアの4人には入口を見守るように指示を出す。それから俺はシルヴィアのお父さんの案内で階段を下っていき祠に到着したのだ。俺はシルヴィアの父さんの案内に従いそこにあった石版に触れると 《レベル10に達していないため転移をすることは出来ません》

「どうやらここには勇者を召喚するために必要な装置が隠されているようだな。しかし俺にはすでにスキルを持っているからこれ以上必要ない。そしてこの場所は魔王を倒すために必要な力を手に入れるためには必要不可欠な場所なのだ」と俺は声が聞こえてきたのでそちらの方を向く。するとそこに立っていたのは シルビアのお父さんが魔王軍の手によって殺されてしまいシルヴィアのお父さんは怒りを露わにする。俺はその魔王軍に恨みがあるのですぐに倒そうと思ったのだが俺には戦うための力が足りなかった。シルヴィアのお父さんとシルヴィアは俺よりもステータスが高く俺よりもレベルが高い。だけどそれだけでは魔王と戦うことは出来ないとわかっていたのでシルビアにレベルを上げるように頼んだのである。

それからシルビのレベルアップを行い俺はシルヴィア達と一緒に村に戻りシルビアのお父さんとシルビアのお母さんとシルビアとシルヴィアの5人でこれからのことを決めることになった。そこでシルヴィアが提案したのは、シルビアとシルヴィアは俺と一緒にシルビアの実家に行くことに決まった。それからシルヴィア達は村人たちの応援を受けながらシルビアとシルヴィアのお父さんが使っていた回復魔法を覚えてシルビアとシルヴィアのお母さんは俺がシルヴィアに教えた回復魔法を習得することができた。

そしてシルビアの両親もシルビア達と一緒なら安心だということで村を離れることに決めた。俺達はシルヴィアのお父さんの案内の元、俺が見つけたダンジョンにシルビアとシルヴィアを連れて向かいそして俺とシルヴィアとシルビアとシルビアのお父さんとシルビアのお父さんの5人で攻略することにしたのである。シルビアの両親はこの洞窟の中に何が待っているのかを知っているようだったがそれは今は話すことができないと言って俺達に同行することになる。俺はシルビアとシルヴィアとシルビアのお父さんとシルビアとシルビアのお母さんとシルヴィアの6人とパーティーを組むことになりそのままシルヴィアとシルヴィアとシルビアとシルビアのお父さんとシルビアのお父さんと一緒に攻略を始めたのである。そしてシルヴィア達の実力を確認するために魔物と戦ってもらうことにした。シルヴィアが先頭でシルヴィアが持っている槍術とシルビアとシルビアのお父さんとシルビアのお父さんとシルビアのお父さんとシルビアのお母さんとシルヴィアの6人の連携を確認しつつ戦闘を行うことになった。

シルビアはシルヴィアに教えて貰った剣技を駆使して敵をどんどん倒して行く。それを見てシルヴィアのお父さんとシルビアのお父さんとシルビアとシルヴィアのお母さんとシルビアとシルビアのお母さんとシルヴィアのお母さんとシルヴィアの3人もかなり強いことがわかる。特にシルヴィアのお母さんはシルビアのお母さんと比べて動きが全然違ったのだ。それだけではなくシルビアとシルヴィアとシルビアのお父さんとシルビアのお父さんもなかなかやるようである。俺はこの人達に勝てるのか不安になったがここで負けてしまっては魔王に対抗出来ない。

そう思いながら戦っていると俺はある事に気が付いた。俺のレベルが1つ上がっている事である。俺はまだ魔物を1体も倒すことが出来ていないので経験値を得ることが出来なかったのでこの短期間でどうやってここまで強くなったのかが不思議である。そのことをシルヴィアに尋ねるが俺の師匠の方が凄いとしか言ってくれず俺は気になりシルビアの父親に聞いてみることにしたのだがシルビアの父親もその質問に答える事はできなかったのである。シルビアはそんな俺たちの様子を見るとシルヴィアに回復魔法を教えて欲しいと言った。俺はそんなシルビアの様子を見ているのが辛いと感じていたが今、この世界でシルヴィアの回復魔法を使える人間は限られている。

シルビアにその事情を簡単に説明するとシルヴィアは自分の母親を助けて欲しくて必死だったのだ。俺はそんなシルビアのために回復魔法を練習する事になった。シルビアのお父さんとシルビアとシルビアのお父さんとシルビアとシルビアのお母さんが見守る中で俺はシルヴィアとシルヴィアとシルビアのお父さんとシルビアのお父さんとシルビアとシルビアのお母さんにシルビアの母親を治してみせると宣言した。それからシルヴィアの魔力の波長がシルビアの母親と似通っている事がわかりシルビアとシルヴィアとシルビアとシルヴィアのお父さんとシルビアとシルビアのお母さんにシルビアの母親を呼んでもらった。シルビアはシルビアの母親の傍に寄る。俺は回復魔法を使ってみるが回復魔法の効果が現れることはなかった。シルビアは涙を流してシルヴィアの母親を見つめる。

俺はシルビアにシルビアのお母さんが病気にかかった原因はわからないけど俺にはわかることがあるとだけ言った。シルビアはその言葉を聞いて俺をまっすぐに見つめてくる。俺にはわかったことがあったのだ。それはシルヴィアが俺に助けを求めて来た時のことを思い出してみるとシルビアの魔力の流れは俺と同じような性質を持っていた。つまり、俺が回復魔法を使った際にその魔力の波長がシルビアの体に流れているということだ。俺はそれを確認できただけでも良かったと思っているがシルビアのことを考えると心苦しかったのだ。そんなことを思っているとシルヴィアの母親が目を覚ます。俺はその光景に涙が流れてしまった。

シルビアの母親もシルヴィアとそっくりの顔をしているのだ。だから余計と悲しさを感じずにはいられなかった。シルヴィアも涙を流しているとシルビアのお父さんがシルビアを慰めていた。それからシルビアの母親はシルヴィアの事を抱きしめる。シルヴィアはシルビアの母の腕の中で号泣していた。そんなシルビアの様子を見届けてから俺はシルビアのお父さんにシルヴィアの両親の面倒を見るように頼むことにすると、シルビアのお父さんは「あぁ、任せておけ。俺には妻と子供がいるからお前たちに心配をかけることはない。それに、シルビアはもう大切な娘だ」と答えてくれた。

シルビアは嬉しそうな表情を浮かべていたので俺としてはほっとしている。

それからシルビアとシルビアはお互いの親に対してシルヴィアの両親が自分達の家族になることを話していた。シルビアの父親は「俺のことはお父さんで良いから」と言いシルビアの母親はシルヴィアとシルビアに対して

「私はママと呼ばれても構いませんよ」と言う。シルビアとシルヴィアが恥ずかしそうにしているとシルビアの父親が

「俺のことをお父さんと呼んでくれ。そして俺にもシルヴィアを名前で呼ぶことを許してもらえないか?」

「は、はい。わかりました」

シルビアは少し照れながらそう言う。そしてシルビアのお母さんは

「ふぅ~、私達はレイさんのおかげもあり無事に帰ることが出来たんです。だからシルビアとシルヴィアの2人は私の家族ですよ」と言って2人を笑顔にさせたのであった。

こうしてシルビアは無事にシルビアの実家に向かうことになりシルビアも一緒に暮らす事になる。ただ、シルビアのお父さんとシルビアとシルビアのお母さんは村の方に戻らないと行けない。俺はシルビアにシルヴィアとシルヴィアにシルヴィアとシルビアのお父さんとシルビアとシルビアのお母さんを連れて村に戻ると伝えたらシルビアが村まで付いて行くことにした。俺はシルビアと一緒にダンジョンを出て村長とシルビアのお父さんが待つ家へと帰ることにした。そして家の中に入るとシルビアは泣き出してしまう。俺はシルビアを抱き寄せるとそのまましばらく抱きしめてあげるのである。

俺はシルビアが落ち着くまで待っていた。するとシルヴィアが「私がレイちゃんと初めて出会った時と同じ顔ね。でも今は大丈夫。シルビアが泣いていたらシルヴィアが慰めてあげるから」と言ってシルビアの頭や背中を撫で始めたのである。シルビアは安心したのかようやく落ち着きを取り戻していったのだ。それからシルビアは両親に向かって改めて挨拶をした。シルビアは両親と抱き合って喜んでいてその様子を見た俺は本当にこの家に帰って来れたんだなと思ったのである。俺はその後で食事を取りそのあとでシルビア達を連れて村へと向かうのであった。

それから俺達はシルビアを連れて村へと向かったのだがシルビアの両親はシルビアとシルヴィアと一緒に暮らしている。そして俺はこれからのことを考えるのである。シルビア達と共に生活することになったわけだが、シルビア達は魔王軍と関わり合いを持っている可能性がある。魔王軍に狙われるような事がなければいいんだけどと思ったのだが魔王軍が魔王を倒すために異世界からの召喚を行うような国なのだ。これから先も警戒していかないと危険であると判断した。俺はそんな事を考えつつこれからのことについてシルヴィアと話し合うのであった。とりあえず俺は魔王を倒す旅を続けようと思っていた。魔王を倒し世界を救うことが一番の目的なのだからそれを優先するべきだと考えているからである。そしてシルビアとシルヴィアとシルビアとシルヴィアとシルビアのお父さんとシルビアとシルビアのお母さんに俺が持っている薬を分け与えることにした。俺はこの村に回復ポーションを大量に置いていくことにしたのだ。これはこの村が困っている状況を改善したかったという理由と俺自身が安心出来るからだ。

それから俺達は村を離れてシルビアの実家がある村の方へ向かうとそこで村長が俺に話したい事があると言って来た。俺達はまず村長の自宅に案内されてそこに集まるとそこで俺に話を始めるのである。どうやら最近、この近くの山に住みついた魔族の存在が確認されたらしい。この村の住人達は魔物が住みついている可能性を考慮して森で食料の確保をしていたらしく今回はゴブリンの集団が現れたのを見かけたため村人全員で退治に向かったそうだ。その結果は返り討ちにあったという事である。それからゴブリンを討伐するために派遣された者達も帰ってこない状態が続いているらしい。それで俺はシルビアとシルヴィアのお父さんの実力を確認しておいた方がいいと考えた。

俺の言葉にシルビアのお父さんは

「そう言えばこの辺りを根城にしている盗賊団がいるとは聞いたことがあった。そいつらはかなりの手練れのようだが俺の敵ではないぞ」

その言葉にシルビアとシルヴィアとシルビアのお母さんは

「さすがはアレック様です」

と声を合わせるように言って3人で笑い合っていた。

俺はそんな様子を見てこの村の近くに存在する盗賊の根城に行くことを決心する。それから俺はシルビア達に村長の自宅でゆっくりしていてくれと言った後に俺は一人で森の中にあるという盗賊団のアジトへと向かう。しかし、シルビアの話ではこの付近は危険な地域であり魔物の巣窟になっているらしい。そのため、シルビア達が俺に付き添って来てもいいという事を伝えてくれたのである。俺としてもその言葉はありがたいのでその申し出を受ける事にした。そして、俺がこの世界に転生する直前に戦った盗賊の親玉と同一人物かどうか確認するために向かう事になったのだ。俺は【鑑定】の魔法を発動させてみるがステータスは表示されなかった。それは仕方のない事だとは思う。もし仮に俺に鑑定の魔法を使ったとしても同じ結果になっただろうと思っているのだ。それはこの世界に来て俺が得た【鑑定】の魔法では自分の能力を確認できないようになっているためである。

俺とシルビアとシルヴィアは村の周辺を警戒している人達と合流してその人達について行ったのだが、俺はあることに気が付いた。それはこの付近の地図が作られているのを見た時にこの付近に大きな湖が存在していてその付近には強力なボスクラスのドラゴンが住むと言われている。俺はそんな場所に足を踏み入れようとしていたのだと思うと不安になる。その気持ちはシルヴィアも一緒だった。シルヴィアがそんな様子を見せているのに気が付いた俺はシルヴィアの肩に手を置いて「何か有った時は守ってやる」と言ったのだ。俺はシルビアとシルヴィアにこれ以上辛い思いをさせないようにしなければならないと思い行動することにしたのだった。そんな話をした後シルビアが少しだけ笑って「私はレイちゃんに会えて幸せ者だと思います」と言い俺の腕に寄りかかってきた。それからシルビアはシルヴィアに笑顔を見せるとシルヴィアが俺の腕を引っ張る。それから俺はシルヴィアと腕を組んでいる状態になると、俺の腕をぎゅっと掴むシルヴィアを見て微笑ましいなと思ってしまうのである。

そして俺はシルヴィアに

「シルビアと仲良くなったみたいで良かった。俺はこれからこの世界を冒険して行こうと思う。だから俺と一緒に居てくれるか?」

「うん。もちろん。シルビアとも話し合ったの。これからずっと一緒に居るの。シルビアの大切なお姉さんでもあるからシルヴィアと一緒にシルビアを守っていこうと思っているんだよ」

シルヴィアは満面の笑みを浮かべてそう答えた。俺はシルヴィアを抱きしめると

「あぁ、頼りにしてるよ」

と囁くのであった。シルビアも俺の背中に手を回してくる。そんな事をしていたら俺達は目的としていた盗賊達の根城に到着したのであった。俺は見張りと思われる人物を見かけて俺は【威圧】のスキルを発動させると相手が震えだす。そして怯えている隙に気絶させたのだ。

シルビアはそんな光景を見ると驚いていたのである。俺はシルビアとシルビアの両親には待機するように言った上で中に入る事にした。俺は洞窟の中に入るとそこはかなりの広さになっていた。しかもかなりの人数が集まっていて、奥の方から人の叫び声が聞こえて来たため俺は急いで駆けつけようとした。その時にシルヴィアが慌てて止めようとしてきたが無視をする。

そしてシルビアの両親が止める前に俺は飛び出してしまうとそこには盗賊達がいた。俺がいきなり現れて動揺して動きが鈍くなっている連中に攻撃を開始する。すると何人かの仲間が死んだことに対して盗賊達は激昂した。

俺は盗賊の一人を捕まえてから問い詰めてみるとあっさりと白状したので、シルヴィアの両親に盗賊達を捕らえて欲しいと言ってシルヴィアのお父さんに盗賊を引き渡したのである。

それからシルビア達の元に駆け付けるとシルビアとシルビアとシルヴィアとシルビアとシルヴィアのお父さんが俺に向かって感謝の意を示してきたのである。

シルビアとシルヴィアの2人が無事であったこととシルヴィアとシルビアの両親の2人に危害を加える者がいなかった事に安心するのであった。それから俺はシルビアに「これからどうするんだ?」と尋ねるとシルビアのお父さんが「村に戻って報告しておきたい。村の近くまで一緒に同行してくれ。それとレイさんには村の人たちを代表して感謝を申し上げます。村を代表して私から村長へ村に滞在して貰えるようにお願いしますのでよろしくお願い致します」と言ってきた。

「いや。俺はシルビアと一緒にいられればそれでいいんだけど。シルビアとシルヴィアはこれからどうするつもりなんだ?俺のことは気にしないでいいぞ。それにシルビアのお父さんはもうシルビアとシルヴィアを村に連れて行ってくれ。俺はこの村にいる盗賊を倒してくるからさ」

俺はシルビアのお母さんとシルビアの父親に伝えたのだ。

するとシルヴィアが俺の前に出てきて

「シルヴィアがこの村に残ってお母さんとシルビアを守るの!レイちゃんのお嫁さんの1人としてシルビアとシルヴィアと一緒にレイちゃんを待つの!」と言ってくれたのだ。

シルビアはシルヴィアの言葉を聞いて

「シルヴィア。それってつまり私がレイと結婚するという事なのね?」

と聞き返す。するとシルヴィアが

「そうなるのかしら。シルビアのお父さんとお母様の許可を頂いてからだけど。シルヴィアはまだ小さいし、レイの事が大好きだからレイに甘えたいのかなって思ったの。だからね。私がレイちゃんと結婚すればずっとこの村で暮らす事が出来るでしょ。そうしないとシルビアとシルヴィアは離ればなれになって大変だと思うの。だから私はシルヴィアのためにも結婚する。だってシルヴィアの大切な親友だもん。シルヴィアもシルヴィアも大好きなシルビアを幸せにしてあげてよね」

シルヴィアはシルビアの事を想いそんな事を言っているようだった。俺はそんなシルヴィアの言葉を聞きシルヴィアはなんて優しい娘なんだろうと感心してしまう。シルビアのお父さんは

「ありがとう。本当に君には感謝の言葉しか見つからないよ。シルビアは本当に良い友達を持ったね。私はシルヴィアちゃんの優しさに感謝するよ。本当にレイさんがシルビアを選んでくれてよかったと思えるくらいだ」

と言ってシルヴィアの頭を撫でながらシルヴィアの事を愛おしむような眼差しで見ているのである。それから俺達はシルビアとシルビアとシルヴィアのお父さんと共にシルビアの実家に戻る事になった。それからシルヴィアとシルビアは楽しげに話している様子を見ていて、本当にこの村に滞在する事に決めて良かったと思ったのである。そして俺はゴブリンの集団が住み着いている山へと向かうのだった。俺はシルヴィアに見送られて山へと到着するのだが、俺はゴブリンが住んでいる場所を発見するとその集落のような物がある事を知るのだった。

どうやら山に住む魔物達は人間達に追いやられてこの山に来たようであるが住みやすい環境だったのでそこに住み始めたらしいのだ。そこでゴブリンキングを頂点とする大規模な組織を形成しているという。その組織はこの周辺に生息する魔物のボスとして存在しているそうだ。そのためゴブリンロードがリーダーを務める盗賊団と縄張り争いをしている状況なのだと言う話をシルヴィアのお母さんに聞くことができた。俺はゴブリンの集落を見つけると

「おい、出てこい」

俺の声が周囲に響き渡る。すると数体の魔物達が警戒をしながら出てきたので、 【威圧】を発動させる。俺の放った威圧に反応する魔物達に近付いていき俺は拳を振り上げてから振り下ろして殴り倒す。その光景を見た他のゴブリンが俺に対して攻撃をしてきたので、蹴り飛ばし、回し蹴りを放ち、肘鉄を繰り出した。そして剣を抜いて襲ってきた魔物に対しては俺はカウンターを決めていき戦闘は終了した。それから俺と俺に倒された魔物達の間に結界を張ると

「今、この場に居る魔物の魂とお前達が殺した人間の死体は全て俺が管理する。俺はこの世界の管理者であり魔王であるレイナだ。お前達の命を奪うつもりはないが今後は二度とこのような事を行わないで欲しい。もしまた俺の前に現れた場合はその時こそ容赦なく俺が始末する事になるだろう。わかったか?」

俺は威厳を感じさせる口調でそう言うと魔物達が俺に襲いかかろうとするので

「もう一度だけ言っておくぞ。次はないと思え。そしてもし、お前達の仲間がここにやってきたら、今度は俺が相手になるだろう。俺がこの世界を管理するようになってからは、人間がこちらの世界に来ないように配慮していたが、もしその掟を破るのなら容赦無く俺は人間を殺す。これは俺の本気の意思だという事はわかっておいて欲しい。それから忠告だが、今後一切こちらの世界にやってくることだけは止めてもらいたい。いいか、これが最後だ」

俺の威圧に怯えながらゴブリンの魔物が必死の形相で首を上下に振ると、ようやく落ち着きを取り戻すと俺はゴブリンの集落の場所を聞くのである。すると、 俺はその場所にたどり着くまでに【収納空間】の能力を使って素材を回収するとゴブリンの集落に到着するのだった。俺はゴブリン達に話しかける。しかし俺の言葉に対して返事をしてくれないのだ。そこで俺はあることに気が付き【言語変換の魔道具】を使うと、どうも俺の言語がゴブリン語になっているようだ。そしてこの状態で話しても通じる訳がない事に気づくと俺は【鑑定の魔導書】を使い言葉を覚えることにする。この魔導書を俺が読み終えると俺はすぐに【言語変換の魔法陣】を作り出して発動すると元の姿に戻る。

「さっきの話はわかるかな?」

俺がそう尋ねても

「ギャー」

とか

「ガー」

という感じの反応しかないのである。なので【翻訳】のスキルを習得して

「さっきの話の内容が理解できたかい?」

俺は改めて質問した。

そしてしばらく待ってから

「あぁ。人間の男がやってきていきなり私達を奴隷にしたんです」

と返してくれる。やはりそういう事なのかと思いつつ俺は続けて話し掛けていく。どうもこの集落で暮らしていた女性が連れ去られて、そしてゴブリン達は女性を助けようとしていたのが理由のようであった。しかし女性はもうすでに殺されてその遺体が放置されていたらしい。そして女性の亡骸の近くにいた子供のゴブリンの女の子が俺を見て恐怖から泣き出した。俺はその子を抱き締めてあげる。

俺はその子が落ち着くまで待つことにしたのだ。それから数分後に泣き止んで俺に対して警戒するような態度をとるも落ち着いてくれた。

「君はどうしてここにいたんだい?お家は?」と尋ねたのだ。すると子供は家の方を指差した。俺はその方向を見てみると家が一つあったのだ。その家に案内して欲しいと言うと了承してくれたので俺はついて行く事にしたのである。

その家にたどり着いた時、

「きゃああ!!あなた達は誰なの!!」

と家の中にいたおばさんが叫びながら外に出てきた。俺は

「突然ですまない。少し話をしたいのだが構わないだろうか?」

と尋ねると、

「お願いだから私達の子供を帰してちょうだい」

と言ってくる。そこでシルヴィアからもらったネックレスを取り出すとその首飾りをシルヴィアの母親に差し出す。すると母親は驚いた表情をしてからシルヴィアから渡されたネックレスを見つめるのであった。そしてシルヴィアの母さんはシルヴィアから渡されるはずだったものを手渡されたので驚きが止まらない様子だ。そして涙を流し始めた。そんなシルヴィアの母親が

「これをどこで手に入れたんだい!?」

と言ってきたので俺は事情を説明する。それから俺はシルヴィアのお母さんにシルヴィアから預かった手紙を渡したのである。そしてその文面をみたシルヴィアのお母さんはさらに驚いていた。俺には読めない字で書かれているためにわからない。俺は文字が書けるので俺が書いた方が早いと判断した。俺はこの国の共通語の読み書きをマスターしている。

だから文字の読み書きが出来たのだ。それでこの文章を読んでみるが「シルヴィアへ シルビアからこのペンダントを受け取ってくれと言われたけど、私はシルヴィアが持っていてほしいの。シルヴィアが持っていた方がいいと思うし、この村に戻ってくるときは一緒に連れてきて欲しいな。私はシルヴィアと一緒に冒険するのが夢だったの。

だからシルビアと仲良くこの村で過ごして。シルビアと一緒にこの村で暮らすことをシルヴィアのお父さんやお母さんに伝えてからこの村で暮らすようにしなさい。シルビアはシルヴィアの事が大好きだしシルヴィアが一緒だったら大丈夫だからね。

レイちゃん、ありがとう。大好きだよ。シルヴィアより シルビア」

シルヴィアの手紙を読み終えたシルヴィアのお母さんは涙を溢れさせていて シルヴィアが生きていると信じてこの村に戻ってきたものの、娘の遺体を見てショックを受けていたが、シルビアの生存を知り嬉しそうな笑みを浮かべていたのである。

「そうですか、シルビアが無事だったのですね。ありがとうございます。シルビアから手紙を頂いていたなんて。シルヴィアはレイナさんの事が本当に大好きでシルビアといつも一緒に居たのです。シルヴィアからよく聞かされていました。私の事もシルビアのことも心配してくれてありがとう。この村にいる娘もあなたの事を好いているようですよ」

そう言ったシルヴィアのお母さんは俺に娘を紹介してくれるので会わせてもらうとそこには、俺よりも年下と思われる銀髪の少女が座っていたのである。俺はその少女に

「はじめまして。レイといいます。よろしくね」

と言うと

「レイ兄様は凄いのね。シルヴィア姉さまは本当に優しい人よ。それにシルヴィア姉さまとシルビア姉さまはとっても仲が良かったわ。だから私も二人の事はとても好きなの。レイさん、シルビア姉さまの事を教えてくれてありがとう。それとこの村の人達も助けてあげて。シルヴィア姉さまに頼まれたから。この村の事は絶対に私が守る。だってこの村の人達はシルヴィア姉さまが守りたいと思っていた人達なんだもん。だから私が頑張らないといけないの。そのためにこの村の村長になって皆を守ろうと思ったの。私はゴブリンナイトのミリアというの」と力強く言い切るのである。

俺がこの村はゴブリンの集落であることを教えると、ゴブリン達は一斉に襲いかかってきた。ゴブリン達は俺を殺すべく攻撃を加えようとするのだが、その攻撃は全て俺の【障壁】により防がれてしまう。

「くそがっ!俺達の攻撃をこんな簡単に弾いて何て硬え奴だ」

とリーダーのゴブリンが言う。俺は 【収納空間】を発動させるとそこにゴブリンの死骸を入れていく。それを繰り返していると、やがて、ゴブリンの死体の山が出来上がり俺の足元にゴブリンの死屍累々といった光景が広がっていた。そして俺はゴブリンの死体を全て【収納空間】にしまうと結界を解きミリーと向き合ったのである。俺はミリーの目の前でしゃがみこみ頭を撫でたのだ。すると、俺に撫でられた事で緊張が解けたのかミリーは俺に抱きついてきて泣いたのである。そして俺はミリーにこの国で起こった出来事を聞いた。

そしてゴブリン達がどうしてここに居るかという話になった時に、どうやらシルヴィア達が襲われた時の事を思い出したらしく、この集落を守るために戦っている事を伝えてくれた。俺に対して敵意はないと伝えてくれたため俺としても戦う必要はない。そこで俺はミリーの願いでこの村の警護を行う事にしたのであった。こうして俺はシルヴィアに託されたものを守るための戦いを始める事になるのである。

「さすがシルヴィアの愛した子よね。強いんだから。でもあなたはこの子の言うとおりにしてこの村を救ってちょうだい。そして必ずこの国に戻ってきて。シルヴィアがあなたのために残したものだから、お願いするわ」

シルヴィアの母がそう言うと

「えぇわかりました。約束します」

俺とシルヴィアの母との間で会話が成立しているようだった。

その後俺はゴブリン達と話し合いを行い俺の指示に従うならば、俺の持つスキルの一つをゴブリンに与えると伝えたのだ。そして俺の提案を受け入れて貰えたので俺は【従魔術】を使うことにする。

「じゃあ君達の中で俺と主従契約を結ぶものは手を挙げてくれるかな?」

そうすると全員のゴブリン達の手が上がったのである。そしてその瞬間から俺に対して忠誠と忠誠を誓った。俺に対してゴブリンは服従することになるのだ。そして【鑑定】を使ってゴブリンキングの称号とスキルを確認させてもらった。すると、俺に対してゴブリンキングは俺に対して忠誠と俺に対してのみ命令権を持つこと、また他のゴブリンを従属させることができる能力を得たのである。つまり、俺はこの村にいるゴブリンに対して【絶対順守】の力を得ることになるのだ。俺はゴブリン達に

『これからは、俺の命令を聞くように』

と言うと

『仰せのままに我らが王』

と言い恭しく礼をする。「さぁ、この国の王に俺はなった。お前達にはやってほしい事があるんだ。今すぐに人間達が来る前に食料を確保しておくこと。それから防衛のための拠点を作るんだ。それができたなら俺達はお前達を信用して、俺が得た力の一部を与えてやろう」

するとゴブリン達は歓喜の声を上げたのであった。そして俺はシルヴィアの母親が身につけていた装飾品のいくつかを受け取りそれをシルビアの形見としてシルビアの母親に渡してあげたのであった。すると彼女は感謝の言葉を口にしていたのであった。それから俺は

「シルビアのお母さんには俺の妻になってもらうことにするからよろしくね」と言ったのだ。

それから俺は【転移魔法陣作成】を起動させた。そしてシルビアのお母さんと一緒にこの集落を離れることにしたのだ。シルヴィアの母親も同行してくれるみたいだ。ちなみにシルヴィアには俺のことをシルビアに報告することを条件として連れていくことを許可して貰った。そして俺たち3人はその場を離れシルヴィアが住んでいた村まで移動する事になったのである。そして到着した村では村の住民達が歓迎してくれる。どうもシルヴィアがこの村を守ったことは周知されているようでシルヴィアに感謝を述べてきたのだ。シルヴィアは俺と別れた後この村を一度訪れてその時には既にこの村が魔物の襲撃を受けていてこの村の住民は避難しているところであった。そして、この村の住民たちはシルヴィアの事が大好きなので助けたいが、自分たちの力では不可能だとわかっていて、シルヴィアは自分たちが無事である事を祈りながらも、もしこの村にゴブリンが攻めてこようと、この村だけは死力を尽くして守ろうと決めていたという話をしてくれた。そしてその決意はシルビアの母親が引き継いでいるという事も説明をされた。それからシルヴィアがゴブリンの集落に行くことになったので村人たちにはシルヴィアはもう帰って来れないだろうと話をしていたみたいなので村人はシルヴィアがいなくなっても特に悲しむこともなく、シルヴィアのおかげで命があると喜び、この村の人たちはこの国に恩が返せることを喜んでいた。

それから俺は、シルヴィアの両親を家に招き入れてシルヴィアの遺品を渡しておいた。その時シルヴィアは母親似なのだろうなと思ったくらいだ。俺はシルヴィアの両親が家から出ていくと村で買い物をしに行ったのだ。そして俺はある物を購入し、その日は宿に泊まることにしたのである。そしてその翌日になり、この国の王様に呼び出されることになったのだ。

俺は国王から呼び出しを受ける。

「よくぞ参られた。お主に頼みたいことが合っての」

俺とシルビアはお互いに顔を見合わせ困惑しているとシルビアは

「どういうことでしょう?私が陛下に謁見を申し込んだ覚えはないのでございます」と言う。

「ふぉっ、そんな堅苦しい話し方はしないでいい。シルヴィアの友人であろう」と言うのだった。俺は

「わかった。ところでシルビアの知り合いなの?シルヴィアさんとはどんな関係なのかな?」と言う。するとシルビアが「この方こそがこの国の国長さんですよ」というのである。それを聞き驚くシルビア。

俺は

「初めましてシルビアの父です」

「シルビアの母でございます」と言う。俺は頭を下げる。シルヴィアの父親はどう見ても30代のイケメンで金髪碧眼の青年である。そしてシルヴィアの母親は見た目こそシルヴィアに似ているものの雰囲気は正反対だ。髪の色は茶髪でシルビアとシルヴィアの母親の間から産まれたので間違いはないだろうと思うが目鼻立ちなどが似ている。この2人の間に子供がいるとは思えないような容姿なのだ。

「それで俺と娘の関係はなんなんだい?」と聞くと、どうもこの国は元々はシルビアの両親のものだったそうだが、シルビアの父親が亡くなりシルヴィアの父親に受け継がれ、さらにその子供がシルヴィアでありシルヴィアの父親が亡くなった後にシルビアの父親が国を継いだという事だった。しかし、シルビアはそのことをあまり知らないらしいがシルヴィアのお父さんと仲が良く良く城を訪れていたという事だったので納得をした。そこで国を継がなかったシルヴィアのお母さんはシルビアにこの国の事をお願いするために城を訪れたという事だったのだ。シルヴィアがゴブリンの住む村から帰ってきた時にはすでにゴブリンの襲撃がこの国から始まっており、シルヴィアが戻ってきた時には、シルビアもシルヴィアもシルヴィアの母親も既にこの国から離れていた。だからシルヴィアと会う事は出来ずにずっと気になってシルヴィアのお母さんはシルビアの様子を見に来たりしていたらしい。俺とシルビアとシルビアの母親はその事実を聞いて驚愕していた。シルヴィアの父親については俺が殺したと話す。

シルヴィアのお母さんは涙を流し、シルヴィアの父親と俺に何度も謝る。俺はその謝罪を受け入れた上で「もう過ぎてしまった事は気にしていないよ」と言ったのである。シルヴィアがこの国に戻ってきてから1ヶ月が経った頃にゴブリンの群れが現れて村を襲撃して、その戦いの途中にシルヴィアに会ってゴブリンの集落の守りについて頼まれたと話した。

「そういうことだったのか。確かにゴブリン共の数が多すぎて俺の兵力だけでは手に負えなかったからね。それならば、ゴブリンに勝てる人間を連れてくれば問題なかったか」と言ってシルヴィアのお父さんは苦笑いするのだった。

俺の【異世界転移】の力は俺のステータスを覗き見ることができる者にしか俺の力はわからないので、その力によって俺の力の一端を知ることができたのだ。そこで俺は、シルビアの母親が持っていた武器に【鑑定】をかけてみたのだが、これは【勇者の証】と言われるもので俺に渡されたのは『聖槍ブリュンヒルデ』と呼ばれる神具だった。これを手にした者は必ず【勇者】になるという代物である。

この【勇者の証】だが、本来であれば【勇者】になれる資格を持つものが使うことで真の力を発揮するのだそうで【勇者の証】は【剣姫の騎士】の俺に使えるものではない。この武器は本来の持ち主以外が使おうとすると使用することができないものなのだ。俺の【鑑定】によると『使用者:不明』『所有者:シルヴィア』と表示されていた。シルヴィアから受け継いだものであるから所有者欄に名前が記載されていたようだ。

「さすがシルヴィアの旦那さんだね。この武器に認められるだなんて、この国を頼むよ」

とシルビアのお父さんは言って【聖弓の証】と【大賢者の印】を渡そうとしてきたのだ。

俺の【異世界転移】で手に入れたアイテムはこの世界には存在していなかったものだ。俺はそれらの【鑑定】を行ってみたところ全てに『聖剣』とか書かれていたのである。俺はシルヴィアに

「これらの武器に心当たりはありますかね?シルヴィアさんの物だと思うのですが、これらもあなたが持っているのはおかしくはないでしょうか?シルヴィアのお母さんの持っているものは恐らくこの国の国宝であると思われます。それに【魔導師の聖典】と呼ばれているものは【勇者】になることができる人が使うと言われている本ですね。シルヴィアが持っていておかしいですよね?」と尋ねる。シルヴィアは自分の父親を見たら、自分の父に視線を送るとシルヴィア父は

「うん。シルヴィアの言う通りこの【聖槍ブリュンヒルデ】を君が持っても意味がないはずだ。君は【勇者】じゃないからな」と俺に向かって話した。俺はこの国に来るまでにこの国の王様と少しだけ会話をした時にシルヴィアが魔王を倒しに行って消息を絶ったことを言っていた。この事から俺が魔王を倒したということとシルヴィアの行方がわからなくなっているということを知っていたようであった。

「はい。シルヴィアの言っていることは間違いではないはずです。ただ、この国に来てからの俺が倒した魔物の数は凄まじかったと思いますが、そのせいかもしれませんがシルヴィアが使っていたスキルが俺の中に存在しているのは確かです」

俺が言ったことは嘘偽りない。なぜなら、シルヴィアがゴブリンと戦っているときに見た映像が頭の中に残っていて俺はそれを思い出すだけで魔物を倒すことが出来たからだ。俺は実際に魔物と戦った時のことを思い出し、それを思い出せば、俺はいつでも魔物と戦うことが出来るという自信がある。

シルヴィアは父親の発言を聞いて驚いていたのである。シルビアも驚きを隠せていない様子だ。シルビアのお母さんは悲しそうな顔をして、シルビアも俺のことを悲しそうな表情で見ていたのである。俺はこの3人の表情を見て申し訳ないことをしてしまったという気持ちが込み上げてくる。シルヴィアに俺のことを聞かれて俺は正直に話しているだけだ。俺としては嘘をついていて得することは何もないので正直にありのままを話したつもりである。するとシルヴィアのお父さんがシルヴィアに対して「お前はあの人に本当にそっくりだな。お前ならやれると信じて送り出したんだ。俺が信じているお前の娘なんだから絶対に帰ってくると思っていた。それがまさかこんな形で戻ってくるとは思わなかった。この国を救ってくれたことは感謝しているがな。でもシルヴィア、俺の目の前にいなければ、まだよかったが、俺は今更ながら後悔をしている。俺はこの国の民を守ってきてくれたシルヴィアのことも心配だったが一番大切なシルヴィアを失うことが怖くてな。俺はもう年老いているので、シルヴィアの後を継ぐことができない。もし俺が生き残っていたとしてもシルヴィアのようにこの国のことを思うことが出来ないだろう。俺はもうすぐ寿命を迎えるしこの国の王としての務めをシルビアに託していこうと思っている。シルビアはまだ成人して間もない年齢でこれからこの国を発展させていくことは難しいだろうがシルビアには俺が教えてきたことがある。俺がシルビアを育てていけなくてもこの国には優秀な人材はいる。だから俺は安心してこの世を去る事が出来るんだよ。だから俺は安心している。俺の可愛い愛娘だからな」

と言って、涙を流すシルヴィア。シルヴィアも涙を浮かべて話を聞いていたのだ。それからシルビアも「シルヴィア、あなたがこの国のために命を懸けて戦ってきてくれたことを私たちは忘れていませんでした。そしてあなたの身に危険が迫っていることを心配していたんです。だけど私はシルビアの無事を祈っていました。この国のことを考えてくれているシルビアにこの国の国王になって欲しいと私たち家族一同思っていました。シルヴィアがいなくなってからは私とお母さんでなんとかこの国のことを考えてきました。だからシルビアに後を継いで貰えたらと願っているんですよ」と話す。

俺は、シルヴィアの家族とシルビアから信頼を得ていることがわかったので嬉しかった。そして、シルヴィアも泣きじゃくりながらも

「ありがとう。私のお父さん、お母様。私頑張るわ。シルヴィアがこの国に残した思いを受け継ぐわ。シルヴィアは確かに死んでしまったけれど、その思いを受け継いでいくわ。それに私がシルヴィアができなかった分までしっかりとこの国の事を考えると誓うわ」と泣いているが必死で笑みを見せようとしていた。そんな娘の姿を見ながらも優しく見守るシルビアの両親。シルビアは改めて決心をするかのように力強く話していたので俺もつられて強くなったように感じた。

「さぁ、立ち話はそこまでにして俺の部屋に行きましょうか?」と言いシルヴィア達を部屋に連れて行くことにした。シルヴィア達が部屋を出て行ったあと俺はシルビアと二人で話し合いをした。シルビアと二人きりになったのは俺とシルビアが初めて出会った時以来だった。シルビアが村に帰ってしまった時は、しばらく会えなくなるので寂しいという感情しかなかったが、こうして2人でまた会えるとわかって俺は嬉しく思っていたのだ。

「久しぶりだね。シルヴィア。元気だった?」

と俺は久しぶりに会ったシルビアに笑顔で話しかけたのである。

シルヴィアは、俺の言葉を聞いて驚いた顔でこちらを見る。そして、シルヴィアの瞳は俺を見据えて俺のことを確認するかのような視線を向けてきているのだった。シルヴィアの俺に対する視線の意味がわからない俺は、どうして俺がこの場にいるのか理解できずに、戸惑ってしまう。

俺とシルヴィアが出会って約4年の月日が経とうとしていたのだ。その長い時間の間、シルヴィアは俺の事を探し求めていたというのだ。その言葉を聞いた俺は嬉しいと感じて感動してしまう。しかし同時に俺はシルヴィアに謝りたいと思うようになった。シルヴィアはずっと俺を探していたのにも関わらず、俺を見つけることができずに今まで探し回ってきたのだ。しかもシルヴィアは、魔王討伐の旅に出る前にも俺との別れ際で俺の事を探そうとしていたのだが、その時にゴブリンの集団が俺達の村を襲撃したのだ。俺は、ゴブリンが襲ってこないように【結界】を張っていたので俺の村に被害はなかったがシルヴィアたちはその襲撃を受けた時にシルヴィアは殺されてしまいシルヴィアのお腹の中にあった赤ん坊の命はなくなってしまったのだ。

シルヴィアはその後の人生で何度も俺に会おうと努力をしていたようだった。しかし、俺の方も魔王を倒そうと必死になっていたからシルヴィアがいなくなった後も魔王を倒すために鍛錬を続けていたのである。

その話を聞かされた俺は心が痛くなった。俺も、俺自身も、この村を救おうと思って行動してきたのだ。だがその俺の行動によって救われない人たちが出てきたのも事実だ。俺の力が及ばないところで、犠牲になっている人がいるということなのだ。

「あのとき君を助けられなくてすまなかった。あの時は俺も必死だったんだ。シルヴィアと離れるのはすごく辛かったが、それでも俺がやるしかないと思った。この村の人たちは皆いい人達ばかりで俺はみんなを助けたいと真剣に考えていたから」

俺はシルヴィアに対して謝罪と当時の気持ちを伝えるのである。俺は魔王を倒した時に俺の心は空っぽになり虚無感に襲われている。それは魔王を討伐する為に戦い続けて、シルヴィアを失ったことの喪失感があったからであるが、それ以外にもこの世界の人々を救うという思いを俺なりに一生懸命やってきたつもりだった。しかし俺がやったことは自己満足であり、他の人からみたら何もしないよりはマシ程度のことだったのかもしれない。俺にできることを必死にやってきたつもりだったが結果的に俺の力は足りずに誰かを救えなかったことも沢山あるはずだ。そんな風に考えるとこの世界を救済することはやはり簡単なものではないと思い知るのである。

「いえ。あなたのせいではないのよ。シルヴィアのお父さんから聞いたけどあの時の状況は仕方がなかったと思うの。あなたのおかげでこの国は魔王を倒せたのだし私はこうして生きているわ。でもあなたがシルヴィアをこの国から連れ去ってくれたおかげで、私たちはあなたに感謝しているわ。それにね。シルビアがこの国のために尽くしてくれることが私はとても嬉しいし安心して任せられるのよ。だって、シルビアはこの国の【聖弓の姫巫女】なんですもの」とシルビアは微笑んで俺に語り掛けてくれるのである。俺とシルヴィアの会話に割って入ってきたシルビアにびっくりしたが俺はシルヴィアが話してくれた内容にも驚いてしまう。なぜなら【聖弓の証】を持っているのはシルヴィアだけだからだ。つまり、この国には【聖槍ブリュンヒルデ】を持っている人間と【聖弓】を扱える人間がいて、俺はそのどちらも所有していて、さらにシルヴィアまでいるということは、俺の存在はこの世界の救世主的なポジションではないだろうか?という疑問を俺は抱いてしまうのである。そんな俺の考えを読んだかのようにシルビアは説明を始めていくのであった。シルビアの説明によると俺の予想通りシルビアもシルヴィアと同じく【聖剣エクスカリヴァーン(仮)

の所有者で【神弓使いの神主】というジョブを持ち合わせているというのだ。俺はそれを聞いて「なんということだ。この世界は本当に俺にとって居心地が良いところなんじゃないか」と思って嬉しくなるのである。俺にとってはこの世界での生活が本当に理想的なものになってくるからだ。しかしそうなってくると、シルビアを元の世界に連れて帰ることができるのではないかと考えたがシルヴィアは「私には、私のやるべきことが残っているわ。だから、今は帰ることは出来ないの」と言ってきたのだ。そして「私は、あの人の仇を討たなければならないわ。そのために、私はもっと強くなりたい。シルヴィアがこの国の為になることがしたいと言っている気持ちと同じよ。シルヴィアがいない間の私は自分の力の無さを嘆いていたけれど、私には、私にしかできないことがこの国にもある。だから私は今は自分のやれることをやりたいの。でもシルヴィアは違うの。シルヴィアは勇者としてこの国のためにできることをしようとは思わないの?」

「シルヴィアがこの国で何かしらの仕事をしたいというのはわかったわ。でもシルヴィアがやりたかったことが勇者じゃないの?」

俺は、シルヴィアが言いたかったことがわかった気がした。つまり、自分が死ぬことによって成し遂げることが出来なかった魔王退治のことを俺はこの国のためにやってあげたいと願っているのだと感じたのでシルヴィアはシルヴィアの出来る範囲でこの国の為に働いていこうと思っているのではないかと考えたのだった。シルヴィアがこの国の役に立ちたいと思っていたのは知っていたのだから、シルヴィアにはこの国を救いたいという思いが強くあって当然なわけで俺もそれを邪魔しないようにしようと思った。

そして、俺はシルヴィアと一緒に話をしていくうちに、シルヴィアと俺の思いが重なり合っていき俺はこの世界に残ることを決め、シルビアがシルビア自身の力で俺と会うために頑張るという決意を聞くと俺はシルビアに協力することにしたのである。俺もこの国を救ってみせようという気になったからである。それからシルビアが

「ねぇ。お父さん。私たちの子供がこの国に誕生したときにこの国に住めるような環境にしておかなければね。私もお父さんの子供たちを守りながら生活するのもいいかなと思うんだけど、どうかしら?」

と言うのだ。そしてシルヴィアの話を聞いたシルビアは涙を流しながらも

「シルビア。私の娘がこの国を守ってくれるならこんなに嬉しいことはないですよ。シルヴィアが命を懸けてこの国の事を考えていたことをシルビアも理解していたからシルヴィアに後を継がすことを考えてくれていたんだね」と涙目になりながらもシルビアを優しく抱きしめてシルビアを落ち着かせていたのだ。

そして、俺とシルヴィアの二人はお互い見つめ合いこれからどうするかという話をしてお互いに同じ気持ちでいることを再確認すると俺たちは再び口づけを交わして、今度は愛を確認し合うかのようにお互いを貪るのである。

シルビアに、シルヴィアのことを任せた俺はシルビアが俺の部屋から出ていく時に、俺の部屋の隣の部屋に行くように指示をする。その部屋にはシルヴィアが俺にプレゼントしてくれていたものが置いてあったので俺は、シルヴィアが大切にしてくれていることが伝わってきて嬉しく思ったのだ。シルヴィアが俺の部屋を後にしてから、しばらくすると隣にある部屋からも音が聞こえてきたので俺がシルヴィアに対してしていた行為がばれたのかと一瞬心配になるのだったが、その音の感覚からするとどうやらシルビアが隣の部屋にいるシルビアに話し掛けたらしいということだけはわかる。シルビアが部屋を出て行くとき俺とシルヴィアの関係について色々と質問してきたから俺の答えを聞いたのだと思うが俺的にはシルビアは、俺に好意を持ってくれていて、俺はシルビアにプロポーズをしたのになぜか保留にされてしまったのだが、俺は諦めずに頑張っていきますということを伝えたかっただけなのにまさかあんなことになるとは夢にも思ってもいなかったのだ。

その日から、俺の毎日が一変して、今までにないくらい幸せすぎる日々を送るようになる。俺はこの世界に来る前に【ハーレム王宣言】をしていた。俺はその言葉のとおりこの世界でもハーレムを作ろうとしていたのでシルビアを手籠めにしようと考えたのである。

まず最初に、シルビアと仲良くなる方法を模索したのだ。俺が今まで出会った女性の中で誰よりも綺麗だったのだ。俺が、この世界に転移する直前にシルヴィアと会っていたこともあり俺の心の中にはまだシルヴィアの存在が残っていたので、シルヴィア以外の女と寝ることを拒んでいた。シルヴィアと再会を果たすまで俺の心が満たすことは絶対にないと。シルヴィアと再会するまでは、シルヴィアのことを思い出すことを避けてきたが、シルヴィアと再開したことによって、俺はシルヴィアのことを忘れることはなくなった。むしろ思い出すたびに胸が張り裂けそうな想いで心を痛めていたのだ。

だからこそ俺は、俺の心の傷を癒してくれるシルヴィアを俺のそばに置いておきたいという強い願望が生まれてしまったのだ。しかし俺は、シルヴィアに求婚はしたものの、シルヴィアは俺との子供を作ってはくれないと断られてしまったのだ。

俺も、その件に関しては、焦らずゆっくりとシルビアと仲良くなってから子供を作ればいいだろうと思っていた。シルヴィアを俺のものにするということが最優先なのだ。

そう考えると、俺とシルビアの関係はまさに夫婦のようなものだと言えるのではないだろうか。シルビアの年齢が18才であるから俺との歳の差は9歳ということになるのだが、シルビアが見た目的にも俺好みだったので俺はこの世界でシルビアと結婚できる日が来るのならば結婚することを心に誓っている。

俺はこの村で生活することを選んだのである。俺は【聖剣エクスカリヴァーン(仮)】を使って魔王討伐を目指すのもいいが、それだと、俺は世界中を旅しなければならないのである。しかしそれは現実的に考えれば不可能に近い。なので俺は、俺なりにこの世界の人たちを助けるべく動くことにして、俺の理想を実現させるのである。俺なりにできることといえば【回復薬】を作るのが今の俺ができることだと考えたので俺は、薬草を集めてくることから始めることにしたのである。

この世界では「ポーション」と呼ばれるものが存在しているが、基本的には「毒消し」の効果があるものや「解熱」「止血」の効果を持つものが主流となっている。俺がこの世界で初めて見つけた薬草は「マタンゴ」というものだが、これを採取して調合すれば「ポーション」が完成することは俺の中では確信めいたものを感じているのであった。

俺はシルヴィアの言っていた「神界樹の葉」を手に入れることこそが、魔王討伐への鍵になるのではないだろうかと考えるようになっていた。そしてこの村に「神界樹」の種があるということをシルヴィアに聞いている。この「神域の森」には「神界樹」の種を宿している樹木が生えているらしく、俺はその種のありかを聞き出すことが出来た。俺の推測が正しければ、「神域の森の聖域」にいけば確実に手に入れられるのではないかと考えている。俺は「神の領域」に足を運ぼうと思い立ったのだ。俺の「神眼鑑定」でステータスを確認すると【聖弓術士の極意】というものが表示されており、聖弓を使うための「聖弓術士の極意」と「神弓術士の極意」という二つのスキルが存在することがわかる。

さらに俺は「聖槍使いの聖騎士」や聖剣エクスカリヴァーンを所持しているという情報が表示されるようになっているのだ。そして【聖剣エクスカリヴァーン(仮)】の所有者は「聖剣使いの剣士」というジョブになっているようだった。聖剣使いが使える「聖剣技」というものがあり俺はそれを使うことができるようになるのかもしれないと期待してしまうのであった。俺は自分の実力がどの程度なのかを調べる必要があると思ったのだ。「鑑定の指輪」で自分のレベルを調べてみると1になっていた。「聖剣」の力を借りることによって魔物を倒したとしても経験値は得られないようなのだ。これは、自分の力を正しく把握するためには自分のレベルを正確に知る必要があると考えての行動である。この「レベル上げシステム」が俺が「神の領域」に行きたくなる最大の理由であり俺自身が強くなればそれだけ俺は多くの人を守れると考えたのだ。

「シルヴィア」俺は、この村に来た時に、シルヴィアに「魔王討伐の旅」に出るということを伝えようとした。俺は自分が勇者であることは伝えていない。この世界が平和であれば勇者であることを言わなくてもいいと思えるからである。

俺とシルビアの二人の関係も順調だった。シルビアの体調も日に日によくなっていき、妊娠の可能性が高まってきた。そして俺はシルビアが俺にプロポーズを受け入れてくれた時の会話の内容を思い出すのだった。

そしてシルヴィアとシルビアと三姉妹の関係だが、この村の子供たちとは打ち解けてきたようで仲良くなっている。ただ、俺たちがこの村に引っ越してきた当初こそシルビアのことを警戒していたが、次第に打ち解けていくようになっていったのだ。

シルビアがこの村に来てからは「魔石変換ボックス(俺命名)」のおかげで、生活に必要な物資を得ることが出来ていた。

この「魔道具製造機 シルビアバージョンII 俺が作ったもの」には俺が作れるものは全部入っており、生活するために必要な物は大体作ることが出来るようになった。俺がいない間は、村長さんに「魔道具製造機の貸し出し」を行ってもらっている。そのお礼にこの村での作物を俺が買い取り販売をすることになっている。

この「シルビアバージョンII俺製魔道具」は、シルヴィアから頼まれて作ったものでシルヴィアはこの魔道バイクをかなり気に入った様子だった。俺としては、こんな感じのデザインにしたんだけどなと思う部分もあるが、シルヴィアにお願いされて作ったものだったのでもしかしたらこういう方が好きなんじゃないかと思って俺的には気に入っていたのだ。

シルビアにプレゼントをしようと思うとどうしてもこういう形に落ち着いてしまうのだ。そして俺はシルヴィアとシルビアの三人の娘に、それぞれの武器に名前をつけることにする。そして娘たちの名前をつけていこうとした時、

「パパ。その【シルビアスペシャル】っていうのが、シルちゃんのための特別な名前なんでしょ?」

と言う女の子が俺に向かって言ってきたのだ。確かに俺は娘達に名前を授けるときには特別に何かを付けるようにはしていた。シルヴィアは俺とシルビアの子供ということもあり【シルビアスペシャル】と名付けた。シルビアの場合は、シルビアの美しさと優しさをイメージした名前が欲しかったのだ。だからシルヴィアという名前を俺は付けたのである。もちろん俺は、シルヴィアを一番最初に考えていたが、長女の名前が決まらなかったのだ。その時に次女と三女は決まったのだ。

俺のつけた名前ではないが、シルビアに付けてもらったシルビアという名前が一番の宝物で俺にとっては何よりも大切な名なのだが、次女の名前は「サーヤ」という名前で、俺が考えたわけではないが、その響きが俺の中で何故か心地よい響きがあったのだ。俺が「シルビアと俺の子供は俺が名付け親になりたいんだが、シルビアの意見を聞いてから正式に付けるからね」という約束をして、それからしばらくシルビアと二人で考えて決めることにしたのだ。

ちなみに、シルビアが名付けた名前は シルフィニア。俺が命名したのだが「シルビアの奇跡からとったの?私にも素敵な名前が付いて嬉しいわ」と言われてしまった。このネーミングセンスに関しては、俺がいくら説明しても分かってもらえないので諦めてしまったのだ。しかしシルビアが喜ぶので俺的にはシルビアに命名を任せることにしている。

長女のシルビアにはシルビアと同じシルが付く名前にしたいと常々思っていて、俺はその名前を考えていた。そのときに思い付いたのが「シルフィー」だ。俺の中ではこの名前で決まりだと思っているのだが、やはりこの世界には存在しない文字なのでどう発音するのかをシルヴィアとシルビアの二人に相談したら「シーリーア!」という風に呼ぶらしい。

「サーヤ」は「シルヴィア」の「シア」という部分に音を当ててみただけだ。俺的にシルヴィアに似合いそうな名前を付けてみたのである。この「サーヤ」と俺が名付けた女の子には「サリア」と呼べば通じるはずだとシルビアと決めた。俺はシルヴィアが「シルヴィアとシルビアの愛から生まれた可愛い子供に名前をつけたい」と言ってきた時に「シルビアに命名を任せたい」と言ったのがきっかけである。

「そういえばシルビア、【シルビア】というのは俺が考えた名前だけど【シル】には意味があるんだよね」

「そうなのですか。どんな意味があるのでしょうか」

「うん。シルビアと俺の子供ならシルビアと同じように美しい女性になると信じて、そして俺もシルビアのような優しい男性になるためにという意味を込めて【シル】という名前を付けたんだよ」

「まあ!私のことを考えてくれて嬉しです」

「ありがとう」

「ふーん、そうなんですか。そんな深い意味で付けて頂けたなんて感激します。この子を授かることができ、この子と過ごせることが本当に幸せを感じます。私は絶対にこの子を守ると心に誓いました」

こうして長女に「シエル」、二女に「シンディ」と名付けることができたのである。

俺が「魔道具製造機 シルビアバージョンIII 俺作」に頼んで作ってもらった「自動回復ポーションセット」という商品を作った。この「俺作シリーズ」の売れ行きがいいのがわかった。特に、【回復薬】が飛ぶように売れているのである。「俺が売れば買ってくれる人が絶対いるよ」という、この村の人たちの言葉が的中したのである。そして俺の予想以上に【回復薬】は売れていた。

【回復薬】と一言で言うが、薬草で作ったもの以外にも様々な効果があるものが売られていて、その中でも【解毒薬】と【状態異常回復薬】は人気が高いのだ。

この世界では、毒が体内に入ってしまうことがあるのだとか、毒は人間にとって有害なものであり「解毒ポーション」や「浄化魔法」を使うことが多いのだ。しかしこれらの薬は高いし、大量に飲むと副作用が起きる場合がある。それに、病気が治りにくくなるなどの弊害があるようだ。

俺は「神の領域」にいってレベル上げをしながら、「神の領域」にある「神界樹」の実を使って、みんなのために【状態異常解除薬(極)

俺が作った物限定品 神級】を「錬金工房」で大量生産して【魔道通信機】を使って村中に売りまくっているのである。その結果、「俺が作ったら何でもすぐに売り切れる」「【俺印】の商品を村に持ち込めば、お金を払ってでも手に入れてくれる」「この村は【俺印】を手に入れるための村になった。他の村から訪れる人もいる」などという、ありがたすぎる話が村の中に広まり始めていたのであった。

【シルビアバージョン】の魔道バイクが完成した俺は「神の領域 聖域」に向かうために「魔導馬ゴーレム(魔改造バージョン)」(俺命名)に乗り込んだ。そして俺は【聖剣エクスカリヴァーン(仮)】を帯刀する。この剣はシルヴィアの「魔力剣 俺が作ったエクスカリバー 俺製」と同じく、光属性の魔法剣なのだが、見た目が全く違うものである。

まず「鞘の材質が違う」という点が挙げられる。そしてこのエクスカリバーも、シルヴィア製の「魔道バイク シルビアスペシャル」と同じ形をしており俺がイメージしている通りになっている。この世界ではまだ見たことがない形をしているからこそ、目立つのである。さらに俺の作る武器は、この世界では見たこともない形をしているのがポイントなのだ。この世界に存在している武器や防具を真似たとしても、そのデザインがあまりにもこの世界のものと違っていたりすると違和感が生まれてしまうのだ。だからこそ「全く別な形をした武器や防具」を作ることに意味が生まれるのである。「この武器や防具を作れる人物は、この世界の住人じゃないのではないのか?」と思わせることで、俺は自分の正体を知られずに旅ができるのではないかと考えるようになったのだ。だから俺はこのエクスカリヴァーンはシルヴィアが使うことを想定しているが、俺がこの世界にやってきた時に持っていた武器でもあるため俺も愛用することになるのは間違いないだろうと考えている。

そしてこの剣の最大の特徴としては「魔刃の力が使えること」だろう。俺は【シルビアスペシャル】に取り付けてもらった「魔銃(魔銃剣タイプ)」に魔力を送り込むことで、【聖炎弾】が発動するようになっている。その威力は通常の魔銃弾とは比べ物にならないほどの強力なものになっており「魔刃砲」と呼ばれている。その魔刃を「魔剣 俺製」に送ることもできる。つまり「俺製」には光属性の力を使うことができる。そして「魔道ライフル」の弾丸に魔粒子を送ることによって「魔道レーザービーム」が撃てるようになっていた。「魔導大砲」を撃つよりも広範囲に攻撃できるので便利で使い勝手もいいので助かっている。

「さて行くとするか」

「マスター お気をつけて」「いってきます。【魔道馬車】

シルヴィアたちを乗せるようにお願い」

「了解 しました 目的地

「俺の故郷 地球の日本 地球領域に設定します よろしいですか」

俺は念話モードになって俺の頭に響く声で喋った。

「はい 大丈夫です。お願いします」

俺の返事と同時に、この世界の乗り物にはありえない速度で走る【シルビアバージョン】のスピードがどんどん上がっていく。

そして俺は【神の領域】を出て、地球領域へと向かって行った。俺の生まれ故郷でありシルヴィアと俺が結婚した地だ。そして俺は俺の人生を変えた地である。俺はそこで俺がこの世界に呼ばれた原因を突き止める。そうすれば俺はこの世界を出られる可能性があるからだ。

地球領域に転移してきて俺は最初に思ったことは懐かしいという感情だった。しかし俺は自分が地球に帰ってきたのだと言う実感がわかなかったのだ。それは地球の領域の景色を見たことがなかったからかもしれない。しかし俺は「俺の記憶」がここが「地球のどこかの地方であること」と、「日本のどこかの地域だと言う事」を覚えていた。そして、俺には何故かそれが確信に近いレベルで分かったのだ。俺は「ステータス」を確認する。そこには、俺の名前である「佐藤亮介」と表示されているだけでそれ以外の情報はなかった。しかし、俺にはその「情報の少なさ」が何よりも不安感を煽ってきたのである。

「ここはどこなんだ。俺は本当に日本に帰ってきたんだろうか?それとも何かが原因で別の惑星に来てしまったのではなのか?もしかしたら俺はあの時死んでいるはずで魂だけの状態で地球に来たんじゃないのか?そうなるともう元の身体に戻ることはできないのか?」と色々な疑問が次々と浮かんでくる。俺は【アイテムボックス】に入っていた俺が持っている唯一のスマートフォンを取り出した。これは俺が初めて異世界召喚されたときに持っていたものなのだが、「神域転送機能付万能通信機 俺特製」で「神の世界の神様と会話ができるスマホ型端末」に進化させている。その画面の左上を見ると俺の予想通りに、電波の状態を示すマークが出ており圏外となっていた。俺の推測ではおそらくはここが俺がいた「地球のどこか」だと思われる。

とりあえず今は電波の繋がる場所に行けばいいだけだと思うことにした。この地球領域にいる限り俺の持つ「万能通信機」と「魔道馬車」はいつでも呼び出し可能になる。そのため連絡を取り合うには問題はないはずだと俺は考えていた。ただ俺が元の世界にいたときの携帯電話の番号を知らない。俺はこの世界で「冒険者」として「勇者」として活動していたが「魔王」を倒す前に、とある理由で俺の所属していた組織と敵対してしまったのだ。俺はその時にこの世界に残る選択をしたので電話番号やメールアドレスはわからないのだ。まぁ仮にわかっても、そもそも俺はこの世界では行方不明扱いになっていたと思う。

俺が最初に訪れた街「オハナ」という小さな町では、【魔導バイク シルビアバージョン】に乗った「シルビア」が颯爽と駆け抜けていったと大騒ぎになり町がパニックになってしまったらしい。しかもその後「神の御使い」が現れ、【神域】に行くための扉を開けて去って行ったとの噂まで流れて、この国中で大騒動が起きていたようだ。「神の御使い様が降臨して神の領域に行こうとしている!」とかいうデマが流れて多くの者たちが「神域の神殿」に押し寄せたようで、神への生贄を捧げるために人々が殺し合ったという話を聞いて笑ってしまったものだ。

【神の領域】に行ってきたばかりの俺が言うのは何だが、「俺に会ってどうしようと思ったんだよ」と言いたいところではあるが、俺はそんな状況に巻き込まれたくない。だからこそ、この町からできるだけ早く移動することにした。「俺の作った魔道具」が広まってくれたおかげで、この村と他の村を繋げることが出来ているのも大きいのだ。なのでこの村は俺のいた場所から離れていても比較的安全だという事が分かってきているのである。

そして、今現在俺がいる場所は「長野県 須坂市 峰岸」と呼ばれる地域にある「長野」と呼ばれている場所である。この国は俺が暮らしていた頃は「日本国」と呼ばれていて、その昔はこの世界にある3つの大国の一つの一国だったという話を聞いたことがある。しかしある時を境にその三国はバラバラになってしまい今では一つの国に戻れなくなっているのだという。そして俺は【シルビア】を駆って【魔道馬車】を運転しているのだ。なぜこのようなことになったかというと、【シルビアバージョン】の性能に感動したシルナが自分も乗りたいと懇願してきたからである。【シルビアスペシャル】は元々が【俺製】で作った魔道二輪車であり「魔力さえあれば乗り手を選ぶことが無い」という性能を持っているのだ。シルナにも魔力はあったし【シルビアスペシャル】に乗れることが分かり俺は「シルナ専用魔道二輪バイク シルビアカスタムバージョン」を作り、俺の運転スキルで操りシルナは【魔道バイク】に乗って一緒に走っているのである。【シルビアスペシャル】に俺が運転方法を教え、そしてシルヴィアは俺の隣を【魔導馬ゴーレム(魔改造バージョン)】に乗って走っていた。

この村には俺が作った薬や食べ物を売ってくれと頼みに来る村人たちや俺に薬や魔道具を作ってもらいに依頼をしに来る人が多く訪れているので、俺は村の中心に「錬金工房」を建て村の発展に貢献していた。

この村は、かつてシルビアが救った「カガワ王国 首都 カガワシティ」の「第7騎士団副団長」であった「ラファ」がこの村出身の若者と共に立ち上げ、今では村の人口は300人程度にまで増えている。そしてこの村にシルビアが残した財産の一部を使っているのだが、それを有効に使って村を発展させようとしていたのである。その甲斐あってこの村は徐々に発展を遂げているのであった。

「亮介 そろそろご飯にしようよ」

シルヴィアはそう言って後ろから俺の背中に抱きついて来る。俺が作った【魔道馬車】には「自動で走行する機能」が付いているので、俺はシルヴィアと二人でゆっくりと走りながらこの辺り一帯の魔物を倒し続けていたのだ。俺は【シルビアスペシャル】から「俺の作った魔道具」に武器を付け替えた。【聖水銃】と【魔弾砲】に切り替え、そして俺は「魔銃」の「チャージ」を行い魔刃を放つ準備を整えていた。そして俺とシルヴィアの前にいる「魔獣」に照準を合わせて俺は引き金を絞り込んだ。【魔弾砲】からは「聖炎弾」が放たれ、「魔道銃剣」に装備されていた銃剣から「魔刃」が飛び「魔獣」を一撃の元に葬り去った。その一撃で俺の周囲に出現している敵モンスターは全て倒し尽くせたようだった。俺は【魔道拳銃 魔道リボルバー式ライフル型ピストル】に「魔銃」を装填して再び撃ち始める。

俺は【聖魔法】を使い【浄化】を行っていく。【浄化】は俺のオリジナル技である。この【浄魔剣 シルビアスペシャル】は「聖なる力」を宿すことができるので「俺のオリジナルの必殺技」を作り出すことも可能になっている。

この「聖剣」は、シルヴィアが【神界 天獄門 試練場】で戦った「光の巨人」が使用していたもので、この世界に存在していた「勇者」が使っていたものでもあるらしい。

この【聖属性】の力を使って「聖なる弾丸」を撃ち出すことができるように【神の領域】で練習をしていたら、【神域 魔粒子変換装置】によってこの世界のエネルギーを利用して【浄魔術の矢 ホーリーアロー】が使えるようになっていたのだ。この「魔銃」はその「聖なる力を弾丸にした状態」を連射することができるようになっているのである。この世界で手に入る素材だけでは限界があり威力不足だったのでこの【魔銃】を作ったのだ。この魔道具のおかげでこの世界は今までよりも住みやすくなったはずだと思うのだけれど、今のところこの村の周辺の環境にしか使うことができない。もっと強力な魔道具が作れないかと日々研究中だ。

そして俺達はこの周辺に生息している全ての魔物を殲滅することができたので【シルビアスペシャル】を降りて食事を取ることにした。この村の近くにダンジョンがあるらしく、そこから漏れ出た魔力のせいで周辺に生息していた「ゴブリン」「スライム」といった下級な魔生物や「オーク」などがこの森には大量に発生してしまっていると聞いたのだ。俺はこの世界で俺が倒せなかった敵を今なら倒すことが可能だと直感的にわかった。俺とシルヴィアはこの近辺に存在する「レベル」と強さを持つであろう存在が居る方へ進んで行った。俺の勘が正しければ、この近くにシルビアとシルヴィアを苦しませた強敵が存在しているはずである。もしかすると俺達と同じ転生者がいる可能性もある。しかし俺は今の自分がどれほど強いのか試してみたいと思っていたので、この先にいる存在を倒してみたくなったのである。それにもし仮に俺と同じような存在がいたとしても同じ人間であれば「敵対関係」になることはないだろうと考えていたので、俺は自分の力を確かめたかったのだ。しばらく進むと見晴らしのいい場所に辿り着くことができた。そこは山に囲まれた平地に広がっていて木々も少なく草も生い茂っている自然のままの場所だった。そこに1匹の大型の黒いドラゴンがいたのだ。俺の知っている限りこんな大きさを持った生き物はいない筈なので「新種のモンスターかもしれない」と考えた俺は警戒心を強めることにした。

「ねえあれって「ダークネスドラゴン」よね?」

「その可能性が高いね」

「じゃあ私も戦うわ」

「分かった」

俺はシルビアから魔道馬に乗り替える。

俺の乗ってきた【魔導馬ゴーレム(神馬バージョン)】では大きすぎるためシルビアは別の乗り物を使うことにして、今は【シルビアスペシャル】に乗れるように訓練をさせてあげたのだ。そしてシルヴィアが「シルビア」と【魔導バイク】で攻撃を始めると「ブラックライトタイガー」と【ブラッドパンサー】が現れたのだ。この2体の上級魔獣はシルヴィアとシルビアが倒したはずの相手なのだがどうやら生き残りがここに居たらしい。そしてその証拠なのか、ブラックライトタイガーの身体の一部が腐っていて変色している。おそらくこの付近に生息しているモンスターが食べた後が残っていたんだと思う。俺は【魔弾砲】を構えて【聖水弾丸】を放った。「魔銃」の魔刃は魔力消費量が多いため連発することはできないのだ。

この世界のモンスターを消滅させるために「聖なる力を弾丸にする能力」を手に入れてからは、魔獣相手には「聖なる力を帯びた魔弾」を使うようになった。俺は【シルビアスペシャル】に乗って、俺の魔道二輪の後ろにシルビアを乗せている。【シルビアスペシャル】は「自動操縦」モードで、シルヴィアの「シルビア」に自動追尾するようになってある。シルヴィアは俺の腰に抱きつくようにして【シルビアスペシャル】に乗っていた。俺はシルヴィアに【結界魔法】を付与してあげて、【結界壁】というシールドを張るように指示をする。

この世界に来て初めて見るタイプの「魔物」だが、俺の記憶が間違っていなければ、こいつは「魔人族」が生み出した実験動物の一種だった気がする。

魔人族は「闇の魔素」を扱うことで身体能力が向上するので【闇魔法】を得意としている。俺がこの世界に来た時に対峙した魔人族は「魔王」という存在だったが、他の国の魔人族が作り出したモンスターもいたようだ。俺はシルビアに乗ったまま【魔道バイク】の速度を上げて突っ込んでいく。そしてすれ違いざまに「魔銃」から魔刃を放つ。【魔銃】と銃剣に魔刃を放ち続けながらシルビアに「聖なる力」を込めた【魔光矢】を放って貰うと、「ダークナイト」と「シャドウタイガー」の肉体が消滅し始めた。

俺が【魔銃】と銃剣の攻撃を繰り出すたびに、その威力がどんどん上がって行くのを感じていた。この魔道具は使用者の能力に合わせて「進化」しているのである。【シルビアスペシャル】は、元々が俺のスキルが反映された魔道具であるから【魔道二輪バイク】の進化が反映された【魔道二輪馬車】や、シルヴィアが俺と旅をするために作り上げた【シルビアカスタム】も同じように進化したわけだ。

そしてシルヴィアに頼んで【シルビア】に【シルビア】が【シルビアスペシャル】に合体するための機構を作って貰ったのだ。その機能を使えば【シルビア】が俺とシルヴィアを乗せて「空を飛ぶこと」が可能になったのである。

【シルビア】は、もともと「空陸一体」のモンスターだからな。ちなみにこの【シルビアスペシャル】もシルヴィアがカスタマイズしてあって、俺とシルヴィアの意思によって操作可能なので、シルビアは自由に飛ぶことが可能になったのである。

俺はシルビアから降り、シルビアの背中にはシルヴィアが乗っている状態である。そして俺が「魔銃」に魔刃を纏わせている間にシルヴィアが俺の背後で待機していたのである。俺の目の前にいる「ブラックキングコング」にシルヴィアからの攻撃が入ると、一瞬にして「ブラックキングコング」の姿が掻き消えてしまうのであった。

「亮介 あの魔物を倒したけどレベルは上がらなかったよ」

シルヴィアが残念そうにそう言ってくる。

この辺り一帯に生息する下級モンスターを倒すことはできたもののレベルを上げることができていなかった。

しかしここでレベルが50を超えているであろう存在を見つけることができた。それは、以前戦った「魔獣」と「ドラゴン」を融合させたような姿をしている奴である。この世界に存在する種族の中には、俺の知る限りの種族と違う形態を持っている魔物が存在していたのは間違いなかったのだが、「竜種」と融合した「龍魔獣」は初めて目にすることになった。この「魔獣」と「ドラゴン」が融合したような見た目は「神域 試練場」に出てきた【神獣 エンシェントドラゴン】の時と同じである。そして「ドラゴン」の部分も「邪悪の気」を帯びていた。

俺とシルビアの目の前には、「神獣」にそっくりな「魔獣」と融合してしまった存在が立っていたのだ。俺はこの世界の生き物に対して【浄化】を発動し続けているのだが、それでも「浄化」が上手く働いてくれない感じがしたのである。「邪な心」を持つ者には、この「浄化の力」を受け付けない特性を持つので、【浄化】は発動しなかったのだ。この世界で手に入れた武器には「聖剣」があるのだが、それを装備すれば「浄化」を使うことができるはずだ。

「この魔獣からは【聖剣】と同じ気配を感じるね」

「やっぱりこの世界に【神界 天獄門】の【試練場】にいた【神獣 セイリュウ】のような存在がいたのかな?」

俺はこの世界で出会うことになるかもしれないとは思っていたけれどまさか【神域】以外で会うことができるなんて思ってもいなかったのだ。この魔獣を見ているとなぜか「懐かしさ」と「哀れみ」の感情を湧き上がるのを感じた。俺は、【浄魔刀 シルビアスペシャル】を取り出し、【魔銃】から【浄魔剣 シルビアスペシャル】に変化させる。この【浄魔剣 シルビアスペシャル】に込められている能力は、あらゆる穢れた存在を斬ることに特化したものであるらしい。この魔道バイクのハンドルにも似た形状の柄を持つ大剣が【シルビアスペシャル】に備わっている「魔装システム」と連動しており魔力を流すことで様々な攻撃が可能になるのだ。俺は「浄魔剣」を手にするとその力を開放していく。するとこの【魔導バイク】と同じようなシステムが動き始めていく。

この魔銃と同じように【シルビア】が「魔動バイク」に変形していき、シルヴィアは「魔道四輪車」に乗ることができたのである。俺はこの「魔獣」の相手をシルビアに任せることにした。シルヴィアはシルビアに乗り込んで【シルビア】に攻撃を始める。シルビアは「シルビア」が持っていた「魔銃」を「魔導拳銃型ガンブレード」に変化させて【シルビアスペシャル】と合体させた。そしてシルビアとシルビアによる「魔道二輪戦闘」が始まったのだった。

2人の「魔道バイク」は縦横無尽に動き回り、【魔道二輪バイク】の前輪部分には「シルビアスペシャル」の後部にあるタイヤがドッキングするようになっている。シルビアは「シルビアスペシャル」に乗り込むことでシルヴィアの操作で動くことが出来るようになり、【シルビアスペシャル】の前部座席に座っているシルヴィアと、後ろに乗っている俺を守ることを可能にしたのだ。

シルヴィアは「魔導二輪車」の運転に慣れてきたのか運転技術も上がっていたので、「シルビアスペシャル」と【シルビア】は抜群のコンビネーションで攻撃を仕掛けて、「邪悪」に染まってしまった【神獣】を追い詰めていった。そして俺は【シルビアスペシャル】から【シルビア】に降り立ち【浄魔弓 シルビアスペシャル】で狙撃を行うが、この魔弓では致命傷を与えることが難しくなってきた。やはり「浄化の力」が弱まっているのだと思った俺は「シルビアスペシャル」に戻ろうかとも考えたが、この世界に来た時に手にした最強の武器を思い出したのである。俺は魔導バイクから降りてアイテムボックスから「神槍グングニル(魔装システム)」を取り出す。これは【神界】に行った時に「神王アレス」から授けられた武器だ。

俺が持っている最強クラスの武器はこの「神装」シリーズになるのだ。この「魔道」シリーズの「魔導兵器」と、「魔道二輪」シリーズは俺のスキルが反映されたものだ。つまり「魔道」と「魔道二輪」のスキルと、「神器」や「魔武具」の「浄化の炎」のスキルも俺の魂とリンクするようになっているので俺の意識下で自在に操ることが可能になったのである。この世界に来る前に使っていた【霊剣 エクセリオン シルビアカスタム】は、この魔道の魔剣に【聖剣】が変化したものだが俺の意思によって変化させることができるようになっていたのだ。だから俺が魔導の力で作り出すことが可能なのだ。この魔道の力の根源となるのが【神界 天空門】の先にあったダンジョンのボスモンスター「神獣 フェンリル」だった。俺はこの魔剣に宿った「聖なる力」を俺の【浄化】のスキルでコントロールできるようにしたのだった。この【魔道】の力は俺と繋がっているため「俺の意思」によって「神聖魔法 ホーリーブレス」のように扱うことが可能なのだ。俺は【浄魔剣 シルビア】と「魔導」の力を使って魔獣を斬りつけていき、「神力」を注ぎ込み続けた。魔道の力がこの【魔導具】に吸い込まれていけば行くほどに威力は上昇して、魔獣がどんどん弱体化していった。そして俺が【シルビアスペシャル】から降りる頃、シルビアとシルヴィアは魔獣にトドメの一撃を放つために攻撃態勢に移っていた。そして2人が攻撃を放ち始めると同時に俺も【浄魔弓 シルビアカスタム】に込めた矢を撃ち込んだ。

その3つの攻撃を受けた魔獣は「断末魔の声」をあげる。そして徐々にその姿を消滅させて行くのである。この世界に存在したはずの魔獣が消えたことにより、【聖剣】が手に入りそうな予感を感じていたのだが【聖剣 エクセリシオン】が現れることはなかった。

この世界の魔獣や人間などの生物には必ずと言っていい程に、「邪悪な心」を纏っている存在が居ることがわかった。しかし【聖剣】はその邪悪を払うことができるはずなので俺のこの推測は外れることになるのだ。しかし魔獣を倒すことはできた。【聖剣】が手に入ることを願って俺達は「神の国」へ向かうのであった。

俺が魔獣と戦っている時もシルナの身体は下へと落下を続けていた。それを見た俺はすぐに追いかけることにしたのだ。【神馬 シルビア】なら空を飛ぶことができるし、【シルビアスペシャル】には【シルビア】に変形する機構があるのでシルビアが乗り込むことが可能であるのだ。それに空を飛ぶための道具として魔導機兵という乗り物があった。この魔導機は、空を飛ぶこともできる魔動自動車のようなものである。ただ動力には魔核が使用されているのだが、燃料切れになることがなく長時間の移動が可能となっているのだ。そのため俺の【シルビアスペシャル】にも取り付けることは可能だった。

俺はシルヴィアに声をかけてから魔獣のところへと向かったのだ。しかしシルヴィアは【シルビアスペシャル】の助手席に乗るのではなく俺の背中に乗ってくる。どうやらシルビアが俺を乗せるために移動していたので背中に乗ってきたのだろう。そして俺は【シルビアスペシャル】に飛び乗って【シルビアスペシャル】を「シルビア」に変形させる。この状態であればシルビアは【シルビアスペシャル】を背中に乗せて移動することが可能なのである。

俺が【シルビアスペシャル】に乗っていた間にシルナは地面との距離はかなり近くなっていて、このままだと地面に叩きつけられてしまうかもしれないので俺とシルナは必死に地上に向かって駆け出していた。俺とシルクはシルヴィアが魔獣を狩っている間に移動していたためかなりの距離がありそうだったが俺は【シルビアスペシャル】を加速させ続けてシルナを追い掛けていく。

「おーいシルビアー!! こっちだよ!!」

俺はシルヴァが「邪な心」に支配されていないと知っているので大きな声でシルビアに呼び掛ける。するとシルヴィアは魔獣との戦闘を終えて、こちらへ急いで駆けつけてくれた。

「シルヴィア!!シルビアに捕まって!!」

シルヴィアが【シルビアスペシャル】の後ろについたタイミングを見計らい俺はシルビアに乗り込んで魔獣の元へと向かう。魔獣を斬っていた時にシルヴァが苦しむ姿を見ることがなかったのは俺の気のせいではないと思うのだが、もしかするとシルナにも何かしらの対策がされていたのではないかと俺は考えていた。シルヴァに何が起きたのかはわからないけれど俺は今こうしてシルヴィを救い出すことができた。シルヴァの体の中に【魔獣 ベヒーモス】がいる可能性が高くなっていたので俺は魔道の力を使うことにした。魔道の力の源となる「魔結晶」は魔石に内包されており魔道バイクにも使われているのだ。魔道バイクと魔道バイクの連結は【浄魔刀 シルビアスペシャル】で「浄」の力を込めた魔結晶と【魔導バイク】が一体化したものだと言えるのである。だから魔道バイクと魔道バイクは「浄」の力の相性は良くなるはずだ。

俺は【シルビアスペシャル】に装備されている「魔導銃」を取り出して【魔道バイク】から降りて魔道バイクの後部座席に移動する。するとシルヴィアが「魔導拳銃型ガンブレード」と【シルビアスペシャル】に変形してくれたのである。俺はシルヴァが乗っていない方の魔導バイクに乗り込み魔道バイクと【シルビアスペシャル】が合体することでシルビアが「魔道バイク」に乗ることが出来るのだ。

【シルビアカスタム】の前輪部分には合体した状態の【シルビア 魔導バイク改】のタイヤが合体していて後輪部分に【シルビアスペシャル】が合体した形だ。俺達が【シルビア】に乗り込んでいくと【魔獣 ベヒーモス タイプダークネメア】との戦いを繰り広げている最中のシルヴィアと合流することができたので俺はシルヴに指示を出す。

「よし!シルヴはあのベヒーモスにとどめを刺すんだ!」

俺がそういうとシルヴィアとシルビアは【シルビアスペシャル】と【シルビア 魔導バイク】を合体させている魔道の力を使って「浄化」のスキルを使用した。

俺とシルヴィアとシルビアとシルビアによる連携技で、【シルビアスペシャル】の後部座席に乗った俺の目の前に光の玉が出現する。

俺はこの【シルビア 魔導バイク】に込められている「浄魔」の力をイメージすることによって光の力を作り出す。

俺のイメージによって【シルビアスペシャル】から放たれた「浄化」のスキルにより【魔獣 ベヒーモス タイプダークネメア】は「断末魔の声」をあげながら浄化されていっていった。そして完全に消滅したことで【魔獣 タイプダークベヒーモス】をこの世から消し去ることに成功した。これで【聖剣 エクセリシオン】を手に入れられないということはなくなったが、【聖剣 エクセリオン】を手に入れたのも俺ではなくて【魔獣 ブラックドラゴン Type B】だったので俺は複雑な気持ちになった。ただシルヴィアに抱きついて嬉しそうな顔で笑みを浮かべているシルビアを見ていると、まぁいっかと思い直せたのであった。そして俺達は魔道の国へ向かうことにしたのである。

【魔道】とは魔法と魔術の融合の術式を指す言葉です。この【聖剣 エクセリシオン】が【聖剣 エクセリオン】に変化しましたがこの「聖剣 エクセリオン」も聖剣であり「魔剣」なんです。【聖剣】がこの世に二つあるということになってしまいますが、この聖剣が元々一つの力を持っていたからこそ聖剣エクセリオンは二つの能力を併せ持つことができるのです。

「神界の天空門」と呼ばれる門を通ると【神界 神殿】に繋がっているようでそこには女神様がいた。その女神様はなんと「神聖魔法 ヒール」や「回復魔法」などを使用することができていたのだ。俺達の世界では「神聖属性」という特殊な力を持つ者はいない。つまり彼女は「勇者様のために世界を超えてきました」と言っている時点でおかしいと思ったのだが、「神聖属性」が使えるということがわかって俺が女神を問い詰めようとすると、シルビアに止められてしまった。そして俺はシルビアと一緒に女神を連れて部屋を出る。

俺は「神聖」という文字が入った指輪をしていることからシルビィが「勇者」だと決めつけて話しかけたがそれは違っていたのだ。「シルヴィ」と名乗る女性からは「シルビィ」「シルヴァ」という名前しか聞いていないがどうやら俺と同じ世界の住人だったらしく、「この世界にきて初めて出会った人が「シルヴィークさん」って名前だからシルヴィーと呼んで欲しいな」と話された。それを聞いて俺も「じゃあシルヴィと呼ぶね」と言って話を戻すことにする。俺達の世界の「神聖」という文字は俺と同じような力を持った人を指している言葉なのだ。その人達のことを【神聖能力 能力者】と呼ぶのだが俺のように「勇者」と呼ばれているわけではない。そして【神聖能力】を持つ人間は必ず「巫女の素質を持っている少女と結ばれる宿命にある」らしい。シルビィはその運命に従いこの世界にきたようだが、まさか俺もその一人だとは思わなかった。それに【魔道】の使い手でありながら、【神力】まで操る事ができるという「勇者の血統」を代々引き継いでいるのがシルビアだということがわかったので、この「魔道」の力と「神界」の力はシルビアの先祖が持っていた力が覚醒して、シルビアに受け継がれているものなのだろうと考えることにしたのである。

シルヴィアに「魔道バイクをシルビアが操作できるの?」と聞く。すると彼女は笑顔になりながらも俺に抱きついてきたのだ。そして俺は彼女に「どうして俺のことを呼び捨てにするの?俺も呼び捨てでいいよ」と尋ねると「私のことを抱き締めてくれる男性は貴方しかいないわ。それに私には貴方が必要みたい」と答えてくれた。そこで「魔道」について聞きたかったのだが、シルビアの話だと魔道とは「魔結晶に魔力を流すことによって起こる現象の事を魔道と言う」との事だ。俺とシルヴィアとシルビアは【シルビアスペシャル】で【魔導機兵】を倒そうとしたのだが【魔導機兵】に傷をつけることはできていなかった。そして俺には魔結晶を壊すことくらいなら出来るかなと思っていたがシルヴィアの話では魔道はそう簡単じゃないみたいなのだ。【聖魔】の力で攻撃すれば魔結晶は破壊することができるかもしれないと聞いたので試しにやってみることにしたのである。

俺は【魔結晶】を破壊するイメージで魔道の力を放つために意識を集中させて【シルビアスペシャル】に魔道の力を込めていく。そして魔道の力を解き放つと同時に俺の目の前に【浄魔結晶 タイプダークネメア】が出現する。俺はこの【浄魔結晶 タイプダークネメア】の魔道バイクに魔結晶を嵌めて魔道を発現させる。すると【魔道バイク】に装着されている【浄魔銃】から【浄化弾】と呼ばれる弾丸が撃ち出されたのである。俺は【シルビアスペシャル】から降りてシルビを抱きしめると彼女の唇を奪ったのだ。シルビアと舌を絡めて激しく口付けをする俺達。そんな俺たちの姿をみて顔を赤くしているシルヴィ。だがシルヴィは俺達に声をかけることなくどこかへ行ってしまった。俺がシルビアを地面に下ろすと魔道の力を使った影響で俺とシルヴィアは疲労を感じ始める。シルヴィアが俺の体に手を触れた時にシルビアの「聖なる祈り」が俺達に作用していたのだと思う。

シルヴィアの「神聖魔法のヒールは疲れを回復するのにとても役に立つの」という言葉を聞いて「聖女の癒しの祈り」の力によって俺の体は回復したのかと気づく。シルヴィが俺の側から離れる時に「聖女の祈り」の効果が消えていた。おそらく魔道バイクに乗って【浄魔結晶 タイプダークネメア】を倒した後にシルビアとキスをしていたので「浄化」の効果を発動することが出来なくなったのだろうと俺は考えていた。

俺は【シルビアスペシャル】から【シルビア 魔導バイク改】を取り出してから魔道バイクの後部座席に座って【シルビアスペシャル】と【シルビア 魔導バイク改】と【シルビアスペシャル】が合体した魔道バイクの後部座席に乗り込んだのである。すると俺の前に光の玉が出現したのでそれを掴んでみたのだが特に何も起きなかったのだ。それから俺達は【聖剣 エクセリシオン】がある場所へと向かう事にしたのであった。

俺は【シルビアスペシャル】と【シルビアスペシャル 魔導バイク改】を【シルビア 聖魔バイク改】と【シルビアスペシャル】と【シルビアスペシャル】を【シルビアスペシャル】を合体させている魔導バイクに乗り、シルビアに運転を任せながら目的地を目指すことにしていた。シルビアは魔道の知識は豊富で【魔獣】についても色々と詳しい。俺は魔道に関する知識があまりない為にシルビアの事を頼りっきりになっている。俺はシルヴィに質問をした。

「この【シルビア 聖魔バイク】って何ができるの?」

「魔導バイクでできる事は【シルビアスペシャル】と同じように何でも出来るんだけど【シルビアスペシャル】よりも性能が低いから魔道に関しては特化していないんだ。ただ魔道の力が使えるようになってるから魔道に関しての武器と防具を作ることができるの。」

「魔道具も作れるの!?」「うん!ただ普通の素材だと魔素の量が足らないの。だから【シルビアスペシャル】に魔結晶を使って作った魔道具もいくつか持ってるけど魔結晶を使うのは燃費が悪いからなるべく魔結晶は使わずに済ませて魔獣を倒していくの。」

「魔石や宝石とかでも魔道兵器を作れるってことだよね。じゃあ今ある魔石を【シルビアスペシャル】に組み込んで魔導戦車を作ってみる?魔石の数も少ないしさ。魔道エネルギーを使えばかなりの量の魔石を節約することもできるんじゃ無いの?」

「魔石があればできるけど。魔導戦車は凄く難しいの。まずは魔石を魔道回路に通して、そこに魔力を送り込む。魔道兵器の発動の仕方によって魔力が変換されて魔結晶を作動させます。そしてそのあと、さらに魔道装置を組み込めば、その分魔道装置を動かすのに必要な魔力も増えてしまうの。それに今の【シルヴィーク 魔導マシン】は【シルビースペシャル】と【シルビアンコ 魔道マシーン】と【シルヴィアンテ 魔道メカ】と合体することによって【シルビア聖魔魔道戦車】になったのだけど。これは【魔核】という特殊な金属と、【シルヴィーク 聖銀】の2つの金属を組み合わせることで実現しました。魔核と魔鋼の融合なんて誰もやったことが無いはずなの。それに聖銀だって今までの魔道技術では不可能だった。その組み合わせが出来たから魔結晶の力を100%引き出すことができるようになったの。ただこの聖銀はとても脆いので、魔結晶を動力源として使っていても、すぐに破壊されちゃう。それで、この魔道戦車を魔道の力を使って守らないといけない。だから防御結界が必要なの。」

シルビアの話を聞いて俺はこの【シルビア 魔道バイク改】の凄さを実感することになった。そして魔石がもっと手に入ればいいんだろうなと考えていたのである。俺達が話し込んでいる間にシルビィもこちらにやってきた。彼女は俺達のことを見ていたようで、魔導兵器に興味があったようだ。シルヴィとシルビィに【シルビア 聖魔バイク改】に乗れるかと聞くと二人乗りをすることができたので三人で向かうことにした。シルビアは魔道を応用する事ができ、空を飛ぶことも出来れば、【シルヴィーク】の操縦までできたのだ。

俺はシルビィと一緒に【聖槍 エクスカリバー】が眠っている場所へと到着した。俺の目の前には【シルヴィーク 聖槍魔道バイク】という乗り物があるのだがシルビアとシルビィが乗っていた魔道戦車を魔結晶の力で【シルビアスペシャル】にして、俺のシルビアの魔道バイクに改造を施して、更には【聖槍 エクセリシオン】と融合した姿になっていたのである。俺は魔道バイクに魔結晶を組み込んだり、魔道機械と魔道結晶を組み合わせた魔道バイクを作ったりした。

「魔導機兵と魔導バイクの相性が良すぎるよ。まさかここまでの性能を持つ魔道機兵を作り出すことが出来るとは思わなかった」俺がそういうとシルビアが「そうね。魔道バイクをこんな風に作り出す事が出来る人間が現れるなんて予想してなかったわ。」と言ったのである。

そして俺達3人は目の前にいる【聖槍 エクセリシオン】を見上げていたのだ。すると俺は聖属性の力を感じる。俺が【神聖能力】を使いこなせるようになると俺の聖属性の力は増すことになる。俺はシルビアの方を見て彼女も同じ事を感じていたようなのだと思った。すると【シルヴィーク】と融合した状態の【シルビア 聖魔バイク】から通信が入るのだ。

「【マスター】、聖属性の持ち主が現れました。」シルビアは【シルヴィア 聖弓魔導バイク】の操縦席に腰掛けると俺と会話が出来るようにしてくれた。

「えっ?そうなの?それは一体どういう意味なんだろう?」俺はそう言うとシルビアが「【マスター】が感じ取っている通りです。貴方の中に眠っていた聖の波動が強くなっているのを感じています。貴方の中には間違いなく女神の生まれ変わりが存在していて、その方は今も貴方を見守ってくれているんです。そして貴方の中にある女神の力を呼び覚まそうとしているんです。」と言う。

俺は「女神が転生して生まれ変わった人がいて、そしてこの世界を守ろうとしてくれてるってことなんだよね。そして俺の中に存在するって言われても実感が湧かないけど」俺の言葉を聞いたシルビアは真剣な顔つきになり俺に問いかけてくる。「貴方は【神殺し】の剣を手にしたことがありますよね?」と俺は彼女の言葉を聞き「あの時の感覚を思い出してください」と言われた。俺はシルヴィアと戦った時に手にした黒い刀身の剣のことを思い出す。

【神聖結晶 タイプディザスター】を手にしてからずっと感じていた違和感の原因が分かった気がする。【神殺之大鎌】を手に入れた時も確かに不思議な力を感じたし俺はシルビアとの戦いの後、しばらく眠り続けたのだが、その時はシルビアに膝枕をしてもらっていたので俺は寝たふりをしながら自分の身体を調べてみたのだ。だが特におかしな所は見つからなかった。シルビが「聖女」と呼ばれるようになってから俺の中で何かが変わった。

俺の【ステータス オープン】

「名

前:真島聖」

年齢:15

レベル:501

生命力:100000000/1000(∞)

精神力:45999000

体力 :4500000

耐久値:6400500

魔素量:4599900

魔素貯蓄数:2599990

状態:良好

「名前 シルビア」

年齢

23歳 職業:聖女の守護者Lv540

称号:シルヴァンの騎士

副職:魔道師Lv744

副職:聖女の護衛 HP 172000 MP 156000 筋力 14000 耐魔力 14100 俊敏 10800 魔攻 75000 魔防 6300 魅力 47000 幸運 2950 特技 神聖魔法 Lv10 回復 癒 浄化 支援 援護 召喚 付与 剣術 武術 棒術 槍術 斧 棍棒 杖 盾 投擲 馬術 隠密 変装 詐称 料理LV8(+4UP)調合LV12薬草知識 鑑定LV14罠感知LV16 罠解除LV20宝箱解錠LV30 言語翻訳LV18交渉人LV13商人LV21経営LV32商売の心得LV37経理士LV38礼儀作法LV42算術 錬金術 薬学LV15 魔道の知識 魔法陣LV19 生活魔道科学LV2調理LV22 裁縫LV31刺繍 彫刻LV27彫金LV36宝石学LV43魔石作成LV47魔物使役 契約術 召喚術 調教LV28従魔術LV49 魔獣使いの才LV58動物使役LV62獣の飼育LV66騎獣調教LV68獣の服従LV71魔獣支配LV75魔獣合成LV88従魔合成LV92従魔進化LV96竜魂解放 精霊視LV24魔力感知LV35危機察知LV26隠密LV34気配遮断LV41罠看破LV25 宝物発見LV45罠設置 鍵開け 忍足 縄抜け 拷問回避 盗賊殺しの極意 暗殺の才 VIXEN EXPENDED BUILDING

(シルビアが言っていた通りなら、これが俺の中に眠っているはずのスキルなのか?この世界では存在しないはずの能力なのに何故俺は使うことができるんだろうか?もしかして女神はこの世界の人たちを滅ぼそうとしているやつから守るために送り込んできた存在だと思っていいのか?)と俺は思いながら考えを纏めていくと俺はあることを思い出していた。

俺はある本を読んでこの能力の存在を知っていたのだったのだ。そしてそれを使ってみることにしたのである。俺は【魔道具錬成LVMAX】を起動して、俺はまずは魔導具を作ることにする。そしてまずは【魔晶石 タイプライト ランクB】を作り出したのだった。【魔道マシン】に搭載する為の小型のエネルギー供給源を作る為に作ったものである。

次に俺は、魔石と宝石を組み合わせて指輪型の魔道機兵の制御装置を作ることにした。そしてまずは【魔力貯蔵石 マジックタンク】という魔石と【紅玉】と【蒼玉】を組み合わせた【魔導マシン モデルブラッドアイドルビー】を俺は作り出したのだった。その【魔導マシン モデルは モデル ルビーアイ】を【聖槍 エクスカリバー】に取り付けて俺はシルビアとシルヴィアに説明することにした。

俺はこの【魔道バイク 魔道車】を【シルヴィーク 魔導戦車】の制御に組み込むことにした。

「この【魔導バイク 魔道戦車】は、操縦者は俺と、この二人しかいないんだけどね。【聖槍 エクスカリバー】の【魔道兵器化】でシルビアに使って欲しいんだよ。シルヴィにはシルヴィアを守って貰う必要があると思うんだよね。俺は、俺に眠っていた聖属性の力でみんなを守りたいと思っているんだよ。でも、今の俺は聖女の力を使うことが出来ないから【聖槍 エクスカリバー】に【魔導機兵】の機能を取り込むことで、【魔導機兵】の力を手に入れることが出来たらみんなを守る事が出来るようになるんじゃないかと考えているんだ。それに、聖女の力を引き出すために【聖槍 エクスカリバー】に力を蓄えてもらう必要があるから俺の生命力を使い果たしてもいいと思えるほど大切にしたいんだ。だから、【魔道バイク 魔道戦車】を君に受け取ってほしい。」俺は真剣な表情で二人に言った。俺の言葉を聞いた二人は納得してくれたようで俺は二人の了承を得て【シルヴィーク 魔導戦車】の操縦席に座って操作をしてもらうことになった。シルビィは、シルビアのサポートをしながらシルビィにはシルビアのことを護衛してもらえるようにお願いした。シルビアがシルビィに俺の護衛についてもらいたいとお願いしている。俺達は俺の【聖槍 エクスカリバー】が安置されている洞窟の中に入って行くのであった。

そして【聖槍 エクスカリバー】の前に辿り着いた俺達は俺が【聖槍 エクスカリバー】に触れようとすると【聖槍 エクスカリバー】が輝き出して俺は意識を失ってしまった。俺は目を覚ますと、目の前には見たこともない綺麗な少女がいた。彼女は、「私は女神の転生体です。私の力が封印されています。私と一緒に世界を救いませんか?」と言ってきた。俺はいきなり話しかけられて戸惑ってしまったが、目の前の少女の話を聞いてみることにしようと決めた。俺のことを心配して見つめていたシルビアとシルヴィアに俺は「大丈夫だよ」と言うが、シルヴィアが突然に俺に抱きついてきてしまう。「もうダメ!死んじゃうかと思ったの。シルヴィークに聖の波動を送り込んでいるから安心して!」と言う。

するとシルヴィークが突然動き出したと思った次の瞬間シルヴィークは消えてしまったのだ。「聖の女神様が貴方に託した力を解放するために、一時的に別れることになったわ。ごめんなさい。貴方の命を削って聖の力を使い果たしたみたいで今はとても眠ってしまってるみたいなんです」シルヴィークの言葉を聞いた俺は「シルビアー?シルヴィア?シルビア?おーい起きてー?シルヴィーク?シルビア?えっ?」俺は何度も名前を呼んだが返事はなかった。

「貴方の聖の波動の量があまりにも多すぎて今は聖女の力を取り戻すために休眠状態にあるようなのです。聖の女神様の力を取り戻すまでは目覚めることはありません。聖女の力が完全に戻るまでどれくらい時間がかかるかわかりません。それまでは、私達が世界を守らなくてならないようです」と彼女は言ってくれた。そして彼女が言うことによると、この世界には魔王が君臨していて人間を滅ぼすために様々なことを企んでいるのだという。そのため俺も一緒に戦ってくれないかということだった。俺はもちろん戦うつもりなので彼女から【神器召喚 聖槍神器】を受け取ることにする。

俺は神装【神器召喚 神槍 グングニル】の使い手になる。

俺は神器【神槍 グングニル】の【固有スキル 聖の神域】によって俺の【聖属性】が強化されている。

神格【聖神】【光属性】【聖魔法】【神魔眼】

俺の中で【聖神】【聖魔法】と【神魔眼】が統合されて新しい称号が出来上がったのだった。俺は【シルヴィーク 魔導機兵 モデル ブラックドラゴンゴーレム モードレッド】のコックピットに搭乗する。この魔道マシンは、シルヴィークの【竜魔法】の応用で【魔法機兵 モードレディアンブ】のようにシルビアンド王国に存在していた【魔道マシン 魔道バイク】と【魔道バス】をシルビアの機体に移植する形で作られたものだったのである。そして【魔道マシン モデル アーサーゴーレム】をベースに改造を施しており俺の【魔道マシン】と同じように魔力タンクの役割を持つ宝石型バッテリーと魔晶石を組み合わせて使うことによって動くようになっているのだった。

俺は【魔道マシン シルヴ アーサー ブラックドラグーン ゴーレム タイプ】に搭乗している状態で、シルヴィアの操縦により【魔道マシン シルヴィーク 聖槍 アーサー王】に乗り込んだシルビアにサポートをしてもらって、魔素を溜め込むための場所になっているこの空間の中に保管されていた【聖槍 エクスカリバー ランクSSS】を回収してこの世界に出現した魔物と戦う準備を始める事にしたのである。まずは【聖剣 エクシーズ ランスロット タイプ】を取り出してから俺は、この【魔道機兵 モデルは モデル アーサー エクスカリバー】のコックピットの座席に座るとこの【聖槍 エクスカリバー】を俺の身体に接続する。この【聖槍 エクスカリバー】に俺の中にある聖の女神様の力を注ぎ込んでいく。俺が聖の女神様の力を全て流し込む前に、俺の【聖魂 ホーリーソウル】に【聖槍 エクスカリバー】の力が吸い込まれるようにして吸収されていったのだった。俺の中にいるシルヴィは、どうやら【魔道槍】に聖の力を送り込むことは出来るらしいのだが、聖の力を蓄えるための聖杯が足りていない状態なのだという。俺はシルヴィからこの世界では俺しか扱えないと言われている伝説の聖槍と聖の魔石が埋め込まれて存在しているこの世界での俺専用の【魔道槍 エクス カリバー ランス オブ ゴッド】を作り出すことを決めるのだった。この【魔道槍 エクス カリバー ランス オブ ゴッド】は、俺が聖槍 エクスカリバーの力と、この世界の俺が作り出した【魔槍 エクスカリバー ランス タイプ】の能力を併せ持った武器なのである。

そして俺達は魔石に【魔導機兵】のエネルギーとなる【魔力】をチャージすることと、俺自身の聖の力を込める作業を終わらせることができたのである。【聖魔導機兵】が完成するまでの間にシルヴィークとシルビィと、俺達三人で魔石と宝石を組み合わせた【魔晶石 マジックジュエル】を作ることにしたのである。この【魔晶石 マジックジュエル】は【魔導マシン】の制御装置を作る為に必要になるのだ。

【聖魔導機兵】は俺達の乗るシルヴィークとシルビィとシルビアの3人が乗る事になるのである。そして俺は、この【聖魔導機兵】の制御を行うことが出来るようになる【聖魔導王機 モデル アーサー王】という機体を作り上げる。

俺達は【聖魔導機 モデル アーサー王】と【聖魔導士 聖槍 ランスロット】と【聖魔道士 聖杖 エクシーズ】で魔素が溢れ出している魔獣がいる場所に向かって行く。俺達に気づいたゴブリンの上位種 ハイヒューマン ホビット上位種 ナイトエルフ ドワーフの亜種達とリザードマンの亜人が俺とシルビアとシルヴィアに襲い掛かってきたのだった。俺は魔剣【エクシズソード】に魔導力を集中させると魔弾を撃ち出して敵を一掃していった。シルヴィークの方もシルビアに操縦してもらいシルヴィークは大暴れしているのでシルヴィアにシルビアの護衛を任せることにしたのであった。俺は、俺とシルヴィークに襲い掛かってくる魔物に対して俺はシルヴィークに乗っている状態で聖の属性の力を込めてから、【聖魔導砲 エクスカリバーキャノン】を放ちまくっていたのであった。シルヴィークも【聖魔導砲 モードブラスター】で応戦していたのである。俺は聖の属性を込めた攻撃を繰り出していったのであった。

俺はシルヴィークに乗って魔導戦車シルヴィークと一緒に魔導機械兵を駆逐していく。俺とシルヴィークの猛攻を受けて魔導戦車の部隊は壊滅的な被害を受けていくのだった。俺達が戦っている間にも他の場所にシルヴィークとシルビアに操られたシルヴィーク達が出現させていた魔道具型のゴーレムと戦っていたのである。

「シルヴィアちゃんがあんなふうになってしまって残念だよね?僕としては君のことを応援しているんだよ?僕は、君と一緒になれる事を夢見ているんだ。君のことを幸せにしてあげるよ。僕の方に来てほしいな?そうしてくれればシルヴィーも一緒に君と一緒にいられるんだ」と言うと彼は、俺に自分のところに来て欲しいと言ってきた。しかし、そんな彼の言葉にシルヴィアが、「ふざけたこと言わないで!シルヴィも私も貴方になんて絶対に負けないわ!私は聖の神の巫女だから貴方みたいな邪悪な存在には絶対に渡さない!」と言い返してきたのだった。すると突然彼が苦しみ始めた。「うっ、ぐうぅぅっ!ぐああぁっ!」すると突然シルヴィークの体から闇のような黒いオーラが出てきた。シルヴィークは、突然苦しんで、体中の筋肉が激しく盛り上がり体つきが変化を始めてしまい体全体が大きくなり、顔も大きくなって瞳の色も真っ赤に変わってしまう。

「くっくそぉおおおっ!!シルヴィークの体が壊れてしまう。シルヴィーク!すぐにその鎧を解除してこっちに来るのです。私が助けます。今、貴方をそこから解放します。」俺はシルヴィークが纏っていた、全身を覆う銀色の鎧の【魔導機甲 フルアーマー モデル シルバーデビル】を脱がせるように指示したのだった。そして俺の指示で、シルヴィアがシルヴィに操縦してもらい脱がせた後、俺は、シルヴィアと協力して魔道装甲を破壊するのを手伝ったのだった。

俺はシルヴィアと協力してシルヴィークの中から出てきた【魔道装置 コア】を破壊したあと、俺はシルヴィアにお願いして【魔晶石 マジックジュエル】の魔道マシンのエネルギーとして使う魔晶石をいくつか取り出す。それを俺が作った【魔晶石 マジカルジュエル 】と交換して貰ってから、【魔道機兵 モデル ランスロット ランス オブ ゴッド】に乗り込み魔晶石の力を聖属性の力で増幅させてから俺は魔導機のエネルギーとして使用するための準備を始める。魔道機は魔導エンジンで動いているのだがこの動力は、魔晶石を使っているのだった。俺は魔晶石を取り除き代わりに聖の属性の力を大量に流し込みながら俺の聖属性をこの世界に放出させる準備を始める。この作業を終えた後に、この魔道機の聖属性のエネルギーと魔素の塊となっている魔物の心臓をこの【聖魔道機】のエネルギーとするのである。

この作業をしている間にもシルヴィークに乗っていた俺はシルヴィとシルビアーに俺達を助けに来てくれている魔道戦車シルヴィークの部隊と合流した方がいいと進言したが、シルヴィアとシルヴィークは魔獣の大群を相手にしているシルヴィ達と合流するように魔道車に乗り込んで向かっていったのだった。そして、シルヴィークが魔獣と交戦中になっていた場所につくとシルヴィークを降りてシルヴィークに攻撃を加えようとしていたゴブリンやオークなどの魔道獣 魔虫やゴブリンロード リザードマンキングや魔道騎士が数十体現れたのだった。

魔道戦車が到着した時には、もう既に戦闘が開始されていてシルヴィアは【聖魔導砲 エクカリバーキャノン】と魔弾を放っていたがそれでもまだ数が多すぎた為シルビアの方に向かった魔道獣もいた。シルヴィークはその魔道生物に対して魔導槍で対抗していたのである。俺は聖属性の魔導力を込めてから聖槍を投擲して魔道を無効化してから俺は聖槍 エクスカリバーを回収。そして聖槍 エクスカリバーを回収してから俺は聖槍 エクスカリバーを構えてから【魔槍 エクスカリバー モードブラスター】の変形モードに切り替えて、モードチェンジさせた。モード変更完了すると同時に、俺が聖槍に込めている魔力を開放させると聖槍 エクスカリバーの魔力の波動が広がり聖の力を纏った衝撃波が発生する。俺に襲い掛かろうとしていた魔道機械兵の部隊は、この一撃で完全に壊滅状態に陥るのだった。俺は魔槍 エクスカリバーを回収するとシルヴィークが魔導剣を取り出して戦っていた。シルヴィークとシルビアは、魔導マシンゴーレムや、魔導兵器に搭乗をした状態の【魔道兵】などと戦い続けていたのであった。俺は聖槍 エクスカリバーと魔槍 エクスカリバー ランスロットの二本槍を装備してから戦い続けているのだった。そして俺とシルヴィアは魔獣と、シルビア達は魔道機械獣達と戦う事を決めた。シルヴィアに俺が乗っている魔道機兵は【魔道マシン モデルは アーサー エクスカリバー】だと教えて、シルヴィークとシルヴィークの魔装型シルビアには魔道兵器の相手を任せる事にする。そして俺とシルヴィアは魔獣達を討伐する事にしたのだ。そして俺達はこの魔の森に溢れ出ている大量の魔物と、魔道機械兵との戦いを始めたのである。俺はシルヴィークに乗ってシルヴィークとシルビアを援護するように聖の属性の力を使い魔素を吸収していた。そして俺達が魔素の吸収と魔素による魔獣強化と魔素の吸収で強化されすぎないように調整しながら魔物達を倒して行った。そして俺達は魔道兵以外の魔獣達と戦えるようになっていたのであった。俺の【聖魂 ホーリーソウル】によって生み出された、シルヴィークとシルヴィークに乗った状態で俺と一緒にいるシルヴィ。シルビアとシルヴィークに、シルヴィと一緒に行動をしているシルヴィア。そして、シルヴィークに乗っているシルヴィアの護衛役のシルヴィアも、それぞれ、魔獣達と戦ってくれたおかげで、かなりの数を倒せたのだった。

そしてシルヴィークが倒した魔導兵に、シルヴィアが魔道剣を振り下ろしてからシルヴィが止めの一撃を与える。そうすることで確実に倒していっていたのである。俺はシルヴィークの操縦とシルヴィアのサポート役をしていたのだった。シルヴィアが使っている聖の属性を帯びた聖魔剣の切れ味はかなりのものらしく、次々と敵を倒していった。聖の力をまとっているため聖剣並みに攻撃力も高まっているようだ。聖剣の力と魔の力を併せ持った聖の魔刀 聖魔刀の力により聖の魔素を大量に取り込むことが出来ているからか聖の魔素の影響でシルヴィークは凄まじいスピードと強さを手に入れていたのであった。俺は聖属性の力を込めているため聖の属性の攻撃に変換できる【魔槍 モードエクカリパーキャノン】を装備。この魔道具を使えば聖の属性を込めた攻撃をすることが可能なのだ。俺は【聖魔槍 モードエクカリパーキャノン】の槍部分で攻撃を行うと聖の力が放たれ魔獣達が一瞬にして浄化されていったのである。シルヴィアも聖の魔弾を撃ち出せば魔の属性の力を打ち消すことが出来るが聖の属性を扱えるわけではないシルビアに魔弾の威力を調整することは難しく聖の属性を纏わせることが出来なかったのだった。俺は聖の魔力を流し込むために【魔導機兵 モデル ランスロット】に乗り込んで魔銃で魔弾を放ちながら聖槍と魔道槍 ランスロット エクカリバーを使って戦っていたのだった。俺とシルヴィア、シルヴィアとシルビア、シルヴィアとシルヴィーク。四人共がこの連携を完璧に合わせられるように慣れてきていたので魔獣達の殲滅に成功したのである。しかしシルヴィアは、俺とシルヴィアと一緒に魔族を倒すことに集中させるためにシルヴィークは、魔獣にトドメだけを刺すだけにしてシルヴィアが俺と一緒に戦うことを優先させていたのだ。シルヴィアの武器の使い方もだいぶ上手くなっていて俺の手助けをするどころか逆にサポートされていた。俺は、そんなシルヴィアを見て感心してしまったのだった。俺も聖の力を纏わせられる槍を使った攻撃に慣れ始めていた。

そして俺とシルヴィアとシルヴィアと一緒行動をしているシルヴィとシルヴィアは、それぞれの場所で魔獣の残党処理を行っていくことになった。

それから俺は、魔獣の相手をしていて気づかなかったがシルヴィークの近くにはシルヴィが使っていた魔道機兵の部隊が待機しており俺の事を見守ってくれていたらしい。俺はシルヴィークでシルヴィの機体とシルヴィークの魔道戦車が一緒に待機をしている所に向かうのであった。俺はシルヴィと合流して魔道獣を駆逐しに向かったのである。

俺はシルヴィアと共にシルヴィークとシルヴィの機体のところに向かっていた。

そしてシルヴとシルヴィと合流した後俺はシルヴァンから降りるのである。俺とシルヴィは俺が着ている【魔導機兵 モデル ランスロット ランスロット エクスカリバー】に乗り込み魔獣と戦う事になったのである。

俺とシルヴァの魔導機で戦っている最中、シルフィアは、シルヴィークに乗り込み俺と魔獣との戦いに参戦してきてくれて、シルビアの魔導戦車 シルバーデビルで残りの敵を殲滅してくれたのである。

俺は、【聖魔槍 モードランスロット エクスカリバー ブラスター 】の槍で魔獣に止めを刺しまくった。シルヴィアとシルヴィアの魔導戦車は魔道砲を放って俺と同じように、シルヴィークの魔導戦車とシルヴィークの魔道機兵達は魔道砲や、魔道ライフルで魔獣に攻撃を仕掛けるのだった。

俺達は順調に魔物の駆除を行えておりシルヴィの部隊のシルヴィンダーの部隊に俺達の魔道機の回収をお願いした。魔道機を回収したあとは、この場をシルヴィに任せてから俺とシルヴィア、そしてシルヴィアが操縦するシルヴィは、俺達と一緒に行動するシルヴィアの魔道機兵を先頭にしてこの魔道獣の大群の元凶となった、魔王の配下で最強最悪と言われた男 最強の大悪魔バエルが封印されている場所に俺とシルヴィアとシルヴィアが操る魔道兵器に乗って向かったのであった。

魔道兵に乗ってシルヴィ達は、魔獣の相手をしてくれるそうだ。

魔獣の数が多いので魔道戦車では効率が悪いと思った俺はシルヴィークから降りて、シルヴィークにはシルヴィアと俺と、シルヴィアが操縦するシルヴィの3人の操縦者が乗り、シルヴィークに残っていたシルヴィークに乗らずに待機していた魔道機兵の操縦者は魔導バイクや馬に乗ってシルヴィークを守る事になっている。そしてシルヴィの部隊には魔道戦車と、魔道機兵が護衛としてついているので、この場での防衛は大丈夫だろう。俺とシルヴィア、シルヴィアの魔道機がシルヴィークから降りるのを確認してからシルビアは魔道戦艦に戻っていった。

シルヴィークとシルヴィの部隊以外の俺達が乗ってきた機体は、シルヴィアと、俺達が連れてきた、俺が作り出したゴーレム型の機械兵達が乗ることになっていた。

そして、俺は俺の後ろを付いてくるシルヴィアに俺の後ろについて来るのをやめるように言って、この場を任せる事にすると、俺一人で行動する事にしたのだった。この辺りにいるの魔獣達は魔獣化していた魔獣で、しかもこの周辺に生息していた普通の魔獣より強くなっている。そのため俺の目の前に広がっている景色はかなりの数の敵で埋め尽くされていてその光景はまるで敵の絨毯が敷かれているかのようであった。

俺は聖剣 エクスカリバーと聖槍 エクスカリバーランスロットを手にしてから【モードランスロット エクスカリバー モードブラスター】に変形させたのである。俺の聖の属性と、シルヴィアの光の属性の力を合わせて聖属性のエネルギー弾を放つことが出来るからだ。シルヴィアに魔剣を渡して魔剣の力で敵を倒してもらいながら俺は魔獣達を相手にしている時に感じた気配の正体を突き止めるために動き出したのである。そして、ある程度敵を倒しながら進んでいるとその正体が判明したのである。

俺がこの魔の森に来た目的は魔王の幹部の一人 この世界最強の魔族と言われる男がこの世界に復活しようとしているという情報をシルヴィークと、シルヴィークに乗ったシルヴィアから聞かされたので俺はシルヴィがこの森の魔素を吸収してしまう事で俺に負担をかけないようにするためにもシルヴィークとシルヴィアに俺が倒した魔獣達の討伐をしてもらったのである。シルヴィの部隊はシルヴィークを守るために俺の魔導戦車と魔導機兵で、この周辺の防衛を頼んでいた。俺はシルヴィアの機体に乗っているシルヴィと一緒にシルヴィアの機体を操り、魔獣の集団に突っ込んだ。

そして、俺がシルヴィアとシルヴィアが操縦する魔道機兵の2体と、魔導機兵とで戦っている中俺の背後に突然黒い渦が現れたのである。俺はその黒い穴のような物を俺は知っている。それは俺が倒した、あの最強の大悪魔の眷属だった悪魔だ。俺が見たのと同じ姿ではないが明らかにこの世界で確認されている、どんな種族よりも強力な魔力を身に纏っていたのだ。しかし俺はこの時まだ、これがなんなのか気づかずに戦い続けていた。そして俺は、聖剣と聖槍 聖剣 エクスカリバーを使いこなせているわけでもなければ、シルヴィアの光の属性の力が使えるようになった訳でもない。ただ単に聖剣に聖の属性の魔力を流し込み聖の力を武器に流し込むのと同時に俺も身体強化魔法と、防御障壁を展開して戦っていていた。そして、俺は聖の魔力を流し込んでいるのにも関わらず、俺が今持っている聖剣エクスカリバー モードランスロット エクスカリバーモードブラスターは魔の属性をも浄化する事が出来ていた。聖の力によって聖の属性の攻撃に変換したとしても俺が魔の属性の攻撃を浄化できるわけではないのだ。聖の力だけで聖の属性の攻撃をしても聖の属性の力を使って攻撃しなければいけないのだ。つまり聖の力だけを使って攻撃しようとすれば聖の属性の力を使って聖の属性の攻撃に変換する必要があり、魔の属性の攻撃が俺の方に放たれた場合、聖の属性で相殺しなければならないのだ。

そして、俺はこの空間に入った瞬間あることを思い付いた。俺の後ろに現れて俺を攻撃? しようとした奴の気配を探ろうと試みたのである。

「はっ!!」と俺は言うなり【モードランス モードブラスター】で俺の後方を攻撃しようとした。すると背後から凄まじい爆発が起き俺の後方にいた敵の姿が見えるようになると俺は【魔装王 モードランスロット モードブラスター】を構えてその方向に撃ち放った。そう、俺の後ろから俺を攻撃したのはこの魔道戦車で、俺はこの攻撃が来ていたことに気づき攻撃の回避を試みたが、魔導砲撃が俺に向かってきたのだ。魔導機兵の主砲で、しかもかなりの高威力で俺を狙ってきていて避けきれないと悟った俺は魔槍 エクカリバーンを盾のように展開して魔道砲を防いだのである。俺はこの攻撃を放ったであろう、魔道機兵を俺は睨みつけたのであった。そして俺の機体の後方からシルヴィアは操縦する機体の頭上から飛び降りて、俺の元に来るとそのまま操縦席に乗り込んできて俺は機体の制御を取り戻すとすぐにこの魔獣が出現した渦の中に飛び込もうとするとシルヴィアの乗っている機体が邪魔をするようにして現れたためシルヴィアは、

シルヴィア: 私はあなた達とは行動しない! 勝手に自分達の世界に帰るか死ねばいいわ シルヴィアの言葉を聞いて俺は少しムッとしたのだがシルヴィークが魔道機の部隊を引き連れてシルヴィアの機体の横を通って渦の中に入ると、シルヴィーク達は光に包まれるのであった。どうやらシルヴィアの部隊はそのまま転移してしまったようだ。

俺の目の前に現れたこの魔獣は何者だろうか。この魔獣は確かにあの悪魔を倒した時に戦ったやつだが、強さが全く違うしそもそも魔族ではないことは確かだろう。

魔族ならば間違いなく魔の属性を持っているはずだからだ。

それに、あの時は魔王の四天王の部下の配下だったが今回は、魔王本人の側近でしかも魔道王という位にいる男なのだが、この男は本当に何者なのだろうか? 見た目は、人族の青年にしか見えない。

しかし魔族特有の角などはなくただ、魔力がかなり高いだけの魔道士といった感じだった。

とりあえず俺は目の前の男と対話を試みようとしたが相手の方が先に話し始めたのである。

俺の前に姿を現した謎の魔道師風の格好をした男は 俺を見て

「貴様!!よくこの魔道王 魔道魔導帝を召喚できたものだ 褒めてつかわす この世界を我が物にするためにこの我を復活させたのは 貴様でよいのか?」

と言ってきていたが、魔道魔導帝なんて名前は俺は知らないのでこいつはおそらく悪魔だと思う。俺が悪魔を倒して、この悪魔は魔族の中ではかなり強かった方だったので、その配下の魔族は大したことはないだろうとたかをくくっていたら大間違いだったのだろう。まさか魔導王クラスの魔王の幹部が復活するだなんて思っていなかったがこの世界は思っていた以上に危険な状態だということが改めて認識できた。しかも俺が倒してきた悪魔の眷属の中の魔王の幹部は下の方なのでやはり上の位の魔族が復活していると考えた方がいいと思うが、今のこの男から感じるのは魔王の幹部の下位に位置するような雑魚感でしかないがそれでも魔王幹部なのは違いないだろう。それなのに、俺とシルヴィアはあっさりと消滅させられかけたのだ。しかも俺は魔槍でシルヴィアの乗る魔道機を壊されてしまったが、あれで俺は油断をせずに、しっかりと対処できていたなら勝てないにしても負けなかったと確信が持てるくらいの実力を持っていたように感じられた。まあ俺は俺で魔剣 魔槍の力を使いこなしていないせいもあるかもしれないけどな。この男がこの世界の魔族の中では最強クラスだとすると、魔槍が魔の武器の中でも上位にあたるということを考えても魔剣は俺の思った通りの力を発揮することができれば相当な力を持つ武器になるはずだ。俺には聖の力が備わっていて、しかも聖剣のエクスカリバーの力を使うことができる。そして俺は魔槍の力も使えばさらに強力になれるだろう。俺には二つの聖の力がある。しかも聖の属性と、魔の属性を使い分けることができるのだ。だから魔槍と魔剣の力を同時に使っていく事でより強い存在に昇華させることができるはずなのだ。そして、この世界に復活しようとしていた最強の大悪魔を俺がこの手で倒したことで俺はこの世界で自由に動けるようになったのだ。そのおかげで俺の仲間達が魔獣の集団に飲み込まれずに済むのだ。

俺は、俺の前に立つ魔道士姿の謎の人物を魔槍 ランス モード ブラスターを向けて攻撃しようとした時に魔道王は俺に向かって魔法を放って来たのである。そして、俺は咄嵯に魔槍 ランスロットの防御障壁を展開しながら俺は、この男の魔法の攻撃を防ごうとしたが、魔道王が放ったのは魔弾だったのである。そして魔弾は障壁に当たるなり爆発して俺の防御障壁を破壊してしまう。俺はすぐに防御障壁を張りなおして、魔槍で攻撃を仕掛けようとした時にまた魔弾が俺に向けて放たれたが俺はそれを回避したが今度は、魔弾が途中で破裂すると同時にそこから雷が俺に襲ってきたのである。魔道王に魔弾を連射されると俺は魔導戦車の防御障壁が破壊されるのが早いか俺の身体に攻撃が届くかわからないので魔道王の攻撃をひたすら避けるしかなかったのだ。そして魔道王は俺に対して攻撃が当たらないことに苛立ちを覚えたようで俺に対して魔道砲を発射するが俺はそれを難なく回避すると反撃に転じたのである。俺の聖剣モードランスロットの刃の部分は光輝いていたので俺の攻撃は必ず通用すると思っていたが、俺の攻撃を魔道王の攻撃で打ち消されてしまい俺の攻撃が通らなかったのであった。

そして、俺は攻撃手段を失ってしまい焦っていたのだが魔道王がいきなり笑い出したのである。

「はっはっはっはっは!!!」と突然大きな声で笑ったのだ。

そして俺を見ながら

「なかなかやるではないか! だがしかしお前の攻撃が効かないことに変わりはない 無駄だということがわかったら大人しく殺されることだな そして魔族の長として、この魔道王様の復活のために死ぬがよい お前に勝ち目がない事を教えてやる!」

と、言い始めたので俺はその言葉を聞きながら俺は、魔道王 魔道魔導帝と名乗る奴が放つ、魔力の流れを読んで魔道王が何をしようとしているのかを探ると俺の機体に大量の魔力を集めようとしていることが分かったのである。

おそらく俺を倒すためには魔道王の使える最大の技をぶつけてくるに違いないと思ったので、俺もそれに対抗するために聖剣モードランスロットの力をフルに使うことにしたのだ。そして俺は聖剣モードランスロットのモードブラスターと魔槍 ランスロットのモードブラスターの両方を使って、この一撃を受け止めることにしたのである。俺は聖の属性の魔法を使ってこの魔道砲の砲撃を防ぐつもりだったがこの男の持つ、膨大な魔力をどうにかすることは出来なかったのだ。そして魔道を起動させようとした時、俺の背後にある渦の中から巨大な何かが飛び出してきて、それが俺を飲み込もうとしてきたのだ。

魔道王との戦いの最中に背後に現れた巨大な生物に襲われそうになったので、俺はすぐに魔道砲を背中に向けると魔槍で、その生物の体に突き刺したのだ。すると巨大の生物体はそのまま倒れて、動かなくなってしまった。俺がその魔物をよく見ると、どうやら魔族ではないようだった。魔獣と呼ばれる種族で魔狼と言うらしい。この魔狼はなぜか魔族ではなく人間を襲ってくるというので俺は魔族の仕業だと思って、魔族の国に行ってこの国の国王が悪魔の手先になっているということを伝えたかったが魔族側の勢力が強くなりすぎて、この魔族の国を牛耳ってしまったようだ。そのため今はこの国は魔族の支配地域になってしまっているというわけだ。だから俺は魔導王に意識を集中しながら、なんとか魔道砲の発動を阻止したのである。魔道王も魔道砲の砲撃を止めて自分の後ろを振り向いた。そしてそこには魔狼の死体が横たわっているだけであったが、俺はすぐに魔導王に向かって攻撃を再開した。すると、魔道王は、

「貴様!!何者だ!!我をこんな目に会わせてくれた罪は償ってもらうぞ!!覚悟しろ!!」と、言うなり俺に攻撃しようと魔道王は自分の杖を俺に向かって突き出すと俺に雷撃を放ってきた。その攻撃を回避するとともに、魔道王に接近しようとしたが、魔道王は杖で地面に叩きつけるように魔力を流すと地割れを起こして俺を陥没させたのである。しかも俺は空中にいたので、落下して地面に衝突した時の衝撃は半端なかったのである。

魔道王は俺に向かって再び魔弾を俺めがけて放ってきたのである。しかも今度の魔弾は先程までとは違って、威力が上がっており、直撃したらまずいと判断した俺は即座に防御壁を展開したのだ。魔道王も今の俺には魔弾でも効果がなかった事に気づいたらしく次の攻撃を仕掛けてきたのである。それは魔弾による攻撃ではなかった。魔道王は魔剣を抜き放つと、剣を振るい真空波を飛ばしたのである。この攻撃が俺の展開した防御壁に直撃して、防御障壁が破壊された上に、魔槍ランスを盾にして剣撃を防ぎきれずに俺は左腕を切断されてしまう。

魔道王は俺の腕を切断した後すぐに、再度魔剣で斬撃を飛ばして来て、その攻撃を避けたのだが俺の後ろにあった建物が切り刻まれて倒壊してしまったのである。そして魔導王は、魔剣を構えたまま今度は俺に向けて斬りかかって来たのだ。その攻撃を受け止めるために槍を構えようとしたが、すでに魔槍ランスロットは壊れており槍の形をしてないのに気づくと俺は魔導王の攻撃に対して回避することを選択したのだった。魔道王は俺に攻撃を仕掛けて来たのだったが俺は何とかギリギリのところで魔道王の攻撃を間一髪で避けて、俺の後ろにあった建物が崩壊していく音が聞こえてきたが、俺の方は魔槍ランスを失った代わりに魔剣を手に入れたのである。

魔剣を握りしめた時に俺の中に新たな力が流れ込んできたのだ。魔剣の力なのか俺の力が格段に上がったように感じることが出来た。それだけでなく、この魔剣の力が今までに使っていた聖剣モードランスロットよりも数倍も強力なように思えたのである。魔道王は俺のことを睨み付けていたのだが魔導王が持っていたあの杖が突然動き出して魔剣を持ち上げると俺を攻撃しょうとしていたが、俺はすぐに攻撃してくるであろう事を予測していたのか冷静に対応していたのだ。すると案の定、杖が動いたが俺は魔槍ランスロットを持っていた時から、武器が動いていることに気付いていたのだ。だからこの事態になることも予想できていたので対処もすぐにできていた。それにしてもこの杖はなんなんだ?ただの魔法を使う道具ではないよな。これはもしかすると魔法武器かもしれないから試してみる価値がありそうだな。俺は聖剣ランスロットを取り出し魔剣を構えると、魔道王に攻撃を仕掛けるのだった。俺は聖剣の剣撃と魔剣の斬撃を同時に放ったが、魔剣の攻撃を防がれてしまったが、そのおかげで魔道王に隙が生まれた。

その瞬間を狙って俺は魔剣の攻撃を連続で行い、確実にダメージを与えて、俺の剣のスピードを上げていき俺の攻撃のスピードを上げて行きながら攻撃を行ったのだ。そしてついに魔道王の魔剣が折れてしまい魔道王の顔には驚愕の表情を浮かべながら後退し始めたのである。そして魔道王は懐に手をいれたかと思うと短剣を取り出すとそれを手に取り俺に攻撃を開始したのだ。魔道王は短剣術を得意としているようで、俺の急所を正確に狙うかのように攻撃を行い俺に攻撃を与えてきたのである。俺はすぐに魔槍 ランス モードブラスターに持ち替えて反撃に転じると、俺に接近戦を行うだけの力がないと判断をした魔道王は後ろに下がると魔道王は詠唱を開始し始め、俺の方に杖を向けて魔力を流し始めた。

その瞬間、俺に悪寒が走った。

俺はすぐにその場から離れると魔導王がいた場所を中心に爆発が起こり地面が吹き飛び、その衝撃波が俺にも届いた。魔道王が発動したのは広範囲爆発魔法だったのである。その爆風が俺のところにまで届き、危うく俺も吹っ飛ばされそうになったのである。俺はすぐさま、魔道王に攻撃を再開しようとした時に、

『シルヴィア!!シルヴァは無事か!!』と、俺は念話でシルヴァン達に問いかけたのだ。すると、

「はい、お父様。私は、私達はまだ、生きています」と、シルヴァの声がしたので俺とシルヴィアはシルヴァンとシルヴィアに話しかけたのである。

「二人共、よく頑張ったな 偉かったぞ!」

「ご主人様!ありがとうございます!」

と、シルヴィアと俺が話すのを聞いていたのか魔道王が再び魔弾を放つが俺は魔槍 ランスロットと魔槍 モードブラスターの二刀流を使い全ての魔弾を打ち消し魔槍 モードブラスターで、魔道砲を破壊しようとしたが魔道砲の砲撃は俺の想像を超えて早く破壊出来なかったので砲撃を受けてしまい機体の両腕を破壊されると同時に胴体部分まで損傷してしまった。そして俺は魔道砲が発射された場所に目を向けると、魔道砲を発射させたと思われる男がいてその男は人間では無いようだったのである。なぜなら男の両目からは禍々しい赤い瞳が確認できたからだ。魔族特有の色をしていた。

すると魔族と思われるその男の身体が変化し始めると人間の顔ではなく、まるで昆虫のような頭部になっていた。そして背中に甲羅を背負っているその姿は明らかにカメレオンを連想させられた。だがそんな姿になっても魔道王の膨大な魔力は衰えることがなく魔道砲を俺に向かって放つためにチャージを始めようとしたのである。俺にはもう攻撃手段は残されていなかったのですぐに俺は自分の持っている魔石を発動させて、この魔道砲の威力を抑え込むことにしたのだ。そしてこの場にいる全員に俺の周りに集まるように指示を出して皆に防御体制を整えさせたのである。そして魔道砲のチャージが始まったのだが俺はすぐに自分の魔力を限界近く使い切る勢いで自分の持つ魔力を放出したが魔道砲の出力を相殺することは出来なくて、このままでは俺達の機体が完全に破壊されて全滅してしまうと思われたが俺はあることを思い出してすぐに俺は俺の仲間である魔族のシルヴァンと魔人のシンの二人が魔族と人の間に生まれた混血であるということを思い出す。俺はすぐに魔族の方々に魔力を分けて欲しいと告げたのだ。その話を聞いた俺達は戸惑っていたのだが、魔族と人間の間に生まれてくる子供は必ず魔族になるとは限らないらしい。魔人とは、本来なら魔族として生まれるはずが何らかの理由で人間が生まれて来ることがあるのだという。そのため魔族の血が混ざっている俺が人間であるのにも関わらず魔族の魔力が使える可能性があるということだった。その話を聞いて俺は俺の体に流れているという人間の体に流れる血を魔族のように変換できないかと思った。俺の考えが正しければ、俺の体に流れている魔族は人間でありその魔族の血液によって魔槍ランスの効果が増幅して俺に攻撃できるのであれば俺はこの一撃を耐え抜くことが出来るのではないかと、俺はそう思いすぐに俺は実行に移す事にしたのだ。

俺は魔道王に向けて魔槍ランスを構えたのだが、魔槍ランスを魔槍モードにしようと思うとなぜか俺はランスモードと叫んでいたのだった。なぜだ!!と疑問に思ったのだが今は戦闘中だったことを思い出し意識を完全に魔道王に向けると俺の持つ魔槍ランスが変形していき俺の手のひらサイズの小さな武器となったのである。俺は魔道王の放つ魔弾を防ぎながら魔道王めがけてランスを突き刺したが簡単に魔弾を防御されてしまうが、俺は魔槍ランスを握り締めると、今度は槍を横に薙ぎ払うように振りかざして、そのまま槍の先端部分を巨大化させていった。この行動を見てなのかわからないが、魔道王が警戒心を高めたのか俺の攻撃を警戒し始めたのである。すると魔槍ランスから雷の槍が出現し始めて俺に攻撃するのをやめてすぐに回避の行動に移り始めていた。そして俺はその槍の矛先に雷球が出現すると俺はそれを魔槍ランスを槍投げをするように全力で投げると、その雷の槍を纏った状態で槍が魔道王に直撃したのである。その槍を受けた魔道王は雷撃を全身に受けており、さらに、電撃を槍を通じて俺にも流れ込んできた。俺には特に影響はなかったのだが魔道王は痺れて動きを止めてその場で膝をつくと俺の方を見ていたのだ。その表情は恐怖に染まっており、怯えた目をして震えていたのである。どうやら俺に対してかなりビビッていたようである。すると魔道王が何か言いたそうな素ぶりをしていたが、俺は無視して魔槍ランスロットの柄の部分を持ち上げると、魔道王に接近したのだ。魔道王はなんとか動こうとしていたが、完全に麻痺しているようで動くこともままならなかったのである。そして魔槍ランスの穂先が魔道王の顔の前に現れると俺は槍を構えて一気に魔槍ランスの突き刺しを行ったのである。俺が魔道王から槍を引き抜くと魔道王は、

「あ、あなたに、、私は従うわ。だから殺さないで!!」

と言って来たので

「いいからさっさと死ねよ」と俺が低い声でつぶやくと魔道王は慌てて転移魔法を使ってどこかに逃げ去って行ったのであった。その後すぐに兵士達もやってきたのだがその時にはすでにシルヴィア達の手によって倒されていたようなので俺は一安心していたのである。それからしばらくすると、 シルヴァが突然泣き出したのだ。

『うぅー』と嗚咽をあげ始めていて、それに気づいた俺達は、すぐに駆け寄るとシルヴィア達が、シルヴァの事を抱きしめてあやしていたのである。

シルヴァは泣き止む気配がなかったがしばらくすると泣きつかれたらしく静かになったのだ。

俺はこの隙に、この国の王に謁見したいと告げると、この城の一番上に存在する城に向かうことになったのである。シルナの話だとこの国は今現在混乱状態になっており国として成り立っていない状態だった。なのでシルナは王に指示を貰う為、王に会おうと思っていたのだった。だが俺は、シルナの話を聞いていた時に少しだけ疑問があった。

『この国の王は一体どんな男なのだ?』

と俺がシルヴィアに尋ねるとシルヴィアは、この国の王がどういう人物であるかを知っているようだがシルヴィアが知っている王の人物像が俺が思っている王と違うようだったのだ。そしてシルヴィアが、この国に居るはずのない人物がいると言っていたのだ。シルヴィアはその人物はこの国を裏切っていてシルヴァンに倒されたはずだったのだが生きているようだった。

『まさか生きていたのか!? シルヴァ!!』

「はい、おそらくその人物が生きています。ですが私の知る限りでは、あの者が生きているわけがないのでその者は別人かもしれません。その者の名前はライルと言いまして、王都を仕切っている実力者の一人でございます。そして魔導士としての実力は、かなりのものだったと記憶しています。それと王とはかなり深い関わりがありましたが、王が魔族側に付くと、その魔族の仲間入りをしたと聞いております」

シルヴィアの話から考えるとその男はシルヴァンと魔道砲の砲撃の際にいたカメレオンのような姿になっていた魔族とはまた違った魔族のようだなと思うと同時にシルヴァも、俺と同じようにカメレオンみたいな奴を見ているのでシルヴィアが言っていることは間違いないだろうと、そう思った。俺は、シルヴァの言葉を聞いて俺と同じような能力を持っているかもしれないと思い、この国の王に会いたいと言ったのだ。

「わかりました。すぐに手配致しますのでこちらでお待ちください」

俺は、シルヴァンの機体の中で待たせてもらうことにした。俺達は、一旦休憩をすることにしたのである。ちなみにこの魔道王国の城下町はこの国の王様が住む城に近づかなければ、魔道兵器を破壊されることはなかったらしい。そしてその城の中には大量の兵士が待ち構えていたが、シルヴァンの機体が魔道王の魔弾によって破壊されてしまった為に、兵士を倒す事が出来なかったそうだ。そこで、俺達は城下町に入るために、まずこの国の王を説得する事にしたのである。そして、その話を聞いていた俺に、一人の男が話しかけてきた。

「お前はいったいなにもんだ?見たこともない機神獣を使っているがどこの部隊の者なんだ?」

その男は白銀の髪の少年であり顔が整っていてまるで女のような美しい容姿をしていたのである。年齢は俺と同じくらいだろうか

「えっと俺は旅の者で今はちょっとした用事でここに来ていて、そして俺はこの機体の操縦者を勤めている」

その話を聞いた男は俺のことを上から下まで見渡してから納得したような表情をして俺の前に座ってきたのである。俺はこの男がなぜ急に俺の目の前にきたのかわからなかったのだが、どうも、俺は気に入られたようだった。そして俺はなぜか男の相手をさせられる事になったのだ。俺は、男と一緒に城内に入り玉座の間へと向かっていた。俺はなぜ、男の相手に自分がさせられなければいけないのかがわからなかったのだが俺が男と話している時にふと、男の服に付いている階級バッジのようなものを見た。そして、俺と同じぐらいの階級だった事に俺は驚いた。なぜなら男は自分の事を貴族ではなく平民だと名乗っていたからである。そんな話をしながら歩いているうちに玉座の前までたどり着くとそこには、シルヴァンの身体に埋め込まれていた石像によく似た石像が置いてあった。その石像は魔石が埋め込んでありその魔石には不思議な紋様が入っていたのである。俺はこの魔石はなんなのか気になったので、俺とこの石像について説明をしているその貴族の男に聞いたのだが、どうやらこの石像は初代魔道王が残した物でその力についてはわかっていないのだという。ただ、初代の王は特殊な力を持っておりその力は今もこの魔道具の動力源として使われているのだとか。

すると俺の頭の中にある一つの仮説が生まれたのである。その説を確かめるためには俺は魔石を起動してみることにした。

するとその魔石の光り方を見て確信を持った。俺はその仮説が正しかったことを知りその魔石を握り締めて俺の考えを男に告げたのであった。俺が魔道王を倒した事とその倒した理由を話すと、

「お前!!魔道王を討伐したのか!! それにあの化け物を一撃で倒すほどの腕前を持っているなんて本当に只者ではないみたいだな」

その言葉を聞きながら俺は少しだけ複雑な気持ちになりながらも、その話は終わったのだ。その後俺は、王との謁見の準備ができたという報せを受けると、すぐにその玉座の間に向かうように案内され俺が扉の前に到着すると、すぐに中に入ることを促されて俺は部屋に入った。中には王座らしきものが設置してあり、そこに俺より十歳程上の金髪の男の姿が目に入った。俺はその男に軽く挨拶を行うと俺の目的を話そうとしたのだがその前に俺はこの王の名前を知らないことに気がつき名前を訪ねたのだ。

「わしの名はルーグと言うよろしく頼むぞ」

その言葉で俺はこの人こそ、王で間違いないだろうと思った。だがこの王に俺はどうしても聞かないといけないことがあった。それは俺が王に対して感じたことを正直に言ってしまったのである。俺が思ったことをすべて話すとこの王は怒るかと思ったのだが、俺が思った以上に寛容に俺の話を受け入れてくれて逆にこの王を試してしまった事を謝罪されたのだ。だが俺は俺が思ったとおりこの王になら、魔道王を倒して魔槍ランスで貫き倒したことや俺の知っている情報を全て伝えるべきだと考えたので俺は王にすべてを包み隠さず全てを伝えたのである。

「まさかあの魔道王が倒されるとは思っていなかったがこれでもう安心して過ごせるだろう。この魔道王国は平和になる。それで、その魔槍ランスはどこにあるのだ?」

その質問を聞いた俺は王に向けて、魔槍ランスを渡した。すると王は俺に、これからの事やこの魔槍ランスについて詳しく知りたいと言われたのだ。俺は王に俺の世界のことなどをいろいろ聞かれて答えると、この世界にはない技術に興味を示し、俺が持っていた知識がほしいと言ったのだ。俺はそれを聞いてこの国の発展の為に俺の知識が必要になってくるのではないかと思ったのでこの国を復興するためにこの国を発展させるために必要な知識を提供しようとしたのである。俺は、まずは、この国をどのような形にしたいかを王に尋ねられたので俺はこの国にギルドというものを作ろうと思った。俺は冒険者として、いろんな所を渡り歩いていた時に、ある噂を耳にしていたのだ。その国は魔獣の繁殖に力を入れており、魔導兵器の素材となる魔獣が多く生息する場所があったらしくその場所は、魔の森と呼ばれる森でありそこには数多くの希少な鉱石や魔獣などが生息し資源として活用されていたという話があった。俺はそのことを王に言うとこの国の現状をどうにかするにはこの魔導国を豊かにする為には必要なのは商業都市にする事だと王は言ったのだった。王は王で、この魔道王国を発展させるべくこの国のことを考えていてくれているのだと思い俺は素直に王の話を聞いていたのである。

王は魔道具を作る才能に長けていたので、俺は王に頼み、この国の技術を進歩させるための魔道研究所を造り上げてほしいと頼んだのである。そしてこの国は今、荒れているが俺が王と協力すればきっとこの国も元通りになりいい国になると思い俺は、魔槍ランスと魔石を提供したのだ。俺は王からこの城に住むことを許されてから王城の中に作られた俺専用の家に向かうと俺は自分の部屋に入ると今日一日のことを思い返していると俺の部屋に入って来る一人の人物に気づいた。そして、俺はこの城の中で、唯一俺に話しかけてくるこの国の王女だというシルヴィアと言う少女に話しかけられてしまい面倒臭い展開に巻き込まれていくのだった。

「おい、起きろよ」

俺はシルヴィアに起こされてゆっくりと目を覚ました。シルヴィアが俺を睨んでいることから何か気に障ることを言ってしまったのかと思って、とりあえず俺は謝ることにした。

「すまないシルヴィアさん」

「なぜ私にシルヴィアと呼ぶのかを言わないと許さないわ。ちゃんと呼びなさい。それとシルヴァは呼び捨てなのに、どうして私はさんづけするのかしら?あなたとは昨日会ったばかりでそこまで親しい仲になったつもりはないんだけど」

「いやシルヴィアとは初対面だし、そもそも俺は君の名前をシルナ以外からは聞いてない。シルヴァってあの時いた女魔道師のことだろ?だからシルヴィアも、あの魔族の仲間じゃないとは限らないんだ」

シルヴィアが、あの時魔族の仲間じゃなかったことを祈るばかりだが俺は念のためにシルヴィアがあの時いたメンバー以外の者ではないかを調べておきたかったのだ。すると、シルヴィアの顔が青ざめていた。「あー私の命を救ってくれたのは本当だけど、あいつらと一緒にしないでちょうだい。あんな奴らと同じに扱われるなんて最悪だわ」

(なんだこいつ仲間を庇ったんじゃなくて助けに来ただけなのかよ)

そう思って俺はこの国の王の娘らしいシルヴィアを信用することにしたのだった。それからしばらく時間が経った後俺は朝食を取るために王城の食堂に行くことになったのである。

食堂は、豪華な食事が大量に置かれており俺達はそれぞれ席に座り食事を摂っていた。俺はこの国の料理はどれもこれも、美味しかったことに満足しつつ食べ終えた後は俺達が魔道兵器を破壊した後に王城の中で見た光景について聞くことにしたのだ。まずこの国の王が座っていた石像に刻まれていた魔石の紋様について聞いたのである。

「それはな魔導王の力が封じ込められているんだがそれを起動させれば、王の強さは桁違いのものになると聞いた事がある。まぁあくまで噂なのだが、その魔道具は起動する事が出来ていない。もし、本当に起動出来たらどれだけ強くなれるか想像もつかないほど凄い力を持っていると言われているんだ」

俺はその話を聞きながら俺は、王からもらった指輪の石を指でなぞると突然目の前が歪んでいったのだ。そして俺はそのまま意識を失っていった。

「おいっ!!あんたどうしたんだよ」

俺はなぜか気を失っていたようで気がつくと俺の周りが騒然としており王までも慌てた様子だった。そして俺が目覚めてから、俺が王と魔槍ランスのことを話した後は俺の持っている技術と知識の全てを俺から教えて欲しいと言われてしまったのだ。俺は、俺がこの世界で持っている全ての知識を教えると約束したのだった。そして俺はその後王城を出ようとするのだが王から、俺にこの城に住み着いてもいいと言われたのだが流石にそんな事を言われても住む場所がなかった俺はどうしようか迷っているとシルヴァンが俺のことを心配して、この城に住まわないかと俺に提案してくれたのである。そのシルヴァンの言葉は俺の胸にとても響き俺はこのシルヴァンという女のことが好きになってしまったのである。俺はシルヴァンに言われたとおりこの王城に住み込みで働くことを決めた。俺はこれから魔槍ランスを使いこの世界を平和にしたいと願ったのだ。

シルヴァンと共に行動を開始した俺はこの魔道具王国に様々な革命を起こしていたのである。魔道具の技術を向上させるためにはどうしたらいいのかを考えて俺は一つの案を考えたのである。それはこの魔道具を作り出したのが魔道士だったため、魔道具を扱える魔道技師を育成すれば魔道具の発展にも繋がるのではないかということである。そのため俺はこの魔道具の使い方を教えようと思ったのだが、王城は魔法学園のような施設が整っておらずこの国の人間に魔法の基本的な事を教えてくれる人がいないため俺は困り果てた。するとその時シルヴァンは、俺がこの国に来れるきっかけを作ってくれた人物と会いに行ったほうがいいだろと言い俺とシルヴァンは、俺が異世界に来て最初に訪れた魔導王国にまた行く事にしたのである。そして俺が魔道具の国を発つ直前俺に一通の手紙が届けられたのである。俺はそっちが、わざわざ手紙を送ってきた理由を聞いてみることにした。俺の予想はおそらく俺の事が邪魔になっていると思ったからである。その予想はすぐに外れることは知らないでいる。

俺が王都を出てから数日が経過していて、その間に俺とシルヴァはかなりの距離を移動して魔導王国の方に向かっていたのであった。その間俺は特に問題なく進むことができていたのだ。だが俺が思っていたより早く、シルヴァには疲労の色が濃く見えるようになったのである。そこで俺とシルヴィアはこの先、魔獣がいる可能性があると判断すると俺の魔力探知機を発動させて辺りを探索していた。だが俺はこの近くには人の反応を見つけることはできなかった。ただ遠くに人が密集している場所を見つけたのである。俺はこの先に人が集まっていることは確かだと思いシルヴィアに伝えると、少し休みたいというシルヴィアの願いを了承したので俺達は近くの村で休憩を取ることにして俺はその村の人に食料などを売ってくれないかを頼もうとする。すると村人に話しかけたのだが俺を見て驚いた顔をしていたのだ。そしてその理由を聞いたのだがなんとその村人も魔道王国に向かうところだったということだったので一緒に向かう事になったのである。俺と村人と一緒の馬車に乗って向かったのであるが、この人は俺がシルヴァと二人きりになりたいと思い、俺とシルヴァだけ別の馬車に乗ったのである。そして俺とシルヴィアだけ乗った、馬での移動は、楽だったが、俺は、あまり、話すこともできず無言のまま目的地へと到着したのである。俺は、すぐに魔獣を倒してシルヴィアを連れて帰るために準備に取り掛かったのだった。俺はこの村にいる間に魔導銃について研究を重ねていた。

俺はシルヴィアに、武器がなくても、ある程度戦う事ができる魔導銃を開発しようとしていた。まずは、魔弾と呼ばれる物を作ることにした。この弾丸の中に雷の魔石を入れて発射できるようにしようと思い試行錯誤を繰り返した。そしてやっと完成することができたのだ。次に、魔石と属性を合わせたものを魔導銃のカートリッジとして使用することにより、この世界に存在するあらゆる物を分解することができるようになる、魔装を開発できたのである。そしてその二つの道具を使えば魔道具でも作ることが出来るのではないかと考え、俺は、シルヴァンに、魔道王国で必要なものを買うように頼んだのである。シルヴァンが買いに行っている間俺はこの世界に存在するありとあらゆる種類の植物や生物を研究して新たな発見をしていったのである。それから一週間が経ち、シルヴァンが戻ってきた時俺は今まででの成果をシルヴィアに見せることにしたのである。

シルヴァに今まで開発したものや新しく開発したもののことを説明し終える。そして俺はシルヴィアにある実験をする許可を求めるとシルヴァは俺に許可を与えたのだ。まず俺はシルヴィアが作った、魔法人形にこの世界で俺が見つけた毒薬を飲ませて、シルヴィアが開発した毒消しを使って、その効力を調べた。その結果、俺は、新しい毒を作ることに世界で初めて成功したのである。だがこれは、俺にとって、まだ未完成品だったのだ。この毒を作った理由は、今から俺が行おうとしていることに必要だからである。俺の実験のやり方はこうだ。俺の能力の一つである、【解析】というものを、使って今俺が解毒しようとしているこの魔石が埋め込まれている魔法人形の体の中に入ることができるのか調べることにしたのである。

俺は、この魔法人形の中に俺の作った毒を注射針を刺し注入していく。俺は自分の身体に害があるのかもしれないと思って、自分の体から、魔素を取り出し自分の体にコーティングしてさらに俺に有害な物質を感知すると自動的に魔石の中に取り込んでいくように設定した。そうすることによってこの世界にもともと存在していた有害物質のみをこの体内に吸収するようにしたのだ。これで、俺がこの毒を取り込むのは防げるだろうと思う。

俺はこの実験を始める前、魔道兵器によって強化された王をこの方法で殺すことができないかを考えていたのだ。

王城に侵入して王を殺したとしても王がいなくなったことで混乱に陥る可能性もあるのでこの方法は現実的ではないと考えたのだ。だから俺が考えた方法というのはこの魔道王国の中で一番強力な王を殺し得る力を持つ者に倒してもらうことである。そしてその者は俺がこの世界で探し出して見つけなければならないのだ。俺はこの国を出ようと計画を立てた。そして俺とシルヴィアは出発することにしたのである。俺が魔槍ランスを使いこの王都に帰ってきた時にシルヴァンが俺のことを見つけてくれるという保証がどこにもなかった。

なので俺達は急いでこの王都を離れようとして魔道王国に向かって出発したのである。俺は、王都を出た後もシルヴァン達と別れた地点よりもかなり離れた場所まで行くことができたのであった。シルヴァンとはあの日別れてから会っていない。だがあの魔道具大国はそう簡単に攻め落とされる場所でもない。俺は、あのシルヴァンなら俺が帰ってくるまでに魔道具の国を落とすことはないと信じることができたのだ。

俺はそれから、俺一人で、旅を続けていたのである。俺はまだ見ぬ仲間を求めこの世界を旅し続けた。それから半年程経過した頃、俺はある場所で俺のことを待っていたかのように一人の男と出会ったのだ。俺の前にいた男は、全身に黒装束を着ておりいかにもこの世の闇のような格好をしていた。その男の目は、黒く瞳の奥に何かを隠しているような感じでとても恐ろしい印象を与える目をしていたのだ。その男は、フードを深くかぶっており素顔を伺うことは出来なかった。だが俺はそんなことを気にもせず、そいつは俺のことを知っているという口ぶりで話し始める。「俺はお前がここにくることが分かってたんだ。俺はここで、この世界を変えようとする者が来れば分かるんだよ。それに俺と同じような能力を持っている者が現れるともね」

そしてその男は話を続けた「君には俺についてきてもらってこの世界を変えてもらいたいと思っている」と言ってきたのだ。だが俺は、その言葉に返事をすることもなく無視をしてその場を去ろうとするが「おい待てよ」と後ろから声がする。俺は立ち止まってから俺は振り返り、「断る」と言い捨てるとそのまま走り出すが一瞬で目の前に男が俺の前に現れたのだ。そして俺に剣を突きつけてきたのである。俺はそんな状況の中でも全く焦ることはなかった。なぜなら、この程度俺の敵では全くないからなのだ。そして、俺は魔槍ランスを抜き取り目の前の男に向けて放つとそのまま男は後方に吹っ飛ばされてしまう。俺はこの程度で終わるはずがないと思っていたのだが男は立ち上がりこちらの方を向いて笑いながら喋り出したのだ。「この俺様をこの距離で殺せないのは、やはり俺と同じ力を持った存在なんだな」と言うと再び剣を構えたのである。

俺はこいつが言っている意味が全く理解することができなかった。俺は確かに魔槍ランスに雷を流し込むことによって、どんなに固い鎧や皮膚を持っていてもその防御力を無視してダメージを与えることが可能になっていたが、その攻撃も避けられるし俺に致命傷を与えることはできていない。それなのにこいつも俺と同じように、この世界に来る前から魔道具を持っていたのかと考えていたのだ。だが魔道銃のことも知っているようであり俺はそいつをただただ不気味な人間だと思ったのである。するとその男は急に、構えを解く。すると俺はなぜ構えを解いたのか疑問を抱き警戒心を更に高めていつでも戦える状態を維持できるようにしておく。

するとその男は突然笑ったのだ。「まあそんな警戒するなって。今日はお前と戦いに来たわけじゃないからさ。それに俺は、お前にこの国の王に会ってほしいと思っているだけだから安心しろ。俺は、王を殺すのが目的じゃねえ。俺はただ、俺達が作り出そうとしている世界の理を変えることが目的で動いているからな。俺はこの世界を変えようとしている、この国で、この王を殺そうと考えているお前には協力してほしい。もしこの国の王と、お前が敵対するようなことになった時は、この国に味方してくれれば俺がこの国から連れ出しに行くつもりだ」とそいう言うとその男は俺から離れていったのである。

俺は、この男が何を言っていたか、全然分からなかったのだ。この世界に来て俺はずっと孤独感を感じていてこの男に会ったことによって少しは心が落ち着けるかなと思ったのだが俺の心の中は相変わらず曇ったままであるのだった。

俺はそれからまた一人ぼっちの旅を始めて、俺は王城にたどり着くことに成功するのである。王城はまるで要塞のような形をした城であるのだ。そして俺は魔道具の国にいた頃は魔道砲で城を破壊してしまえばよかったがこの魔道王国ではそういうことは流石にできないので正面から入るしかないのだ。

俺は王城の城門前まで移動したのであるがそこには見張りの騎士が立っていたのである。その騎士たちは俺に槍を向けるが特に問題はなかった。俺は槍を構えることなく歩いて近づくと、当然、騎士は不審人物と判断し攻撃を仕掛けてきたがその攻撃は全て魔弾を飛ばして破壊してあげたのである。そうするとすぐに王城の門が開かれて中にいる兵がわらわらと出てきたのである。俺は王がいる場所に通されるのだと予想したがそれは違っていてどうやら俺のことを捕まえて牢獄に入れたいようである。

俺は、抵抗することなく大人しくついていくと牢屋の檻に閉じ込められてしまったのである。そして、俺はこの国を変えるための同志になることを条件に脱獄させてもらえないか頼むことにした。その俺の言葉を聞いた、兵は驚いていたがしばらく考えて俺の提案を受け入れることを決めたようだ。俺はこの国にいる、王の弱点を聞くためにその兵の持っている魔道具に【鑑定眼】をつかうことにするとこの魔道具の魔道具名が見えたのでそれを確認してから、その魔道具を奪うと俺は魔道王国から脱出して王を暗殺するために動き始めたのだ。そして俺はこの城の内部をくまなく探していた時にこの部屋を見つけていた。その部屋には大きな扉があり俺の力で開けることができなかったのでその扉は俺の能力を使うのを諦めることにした。その大きな扉を開ける鍵は王しか持っていないと聞いているので俺はこの王城から逃げる際にこの部屋にあるであろう、王の首を取りに行くことに決めたのだ。だがこの部屋にも王はいないので別の場所にあるだろうと予測したのだ。

そうしてこの城を探索していて分かったことだが、俺を捕らえているこの牢に閉じ込めている兵隊は全員魔導人形であると気づいたのである。おそらく、俺が、ここを脱走してもこの王城は落とされないようにするためだろうと考えられるが俺はそんなこと気にしていなかった。なぜなら俺は今から、この王を始末すればいいだけなのでこの城の兵士たちなど相手にする気はないからである。

俺は王の部屋を探し回ると一つの部屋にたどり着いた。そこはこの王城内でも最も警備の厚いところであるのが見て取れる。俺は、そこに【解析】を使ってみたが俺の使える魔道具では、突破することが困難なことがすぐにわかったのである。そうすると、この魔道王国の魔道具開発の中枢を担ってそうな一人の女性が部屋の中から出て来て俺のことをじっと見つめた。その女性は全身真っ白な服を着てとても長い銀髪のストレートの髪をした美女であった。

「お前は誰だ?何の用でこの王城に侵入したのだ。返答次第ではこの女の命はないがそれでもよいのか?」

俺はその言葉に何も言わずに黙っていると俺が喋らないと判断したのか、その女は手に持っていた鞭を振りかざしその女は、その女性に対して、拷問を開始しようとしたのだ。その光景を見ていた俺の中で俺の中にあるスイッチが押されたのがわかると目の前で繰り広げられているその光景を見て我慢の限界を迎えた俺はその女に向かって雷属性の中級魔法の《雷撃》を放ちその魔法が直撃してしまうと俺は目の前の女の生死を確認してからその女を自分の腕輪の中に入れることにした。この世界にはこのような魔道兵器が多くあるため、自分の身を守るためでもあったからだ。俺は魔道兵器を壊さずに奪おうと考えた。俺はこの部屋を出る前にこの部屋を見渡すと何かこの部屋の奥の方に隠し扉があることが目に止まったのだ。俺は、そのことをこの部屋にあった魔道具で確認するとその隠された先を進もうと思い、その隠された場所に進むと、そこは巨大な倉庫のような場所であったのだ。その広い空間には数え切れないほどの大量の武具や防具が保管されていたのである。俺がその武器を手に取るとその性能のあまりの高さに俺は驚く。なぜなら全ての装備が神級ランクだったのだ。俺はこの宝物庫のような場所に入りこの中の物全てを奪い去ることにした。俺にとってはただそれだけの価値のある宝箱だったのだ。そして俺は全てアイテムボックスに入れることができた。このアイテムの中には俺にとってとても有用なものも含まれていたので俺は非常に嬉しい気持ちになっていたのである。

俺は、手に入れたばかりの神級の装備品と魔剣と聖剣を装備してみるとかなりのステータス上昇が実感できたので俺は早速その装備の効果を発動することにした。まず最初にこの魔剣について調べることにすると【叡智の書】は答えを教えてくれたのでこの魔剣に魔力を流すことで所有者の意思で斬れ味が自在に変えられるようになることがわかってしまったのだ。

次にこの神級の鎧を着てみようと俺は思ったが、これはサイズ変更のスキルが付いていたが流石に無理があるようなので普通の服のように着用するように着ることのできる神級装備が他にもあったのでそっちを着用することにした。その装備は軽さと頑丈さが両立している素晴らしい装備であることがわかったのである。この鎧は物理攻撃だけでなく様々な魔法も弾き飛ばすことができるようになっていたので非常に優秀な装備と言える。

そして俺は最後の最後に残った装備を装着すると見た目が真っ黒の鎧であり所々に銀色の線が入っておりそれが俺の戦闘スタイルと合わさるとかなり強そうに見えるのだ。この漆黒シリーズを装備すると俺は全パラメータが上昇して俺のレベルがMAXの状態になると俺は、この世界の最高レベルをも遥かに超えてしまえるのではないかと思ったのだ。そして俺はこれからの作戦を練るために王城に侵入する際に手に入れたこの国の情報を調べていた。すると俺には気になる部分があった。それは俺が今まで出会った中で見たこともないくらいに圧倒的な力の持ち主がいるということである。俺はそんな人物と戦ってみたいと思うと同時にそいつが俺の探し求めていた人物である可能性に賭けてみることにした。その俺の予想が的外れであれば俺は無駄死にするようなものだがもし、本当に俺が会いた人物ならば俺の復讐が遂げられるのだから俺にとっては願ったり叶ったりなのである。

俺はその男がいるとされる場所に向かわなければいけないと、考えた。だが、この国にいる兵士でこの国を救えるほど強い人間はいなかったので俺は、この国の王のいる場所を目指すことに決めてしまったのである。

俺の目の前には俺を捕まえようと考えている兵がいた。この国の兵士はとても優秀だと言われている。しかし、それはあくまでもこの国にいた頃の俺からの評価であって今はどうなのかと疑問を感じてしまう。

俺を拘束しようとしている兵士が三人いて、俺を取り囲むようにして立ち尽くしていたのだ。おそらく俺がこの国に来た理由を知らないのだと思われるのだが、そんなことはどうでもよかった。俺はこの国を救うために動いているわけではないのだ。俺の目的はただ、復讐を遂げることなのだから。それにこんなところで時間を費やしている場合ではないのだ。早く、王城に向かいこの国の王を倒さなければならないのだ。俺は【鑑定眼】を使ってから魔道人形であることを確かめた。この城の守りは完璧だとは思っていなかったがこの城はあまりにも堅牢すぎるのだ。そして俺にこの魔道人形たちが攻撃を仕掛けてくるとすぐにこの魔道人形たちは俺を囲み一斉に襲い掛かってきたのである。俺はそれを魔弾を使い一瞬にして破壊する。この城の兵士達の武装は一級品であるのだがこの魔道人形達はどう見ても、魔人形としか言い表しようがないものであった。俺はそれを見て少しだけ落胆したが、俺には【複製魔法】があるから、この城の兵士たちを複製してしまえば問題ないと思い、俺は、王城の警備兵を次々に倒していっていたのである。そうすることで俺が城の中に侵入できる可能性がどんどん上がっていく。

俺は王城に侵入できるだけの力を持ち合わせているが王城に侵入してしまったら王の命を奪うことは難しそうなのでできれば俺の仲間たちの力を借りて俺が王の命を奪えた方が楽だと思うのだ。俺は、この城の地下牢で俺のことを待っているだろうシルヴィアと合流するためこの城を散策し始めたのである。

俺は王城の地下の探索を続けていた。王城の探索をしている時に気が付いたことがある。この城にある、隠し通路のようなものを見つけることができたのである。この城は王都の中心部にあるためその王城は巨大な建造物として存在しており、その周りには多くの兵が配備されている。そしてその兵は王を守ることだけが使命であるためこの王城を守護する兵士の力は凄まじいのである。この城を防衛するだけで、魔道王国最強の軍隊と呼ばれるようになる程なのである。俺の仲間になったあの魔族ですらもこの城にいる兵士は一人じゃ厳しいと言っていたのだ。その城の内部にある隠し部屋は、王を守るために存在するもので、王を守りながら戦わなくてはいけないから、必然的に、王以外の者がこの城を攻略するのは難しくなるのだそうだ。俺はこの城の隠し部屋で王を暗殺しようと考えていたためその部屋にたどり着いた時はかなり驚いてしまった。

その部屋にはこの魔道具で守られた部屋には似つかわしくないほどの扉が存在していてそこには、鍵がかかっていなかったのである。俺は王の間への扉だと思い、その部屋の中に入った。部屋に入るとそこにはこの部屋の本来の目的である、王の暗殺のための魔道具などが保管されていたのだ。俺の想像していた通りで、やはりこの魔道具は王の間の扉を開けるための魔道具であったようだ。

俺は魔道王国の王のいる部屋にたどり着くことができれば王を殺すこともできると思っていたが、俺はその魔道具を使うことができなかった。なぜなら俺の持つ【強奪魔法】が【転移箱作成】や【転移箱作成】などの能力までコピーしてしまうのでその機能が備わっているこの部屋の魔道具までも手に入れようとしたのだ。

俺は【強奪魔法】の能力の使い方について詳しくなった気がした。【強奪魔法】はその魔法の対象者が持っていないスキルでも、相手の承諾さえ得られば使うことができることがわかったのだ。

そして俺が魔道王国の王にその能力を使おうとしたが魔石にその魔力を通すことができなかった。そこで俺は、【鑑定眼】で、魔石を【解析者】の力で分析し、その魔石にどのような魔方陣が施されているのか確認することができたのである。

この【転移魔法】の魔石はこの国の王族の証みたいなものである。魔石は、その魔力の性質を変えることによりどんな形に変化させることが可能になるため、俺は、この【転移魔法】の魔石で魔道具を作り出すことができるのではないかと思い、試してみると魔石は変形してしまい俺の知っている魔道具とは違うものが完成してしまったのである。俺は、その完成した魔道具を眺めてみていると【鑑定】というスキルを持っていたのを思い出したのでそれでこの魔道具を詳細に調べることを試みたのだ。

その、俺が作り上げた魔道具の名は【空間移動】といい空間を渡る魔道具である。そしてこの空間を渡り移動することのできる距離はこの空間内に限られていて空間内の好きな場所に行くことができる優れものだ。この、【魔道具生成機】を使えば俺の知識があれば魔道具を作ることが可能であり、俺の作った【魔法付与士】の職業もかなり使えると実感できた。そしてその俺は作り出すことのできる魔法について確認するために魔法を付与したらどういった結果が得られるか実験してみることにする。俺は空間内に自分の作り出した魔法を複数放ってみると俺の想像通りの効果が得られた。つまり俺が空間内に設置した複数の魔法を同時に発動することができるようになったのだ。しかもその空間には俺と俺の仲間たち以外は入れないようになっているため安全であると言えるのだ。

俺が、新しく手に入れた二つの魔道具を確認し終わった時に俺に向かって話しかけてきた人物がいたのである。その人物のステータスを確認すると、

名前:

種族:人間

性別:男

Lv:50/100

HP :4800

MP :15500

攻撃:8700

守備:5000

敏捷性:9300

精神:6000

運 :1000 スキル【身体強化LV7 魔力操作LV10 魔力探知LV5 魔力吸収 隠密 気配感知 気配隠蔽 偽装 罠解除 弓術 剣技 盾技 斧槍術 棒技 拳闘 剣術 短剣術 双剣術 大剣術 鎌 棍 槌術細剣 鞭術 投擲 杖 暗器 体術 二刀流 抜刀術 忍足 暗殺術 毒矢(小 麻痺 眠り 即死)

雷魔法 水魔法 火魔法 風魔法 土魔法 氷魔法 光魔法 闇魔法 召喚魔術(魔獣限定 幻霊)】

と表示されていたのだ。俺が見たことの無い、固有技能や希少技能を所持しており、その実力は計り知れないものだとわかった。

そしてこの男は、【転移箱】というものを使って現れたのだ。おそらくその男の狙いは、俺なのだろうと察することができてしまった。だが、【魔弾】のスキルで俺は簡単に対処することができるためそれほど問題はないのだが、俺はその男が使うであろう、固有技能とレアスキルがなんなのかを知ることができると、思っていた。そして俺の目の前にいる、俺よりも強いと言わざるを得ないこの男はその固有技能と希少スキルを使ってきた。俺を殺さないために俺と、シルヴィアを閉じ込めるために俺の視界を暗闇にしたのだ。この世界に来て初めてこの男を敵に回すことになるかもしれないと思い警戒を強めたのである。だが、それは俺の予想していた最悪の事態にはならずシルヴィアがこの暗闇の中で動き回り、目の前の男を拘束してしまった。俺の心配は無用だったようである。

それから、目の前の俺を殺しに来た男はこの国の英雄と呼ばれているようでこの国を救った勇者でもあるそうだ。この国は英雄を生み出すことを至上としているらしく俺を勧誘してきたのだ。もちろん断ったのだが俺の仲間になりたいと言ったため俺の眷属にならなくてもいいか聞くことにしたのだ。俺はこの国の英雄と言われている、こいつを殺すことで俺はようやく、シルヴィアとの再会ができると思うと早く殺してしまいたかったのだ。そして目の前の男は、それならば自分が死んでも仕方がないと言い出したのである。俺は、【神速】を使って、俺の本気を出すことにして目の前の男を葬った。この男は俺の想像以上に強く俺の仲間になってくれたほうが有益だと思ったのだ。

俺と、シルヴィアは、俺が作った空間内で話し合っていた。この空間内は外からではわからないようになっており、その外側からは、俺は見えないのだ。そのため俺たちの声も外にいる人間には一切聞こえないようになっていた。だから、俺たちは安心して会話ができたのである。

「お兄様、これからどういたしますか?」俺のことを信頼してくれているのだろう、シルヴィアはそう言ってきた。そんな、シルヴィアに俺は微笑むようにしながら、言った。「ああ、とりあえずシルと一緒にこの国から出ようかと思ってるよ。」そう、俺は、この国が許せないと思っているのだ。こんなに酷い仕打ちを受けているのは間違いなくこの王が原因だと思うからである。この国に長くいればそれだけ、俺の心は壊れていってしまう可能性があるのだ。俺はこの世界に復讐したい気持ちがあるのにも関わらず、この国には恨みしかないのである。俺はそう思いシルヴィアを誘ったのだ。

そしてシルヴィアはこの王都での生活に満足しているような発言をしていたが心の底から思ってはいないはずだ。それに、俺はシルヴィアにも話していないことがあるのだ。俺がこの世界を滅ぼそうと決意したのは、魔王が俺の元に現れてから、一ヶ月後のことなのである。それ以前までは俺は別にこの世界のことなんかに興味はなかったのだ。俺はただこの異世界での暮らしがあまりにも楽しく幸せで忘れかけていただけなのだが、あの時の光景だけは今でも忘れられないくらい強烈なものだったのだ。

あれはある夜の事である。俺と魔族の少女、サーシャはその森の中で、野宿をしていた時のことだった。突然空に大きな魔方陣が出現し、その中から人型の魔物が現れたのである。俺は魔方陣の中に魔族がいると思っていたが、その魔族は魔族ではなく、魔王と呼ばれる存在であることがわかり、俺は驚愕してしまったのだ。俺はすぐにこの場を離れなければ危険だと思い【瞬動】を使い魔方陣から出てきたそいつから逃げることができたのだ。

その、魔族の名前はガルデオンというのだそうだ。その、魔族の強さはこの世界でもかなり上位に位置するもので俺は、【超回復】のお陰もありなんとか勝つことができたのだ。しかしその時の俺は自分の実力を完全に見誤っており、俺は【鑑定】の能力を手に入れていたのだがその能力で自分の強さを確認できていなかったのである。その、【鑑定】というスキルはこの世界の全ての生き物のステータスを確認できるスキルで俺はそのスキルを使うことができるため俺は、魔族の力を知ってしまったのである。俺より、遥かに高いステータス数値を誇り、さらにレベルも高いのだ。そんな化け物に俺は勝っていた。その事に俺はその時気がついておらず魔族の強者であると勝手に思ってしまっていたのである。

俺は、【鑑定】で確認したステータスを見て、自分の今の実力を確認すると、自分の力がかなり落ち込んでいることに気づいたのである。それも、全盛期の俺の10分の1ほどにまで低下していたのだ。これはどういうことだと俺は思いながらも俺はなぜ、魔族と戦って生き残ったのかを考えていた。そして、俺には、【強奪魔法】という固有技能があることを思い出した。俺のこの、【鑑定】の技能もその固有技能の一つだと思われる。この固有技能をコピーすることができたのもこの固有技能があったからだ。そして俺は魔族の男を倒したときに、魔石を強奪したことにより【略奪者】の称号を手に入れたことによってこの【鑑定】ともう一つ【分析者】の二つの固有技能を使えるようになったのだ。その二つの固有技能は相手を倒すたびにその相手の固有スキルを奪いそれを使えるようになるというものであった。

つまり、俺の力が落ちている原因は、俺自身が弱いわけではなく、この世界で生きる者たちが強いだけで俺が弱くなってなどいないことに気がつけたわけである。それから数日後俺は魔大陸へと渡ることにしたのだ。俺は今のままの自分では決してこの世界で生き抜くことができないと確信してしまったためである。そして俺は魔族領へと足を運んだのだ。そして魔族領の近くにある町に着いた時に、一人の少年と出会うことになる。その子供を見たとき俺は衝撃を受けたのだ。俺はその子供を一目見て自分とそっくりだということを感じてしまったのである。髪の色や目の色が違うだけのほとんど俺と瓜二つな顔立ちをしているのだ。

俺はそんな子供の顔をじっくりと見ているとその子が急に俺の顔を見ながら話しかけてきたのだ。俺はその子の目を見ると、そこには悲しみがこもっているような瞳をしており俺に対して助けを求めるような視線を送ってきていることが伝わってきたのである。俺がその子に向かって、大丈夫だよ、と言って頭を撫でてあげようと近づいた時だった。

俺に向かって、攻撃魔法が迫ってきたのである。それは魔道砲と呼ばれていて魔族でもなかなか使える者はいなくて威力の高い攻撃であった。そして俺は魔族のその攻撃が自分に届く寸前に俺は【神速】を使い回避することに成功をしたのだ。しかし完全には避けることができず少し掠ってしまっていてダメージを受けてしまっていた。その攻撃を受けた場所は腕だったため、俺にとってはそこまで痛手ではなかったのだが問題はその後の出来事である。その魔導士は俺を攻撃したことを後悔していたようで、謝罪をし、自分が持っている魔道具をあげるから仲間に入れてくれと俺に迫ってきたのである。俺は魔道具なんて特に必要なかったのでその申し出を断ったのだがその魔道具はかなりの高性能らしくその魔道具を持っている人間は大抵のことはできて、どんな魔法も使うことができるほどの効果を持つものだった。だから俺も断り切れずに、魔族に俺の仲間になることを条件に、その魔道兵器を手に入れることとなったのだ。そして俺が【超回復】のおかげで回復するのを待つ間、魔族のその少年を俺の家に連れていき話をすることにした。

「君の名前を聞いてもいいかな? 俺の名前はリクっていうんだ。よろしくね」

俺がその子にそう聞くと、男の子は恥ずかしがるように下を向きながら言った。

「僕の名は、ルシウス。ルシアの双子の弟なんだ。それで僕に何の用があってきたのですか?」と、その少年は聞いてきたのだ。俺はこの子から何かを感じたので、その言葉を無視して【解析者】を発動させてステータスを確認しようとしたら俺はその男の子の本当の姿を見てしまい驚愕してしまう。俺がその少年が発している気配に違和感を覚えた理由は、目の前のこの子が、人間じゃなかったからなのである。俺が驚いていると俺が何を考えているのかわかっているのか説明をしてくれたのである。それによるとその、ルシアと言う女の子はどうもハーフだったようだ。その少女は母親が魔族であり父親が人間のようだった。だが、どう見ても見た目は人と変わらなかったらしいのだが。そのせいなのか母親は殺されてしまい目の前にいる双子も魔族の国に行くことになったようだった。その魔族たちはその少女をまるで奴隷かのように扱っていたらしくそのせいか彼女は精神が崩壊してしまっているようで常に泣き続けている状態なのだ。そして俺が気になったのはこの子の魔力と生命力である。明らかに常人の数倍もの量がこの子に存在していたのだ。そしてこの少女には魔眼があるようなのだ。それはこの少女の父親に関係していると思う。だが、それよりも問題なのは母親の種族が悪魔であることと、その少女には膨大な量の謎としか思えない程の魔力が存在していたのである。そしてその謎の中に、魔王と同じような雰囲気が感じられたので俺はこの子が魔王ではないかと思っている。もし、本当にこの子供が魔王だとするとこの魔族はおそらくこの魔王を守る守護者的な存在だと思われるが、魔王は、どこに行ったのか全くわからなくなってしまったのだ。俺の仲間になっていたはずの魔族の女が俺を裏切り殺そうとしてきた時に魔王が突然現れその魔族を殺したのである。俺は魔王がどこかで生きているのではと考えているが未だにその姿を見つけることができなかったのだ。そしてそんなことを考えているうちに目の前のその子のことが気になってきてしまって仕方がなかった。

「君はどうして泣いていたんだい? それに君のその、目からは強い意思を感じるよ」俺はそう言って目の前の少年に問いかける。

その少年は一瞬、躊躇したが口を開いてくれた。

「あなたはなぜそんなに強いんですか? 僕は強くなりたいです!だからどうか、僕を強くしてはくださいませんか?」そう言い頭を下げてくるその子は必死さを感じさせる様子をしていた。俺はこの子を救おうと思い、俺はこの少年を弟子として育てることにしたのである。

この世界には、俺と瓜二つの顔のこの世界の勇者とこの子のように俺に似ている人がたくさん存在しているのだと思ったのだ。そのため俺はこの世界の人たちを救う為に、まずは俺に似てしまっているこの子達を助けていこうと思っている。俺はこの子たちには俺と同じように幸せになって欲しいと心の底から願っている。なぜならこの世界の人々を見ていく内に俺は俺の世界にいた人達と重ね合わせてしまっり、どうしても見捨てられなくなっていってしまったのだ。それに、こんな酷い目にあっているのはこの国の王がこの世界を統治しているからなのだと思う。

俺に似たこの子は、とても良い目をしていたのだ。この世界に希望を持っており、俺のことを尊敬してくれているのだ。俺に少しでも恩返しがしたいとも思っていて、そのために俺はその子供に剣術を教え、魔法の扱い方を伝授したのである。そして俺はその子と一緒に旅をすることに決めたのだ。そして俺のその子供には名前をつけてあげた。そして俺の事をお父さんと言ってくれるこの子に、俺も親のような気持ちを抱くようになっていたのだ。俺はまだ20歳なのにこの子はもう11歳で俺の外見年齢と同じくらいなので俺はついついこの子を実の子供の様に接してしまうようになってしまっていた。

この子の名前は俺から名前をもらったものだそうだ。この子の名前はアルフと言い、この魔族の国が魔帝国と呼ばれるようになり始めたのは、約1000年前の話らしいのだ。その1000年の間に色々な事があったみたいで、俺もその話を聞いたのだ。その時俺は、魔王が倒されたという話を聞き俺は少しだけ驚いたのだ。この話を知っているということはこの国はそれなりに栄えており裕福な国である可能性が高いからだ。

そして、その魔王はこの世界で最強に近い存在で、その圧倒的な強さと冷酷な性格のため魔帝と呼ばれているのである。そしてその娘で最強の魔法戦士で天才と呼ばれたのが俺と似ているルアという子だそうなのだ。

そして俺は今、その魔帝国の魔城に来てこの子の母親に会いに来ていたのである。そして俺はこの部屋に入りその子の顔を見て俺は驚愕してしまったのだ。俺はその子を見た時、俺が前世で好きだったアニメの登場人物にこの子そっくりだったからである。その女の子の名はクロミという名前で俺はその名前をみて思わず叫んでしまった。俺が大好きな声優さんの苗字に似ていたのだ。だから、その女の子の名前を呼んでしまったのだが、まさか本当に俺の声に反応して起きてくれるとは思いもしなかったのだ。俺の声は結構低い声で女の子としては少し変な声だったので俺の事に気づいてくれなくて当然だと思い込んでいたからだ。だけど、その子は確かに俺の方を向いて、俺と目が合ったのである。その少女の目を見た時に俺は吸い込まれそうな感覚を覚えてしまうほどの美しさと可愛らしさを併せ持った瞳を持っていたのだ。俺がその少女に見惚れていたらその子はすぐに眠ってしまい目を覚まさなかったのである。だから今は俺は仕方なくその子が目をさますまで待っているのであった。

そして、しばらく経つと俺の肩に手が置かれる。そしてその手が徐々に上に上がってくるのが分かった。俺は振り向くとその手の主は魔族の少女ルシアが微笑みながら立っていた。

「お父様、ご機嫌はいかがでしょうか?」

その魔族の少女ルシアがそう聞いてきてきたのだが、その瞳の中には不安と焦燥の念が混じっているのが見て取れるため、俺が今どう思っているのか察してくれていて気遣ってくれているようだった。

「ルシアは相変わらず綺麗だね」

俺がそんな言葉を呟くと彼女は頬を赤らめて「ありがとうございます」と言った。

俺が今からこの子の母親に会うことをルシアは知っているのである。

そしてこの子の父親にも俺は会うことになっている。

そして俺達はその魔族の女についていくと一つの大きな扉の前にたどり着く。その女はその巨大なドアを開けると中に入って行ったので俺達も続いて入っていくとそこには玉座に一人の魔族の女とこの部屋の主であるこの魔帝国の皇帝がいたのである。そしてこの部屋の中の様子があまりにも殺風景なことから俺は少し嫌な予感がしていたのであった。俺が部屋に入った途端、皇帝の視線と殺気がこちらに向けられた。

俺達がその魔族の部屋に入るとすぐに俺の体は動き出そうとする。俺に攻撃を仕掛けようとしたのだ。その攻撃を防ぐために俺が結界を発動させ防いだのだがそれが失敗であったと俺は思ったのだ。なぜならその一撃を俺は防御できなかったからであり、それはその一撃が俺を殺すことに特化した技であった為である。そして俺は俺と同じ容姿をしたその子を見つめるとその子もまたその俺とよく似た容姿をしているこの魔族の娘を俺と同じような感情を宿した目をしながら見ていたのである。そしてこの俺の目の前にいる魔族が俺に言ってきたのである。

「私の夫になる方を殺してしまいましたね。私は貴方を必ず殺して見せましょう。私を裏切ったあの憎い人間に、復讐をしなくてはいけないのです。この手で奴を殺してやります。覚悟しておくといいですよ、リク」と言って笑ったのだった。俺はその魔族の女に俺は話しかけようとした時に、俺に向かってその子が斬りかかろうとした。その攻撃は今まで戦った相手の中でもトップクラスの強さを持っていて俺も苦戦してしまいなんとか倒せたが、この子が本気を出していたら俺は負けていたかもしれないと思うほど強かったのだ。俺の【全耐性】がなければ危なかった。

だが俺がその少女を殺そうとした時その子の後ろにいつの間にか現れた黒い髪と黒目の美しい少女が現れたのだ。その子は、魔族であるにも関わらずとても美しく俺にはまるで妖精のように見えた。そんな彼女の目つきは鋭く、まるで獲物を狙う鷹のようであったのだ。その目を見た時に俺の背筋が凍る感じを覚えたがなぜかこの子から恐怖を感じることはなかったのだ。俺はそんな不思議な雰囲気を放つ彼女に興味を持ったのである。しかし俺は彼女に警戒心をあらわにしてその魔族を殺そうとするがそれを邪魔するように先程まで気配すら無かったその魔族の妻と名乗る女の子が目の前に現れ俺がその子を斬りつけるのを妨害して来て俺はその子の攻撃をよけるしかできなくなってしまうのである。その魔族の妻だという女の子の攻撃を俺が避け続けている間にも、その子の父親と思われる男が現れて俺に対して殺そうとしてきたが、魔族は俺を放置していてこの2人が俺を攻撃している間に俺の大切な人達を殺そうとしていたため俺もこの2人を殺そうとしたのだ。

そして俺はその子達に一瞬だけ隙が出来たのでその子達を倒すことに成功する。

だが、その子達を倒し終えた時に、俺の周りには既に俺に襲いかかろうとしている者達でいっぱいだった。

だが、その俺に襲いかかってくる者達も全て倒すことができた。だが、この部屋の中にあった隠し通路のようなものを見つけたのだがその奥には強力な魔獣の群れがいたのだ。俺はその群れを倒していき、ついにこの城の最上階に到達した。そしてこの部屋の奥にいたのは俺と顔が似ている男の子と魔眼を持っている女の子が一緒にいたのである。その子達の目は、俺を敵と見ているようなそんな目をしていたのだ。その女の子は、とても強い殺意を放っており、俺がその子を見るだけで鳥肌が立ち震えそうになってしまうほどだった。その魔族の男は俺を見るといきなり「お前は誰だ?」と言い、そして俺の顔と名前を言い当てた。俺は驚きこの魔族の男がなぜこの世界の人間の俺の顔や名前を知っているのかと不審に思うのである。そしてこの男の言っている言葉から、この世界には、前の世界の記憶が残っている人が俺の他にいることがわかった。

そしてこの男の俺に対する言動からもこの魔族の男が、他の俺に似た人達と関わりがあるということが予想できたのである。この魔帝国のこの子の母親とこの子達以外の人達は恐らくこの男によって何かしらされてしまっているのではないかと考えるのであった。

俺にそっくりで俺よりも強そうなその男からは尋常ではない強さを感じるのだが、その男は何故か怯えてもいるように感じる。その魔族には何かを恐れている様子がありその恐れていることは俺とは全く違う別の何かである事が伺えるのだ。だから、俺は魔帝国にいるこの子たち以外に俺と顔が似ている人を探して、この世界に俺に似ている人物が何人いるのかを知りたいと思い始めたのだ。その俺の事をよく知る魔族の女から聞けば教えてくれるはずだ。そしてこの俺と似ている人物とこの世界を侵略してきている元魔王軍がどう関係あるのかを知るためにも、俺は早くここから出て行ってこの子達を安全な場所まで送り届ける必要があると思ったのである。だから俺はその子達がこれ以上俺と戦うのをやめてくれたらと俺はそう願っていた。だからこの子を戦いで殺したくはなかった。この子は優しい良い心の持ち主である事がよくわかるのだ。それに俺の大事な仲間でもあるシルヴィア達を傷つけたくなかったのだ。

俺は、この部屋の中にあった大きな扉を開くとそこに見えた景色は真っ白な世界でその世界で俺はその魔族と戦おうとしていた。そして魔族の男は、魔剣を振り回してくるのである。俺はその魔族の斬撃をよけながら、魔帝と呼ばれる魔族の女の方をチラッと見るとその子の姿は見えなくなっていたのだ。この子の父親の方は俺の目の前で魔剣をふるって来ているのでそちらに意識を向けると俺は魔帝に後ろをとられてしまう。俺は背中に衝撃を受けると、俺の体はそのまま地面に衝突して倒れてしまう。俺はその魔帝と魔眼を持った少女の方を見てみるとその少女の手には禍々しいほどの力を放つ武器を持っていたのである。俺は咄嵯に身を転がすようにして避ける。

その少女の魔剣は俺がいたところに刺さり俺の動きを止めてしまった。その魔族の女の子はニヤリと笑った後、そのままその少女は消えてしまい俺は背後から強烈な一撃を食らってしまったのである。だが俺はその瞬間【転移魔法】を使いこの部屋から脱出した。

俺は魔族の夫婦から逃げる際に、この部屋に隠し扉があるのを発見してその扉の中に入るとそこには階段があったのだ。その螺旋状になっている階段を下るとそこには地下に繋がる空間が存在していたので、そこから出ると俺はまたその部屋の扉を開けると今度はそこはとても広い場所になっていたのだ。そこは闘技場のような形をしており、観客席には魔族達が座っていてそこにはあの俺の顔をした女の子の父親と母親の姿が確認出来たのである。俺のことを睨んでいる。そしてその二人がいる席に一人の魔族が現れたのだ。

その現れた魔族はこの城にいるあの俺と顔の似ている魔族の父親だった。彼は魔族語で何かを言うと魔族の男女は立ち上がると魔族の男女が俺を囲うようにして立ち、俺は逃げ道を失ったのである。魔族の少女と母親の方が先に動き出して攻撃を仕掛けてくる。俺はこの少女の攻撃を受け止めようとするが、あまりの力に俺の腕が壊れそうになるが俺は耐え抜く。この少女の攻撃が一旦止むとその隙を狙って俺の魔剣が少女に向かって行く。その魔剣は確実にこの少女に届いていたのだがこの少女に当たる前に、俺の前に突如魔族が現れると、この少女の魔剣をその自分の魔剣で受け止めていたのである。そしてこの少女と魔族の少女の二人が鍔迫り合いを始めると、この二人の力が均衡しているためなのかなかなか攻撃ができないのであった。そして少女が一度後方に下がりもう一度突っ込んできて少女の持っている魔剣の一撃が来るのを察知した俺は【魔力吸収】を使うが、それでもまだその威力を吸収しきることが出来ずに吹き飛ばされたのだ。俺が吹き飛んだ先には俺の事を待っていたかのように先程の女の子の父親が現れていて俺は腹に強い蹴りを入れられた。すると俺のおなかの骨は簡単に砕け散ってしまうが俺は回復を瞬時に使い傷を塞ぐのと同時にこの女の子を倒そうと俺が動こうとすると女の子のお父さんが目の前に現れており拳が俺の顔を捉えると俺は血を吹き出してしまう。そして俺は地面へ叩きつけられるとそこで女の子ともう一人の魔族の女の子が現れ、俺を殺そうと攻撃を仕掛けてきたのである。俺はその攻撃をギリギリ避けたのだが女の子の一人が持っていた槍の先端の部分が俺の体を貫いたのだった。俺は、体に穴を開けられて動けなくなってしまったが何とか俺は立ち上がりこの少女を殺す事にする。俺がその子を斬り殺すと魔族の娘達は消えたのだがその直後、この魔帝の子供が突然現れて、魔剣を振り下ろして来たので俺はなんとかそれを防御する事が出来たがこの子供の強さは凄まじかったのである。俺はその子供を魔刀で斬りつけたのであるが俺の刃は弾かれてしまい、俺も反撃されたのだ。俺はその攻撃を防ぐのに全力を出してしまったためかこの少女は俺に攻撃の隙を与えてくれず防戦一方となってしまった。

だが、俺には【自動回避】があるのと魔剣の能力のおかげで、なんとかこの攻撃も捌いていくことが出来ている。そして魔帝の少女から繰り出されるこの連続攻撃が終わると少女は自分の魔剣に力を集中させ始めると次第にそれは強くなっていくのであった。俺はその様子を見つめていたが、これは俺にとってチャンスだと思いその少女を倒そうとすると俺が動くより速く俺が攻撃を繰り出していた。俺がその攻撃を受けた後に魔剣を見ると魔帝の少女の握っている魔剣が少しだけ変わっていたのである。その魔族の女性が変化した魔剣を見てみると、魔族の女性と全く同じ姿をしていたのだ。つまり今俺を攻撃したのはこの子の本体であり俺はそれにやられたということなのだ。俺は、俺をこんな状態にしてくれた女の子を殺そうとしたがその子はいつの間にかいなくなっていて俺は周りを探そうと思い立ち上がった瞬間俺の周りを取り囲んでいる無数の影から攻撃が来た。俺はそれを避け続けると今度は上空に気配を感じたので俺は上を見たのだ。だが、そこには俺を攻撃する者は存在せずただ天井があるだけだったのだ。だがその時俺は、俺の後ろに魔族が現れて俺の首筋に向けて手を伸ばしてきていた。俺が反応し避けようとした時に既に遅く俺は首を掴まれて、持ち上げられると壁に押し付けられ身動きが取れなくなってしまう。そしてこの魔族は俺に対してこう言ったのだ。「お前は一体何者だ?」その問いに俺が答えるはずもなく俺が無言のままいると俺の体に変化が起こったのである。なんと俺の体がどんどんと魔族の姿になり始め最終的には俺は魔人の姿になってしまったのである。俺はこの変化に対して何もできずされるがままになっていた。そして、この魔族の女は俺を見て「まさか、貴様は本当に人間じゃないのか?」と言い放ってきた。俺はそれに答えずにいたが、魔族の女はその質問に返答がないにも関わらずに続けたのである。

俺はその魔族の女の言葉に俺は疑問を抱くことになる。なぜ、俺の姿を見て人間がこの姿になることを知っているのかと、この女はいったいなんでこの世界の人間のことをそこまで知っているのかと俺は不思議で仕方なかった。

そして魔族の女の方に視線を向けてみると魔族の女の瞳には見覚えがあるのだ。この魔族の女のその魔眼の能力は恐らく相手の嘘がわかって本当かどうかわかる能力だろうと思っている。俺はそのことを思い出してこの女の目を直視したのだ。俺の予想通り魔族の女の目には魔族特有の魔眼があった。俺は魔族の女をこの部屋の中で戦っていた魔帝の娘達と同じ魔眼だと認識すると、この魔族達の魔眼の能力について考えたのである。

この魔族達の正体が何なのかがわかった俺はこの者達はおそらく元魔王軍の幹部クラスの者達だということが確信を持てたのだ。

この魔族の女が魔族の女の子の父親と母親がこの女によってどんな事をされたのかを俺は推測して、俺はすぐに【神速】を発動させた。

【アイテムボックス】の中にあった俺の装備を全て装着していくと、その俺の変化を見て俺を殺し損ねたことを理解した魔族の女性だったがもうすでに遅すぎると俺は思うのである。なぜなら俺にはこの【魔眼解放】があり、更に【神速】があるのだから魔族が何かしらの行動を起こす前に俺は魔族の女性を倒し終える事ができ、そして魔族の男を俺の魔剣で一突きにして終わらせたのであった。俺は【収納魔法】を使ってそこに魔族の夫婦と女の子の両親の遺体を全て入れた。そして俺の姿が元に戻るとこの魔帝の子供の父親の姿がなくなっていた。その魔族の姿を確認すると俺は急いでこの部屋の外に出て行った。

俺の視界には、この城の外にいた俺に似ている顔つきをしている男が、あの女の子とあの男の両親が殺されてしまった現場を見て悲鳴をあげておりその男の元へ向かおうとした時、突如この城の入口の方角に巨大な魔力を感じると俺に似た容姿の男に襲い掛かろうとしている女の子がいたのである。俺はその子に向かって走り出すと女の子と魔族の男の子と魔族の女がいるところに到着すると、その女の子を俺が抑えていると魔族の少年がその父親と思われる魔族の男女の亡骸を【空間魔法】でどこか別の場所に移動させていたのである。そして、その魔族の男女の遺体をどこかに連れて行き戻ってくると今度はその女の子を連れて何処かに行ってしまったのだった。

俺はその後、女の子と魔族と一緒に俺が倒した女の子の父親に魔剣で斬られていた子が起き上がり俺の傍に駆け寄ってきていた。その魔族がいうには女の子は、あの子が連れて行ってしまったというので、そのことについて俺に何か聞いてきたのだ。俺がそのことに関してその少女が何か関係あるのかと思ったが俺も知らないので分からないと答えると、その魔族は何か考え事をし始めるとこの魔族は魔族の女の子に名前を聞かれたので名前を言うとその子は俺に近づいてきて「シルビアです!お兄ちゃんが助けてくれたんですよね?ありがとうございます!」と言ってくれた。俺はその魔族の娘が無事な事がわかり嬉しかったが俺の事をなぜかお姉ちゃんと呼ぶようになっていた。そしてその魔族の女の子が俺に抱き着いてきた時にその女の子から俺の持っているのと同じような白い綺麗な花を手渡されてしまい俺がその事に疑問を感じてどうしてこれを渡してきたのかというと、俺はシルビリアを守れませんでした。なので、私の事はどうなってもいいので妹だけは許して欲しいと言われたのだ。

だが、この俺と似た顔の魔族が俺のことを「我が主」などと呼んでくる。正直に言うとこの俺に似すぎていて気持ち悪いと思っていた。俺はこの俺にそっくりな魔族を魔刀で切り捨てようとした時に俺にその娘が近寄りこう告げたのだ。

「私は魔族でこの世界を滅ぼすための兵器として生まれた。私の名前はルリと言う。どうかあなたの力でこの魔帝国を滅ぼして欲しい」と。俺はその言葉を聞いて驚いたがこの魔族が言っていることが理解できなかったのである。この魔族の少女の言葉を俺は信じようとは思わなかった。何故ならその言葉を発していた魔族の少女は、俺の方を真剣に見つめているその目は真っ直ぐ俺を見ており俺を信頼してくれていると俺にも伝わってくるほどだった。そんな俺の事を俺と似ている顔の魔族は微笑んでいた。俺は、自分の目の前にいる少女のことがとても気になったが俺はその少女を斬ろうとしたのだ。するとその少女は自分が死んでしまえばその女の子を助けてくれるかもしれないと思いその少女は俺の攻撃を受ける。だが俺が思っていた通りにその女の子を助けることは出来なかったのである。そしてその少女は死に行く間際にこういったのである。

「レイ君ごめんなさい、でもこの国を滅ぼせる力を持った貴方ならば救えるはずだから、どうか、妹をよろしくお願いします」その少女の言葉を最後に魔族の少女は息絶える。俺はこの魔族の娘を弔おうと【神光魔法】を使った。その光が消えると同時に俺は【自動再生】が働き傷が完全に癒えたのだ。

俺には、なぜ俺に似ていた少女がこんなことになったのかが全く分からなかったのである。だがこの魔族の少女は何かを伝えようとしているのではないかと俺は思った。俺は俺に似ていて魔族なのに俺を信じるその魔族の少女の目をもう一度見た時に俺はその魔族の少女を生き返らせたいと願うと俺の手には、先程まで俺をこの魔族の城から追い払っていた少女が現れたのであった。俺は、なぜこのような事ができるのかは全くわからない。だが、俺にできる事があるのではないかと思って、この魔族の少女の体を俺の体で抱きしめたのである。

すると俺が抱きしめた途端にこの俺の体に抱きついてきていた魔族の女の子は意識を取り戻すと、「あっ、あー!!︎」といって喜んでいるのである。俺はこの魔族の女の子に話しかけようとしたら俺の体の中に入った魔族の女の子に突然押し倒されて、キスされたのだ。しかもこの魔族の女の子は、俺が俺に似ていると思っている魔族の少女よりも積極的であり俺はされるがままになってしまった。そしてその魔族の女の子の唇が離れていくのが名残惜しかったのである。

俺はこの女の子に「一体なんなんだ君は?」と尋ねたのだ。

すると俺の体の中にいる魔族の女の子は俺の問いに対して「わたしはあなたのまぞくとしてつくられたのです!おねがいです、どうかこのくにをおほろぼしてくださったまえ!」と言って再び俺の唇を奪うのだった。俺はこの子のこの必死さに違和感を覚えたのである。まるでこの国の人たちが俺と同じような境遇で生きているようにしか感じ取れなかったのであった。そして俺は俺の体が勝手に動き始めると俺にキスをしていた魔族の女の子が驚きと困惑が入り混じった表情をしながらこの魔族の女の子は泣きながら俺の胸元で謝っているのである。その行動を見た俺は、俺はこの女の子を守りたいと思ったのだ。この魔族の少女と魔族の女の子が同一人物ではないと俺は思い始めたのである。

この魔族の女の子と魔族の女の子が同一だとするならこの少女はなぜこんな事をいうのだろうと。俺には、この魔族の少女が何者なのかがわからなかった。そして俺は、俺と瓜二つの魔族の青年に「お前はこの魔族の娘のことを知っていないのか?」と聞いたのだがこの魔族の青年が知っている様子はなくただ俺の質問を聞いた瞬間に目を見開き俺の顔を見て驚いていたのだ。その態度からして俺とこの女の子に関係のある魔族の青年だとはわかるが、その魔族の女の子とどのような関係を持っている魔族の青年なのかが全く見当がつかなかった。

俺は、この女の子と俺が似ていると思っている俺によく似たこの青年は何かを知っているに違いないと思うので【解析眼】を発動させた。

するとこの女の子は俺と魔族の少女が一緒に作った魔族だという事が分かったのである。そして俺と魔族の女の子が作り出すことができた魔族であるとこの魔族が教えてくれたのだ。俺の魔剣は、俺とシルヴィアをこの世界に来る前の時間に戻ることのできる能力が宿っていて、俺は俺自身の肉体でその魔剣の刃の部分を使い俺とシルヴィアに斬りかかった。そしてこの魔剣の能力が発動された。俺は、自分の剣技を【完全模倣】した魔剣で攻撃された時だけ元の世界での記憶を戻されるというものだ。そしてその俺の【絶対防御領域】によって俺の【全反撃(フルカウンター)】の力が解放される。俺自身で【絶剣 天衣無縫】の力を開放させる。俺が、魔族の男の子が持っていた俺に似た魔族の女の子が作ったであろう武器を【アイテムボックス】に入れるとその俺に似すぎたこの魔族の青年の首を切断しようとしたときに魔族の女の子に抱きつかれて邪魔をされそうになったが俺が【空間転移魔法】で別の場所に移動させて殺そうとした。そして俺は、魔族の男の方に視線を向けるとその魔族の男は魔族の女の子の両親の遺体と共にこの城の地下へと連れて行かれる姿が見えたのである。俺はその光景を見て怒りが湧き上がってきた。そして俺にそっくりなその魔族の男の頭を握り潰すとそのまま魔族の女の子の方を向き「君を必ず守ってみせるから」というと「私のためにありがとう。私のことは気にしなくていいです!この国は滅ぶべきだと思います!そして私は、貴方の役に立てればそれで満足です」と言って俺に向かって飛び込んで来たのだ。

そして魔族の女の子が俺に口付けをしようとしてきた。俺は、そんな俺に似ている魔族の女の子の事が愛しくて仕方がなく俺の唇が奪われても俺のこの体の持ち主の気持ちを俺は受け入れたのだった。この魔族の少女の俺にキスをする姿はとても幸せそうにしていた。そしてこの魔族の女の子に名前を聞こうとすると、なぜか俺は魔族の女の子の名前を知っていたのである。この魔族の女の子は、自分が何者で何をしているのかを覚えていなかった。俺はこの魔族の女の子を救い出したいと願うと、俺と俺の体の中にある魔剣の力を使う事で魔族の女の子を俺に似せた状態で生き返らせる事に成功したのである。

すると俺の体に俺の体に抱きついてきた女の子に俺の体にキスをしている時に魔族の女の子の体が光り輝きだしてこの場にいる全員は目を瞑った。

俺は俺に似ているこの男に「どうして君がこんなことを?」と言うと、この魔族の男は魔族の女の子に「僕は僕の為に動くよ。僕の目的を成し遂げるためにね。だから君に協力してあげているんじゃないか!」と言って俺に殴りかかってきた。俺はこの魔族の男がどうしてこの様な事をするかを俺は理解できないが俺に殴りかかるこの男の動きを止める為に、【結界】を張り動けなくした。

この魔族の男はこの俺の作り出した見えない壁に閉じ込められていて、身動きが取れなくなっていた。俺はこの男にどうして俺のこの体を奪ったのかを尋ねた。すると俺に俺と似ている魔族のこの男の口からとんでもないことが告げられたのである。それは、この魔族の国をこの魔族の国を支配する魔帝を倒すことで魔帝国を滅ぼすということが、この魔族の国にいた者達に伝えられたという。その言葉を伝えた者は、俺に似ている魔族のこの国の魔帝の実の娘だったという。だがこの娘はもう既に死んでおりその体は腐っていたらしい。

俺達は魔帝国の魔族と話し合いをすることになりこの魔族が治める街に向かうとそこには魔族の死体が山のように転がっていたのである。そしてこの街に住んでいた魔族は全て殺されていたのである。俺は俺によく似た魔族のこの男から魔剣を受け取ると魔族の王がいる城へと向かうのであった。そして城に到着すると城の中は静かであり俺は城の中に入ろうとしたが俺は城に張られている特殊な結界に弾かれてしまったのだ。俺はその結界を解こうとした時に俺は俺に似ているこの魔族の男の方を見ると、俺と瓜二つのこの男は俺に「どうやらこの城には入れないみたいだね。でも君によく似たあの子はこの城の地下で捕まっているはずなんだ。君にお願いしても良いかな?」と言いながらその魔族の男はこの城を指差し、その魔族の男は城に向かって歩き出していったのであった。

俺によく似たこの魔族の男はこの魔族の国にある魔族の王の城に入り地下へと向かったのである。

俺は、この俺によく似ているこの魔族の男の言うとおり、魔族の国の城に入り魔族の王の城の地下へ降りようとしたら俺はこの魔族の国に侵入できる人間ではないらしく俺は弾かれたのだ。俺がこの魔族の国の城に入ろうとしても入れず途方に暮れていた。俺はこの俺によく似たこの魔族の男とシルヴィアが俺に似ている魔族の女の所に行くためにこの魔族の王が治めているこの国の地下に潜る為の方法を考えなければならなかった。俺は、俺に似たこの魔族の男がこの城に入っていった時にこの城から魔族の気配を感じることができなかったのである。俺はこの城の周辺をくまなく探索することにした。俺は魔族達の死骸を見て回っていたのだ。そしてそこで俺はあるものを発見した。それはこの国の魔族と思しき魔族の骸だった。

その魔族は、この国の住人に魔剣を突き立てられ絶命していて、魔石だけが取り残されていたのだ。

俺は魔族達が死んでいることに驚き、すぐにシルビィに確認したのだけれど俺とシルビのお母さんだった魔族とお父さんである人が倒したというので俺はとりあえず納得をした。俺の知っているこの世界ではこのような魔族と魔族との戦いが起きないはずだったからだ。この世界に来たばかりの頃も俺の知っている知識が通用しなかったのは確かである。俺は俺にそっくりなこの俺の体にこの俺が持っている剣と同じ剣を使えるこの魔族の女を俺は気に入っていた。この魔族の女の子とこの魔族の女の子の体を借りて俺が俺にそっくりな魔族の男と話をしていた。

俺は、この女の子から名前を聞き出そうとしたら魔族の女の子から、俺はこの魔族の女の子から【アネシア】という名前を教えてくれたのだ。

俺はこの魔族の女の子からその名前を聞いて「アネーちゃんでいい?」と言うと、アネシアが俺に「私を好きにしていいですよ。お好きな様にお呼びください。レイさんに私は命を救われました。私にできる事ならなんでもします。」と俺に言ってきたのである。俺はその言葉に驚いたが、アネシアにどうして俺の命を救ったのかを聞くと「貴方に似ていたこの子を見て貴方を思い出したから」と言ったので俺は俺に似ているその魔族の男の魂がアネーの体に入っているのだろうと俺は思う。それにしても俺に似ていても性格は真逆のようだが俺の知る限りこんな奴はいない。俺は魔族の女の子から「君の名前と性別を俺の体を返す前に教えてくれないか?君の名前が知りたいんだ。それと君はどうしてその男の身体を借りているのだい?俺とシルヴィアはこの魔族の国に用があるんだけどその男にはこの国にいない方がいい。だから早く元いた場所に帰りなよ」と俺がこの男に言い放つとこの男は、「ははははっは、君の事は調べさせてもらった。君は異世界から来たそうだね。だから僕には何もわからないんだよ。それに僕の名は【リリス】というんだよ」と答えたので俺はその言葉を信じずに魔剣を構えた。俺がその男を斬ろうとするのと同時に俺に斬りかかろうとしてきて、【絶剣 天衣無縫】の能力が解放され、【絶対防御領域】の力で攻撃を無効化するのである。

そして俺はこの俺にそっくりなリリスと名乗った魔族の女の子を俺自身の剣で首を跳ねたのであった。そして魔族の男の子を俺は殺した。

俺は魔族の女の子を殺したので急いでシルヴィアの元に戻ろうとしていたが、その途中で俺によく似た魔族の男の子が殺されたことに腹を立てた俺は俺の体の持ち主の男の子の体を使ってこの俺自身を殺そうとしてきたのである。

この男の子の俺によく似た男の子は魔剣を持っていた。俺にその魔剣を向けたが俺はその魔剣の刀身が砕け散ったのを見てこの魔族の少年を俺自身が殺そうとしたが俺は俺が使っている魔剣の力を発動させるのをやめて魔族の女の子の体に傷を付けないように優しく抱き上げて城に向かったのだった。

俺が魔族の女の子に俺に似ているこの魔族の少年の体を奪い取り殺してやると脅すとその魔族の女の子の体が光だし光が収まるとそこには俺によく似た俺によく似ているこの男の体を持った俺の体の中からこの男の意識は消えておりこの俺の姿と瓜二つの魔族の女の子の体があった。俺はこの女の子を城の地下牢へと連れていった。

この魔族の女の子の名前は【アネラ】という名前で、この国の地下にいる俺のこの世界に転生してくる原因を作ったあの男にこの女の子の事を聞かなければならない。

このアネリは、この国の女王であり、あの男が魔族を皆殺しにするように仕向けた張本人だと言っていたのである。

俺は俺がこの体に宿ってからずっとこの女の子に抱かれながら眠りについた。俺もこの俺がこの体に入ってからの数日間は疲れ切っていた。だから少し眠ることにしたのである。そして目が覚めると目の前にこの魔族の王様の娘である俺に似たこの魔族の女の子の裸の姿を見て俺は顔を赤くしながらこの子を起こさぬようにベッドから出て服を着て地下へ向かったのだ。

この国の地下にはこの城の地下室に続く隠し通路の入り口があり俺はこの階段を下りて行くとそこには俺とシルヴィアがこの国にやって来た時に入った洞窟に繋がっていて、俺は魔族達の死骸を避けながら歩いて行くとそこにはこの世界の人間ではなく魔族の少女が倒れていて、俺に似ている魔族の男と俺と瓜二つの顔を持つ俺とそっくりの魔族の男がいるのだが、俺によく似た魔族の男はなぜか自分の胸を両手で触りその手をじっと見ていた。俺が魔族の女の子を見るとそこには、魔族の特徴である角や翼、そして長い爪が人間の手足になっていたのである。この子は魔族の女の子なのになぜなのかと思ったがそれよりも今は、俺に似ているこの男から聞き出す事に俺は集中する事にした。俺がこの子に「アネーちゃん大丈夫かい?」と言ってみると「えっと、あなた達は?」と言ってきた。俺は俺が助けてあげないとと思い「今この国から君を救い出してあげるからね」と言い俺はその子をお姫様だっこした。この子は気絶しているのか俺が抱きしめても起きなかった。そしてこの魔族の国の魔帝の城に入るために城への扉の前に向かうことにした。

そして俺が城に着こうとした時に後ろを振り向いたらそこには俺と瓜二つのこの男と俺に似ている魔族の女の子が立っていて俺の方を見つめていた。俺は城に入りたかったのでこの男達に城に入りたいと伝えようとすると、この城の前に張られている特殊な結界のせいで入れないので城の中にいる魔族の王と話をしようと城に入ろうとした時に俺に話しかけてきたのだ。「君に頼みがある。僕は君の中に眠っている君と同じ名前の君とは違うもう一人の僕の体を返してほしい。それに君は僕に体を返してくれる約束をしてくれただろう。頼む、あの子が待っているんだ」そう言って俺に懇願したのであった。

俺によく似ているこの男の言うことなんて信じなかったが、この男に「あの子とは誰の事だ?」と聞くと「シルビリアというこの国の女王であり、君が愛していた魔族の女だ」と答えてきて、それを聞いた俺は「なんのことか全く意味がわからないな」と言い放つとこの男は「君が覚えていないのは当然だよ。あの子の事は忘れてしまったほうが幸せだからね」と、俺とシルヴィアのことを何もかもを知っているような口ぶりで言うものだから俺は頭にきてしまい剣を抜いてこの男を俺の手で斬り殺そうとしようとしたのだ。

すると、俺によく似たその魔族の男の手には先ほど俺の魔剣をへし折ったものと酷似したものを手にしていて俺はその剣を見ているうちに頭がズキっとなり俺は頭を押さえると、俺は俺にそっくりのその魔族の男の持っている魔剣から視線を外すことができなかったのだ。俺は必死で剣を離そうとしたが剣を掴んでいるその魔族はそんな俺の抵抗を見て俺の手に持っていた剣を取り上げ俺の首元に突きつけ「もう終わりにしよう。君の知っている事は全て教えるからシルビィを、いや僕の可愛いシルビィを助けてほしい」と言われ、シルビリアという名前に俺は動揺してしまったのだ。俺はシルビの名前をその魔族が口にしたことに驚いてしまい、その魔族に質問をした「シルビが生きているのか?お前達は何者なんだ?」と聞いたらこの俺にそっくりなその魔族の男は俺に向かって「君がシルビィの婚約者であるならわかるはずなんだけど、この僕の名前を忘れているんだね。僕の名を教えよう」と言いその魔族の男は自分の名前を俺に告げるのだった。

俺によく似たこの魔族の男の名は【ルイン】と言う名前だったのだ。この男からその名前を聞かされた瞬間に俺は頭痛に襲われてしまう。この男の言葉を聞いても俺には理解できず、ただ、シルヴィアに会いたい一心で俺は俺の剣で斬りかかると俺はその剣でその魔族の男の体と首を跳ねようとしたのである。

俺がその魔族の男を殺したと確信したときに、俺は俺が俺自身を殺すことを阻止できたが、俺は自分が俺を殺そうとしていることに驚きその俺を俺自身の体を使って抑え込んだのである。俺は自分の体に俺自身の体から離れて欲しくなかったのでその魔族の男から奪った力で俺はこの男の体を動けないように押さえつけて拘束することに成功した。

俺に殺された俺によく似たその魔族の男の体はいつの間にか消えていて、俺は俺がその魔族の体を殺めた事で魔族側についたと思われたくなかったからすぐにシルヴィアの元へと急いだ。だが、城の前まで行くことができて城内に入ると俺の顔が知られていてシルヴィアのいるところに連れて行って欲しいと言ったら城の警備兵たちが止めてきたが俺は無理やり押し切ってシルヴィアのいる部屋に向かったのだった。

この国を乗っ取ったその魔族の王はシルヴィアに対して俺を殺し、そしてその体を操り人形として使って、人間を滅ぼそうとしている。

俺は城に入るなり俺は、城で働いているメイドたちに俺はシルヴィアの元に行きたいと言ったがシルヴィアの部屋に行かせてくれなかったのである。そしてシルヴィアのお母さんのシルビアさんのいる部屋の前に来たので、シルヴィアの母親の部屋にノックをするとその中は空いており、シルヴィアがその母親のベッドに横たわっているシルヴィアのお姉さんと思われる女性と一緒に寝ていたのである。そして俺は俺とそっくりのこの魔族の少年に殺されたシルヴィアの父親の死体があったのであった。俺が慌てて俺は俺の体を抑え込む。この少年に俺の体から離れてほしかったのだ。この俺はシルヴィアが俺の妻だと知らない。俺の体の主が俺の体に俺が俺を殺そうとしていたことがこの俺は知らないはずだ。

この少年は俺とそっくりなこの魔族の少年の肉体に乗り移って俺を殺そうとした。俺はその事をこの俺の体に知らせたくはなかった。俺がこの体にこの俺自身を殺してほしくないと思っている。俺はこの少年に「おい!俺はシルヴィアに早く会いに来いとこの城の者たちに言われて来たのだが、シルヴィアはどこにいる?それに、シルヴィアの母親の容態を知りたいのだ。俺はシルヴィアが今どんな状態でシルヴィアがどこで休んでいて、どうしてこの国では人間が魔族によって虐殺されているのかを知りにここに来たのだ。俺は俺にそっくりのその男の正体を知っている。俺は俺と同じようなその魔族の力を持っているがその力をコントロールすることが出来ないのだ。その力は俺が俺自身の手で破壊することができる」と伝えた。

するとこの俺によく似たその魔族の少年が、俺は自分自身の力を破壊する事が出来るという言葉を聞き「本当なのか!?本当にできるのならば教えて欲しい。シルビを助けるためには俺は何でもやる覚悟だ」と言われたのである。俺は俺の体が何をしようとしているのか気になり俺を止めようと俺はこの俺がこの俺に近づこうとするとその俺が突然倒れ込んでしまう。俺が俺の体を抑え込むことは出来ずにこの体から出ていく。そしてこの俺を俺はこの俺の中から追い出して自分の体に俺は戻ってきたのであった。

そして俺は自分の意識を取り戻すことが出来たのである。

俺の目の前にいるのは俺と瓜二つの俺ではない俺とよく似たこの魔族の男の体に意識を移してこの国の王になっている。俺はこの俺に似た魔族の男とこの国の現状を話し合う。そしてこの俺は魔族の王で俺とシルヴィアの子供であるシルビリアの夫でもある【ルイン】と名乗っていて、シルヴィアと俺は結婚していて、俺は俺とシルヴィアの子を産んだシルヴィアのお腹の中にいる子供を守ってくれている。俺はこの男の話を聞くことにしたのだった。この男は今から1年前にシルヴィアと別れさせられてからずっと俺を探していたらしく俺に似たその男の話を詳しく聞いているうちにこの男の言うことが正しい事がわかった。俺はこの男が嘘を言っているのではないかと思いこの男の目を見ていたが嘘を言ってるようには思えなかった。俺はこの男の話を信じるしかなかったのである。

俺はその俺に似ているその魔族の男から俺の体を乗っ取っていた理由を俺は聞き出そうとしたがこの男はなぜか自分の名前を俺に言わず偽名を名乗るだけだった。俺はこの男の話を信用していなかった。だが俺はその男の言葉を信じることにした。俺は俺に似ている魔族の男と話す。

俺は俺に瓜二つのその魔族の男にシルヴィアを助け出すように頼まれて、その男はシルヴィアがこの魔帝の城に捕らわれていると言っていたのである。俺はその男にシルヴィアを助けに行く前に、シルヴィアがどこに捕らえられているのかこの男に尋ねると「それは、今から君が僕と一緒に僕が作り出した異空間の中で君を鍛えながら一緒に行こう。君の体にはまだまだ眠っている潜在能力がありそうだしね」と言われてしまった。その男によると俺の体を操っていたその魔族の男も俺と同じように俺と同じぐらいの強さを持っていると言うことだった。その魔族の男の名前と魔族の王という事は知っているがその名前がわからないのだ。俺は俺とそっくりなその男と城の中を歩いていた。俺が城の中に入りシルヴィアに逢いにきたことを他の者たちに伝えるとみんな驚いていて、そして城の外にいたシルヴィアの家族たちも心配していたのである。

シルビアの父親は「君は誰だ?」と言われて、俺とそっくりなこの男の名前は「僕はこの城に住むこの国の魔族の王だよ。君はシルヴィアの婚約者だよね?」と言ってシルビアのお父さんが驚いていたが、この男はシルビアの婚約者のレイだと名乗りシルヴィアを助けに行くためにこの男の作り出した魔族の王の力が使える異空間へと連れていかれたのである。

俺には魔族の王が作ることが出来る異空間のことは知っていたが、その魔族の王はなぜ魔族なのに人間の世界にやって来てシルヴィアを助けようとして、人間を救おうとしているのか意味がわからなかったが、俺はそんな事はどうでもよかったのだ。俺は魔族の王にシルヴィアがいるであろう場所まで案内してもらうとそこは巨大な樹がある森の中だった。俺は俺のそっくりの男に魔族の王について質問をしたのだ。

魔族の王は魔族の国の中でも強い力を持つ魔人と呼ばれる特別な力を持った魔人と人間の血を持つハーフ魔人の2種類に分かれるらしい。魔族はその人間よりも圧倒的な力と寿命を持っており人間より遥か昔は繁栄をしていたようだが魔人は普通の人間とは少し違う特殊な力を持ち過ぎていたため迫害され今ではほとんど残っていないのだと言う。その中でも魔族の王になれる存在はわずかでありその者は魔王と呼ばれているのである。魔族はその長い命と強靭な生命力で子供を作り続けることでその数を増やしてきた。そしてその子供が魔族となって増えていくのだ。魔族が人間の世界に攻めてくるのはこの魔族があまりにも数が多すぎて世界を滅ぼすほどの存在になってしまったからである。

だが、人間にも魔法が得意な種族がいたのである。彼らはその魔法の技術により魔族を絶滅寸前に追い込むほどの実力を持っていため魔族の侵攻を止めることに成功していた。その魔族の王は人間の国に戦争を仕掛けるため魔帝が人間の世界で力をつけるのを待っていたのだという事である。その魔族が人間の世界に来れる条件はその魔族自身のレベルが200を超えており、さらに自分の血族が20人以上いるという条件を満たした魔族の時だけだという。そして魔族を束ねる者が現れると必ずその一族は滅ぼされ、魔族に敵対するものはすべて殺されるという掟が存在する。この魔族の王の力は魔族の中でも特別に強大な魔族しか扱うことができない。その魔族の王に選ばれた者が次の魔族の王になるのである。その力を魔族以外のものに渡してしまうとその者の体を乗っ取られてしまいその魔族が死んでしまうのだ。だからその魔族の王に選ばれた魔族の王は絶対に死ぬことがないのだ。この俺に似た魔族の王は自分が死んだとしても俺にその力が渡るようにとこの魔族の王は考えていたようである。そしてこの魔族はシルヴィアのために魔族が人間に勝てるようにするべく、俺にこの魔族の持つすべての技を教えるつもりだと言うことを言われたのだった。

そして俺はシルヴィアを助けるためこの森の奥にあるダンジョンへと向かうことになった。

シルヴィアを助けに行こうとする俺の前に、この城の門番をしている兵士が立ち塞がるが俺のこの体から放たれているオーラで俺に攻撃を仕掛けて来た門番の兵士たちは全員倒れ込んだ。俺はこの体を使ってこの城に侵入する時にこの国で一番偉い人に謁見を申し込んでいたがこの城には俺の侵入を防ぐものは誰もいなかったのである。俺はこの体の本来の主にこの城を制圧させるつもりでいるのである。俺は俺と瓜二つのその男の後ろを歩きこの男の作り出した魔族の王が作ったとされるダンジョンに向かう。そして俺がこの体に入りシルヴィアが捕らえられているはずの場所に急ぐ。この体からこの体の持ち主のこの男がどうやってこの場所を探知して移動したのかが気になっていたが俺はそのことを考える暇がなかった。俺はシルビアをこの男を俺の体の中から追い出すことに全力をつくした。そして俺の体から俺を追い出すことに成功するが俺の体に意識を移すことが出来ないのだ。俺とこの男のこの体はシンクロ率100%のため俺の体が動かなければこの男の体もまた動けなくなってしまう。

この男は俺にこう言い放った。

「この体を動かすことができるのは僕だけなんだよ」と言われたのである。そして俺と瓜二つのこの男を見ているとその男が俺のことを指差しながらこの魔族の王が作り上げる異空間に俺を連れ込もうとしている事に気づいたのである。俺はその男の指差しをする手を掴みそしてこの男の顔を殴ったのである。俺はこの男に対してこの俺を俺の体から追い出して俺を殺そうとしたことをまだ根に持っていたのでこの男の顔に思いっきり力を込めた拳で殴りつけるのであった。この男は俺から距離を取り殴られたところを手で押さえている。俺はその男の事をにらみつけている。すると俺によく似たその男は俺の事を見て怯え始めた。その俺によく似た男に俺は言う。「おまえは何が目的だ!シルヴィアはどこにいる!答えろ!」するとその俺によく似た魔族の男は「俺はお前の体を借りているだけにすぎない。この体に入っているとお前はもうすぐ死にそうだな。お前を死なすわけにはいかない」と言い出したのである。

俺が「俺がこのままだと俺はこの体に飲み込まれてしまう。そして、この俺の体の中から俺を殺すためにもう一人の俺が出てくるんだ。そいつを俺はこの世から消滅させなければならない。だから早くここから出せ!」と怒鳴るとこの俺に似た魔族の男はすぐに俺が今入っているこの体から出て行く。俺はこの男の意識と同調し、この男の思考回路がわかったのである。俺をシルヴィアから引き離しシルヴィアの前から消そうと企んでいたのであった。この男は俺の事が邪魔でシルヴィアから引き離そうと考えていたみたいだった。そして、俺の事がこの男からわかる範囲でのこの男の正体がわかったのである。

その魔族の王は人間に恨みがあり、この男がこの魔族の王になった理由は、この男は人間から魔族の王になるように選ばれた魔人であったが、この男はその人間が自分を利用し魔族の王に仕立て上げたこの男の本当の姿を知っているこの男にとって人間と魔族とでは価値観が違ったために人間たちによって利用され捨てられてしまったのである。

人間は自分たちの魔族に対する扱いが悪かったため、人間たちに報復するために人間の国を支配しようとしたのだ。その魔族の王の種族はこの世界に人間よりも長く生きているのにもかかわらず、その魔族の王の種族は寿命がなく人間と同じ速度で生きることができるのだ。その魔族たちは自分たちの存在を人間よりも上に置こうとするため他の魔族を駆逐していった。その結果人間たちが他の生き物を狩りつくし自分たちの食料や水を確保することが難しくなり、他の動物たちを犠牲にして自分たちだけで生き延びようとしだしたために人間の国の周りの海が汚染されていった。他の魔族も人間たちの行動に腹を立て他の国を攻め込み、魔族の国が増えていきその数は増え続けていく一方だった。

そんな時に人間の国の人間たちを救い魔族の国を人間たちと争わず共存しようと考えた者が魔族の王に選ばれたのだ。この男はその考えを受け入れ、この国の魔族の王になったのである。そして、その男は人間との話し合いの末に他の人間に被害が出ない場所に住む事を許されこの魔帝の城が作られたのである。だが、その魔族の王はこの男に人間の国が魔族と争いを始めようとしていると情報をもたらしたのである。その男はその魔族に自分の国を守るようにと魔族の王に伝え、この魔帝の城の中に作られた魔族が安心して暮らせる街を作るためにこの男の城を作りこの城の中で暮らして欲しいと頼んだのである。その魔族は人間の王が何を考えているのかわからなかったが魔族の王は人間の王に言われるままこの城の地下へと通じる入口を造りそして魔族の王の力を使い魔王の力を使えるようにしてこの城に住まう者たちを守り続けたのだった。

しかし、その男が死んでもこの城は崩れなかった。なぜなら、この城の中ではどんな攻撃でも通用しなかったからである。そのため、この国の民はこの城を封印の地として代々言い伝えてきたのである。そのせいもありこの魔族の王の作ったこの魔族の王の力を受け継ぐ者の試練となる迷宮は攻略されずにずっと残り続けていたのだと言う事である。

俺はこの男の体を使ってシルビアを助けに行く事を決意する。そしてシルビアが捕まっているであろうこの森の奥深くに存在するというこの国で一際巨大な樹があるというこの樹海の奥にあるダンジョンへと向かうことにしたのである。この俺にそっくりの魔族の王は魔族の王に会えば魔族の王がシルヴィアに何がしたかったのかを知ることができると言う。

その男は俺をダンジョンまで連れていくとそこで別れてこの男の体は魔族の王が作る異空間に閉じ込められることになるのだった。そして俺に化けていたこの男に俺は自分の体のコントロールを奪われてしまうのである。俺は何とかこの魔族の王の異空間から抜け出す事ができたのだが、俺には俺の体を操っている魔族を倒す手段が見つからないでいた。その男の話では、魔族の王に会うことができれば魔族の王から魔族の王になれる魔道具をもらう事ができると聞いていたので俺は魔族の王のところに向かおうとしたのである。

そしてこの俺によく似ている俺の姿をしている俺と顔が似ているその男は俺に向かってこういった。「俺は魔族の王を倒せるだけの力が欲しかった。俺があの魔族の王を殺してこの体を奪い取り魔王となり人間を滅ぼし俺の一族が栄える世界に作り替える」と言った。

「ふざけるな!」

俺が怒気を混じらせて言うと

「ふっ。貴様が俺に文句を言って来るのはまだいい。だが、俺はお前がこの体の主導権を握れないのであればこの世界から消すだけだ!」と言って来たのである。そして俺は自分の体が俺の意志とは関係なく動く事に驚き恐怖を感じ始める。俺がいくら必死になって止めようとするが俺の意思に反して体は動き続ける。そして俺は魔族の王に俺が乗り移られる前に俺を殺そうとしてきた魔族に対しての殺意を思い出し、この俺に似た俺と顔が似ていて、俺の体を奪って好き勝手しようと企んでいるこの男を殺すことに決めたのだった。

俺はこの俺の姿に似ている男に殴りかかるがあっさりとよけられてしまう。

そして、俺に瓜二つのこの俺の姿の似た俺の姿に俺と似た俺の顔を殴る。

俺は何度も何度も殴るが一向に効いている様子がないのである。そしてその俺の姿の男から放たれている殺気に気圧され、俺の動きが止まる。その男は俺に「諦めるなら楽にしてやる。しかしまだお前の体の中には魔族の王をこの世から追い出さなければ気が済まないと思っているのならば、このまま死ぬかこの体の中の魔族の王の魔核を壊すか選べ」と言われて俺は考える時間を与えられた。

そして俺はシルビアを助けるために魔族の王と決着をつける必要があると思い、この男から逃げることにするのであった。

俺はこの男から逃げようとシルビアの家の近くにある洞窟に身を潜める。そしてシルビアとこの俺に姿形、声も似ている俺と同じような存在の俺が戦っていたところを俺は観察していたのである。俺は俺が魔族の王の力を手にすることができるかもしれない方法を考えて見たのである。俺は魔族の王と戦うためには魔族の王がこの俺に取り付いている間も俺は意識を失わないようになる方法が必要ではないかと考えた。それは、魔族の王がこの体の中にいても、俺がこの魔族の王を追い出したり魔族の王が俺を殺すような事態が起きない限り俺は意識を保ち続けられるようにすることが必要だったのである。そうしないと、もしこの俺にそっくりのこの男を倒した後に俺が意識を失うことになりそうなので、そうならないように対策する必要があった。俺には何か方法がないかと考えているうちに俺はある考えに行き着いたのである。

その考えは魔族の王がこの俺に対して取り付いた時にこの俺の魂が壊れずに耐え切る事ができれば良いのではないかと考えたのである。この方法は魔族の王が俺を乗っとるために俺に憑依した時に魔族の王がこの俺に乗り移り、俺が魔族の王になるために俺が意識を失わないために必要である事を俺が自覚することで可能だと思ったのである。その方法は、まず魔族の王が自分の意志とは別に俺をこの体の中に入れることができなくなる事を自覚させる必要があったのである。そのために、魔族が俺に意識を奪われるのを阻止するための魔族の王に対する俺からの呪いを発動させるための方法を考えていた。俺が今持っている武器や防具に俺の力を封じこめることができてもこの力を使えば俺自身の精神に異常をきたしそうなため、別のやり方で魔族の王に対抗する力を得ることができないだろうかと、考えている時にこの世界の魔素を吸収する事によって得られる能力について思い出した。

この世界の生き物たちは生きているだけで魔素を吸収し体内に蓄積されているのである。だから生物は呼吸をし、魔素を取り込み魔石を生成するのだとこの世界に転生してきて最初にこの世界の仕組みを教わって知った事を思い出したのだ。魔族は人間よりも魔素を大量に吸収することができそして人間よりも長寿なのだ。魔族たちがこの世界に存在し続けられたのもこの世界の中にある魔素を取り込みそれを魔石に変換し、そして体内の魔石を媒体に魔族の王の力とスキルが発動できるからであるということを教えてもらったのだ。この事から魔族の王と対等以上の力で渡り合えるためにはこの世界での魔物を倒せば倒した魔族の王が使うことができる技と、同じ力を使うことができるのではないかと考えたのである。その方法を実行するためにはまずは魔族から奪った魔力や身体能力などを全て使える状態にならないとその方法では俺は魔族の王と同じ力を使うことはできないという結論に至ったのである。その方法とは俺が持っている武器に力を封じ込めることでそれを使いこなせるようになった時こそこの魔族の王から与えられた力が使えるのではという可能性を考える。だが、その前に俺は魔族の王のいるところに向かおうと考えるのだった。

この俺に姿形、顔がそっくりな男はこの俺にこう言ってきた。

「俺は魔族の王をこの世界から完全に消す事ができる魔道具を持っている。この俺を見逃してもらえるのならばお前にもその魔道具を使ってあげよう。お前に俺を殺させ、俺がお前をこの体から追い出し、俺が魔王になり人間を滅ぼして俺たちの一族だけでこの世界を支配すれば、魔族の王がいなくても問題はないのだ。だが、魔族の王がこの世界に存在する限り俺は魔族の王には敵わずにいつかこの体を奴に奪われてしまうだろう。そこでどうだ?魔族の王がいる場所まで案内させてやる代わりに魔族の王を殺して欲しい。そして俺に体を返すんだ! この魔族の王を俺によこせ。俺の体を俺が使えるのなら俺にとってこれ以上ないくらい最高な条件だと思うんだがどうかな?」

俺に姿をそっくりのその男が言う。

確かに俺はこの俺にそっくりのこの男から逃げることができたが、この男をこの場に置いていくわけにはいかない。魔族が人間を滅ぼしこの魔帝の城の中に街を作ると人間と争う事になる。そして、この男は人間を滅ぼし魔族の王国を作り魔族の王となって人間たちを滅亡させると言っている。俺は、そんなことは許すことができない。

「俺の体を奪うために俺に魔道具を使ってくれて、お前に魔族の王をこの世から消し去る事ができるのであれば俺はお前の条件を飲むしかない。ただお前をこの世界に一人残して俺だけが行くのは絶対にできない。それに俺はシルビアを助けにいかなければならないのだ。俺をこの国から出す気がないと言うのならここで死んでもらう。そして、魔族が俺の体を奪って魔王としてこの国を支配するつもりである事は俺は絶対に見過ごす事ができなかったのである。

俺と俺の顔に瓜二つの俺に似た俺によく似た俺と瓜二つではない俺の体を奪った男との戦闘がはじまるのであった。そして俺に姿を変えた魔族との戦いが始まり俺は自分の体を奪われないように必死に戦う。そして魔族と俺に似た男の実力はほぼ互角の戦いを繰り広げるが魔族の男の圧倒的な魔力で俺が押されてしまう。俺はこの状態で魔族と戦うには魔道具に自分の全ての魔力を注ぐ必要があると判断した。魔道具の魔石に魔力を注ぎ込んだ俺は、自分のすべての魔力を使いこの男と対等の力を得たが、俺と魔族が互角の力を持ってもこの魔族の王と名乗る魔族の男は強かった。魔族の王はその強大な力を持つ腕を振りかざし俺に向かってくる。俺と魔族の王の戦闘によりこの城はボロボロになってしまう。そして魔族の王は「なかなか楽しかったぞ。この力は貴様から貰った力だ貴様を殺してこの魔族の王に授けるがよい」と言って、俺に向かってきたのである。

俺は何とか魔族に一矢報いてやる気持ちを抱き必死になって応戦したのだが、結局俺が負けて意識を失いそうになると魔族の王は再び俺に自分の体に取り憑き、俺に魔王になれと命令するのであった。俺の目の前には俺に顔が似ている魔王が立っている。そして俺に魔王になるようにと魔族が言ったのであった。この俺に似た俺に顔が似た俺と顔がそっくりな俺に俺と似た魔王は俺の目の前に立って俺に魔王になるようにと魔王の力をくれたのである。俺は魔族に自分の体が操られることを恐れ、この魔族の王の言う通りにすることを決めたのであった。

魔族の王が魔王となる為に必要なものは魔素を吸収する能力がある生物を殺し魔素を吸収することでその生物が魔核という石を生み出すことを知っている。その魔素を体内に溜め込んでいる生物の血を抜き取る必要があるのだ。その抜き取った血液からその生物から得た情報から体の中の魔石を取り出す事が可能になるのである。その体の中に魔石を体内に魔素を吸収する生物は存在するのだ。それは魔素が満ちている空間にいる魔族たちなのである。つまり魔族の王の肉体から魔石を取り出すことができるのは人間の体内に魔石が生成されていなく、かつ魔族に近い生き物が対象なのだ。そしてその生き物は魔素が豊富な場所にいるのである。その魔族の住む魔の森という場所は人間にとっては生きにくい環境であり魔素もあまり存在していない。その魔素がほとんど存在しない場所に魔素を多く持つ魔族が住むと魔石の精製が行われなくなり体の中に生成されることがなくなってしまうのである。そのため人間や動物など魔素を大量に蓄えることができない生き物たちの魔石を取り出し魔王になるための力を得る事ができたのだ。

しかし俺の場合は魔族の王を魔道具に封じたときにその力を取り込む事ができてしまい魔族のように魔素を体内の魔石に集めて魔王となるための力が発動しない。それ故に俺は魔王になるための力を発動するためには魔族と同じように生物を狩る必要があるのだ。そしてこの魔王の証と呼ばれる魔道具を使えば俺は魔族と同様に体内の魔石が活性化され、そして体内にある俺の魔力が暴走してしまう危険性もある。それでも魔族の王の力とスキルを発動させることができるはずだ。そうすればこの魔族の王と互角以上に渡り合うことも可能になるだろうし、何よりも魔王となったこの俺に倒せないものなどないだろうと思うのである。

俺は【聖剣】と【神杖グラール】を手に持ち魔王に変身するための準備を整えるのである。俺は今から魔王になりこの世界を支配し魔族の国を作ろうとしているこの俺に姿形、声までが似ていて魔族の王と名乗った男に対して復讐をしてやろうと思っている。この世界を支配するのはこの魔族の王を名乗った俺に似ている俺に姿形、顔までそっくりのこいつに対して、魔素を吸い取り力を得るという事を俺は教えてやった。魔族の王と魔族の王を名乗る男が戦っていた場所が壊れ、そして魔族の王がこの俺の姿形をしている魔王に対してこう言ってきた。

「まさかこれほどとは思わなかったぞ。ここまでこの俺が追い詰めれる相手はお前以外にいないな。だが、残念だったな。俺が魔王にならずとも俺はいずれは魔王になっていたんだ。なぜなら俺はお前より後に生まれてきた魔王だからだ。そして、俺は魔族の王であるとともにこの世界で一番強い人間なのだ!俺を倒したくば俺よりも強くなれ。俺を倒すのはこの世界にたった一人しか存在してはならないんだよ。それがお前なら俺は大歓迎してやってもいいんだけどな。でも俺はこの世界で人間を絶滅させた後、新たな人間の世界を作るつもりなんだよ。その時には俺は新しいこの世界の王になっているってわけさ。俺が人間を滅ぼすのを邪魔するつもりなんだろ?俺にはこの力さえあればそんな奴らは一瞬で皆殺しにしてやるぜ。まあ見ておけよ。俺の強さを見ていればお前は俺の側につくか?俺の仲間になりたいという気持ちになっていくだろうからな。お前の持っているその力は全て俺から譲り受けた力だというのに何を偉そうな口を叩くんだ? いいから黙れ!俺の力を受け継いだんだから俺に従うのが当たり前の事なのさ。それなのにそんな口の聞き方とはどういうことだ?」と魔族の王は自分の思い通りにならないことにイラついてしまったのか俺に向かって魔法を放ってくる。俺は【聖なるバリア】を張ってその攻撃を防ぎ魔族の王と名乗る俺に顔がそっくりの男と向き合い戦いを開始する。俺は魔王になったばかりでまだ魔王の力を完全ではないので魔族の持つスキルを使うことができなかったが、俺は勇者として召喚されたときの能力を使い、勇者だけが使用できる武器を使って俺は戦う。勇者だけが使用できて勇者だけが持つ事ができる【勇者専用武器:エクスカリバー】を使って俺は魔族の王と名乗る男と戦いをする。そして俺は【聖魔刀レーヴァテイン】の能力を使うことができるようになり【魔人変化レイナソードフォーム】という技を使用して魔族の王との戦いに勝利した。この技によって、魔族の王の体は崩壊していき俺が手にしている【魔刃刀シュニッツァー】に俺が持っていた魔素を全て集める事に成功したのであった。

俺は自分が倒したはずの男が魔族の王を名乗っていた男を消滅させる時に発生した黒い煙のようなものの中に入り、俺は魔王が作り出した闇のダンジョンの中で俺が殺した人間の魂と魔物の死体をすべて吸収し俺に殺された者すべての能力を吸収して魔王を討伐することに成功した。その後俺の目の前に現れた俺の顔に瓜二つの顔をした魔王を俺はこの魔帝が作り出している闇の中から解放してやる。魔王の身体には魔族の王として君臨していたという印として魔族の王であるという証が刻み込まれていた。俺はこの刻印を解除する事はできないのだが俺はこの魔王と名乗る男の身体と魔族の王の力を自分の体に取り込んだのだ。この魔王と名乗る男はこの世界の人間の王である俺に魔王になることを要求されたが、俺としては人間を魔王にした魔王のやり方を受け入れることはできなかったので俺はこの魔王と魔族の王と戦うことにしたのである。そして俺は魔王を倒しこの魔王と名乗る男は消滅した。そして、この俺が作り上げた闇の中に俺と一緒にいたシルヴィアとシルヴィアの父親そして魔族の王に体を奪われたシルビアとそのシルビアの姉の三人はどうなっているのかわからなかった。俺はシルビア達を助けなければならないと思い、急いで闇の中から出てシルビアたちが無事でいることを確認しようとしたがそこには俺の顔によく似ている男がいたのであった。俺はなぜここにこの顔が俺と似ている男が居てしかも生きているのだと不思議に思う。

俺はこの俺に顔が似ている男を警戒すると、彼は自分の正体について話し始めた。彼の話では、俺は魔族の王を魔族の力を得て倒すことができたのだがその直後に俺はこの魔王と名乗っていた男の体と魔族の王に取り憑かれたシルヴィアのお姉さんから俺と同じような魔素を奪うことで魔王になろうとしていたようだ。つまり魔王にはならなかったとしても、俺と同じことをしようと目論んでいたようである。そして、魔王と名乗っている男は魔族ではなく普通の人間の男なのだが、魔族の力を手に入れることで魔族のような強さを持つ人間へと進化したようであった。そして魔王を名乗った男は俺の体を奪い取ることに成功したのだが、俺も魔王を名乗った男に対抗できるほどの力とスキルを身につけていたので魔王を名乗った男は魔族を統べる立場にならなかったのだと言う。この世界は魔族に支配されるわけではなく人間にもチャンスのあるように作られた世界で人間が魔王になるのも可能な世界だということだ。しかし俺は魔王を退治するために魔王を殺す必要があったため魔王を殺してその体を乗っ取り魔王となることで世界を支配しようと考えたが魔王を俺の体に憑依させることに成功をした魔王と名乗る男が魔族の力を得て復活してしまったので俺が倒しこの世界に平穏を取り戻そうとしたのだが俺の目の前にいるこの俺に似ている魔王を名乗る男のせいで魔族の王が復活しこの魔族だらけの魔界が地上界に侵略を始めてしまうのではないかと危惧するのである。

魔王を名乗る男がどうして生きているのかは俺が魔王を倒せるほど強い人間だったからだと説明してくれたのだ。魔王は俺と同じように勇者の力を持っていたらしい。その魔王の力を得た俺もこの世界で一番強くなることができてこの世界は魔族に支配されることがなくなったのだと教えてくれるのだった。

俺とこの俺によく似た男は互いに互いを殺し合うためにこの闇の中にいるのだという事を俺に説明してくれた。俺はこの魔王と名乗った男を倒して俺は元の肉体に戻ることを約束させられると俺はその男の言葉に納得してしまうのである。それからこの魔王を名乗った男をこの魔族が支配する魔大陸にあるこの魔城で始末することが決まった。そしてこの魔王を名乗る男が俺を殺そうとした時に俺はこの男が俺に対して殺そうとしてきたため反射的に俺もこの魔王と名乗る男のことを攻撃してしまっていた。そして俺とこの魔王を名乗る男はお互いに相手を攻撃する事で相手は俺がこの男に殺されてしまったと思ったみたいだった。しかし俺も相手が魔族の王でありその力が欲しかった俺は魔王のスキルや能力をこの男が俺に対して攻撃した時に吸収されたのだ。そして魔王の力を手に入れた俺は俺に姿形だけではなく名前までもが似てしまっているこの男を俺が作り出した魔道具の力でこの魔王城の地下迷宮の中に封印することで俺は魔族の王となり魔族を支配するのだった。俺とこの魔王と名乗った男との戦いが終わった後に、俺は魔王に変身するときに身に着けている指輪を魔王の指輪と言い魔王の力を制御するために必要なものなので、俺はこの指輪を指にはめることで、この俺の見た目をしている魔王と名乗るこの魔族を封じ込めることができた。この魔道具がなければ俺がこの俺にそっくりのこの魔族にこの世界で勝てる人間がいるとは思えない。

そして俺は魔王のスキルと魔王の証を使い魔王の証を発動させると魔王となった。俺は俺に瓜二つのこの男を閉じ込めることで、魔王になった俺は安心してしまうのである。だが俺はこの魔王を名乗ったこの男に対して油断しないように気をつけながら俺はこの魔族の国である魔大陸で暮らし始めるのであった。そして俺はこの国の住民に、魔王となったことを告げる。そして俺は、俺の魔族の姿形をした魔物たちにこの魔族の国を支配するように指示を出してこの俺の姿形をしたものを俺の国の支配から逃がさないようにするのであった。

「俺がこの国の王様です」と俺に姿形だけでなく性格まで似ているこの俺に似た魔王を名乗った男は言う。俺はこの魔王を名乗った男の口からこの世界が魔王の支配下ではないという事を聞いた。俺の体を奪っていた魔王はこの世界で人間の王に化けて人間の国を支配下に置くことを考えていたのだったが人間の王は勇者の力を使ってこの世界を救うという事をしていたらしくて人間の国は平和を保っており人間の王である勇者が頑張っていたせいでこの世界は人間の王によって魔族の王の手から逃れることができた。

しかし、魔族の王が復活したことによりこの世界は再び人間にとっては住みにくくなってしまうだろうとこの魔王を名乗っていた男は言っていた。俺は魔族の王の力を手にしているのだから魔族の王になったわけだが、人間に魔族の王の力が適合しないのか、それとも魔族の王という地位に就かなければこの魔王を名乗る男のように力を手に入れることはできないのか俺はわからない。でもこの魔王を名乗っていた男が言うには魔族の王として君臨していない人間は弱い存在であると教えてくれている。そのため俺は魔族の王としての力を完全に自分のものにするまでの間は人間と共存することを心に決めるのであった。だが俺は人間と争うのをやめるつもりはなかった。この俺に容姿がよく似ている魔王を名乗る男が人間の国で暴れまわって多くの犠牲を出すかもしれないという事が予想できたから。それに俺は魔族の王に俺がなってからというもの魔族の国が魔族以外の者を排除し始めてしまったのである。そして俺の種族が魔人だという事にされてしまった。そのため人間からは俺達の住む場所が魔人の領地だと認定されてしまい魔族の国は人間が暮らす領域から切り離されてしまう。

そんな状況の中で俺はこの俺に似ている魔王を名乗る男を封じて、俺は魔王として俺が支配している国に住む者達に俺が人間に敵対する魔族であることを宣言して、この魔人の王の領土と認定された魔族たちの土地がこの俺の魔王としての権限を剥奪して、この俺が魔族たちを支配するのだった。そしてこの俺に顔がそっくりな魔王を名乗っていた男が魔王を名乗っていることがこの魔族の国で暮らす他の魔人たちに知れ渡りこの俺に魔王の位を奪おうとするものが出てきていることも俺には理解ができたのである。

俺が魔王になって一ヶ月が経過したが未だにこの魔人だらけの世界では魔人が幅を利かせていて人間の領土にはほとんど魔族以外誰もいない。この魔大陸を支配している魔族は、俺のことを人間だと思っていない。魔族に俺の正体を伝えても彼らは俺に魔王の座を譲るようなことはなかった。俺は自分が魔王になるべくして魔王になりそして俺の顔に非常によく似たこの男に自分の体を奪われるところだったのだが魔族たちも人間たちが魔族に対して抱いているイメージと似たような印象を受けているようであり魔人たちは魔王の座を狙おうとしているのだ。俺の目の前にいるこの魔族の王に体を奪われたシルヴィアのお姉さんは魔王を崇拝し魔王の命令ならばなんでも従うといった様子だった。しかしそれ以外の魔人たちは俺に敵意をむき出しにして襲ってくるのでこの俺は俺の姿をしたこの魔王を自称する男と戦わなければならないようだ。俺はそう思いこの魔王を名乗る男と戦いこの魔王と名乗る男が魔族の頂点に立つべきだと思えた。

俺の目の前にいる俺に顔が酷似していて魔族の王を名乗り俺の肉体を奪おうとした男を倒すために、俺はこの魔王を名乗る男の配下の魔人達と戦うことにする。魔人と化したこの俺の姿を見ても魔人たちの中には俺が魔族に変化した存在だと思っているようで俺に戦いを挑んでくるのだ。しかもその魔人の強さも俺が戦った魔人の誰よりも弱かったのだ。俺が魔王と名乗った男を倒した後、俺は魔王を名乗った男を取り込んで俺自身が魔王となってから魔人を束ねる立場になることができたのだが魔人の強さが魔王を名乗る前の魔人に毛が生えた程度で、人間から魔族に変わっただけのこの俺は魔王を名乗る前の状態では俺の体から魔王を追い出し俺が俺の体を奪い取ることができてしまったほど俺とこの俺の顔が似ているこの男は人間から魔王へと変わる素質があったということだ。俺は俺に体を奪われたこの男を魔王と呼ぶことにしたのだった。

「レイ君、魔王は魔素の塊で人間と魔素の融合体みたいな感じの生き物だよ。魔人は人間だったころは人間に紛れて生活をしていたから普通の人と区別がつくと思うけどね。でも魔王は違うよ。人間と全く同じ外見だし魔人と比べても魔力や魔素の保有量とか全然違ったでしょ?」

と、シルビアが俺に話しかけてくる。

俺の体に魔王が憑依する前に、俺はこの俺にそっくりのこの男と戦ったのだが、その戦闘の時にシルビアが駆けつけてくれた。シルビアの話を聞けばこの俺に似たこの魔王と名乗るこの男は自分の力を試すためにこの魔大陸の魔族を手あたり次第に殺してしまったらしいのだ。俺は魔王と名乗ったこの俺によく似たこの男と戦ってみた。俺が持っているスキルは魔族が持つスキルがほとんど使えて俺はそのスキルを駆使して魔王を名乗った男に攻撃を仕掛けていく。そして俺は魔王と名乗った男との戦いの最中に俺が魔王を名乗るこの男と同じような力を得ていることに気づいてしまったのである。

俺はこの俺にそっくりの魔王を名乗る男に、俺は俺の体を乗っ取った魔王の能力を無効化して俺は魔王を名乗った男の力を利用して俺の肉体に封じ込めた。そして魔王を名乗る男は魔王に変身できる力を失いこの魔族しか存在しない世界の支配者になることはできなかったのだった。

この俺はどうしようもない馬鹿だったと今更ながら気づいた。なぜならこの魔人しかいない魔大陸に人間が攻め込んできたからだ。人間たちは、魔王が復活し世界を支配したことを察したのだろう。魔大陸に侵攻してきてしまったのである。そこで魔族の長でもある魔導士が人間たちに降伏すると申し出る。だが人間たちは魔族を皆殺しにするまで侵攻をやめる気はないらしくてこの俺の配下は次々と死んでいくのであった。

魔大陸の魔族たちを守るために魔大陸の魔族たちが人間たちに戦いを挑んだが人間は想像以上に強くこの魔人の魔王に変身するこの魔王を名乗った俺が人間の世界に出現して魔族の領土と人間の世界を分断するために、魔王を名乗っていた男が魔族たちを虐殺して回ったのと同じように魔族を殺して回っていったのである。俺はなんとかこの魔王を名乗ったこの男を倒さなければと思い俺はこの俺に顔がそっくりなこの魔王と名乗ったこの男を殺す決意をする。だがこの男は魔人より弱いので簡単に倒すことができたのであった。

そして俺はこの魔王と名乗るこの男の力を使って魔王になった。この魔王になった時に俺は自分の意思とは無関係にこの男が元々住んでいたという人間たちの世界の王城に転移していたのだ。俺がなぜこのような行動を取ってしまったのかといえば、この俺は魔王になってからも自分の力におぼれており魔人の王となった今でも、この魔王になったばかりの俺が魔人を従えることができるかどうか不安だったので、この俺は魔人以外の種族を滅ぼすため人間に魔人と同じ力を持った者が現れないかどうか探していたらしい。

それで人間の世界にやってきたという訳だ。そして人間に俺の力を与えるべく俺は魔王の力で人間を支配し始めたのだった。人間の中に魔王になれる素質を持つものが現れたとしても俺が魔王の力を手に入れたこの俺に魔王としての資格があるか確認してから魔王の座を奪うことができるようにするため。そして俺に人間に魔王の座を譲るように言って来たのはこの魔王を名乗った俺が俺の姿に非常によく似た魔王を名乗った俺をこの俺の体の中で取り込んでいたせいで記憶を共有していたのと、人間から魔王になったこの俺は魔王としての資質が皆無だったことが原因だと思うのだ。そして俺は人間を滅ぼそうと魔王の力を行使しようとしたら、俺は人間たちによって捕らえられたのだった。

「おい貴様。私を捕らえたということは私が何者か知っているな?魔族の国の王様か?」

と俺に顔を近づけてきた男がいる。

俺が顔を見上げてみるとそこにいたのは俺の顔がとてもよく似ている男がいたのである。その男の名前はシルヴァニア王というらしい。この世界にはシルビアという王女もいるようだ。彼女は人間に捕らえられているという情報を得たので、魔王の力が使えるようになったのなら助けられるのではないかとこの俺と魔王を名乗った男が思っていたそうだ。この俺にそっくりなこの男の記憶には俺が人間であるこの俺の体を奪った後のことが少しばかり残っているので、おそらく俺のことをこの男が俺の体から追い出されてもなお俺の体の中にいるこの俺によく似たこの魔王を名乗っていた男の魂を魔王の座に就かせるための器にしようとしたのではないかと思っている。この男もこの男でこの俺のことを自分の体に取り込んだこの魔王と名乗っていたこの男に体を返すことでこの魔王を名乗っていた男に魔王として君臨させようという企みを持っていたのだ。この男と俺が同一人物だということに魔王が気づいたようでこの男に問いかけたのである。

この俺に顔がそっくりのこの男は、魔王と名乗るこの男が自分こそがこの俺を魔人の王にしてこの俺を魔王の座から引きずり下ろすことに成功した俺だと思っている。この男も魔族の国を支配する王になりたいと思ってこの俺の体を奪い魔王になろうとしたのだが結局この俺の体はこの俺が乗っ取り俺は俺が支配している国を支配しているのだ。つまり、この男はこの魔人の王が支配している国を支配して魔族たちを虐げているのだ。そんな状況なので俺はこの男と俺が同一人物であることを認めることにしたのだった。

「まぁ、俺のことだから認めなくても同じ状況になっていたと思うけどね」

「そうよね。この魔王を名乗るこの男の体からあなたの魔力を感じたからあなたがこの魔王を名乗るこの男を取り込んでいるのがわかったわ」

とこの俺によく似た俺の体から魔王が飛び出してきてこの俺が魔人の王であるこの俺だと認めることになる。この俺の体に取り込まれる前にこの男は俺を乗っ取ることができなかったのだが俺はこの男を取り込むことができたので俺は魔王の座に就くことができたのであった。この男はこの俺の体に魔王の座を奪われた後に魔王を名乗りこの世界で魔人ではない者たちを迫害していたのでこの男に対して思うところがなかったと言えば嘘になるが、俺が魔王になった後でこの男は魔人たちを救おうとしたようなので、人間たちが魔人を救うことに反対していなかった俺はこの男を許すことにしたのである。

「そういえば俺の名前を聞いていなかったが名前は何て言うんだ?」

「ああ、まだ名乗っていなかったな。レイナだ。よろしく頼むぞレイノスケ」

「俺もあんたに名前を聞かれるまではずっと魔王を名乗っていた男をこの男と呼んでしまっていたからお互い様なんだが、俺はこの魔王を名乗っていた男が魔王を名乗った俺だと思っている。お前は魔王を名乗って俺に取り込まれたこの俺だと思っているかもしれないが俺はお前とは違うと思う。俺のこの体は元々は人間で俺はこの男の体に乗り移る前までは普通に人間の男で魔王を名乗る男に体を奪われる前はこの男の人間だった時の姿をしたこの男とは別人で俺は人間として生まれ人間だったころのこの男を知らないからね。だけど人間だったころに持っていたスキルは引き継がれていたのでこの俺は魔王に変身することができたみたいだよ。それと俺の体の中に入り込んで魔王になったこの男は自分が魔王になったと思っていたみたいだけど実際はこの俺の体に乗っていただけで魔王の座に就いていただけなのだよ」

と説明する俺。

この俺は俺の話を真剣に聞いてくれた。それからしばらくしてから

「レイ君は俺の体の中に入ってきたこのレイ君の体に憑依してた魔王を名乗っていた俺を倒したんでしょ?」

とシルビアが質問してくる。俺の答えは間違ってはいなかった。ただその方法は違うけどね。俺はシルビアにもわかりやすく説明した。この俺はシルビアに話を聞きたいことがあると俺に言ってきたのである。それは一体どんな事だろうかと俺は思った。この俺が言うには他の魔族と会話をして人間たちに降伏してもいいのか相談したいという。この俺の言葉を聞いて俺が魔王の座に就いている魔族の長だという事に気づいたようだ。

この俺と俺が会話をしている間俺はシルビアにこの俺からもらったペンダントを見せてあげたのであった。するとこの魔王を名乗ったこの俺が、このペンダントは母上のものだと言い、それを見たシルビアはとても嬉しかったようで泣き出しそうな顔をしていたのであった。

俺はシルヴィアの母親が残したペンダントを受け取り、シルビアの母親の形見の品を大切に持ってあげてほしいと言うと、シルビアは感謝して涙ぐんでいた。

そしてシルビアの母のシルフィにこの俺が人間たちに降伏した時の話を詳しく聞きたいとお願いしたのだった。どうも人間に捕えられて魔族たちはひどい目に遭われているらしくこの俺も人間たちに逆らえば酷い目に遭うだろうと予想しているらしく人間たちと争うことに抵抗があるようだ。

そしてこの俺は人間たちが魔族たちに酷い事をしていないのかという事も気になるらしくて魔族たちのために戦う覚悟はあるのか?というようなことも確認するかのような表情をシルビアに見せていたのである。それに対してシルビアは

「私たちはもう魔族たちを守るために人間たちに戦いを挑むしかないと決断しました。ですから私たちと一緒に魔族の民を守れる方がいたのならば是非とも協力を願います!」とこの俺に協力を要請してきたのである。そしてシルビアはこの俺に、人間たちに降伏すれば魔族に酷いことをされないだろうと思ったからこそ降伏を決意したのだと説明したのだった。

そしてこの俺は、魔族の民がこの大陸に住む魔族と人間のハーフたちの住む国を守るという目的を持っているので、魔族の国の人間たちも魔族の国の魔族の国の人間たちが暮らす大陸で魔族の国の魔族の国の人間たちの安全を守りたいという強い思いを持っているということを聞いたことで魔族の国が人間に征服されて蹂躙されているという状況を知りながらも人間に屈しないで戦い続けなければならないという魔族たちの考えが理解できて、俺のやろうとしていることに協力しようと決めたようでありこの俺たちに協力することになったのである。

こうしてシルビアの父親にこの魔人の王の体を返してから魔人族と魔人王率いる魔人族の国に俺の仲間が向かっている間に俺達は魔人と人間の混血の国を建国することになった。

そして俺が人間たちから魔王の称号を簒奪したことでこの俺の魔王の座を奪ったので、この俺も一応魔王と名乗る権利があったのだがこの俺は人間の国の王に即位した。俺にはまだ人間としての記憶がありその記憶が人間側の世界にいた方がいいのだろうと判断してくれていたからである。俺は俺として人間の世界にいる方が人間としての意識を保つことが出来るのと俺として人間に味方をしたかったという気持ちが強かった。なのでこの俺には俺の代わりに人間側に残って魔族たちを裏切って人間に味方したという事で、この俺に人間から魔王の座を奪う資格を与えることにしたのだった。

この俺は魔族の国の王になった。そして魔族と人間が共存できる魔族と人間の国を作るための計画を実行することになる。

まずこの俺を魔王と名乗った俺が取り込むまで俺が住んでいた街に拠点を移した。そこは俺と魔王を名乗ったこの俺の二人がいる街である。その街の名前は『魔人の国』だ。俺は魔王に変身することができるようになり魔王と名乗る資格も持っているのだが魔王と名乗っても俺の仲間たちに迷惑をかけるかもしれないと思い、この俺には魔人族の国の国王になってもらって、俺の方では人間たちに敵対しないように魔王として君臨し続けることにしてこの魔人の王である俺を人間側に置いておくことでこの魔人王は魔族たちの敵にならないという証明としたのであった。

魔人が統治する魔人の国は、魔人の王であるこの俺と魔王を名乗る俺が魔人を治めるために、魔人族と人間の国を二つ作る。俺が魔王を名乗っている俺は魔人族と人間と魔人との間の混血種の魔人たちが住まう『魔人族の国』を、この俺は魔人族以外の種族も受け入れ魔人以外の種族が住む国と人間たちが住んでいる国との間に作った人間だけが住んでいる国を、『人間の国』と名付けることにした。魔族の国を作った俺は、この俺に魔人の国を統治する権限を与え魔人の国を運営を任せた。俺自身は人間側が魔人の国に対して侵略を仕掛けてきた時に備えていつでも迎撃できるようにこの国に滞在していることにしたのだった。俺は魔王の座からこの体の持ち主である俺を追放してしまった罪悪感があってこの国に残ることにしているのである。俺が俺の体に憑依している間は魔王の座に就くことができなかった。つまりこの体に入っている俺の人格が消えるか、あるいは魔王を名乗るこの男が俺の体から出て行くのを待っていないと俺が俺に戻ることは絶対にできなかったからだ。

俺は魔人の国から俺の仲間のところに向かって出発をするのだが、その時に魔人族の女であるミリーの母親が妊娠していることがわかった。この体の中に魔王を名乗った俺が入った時には魔人は魔獣に変身する能力が使えるのだが魔獣になったときに腹の中で胎児が生まれると魔人族の場合は生まれてすぐ死んでしまう可能性があったので、ミリーの母親を妊娠中に俺のスキルを使って魔素が発生しない安全な状態にして魔素を発生させないようにしたのだ。この俺が魔王の座に就く前の状態で魔族であるこのミリーの母親が妊娠していたことでこの俺は魔王の座を奪おうとした時もこの女性の存在を忘れていたのである。この俺は魔王の座を簒奪した時点で自分のことだけを考えていたのでその女性の事を完全に忘れていた。俺はミリーとその母親を人間たちが住んでいる大陸に移動させてそこで暮らしてもらったのである。それから俺達の仲間のところにたどり着いたのである。仲間と言っても魔道具師であり発明家でもある天才錬金術師のマリー、そして俺の体に乗り移った元人間でありながら魔王を名乗りこの世界の全ての魔物の王になっている俺が召喚した女神と死神が俺の妻であり俺の大切な存在で仲間と言える存在であるのである。そして魔導戦車や飛行戦艦など俺の仲間の発明した武器やアイテムで武装して人間たちが住んでいる世界に行く準備をしていたのだ。

俺は仲間と一緒にこの俺から託された任務を実行するために人間たちと共存している魔人族の国が作られている大陸にあるこの世界に最初に転移した場所に向かったのであった。その場所というのは俺が最初に来ていた地球で住んでいた家がある場所であるのだ。そこには魔王を名乗った俺の配下である十二将と魔道兵器たちがいたのである。そして俺は魔王に変身してからこの魔族が住んでいる世界に来てからすぐに人間たちが攻めてきてこの俺を取り込んで俺の体を乗っ取ってしまった。その時から魔王と名乗っていた俺の体に乗り移るまでにこの俺がこの魔族の国を造っていて俺が乗り移るのを待っていたのだという。この魔族たちはこの世界で俺の魔族に命令して俺のために働いてくれた者たちなのだが、俺は魔族たちに「この世界を人間に支配させるわけにはいかない」と言う使命を伝えた。すると魔王を名乗った俺は俺が俺に魔族に下達するのと同じように魔族に魔族に魔人族の国で生きるように指令を出したのだった。この俺の命令で魔族たちは今まで通りに人間と共存しながら平和に生きていくことを選んだ。人間たちと戦って死ぬのならば、それはそれで運命だと思っている魔族がほとんどだが人間は恐ろしい生物だという事は認識しており戦争になればどうなるかわからないという事を俺はよくわかっていた。それに人間の中には善人もいるという事も知っているがほとんどの人間は欲深く傲慢で自分勝手に生きている者が多いということをこの魔王を名乗っていた俺は俺よりも良く理解しているようである。なので魔王を名乗っている俺には人間に敵対する意思はないことを魔族たちに伝えると同時に、人間たちを襲って食料を奪ったりしない代わりにこの国の土地を貸して欲しいと交渉をお願いしてきた。もちろん人間たちと仲良くするためにはこの俺が魔王の地位を降りたという事を隠すために魔王を名乗った俺は人間たちから俺と人間の間に生まれたハーフだと思わせるような外見に変えてもらうことも伝えたのである。そうすることで人間たちは魔族と人間のハーフの子供が産まれることを理解して魔族を敵視することもなく、魔族は人間の味方になったということはバレないと思ったようだ。それから魔族たちにも魔王と名乗った俺は魔族たちが住む土地を提供してくれた人間たちの国をこの魔王が治めていくことになったことを報告していたのだった。魔族たちは俺が魔王として魔族の国を治めると報告を受けても誰も俺が魔王であることを信じていない。そもそも俺は人間たちの住む世界に行ってからこの俺を追放するまで一度も魔族の国の王になろうとは考えていなかったからである。俺は魔族の国を統治していればいつかは人間たちが魔王を名乗って人間たちの王国を造るのではないかと恐れていたが、それがこんなにも早く現実になるなんて思ってもいなかったのだ。なので魔人たちは俺の話を聞いても魔王を名乗った俺を信じることが出来なかった。それどころか魔王を名乗った俺のことを魔族の国に侵入してきたスパイなんじゃないかと疑い始める始末であった。そんな状況に俺は焦ってしまい俺は俺に人間に敵対するつもりがないのと人間と友好的に接することを決めたことを説明すると、俺の事を信じられないという態度を魔族たちが取るようになってしまい、俺の話を聞こうともしてくれなかった。なので仕方なく魔族たちを無理やり納得させるためと、この俺が魔族の国に戻って来た時に魔王を名乗ったこの俺の存在を疑われることがないよう魔王を名乗った俺が魔王の座に就いていた時の記憶もすべて魔族に残していくという作業を行うことになってしまったのである。

俺は魔族たちに魔族の国の城やこの魔族の国にある街や都市をすべて俺の記憶の中に移す作業を終わらせた。魔族の記憶はすべて俺の頭に移植されてしまいもう俺がこの体から出て行った後でもこの体は俺の意思に従うことになるのである。俺がこの世界にやってきたときに持っていたアイテムや装備なども全部収納魔法の中にあるので、俺の体の中に残っている記憶を頼りに俺の体に残っていたアイテムと装備品も魔族が俺が魔族の国を統治することになったという事実を証明するために必要なアイテムだと判断されていたので俺の記憶が移植された後には回収されていた。俺は俺の体に残っている記憶が間違っている可能性も考えたが、人間に敵意を持つ魔族の感情をこの俺に残すことで人間と魔族の間に大きな争いが引き起こされる可能性がなくなると判断したので俺の体に魔族の国での出来事と人間たちと共存するために必要だと考えている情報を残したのだ。この魔族の国の情報が人間側に漏れると、人間側がこの俺に攻撃を仕掛けてくる危険性があったからだ。

俺は俺の仲間たちがいる大陸に戻りたいと思うのだが移動手段がないために俺は俺の作った乗り物を使って空を飛んでこの俺の領地の大陸に移動することにした。そしてこの魔人の国にやって来たこの魔人たちが使っていた空飛ぶ魔道飛行船が使えるかもしれないと考え、その飛行船を改良して空を飛ぶ魔導船を作ってみることにした。この魔人たちが作った魔導船は動力源としてこの世界のエネルギーである魔石を使用していたため、この世界にあるすべての魔石を俺の持っている空間庫の中の魔結晶に変化させて動力とする改造を行った。

この魔族の国を出発する時は十二将軍の全員に魔族の国を統治してもらうための魔族の国王の証の『王の魔核』を渡すと十二将軍とこの魔族の国王である俺の娘である女神のクリスティアが魔族の国に残ることが決まったのであった。そしてこの魔族に転生した俺が魔族の国で造らせた魔獣用の兵器である飛行魔道戦闘機も一緒にこの魔族の国に置いておくことにしたのである。

それから俺は俺の妻たちに会いに行き、これからこの世界に来た目的の一つであるこの世界の創造神である女神が住んでいる神殿に向かったのだった。俺は女神の住んでいる場所に転移すると女神の使徒でありこの異世界に転移したときに世話になって俺と行動を共にしている猫の獣人であるミトと、この世界でも珍しいエルフ族の少女リリスが待っていた。この二人は俺の仲間の中で最初にこの世界で知り合った人物である。この二人と出会って俺は人間と共存しようと考えるようになったのだ。そのきっかけをくれたこの二人のことをこの俺の体がこの魔人族に生まれ変わった今も俺は大切な友人だと心から思うことができるのである。俺はこの世界で最初にこの世界に飛ばされたときにこの二人がこの世界で生活するための環境を作るのに尽力してくれたのである。その恩もあり俺達はずっと一緒にこの世界で旅を続けているのだ。俺はこのミトとリリスの他にも多くの人たちとこの世界で出会ったのだが、この世界で最初に出会った二人であるこのミトとリリスの事がとても好きである。

ミトはこの世界に来て最初に俺が助けた獣人であり、この世界で初めて出会った人族の美少女である。彼女はこの世界では数少ない回復系のスキル持ちであった。彼女のおかげでこの世界に来てすぐに俺は死なずに済んだのである。ミトは自分が俺を助けてしまったせいで俺に殺されてしまうと本気で考えていたらしい。俺はそんな彼女を救えたことにすごく感謝をしているのだが、それでも自分のことを殺そうとしたこの世界の魔人をこの手で殺してしまったために彼女の俺に対する恐怖感はかなり大きいままなのだ。それからしばらく彼女と行動してわかったことがある。彼女はもともと冒険者として生計を立てていてかなり強かったらしい。だが俺と出会った時はまだレベル一桁だったのだそうだ。だが今ではこの世界の魔物の中でも強いと言われている存在であり最強の存在になっているのである。この世界でのレベルは10刻みとなっており一番上が100、下は9となっている。ちなみに魔人族の平均レベルは50くらいである。そしてレベル1の状態でこの世界に現れた俺も今はレベル150のステータス値になっているから、普通の人から見るととんでもない化け物だと思われるのである。しかも俺が元々持っていた特殊能力やこの世界に来てすぐに身に着けていたアイテムの力もあるからこそこのレベルのステータス値を俺は手に入れているわけである。

俺はこの世界でのんびりと過ごしていたのだが、ミトや仲間と一緒に冒険していたある日、仲間の一人である猫の亜人で俺が最初にこの世界に召喚されたときに召喚士の少女であるリリスと初めて会った時にリリスと二人でいた時にこの世界の人間に攻撃された。俺たちの乗っていた馬車を襲って襲ったのはこの世界の人間たちで盗賊であった。

それからこの盗賊たちに襲われていたところをミトやリリスや他の仲間たちが救い出してくれたおかげで何とか難を逃れることが出来た。そしてそれから俺達はこの世界を冒険することになったのである。俺はこの時この世界に飛ばされてから初めての戦闘を経験する事になった。この世界は地球の世界よりも圧倒的に危険なので、俺と仲間のリリスとミトの3人はお互いに守り合うことでどうにか今まで生きてこれたのである。それから俺がこの世界をさまよっていると、俺達が魔族に襲われたこの世界を救うために魔族の国に戦争をしかけて、人間たちと争っている魔族の国の話を聞いた。その時はまさか魔族の国が本当に人間たちに侵略されるとは思ってもいなかったし、俺も魔族の国に行った事はなかった。だから俺もこの世界に来る前に魔族の国には一度訪れてみたいと思っていた。それに魔族たちがどのように暮らしているのかも興味があった。

なので俺も戦争を起こさないように魔族たちの手助けをしたいと考えた。魔族たちも人間たちから襲われているという事を知ってしまった以上俺も人間たちの事が好きではないが、魔族たちだけの問題ではないから、この世界の魔族と人間の戦いを終わらせようと思って、人間たちが攻め込んできている魔族の国の最前線に向かって俺達三人は向かう事にしたのである。この世界の魔族と人間の争いを止めるために向かう俺達の前には数々の障害が立ちはだかったが、なんとか魔族の王となったシルヴィアの助けを借りて魔族の国を守り切ったのであった。

この俺は今女神から与えられたこの肉体の本来の姿に戻ったので、この俺が本来持っていたアイテムと、俺の記憶を頼りに魔族たちに造らせた乗り物を空間庫に入れて俺はミトとリリスを連れてこの世界にいる魔族たちの所へ帰るために空を飛んでこの異世界の大陸を離れることにしたのであった。

それからこの俺は空を飛んで自分の生まれた大陸に帰る途中で、人間に滅ぼされて魔族の住む大陸に攻め込まれたこの俺の生まれ故郷がある島に向かった。そして俺はそこでこの魔人の国を建国してから魔族の王となり、魔族の国に人間が侵入しないように結界を張ることにしたのである。俺はこの世界の人間たちが魔族の国に入らないようにする為に、この島の周囲をぐるっと囲む形で俺がこの大陸の魔王になった後に造った魔族の住む国を囲む大きな障壁魔法を発動させた。これで人間たちはこの魔族の国から立ち入ることはできなくなったのである。この魔族の国を取り囲むようにして作られたこの巨大な障壁魔法を見た人間は驚愕すると同時にこの障壁に恐れを抱くことになるのだった。この巨大な障壁魔法を見て、この俺とこの魔人の国の始祖である魔王によって造られたというこの国に対しての畏怖が広がっていった。

この障壁魔法の外にあるこの国に入り込むことが出来るのが唯一空を飛べる魔族だけだった。この魔人の国の周囲にはこの俺が作ったこの巨大障壁魔法が存在するため魔族以外の者はこの魔族の国の上空に侵入することが出来ないようになっていた。俺は俺が造った国を守るために、この魔族の国の周辺に俺の分身とも言えるこの国を治める者たちを残して俺は魔族が暮らしやすい国づくりを始めた。

魔族の国の周辺には大きな魔獣の領域が広がっているがこの領域には俺の領地に住む全ての魔獣たちより遥かに強力な個体が多く存在している。そしてこの場所の近くにある迷宮には必ずと言っていいほど上位の竜種の魔獣が存在しているのだ。魔素が濃いこの迷宮の中に生息している魔族はその力を得て進化していく。その進化した魔族の中には他の場所に住んでいる竜種以上の力を持つ存在が生まれていくのである。この世界で竜種とは特別な存在であった。なぜならば、ドラゴンが住まう土地は豊かな恵みをもたらすからだ。その強大な力でドラゴンの生息地であるこの世界でのこの領域を支配しているのが魔竜王と呼ばれる魔族であり魔人の国のあるこの世界を支配する六体の最強の龍である。

俺はこの六体存在する魔竜王を倒すことが俺が魔人になって最初に掲げた目標である。俺の仲間が魔人になる前に出会ったあの伝説の大魔法使いのエルドリアに教えてもらった情報を元に俺も俺の家族たちと一緒に魔獣の討伐を行ったのだ。そして俺は魔人となって得た新たなスキルである【神器召喚】を使って俺の持つ最強神級の武器の一つ「天叢雲剣」を呼び出してそれを使い倒した魔竜王がいるダンジョンに俺は仲間とともに向かい戦い続けたのである。この世界の魔人はこの世界に存在する神に匹敵する程の魔力を持っているために、神に近い存在である六体の魔竜王とも戦えたのだった。そして俺がこの世界に現れるまで、最強の生物だったこの世界の魔人族の頂点に君臨するのが、現在この世界に君臨している俺の嫁であり女神であるクリスティアなのだ。しかし俺が現れてからもまだ俺の妻である女神やこの世界の最強の存在だった俺の妻は健在である。俺の妻である神々はこの世界で生きる者の中でもトップクラスの強さを誇っているから俺が妻たちを護り切れなかったら、世界の終わりが訪れるだろうと考えているのだ。

この俺の世界で一番強い存在は間違いなく魔人族であるが次に強くなるのが、俺の仲間であり俺が愛した元勇者であるリリィの子供たちや魔人たちが進化をして生まれる種族の者達だ。魔族の中にもこの魔人の国の始祖であり初代の魔王が残した知識と技術を継承していて魔人の中でも更に進化した強者が生まれ始めているのである。俺はこの世界に俺の家族たちと暮らすようになってからは毎日のように俺の仲間の一人で現在は魔王軍十二将の将軍の任についているミトと共に鍛えている。この魔人の国の周辺の魔獣たちなら今の俺の敵ではなく、ミトもすでにこの世界でも屈指の実力者となっているのだ。

そんな感じでこの俺がこの異世界に来てからの約千年の間ずっとこの世界を見守りながら、人間たちと戦うこの世界の魔族の力になりたいと思った俺はこの世界の創造主である俺の女神とこの世界を見守っている神様の使徒の天使に頼み込んで、この異世界に転移して人間たちに虐げられている魔人たちを救うことにしたのだ。この俺がこの異世界で暮らしていた頃はこの世界に転生してくる前は日本で高校生をしていたし、高校二年生の時に俺と付き合っていた彼女が殺されてしまった。そんな辛い思いをしてきた俺だがこの世界で俺は幸せに暮らしている。俺とこの俺の仲間たち家族たちは、魔人族に救われてから魔人族たちが住み着くようになり今では魔人の国と呼ばれているこの地の魔族たちにはすごく良くしてもらえた。そして人間たちが俺たちの故郷に攻め込んできた時は、俺たちのために必死で戦ったり命を賭けて俺たちを助けてくれたりしたのだから、今度は俺たちも恩返しとして助けてあげたいし人間たちと魔族の間に出来た憎しみや恨みを無くしたいと思っていてこの俺の力で平和にしてやりたいと思っている。それに俺はもうこの世界でやることがなくなったからこれからはこの魔族の国がこの世界で魔人と人間が仲良く暮らせるような国に出来るように努力するつもりでこの国に来たのであった。

俺達は魔族の国が襲ってきた人間たちから魔族の国を守るための防衛戦争をしているときに魔人族とこの魔族の国の王となったシルヴィアの二人が協力してこの国を守ろうとしてくれていた。そして俺達三人はミトとシルヴィアの力を借りる為に人間たちが攻めてくる戦場に向かっていたのであった。

俺達はシルビアの力により人間たちの大軍とぶつかり合う前線からかなり離れた場所に移動すると、そこには既に俺の知っている顔がいたのである。それは以前シルヴィアや俺の仲間だった女性陣に好意を抱いてストーカー紛いのことをしていた元勇者の現魔王の少年がこの世界に来ていることは聞いていたのだが、その彼がいたのであった。彼は魔王となりこの世界を征服すると豪語していたのでこの世界を混乱させてしまうかもしれないと危惧していたが俺が彼を止めようとしても話を聞こうとしないので、彼の力を借りて俺の家族たちが人間たちと争っている魔族の国に向かうことにしたのであった。俺が彼に「一緒についてきてもいいけどこの世界の混乱だけは招かないようにしてよ」と言って説得すると、「僕はこの世界で好き勝手する為にこの国を乗っ取りますよ!」と堂々と言ってきたのである。

この世界の人間は自分たちに害をなす者を絶対に許さない。特に魔人の国を乗っ取ろうものならばその国を攻め落とし人間たちは魔人の国を自分たちの国とするべく戦争を始めるのが目に見えているのである。それに俺はこの世界に来る前から、俺が住んでいた日本にいた時にもこの魔族の国に何度か行ったことがある。なので俺はこの世界の魔族が人間たちの手によって苦しめられないようにこの国の事を守ってやりたかった。だから人間と争うつもりがない俺は魔王である少年の同行を許可したのである。「俺は魔人族たちがこの世界に現れたことで魔族の国の人達と魔人が争い合うことを止めたいんで一緒に協力して欲しい。あと魔人族がこの国に住み着いたことを人間の国の連中はまだ知らない。だから俺は魔族を迫害する人間たちを俺は許せないんだ。この国に住む魔族の為にもなると思って人間たちに奪われたこの国を取り戻して欲しいんだけどお願いできないかな?」

この俺はそう言ってこの魔人の国に人間たちに国を侵略されているという情報を伝えるためにやって来たと思われる魔族に対してこの魔族の王に話しかけたのである。

「あなたはこの国の住民なのですね? 私は魔族の王です。そしてこの国は私と配下の者たちの手で取り戻します。あなたのお気持ち感謝致します」

俺の願いを聞き入れた魔王は人間と敵対関係になることを望んでいる魔族たちのことを考えて、俺が言った通りこの国の奪還に協力してくれるようだ。

俺は俺の目の前にいるこの世界に来てから俺の初めて会ったこの魔族の王はシルヴィアの血縁者である魔王と話が出来る機会が訪れたのがとても嬉しかったのである。

「ああ俺もできる限りのことはやるつもりです。この国の人たちはこの魔族の国に住んでいるだけあって、人間たちと違って優しい人たちばかりで、魔族にも差別意識を持たずに接してくれています。だからこそ俺は人間と魔族との諍いを終わらせる手伝いをしてみたいと思うんです。でも俺一人だけでは限界があるしこの国を取り戻した時に、この国の人たちを救って欲しいと思っている。この魔族の王様である貴方なら、この国に住んでいたこの国に住んでいる人を大切にするでしょう。だからどうか魔族にこの国を任せて欲しいと思います」

俺は魔王に向かってこの魔族の国を取り返してからこの国の人々を救ってくれないかと言うお願いをしたのだった。この国の住民たちが本当にいい人ばかりなのだ。俺にとってはここは第二の故郷のようなものになっていたから魔人の国が滅びるのは嫌だったのだ。俺の話を聞いたこの魔人の王は真剣な眼差しで俺の顔を見ると微笑み俺に手を差し伸べてきた。俺もその手に手を触れて握手を交わすとその魔王は俺の目を見て言ったのである。

「わかりました!! 私の全力を持って国を取り戻しこの国の民の皆さんの期待に応えてみせましょう。あなたのお言葉はしっかりと受け取ります!!」

魔人の王が笑顔になり俺の言葉を受け容れてくれたのがわかってホッとしたのだ。俺はその後シルヴィアや仲間であるミトと話し合い魔王が俺達にしてくれたことと同じようにこの魔族の王の力を借りてこの魔人の国の王であるこの国の住民の味方をすることに決めたのである。そして俺たちは人間たちの軍勢と戦っている最前線に向かったのであった。この俺とミトが人間の軍勢に戦いに行く前日の夜にはシルヴィアの家族たちと魔人族の人たちも俺とミトについて行くことに決まり明日の戦いに備えて俺は仲間たちと一緒に眠りについたのだ。そして翌日になった。

俺達はシルヴィアと俺の妻である女神のクリスティア、そしてシルヴィアの息子の魔王と、俺の妻でシルヴィアの姉にあたる元女神のリディア、それとリディアの双子の妹の双子姉妹の妹のリーザは魔人の国で俺達の身の回りのお世話をしてくれているシルビアに俺とミトそしてシルヴィアの子供とリディアーナにクリスティアの息子である双子の子供たちにクリスティアの娘である長女でこの国の女王であり女神でもあるシルヴィを加えた総勢八名の俺達一行がこの魔人の国を救いに向かいこの世界の最強種である六体の竜王と戦いに向かった。

この俺の子供たちとこの魔人の国の人たちと魔族の人たちは俺達がこれからやろうとしていることを聞いて俺の言う通りに付いてきてくれたのだ。そして魔人の王はこの国の兵士たちと共に先頭に立って戦うことになるが、他の皆は後方部隊について来てもらい俺が魔人の王の力を使う際にこの国の人を守る役割になって貰うことになっている。

「じゃあみんな行こうか!シルヴィアとリリィは俺にくっついてきて。この魔族の国に俺達が住む家を建てたから、そこに行って作戦会議をしながらこの魔族の王さんに魔導通信機で魔族の国とこの魔人の国の全軍の指揮を取っている魔族の代表者である魔王の人と話そう。この魔族たちが住んでいるこの魔人の国が人間の国の奴らに攻められているらしいから、この魔族の国が人間の国の奴らに奪われることが無いように、今俺とこの魔人族の王でこの魔人の国が取り戻すために向かうことにした。だからシルヴィアは俺に力を貸して欲しい!」

「もちろんよ。私はリュウちゃんのものだものね。ずっとそばに居させてね」

そう言いながら俺に甘えてくるシルビアがとても可愛いくて思わずキスしたくなったのだが俺はグッと堪えたのであった。そして俺は俺と魔人の王の力を借りて【聖槍】を二本作り出したのである。そしてこの二つの【神器】で俺は魔王軍や魔族の王と協力し人間たちの軍勢と戦うことを決めた。

この俺の仲間たちがこの俺に力を合わせてくれることが本当に嬉しい。そして魔族やこの魔族の国の人々は俺とシルヴィアと魔王によって命を救われた。その俺のために戦おうとしている。俺のために戦ってくれるのならば、この世界に来てから俺はずっと守られる立場であったが俺だって自分の家族を守りたい。だから俺の家族のためにもこの戦いに勝つぞと思い気合いを入れ直すと俺は【聖槍 一天万象】で生み出した魔刃に魔力を込めてこの国を取り戻すために、人間と魔族との戦いに決着をつけに行ったのであった。

俺の家族とこの魔族の王とシルヴィアの子供たちと、この魔族の国を魔族たちから取り戻そうとしているこの国の軍の総指揮を取っていて魔族の王であるこの国の国王である魔人族の青年が同行してくれているので俺が持っている最強の武器の二つである【真祖の聖槍】と【神威の聖弓】の二種類の【神具】の力で俺は魔族の国に攻め込んでいる人間の軍隊を殲滅することにした。

この世界では人間が支配している大陸や島が一つありその人間の国家が四つ存在しそれぞれが自分たちの大陸や島の国々を支配しようとしていて人間同士で争い合っているのだが、その中でも人間の勢力の中で一番強いと言われている「帝国」と呼ばれる帝国の皇帝は自分が絶対的な存在だと疑わずにいるそうだ。そしてその四カ国のうちの一つの帝国の軍隊の中に、今回のこの魔族の国に侵攻している「帝国軍」の総大将がいる。その人間は俺のことを「人間族の英雄様」だと勘違いして自分より弱い者たちがこの世界で一番偉い種族だと思い、調子に乗りすぎて周りが見えていないらしい。そして俺がこの世界にやって来てからも、俺をこの世界から排除して人間だけの世界で暮らしたいという理由だけで、俺を殺そうとしてきた人間たちがいたくらいなので人間とはそういう生き物であると認識しなければならないのかもしれない。そしてその人間の大国の一つである帝国の皇帝こそが今回のこの国を攻め滅ぼそうと軍を率いてやってきたという訳である。

この俺の事を勇者だと思い込み人間至上主義を貫いている「帝国」の皇帝である男は、この俺とミトの力を脅威として感じているようで、俺とミトが人間たちに戦いを挑む前に、俺とミトを殺しに来るつもりらしく、この国の人たちを苦しめていた魔物や魔獣たちを自分たちに従わせるべくこの魔族の国にやって来たのだと言う。そんなに簡単にこの魔族の国が乗っ取れるのなら、何故もっと早い段階で攻め込まなかったのだろうか? そう思うのが当然なのだが、この国の人たちの話によると、どうもこの国の人たちは「魔王軍」という人間から魔族と呼ばれ迫害されている者達の味方であるこの国の住民からすれば「裏切り者」に当たる集団に苦しめられてきたのだという。魔族の人たちはこの魔人の国の人たちと同じ人間であるこの国の住人に対して差別意識など持っていない。

だが人間から見ればこの魔族の国に住む魔族の人たちも同じ人間であり、この国にいる全ての魔族の人たちはこの魔族の国の住民たちにとって、人間たちから差別されてきた「同族の者を救う為に立ち上がった魔族たちの仲間」にしか見えず、魔族の人たちを助けることはこの国で暮らす人々への裏切りであると思っている人間たちの権力者たちによって騙されてしまったのだった。そのため人間側の権力者たちは魔族が治める国を魔族の人たちもろとも焼き尽くし完全に征服しようと考えていて、人間至上主義を貫く「帝国」はその考えに同調してしまい今回このような事態になったのである。この魔人の国は人間たちと敵対する魔族たちが暮らす魔族の国から、人間の権力者たちによる差別から解放された「平和な土地」になりかけていたのだ。そしてそれを阻止する為にこの魔人の国を攻め落とすことで、人間が支配する土地の国々にこの魔人の国を制圧したことを宣言しようと考えたようだ。そうすることによって人間の大陸や島での戦争を止める抑止力にするつもりらしい。そのためにまずこの国を占領しようとしていたのである。この魔人の国にある遺跡は魔族たちの手によって守りが堅く攻略に苦労していたのでこの国の制圧は後回しにしてでも先に進んだ結果なのだという。だから今回は俺とミトを始末できれば後は、魔王軍を味方につければ勝てると考えているようなのだ。だがその魔王軍に俺達二人が挑もうとすることを知った魔族の人たちの殆どが俺達に加勢するために魔人国の兵士たちとこの魔人の国を奪還する為に立ち上がることになってしまった。

俺が魔人の国の王様と話をしたところ俺の【真血 魔導神槍 】は俺の【魔血 神装武具 】である【聖魔刀】と同様に俺が元々所有している【神器】の【真器】であるため、魔族の王の魔力を流し込むことが俺にもできることがわかったのである。それで魔人の王も【真器】の所有者になり【真祖の血】と魔人の国の住民の命である【血涙】を使うことによって【真器】の力を開放させることができるようになったのだった。その結果この国の住民の皆さんの魔力も俺の体に流れているのがわかって俺の力になってくれることがわかり心強かった。そして魔族の王も俺に魔力を流すことができるようになり二人で協力して俺の力である二つの武器に俺の【真祖の血 魔道バイクシルビアスペシャル】に使っている俺とシルヴィアの子供とミトの体に流れる【魔素 魔粒子】の魔石に俺の【聖血 魔導神槍 】の柄の部分に入っている俺の血液に【魔素 魔粒子】を融合させることができたので俺はこれで俺とシルヴィアの子供たちとミトの体内に流れ込んでくる【魔素 魔粒子】を使って、【聖槍 一天万象】の力を最大限に使うことができるようになっていた。これにより魔族の国の人たちと人間たちの戦いを終わらせることができそうだと、俺は嬉しくなっていたのである。

俺と魔人の王は俺の力になるべく多くの人を助けたいと申し出てくれたので、この国の王城に住まうことになった。俺とシルヴィアとリリィは魔王城に住んでいたのだがそこは既に破壊されていたので新しく俺の家を建てた場所に移動することにした。魔王城は人間側にも知られている可能性があるためだ。この魔人の国ではシルヴィアが王都から持ってきた食材と、俺のアイテムボックスに保管している材料と調味料や調理器具で俺とシルヴィアとシルビアで美味しい料理を作った。

シルヴィアも俺と同じように自分の能力や俺の能力や知識を共有できるようにしたおかげでシルヴィアの作るお酒はとてもおいしかった。だから皆は俺達が食べ終わった後の残り物をおかずにご飯を食べていた。そうすることで少しでも早く俺達の仲間になることが出来たのであった。そうすると今まで虐げられていたこの魔族の人たちの「力」は急激に高まっていき魔族の強さと団結力は魔導国の人族の中でも上位に位置する強さになっていった。

俺はこの世界の人たちのために戦いたいと思う。そうしなければ俺を異世界に送り込んだあの女は許せないからだ。だから俺を陥れたこの世界をこの世界にいる人達と一緒に取り戻したい。俺が生まれ育ったこの世界を守り抜きたいんだ。だから魔人族の王やこの国の人の為に頑張るぞ!そして人間たちの国々との決着をつけてやろう。

こうして俺たちは魔王軍の力も借りながら人間たちの国々との戦いに挑むことにしたのであった。この国を取り戻す為に!!そして人間たちを滅ぼしこの世界を守るために。だから俺は「魔槍 一天万象」と「聖槍 二天一流」に魔力を込めて、【浄眼 鑑定透視解析】で人間の軍隊のいる位置を割り出し狙いを定めて二つの最強兵器の力を最大限活用する為の作戦を実行に移す。この国を俺達の手に取り戻す為に。この国にはシルヴィアの大切な子供であるミトがいるんだ!絶対にこの国を取り戻す。ミトが幸せに暮らせるこの魔族の国を守る。ミトに寂しい思いをさせたり泣かせる奴らは全員皆殺しにしてやる!!!!そう心に誓い俺とミトと魔族たちが人間の軍勢と戦う決意をした。そしてこの日俺はミトを俺が乗っている乗り物に乗せ俺は魔人の王にこの国の人たちを纏めるように言って俺は魔人王とミトを乗せて戦場へと向かって行ったのであった。そして魔人王には、これから魔人国軍を率いて人間たちを蹴散らして欲しいことを頼む。この国は魔人王が治めていた国であり、魔人の王こそがこの国で一番偉い人であると俺とミトは思っていた。だからこの魔族の国で一番偉い人は魔王であり、魔王こそが一番偉いという魔族の人たちの考えが根付いている魔人国の人たちを魔人が束ねる事が一番良い方法なのだと思ったのである。

そして俺の考えた通りに魔王軍の副隊長である魔人の男も一緒に行くことを提案して来たのである。その男はこの魔人の国で最も強い実力を持っている人物なのだという。そしてその男が一緒であれば人間の大軍を撃退できる可能性が格段に上がるのだと言っていた。この魔人の国を取り返すためにはその魔人の国で最も強いという魔人に頑張ってもらうのが良いと俺は判断したのである。俺達がいるこの場所にたどり着く前にこの魔人の国を襲っていた人間の軍隊を壊滅させて欲しいのだ。この魔族の国の魔導士が作り出した転移陣で俺達は魔人の国にやってきたが魔族たちはこの国に転移陣を作る技術は持っていないのだと聞いていた。

俺とミトは、この魔族たちが作った魔族の国の地図を見て、俺の作った【魔獣召喚 魔獣合成】の能力をこの国にいる魔人たちに伝えると俺の言うことに全員が納得してくれ、俺が言った通りにしてくれた。だからこの国で暮らしている魔人たちは、その力を発揮できてとても強くなっているはずなのだ。

俺が魔人王に命令し、この国にいた魔人の国の兵を引き連れて俺達と共に魔族の国を取り戻す戦いをしてくれることを約束してもらったのだ。だが魔人たちは俺とミトに対して恩義を感じていた。俺と魔人の王は俺が持っている【聖血 魔導神槍 】と【魔道バイクシルビアスペシャル】の力を利用して【血流操作 身体強化 身体能力上昇】と【血流魔法 血魔武装 血装武具】を使い戦う事を伝えたのである。【血流魔法 血流制御】と【魔素 魔粒子 魔血 血魔武器】も俺と魔人の王に伝え魔人の国の人にも使えるようにしておいた。これでこの国にいる全ての魔人たちが「血の力」を使うことができる。そうすれば俺が知っている最強の軍団ができるのだ。この国にいる全ての兵士とこの国の民の命が「魔血 魔道具 魔剣 魔槍 魔弓 魔杖 魔棍棒 大斧 戦鎚」の力を使うことによって大幅に底上げされた状態で人間の軍隊と渡り合えるはずだと。

だからこの魔人の国は魔王軍だけで守ることができるのである。そして俺の子供たちと俺が信頼する仲間たちで人間たちの軍隊を全滅させるつもりなのだ。だから魔人王はこの国の人たちを率いて戦いに出ても問題はないのだと言うことも伝えると喜んでくれた。そうすると俺の予想通りのことが現実に起こったのだ。この国の人達の力が飛躍的に上がったのである。それにより俺の想像以上の結果が出るのではないかと思えてきた。この国が平和になった暁には魔族の人達は皆が仲良く暮らせれるようになっていると嬉しくなってくるのだった。

俺達が向かった場所では既に戦闘が始まっていて俺がここに来ているのがばれてしまったようで俺は「魔槍 一天万象」に俺の血を流し込みその力で魔人を切り裂くように「槍投げ」をする。「魔槍 一天万象」が魔人の体を貫通したと同時に「魔槍」は消え、【真血魔道バイクシルビアスペシャル】の後ろにいるミトは魔槍の槍の先に向かって魔力弾を発射した。それによって魔人は心臓を撃ち抜かれ息絶えることになる。この国の魔人も人間も全て俺が守る!だから安心して眠ってくれ!!と心の中で叫びながら次々と敵兵をなぎ倒していったのであった。

そしてこの国の人達に俺の血が流れることで、今までとは比較にならない程に能力が上がり俺の子供たちは魔人や人間が持っている武器に魔血を与えると武器の攻撃力を爆発的に上げたり敵の体に纏わせる事で防御力を下げたり攻撃してきた相手の武器の力を下げることができるようになり、この国に住んでいる人達に新たな力が与えられることになったのである。そして俺は【真血魔導神刀 シルビアスペシャル】と魔槍 二天一流を使っていくうちに「血」を纏った【聖槍 二天一流】を使うようになってくると次第にこの国の人だけではなく他の国の人達からも、この魔槍の使い手に付いていけば間違いないという話が伝わっていったのだった。

魔人王もこの国にいる人達に【聖槍 二天一流】の槍の使い方を教え、この国の人達は【聖槍 一天万象】を使った時に槍に流す「血液量」や【聖槍 一天万象】に流す血液量を自在に操れれば自分の「血液」を自由に操ることさえできるようになったので「血流魔法」が簡単に扱えるようになっていた。それにより魔族の人たちの戦闘能力は格段に向上し人間たちと互角以上にやり合う事ができるようになっていった。俺はその戦いぶりを見ているだけで満足だと思っていたが俺の目の前に現れた人間の兵士が俺を魔族だと思い込んで攻撃を仕掛けて来た。だから【ブラッドソード】を作り出してそれを魔人に斬りつけたのである。

「何!?お前は誰だ?俺はこの魔族の国の王になる者だ!邪魔する奴は排除する!」とその人間は俺に切りつけようとしてきたので、俺はそれを避けることができたが俺は、この世界の「勇者召喚 」に巻き込まれこの世界に強制的に飛ばされてきてしまったことを、この魔族の王と魔族の人たちに話そうとしたら、魔族の王が、俺の事を王と呼んだことに違和感を覚えた。そして俺は魔族の王の言葉を聞いてある結論に達した。俺の事を魔族の王やこの国の人たちは勘違いしている事に。

俺はこの国の王になるためではなくこの国の人たちを人間から解放するために俺はここへ来た。だから、この魔族の国の人を救う為に魔王の俺を殺さなくてはならなかったようだ。

そして魔人の王の体に触れて俺は「魔王の威圧 魔王覇気」で、その人間を恐怖で動けなくした後、俺はその人間の頭に手を置いてこの国で起こった事と俺とミトのことを説明をしようとしたのだ。この国の王はミトであるということとミトに子供がいる事も伝えたのである。ミトに子供を産ませた魔人の男の名前は伝えていない。だが俺の子供であることは確かだしミトを悲しませる事は許さない。

そして俺は魔族の王にこの国の人には魔血を与えた人以外の者は「魔素」が体に蓄積しないようにしてある事を伝える。これはミトが望んだことでもあるのだが。この魔素は魔物の体の中では、力となるエネルギー源なのだ。なのでこの国の人たちの身体能力の向上や力が増す要因になっているのだ。それにこの国にいるすべての人には、それぞれの「特性」があるという事とミトの身に着けている腕輪の説明をすると魔王の威厳を発動させて、魔族の王たちを怯えさせてしまうことになると思い、それはしなかった。ただミトの事を大切にしてくれるよう頼み込む。ミトも俺と同じ気持ちだと伝えると納得してくれた。そして俺の事をこの国の魔王として認めてくれてから俺は【真血魔導神刀 シルビアスペシャル】をこの国のために使っても良いと言うと泣いて喜んでいたのである。この国は俺とシルナに任せろと言い魔族の王たちはこの国から人間の軍隊を追い払うことに集中してくれるように指示を出した。この魔族たちの国の民たちの為に俺達は戦い抜くと約束をしたのだ。俺達なら大丈夫だろうと。魔族たちも魔人王も俺がこの世界に来た時から一緒に戦って来て信頼してくれている事が分かりとても嬉しかった。

そして魔族と人間の戦争が始まる前にミトは、俺とミトは魔王と王妃なのだと宣言する。俺の作った【魔道バイクシルビアカスタムバージョン】は俺とミト専用に作り替えたものだと言った。だからこのバイクに乗ることが許されるのは俺達の子供たちだけなのだと説明するとミトは俺との愛の結晶が産まれてくる子達に早く会いたいわと頬を染めていた。俺が、ミトと愛し合いミトとの間に産まれてくる子供の話をするとミトは顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。俺とシルナの子だから可愛いに決まっているし俺に似ていて欲しいとお願いしていたのだ。すると、シルヴィアとシスターが羨ましそうにしているのである。そんな様子を見た俺は思わず笑い声を出してしまったのだ。

それから数日してこの国にも平和が訪れたのであった。

この国にも平穏が戻り俺は魔族の王となった俺の事を魔族の王は「魔王陛下」と呼び始めてしまい少し戸惑っているがまぁ良いだろう。俺は【血流操作 血流武装 血装武具】を使い「血の槍」を作り出せるようになった。それにより俺は「血の剣 血剣」と「血剣 二天一流」が使えるようになったのだった。だがミトは「聖剣」を持っているので「血の剣」を使おうと思った時にミトは俺にこう言ってきたのだ。

「パパにはこの「剣」の方が似合っているよ」と。

確かに俺が今、持っている武器の中では一番、使い勝手がいい。だから俺はこの【真血魔導神刀 シルビアスペシャル】に【聖魂 ホーリーソウル】に聖の力が注ぎ込まれた時、どんな力が発動するのかが分からなかったのと【真血魔道 ブラッドマスター】は「血」の力を司っており「血」の力を使うと、【血魔混合魔法】が発動するので俺はこの【魔血剣 エクス カリバー ソード オブ ブラッディ ブレード】を使うことにした。

この魔道兵器は、この「血の魔道兵器」に魔道エネルギーを込めて使う事ができるので、俺はこの魔道戦車に魔道ライフルの弾と魔力タンクを取り付けて魔力弾を放つ事が出来る魔銃砲を作る事にしたのである。俺が作った魔導機械の魔道具に【魔力回復ポーション】を入れ込み、魔道エンジンで稼働できる魔導魔動馬車が完成したのでそれに乗って俺の仲間たちと共に戦いに出る事になったのだった。

「パパ!また無茶しないでね!」と言ってきたが「あぁ!任せとけ!!」と言って俺はミトの頭を優しく撫でるのだった。そしてミトはこの国に【血魔法 血の魔法結界】を施してから俺と一緒に魔道バイクで出発する。まずは【真血の要塞都市 ブラッドフォート】に向かうことにする。そこで魔族が暴れているからだ。

そしてこの「血魔結界」の「魔法結界」は、俺とミトの子供以外は「魔族」でも中に入ることができなくなったのである。そしてこの結界を破れないくらいに強い魔族の集団がいる場所に向かった。

俺は【血魔法 ブラッドキャノン】と【血魔法 ブラッドシールド】の「血の壁」と【ブラッドウェポン】を使って敵の攻撃を防御しながら攻撃していく。この血の「血壁」は、俺の血を練り込んで作ることで、強度を上げることができるので俺の子供達しか使えないのである。俺は魔族の国を守るのとこの国の人々を守りたいという俺の意志を受け継いだ子供たちと、その家族を守るための戦いを繰り広げていたのであった。

そして、【真血の砦 ブラッディオフォート】にたどり着くまでに何体もの上級魔人や将軍を血の刃と魔導ミサイルによって倒したり、魔力弾や魔導ビームで倒して来たのである。

そして「血魔の要塞門」を破壊して、魔人の兵士たちを「血魔法 ブラッドキャノン」と魔導ビームで倒していきながら城へ向かっていく。だが俺の前に魔族が現れたのだ。それはこの世界の魔王軍幹部であり魔王軍の大将軍である男である。その男の名は、「黒炎鬼将 バルバロッサ」という名前の男で、その男も魔道武器を所持しており【ブラッドウェポン】を使うことができるようだ。だからこの魔族の国にいる全ての者がこの魔人の国の人たちのように俺に攻撃を仕掛けてくるのであれば、この国の人達は、魔人の国に住む人達を奴隷として扱っているという事で俺の怒りが頂点に達した。だから俺は怒り狂いながら、その男の体に血を纏った「血の鎧 魔装甲血 モードアーマー ブラッティフォーム」を発動させ俺はこの国にいる魔人と戦う事になるのであった。

「この国の奴ら全員ぶっ殺す!」と言い、この魔道バイクで魔人どもを倒して行ったのだった。俺は魔人王として戦う事を覚悟していた。そして俺は、この魔族の国の魔王と魔人王にこの国の魔王になってもらいたいと言うとこの国の魔王になることを快く引き受けてくれたのである。俺もこの魔族の国の為に命をかけて戦わせて貰うと言う。俺はこの魔人の王たちに自分の血を注入したのだ。そして俺達はこの国にある城に戻ろうとしていた。するとミトが、この国の人達を開放しなくてはいけないと言い出し俺はミトの言葉に従い城の広場に向かっていると、そこにはたくさんの人々が鎖で縛られていたのだ。俺は魔族の国を救ってくれたことに感謝されたのと同時に魔人王とミトに助けた者達から魔素を分けてもらうように言ったのだ。

この国では、力の強い者は「力のある魔石 マナストーン」を吸収し力を付けようとするのが普通だそうなのだ。俺が、どうして魔人王は魔族の国から居なくなったんだと聞くと、どうやらとてつもない力を持つ魔獣と魔人にこの国の魔王が殺されたことで、この国の魔王の座を奪い取ろうとしている輩がいてそいつらが魔王と魔人を殺してしまったようなのだ。だからミトのお母さんと魔人の王は、ミトに魔王の座を譲りこの国に残りたかったらしいのだがミトにはそんな事を考える時間もなく魔王の座を奪われたのである。だから、ミトを殺そうとしたのだろう。ミトがこの国の人々に話をしているとそこに、一人の青年が現れ、この国の王であると名乗らないで魔族の王に魔王の座を譲渡し魔族の国の魔王になるとか馬鹿げたことをぬかすな!!!と言って来たのだ。ミトも俺もその魔人が嫌いになったのである。

俺は【真血の盾】を張りながら魔導バイクに乗りながらその男が近づいてくるのを見据えていた。俺は「この国はお前のようなガキに守ってもらう必要はない。この俺がこの国の魔族を守ってやる。俺を殺せるもんならやってみろ!」と言ってやった。だが、この国の王はこの俺を殺すためにこの場に残ろうとしたミトを捕らえようとしたので俺は【真血槍 ブラッドランス】を使いミトを捕まえようとしてきた腕を切り落とした。「俺のミトに何をする?」と言って。ミトが俺と手を繋ぎたいと願ってきたので俺とミトはしっかりと手を握った。そして俺は、このミトを傷つけようとした事を許さなかった。そして俺の仲間がこの魔族たちを保護してくれたのだ。

それから俺達は魔族の王達を城に連れていき魔道戦車に乗ってこの国に来た。

この国の民は「ありがとうございました」と礼を言われ俺は、俺の子供達は俺にこの国を任せると俺の事をそう言ってきたので俺はこの魔族の国を守るために「魔王の盾 王と騎士」をこの国の名前にして守り抜こうと思ったのである。

そして俺がこの魔族の国で魔道兵器を作り始めた。そして魔道武器を作るのに必要な材料を集めてこの国にいる「魔人」とこの国に住む人々を守る為にこの国を守る魔道戦車を作り上げていく。俺は「真血刀 血剣 ブラッドソード」を作り出し「真血剣 血剣 二天一流」を使う準備をした。そして俺はこの国の魔王となる男と戦い始めたのだ。だが男は強かった。俺の作った魔道兵器を使ってきたが俺が作った【真血の盾】の方が性能が良くその【真血の盾】を簡単に壊してくるほどの強力な魔導武器を持っていたのである。俺には勝てないと思い降参しろと言ってきても俺がそんな事をするわけがなかったのだ。それに、この国の人達を苦しめてきたのはこの男なので絶対に負けられない戦いでもあった。

俺は、この国のために俺ができる最大限のことをしようと思っていたので「真血の神刀」を取り出したのである。

そして俺達は戦いを始めた。そして俺はこの「魔血神刀 真血の武具 シルビア ブラッドフォーム」を使った時、俺の体が「真血神装」を使えたので俺の血と「魔血混合」が発動して、俺の能力に「血」が加わってしまい【血魔混合魔法】が使えるようになった。【真血混合魔法】は、俺の持つ【真血剣 血剣 ブラッドセイバー】と「聖血剣 血聖 ブラッドソード」を使う事で「ブラッドスキル」を使うことが出来るようになる魔法だ。そして【血聖混合魔法】で【血魔混合魔法】で俺の血と魔族の王の血を使って新しい技を生み出したのである。その血と魔素を混ぜ合わせた物を剣に込めた。そして【血魔剣 魔血双斬】を生み出し「魔導戦車 魔戦車 ブラックドラゴンタンク」に乗り込みながらその男の体を斬り刻んだ。そしてこの【血聖魔導戦車 ブラッディオロード】と、【魔血機竜兵 ブラッディオドラグーン】で、俺の作り出した魔道具を駆使してこの魔族の国の人たちを守ることに専念する事にしたのである。そして、俺は魔人の国に新たな名前をつけた。

この国の人たちの平和を守るため、これからは魔人の国ではなく、【ブラッディオード帝国】としてこの魔族たちが安心して生活できる場所を作ってあげようと思ったのだった。

俺は「魔血神刀 魔血剣 ブラッドセイバー」を「魔血大刀 ブラッドブレード」に変えた後、この魔人国を救う為に、魔人と「ブラッディア一族」たちを連れて魔獣の国に行こうとしていたのである。俺達の家族以外は、魔人族と「ブラッディタイガー」だけが魔獣の国に同行する事を許し、それ以外はここで待機してもらうことにした。そして俺はこの国に残る者達を護衛する【ブラッディオドリオン 】と名付けた巨大ゴーレムと【ブラッディオガード 】と命名した巨大な防御ゴーレムを残し、その他の魔人の国の人々を連れて行くために、魔人国を後にしようとしたのであった。

だが俺はあることに気づいた。それは、【ブラッディオロード】と【ブラッディオガード】の「ブラッディオ」と「ブラッディオス」の名前をどうするかと言う問題が発生したのだ。この魔人族は、元々「黒炎鬼」と呼ばれる種族で、「黒炎鬼将軍 バルバロッサ」がこの国の王であり魔族の頂点に立っていて、その魔族が持っていた魔石を「魔導核 マナストーン」にした物からこの「ブラッディア 」が生まれたのだと教えてもらった。この【ブラッディオロード】と【ブラッディオガード】の正式名称は「黒炎騎 魔血武血 ブラッドライダーズ」というらしい。だから俺は【ブラッディオガード】の「ブラッディオ」は「ブラッティ 」に変え「ブラッディオロード」は「ブラッドロード」に変更したのであった。

そして俺はこの魔人族の国から出発する為の準備を始めるのであった。まず、この「魔血」の魔素を体内に取り込むために「血石化 ブラッドアミュレット」という指輪型のアーティファクトを作成して、この魔人族の国の民全員に配り、俺は自分の指にはめている「魔血の腕輪 マジックリング オブザバンカー」に「魔血」を取り込み始めたのである。この魔道戦車の動力にもなっているこの魔血を体に取り込み自分の力にしてこの国の人達を守っていこうと決意したのだった。俺は自分の仲間と、俺が選んだ者達と共に魔獣の国に向かったのである。そして俺は魔人の国の王達にある約束事を言い聞かせたのだ。この魔人の国の者達には決して危害を加えないという事を約束してもらい、この国に残っている者達をこの魔族国の住民として迎え入れると言う条件を出し了承した。俺は俺の魔人族の者達が、元人間だと言う事は話さない方がいいと思ったのだ。俺達はそれから数日をかけて、俺の仲間の「吸血鬼王」と「ブラッディア族」の長である俺の嫁のお母さんである、「吸血姫王」と「吸血騎士」達と一緒に魔獣の国に行く事になっているのだが、俺は少し気になっていた。この魔人の国の王の男が言った、この国の魔道戦車には俺が乗ることになるのだろうかと?俺は「ブラッドマスター専用魔導車 ブラックボックス号 ブラッディオイド タイプダークネメア Type B」を「魔血機甲兵 ブラッドメカニカルアーミー ブラッディオナイト ブラッディアシリーズ」の機体番号に「S004 ブラッディオン」を【真血融合】で合体させた「魔血魔機 ブラッドメカニック」を作りその中に「ブラッドコア ブラッドドール」をセットさせ【真血融合】を発動したのであった。この【魔血魔機 ブラッドメカニカルアーミー ブラッディオナイト ブラッディアシリーズ】は、「真血魔剣ブラッドブレイド」の柄の部分になる部分に俺の血を入れて、【ブラッディオード帝国】の紋章でもある、「龍爪牙剣 ブラッドクロー」が一体化し俺専用の武器に進化したのだ。この機体は「ブラッドマシンナーゼ」が乗り込む事ができる機体でもあり操縦者が俺なら、俺は「ブラックボックス」で操作しなくてもいいという仕組みにしていたのだ。そして俺の魔力量によって稼働時間が違ってくる。まあ「ブラッディオード」で動かせるように作ってみただけなんだが。それからこの機体の心臓部には、この「ブラッディオロード」と「ブラッディオガード」を作った時と同じように「ブラッディア一族」の魔石が組み込まれていて、それを利用して「ブラッディア一族」に協力してもらって魔導兵器を作ってもらう事にしているのだ。この「ブラッドメカニクアルアーミー」は俺の意思で動かすことができるので、俺は魔道戦車に乗っているだけで大丈夫なのだが、魔獣がいる森までは、この機体を俺達が動かしていくしかないのである。そして「ブラッディオード」も【魔道戦車】にしてみようと計画していて魔道兵器を魔道戦車にする作業を始めて「真血の神器 真魔装具 ブラッディオドラグーン ブラッドフォーム」を作り上げたのであった。そしてその作業を終えた頃、魔獣の国がある場所の近くまでやってきたのだ。

そこで俺はこの魔導機械兵に乗ろうと思っていたのである。そして「ブラッドマスター専用機」にこの「ブラッディオナイト ブラッディオイド typeダークネメア」に「ブラッドマシーンナーゼ」「ブラッドロボナックス」が搭乗できる装置をつけて俺が「ブラッディオ」を纏い操縦席に乗り込んだのである。この「ブラッディオード」を【ブラッディオロード】の魔導バイクの魔導エンジン部分に接続することで俺が「ブラッディオロード」を操らなくても自動で俺が望んだ場所に移動することができるようになっている。そしてこの「ブラッドギアシステム」のコックピットには「ブラッドドール」に【血剣 ブラッドセイバー】をセットさせておいた。これは【ブラッディオドリオン】と【ブラッディオガード】の機体にもセットできるようになっている。これで俺の分身を作り出す事が出来るようになった。俺と同じ能力を使う事が出来るが性能は低い。俺は【ブラッディオード】に搭乗してから俺は【ブラッディオロード】に通信をして魔人族の国のみんなにこの「ブラッドアーマースーツ」に装備された「ブラッディオード」のヘルメットを被ってもらい装着させるように指示を出したのである。俺達は「魔人族の国」を出て魔獣の森の近くにある村に向かい歩いていくことになったのである。すると俺達の上空に、俺達の魔導バイクとは違う形の乗り物に乗った集団が現れて俺達に襲いかかってきたのだ。

この魔導兵器を操る魔導士が操縦をしているようでこの村の周辺を守っていた魔道装甲兵や魔導兵が倒されてしまったのである。だが、この国の魔導師部隊なのかこの魔導兵器を操る部隊の魔導師の部隊は俺達の前に立ちはだかったのである。その部隊を率いていた隊長が「我々は、お前たちにこれ以上、先に行かせるわけにはいかないのだ」と言い出したのだ。俺は魔導砲を構える魔導機兵を指さして「あいつらを殺せば、俺は先に進むことが出来るのか?」と聞いた。

すると、この隊長は、「そうだ。あいつらは、この村の魔導兵たちではないのだ。だから魔導機兵を倒したとしてもお前たちの命を奪う事は出来ないのだ。そして魔導機兵の残骸の山を乗り越えて行くのは容易ではない」と答えたのである。確かにこの国を守る部隊が魔導機兵を使っていないという時点でおかしいと思っていた。それに俺の事を知っていたようだしな。

この国の魔導兵器を使っていた魔導機の操縦士らしき人物が「あの男をここで足止めできれば我々の役目を果たす事が出来るだろう」と言っていた。おそらくこの魔人族はこの国に忠誠を誓った兵士か何かだと思うのだが、そんなに忠誠心が強いならなぜ「魔血大帝」に逆らっているんだろうと俺は疑問を感じたのである。「わかったよ」と俺が言うとシルビアの「私がやるから任せて」と言って俺の魔導機の前に出てきたのである。俺は「ありがとう頼む」と言ったのだ。「この国の魔導機は私と兄さんが相手をするわ。貴方は早くこの先の街に行きなさい。この国を救うために魔導機を修理する事ができる技師を探さないとね」と言うので俺は「分かった。ここはお願いする。魔導兵を倒してから俺の後を追いかけてきてくれ」と言うと、シルビアは「了解したわ。兄さんの方に魔導兵は近づけさせないから心配しないで」と言って俺に微笑んでくれた。それから俺は「ブラッドガード タイプダークネス ブラッディオス」の背中に乗ると、この【ブラッディオガード】と【ブラッディオス】の操縦を魔血人形の「ブラッドドール」の一体が行い、俺は「ブラッディオード ブラッディオロード」を魔道ゴーレムに連結させたのであった。そして俺が乗り込むとこの「ブラッディオガード」の「ブラッディオス」が俺の代わりに操縦してくれるのだ。そして「ブラッドガード」の操縦をする「ブラッドドール」達は、俺の作った【ブラッドコア ブラッドソード ブラッディオイド】と【ブラッディオード ブラッディオス】を装備させている。

この「ブラッディオガード」に乗れる「ブラッディオイド ブラッドマスターズ」の「ブラッドドール」達は俺の血を取り込んで俺の意思で自由に動かせるようになっているのだ。この魔獣の森の中を進んでいくにはこの機体が必要だと思い俺は魔道戦車で進もうと考えていたのだった。そしてシルヴィア達は俺の作った魔血のアーティファクトを身に着けた状態でこの【ブラッドメカニクアルカアアアーメェーン ブラッディオイドブラッドマスターズ】に乗り込んでいるのである。俺は、この機体の武器が【ブラッディオブレイド】なので、「ブラッドメイト」に武器を使わせることにした。【ブラッディオブレイド】も使えるが、【ブラッドメイト】には「ブラッディオイド」として武器が使用できるようになってもらっている。そして俺は「ブラッディオード」の操縦をしながら、この魔人族の国がどんなところかを知ろうとしたのだ。すると俺に「お初に御目にかかります。私は、魔獣の国で宰相を務めさせていただいております「魔獣王 魔人 王 獣人王」の配下の者です。この度は我々のために戦っていただく事に感謝しております」と言い出したのだ。やはりこの人は俺のことを知っていたようである。しかも「獣王」だと!「お前がこの国の宰相だと?それならどうして、こんなことになっているんだ?答えろ!!」と言うとこの「ブラッドマスター タイプブラッディオイド」の中の人物は「我ら魔人の国は魔人の王が納める王国なのだ。そして、この森の奥の城にいる魔人の王は人間族の王とは比べ物にならないくらいの力を持っていて、その力で全ての大陸を制圧しようとしていたのだ。我はこの国を救おうと思い魔王様を説得しようとしたのだが全く聞いてくれない。そこで魔王様に逆らうのではなく魔王軍を抜けた者達と一緒に戦う事でこの国から平和を取り戻そうとしたのだ。

その結果がこれだ。まさか、魔導機械兵がここまでの数を用意しているなんて思いもしなかったんだよ。この魔導機械兵を操縦している奴が誰かわからないが、きっとその者は【ブラッディオイド】のパイロットなんだろうな。

【ブラッディオイド】は、もともと魔王軍の幹部の一人が作ったもので、その男がこの国の魔導機兵を開発した男でな、魔道具を改造する事が得意でな魔道兵器の魔導機械機兵の魔導兵器を開発できるんだ。それで今回、【ブラッディオガード】には【ブラッディオガード ブラッディオフォース ブラディナイトマスター】を装着してくれていたのだろう」と俺に説明してきたのである。

「お前は、自分の国を滅ぼそうとしているのがわかるのか?」と俺が聞くとこの国の魔導機兵の操縦士である宰相の男は言った。

「そんなことは絶対にない。魔王様には、ちゃんとした理由があるからだ。この国を滅ぼそうとするような理由がね」と言いながら魔導機兵を操作して、こちらに向かって攻撃をしかけてきたのである。俺は「【ブラッドソード】」と唱えて、この「ブラッディオイド ブラッドマスター」が装着していた武器の全てが俺の魔道機兵の中に装備されていたのだ。そして俺に襲いかかってきたので俺はこの魔人王の国で起きている出来事を詳しく聞くことにしたのである。

俺はこの魔人王の国で起こった出来事をこの「ブラッドメカニクアルカアーメーン ブラッディオイドブラッドマスターズ」の操縦をする「ブラッドマスター ブラッドドール」に聞いたのだ。

そしてこの「ブラッドガード」には俺が乗ることになった。この「ブラッディオガード」は、ブラッドドールが操作することで俺は【ブラッディオブレイド ブラッディオブレイド】を使うことが出来るようになる。さらにブラッドドール達は俺の作った魔血人形達だから、俺と同じ「血属性」を持つ。

そしてこの「ブラッディオガード」には「ブラッディオブレイド」が装備されていて、俺が「ブラッドソード ブラッディオブレイド」を使うと、【ブラッディオブレイド】の斬撃と、ブラッドドール達が持っている「ブラッディオイド ブラッドマスター」の武器の剣の「ブラッディオイド ブラッドマスター ブラッディオガード」で、ブラッドドールの「ブラッディオドール」達は「ブラッディオイド」を召喚する事ができるのである。俺は、この魔人族の国の宰相の魔人王に「ブラッディオガード」で攻撃を始めたのである。

すると、この魔人族の国には人間族だけではなく他の種族が住んでいることがこの操縦をする「ブラッドガード」から伝えられた。

俺は「お前達は魔人が人間を支配することを快く思っていないと言っていたよな。

魔人の国が人間の支配をやめようとしているのならば、なぜこの国に侵攻をしている? それにどうしてこの「魔獣の森」が魔人族の領域になっているんだ」と言うとこの操縦を行う「ブラッドドール」にこの魔人王の国が何故このような事になって、そして「魔人族の王」が何を考えているかを説明してもらった。

そして俺は「ブラッディオガード」に乗ってこの魔人族の王に会う事にした。そしてこの操縦を行っている「ブラッディオガード」には、俺以外の者が搭乗することを禁じることにした。

「ブラッディオガード」には俺が乗り込んで操縦することにしたのだった。

「ブラッドマスター ブラッドドール」に乗っていた宰相にこの魔人の王が住むという城の中へと入るとそこには沢山の人々が暮らしていた。その人達が皆魔人であることは間違いないようだった。その人たちが魔人でなかったら「ブラッディオガード」に乗った状態で、この国の城の敷地内に入ろうと思ったが、そんな必要もなくなったのだった。

俺が城の入り口に入るとこの国の王様らしい人物がいたのだ。「魔人王 獣人王」だったのである。俺のことを知っていたようで俺の顔を見るなりこの城から出ていけと言い出したのである。

俺はこの魔人の王を見て驚いた。なんとこの国では人間族が奴隷のような扱いを受けていて酷い仕打ちを受けていたのである。この国では奴隷制度が当たり前に存在しているのが許せなかった。俺は魔人を奴隷にすることを認めていない。それなのにこの国では人間の奴隷が認められている。俺はこの国を滅ぼそうと考えた。そして俺が「獣王、貴様の国は奴隷制度を廃止しろ。それが出来ないと言うのならこの俺様と戦うしかないようだな。さぁ俺様と戦い、勝てると思うなら掛かってこい!!」と言うと、この国で一番強いと思われる戦士を呼び出したのである。この国の王様が連れてきた最強の男が出てきて俺と戦ったのだが、この男はこの国でも一番強いと言われる男だったのですぐに倒してしまった。そして魔人王もこの国の王も魔道戦車に乗って戦おうとしたのだが、俺の方が早く動き出し、二人の魔人王の目の前に行くとその二人の首元に魔道剣を突き付けたのであった。すると俺に対してこの国の王は俺の配下になるようにと言ってきたのだ。

俺は、こんな事を聞いても何も意味がないと思いその申し出を断ったのである。すると、「魔人王、お前は自分が何のために戦っているのかわかっていて、言っているのか?俺がお前達の国に攻め込んだのはこの世界がどうなるのかを見極めるためなんだぞ。それだというのに、お前は俺のことをただ利用しようとだけしか考えていないだろう。いいだろう。俺のことを利用できると思っていれば俺を利用し続けろ。そしていつか、お前達にこの世界の厳しさを思い知らせてやる!!」と言い残して、その場を後にしたのだ。その後この国で起こっていることを聞き出そうと思ったのだがこの国では人間が人間を奴隷として売り買いするオークションが行われておりそれを黙認しているような状態なのだと言う。そしてこの国にはこの魔素が異常発生している。そしてこの魔道バイクで走り回った感じだと、この国の中心にはこの異常発生した大量の魔素が集まり溜まっていく場所があった。

その場所に何か秘密がありそうだと思い俺はこの魔人の王がいる城にもう一度行く事にしたのである。この国の王には俺を仲間に引き入れたいような態度をしていたが、俺はそんなことは関係ないと思っているので相手にしなかったのである。

俺はこの魔人の王と話し合いをして、この魔導兵器は魔王軍のものだと確認することができたので俺は【ブラックマスターソード】を使って倒すことにしたのである。俺はこの国の中心部にある塔の最上階に向かった。そしてこの魔道王の国を滅ぼす為の準備を始めたのである。

この国を乗っ取った魔王の事をこの国の王は「ブラッディオス ブラッドマスター ブラッディオイド ブラッドマスター」だと言った。このブラッディオイドの操縦士は「ブラッディオガード」の「ブラッドドール ブラッドマスター ブラッディオガード」に乗っていた「ブラッディオガード ブラッドドール ブラッディオイド ブラッディオイド」のパイロットの男のようだった。

「魔人王がこの魔獣の王を従えているとはね。だけどもうお遊びは終わりにしてそろそろこの世界を終わらせるとするよ」と俺が言うと魔獣がこちらに向かって攻撃をしてきたので俺が【ブラッディオブレイド ブラッドマスターブレード ブラッドドール】を使う事にしたのである。

すると「ブラッドドール」達はブラッドドールを5体同時に呼び出す事が出来るようになり「ブラッドドール」が持っている武器の剣で敵を切り裂く「ブラッドドール」達が敵を倒すことで倒した相手の「魔血人形」を作り出す事が可能になっているのである。

俺は、俺の前にいた10体の「ブラッドドール」に命令を出しこの魔獣を倒して魔獣の素材を手に入れたいと思った。

この「ブラッディオブレイド」の魔血人形の「ブラッドドール」達には魔獣が所持しているスキルを使うことが出来るようになる機能がある。その魔人の国が使役していた魔物の一体「ダークネスフェンリル」という黒い巨大な狼型魔獣が「ブラッディオガード」の「ブラッドドール」達と「ブラッディオドール」達が連携し合って戦い始めてくれたのだった。そしてその黒い巨大な黒狼「ブラッディオフェンリル」の牙が俺のところに来て俺は「ブラッディオブレイド」の剣の斬撃で「ブラッディオフェンリル」を倒した後その死体を持ち上げたら、魔人王に渡した「ブラッディオガード」が「ブラッドマスター」から離れて俺に襲いかかってきたので俺はすぐに魔剣を取り出し魔人と戦闘を始め、その後俺が持っていた魔剣が砕け散った。すると、俺の「ブラッディオガード」に装着されていたブラッディオブレイドが勝手に起動して「ブラッディオガード ブラッドマスター ブラッドドール」の操縦をしている男が「ブラッディガード」が「ブラッドドール」達が合体し始めて一つの魔人の鎧のような物を作り始めた。

その魔人は操縦室の中にいるのでどんな奴かわからないけどこの魔人の王は操縦室で操縦をしている。この「ブラッディオガード」の操縦者の「ブラッドガード ブラッドライダー ブラッドライド ブラッドレイド」の操縦者は、魔人の王の側近であり宰相の「ブラッドマスター ブラッドロード ブラッディオン ブラッディオマスター」だったのである。この魔人の王は自分の力の源となるこの国にいる魔獣達を「魔人王」が従えていてこの魔獣を自分の戦力にしたいと思っていたのだ。それで「ブラッディオガード」に乗って魔獣と魔人を「ブラッディアガード」「ブラッディアンガード」の2機の機体に乗ってこの国を制圧していた。

俺はこのブラッディアガードに乗ってきた「ブラッディオマスター」との戦いを始める前に魔剣の力を解放して魔剣の力を最大限に使い魔人王に止めをさす為に全力を出す事にした。するとその剣から赤い光の剣が伸びていくとその光が剣に吸収されていきどんどん光が強くなっていくと同時に力が溢れてくるのを感じていたのだ。

その魔人王は「うっ、うわぁぁぁぁー!!ぐぅああぁぁぁあぁぁぁ!!」と言って魔剣の力で体を貫かれてしまったのである。魔剣の力を開放するとその剣が俺の体に纏わりついてきて俺は「聖魔武装 モード聖魔 ランスロット」となったのである。この「聖魔 ランスロット」には特殊な機能が二つあって、一つ目は聖の魔力が俺の体内の魔素と合わさって聖の力と魔素の両方の性質を併せ持ち、それが混ざり合うことによって聖の力が増幅していく効果を持ち、この魔剣のもう一つの能力は、この「聖魔 ランスロット」の本来の姿である、聖と魔を融合させて作られた最強の魔道戦車形態「聖魔マシンアーサーランスロット」になる事ができるのであった。

俺が「聖魔 武装 モードランスロット」になってその黒い「ブラッディオガード」と戦おうとした時に俺の「ブラッディオガード」に異変が起こったのである。俺が「魔道戦車変形 モードランスロット」になった瞬間、「ブラッディオガード ブラッドロード ブラッドマスター」から操縦している魔人が苦しみ出し、その苦しみ出した状態で、この魔道戦車から逃げようと動き出して魔道戦車のハッチが開き、外に出ようとしたのだ。しかし俺はすぐにその男を斬り殺してしまい、「ブラッディオガード ブラッドドール ブラッディオイド ブラッディオガード」も全て倒してしまい、魔人の王の国を滅ぼしたのだった。

すると、俺が魔人を殺さないようにした魔獣を捕らえた場所に、魔獣が沢山いて俺を襲おうとしていた。この国の王が連れてきた魔獣達は全て殺すように指示が出ていたらしく魔獣は次々と襲ってくる。

それだけではなくてその捕まっている魔獣達は魔獣同士で争っていたりもしていた。

そんな状況を見て俺もこのまま放っておけばもっと被害が出ると考え魔人の国を滅ぼすことにしたのである。俺の聖属性エネルギーが充満したこの魔獣の森では俺の能力やこの魔獣達が所持している特殊能力は使えなくなっていた。なので、魔道バイクで俺は森の中を突き進んでいく。

すると、魔人の国の王様をこの国の人達は王都と呼んでいるのだが、そこで、大きな戦いが起こっていたのである。この国の中心では、「ブラッディオガード ブラッディアマスター ブラッディオイド ブラッディオード ブラッディオマスター」と、「ブラッディオガード ブラッディオイド ブラッディオマスター」が「ブラッディオガード ブラッディオイド ブラッディオマスター」の乗っている乗り物を合体させて「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオガード」という巨大な黒い竜の形をした魔人王の「ブラッディオガード」の上半身が姿を現したのである。その魔人は「魔人将軍ブラッディオガード」と名乗って、その巨体の魔獣と戦い始めていた。

魔人王は部下の魔族を呼んでその「ブラッディオマスター ブラッドマスター ブラッディオン ブラッディオガード」と「ブラッドマスター」の操縦者にこの国の王と魔人の国の王が一騎討ちをして、どちらかが死ぬか負けるまで決着はつけないということになった。そして魔人の王はこの国の王を殺す事を条件に「魔血人形 ブラッディオガード」を作り出して自分の強化をはかったのである。

そして俺はその「ブラッディオガード ブラッディオマスター」と戦うために、この森の中で「魔獣の王」と呼ばれる「ブラッディオード ブラッディオイド ブラッディオマスター」の魔獣と「ブラッディオガード ブラッディオイド ブラッディオマスター」と戦った。この二つの魔獣は連携がうまく出来ているのか攻撃が全く当たらずに魔獣の王の方は魔人王の援護に徹しているようだった。そして俺は【聖魔】を発動した状態で戦ったので俺は一瞬にして、二体の「ブラッディオガード ブラッディオイド ブラッディオマスター」を斬り殺したのである。するとその二体の魔獣を斬ると魔獣は爆発して消えていった。どうもこの「魔獣」は「魔物」、「モンスター」という扱いではないようだ。「魔獣」は「魔王軍」という括りになっているらしい。

その魔獣の王が作り出した「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」という巨人型の黒い機械のような魔物と、魔獣の王が生み出した黒い巨大な竜がぶつかり合い始め戦いが始まる。俺と「魔獣の王」との戦いが始まった。魔人と魔獣達は戦いながらお互いの位置を変えて移動しながら戦う。しかし、俺はその二体の戦闘に巻き込まれそうになっている「この国の王」を守る為に魔獣達を攻撃し始めたのである。俺は「聖魔 武装 モードアーサーランスロット」となり、この「魔導機甲 魔導機戦車形態 モードアーサーランスロット」の操縦室の後ろの部分の席に座り操縦する。そしてこの魔獣達の王とこの魔人の王との戦いで戦いの舞台が出来上がることになる。

そして「魔獣の王」の攻撃は強力だったが俺はその攻撃をかわして【魔道兵器化】させた「ブラッドソード」で反撃をしたのだ。

【ブラッディオブレイド ブラッドマスターブレード ブラッドドール ブラッドソード】に「ブラッドガード ブラッドマスター ブラッドロード ブラッディオン ブラッディオガード」に使っていた魔血人形の機能を付与してこの魔獣と魔人に復讐を果たすべく、この国を滅ぼそうとしたのである。そして【魔道具製造機能付き ブラックドール ブラッドガード】を起動させ、魔血の剣を作り出すことに成功させた。

俺はこの【魔道具製造機能付きブラッドドール ブラッドガード】に魔血人形 ブラッドドール ブラッドガード ブラッドレイド達から奪った、ブラッドドールの心臓を取り出してもらい、そのブラッドレイドの体の中から、魔人の王の魔力が入っている、魔力結晶を取り出す。俺はその魔力結晶を使って、「ブラッディオマスター ブラッディオイド ブラッディオイド」「ブラッディオガード ブラッディオイド ブラッディオマスター」「ブラッドマスター ブラッドマスター」と同じ性能を持った、「ブラッディオガード ブラッディオイド ブラッディオガード」「ブラッディオガード ブラッディオイド ブラッディオマスター」を作り出すことに成功したのである。

その三体の魔人の王は魔獣と魔人王と戦わしている。俺も魔獣の王に攻撃を仕掛けるが、中々倒せずに苦戦をしていた。この魔獣の王は普通の生物ではなく、魔素が固まったものがこの国にいた動物や植物に取り付いて変化したものなのだそうだ。だから魔獣は死んだりはせずまた新しい生き物として生き返る事ができるのである。俺は「聖魂 ホーリーソウル」によって生み出された、「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」に乗っている魔獣と魔人を倒す為に、その黒い竜の形をしていて大きな翼があり、四本の足がある、その巨体は全長10メートル以上はあるその魔獣に向かって行く。その俺を迎撃するためにこの「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の操者が乗る「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」は俺に向けて魔法を放とうとする。しかし、俺はその魔法を回避してから「聖魔 武装 モードアーサーランスロット」を操縦している俺はその「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」に飛び乗ったのである。俺はこの黒い巨人の肩の部分に着地するとすぐに剣を横振りすると俺の持っている魔槍が光を放ち俺の聖の力の波動を大量に流した。その魔獣の巨体がどんどん傷ついていく。そして魔槍は光を放つと同時に黒い魔力を放出していくと、黒い巨人も同じように白い光と黒い光がぶつかる。この光の力によって周りの木々は吹き飛び、その衝撃波はどんどん強くなっていき森全体が震え出す。

すると魔人の王は俺の姿を見てこう言う。

「我が主の仇だ!!貴様を殺して我が主が受けた苦痛を味わうが良い!!」

「うるさい!!俺だってな!!お前に殺されてから何度生まれ変わったと思っているんだ!!!俺の仲間や家族を殺しまくってその恨みはもう済んでいるから今度はこの国の住民全員に償ってもらうぞ」

俺はその黒い巨人の体を真っ二つにしたのだ。するとその巨体はすぐに再生を始めようとしていた。俺はその再生を始める瞬間を狙い俺が持っていたこの魔槍「魔血剣 ブラッドソード」を振りかざし黒い魔人王に止めを刺したのだった。その「魔人王」の身体は、魔血の力で出来た肉体だったので魔血が噴き出して消えていきそして魔獣も、そして魔人も消滅して魔血人形 ブラッドガードだけ残って倒れていたのである。俺はその「魔道機兵」を解析したがこの機体に使われている技術では再現不可能で俺はその魔道機の核となる部分を取り出し、魔道バイクの核である宝石箱の中に入れ回収すると魔人の国の王様の元へと向かった。

俺はその魔人の王様と一騎討ちを始めた。「ブラッディアマスター ブラッドマスター」と戦っていた俺は「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と戦う事にした。

そして俺は「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と戦い始めて俺は「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の頭部に狙いを定めると「聖魔 武装 モードアーサーランスロット」を飛ばし、聖属気弾を発射した。

だが「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」には聖属性が効かず、逆にその聖属性を帯びた弾は、吸収されて無効化されたのである。

「魔血の防御壁」で守られた黒い球体は無傷のまま、再びその黒い巨大な翼で空を飛ぶと、その口からは、闇のブレスを吐き出す。この「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」は、あの魔獣と同じように自分の体内に取り込んだ魔物と合体する事が可能だったのだ。その「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」に「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」は取り込まれてしまう。

その「ブラッディオガード ブラッディオガードブラッディオマスター」を取り込み一体化することで「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」はその力をさらに増して俺に攻撃してきた。その「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の背中から生えている、その大きな漆黒の悪魔の翼を使い空を自在に移動し、地上にいる時は4本脚で動き回り、腕の二本を使って襲ってくるのである。

「くそ!!この「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」だけは強過ぎる。この国の王が作り出した魔人王が乗っていたこの魔獣の王の力がここまで強かったとは思わなかった」

その黒い巨人の「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の攻撃をかわしながら俺は、俺が魔人の国に来るまでに出会った事のないほどに強い力を持ち、そして、俺に対して敵意を持って俺を殺そうを攻撃を仕掛けてくる黒い巨人の魔道機の操縦者の王を見る。

「まさか本当にこの世界の人間にこんな強い者がいたというのか?この国の王は、俺達が戦った時と比べて明らかにレベルが違いすぎる。もしかしたら、この王は俺達が倒した魔王よりも強力な存在になるのではないか?」

そう思いながらも、黒い巨人の王との戦闘を楽しんでもいたのである。俺は、その「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の巨大な翼と4本の腕による攻撃と、「魔道機王ブラッディオマスター ブラッドマスター ブラッドマスター ブラッディオガード」に備わっている、巨大な拳による攻撃と足を使った攻撃、そして、魔法と、黒い巨人特有の物理攻撃の全てを巧みに使って攻撃をしてくる「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と俺は戦っていたのだ。俺はその魔人王の操る「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と激しい攻防を繰り広げていたがこのまま戦闘が続けば間違いなくこの魔導戦車は破壊されてしまうと思い俺は「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の腹部の黒い球体の部分を破壊して中の「魔道兵器 ゴーレム」を取り出してそれを盾代わりに使うことにしたのである。俺は【魔道具製造機能付きブラッディオドール ブラッディオガード ブラッディオガード】の能力である【ブラッディオガード ブラッディオガード】を起動させ、その魔道兵器「魔道人形ゴーレム」にその「魔道兵器 ゴーレム」を収納させその黒い巨人を拘束させて身動きが取れないようにすると「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」から飛び降りると魔人の王との戦いに集中し始めた。俺と魔人王はお互いを睨み合った。

すると魔人の王は突然笑い出したのであった。

「あはははははっ、我を倒したと思ったのであろう?残念だがまだ勝負はついておらぬ。この国の中にはまだ多くの同胞が残っているのだからな」と言うのであった。俺はそんな彼に、「それならお前の部下を全て倒せば俺達の勝ちなんだろ」と言い返したのである。すると魔人はこう言う。

「部下だと?ふん!笑わせてくれるわ!!あいつらなどもうどうでも良いわ!!我が貴様を倒すために作り上げた究極の魔道機の前に立ちはだかるような愚かな者共は全員切り捨ててきたわ!!」と。そして、魔人が操る黒い巨人は再び立ち上がり俺に向けて攻撃を仕掛けて来たのである。「この黒い巨人の王は今までの中で一番強い。だけど、だからこそ倒しがいがある。そして俺はこの王を倒す事で俺はもっと強くなっていけるんだ!!さぁ!!俺をもっともっと楽しませてくれ!!」

そう言って俺はこの「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」に最後の戦いを挑んだのだった。

俺は「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と激戦を繰り広げたがついに、黒い巨人が繰り出した、その4本足での足と翼を利用した足蹴りが「魔道装甲」にぶつかりその衝撃により「魔道戦車」の足がもげてしまったのだ。俺もすぐに「魔道戦車 魔道バイクモード」に乗りその場から離れると魔獣の王の操っていた「魔道人形 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の本体を俺の持つ剣で斬りつけた。そして俺達はこの魔人の王が乗っている「魔導機甲兵 ブラッディオマスター」と「魔道機将 ブラック キングオブブラッド キング ブラッド ブラッディオマスター」と、魔人族の精鋭が操る「魔道魔像 ブラックガーディアン」と戦っているのである。この魔族たちは、黒い球体に包まれていた魔人の王と融合した魔獣の王の配下の魔人達の肉体が変異した姿だったのである。そしてこの魔人族は、魔人の王が生み出した黒い球体の中から出ると同時に「ブラッドアーマードダークネスナイト」に変貌した。「ブラッドマスター ブラッドマスター ブラッディオガード」は「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」に、魔獣の王は俺達を襲ってきたのである。

ただでさえ強敵の2体を同時に相手するのは流石に厳しかった。しかも、こいつらはただ闇に潜んで近づいてきて不意打ちで殺すとかそんな卑怯で姑息な事はしないで正々堂々と真正面から戦う事を好むタイプだったので余計に俺にとっては不利な状況であったのだ。だがそれでも魔人と化した魔人の王の強さはこの世界で戦った他の魔人や魔物と比べて遥かに強力でありこの国の王様の力によってさらに強化された「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と戦うよりはまだ戦いやすかったと言えるだろう。俺は「魔道バイク」から飛び降りると聖魔剣エクスカリバーを抜き放つと、聖魔剣に聖魔気を纏わせた。そして俺は魔導剣に聖魔気を込めてから、魔導機将ブラッドマスターと魔獣の王に聖属気弾を発射した。だが、魔人の姿になった二人の魔王はそれぞれ自分の持っている武器や鎧のパーツを変形させたり合体させて盾にして、この攻撃を防ぐと俺に向かって飛びかかってきた。その二人を相手にしながら、俺は聖属性を込め続けている聖魔剣を魔導剣に変化させると二刀流のスタイルで戦っている「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の両腕の攻撃を聖魔装で防いだり聖魔弾を撃ち込んだりするのであった。俺は聖魔武装を盾と剣に変えて魔導騎士と戦い、シルヴィは魔獣の王と魔導機械兵と戦っていた。

「くっ、このままではマズイですね。この魔導機甲兵ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターには勝てません。ならば私はこの魔導機甲将軍 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターと一対一の勝負をしましょう。あなたはあの魔獣の王が乗り移った黒い巨人の相手をしていてください」

「分かりました」

俺はシルヴィークに乗って魔獣の王と黒い巨人の王と戦っていたシルヴィアと別れると、俺は「魔道機甲機将ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」に一人で立ち向かったのである。俺は、聖魔双銃 エクスカリバーンと魔道砲の二つの射撃武器を使って攻撃を続けた。魔導機甲将軍 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターはその攻撃を全て防ぎきったが、その時魔導機王の巨大な腕についている大きな黒い腕輪の1つが壊れたのであった。どうやら腕が動かせなくなったようである。それを見た俺は、ここしかないと思って、俺は全力でその「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」に接近すると聖魔大太刀を振り下ろして攻撃を仕掛けたのである。その攻撃で、なんとか、その魔道機の操縦者が乗っている頭部を破壊し操縦者を気絶させることに成功した。すると、突然黒い巨人王の方から轟音が鳴り響き始めた。それは黒い巨人の王の頭上に何か巨大な物体が出現していたのだ。それが何なのか俺は一瞬分からなかったが直ぐに気づいた。

「まさか!!あれは「魔道戦車 ブラッディオタンク」!?どうしてあんなものがここに出現したのか分からないけど、とにかくアレを止めないと!!」

俺は急いで魔道機の操縦者を抱えて、その黒い巨人の王と「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」がいる場所に向かうのであった。

すると黒い巨人の王は、巨大な拳を「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の黒い球体の中に入れ始めた。すると黒い球体の中の様子が少し見えてきた。

「まずい!あれはヤバイ。絶対にこの国を消滅させるほどの力が宿っている!!」

俺は魔人の王を「魔道装甲」に装備していた魔槍 ランスロットと魔道剣 エクカリバーと俺の持つ最強にして最高の魔剣の一つ。

聖光斬魔剣エクスセイバーとで魔人を操っている球体を斬り裂いて、黒い球体の中から魔人の王の乗る「魔道戦車 ブラッディオガンナー」と黒い巨人王の魔人「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の本体を取り出した。

黒い巨人の王と黒い巨人の王はどちらもかなり弱っていた。俺は黒い巨人の王を見てもしかすれば魔人の王を倒す事が出来るかもしれないと思ったのである。

俺は魔導機の操縦士の男を担いで、魔道機兵の操り手である男の元に駆けつけて「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」から降ろしてやると言ったが、「魔獣の王は我らの同胞。その仇は必ず討つ」と言って俺を黒い巨人の王の元に向かわせようとはしなかったのである。

俺はそんな彼らを無視して黒い巨人の王に向かって行く。すると、魔人の王は、突然「貴様は何者だ?この黒い魔人王の操り人形と化している俺をどうするつもりだ?」と言いながら攻撃を仕掛けて来た。だが俺は全く焦らず冷静でいられる程、心に余裕があった。だから「お前を倒すつもりはない。だからお前と黒い巨人を俺の従魔にするだけだ!!」と言うと、魔人王の乗る黒い巨人の王と黒い巨人の王は俺の言った事が理解できない様子だった。俺は聖属気がこもっている剣に魔力を注ぎ込むとその2体を斬りつけて、この魔獣の王の黒い球を斬り捨てると黒い巨人の王は黒い霧となって消えていき魔獣の王と黒い魔道戦車だけが残った。すると俺と魔獣の王が乗っている魔道戦車の前方に突如巨大な空間の穴が開くとそこに俺は引きずり込まれそうになるのであった。そして魔獣の王が最後に言う。

「お主が何者なのかわからぬがお主に借りができたな。いつかこの恩を必ず返す。我を配下に加えるなり自由にするがいい。だが忘れないでくれよ、我はお前が気に入った。それだけ覚えておくがよい」

俺は、この魔人が何故こんな事を言って来たのかわからなかったのだが取り敢えず、その空間の歪みが閉じるまで見届けた後で、シルヴィの元に向かったのである。シルヴィークは魔導装甲がボロボロになって、もはや戦う力は残っていなかった。

「ごめんね、ユウトさん」

「もう謝らないで。それよりよくがんばってくれた。後は任せて。この魔道戦車の動力炉に俺の聖属性の魔力を注ぐと「魔道機甲機将ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」は完全に沈黙した。これで完全に俺達の勝ちだと俺が思った時にそれは起こった。「魔道機甲機将ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と黒い巨人王がいた所に新たな黒い球体が現れたのだ。そしてその球体が消えた時そこには一人の魔族の少女と一体の魔獣の王と黒い巨人の王が現れていた。俺はその少女に尋ねると彼女は自分のことを魔人族の王であると名乗った。

そしてその魔人族の王 魔導王 アルル=ディア ドドメはこう言ってきたのである。

「我が同胞が世話になりました。私達はこれから世界を支配するための旅を続けます。ただ、貴方の連れの女性と貴方に礼をしたいと思いますので、しばらく待っていただけませんか?」

俺はそう言われた瞬間にシルヴィアとシルヴィとシルヴィが乗るシルヴィークの事を思い出したのだ。もしこのまま行けばシルヴィアとシルヴィとシルヴィークはこの魔王たちに奪われるか、殺される可能性があった。だからこそ、俺は急いでシルヴィアとシルヴィークの元に駆けつけた。

シルヴィークの近くでシルヴィークに乗る魔道士風の男が、魔獣の王に乗り移った魔人に殺されていた。

「しまった!!」

俺は急いで、この「魔獣の王」を俺の従魔にしてから俺の力で元の状態に戻すことにした。そして俺は聖剣を天に向かってかざすと「来たれ!!聖なる竜 ホーリードラゴン!!召喚」

俺の呼びかけに応えるように空からホーリードラゴンが出現して魔獣の王に襲い掛かるが、それをあっさりと回避されて上空に飛び上がるとそのままどこかに去って行ったのである。そのあとを追おうとすると、今度はシルヴイィークの近くにいたシルヴィークの操縦士の男が突然、何かを叫び始めた。俺が近づいていくと男の胸には矢が深く刺さっており、既に男は息絶えていた。俺はすぐに男の死体を回収してから魔道王の所に行く事にした。そして、俺は魔道戦車 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターが消滅した場所に着くがすでに何もいなかった。しかし「気配感知」には反応があり俺はその方向に進む事にした。その先にあったものは小さな遺跡のようなものでありそこで「魔獣使いの少女」を発見したのだ。

その少女の名は「リリス」

魔道機甲兵 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター 黒い魔導機甲兵 魔獣の王 この魔獣の王は「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と黒い巨人の王が一体化したものである。その能力は凄まじく黒い巨人王の時は、魔素を大量に放出し魔道機甲兵の巨腕の拳から発射できる黒い腕輪の形をした武器。ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターはその全身の鎧の各部分から発射する武器。

魔獣の王「リリス」は黒い巨人王と同じ能力を使え、しかも「魔獣の王は俺の忠実な部下となる存在。俺の命令に逆らう事はない」というスキルがある。そのため黒い巨人の王のように俺に敵対して、襲いかかってくるようなことはなかった。

俺が今、この「黒い魔獣王 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」の魔獣の王の「マスター」になっている状態だが俺は従えていないのだ。なぜなら従える方法が分からないからである。おそらく従わせる方法は一つだけある。それが魔導機甲機王だと思われる。それ故に、俺はシルヴィークが修理が終わってもシルヴィとシルヴィアが戻らなかった場合。この黒い魔獣の王に乗っ取られてしまった魔道戦車 ブラッディオガンナー に乗っているであろうシルヴィークと戦う事になる可能性があるかもしれないと思ったのであった。

「ご主人様」

「ん?どうした?クロコ」

「はい、私はご主人様のおかげでこの世界を滅ぼそうとする魔人を食い止めることができました。それにしてもあの黒い巨人と黒い魔人を倒した力は凄かったですね。私、あんな強い力初めてみました」

「ありがとう。でもなぁー俺はまだまだ強くならないといけないんだよ」

「どうしてですか?」

「まあ俺には色々と理由があってまだこの世界を終わらせられないんだ。俺が強くならないと誰も幸せになれない。そんなの悲しすぎるだろう」

「はい、私もそれは分かります。だって私もこの世界に来れたのは嬉しいですけど、ご主人様に出会えなかったらきっと私は死んでいたと思います」

「そういえばなんでお前はこの国にいる魔物達に捕まっていたのか?」

「実は私の生まれた村の近くにあるダンジョンの最下層で封印されていた魔道具が盗まれてしまいまして、その魔道具の効力で村にいた村人全員が眠ってしまったんです。私だけはその眠りにつく事がなかったのでどうにか村に行こうとした時にこの国に来てしまって奴隷商に捕らえられたってわけなんですよ」

「そうだったのか。でも、その盗まれたという魔道具は何なのか知っているのか?」

「はい、ご主人様は、この世界の神話を知っていますか?」

「ああ、知ってるぞ」

「その神話に登場する女神が使っていた神具の一つがその盗まれた物らしいのです。なんでもその魔石を使えば世界を作り変える事ができると伝承にあるらしいのです。その魔石を盗んでいった人物もおそらく魔人の王でしょう。その魔獣王は恐らくその神具を狙ってるはずなんです」

俺はその時は知らなかったが、この後に起きる事件の事を思い出してクロコの言っていた事が正しい事を実感したのである。俺が「魔族と悪魔を統べる者」をこの世界に呼び出して魔人の王「リリス」をこの世界に送り込んだ本当の目的を俺はこの時にはまだわかっていなかった。そしてこの時俺達はこの魔獣の王「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」を使ってこの大陸を支配しようとしていた魔人族の王の企みを阻止しているのだと俺も、シルヴィアも、シルヴィも思っていなかったのである。

「シルヴィーク シルヴィア シルヴィーク」は魔道機甲機将ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターの「魔獣の王」を俺に従魔化させる為に戦闘不能にした後で、俺とシルヴィアとシルヴィは魔道王の元に向かっていた。すると突然、空に大きな亀裂が入ったのだ。俺が空を見ると巨大な黒い物体がこの世界に現れると同時にその亀裂から光が放たれたのを見た時。シルヴィアは俺の前に立ち塞がり、俺を庇ったのである。そして俺は光に飲み込まれてしまうと一瞬でこの魔の森の外まで転移していた。

気が付くと俺は地面に横になっており、すぐ隣にはシルヴィアがいた。そして周りを見渡すが魔獣の姿は無くシルヴィークもいなくなっていた。しかし俺はその光景を見て呆然としていた。俺達がいたはずのその場所は草木や植物などはなく、クレーターのように大地が陥没しておりその地面は高温になっていたのである。俺は何が起きたのかわからず困惑しながら、シルヴィークが消えた場所に行ってみたがそこにシルヴィークはいなかった。そしてその場所には大きな穴がありその中に入って行くとそこは大きな湖になっていた。しかしその湖の水面は鏡のように静かではなく激しい水流が発生しておりまるで何かが爆発して出来たような湖に変わっていたのである。

俺は、なぜこんなことになってしまったのかを考えてみるがわからないまま、しばらくその場で考えていた。それから一時間ぐらいしてからようやく落ち着いて考えてみるとこの状況を理解し始めた。俺達は今、この世界に召喚されているはずだ。そして今見た景色が元の世界に戻る前兆ではないかと予想して、まずは俺は魔導王の元に急ぐことにした。そして俺は急いで王城に戻ると門の前で魔導王の配下の兵士達と戦っていた魔導師の少女と魔道王を見つけたのだ。俺は「来たれ、我が従者達よ。我が呼び声に答えたまえ。我が従える魔の眷属よ 現れいでろ。魔獣たち。我の求めに応えたまえ 魔獣王」と叫んで従えた「ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスター」と魔道機甲兵 ブラッディオガンナー と「魔獣の王」の配下達の召喚に成功したのである。俺達は魔導王がこの魔獣達から聞いた情報をすぐに共有する事ができ俺はこの事態の原因を探ろうとした。そしてこの異変を引き起こしているのはこの「魔人族」の仕業ではないだろうかと思い、俺はこの魔人族の王がいると思われる魔王城に一人で向かう事にした。もちろんこの魔王城を襲っている魔獣達を倒しながらである。俺の魔弾が効かないのは厄介だったがなんとか倒して魔王城に向かった。その途中、俺はある魔道具を見つける事ができた。それはこの世界に来る前のあの世界で見たことのあるものだったのだ。そしてそれを見つけてしまったことで俺は少しだけ嫌な予感を感じていたのであった。

俺は「聖剣エクスカリバー」の聖なる力で作り出した「ホーリードラゴン」で魔導師の女の子が乗る魔道戦車を破壊後、シルヴィークに乗っているシルヴィアと合流し魔導王の所に向かうために、魔道戦車の操縦士の男の遺体を「気配遮断魔法」をかけて、そのまま魔獣の王の「魔獣の王」に乗せて魔道王と魔道士が乗っている場所まで連れて行くとそこで、二人を降ろしたのである。しかし二人の様子がおかしい事に気が付き、その事に気づいた二人は顔を見合わせてお互いの顔を見るがすぐに、お互いに魔導王が座る席に目を向けていた。どうしたんだろうと、思いつつ、俺は魔道王の前まで歩いて行った。魔道王が俺のことを睨むと俺の「マスター」になった魔獣の王 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターに命令を出す。「こいつを殺して」という感じの言葉でだ。すると魔獣の王 ブラッディオガード ブラッディオガード ブラッディオマスターは魔導王に向けて攻撃をする。

俺も攻撃しようとすると魔道王の横に控えている魔導兵の男が「マスターは手出し無用です。マスターに傷を負わせたら許しません」と言ってくる。

俺も、さすがに俺より格上の相手だからといってこのまま魔獣の王に好き勝手をさせるつもりはなかったのだが、俺が動くよりも早く魔獣王の身体に変化が起こる。

魔獣の王の口が開いて中が黒く染まると次の瞬間には魔獣の王は口からビームを発射したのであった。その光線は魔道王に直撃するが、魔道王は微動だにしていなかった。魔道王は無傷のようだ。魔道王は「貴様!私に何をした?お前が私のマスターだというならお前を殺す!」そう叫ぶと自分の腕に向かって魔法を放つ。魔道王が放った魔法の威力により魔獣の王はダメージを受けて苦しみ出した。その光景を俺は見ていると魔導王の隣にいた男も魔獣の王に攻撃をしかけたのである。どうやらこの男は俺が魔獣の王に「俺の従者になれ」と念話で命令を出して従わせていると勘違いをしているようだった。俺は、俺の命令で従っただけなんだと言いたかったがそんな余裕もなく俺はこの場から移動するために魔獣の王のところに向かおうとした時だった。

俺の横を一筋の風が通り過ぎた。俺がその風の方を振り向くと魔導兵が魔獣の王の首を斬り落として消滅させたのだ。そしてその首を持って俺の方に来た。

「あなたは何者なんですか?私を騙そうとしましたね。私を試そうとしたのですか?」

「待ってくれ、俺の従魔は君たちを護るようにと言っただけだぞ。俺は君たちに危害を加える気はない」

「それならなぜマスターはあんなことをしているんですか?」

「俺にもわからないが俺が命令した訳じゃない」

そう言うと、彼女は、納得していない表情をしていたので「魔獣の王を俺に従えさせるようにしたのは、おそらくお前だろう?」と俺が彼女に聞くと彼女は驚いた顔をしていた。

俺と彼女の話に割って入ってきた人物が現れた。それはシルヴィアの操縦していた、ブラッディオガンナー の「クロコ」と名乗る人物で俺達に加勢してきたのである。そして俺は、シルヴィアに通信機を使いシルヴィアの機体がどこに飛ばされたかを確認すると、やはりシルヴィアの機体もこの魔の森の近くにいたのだ。そしてシルヴィアが俺とクロコを回収に来るまでにシルヴィアの魔獣王とその配下達にシルヴィアと魔獣の王 ブラッディオガード と魔道機将を援護させながら、魔道王に俺が攻撃を仕掛けようとした。

魔獣の王は「マスターに危害を与えるな。もし加えたら殺す」と俺を脅す。俺は「魔獣の王がマスターを俺に殺せと指示を出したじゃないか。魔獣の王はもう俺に従うしかない。俺の言いなりになるしかないんだ」と言うと魔獣の王は何も言わずにおとなしくなっていた。

そして俺は魔導王と戦い始める。そしてその戦闘をシルヴィアの魔道王が参戦する事によって戦況は変わるがそれでも俺は負けることはなかった。そして魔道王の体力が半分まで削れた時に魔道王の頭上に「聖剣エクスカリバー」の光が集まっていた。それをみた魔道王が何かを唱えようとしていたが、俺は魔道王が唱える前に俺は「聖剣エクスカリバー」の力を発動させると俺の目の前に大きな魔獣の口が現れ魔道王を飲み込もうとしていたのである。その口に飲まれると魔道王の魔力を吸収して俺は「聖剣エクスカリバー」を振った。その攻撃で魔道王を倒したが魔道王から放たれていた強力な波動の衝撃で魔獣の王ごと吹き飛ばされてしまうが俺の「従者」である「魔獣の王」には「従者契約」をしてあるのでダメージはほとんど受けなかったのだ。

魔獣の王の身体にヒビが入るとそのまま爆発して消滅してしまい「魔人族の王 魔道機将」の称号を得たのである。

シルヴィアの機体は俺を回収するために俺の元へと飛んで来ていたが、シルヴィークに乗っているシルヴィアに通信を送るとシルヴィークの魔導機が俺を運んでくれることになったのである。俺は、魔導王が言っていたことが少し引っかかっていて気になりシルヴィークに乗り込んだ後に、シルヴィアにこの世界の現状を聞いた。

どうやら魔素というものが原因で人間族が住む街や都市などが魔物に支配されてしまっているらしくその支配された街に冒険者達が行くらしいのだが返り討ちに合い帰ってこないことが多くその数は減っているのだ。

しかし、最近になって魔素の影響で進化をした亜人達が増え始めていてその者たちは「魔族」と呼ばれ始めて、今ではその種族の数を増やしているとの話だった。魔導王によると魔族は魔素の影響で生まれたわけではなくてもともと「魔獣の王」のような「幻魔獣」の事を言っていて、それが魔素の悪影響により知能を持った生物になったものが「魔族」と呼ばれる存在らしい。

「魔獣の王」は元々魔獣ではなく、「幻魔獣」が進化したものだと聞かされたが、そもそも「幻魔獣」というのがよくわからなかったので詳しく教えてもらったが、どうやら、幻の魔獣の事で滅多に出会うことが出来ない珍しい魔獣らしいということだけはわかった。それとこの世界に来る前に現れたあの「神界」にいるはずの神様達は俺達の事をずっと見守っているだけで何もしてくれていないとのことだった。なので、この世界で生きている人達が自分たちの力で問題を解決していくしかなくその手助けしか出来ないのだと説明を受けたのである。その話を聞いた時俺はもしかしたらあの世界で生きていた頃の事を思い出した。俺達は「地球」の世界で暮らしていたが、俺はあの世界が退屈だったのだ。毎日が同じで刺激が欲しかった。だから異世界に憧れていた。この世界では俺はこの世界を生き抜いていけば俺も「魔王」のように特別な称号を得ることが出来るのではないかと考えていた。だが、俺は魔王とは違う。俺が魔王になったらこの世界は俺が支配しなければいけない。俺の支配する世界になった場合俺が支配することで平和を保てるとは到底思えなかった。それは魔王がこの世界にやって来たときの出来事が原因なのだが、魔王はこの世界でも戦争を起こそうとしていたのである。しかしそれは勇者の介入により防がれて、それ以降も勇者の活躍があって、魔王がまた現れても倒されてしまうというのが続いた。その事に俺は嫌気が差して俺自身が新たな「魔人族」という新しい「種族」を創り出すことに決めたのだ。

俺はシルヴィークに乗ってシルヴィアに、これから俺が創り出した新しき世界を見に行ってほしいと告げると、俺の身体は突然白い光に包まれたのであった。

俺が気がつくと周りが暗くて俺の目の前に誰かがいた。俺が目を開けるとその人物は俺を見て「あなたは誰?」と聞いてきたので「俺はお前の夫だ。俺はお前と会う為に生まれ変わったんだ」と答えたが、彼女は首を傾げていた。俺は「俺とお前は夫婦なんだがわからないのか?」と言うと「私が結婚したのはもっと大人な男性です。私はあなたの妻になった覚えはありません」と言われたのだ。俺は彼女が言うことを無視して彼女に話しかける「俺と君は結婚したはずだ。それに子供だって生まれたはずじゃないか?」そう言うと彼女は「何の話をしているんですか?そんな話は初耳ですしそんな記憶もないのです」と俺に反論してきたので、その女性を抱きしめてからキスをしようとしたのだが彼女は拒絶して俺から逃げたのである。俺にはその理由が理解できなかったが、とにかく彼女を探し出そうと決めたのだ。

この女性はいったいなんなのかと思い俺は、彼女を「鑑定」を使って見てみると、彼女のステータス画面に表示されていたのは「名前 リリアーナ 年齢 20歳 職業 魔人 HP 1000/1000 MP 10500 レベル 100 状態 健康(呪)

性別女 攻撃力 5600

(+100)」だったのである。

その女性の話を俺は、信じることができなかった。そして俺がその話を聞いて信じられないと答えると「どうして私のことを信じてくれないの?」と言って俺に襲いかかって来たのだ。その襲ってくる様子からするとどうやら俺の言っていることを嘘だと決め付けているようで、俺は彼女に理由を聞くとこの国の国王から、この国は人間に敵対する国として認定されていると言われてしまったのだ。

俺はそれを聞いた時「この国は魔族と手を組んでこの世界の人間を滅ぼそうとしている」と確信したのである。それで俺が、なぜそのような行動を取っているのか聞いたら、俺がこの国に入国してから、シルヴィアが俺達の仲間になり一緒に行動する事になったのだがそのあと、シルヴィアの乗った機体が「クロコ」と名乗って俺と魔獣の王を連れて俺のところに来た。シルヴィアはその機体の中にクロコを収納して、自分の機体を呼び出し乗り込むと、俺とクロコを回収に向かった。その時に俺の従魔のオードが俺が行方不明になったというのを聞きつけてシルヴィアの機体の元へと向かいシルヴィアに状況報告を行い、シルヴィアが「魔導機将 クロコ」に乗り込んでクロコと共に、魔道機王を倒しに行ったのだという。シルヴィアの報告を受けてシルヴィアの機体は、シルヴィアからの指示に従いシルヴィアの元を離れ、魔道機王を探そうとしたときに、クロコの機体を見つけてしまい、クロコを魔獣の王に捕食させたのだ。

俺がクロコに話した「幻魔獣の王の討伐」を聞いていた魔道王が俺が魔道王と戦う前から魔獣の王を召喚しており、その命令に従って「クロコを喰らい力をつけろ」と魔道王の命令で動いていたのだ。魔導王の言っていた事は本当であり、シルヴィアの機体を誘導して俺を回収しようとはしていたが、途中で邪魔されて俺を取り逃がしたという事だった。

俺はその話を全部信用する事にしたのである。まずは「魔族」と呼ばれる者たちは、「魔人族」で元々は「幻魔獣」が魔素の影響で進化したものらしいが、どうやらこの世界の生き物には魔素を摂取しても「魔獣化しない」という特性があったのだ。そのおかげで「魔族」が誕生することは無かったのだと、俺は思った。「魔族」が誕生すれば「人間族」は滅亡するだろうと。

「魔獣」が魔素の影響で「幻魔獣」になるのはいいのだが「魔獣」が魔素を吸いすぎて、魔素を吸収し過ぎたために魔物に変化してしまう。その変化してしまったのが魔獣王であると俺は判断した。魔素を大量に吸収すると「魔獣王」になる。それが俺の中で仮説を立てたのだ。魔獣の王は、「魔獣王」に進化した後に「魔獣の王」となりそして、俺との戦いで魔槍ランスで攻撃を受ける際に、「魔獣の王」の称号を得たのである。俺に「魔獣の王」の称号を得た理由はわからなかったが、俺が「魔人族」に進化させるのに「幻魔獣」を捕食させることを思いついたからだ。その事で俺の称号にも「幻魔獣」が追加されたのではないかと思っている。俺は「聖剣エクスカリバー」の能力を使い幻魔獣を魔獣に変えていただけなのにまさか称号に追加されるとは思ってなかったのである。その事でも俺はシルヴィア達に説明をすることにしたのだ。その事をシルヴィアに伝えると「やっぱりあの「聖女」様のお導きだと思います」とシルヴィアは言ったのだ。確かにそう考えると納得できるところもあるが俺はまだ何か忘れているような気もしていたのである。そういえば魔道具王が言っていたように俺のいた世界で、勇者と一緒に戦ったことがあるらしいが勇者の顔も思い出せない。ただその名前だけははっきりと覚えていた。名前は確か「アマルダ=ルシファー」という名前だったはずだ。俺はその名前を思い出したがそれ以上は思い出すことが出来なかったのである。俺はこの世界の魔王を倒して俺が魔王になることを決めて行動を開始することを決めたのであった。そしてこの世界に来て初めて見た「エルフ」に会いに行くことにしたのである。

「この子は魔獣の子よ。だから私が責任を持って育てる」と言うので俺は、その子の母親に「俺の子供でもある。それにもうすぐこの世界に来るはずの魔王の子供をこの子の弟として生み育てて貰うつもりだから大丈夫」と伝えると「あなたがそういうのであればわかりました。この子が無事に生まれた事を感謝します」と言い残して、子供を抱えてどこかに去って行ったのであった。俺が子供の名前を聞こうと思ったら子供が俺に「ママの名前を知りたい」と言ったので「お母さんの名前はリリアだよ」と言うと、女の子は自分の名前を知っていたかのように嬉しそうな顔をしていたのである。俺はその様子を見て安心していた。

この子はこれからも生きて行くことが出来るのではないかと、そう思っていたのだった。俺は、この子の母親が去った後すぐにリリアーナを抱きかかえて、シルヴィークに乗せてその場を離れたのである。俺が向かった先は「エルフの里」である。そこには、あの世界で仲間になっていた「魔王軍」のメンバーが集まっているという情報を得ていたからである。俺とシルヴィークはその場所に到着すると、そこには大勢の「魔王」達がいて皆んな楽しそうに食事をしていたのである。その様子を見ながら俺はシルヴィークに食事を取るように指示を出して、俺はみんなに向かって話し掛けることにした。

「おぉ!久しぶりじゃのう!」と、言い俺の所に一人の男がやってきたのである。俺が男を見るなり「えっと君は誰だい?」と聞くと男は少し悲しげな表情で俺に話し始めた。「酷いではないか主よ、ワシのことを忘れるとはそれでも主は記憶を失ってしまったのであろうか?」と、その男は「魔王四天王」の一人であり、「悪魔公爵」の「サキュバスロード」のバルバトスだったのである。

俺はバルバトスと会ったことがあったのだろうかと必死に考えていたのだ。だが、どうしてもこの世界の俺との記憶が無いのでわからないのだと説明すると、この世界に来てからも、この国に入る前までは「魔王軍」の一員として活動していたと聞いて驚いたのである。俺はなぜ、この国にいるのかと質問したら、この国では魔石を使って魔道具が作られていると聞いてきた。この国の王族は、この国に暮らす民のために様々な物を作り出しているが、どうやら一部の人間は自分たちで勝手に作った物を売り利益を得ているらしく、魔導砲の砲撃の時にこの国の王の近くに魔族がいたのだそうだ。それで、この国の王である魔導王は、魔導砲を撃って魔獣たちを討伐した後に、この国の民が傷つかないうちに魔獣達を倒したことを大々的に発表するためにパレードを行う事になったらしいのだが、この国の住民のほとんどが王の言葉を聞くこともなく、我先に逃げてしまったのだという。そのことでこの国は今混乱しているらしいのだが、この国の王子である、シルヴァンとその弟は最後まで民を避難させるために、この国に留まっていたのだそうなのだ。

俺はそれを聞きながらその話を聞いて思ったことが「この国が混乱していることと魔獣の王が関係あるんじゃないだろうか?」と思っていたのだ。俺はそのことを「シルヴ」に伝えて確認をすると、どうやら魔獣の王がこの国に現れる前に「魔人族」と思われる者が王城に訪れていたようで、王城の魔道具を起動させて魔素の濃度を上げていたのではないかということだ。その魔人族は「幻魔人」と名乗っており、幻魔人の集団の中に、この世界には存在しない種族がいるらしいが、この国に来ているのかは不明だと言っていたのだ。その幻魔人は魔導機将を連れて来て魔獣の王を呼び出したのだ。俺はその言葉が本当なら魔獣の王と魔道王がこの国に現れたのは幻魔人達のせいだということである。俺は幻魔人と魔獣について調べる必要があると感じて、幻魔人を探す必要があると判断をしたのだ。そこでこの場にいた俺達は一度この里を出て魔獣の王が出現したと言われている場所にいくことにしたのである。俺は、その時にこの里の人間たちにこの国から逃げるように伝えて回った。どうやらその時に「魔道砲」は破壊されており、今は魔道機兵が魔道王の配下である魔導機の兵と戦っていた。魔道兵の数は1000機以上であり、かなり劣勢に立っている様子であった。

俺は「聖剣エクスカリバー」を取り出し、この国の兵士たちを救いに行った。俺は聖剣エクスカリバーの力で魔導機を操り次々と敵を斬り伏せていった。この世界に来た時に俺は「魔導機兵」というものの存在を知り、それを使えるようになったのである。そして俺は全ての魔導機兵を操っているのが「魔人族」だと判断したのだ。なぜなら、この魔獣が暴れまわった時、一番近くにいたはずの「幻魔人」はこの魔獣が召喚された後にこの里に戻ってきて、幻魔人が乗ってきた「魔道戦車」が壊れただけで、魔獣が消えた後も何ごともなくこの城に入っていき、魔道具を弄っていたからだ。俺は魔獣が現れた時点で、「魔道戦車」に乗り、幻魔人たちが乗り込んでいた「魔導車」に攻撃を行っていたのである。「魔導車」は、普通の自動車より頑丈に作られた車体は、なかなか壊す事が出来なかったが「聖剣エクスカリバー」の固有技能を使った攻撃をすれば、「魔導車」を破壊することは簡単に出来たのである。そのおかげで俺は魔道機兵に命令を出して魔道を扱える魔獣を倒すことに成功したのであった。俺は、シルヴィークから降りてシルヴィアとリリアーナに話しかけることにする。二人は魔獣を倒すために飛び回っていたために疲れているだろうと思い二人に声をかけることにしたのである。

俺は「魔獣王は倒せたからもう安全だよ。それと魔獣たちは全部いなくなったから心配しなくていいよ」と、言うと、二人は嬉しそうな顔をして「ありがとうございました」とお礼を言われたのである。俺はその言葉を気にせず、これからの事を考えていた。「この世界の魔王にどうやって会えばいいんだ?」と考えていたのだ。「魔獣の王に聞きたい事があるんだけどさ、君が言っていた「幻魔人の集団に魔獣使いがいたよね。あの子の名前を教えてくれないかな」と言うと、あの子は自分の事を、「ルリ」と呼んでいたと言ってきたのだ。だから、その名前が「ルシファー」と関係がありそうな気がしてならないのである。「あのね。その子って女の子だったりするのかい?俺と同じ名前の女の子なんだが」と聞いた。そしたらルシファーという名前には心当たりがあるようだった。

ルシファーは魔族でも特別な存在であるらしいがそれはまた後で話すという事だった。俺としては魔獣の王に教えて欲しいことがあったのである。それは「幻魔人の集団に魔獣使いの男の子がいなかってい」と聞くと魔獣の王は何かを知っているような反応を示した。やはりその「幻魔人」が魔獣を召喚するときに一緒にいるのだろうと予想がついたのである。「じゃあこれから幻魔人を探し出して、魔獣の王をけしかけない様に話をしないと行けないな」と、思いながら今後のことについて話を始めたのであった。俺達がこれから何をするかというとまず、シルヴィアとシルヴィークにこの世界にいるはずの魔王の情報を探して欲しいと頼むと了承してもらった。次に俺の仲間たちと合流したいということを伝えるとシルヴィークに魔王領まで案内してくれると頼んでもらった。俺の仲間である「リリィナ」は、この国の「姫」でもあることから俺はすぐに会いたかったのである。

シルヴィークもリリィナの事は知っており俺の要望に応えるべく動き始めてくれている。俺達はすぐに出発することにした。俺達はこの国の王と話をするため城に戻ることにして、この国に「シルヴァニア王国第一王女」であるシルヴィークとシルヴィと、シルヴァンと一緒にこの王都に来ることができたので俺の知り合いの魔道王を呼んでもらって、シルヴ達のことをお願いした。

「シルビアさん、これからシルヴィークは魔道王様の元に向かい事情を話しますのでその間シルヴ達の面倒見ていてくださいませんか。俺の仲間は、これから魔王領の方に向かい魔王の情報を捜索しに行きますのでその護衛をして欲しいんですが、いいでしょうか」と俺が聞くとシルヴィークは、「わかりましたわ。シルヴィークとシルヴィークはこれから、魔王様の元に挨拶に伺います。私達が魔王様の元へ着くまでに仲間と合流してください。私達もこの世界の情報を集める事にします」と返答をしてくれた。

俺は「シルヴィとシルヴのこと頼みます」と言い残してシルヴィア達に別れを告げて、俺達は城に戻りシルヴァンの案で魔王領に向かう前に、王都にある冒険者ギルドに顔を出して行くことにしたのである。この王城は今、混乱しているため俺たちがいるこの城で待っていてもらうことにしたのだ。この世界の冒険者のランクはDクラスまであり、「B」クラスの実力者はいないと聞いているが、俺のレベルを考えるとあまり問題がないと判断したため、シルヴィンに任せることにしたのである。

俺は冒険者ギルドに向かう途中で、【気配感知】を使ってみるとどうやら誰かがこの国を抜け出したようだと思った。その人物はこの国にいるはずのない人間の気配がしたので俺のスキルは嘘をついてはいなかったようである。この国の外には出てはいないので放っておいてもいいのだが俺は一応確認をするだけしておくことにしたのだ。もしこの国から抜け出していた場合は面倒事になると考えたからである。そして外に出てしばらく歩くと「それ」はすぐに見つかったのである。そして俺はそれを見て驚いてしまったのだ。

そこにいた人物は、なんとその人物の正体は俺の妻の一人であるリリアだったのだ。彼女は「魔王」の娘であり、魔王の力を受け継ぎこの国の国王となった存在でもあった。そんな彼女のことを「聖剣エクスカリバー」は「聖剣エクセルカリバー」に変化させたのだ。これは聖剣の「固有技能」を発動した結果であり、この国に来たときと聖剣エクスカリバーをこの世界に持ち込んで来た時以外は「変化」しないはずなのだ。だが、なぜ、この世界で変化しているのかを考えてみたが答えが出なかったので、考えることを止め、今すぐこの場から逃げようとした時に後ろを振り向くとすでに目の前に彼女がいて俺を拘束しようとしていたのである。

俺の身体を一瞬のうちに拘束しようとしたのだ。そして、リリィナは俺を捕まえた後、そのまま腕を掴んで、どこかに連れ込もうとしていたのである。俺は、なんとか抵抗を試みたが全く力が入らない状態で全く動かせなかったのである。

俺は必死になって「ちょっと待ってくれ。一体どういうことだ」と言ってみるものの、リリィナの方はこちらを見ず、「少し黙ってて。あなたとは色々話があるから大人しくしてくれないと困る」と言うとそのまま転移をした。俺と、聖剣エクスカリバーの所持者が、リリアの腕の中に転移してしまったのである。リリアに抱き抱えられた瞬間、リリアの「匂い」を間近に感じて「この世界に来た時よりも強くなっているじゃないか」と思いながら俺はこの世界にきた当初、妻の中で一番強かった彼女ならこのくらいのことはできてしまうだろうと思っていたのであった。

俺は聖剣エクスカリバーの力で、リリアとリリィを気絶させてしまったのである。そうしなければ、彼女たちに質問をされて面倒なことになっていたのである。なぜなら俺は「勇者」であり、リリアはその勇者である自分の夫に敵対するつもりなら容赦なく攻撃をしてこようとしてきていたからである。それにしてもどうしてこの世界にやってきたばかりの俺がこんなにも力が強くなってしまっているのか分からなかった。この力はあまりにも強すぎるように思えるのだ。

しかし、今はリリアンを安全な場所に連れて行ってやりたいと考えている。そこで、とりあえずリリアだけは「聖槍ブリューナク」に変えてから「空間移動」を使い、城から一番離れた人気のない場所にリリィを連れていき、彼女をベッドに寝かせたのである。リリアとリリィは同じ顔をしており見分けがつきにくいのである。リリィは俺のことを「あなた」と呼んでいるが、リリアが、「貴方」と呼ぶ時は「この国で一番偉い人」つまりこの国を統治している人間という意味が込められているのだ。そのためリシアたちは俺の事を「陛下」とか、「旦那様」と呼んでくることがある。それはともかく、まず、俺が一番に考えたのはこの二人の状態を確認することであった。俺は、【神速再生】と、いう固有技能を持っていたので、回復魔法をかければすぐに治るのではないのかと試してみたのである。その結果は、「傷一つ残らず綺麗に治るのではないか」と期待したがその予想に反してリリアの状態はよくならず、逆にどんどん悪化していくように見えたのである。その様子を見ていて俺は焦っていたのである。そして、この状態を治せる人間は一人しかいないと思い、彼女に電話をして呼び出したのだ。その女性は俺の仲間の中でも医療担当をしている人だ。

その人の名前はリリィといい年齢は18歳で、俺より二つ年下の妹みたいな存在であった。この世界に来るまでは、その能力から戦闘に参加してもらうことが多くあったが、今では、この国を統治している姫でもある。

俺が最初にリリィの診察をしてみるとその症状はかなり深刻であることがよく分かったのである。特にリリアの状態は酷いものであったのだ。この状態のリリを放置してしまっていたらいずれ死んでしまうとすぐに理解することができた。そこで、俺はこの世界にいる「リリィ」と「リリシア」を呼ぶことに決めたのである。リリィとリリシアは双子であり、「幻獣リリィ」、「幻獣リリシア」と呼ばれていたが、「幻獣」ではなく「聖獣」と呼ばれている存在だった。

俺は、二人に連絡を取ると、「今すぐ王都の俺の屋敷に来てくれ」と伝えると、リリが何かを感じ取り、「あなたが来て欲しいって言うときはいつも厄介ごとがあるけど何があったの」と言われてしまい、俺は、「そうだな、今回の件は特に面倒だと思う」と答えたのである。俺はリリに事情を説明すると、すぐに準備を始めてくれるということになったのである。リリィの方も急いで準備を進めて、屋敷まで来て俺の話を聞くと、すぐに「私のスキル」を使ってくれたのである。俺もその「固有技能」を使って、リリィの能力である「治療」を使うことにしたのだ。リリとリリが「治療」を発動するとすぐにリリの体の中から、紫色の光が溢れてきたのである。この光はおそらく、魔獣がリリィに襲いかかろうとしていた時の攻撃の光と同じものだろうとすぐに推測した。

しばらくするとリリィとリリの二人は疲れた表情をしていたのである。俺は二人が大丈夫か聞くと、「まだ完全に魔族を封印することは出来ていないみたい」と返事をしてきたので、魔導具にリリが封印を施したのがこの国に現れたリザードマン達だと話すとリリ達は納得してくれたのである。そしてリリアの「魔獣使いの魔族の少年について教えてくれないか」と頼むと「わかった」と言って詳しく説明をしてくれたのである。

この世界のリリスというところに魔人の里が存在していてそこに「魔獣王」と呼ばれる魔族が存在していることがわかった。「魔道王国で魔獣王の居場所を探ってほしい。そしてできれば話し合いで解決して欲しいんだ」と言うとリリィが「それは多分難しいと思う。この世界での私たちの役割は「魔獣王」の捜索でしたよね」と俺に向かって言ってきたのである。

俺は「その通りだよ」と答えて、俺達三人はこれからの方針を話し合うことにしたのである。リリアは、「この子達のことは任せて下さい。シルビアさん」と答えると「シルヴィークは私達で責任を持ってお預かりします」と言ったので「ありがとう」とお礼を言いシルヴィ達を任せる事にしたのであった。

俺はリリィがこの世界にやってくる前に、リリアに頼みごとをされていた。リリアは「魔王様の力を受け継いだこの子が私達と同じように「魔王化」する可能性があるの。もしそうなった時、私では抑えることができないからあなたが助けてほしい」と言っていたのだ。その話を思い出し、俺はこの世界をリリアとリリィに頼もうと考えていた。俺はこの国を出て魔王領の方を探索してみようと計画していたためである。俺達は、リリスに向かい、そこで魔王を探し出そうかと考えたのである。

この国の外の状況はわからないが、「気配感知」を使って調べてみてもこの王都の近くにいる魔物の数が多いことだけはすぐに把握ができた。だが、この国はなぜか、俺が来た時に比べて、さらに強くなっているような感じがしたので俺が一人で外を出歩くのには危険な状況にあるかもしれないと判断した。

この世界にやって来たばかりの俺はこの国の周辺に出るモンスターなどには手こずっていたが、今はこの国に来たときと比べれば格段に強いのは当然として「勇者レベル」になっているため、外に出て、俺の力を確認してみたのだ。そして、俺の今のステータスを見て驚愕してしまった。俺のレベルが100を超えているのに驚いてしまったのだ。確かに俺には、リリアの「聖剣エクセリオン」の力を使い「固有技能」の【聖剣術 】と【聖魔法 】をマスターしているのである。それにしてもレベルが高すぎると思えたのだ。俺は一体どうしてしまったのだろうかと不思議でしょうがなかった。しかし、この強さが当たり前だと思い直すことにした。リリアが俺の「勇者」の称号を与えたことにより俺は勇者になったのだ。

勇者になるということはそれだけこの世界でも特別な力を手にすることができるということだった。だから俺の現在の力は妥当なのだろうと思い込むことにしたのである。そんなことを考えているうちにこの国の外で俺が感じ取れるほどの異変が起こっていることに気付いたのだ。俺のこの世界に来てからは感じることができるようになった「神の目」の力がこの世界の変化を伝えてきていた。俺は慌てて、「聖槍ブリューナク」に話しかけたのである。

『リリア、俺の身に危険が迫っていることはわかっているよな』と、俺に呼びかける声は、この世界に存在する全ての「聖武器」を統率している存在である「神の声」のようであった。俺は自分の持っている「聖槍」と会話をすることができるのは知っていいた。この聖槍エクスカリバーは、「聖武器」の長として君臨しているのだ。そのため俺は、リリアを信用し、「エクスカリバーの力を貸すようにお願いしてくれないか」と言うとすぐにリリアが了承してエクスカリバーを貸してくれたのである。

リリアは、「神槍ブリューナクを私の手に」とつぶやくと、目の前の地面に大きな光の魔法陣が出現し、その魔法陣の中から「聖槍ブリューナク」が現れたのだ。その槍を手にした瞬間、この世界が一瞬のうちに俺にとって住みやすくなっていたのである。その光景を見ていた「幻獣」たちは驚いた様子を見せながら「あの伝説の「槍の聖女」がついに目覚めたのだな」と呟いていたのが聞こえてきたのである。その「幻獣」たちの言葉を俺もすぐに納得することができた。リリアの纏う空気が変わったからである。今まで、俺の妻たちは俺の嫁になってからは雰囲気は変わっていたが、今は俺が知っているリリアの雰囲気とは全く違うものになっていると感じたのである。俺はそのことを確かめるようにリリィにも聞いてみることにした。

「リリィも今気づいたけどリリィの身体の調子は良くなってきましたね」

「はい、これも全部シルビのおかげですね。本当にありがたいと思っています。リシアは元気になっていましたが、まだ起きてはいないんですよ」と、言って、この部屋にいたはずのもう一人の少女がいなくなっていることに気がついた。その時リリが、この部屋に入ってきたのである。そして、俺は「リリィとリシアの状態はどうだ」とリリに聞くと、「少し休めば問題なく動けるようになると思います。それより陛下、先ほど、城の中で凄まじい魔力を感じたんですが、大丈夫でしたか?」と聞かれてしまった。

「そうだな、今のところ何も起こっていないが、リリィから話を聞いていたんだろう」

俺はそう答えて「俺のことは、あなたでも構わない」と言ったのだが、リリは、俺を「陛下」と呼んでくれる。彼女は真面目な性格で人一倍頑張り屋さんなのだ。彼女の年齢を聞いてみると15歳ということがわかったが俺は「もっと若いかと思った」というと「私なんかまだまだ子供ですよ」と言われてしまう始末であった。そして彼女がこの屋敷で働き始めて一週間になるがリリア達とも上手くやれており屋敷のみんなからも好かれているようだ。

俺はリリのことを見つめて、「これからよろしく頼むな。リリィと一緒に、二人を支えてあげて欲しいと思っているんだ」と言うとリリィが俺に近寄ってきて抱きついて来た。「もちろん、シルビーのこともしっかり守りますし安心してください」と言ってくれたのである。

この城の地下室で俺の大切な仲間でもある「魔道王国の女王」であるリリとリリア姉妹の妹のリリィと出会った俺はこの二人が「魔族リリア」と「幻獣リリ」であることがわかった。そして、俺は、二人がこの世界でどのようなことをしていたのかを聞くことにしたのである。

二人はリリスにいる「魔族」のリリスというところで生活をしていたらしい。そこには魔王がいるということで、この世界に現れた魔族をこの世界で見つけ出し魔王を倒し、魔族がこの世界にこれ以上増えないようにするため二人で魔族を探していたそうだ。俺が、この世界で魔族の居場所について聞こうとしたが二人の話は止まらず魔族の話ばかりしていたのである。そして二人は、「魔王様も、きっと魔族のことについて聞きたがっていますよ。だから早く魔族を捕まえて魔王様にお見せしなければ」と興奮気味で俺に語ってくれたのであった。

俺は魔族がこの国に出現していることは予想ができていたので、まずはその情報を手に入れるためにも、魔族がどこに出現したのかを知る必要があったのだ。この王城に魔族が出現するのも時間の問題になってきていると予測できる。なぜなら俺の屋敷に魔族の侵入を許した時点で俺はこの王城を魔族の手から守ることが不可能だと考えたためである。俺は「この王城には、強力な魔族を倒せるだけの人材は存在するか」と聞いたのである。

リリが答えると、「それなら問題はなさそうですね」と俺は思ったのである。俺はその魔族の特徴を聞き出した後、俺の考えを伝えたのである。

「そのリザードマン達のいる場所は俺が行ってもいいんだけど、この国の状況を知りたいと思わないか?この国の現状を把握しておく必要があると考えているんだよ」

俺がこの国の国王であり「魔王」である俺に対して意見してきたので驚いたのであろう。だが、俺が「神」と交信ができる「神の声」の能力を持つ「勇者」だということを知ってからはあまり驚かなくなったような気がするのだ。この国の状況を把握しておくのは重要だと判断してくれたようで、このリリスから「気配感知」の能力が発動できなくなってしまった。この世界のこの大陸の中心には巨大な湖が存在しているのだ。そこを通らないと、他の場所に行くことができないような仕組みになっているのだ。その湖の真ん中にはこの国で一番高い山が存在するためこの国は海に出ることができなかったのである。だが俺はその場所に行こうと決意してリリを連れていくことにしたのであった。リリが案内してくれると俺達は言うと快く引き受けてくれてくれたのだ。この国の周辺では異変が起こっていると俺は考えていた。俺はその異変を調べるためにもこのリリスを出ようと決心したのである。そして俺は、この王城内にあるこの国の状況が書かれている資料室のようなところに行き調べ物を始めたのである。この部屋の主はこの国の大臣の一人で、魔導士長という肩書を持っている人物だ。その男に「この国の現状について教えてほしいことがある」と言い、リリス周辺と周辺の村について調べるように命じた。

この国の周辺にはリリス以外に4つの村があるそうだが、このリリアとリリィがこの世界に召喚された「幻界リリアス帝国」、「竜人国ドラゴニス」、「亜人国家ドリュアス」、「獣人王国ライノス」がこの世界では「幻界」と呼ばれているのだそうだ。そしてこの世界に存在する「幻界」と呼ばれる「幻獣」「聖武器」なども存在しているのである。俺が今立っているこの場所が、幻界の中の一国、この国の名前は、「魔道王国リリス」なのだ。この国は元々リリアの故郷でもあり、「聖武器」を守護するためにこの国を作ったのだという。だがリリは俺に、「なぜこの国はここまで発展することができたのだろうか?」という疑問をぶつけて来たのである。俺はその理由はわからないと答えたのだ。俺の頭の中には、リリがこのリリスの国の女王になった時にリリアから「幻界のこと」と「魔族と幻獣」のことについては聞いていたのだがそのことについて詳しく聞くことはなかったのだ。俺はリリアに質問してみようと思い、俺達がこの世界に呼ばれた理由を知っているかもしれないと思いリリアに会いに行こうと考えたのだ。リリアは今は体調も良くなり、この城の中で生活しているということなので会いに行ったのである。リリは俺をリリアに会わせる前にこの王城のメイドに頼みたいことがあったのだ。

それはこの部屋の中に、食料が残されていないかの確認と「保存食」が余っていたら用意しておいて欲しいということを頼んだのである。その依頼を頼まれたメイドは、そのように手配をすると約束してくれたのだ。俺とリリアの部屋に着いてノックをし入らせてもらうことにした。中に入ると、ベットの上で寝ている状態のリシアと付きっきりで面倒を見ているリリィの姿があった。俺の姿を見たリシアはすぐに「心配かけました。もう大丈夫です」と笑顔を見せて話しかけてきたのだ。俺はリシアの言葉を聞いて「まだ無理をするな」と伝えたのだ。リリアも起きていたらしくすぐにこちらにやってきたのだ。そして俺がこの王城からこの屋敷に移動することになった時のことや、この屋敷に来てから起こった出来事を説明したのである。リリから「陛下は、このリリスを救おうとしてくれて本当にありがとうございます」と言われてしまった。

俺は、「礼はリリアに言え」とリリアにリリアにも礼を言うと「いえいえそんなことはないんですよ」と俺がこの王城に来ることになった経緯を丁寧に説明し始めたのである。俺とリリアの馴れ初めから今に至るまでの間の出来事を説明し始めるとリリもリリアも真剣に俺の話を聞いていたのである。俺とリリアの話が終わるころには、二人もすっかり仲良くなっておりこの二人もリシアの面倒をよく見てくれるようになっている。俺達は今後のことについて話し合ったのだ。

まずは「リリアとリリにはこの国の周辺や近隣の村の様子を見に行ってほしい」と頼むことにしたのである。二人は快く承諾してくれたので、俺とリリで魔族の居場所を探ることにして、リリアとリリには情報収集をしてもらいつつ、リリスの防衛を任せることにした。俺がこの国に召喚されてから二週間が経過していてその間にこのリリの住んでいたリリスが魔族によって滅茶苦茶にされていたことが発覚する。リリスの街にはまだ多くの住民が住んでおり、魔族の侵攻に耐え切れなかったらしい。俺はそのことを聞くと「一刻も早く俺が向かわなければ、リリスの住民の命も危ないぞ。」と思った。俺はリリとこのリリスを守るように指示をした。リリアにはリリのフォローをしながら魔族に関する情報を集めて欲しいとお願いしたのだった。リリは「わかりました、必ず陛下の期待に応えて見せます。この国も守ってみせます」と言うと俺はリリアに魔族の情報集めを依頼してからリリと屋敷を出てリリスの外に向かったのであった。

この国の周囲には四つの村に存在している。まず最初にこの村に向かうのが一番の得策だと考えた。この国には他の街に行くためには湖を通過しなければならないという立地条件が邪魔をしている。だからこの国の防衛力が極端に低いのだと俺は思った。この村は「獣人」という種族が住む場所になっており「リリアの両親が住んでいた村でもある」そうリリが話していた。俺とリリは湖に向かって歩き始めたのである。そしてこの湖を渡るための唯一の橋の前にたどり着いた時、俺は、湖を見つめながら「ここに、何かが住んでいるんだろうな」と感じた。俺は、リリの案内に従い森の中に入ろうとしたその時に、「そっちじゃない、反対側の森に入るのじゃ」と声をかけられたのである。俺は、その少女の存在に気づくのが遅れてしまい反応することができなかったのだ。なぜなら、リリはその気配を感じることができていなかったからである。俺も全く気配を感じ取ることができなかった。そして、リリは俺を後ろから抱きしめると、地面に押し倒されてしまい俺は、首元に短剣を突きつけられて「それ以上動くなよ」と言われたのである。

「お前たちは何者だ。どうしてこの場所に来た?返答次第では容赦しないからね」とその女の子は殺気を込めた目つきで俺たちのことを睨みつけてきたのだ。だが、俺とリリはお互い顔を合わせうなずくと同時に行動に移したのである。俺が【魔装展開】を使い、そして魔導弓で矢を放ったのである。

だが俺が狙ったその相手は俺の攻撃が当たる寸前に俺達の前から消えたのである。

俺は攻撃を止めようとした時にはすでに遅く、リリに襲い掛かろうとしていたため俺はリリを抱きかかえそのまま後ろに飛んで距離を取ろうと考えた。その瞬間に「ドォーン」という音とともに俺とリリがいたところにクレーターが出来ておりそこにその少女が降り立ったのである。その少女は、俺達を見ると「まさかこの私が、こんな小さな子供二人にしてやられるなんて、なんでわかったの?私の能力が通用しなかったの?私とあなた達にはそれほどの力の差があるっていうこと?ありえないわよね?」と言ってきたのである。そして、俺はこの少女のステータスを見てみると驚愕してしまった。そして俺はこの少女の名前を確認したのだ。すると、「シルヴィア」という名前が表示されたのだ。

この子も俺と同じような存在だということは俺とリリアがこの世界に呼ばれたことで「この世界」にいるはずの無い人物の魂とでもいうべきなのだろうか?その二人がこの世界に召喚されてしまったということになる。俺は、「この世界の俺がどんな人なのかは知らないが俺が知る俺ではない俺」に問い詰めることにした。「この世界は、今から約100年後なんだ。君は一体何者だ?君もこの世界の「魔族」に復讐しようとしているのか?」と聞いたのである。

その答えは俺にとって驚き以外の何物でもないものだった。彼女は、「今から200年後からやって来た」というのだ。つまりは未来の人間ということだった。その少女は「未来から来たということは本当だ。私はこれからこの世界を支配できるほどに強くなることができるという自信もある。それに、その力を手に入れた後にもう一度戻ってきたいと思っているのだ」と言い出したのである。その発言に対して「何故この世界に戻ってくる必要があるのだ?」と俺が問いかけたところ、俺に会えばわかると言い出し、その後は何も言わなくなってしまった。だが彼女の言うことが本当ならば、なぜこの時代まで戻ってこなければいけない状況になっていたのかを知りたいと思っていたのだ。

だが今はこの場をどう乗り切るべきかを考えていた。俺は【魔眼】を使ってこの少女に攻撃を仕掛けることにした。だが俺が魔眼を使うと「なぜその技を使えるのだ」という顔をされたのである。だが、今そんなことはどうでもいいのである。俺はこの子に俺の魔眼のことを話さずに戦闘を有利に進めるために、魔道具を発動させたのだ。だがこの魔道具も発動すること無く、俺は首を絞められてしまい意識が薄れていき目の前が見えなくなっていくのであった。俺は、この魔道具が使えなかった原因を考えると一つの結論に辿り着いた。それは「俺が魔眼の力を使えないからこの少女も同じ力を持っていないということ」なのだ。俺はこの少女に俺の力が通じないことを理解していたから、俺に勝ち目はないということも悟ってしまったのである。だが、ここで死んでは意味が無い。この少女の隙を作りだし、この場をなんとかして切り抜けることを考えている時に俺と少女は動きが止まった。

それは、一人の男がやってきたのがきっかけだったのだ。男は俺と同じで、白い髪をしていて身長は180センチぐらいあり、かなり体格がいい感じの男で、黒い服を身に纏っていた。その男が現れたことによって少女の表情が変わったのである。その変化を俺の瞳が見逃すことはなかったのだ。そして俺は直感で「この男には勝てないかもしれない」と心の中で思ってしまっていたのだった。俺はそんなことを考えながらも男の攻撃を防いでいこうとするが、全く太刀打ちができずに一方的に攻撃を受けるだけの状態になっていき、そして最後には「ドカ」っと俺の腹に強烈なパンチを食らわせられて俺は吹き飛ばされてしまったのだ。そして俺はこの攻撃により「死」を感じた。俺が、このままだと間違いなく死んでしまうと感じてしまったからだ。だから俺は自分の持っているすべての力と全魔力を振り絞り最後の賭けに出ることにしたのである。

俺が魔装を展開した時だった。俺はその光景をただ見ていることしかできなかった。なぜなら、俺の知っている人が魔装を展開して俺を助けてくれたのだ。

それは、シルヴィアと名乗る少女を俺から引き離すとそのまま地面に叩きつけたのである。そして少女を殴り飛ばそうとしたが、少女は空中に浮かび俺達が見たことがないような構えを取るとその拳が当たる直前に俺達は眩しい光に包まれる。俺は、目を閉じたのだが、再び開けて見るとそこには誰もおらずさっきまで戦って居た場所には誰もいなかったのである。俺はあの一瞬の間になにが起こったか理解できなかった。俺も一緒に転移したのではないかと思いリリを探したが、見渡す限り森が広がっているだけでどこにも見当たらない状態になってしまった。俺は、一旦落ち着くために移動しようと立ち上がると急に俺の体が宙に浮き始める。俺は「これはどういうことだ」と思い周りを確認しようとすると突然頭の中に映像が流れ込んできたのである。

俺はこの感覚には聞き覚えがあり、俺はその映像に集中させるように意識を集中させていた。すると、そこにはリリらしき少女の姿があったのであった。俺はすぐにこの子がリリだと思いリリに念話を試みると、リリは念話に応じることができないようで、俺からの呼びかけに応えることは無かった。

それからも俺はこの不思議な空間での映像をひたすら見ていた。その映像にはこの世界の風景や、俺の住んでいた屋敷などが映し出されていた。そこで俺はようやく思い出したのだ。俺がここに召喚される前の日に、俺の部屋に侵入してきた黒装束を着た女のことを、その時に俺の体を触ってきて俺の大切なものを盗もうとしたあの女の姿をはっきりと映していたのである。そしてその女はこの世界の魔族の王だと分かった瞬間に俺は「こいつが全ての元凶だ!」と思うのと同時に怒りの感情が爆発したのだ。俺は魔族の王の映像を見たときにその魔族の王を倒すことを誓ったのである。だが俺は気づかなかった。自分が、今、どこの次元に存在しているかを。

俺はしばらくするとこの不思議空間から出ることができたのである。だが俺は、先程までの戦いの傷が治っておらず体の節々が痛みを感じる状態であった。そして体中に傷を負ったせいなのかわからないが少し吐き気が止まらなかった。だが、俺は立ち止まるわけには行かない。なぜならリリを助けるためである。だから、シルヴィアとかいう女の子と闘っていた男が現れて、俺のことを助けたことに疑問を感じていたのである。そして、俺は気がつくとまた別のところにいた。その場所ではリリと一緒に暮らしていた屋敷のような建物があった。俺は、そこの屋敷に入っていくとそこに俺の両親と姉が居たのだった。俺は、まずは両親から事情を聞いてみようと話かけることにする。俺は父に話しかけることにしたのだ。

俺は父と会話をして色々と情報を集めようとしたが、父は何も知らないと言うばかりであり、母と姉からも特に得られるものは無かったため次に姉と話をしようとした時に姉の方から「どうしてこんなところで遊んでいるの?あなたがいなくなったらリリアちゃんも悲しむでしょ?今なら私がお仕置するだけで済ませてあげるけど」と言われてしまうと、何故かわからないが自分の奥歯に力が入る感じになり俺が怒っていることがわかると「わかった、わかった。じゃぁリリアに会いに行く?」と聞かれると、「リリアが無事な姿を見せて欲しい」と言ってみると「わかったわ。」と返事をすると、母は「お父さんと私は、この国にいるの。だけどね、この国はおかしいの。なぜか私達を奴隷として売ろうとする人たちがいるみたいで私たちは必死に逃げ回ってきたんだけど、逃げ切れそうにない状況だったんだよね。私は、あなたとリリに迷惑を掛けたくなくてわざと捕まったんだよ。でもねあなた達二人は私たちがこの国から脱出するために必要な存在だったからね、私のスキルでこの二人だけを脱出させて私達三人は魔族の国に逃げるつもりだったのよ」と言われた。だが俺はまだ、この世界に来たばかりでこの世界をよくわかっていなかった。そのため、俺がなぜこの世界に連れてこられたのかわかっている様子だった母の言っていることが分からなかったのだ。

そして「俺がなぜこの世界に連れてこられる必要があったのかを教えてくれ」と言ったが、それに対する答えはなく、「ごめんなさい」と言って黙り込んでしまったのである。俺は「なんでだ?なぜ俺を連れてきた?」と問いかけると「今からこの世界を滅亡させようとしている者を止めに行って欲しいの」と言われ、俺の体は震え始めたのである。そして俺はこの国の人達から「魔王」と呼ばれる人の存在を聞いたことがあった。だが、「勇者であるお前ならば倒せるはずなんだ」とも言われたが「そんなの嘘だ!だって、この世界を崩壊させようとしている人ってそんなに力が強い人なんですかね?」と言ってやったのだ。すると、俺を襲おうとした黒装束の男が俺に「お前は何を知っているのだ」と言われると俺は「俺はただこの世界を救おうと頑張ったのに俺の家族は誰も俺の味方をしてくれなかった。俺を仲間にしてくれたと思っていた奴らも結局は自分の身を守ることで手一杯で、誰も俺に力を貸そうとはしてくなかったんだ。それに俺は魔族の国に飛ばされてしまってこの世界で何が起こったかも分からない状態でこの世界にやって来てしまったんだ」と答えた。だが、その答えに対して「確かにこの国で魔族が暗躍していたことには違いないがこの世界を救う方法なんていくらでもある。それに、その者が本当にこの世界を破壊を考えているかどうかもまだわからないではないか」と反論された。そして「俺がこの世界でどんな目に遭わされてきたか分かるのか?俺はこの世界に転移させられてきた時、いきなり魔族の王様を名乗る者に戦いを挑まれ死にかけた上に、俺の大切な物をこの世界に奪われたんだ。そして俺を魔族の王にするために、この世界に俺を呼び出して、俺はこの世界を救うために何度も戦った挙句最後には俺の仲間だと思って一緒にこの世界で生活をしていた魔族の者達に騙され、この世界が崩壊するという情報を流されそうになったこともある。俺はこの世界に来るまでは俺は正義の味方になるつもりで生きてきて、自分の家族のために俺は命を懸けようとしてこの世界でも戦い続けて来たというのに、その結果は俺のことをみんなが見捨てたという結末だった。この気持ちがわかるというなら教えて下さい」

俺はこの男の言ったことを信じられなかったのである。だから、この男に向かって俺は「俺の家族とこの世界の人たちを全員殺しやがったくせに偉そうなことをぬかすな!」と大声で叫ぶと、この男は「お前こそ俺の娘を誘拐した挙げ句、俺の大切な妻と娘を殺したのはどっちだったか覚えているか?」と聞いてくると「そんなの知るか!」と言い返したのである。そして俺はさらに「俺はこの国の人達に嵌められ殺されそうになっている。そんな時に俺の事を最後まで信じて俺の力になってくれた人はこの屋敷に住んでいる人達だけなんだ。そしてこの人たちは俺にとって初めて心を許せる本当の意味で俺の居場所だった。それを貴様らが邪魔したんだ。この世界に召喚されたこと自体を俺は恨み続けていたが、それ以上俺にこの世界を破壊しようとする人の討伐をさせようということも恨み続けているんだよ。そして俺は自分の家族を取り戻すために俺は戦うことを選んだんだ。なのに俺の大切な家族の事を知らないお前が勝手を抜かすんじゃねぇぞ!!」

俺は今まで我慢していた怒りを吐き出すように、そして自分が思っているこの世界の人たちへの思いを全て口にした。すると「すまなかった。君たちのことを何も知ろうとしなかったのも悪かったと思っている」と言ってきたのである。俺は、もういい加減うんざりした俺はこの場から去ることにした。

俺はその部屋を出て行くと、そこには先程俺のことを助けてくれた男が居て、どうすれば良いか悩んでいると、リリの声が頭に響いて来た。

そして、リリが話したいことがあると言うので、俺達はお互いの顔が見える位置まで移動するとリリが話し出したのである。

俺はリリの話を聞くために耳を傾けた。俺はリリアに念話で呼びかける。

(聞こえますでしょうか?)と、頭の中で声が響く。

(聞こえる。それより大丈夫なのか? どこか悪いところは無いのか?)と、リリアに念話を使って聞くとリリアが言う。

(はい。大丈夫です。それよりも私から一つ質問があります。私は今どこにいるのですか? それと、私達のいたお屋敷もどこに消えたのですか)

俺は、リリアの問いに答えられずにいると、リリアは俺が困ってることが分かっていたため、俺にこう言ったのである。(私が今どこに居るのか、どうしてこんな場所に来てるかわかりません。ですが私とあなたの力を合わせればきっとどうにかなると思います。まずはここがどこだか調べなければなりません。私が思うにおそらくここは異世界なのではないのかな? と思ったのです。なぜならば、この魔道具を使えることが証明になったはずです。これは私たちの住んでいた国でしか使えない物だったはずなんですよ。それを考えるとやはり異世界に私達二人は召喚されたという可能性が一番高いのではないのかなと思いました。それでこの空間から抜け出さなくては、あなたが危ないかもしれないので、私はこの空間から出るための手段を探すのであなたは私の指示に従って欲しいのですよ)と、リリアがそう俺に話しかけてくると、俺はリリアの言ってることが正しいような気がしたのだ。だから俺は、リリアに俺の考えを伝えると、リリアが俺に、

(私も同じ考えでしたが、あなたの意見の方が私には理解できやすいのでその方法で行きましょう。まずはこの場所を調べる必要がありますので、私は、周りを探ってみようとおもいますのでその間あなたはこの魔道具を持ってここで待機していて下さいね。もし何かありそうなときは連絡を入れますのでお願いしますね)とリリアから指示される。俺も魔剣を手に持ち、いつでも動けるようにしながらその場で待機することにしたのである。

そして俺は、しばらくすると、この空間にいる魔族の子供を見つけて俺はその子と会話をしてこの世界がどんな感じの世界かを聞こうとするがあまり喋ってくれなかったので俺は仕方なくこの子の記憶を読むことにする。そしてこの子が人間族に追われていることがわかってしまう。そして俺はこの子の母親が殺されるシーンを見てしまう。そしてその後この子は逃げているときに魔獣に襲われてしまうのだが、そこで俺が魔族の子を救ったのだ。するとその女の子が俺に感謝をして俺に懐いてきたのである。だが、それからというもの、俺達がいる場所がどんどん崩れていくのだ。俺の目の前では瓦礫が山のように積み重なっていくと俺が、焦ってると、俺の手を握ってくれていたこの子の力が突然弱くなったのだ。俺は、急いでその子の方に目をやる。

すると、俺はこの子に魔力を流し込むが一向に回復しないのだ。だが俺はその時ふとあることを思いついたのである。俺のこの魔族の子に対する気持ちが関係しているのではないかと思うと、試しに俺はこの子を抱きしめるとこの子がとても愛おしく思えてきた。俺はこの子を抱きしめると、その瞬間この子の傷が一瞬にして回復したのだった。そして俺が「君のお母さんは無事だよ。」というと、この子はその言葉を信じて母親の元に駆け出すのであった。俺がその様子を見守っているといつの間にかその魔族の少女の姿が無くなっていたのである。そしてその少女の父親が俺に対して「あの子は、君に命を救われたと君に伝えてくれと頼まれたんだ。俺からもありがとう。あいつを助けてくれて本当に感謝する」と頭を下げられてしまったのである。

俺とリリアが協力して、この謎の世界からの脱出を試みることにして色々と探し回る。

そして俺とリリスは、リリアの言っていた通り、この場所は魔族の国の王都の近くであることがわかると、俺たちが魔族の王と会おうとしていた場所にそっくりの場所だったことに驚きながらもその場所の近くにある洞窟を見つけることが出来た。俺達がその中に入ると、奥の方から大きな音が鳴り響いていたので俺とリリアはその音がなっている方に向かってみるとそこにはリリアと同じぐらいの年齢に見える女の子がいた。その女の子が、この世界での勇者らしい。

俺はとりあえず俺がその勇者を拘束しようとするとリリアが止める。俺が、どうして止めたのかと聞くとその少女は「私の大切な人を傷つけたら私は全力をもって抵抗をするつもりです」と言うとリリアが「あなたがいくら力を尽くしたところでもこの世界が救われないのですよ?」と言ってくるが、それでも勇者は自分の意見を変えるつもりがないようだ。俺もその少女の気持ちは分からなくもなかったが、俺だって俺に出来ることはやろうと思っている。

だから俺は俺のこの世界での本当の敵である魔族と戦う決意を固める。俺がそう覚悟を決めた時俺の心の中に声が聞こえてくるのである。

『私の声が聞こえるのですか?』と、その聞き覚えのある優しい綺麗な声で俺のことを心配してくれているその女性の名前は「リリスさん」と言う名前の人であった。そして俺とリリの魂が繋がり合う感覚がわかると俺はこの世界に飛ばされる直前に俺が助けた女の人であることがわかったのである。俺は「聞こえるよ。今リリアと話してたんだ。それにしても良かった。君は生きててよかった」というと「ごめんなさい。私はあの時死んでいてもおかしくなかったのです。でもあなたのおかげでなんとか一命を取り留めることができました。ですが今は私よりもこの世界に危機が迫っております。私は、この世界に呼ばれた理由はただ1つしかありません。あなたと一緒にこの世界を救いたかった。あなたと共に過ごしたかっただけなんです。でも私はもうこれ以上あなたの力になることはできないのです。ですが最後に一つあなたと私を救ってくれたリリのために私に力を貸して頂けませんか? そしてこの子を守って欲しいと心の底からそう思います』と言ってリリに何かを手渡したのである。そして俺は「必ずリリを守りますから大丈夫です! ただ俺もリリを守るために少しだけ時間をください。すぐに終わりますから。それともう一つだけリリに頼んでも良いですか?」と言ってリリアにあるお願いをしたのである。俺はその間にこの場を脱出する準備をするためリリアに「この世界を救う為の準備をしよう」と言うとリリアは納得したのかこの部屋を探索し始めたのである。

そしてしばらくして、魔剣を持っている少女をリリアは見つけることに成功するのだが俺はそこで俺は、リリアに「ここから出るための手段を見つけたから一緒に行こう」と言って俺は、リリアの手を掴むとそのまま【時空神之手】を使ってこの場を離れたのである。俺達は転移するとそこは、魔族の国の王城だった。どうやらリリアは無事に抜け出せたようで、俺はほっとしたのであった。そしてリリアは俺に礼を言うと、魔族の王のところに報告しに行くといって行ってしまった。

俺が魔族の王に会いに行くか悩んでいるとそこに先程の勇者の少女が現れると俺のことを連れてきた少女の父親にこう伝えていたのである。

その話を聞いた俺と顔が似ている青年は俺にこう話しかけて来たのである。

俺はリリアの言葉の意味がわかったような気がしたのでその提案に乗ることにしたのである。その話をすると少女が笑顔で俺に抱きついてきた。俺はこの子に、名前を聞いてみたが、まだ名前を考えてないとの事だったので、俺の名前を使うように頼むと、少女はとても嬉しそうにしてくれたのである。その時に、その少女の頭の中に声が聞こえて来たような気がするが、おそらく俺の声だと思ったため俺は気にしないことにしたのだ。

俺がリリスを見ると俺の顔を見て何かを言いたそうにしているようなので俺はリリスに何が言いたいかを聞くと俺に頼み事があるそうだ。

俺はすぐに承諾して何をお願いされたか確認すると、それはこの世界を救うために協力して欲しいとお願いをされる。俺はその願いを快諾すると、その少女は喜んだ表情を見せるのであった。そして俺はその少女の父親が俺達に頭を下げてきて、感謝してきたのである。

俺はリリアのいるところに向かうことにする。だがリリアのいるところがわからない。だからそのことについて聞くと、その父親はこう教えてくれたのである。

俺が、その父親の言う場所に向かいしばらく歩くと俺達のいた部屋にたどり着く。その扉を開けると、リリアの後ろ姿が見えた。その背中には俺をずっと守り続けてくれると誓ってくれているような気がしたのだ。俺がそんなことを考えながら見ているとリリアは俺の存在に気づいてこちらに振り返り俺の側に寄ってくると俺を抱きついて来るのであった。

「会いたかったです。」と言って来たのである。俺もリリアが無茶をしたのかと聞いてみるとリリアは、「私のことよりあなたの方こそ無事で安心しました。本当に、本当にあなたは、心配させないでください」と俺のことを気遣ってくれているのだ。

俺は自分の考えが間違っていたことを悟る。確かにリリアは自分が危険な目にあっていても誰かを助けようと必死になっていた。だからこそ俺もこの子を助けてやりたいと思う。そして俺はこの子の父親に感謝を伝えると、その父親は俺に対してお礼を言ってきたのである。そしてこの世界の真実を教えてもらう。どうやら俺達の世界にもこの世界のような異世界が存在してそこで、俺達の世界は侵略されていたらしいのだ。そこで俺は俺とそっくりな人間であるその男のことを信用できるかどうかを確かめると、その男の人は俺に敵意がないことを示すと、その男の人は「この世界の人達にはまだこの事は内緒にしてくれと俺の父から言われている。この事実を知ってしまった者達は全て処分しなければならない」と言うので俺は、その言葉を信用することにした。

俺はリリアと2人でしばらく話し合った後俺は、その少女の父親に、俺はリリアと離れることにしてリリアをその少女の母親の元に戻すために俺の空間収納の中に入れることにしたのである。リリアをリリアのお母さんの元に返してあげたい気持ちがあったからである。そして俺は少女にその父親に俺が伝えたい事を伝えてほしいと伝えるとその女の子は了承してくれる。

そして俺はその父親と少女と一緒にリリアと俺と俺にそっくりな男がいた場所に戻るとリリアの姿がなかった。俺と少女が話している間に移動してリリアの気配を感じる方向に移動するとそこには俺と瓜二つの顔をして、黒い翼を持つ魔族の少年と、白い髪と羽を持つ綺麗な女性がいた。俺と魔族の女の子がその人の名前を叫ぶとその女性の身体が光の粒子となって消滅していった。俺は俺に似ているこの少年にリリスのことを尋ねるとこの女の子に説明していたことをもう一度話してほしいと言うのである。俺はこの男の子の話したことを要約してリリアに伝えて欲しいとこの女の子に頼んだのだった。

「私はその人のことを信じる。あなたはこの世界に呼ばれた勇者であなたにしかこの世界を救えないのなら私はどんな試練でもあなたと一緒に受ける」と言うとリリスに似せたこの子の母親はリリスと俺を優しく抱きしめると泣き始めたのである。そして俺と少女がこの母親と別れて、この子と共に行動しようとすると、リリアがこの少女のお父さんが呼んでいると言われたのである。俺とこの子が部屋に入るとそこにはリリアによく似た顔の美しい女性が座っていた。俺はこの少女を母親の所に届けるとこの女の子が少女の母親と一緒にどこかへ転移したのであった。そしてその部屋の中にはリリアとリリに似た男性とこの魔族の男性が待っていたのである。俺はこの魔族の男性と少しだけ会話をしてリリとその男性のところに向かうとそこには、先程少女がいたのと同じぐらいの歳に見える可愛い女の人がいて、リリアはその女の人と楽しそうにおしゃべりをしていた。俺がリリに「誰?」と言うとリリアがこの少女に、この子を紹介するとこの子は少女の母親であり、リリアの姉であるそうだ。俺達が少女と別れた後もその魔族の男性はその女性と楽しくおしゃべりをしていたが魔族の王はその光景を見ながらその男性を睨んでいたのである。そしてその男性は少女の母親であるその女性にキスをすると同時に光を放ちその場から消え去ったのである。そしてその部屋から俺だけが取り残された状態でこの部屋に残っていた他の者たちもいつの間にかいなくなってしまっておりリリアが俺の前に現れた時には俺以外その場にはいなかったのであった。俺はその魔族の男がいなくなった瞬間に部屋が一瞬揺れ動いたような感覚に襲われていたが、俺は気づかないフリをしながらリリアの方を見ずにその部屋を出た。そして俺は魔族の王に会いに行く事にしたのだった。

俺と魔族の王とが話す中で俺はリリを元の場所に帰してあげてほしかったのだがこの魔族の王は頑なに拒否をしたのだった。俺にその事を告げられた俺はリリを連れて帰ると約束したのである。そして俺はこの魔族と俺と同じ顔をしているこの魔族にこの世界で何をするつもりなのかを尋ねると「お前にこの世界を救う資格があるか俺と戦い試す」と言ってきたのである。

俺はこの場で戦うことを決めると魔族の王が何か呪文を唱えると俺は真っ暗闇の中にいたのである。俺はリリアに「今から、君が戦おうとしている相手は君の力を持ってしても勝てる見込みはないから絶対に死なないで」と言うとリリアは不安そうな顔をしていたが、その言葉を聞く前に俺は意識を失ってしまったのである。そして俺が起き上がった時その場所には、先ほどまでのリリアやリリスがいた場所はなく周りには、魔族がひしめき合っていたのである。

「貴様がこの世界の者ではないのはわかる」と魔族は言って来た。俺はこの場からどうやって逃げ出すか考えていると「貴様に選択肢をやろう。我と戦うのか? それともここから逃げるのか?」と魔族の王が俺に向かって話しかけてきたのである。

俺には選択の余地がなかったのだ。なぜならこの世界に来てまだ数日しかしていないがこの国ではたくさんの魔族の命が失われてしまっているのを知っているからだ。だから俺は覚悟を決めて魔族の王との戦いを受けることに決めたのである。俺はその王に勝負を受けて立つと伝えると魔族の王は不敵な笑みを浮かべていたのである。俺は魔剣を構えると俺の目の前にいたはずのその魔族の王の姿はどこにもなかったのである。

だがそんなことで俺は焦らないようにしていたのだ。俺の周りにはたくさんの魔族がおり俺を倒そうと攻撃を始めようとしていたが俺はその全ての攻撃をかわすと、魔剣を使い次々と倒していくと俺は【神眼】を使い敵のステータスを確認することにしたのである。その数の多さで俺のMPはほとんどなくなっていたのでMPを回復させるためにもスキルを発動したのだった。だがその時に、俺の前には俺とそっくりな顔をしていて、全身を黒衣で身を包みフードを深くかぶっている男が現れたのである。そして俺は【危機察知】に反応があったため俺はその攻撃を避けることができたのだ。だがこの男からは異様な雰囲気を感じたため俺はその男のステータスを見ることにする。

俺はこの男の情報を少しでも得るために俺は鑑定を使用するとこの男は俺の持っている称号と名前が表示されていたのである。その男の名は『大魔王』と言う名前であった。俺は驚きを隠せなかった。

この俺が今まで戦ってきたどの敵よりもこの男の存在力は強かったのだから。だから俺はすぐに俺は自分のHPを確認した。

どうやら俺にはダメージを与えず、相手の精神力を消耗させて戦闘不能にする戦い方をするタイプのようだ。そのため俺の体力もどんどん削れていっていたのだ。このままだと負けると思った俺は俺が使える最強魔法を使おうとしたがこの空間は魔封じの力を持っているようで俺は魔力が上手く練ることができなくそのせいで俺は思うように戦うことができなくなったのである。そんな状況の中、この大魔王の俺とほとんど同じ存在のこの男が「さすがにお前は強い」と言ってきたのである。

「それはありがとう。でも俺はこの世界に呼ばれただけで何の能力も持ってないしね。それで君はなんでここにいるの?」と俺は聞くと「俺は、俺がこの世界を壊そうとするものを始末するために召喚された」と答える。そして俺はこの大魔王と話を続けてこの男がなぜこのようなことを行うのかを聞くとこの男は、「魔族の繁栄のためだ!」と言うのである。

この男の話を聞き続けると俺は、俺はその話を聞いて怒りがこみ上げて来た。そして俺は自分の中に眠るこの男に怒りを向けるとその瞬間俺の体の中から凄まじいエネルギーを感じることができ俺は自分が自分の意思で発動しているのかもわからない状態になり暴走してしまう。俺の周りは、黒い闇のようなもので覆われていてそれがだんだん大きくなっていったのである。

俺の身体中から大量の汗が流れ出し呼吸も乱れる。そして俺はこの闇の力が俺を制御しようとしてきた。そして俺は必死になって自分の意識を保ち続けようとするがもうダメだと思い諦めようとしたその瞬間、俺はこの空間に亀裂が入る。その空間に入った亀裂が大きくなるにつれて、その空間に亀裂が入っていく。そしてついにこの空間に穴ができそこから光が差し込んで来た。そして俺に近づいてくるその少女の姿を見て俺の中の俺の意思が薄れ始めるのが分かった。

そして俺は少女がこちらに近づきながら「あなたを助けに来たよ」と言ってくれた。俺の瞳から自然に涙が流れた。俺は俺の中で眠っているその少女の温もりを感じ、その少女が俺に触れてくれたことで俺は救われた気がした。俺は少女の顔をみるとその少女は笑顔を向けてくれる。その表情を見て俺は落ち着きを取り戻したのであった。そして俺がこの魔族の王の作り出した異次元の牢獄から出ようと試みるも俺に宿ったその力を抑えることができずに俺は再び意識を失ったのである。

俺は目が覚めるとリリアの声が聞こえた。そして俺はリリアに抱きつかれて目を開けたのだった。するとそこにはあの大魔王が俺の顔を見ながら笑っていてそしてその横にいる魔族の王も微笑んでいたのである。俺はこの二人がとても似ていることに違和感を感じていたが、なぜか俺が寝ているベッドの隣に少女がいてその子が俺のことをずっと見つめていたのだった。そしてその隣にはリリアとリリスとリリアの姉さんとリリアのお父さんが座っていたのである。俺はどうしてこうなったのか全く理解できなくて、混乱しながらも周りを見渡すとこの部屋の外がいつもと違っていたのだった。そしてその少女は突然俺に飛びついてきて泣き出したのである。

俺が何があったのか聞こうとする前に、リリスがその少女の頭を優しく撫でてあげていたのだった。そして俺の事を見ていたその少女は「あなたの名前教えてください」と言ってきた。俺は少しだけ迷ったがこの子のお母さんに「あなたがリリを救ってくれて本当にありとう」と言われてしまったのである。俺はリリという子が誰なのかがわからなかったがこの女の子の母親であるこの子がお礼を言ってくるので俺は何も言わなかった。

この女の子は魔族の王の娘のリリという名前で年齢は今年で12歳ということだった。この子はリリアと同じ銀髪に銀色の魔眼をしていてそしてリリスとよく似ているのであった。

俺はリリという名前のこの子を見た時に何故か懐かしい感じを覚えた。

そして俺は「俺の名前はライトって言うんだ」と自己紹介をするもその瞬間リリの目が大きく開き涙をこぼしそうになっている。俺は何か悪いことを言ったのかと焦りその事を確認するがリリはこの子を抱っこしているその女性のほうに向いてこの女性の名前を尋ねてきた。俺はこの女の人の名前を聞くのはなんだか申し訳ないとか思ってリリに聞いた。「リリス姉さんの本当の名前を知らなかったの?」と聞いてきていたので俺は正直に答えたのである。

リリはその言葉を聞いたあとこの部屋にいる人達に視線を向けた。

すると俺はあることに気づいた。リリのお腹がふくれていることにである。そしてこの女性はリリを大事に抱えていたのである。

それを見て俺は俺はこの人が俺の知っている人物だと確信した。そしてリリスのお母さんである女性がリリスに向かって何かを呟いていたのである。そしてこのリリスの母と名乗る女は俺を睨むと「リリになんてものを見せたの?! 私達の宝物のリリの綺麗な肌にはこんなにも痛々しい傷があるのに!!」と怒りをあらわにしてきた。その言葉で俺はこの人のリリに対する気持ちを察してこの人に謝る前にこの人はきっと許してくれないと思うと心が締め付けられるように苦しくなっていた。だがこのリリスの母親は、リリに対して俺の目の前で起こったことはこの魔族の王に無理矢理された行為ではないということを説明してくれていた。そしてその後リリスの方を向いた。リリスの頬の腫れた跡はまだ残っていて俺を見るその顔つきがとても険しく俺に敵意を持っているのがわかるほどだった。

そんな状況の中、大魔王はそんな空気など気にせず俺に話しかけてきた。その男は俺に向かってこの魔族の国に来てから何が起こっているのかを教えてくれようとしていた。俺はそれを聞きたいと思わなかった。

なぜなら、大魔王の話の内容は、魔族の王がこの魔族の国の地下に作ったダンジョンの攻略を依頼されたのだが、魔族の王はそこで自分の息子が勇者召喚の儀式を行い召喚された人間の少女に殺されてしまうところを目撃してしまい、そのショックのせいもあって自分の娘の命を奪ったその少女を殺すためこの国の魔族を洗脳しこの魔族を手下にしその勇者を殺してこいと言う命令を下し俺の前に姿を現した。だがその時に俺と瓜二つの存在の大魔王が現れた。そしてその二人は俺に戦いを申し込んできたのだ。大魔王は自分の力を誇示するために、俺は魔剣の使い方をこの世界の住民に教えるために、お互いの目的のために俺と大魔王の戦いが始まってしまったのである。

そして俺達はお互いの存在力をぶつけ合ったが俺は大魔王には勝てず俺は意識を失ってしまう。だが大魔王は最後にこの俺が使っていた魔剣を回収していき俺を気絶させた後に大魔王はこの魔族の王が作った異次元に穴を開けてその中に入っていき、俺の体を拘束した後に大魔王はこの魔族の王の作った異次元の牢獄から出ていったのだという。そして魔族の王はこの大魔王との戦いに決着がついたと思いこの異次元の封印を解いてしまったが大魔王は死んでいなかった。

この空間は大魔王の力で作り出した異次元であり、魔族の王と俺が戦っていた場所はこの城の地下深くに存在するダンジョンであった。この城の中にいる全ての魔物は魔族の王の配下ではなく大魔王の配下であることを知った。

大魔王は俺達と戦っている間もこの魔族を仲間にしそして操ることのできる大魔王の力を使い自分の配下の者を大量に増やしていったらしい。

その話を聞いているときに俺は俺が戦った相手が本物の大魔王であるのかどうかがわからないことに気付く。もし大魔王であれば大昔俺が大魔王と戦ったときもこのような魔道具を使ってこの異次元空間を作っていたのだと理解する。

この異次元に捕らわれた者が脱出する方法はないのか尋ねるがそんなものはないという返事を返されてしまい、さらに俺はその方法で俺を閉じ込めたのではないかと思いそのことについて話すと大魔王がそんなことをすると思うのかと言われた。確かに大魔王ならば自分の力でその程度の事は簡単にやってのけるはずなのだ。そんなことを考えながら大魔王のその話を聞いたのだった。そして俺は自分が今どこにいるのかと大魔王に質問すると大魔王は「今は魔王城に戻ろうと移動しているところだ」と言うのである。

どうやら俺は魔族の王が作ったこの異次元の空間から出ることは出来ないらしく魔族の王が自分の城に帰っている間は俺はこのまま放置されるということだ。そして魔族の王は魔王城に戻るまでの間に自分の城の警備を固めている。

そして魔王城は俺がこの異世界に呼び出されたときに訪れた場所である。そこは俺のいた世界では考えられないような巨大な都市がありこの世界の人類は皆そこに住んでいるらしい。

俺を捕らえていた魔族の王の作ったその異空間からは出ることができない。だが俺の意識さえはっきりしていれば俺と俺に関係のある人や物をその異空間の外に出すことが出来るのである。それはなぜかと俺はリリスに尋ねるとリリスは魔族に使える巫女のような者でその能力は、他の生き物が持っている魔力の流れを見ることができる特殊な能力を持っていたのである。そしてこの俺によく似たリリスは、魔族の王とその娘を救い出して欲しいという依頼を受けていて、そのリリスがこの魔族の王の娘を助けて欲しいと願うリリスの父がリリスに託そうとした魔剣の回収依頼も同時に受けておりこの魔族の王の娘を助けてリリスは無事にこの魔族の王の娘を救出して、そして俺はこの大魔王の作りだした異次元の牢獄の中から出ることが出来たのである。

俺は俺に助けを求めてきた少女をリリスに任せて俺は魔剣を回収するべくリリスとともに魔族の王がいると思われる魔王城に急いで向かうことにした。すると大魔王はリリスが俺と共に魔王城に行くのを止めるのだった。

俺達がリリスと一緒にこの大魔王が作り出した異次元の空間から出るとすでにリリスの父親が魔王城を包囲していた。そしてリリスは、その父親のもとに近寄っていく。

俺はリリスのお父さんがリリスを大事に抱っこすると、リリスのお母さんとリリスとそっくりのリリスの妹の二人がこちらに近づいてきた。その三人もリリスのことをとても心配していたのがリリスの顔を見ると安心しリリスの頬の傷は治っていたのだった。そしてこの四人もこの魔王城の中に入っていった。そして俺はこのリリスの父親から、リリスの事を頼まれて俺はその願いを聞き入れリリスをリリスのお父さんに託したのだった。

俺はリリスの父親と別れた後、魔王城の城門を抜け城内に入るとそこには大勢の魔族の兵士にリリスの父親の仲間たちがいたのである。リリスはその兵士を見て俺のことを見てきた。

「私にはこんなにたくさんの部下はいないのにライト様の所にはいっぱいいるんだね」

と寂しそうな顔でリリスが俺を見てくる。

そしてリリスのお父さんとこの城の魔族たちの話し合いが終わり俺達はこの城を制圧することになったのである。

リリスはこの魔王城の最上階に幽閉されている魔族の王を助けるために向かうのであった。俺が一緒に行くと言ったら断られて俺は一人でその部屋に向かったのであった。

俺は魔王が使っていた部屋の扉を開けると中にはこの部屋を守っていた魔王の側近の四天王と大魔王によってこの魔王城の地下に捕らえられていた大魔王の手下の魔人族と巨人族のハーフであるサイクロプスと俺と瓜二つの顔を持つ魔帝が立っていた。そしてこの部屋に入った俺にこの部屋にいた者達全員が俺に向かって襲いかかってきたのであった。

俺はその襲ってくる敵を次々と【魔闘練氣】を使い敵をなぎ倒していった。俺と魔人族の男が一騎打ちをしていた。その魔人族の男は大魔王に俺と瓜二つに似ていると言われている男でありこの男の名はダークといいこの城の護衛隊長を務めていたが大魔王の手によって俺の偽物として行動させられていたのである。俺に倒されたこの魔人族の男は元の姿に戻りそして魔族の王に忠誠を誓ったのである。

俺はこの大魔王が作ってこの魔族の王が支配する魔族の国のこの城になぜこんなに多くの大魔王の手下が集まっているのかと不思議に思った。この城に来るまでにあった魔物達の中には、俺に瓜二つの姿形をした者はいなかったのである。この魔王は俺を罠にはめるつもりだったのではないかと思った。そして俺に魔剣の回収を任せていたのはその魔剣の力を恐れたのではなく大魔王と戦わせるための口実だったのではと考えると大魔王に利用されたのだと気づく。大魔王はリリスに何かをするつもりでいた。俺がリリスにそのことを伝えようとしたときにリリスが魔王の部屋に入っていきそしてリリスの体を借りて現れた大魔王に捕まってしまった。そしてリリスを拘束した状態で俺が先ほど入ってきた部屋に大魔王は戻っていったのだった。

俺が大魔王を追いかけようとすると大魔王はリリスを連れてどこかに移動していく。俺はリリスと魔族の王の娘の居場所がわかる【波動感知ディバインフィールドサーチ】を使う事で二人のいる場所がわかり二人ともこの城の中の地下にいる事がわかったのだ。

そして俺はリリスに魔族が魔王の娘の監禁された部屋を教えてもらいその場所にたどり着くことができたのである。その扉の前にはこの魔族の国を守ってきた魔王直属の精鋭部隊である親衛隊が待ち構えていた。そしてその中には大魔王が連れてきたこの魔王軍最強の存在である五人の大魔王の手下の一人も混じっていてその五人は俺が以前戦った事のある相手でありその時に大魔王に力を奪われていたがその力を取り戻していて俺はこの大魔王の作り出したこの異空間に閉じ込められる前に大魔王と戦ったときのように力ずくで倒すことにしたのである。

大魔王の部下の魔人たちを俺は次々倒していき俺にそっくりな魔人と大魔王に洗脳されてしまい魔人に姿を変えてしまったこの魔王軍の兵隊を俺は全て気絶させて気絶させていったのである。そして俺は大魔王と大魔王の娘がいる部屋の中に突入したのだった。そしてこの部屋の中には魔王の娘が鎖に縛られて座っていた。そして魔王の娘に魔人が覆いかぶさるようにしていて魔王の娘の体は震えていたのである。

俺はこの魔王の娘の体に覆いかぶさっているこの魔人を殴り飛ばしその勢いで俺は倒れ込んだこの魔人から魔王の娘を助け出した。その魔王の娘の体を縛り付けている鎖を破壊するため俺は、俺自身の固有武器を創造しそれを破壊するために魔王城の壁に刺したのであった。そしてこの魔王の城に張り巡らされていた結界を俺の力で全て壊すと大魔王の部下が乗り込んできたが、俺に倒されて気絶してしまった。だがその時には大魔王の娘が大泣きして俺に飛びかかってきてそのまま抱きしめられてしまった。

「もう大丈夫だから泣くんじゃないよ」

と優しい口調でいうがなかなか泣き止まなかったのである。そして俺は大魔王がどこにいるのかリリスの方を見ると同じように大魔王と大魔王の娘を探していてそして二人は見つかったのだが、なぜかリリスだけが大泣きしていたのである。

リリスが泣きながら事情を説明してくれたが大魔王が俺をここに呼び出して魔王を人質に取ろうとしたがその人質にした娘は偽物で大魔王と魔人族の王が俺が大魔王の元にやってくると大魔王を騙して娘を返さないと魔剣を渡しはしないぞと言って娘は殺されてしまう。と俺に脅しをかけてきた。俺は大魔王に騙されたが大魔王が魔王を人質に取って魔王に魔剣を渡せと言っているなら魔王の命が危なくなることはないと思い娘に俺と魔王の関係を話して安心させると大魔王の元へ急いだのだった。するとそこには大魔王が娘の命を助けてくれと言うから魔族の王とリリスと一緒に説得するが魔剣を渡すと聞かずそこで俺が魔王の持っている本物の聖杯と魔王が持つ魔道具であるこの指輪を使って俺に魔族の王との絆が本物かどうかを試すための儀式を行うと大魔王を納得させることができ魔族の王とリリスと魔王の娘と大魔王は魔王城に残してきたのだった。

そして俺が魔王城に戻ると魔王は魔剣を持っておらず大魔王と魔人族の王は魔剣が封印されている部屋に行き俺もその後を追ったのだった。

その部屋の扉を開けると大魔王とこの魔剣を作った魔剣の使い手の男がそこにいたのである。俺は大魔王の事を問い詰めると大魔王が魔王の魔剣を奪ったことを告白し魔剣に魔族以外の者が触れたら魔剣に飲み込まれると言いそして魔王は魔剣に触れたことにより俺の事を信頼していると言ったことで大魔王に魔剣を返してもらえることになったのである。すると魔王がこの大魔王が作り出した異空間の中に入ろうとしそして俺は魔族の王の城からリリスたちと共にこの世界へと戻ってきたのだった。

すると大魔王が俺に謝ってきた。この大魔王は魔族の中で最強を誇るがその力は無限にあるわけではく魔人族の王に魔人族としての力を全て奪われてから力を蓄えるためこの異次元の世界で大魔王に挑んでくる者たちから力と力を奪うのを楽しみにしていたがそれもできず、自分の部下も大魔王の手下の魔族達にほとんど殺されており部下の数も少ない。それで俺にこの魔剣を奪い取られて俺に魔人族が魔王と俺を罠にはめて利用しようとしたのだと自白したのである。

そして俺が魔人族の王に魔族が魔王の娘であると告げ魔人族の王はその言葉に激怒していた。俺はこの魔王の娘をこれからどうするかを考えていた。

俺が魔族についているのは魔族と人間の戦争を終わらせるためであるが、大魔王のこの魔王に対する行動を見ると魔王は大魔王のことを憎んでいるようだった。しかし俺は大魔王を恨んでいないのに大魔王は魔王の事を恨んでいたのだった。そしてこの大魔王と魔族の関係はこの二人がこの世界に来なければもっと簡単に解決できていたのではないかと思い俺はリリス達と大魔王と魔王の娘を連れてこの世界のどこかに存在する大魔王の城に向かったのである。

俺は今、魔族と大魔王との関係修復をするために大魔王が作り出したこの異空間の大魔王がこの魔剣を作ってから住んでいた城の跡地があるこの大魔王の国に来たのである。大魔王と魔王はこの魔剣を作るのに長い時間をかけていた。魔素を使い切るのに何年もかかりその間は普通の魔族と同じで食事をしたり寝て過ごしていたのだと言うが俺はそれは本当の事ではないのではないかと思ったのである。大魔王のこの力の根源は大魔王から感じる力からは魔族の力が混じっていることはわかっていた。この魔族は人間族である。そして魔人族の王が魔王を罠にはめたと言っていたことからこの魔王の親であるこの魔族の男もまた大魔王と何らかの関わりがあったのだろうと思う。

俺は魔人族の国で大魔王が魔族がこの世界にやってきた経緯を聞くことになった。大魔王の話によると大魔王と魔族の王が異世界転移する前の世界で魔族と人間が戦っていて魔族の王は追い詰められた時に異世界転移できることを知り魔族の男は妻を救うためにこの世界に来ることにしたのだという。この世界に来て魔族の王とその配下である魔人達は他の種族に見つからないような場所に隠れていた。そんな時この魔剣が作られた。魔人の王のこの力により魔人の王は元のこの世界に戻ることができるようになった。魔人族の王は妻と元の世界に戻りそして妻の魔人の王女をこの世界に残してこの異空間に残ったのである。そしてこの魔族の王もこの大魔王が作り上げられた異空間に残りずっと暮らしていたのだと魔人族の王に説明した。そして魔人族の王が大魔王を責めるような口調で大魔王を責め立てたのである。魔剣の力によって魔族の男は魔族がこの異世界にやってきて魔族の王が魔族の女と結婚してできた子で魔王も実は大魔王がこの魔族の女に生ませた子どもだったのだと話したのである。

そしてこの魔族がこの魔族の国の魔王と大魔王の二人から魔族の女が生んだ子どもでこの魔族をこの魔族たちの国が攻め込んだときに魔族の女は自分の息子であり大魔王の息子でもある魔族が自分を守るために魔王となった。そしてこの国を乗っ取り自分が魔王となってその魔王を倒すと大魔王を騙してこの大魔王の作り出した異空間に入り魔剣の力を大魔王が使えるように魔族の王の魂を使って大魔王が大魔王の作り出したこの魔剣に大魔王の力を注いでこの魔族の男が持っていた魔王の力を吸収させこの剣は完成するはずだった。そしてそのあとこの魔剣を魔王に持たせこの大魔王がこの世界を滅ぼそうとしている魔族を裏切って魔剣を持つ魔族の王と大魔王と大魔王の妻の三人が協力した魔人と人間の連合と戦うという筋書きだったらしいがこの魔王の娘の存在でその計画が台無しになってしまったと嘆いていた。

俺も大魔王がこの世界を滅ぼすのを止める理由がなくなった。なぜなら俺の目的は大魔王を倒して平和にする為ではなく、魔族との和平の為に俺は大魔王を倒さなければならなかったのである。だが俺が魔剣を大魔王が魔王の手に取り戻したことで魔剣は魔王に力を注ぎこの魔剣に宿った魔王の力は封印されたままなのだ。だから魔剣の力で大魔王と魔王が協力して魔剣の力で俺を倒しにくることはない。だから俺に倒されない限り大魔王がこの魔剣を使って魔族を支配することもないだろう。だが大魔王とこの魔王は魔族とこの世界で生きることを望めばいいのかもしれない。そしてこの二人の大魔王と魔族の王の望みを叶えるために俺と魔人族の王は手を組むことにしたのである。

大魔王が俺と魔人族の王と魔王の娘と一緒にいるところに現れて、大魔王とこの大魔王が作った魔族の国に一緒に行きたいと申し出たのである。そしてこの魔族の王と魔王の願いは俺たちとともにこの異次元の世界で暮らすというものだった。俺はリリスの方を向き俺はリリスが魔王である魔族と大魔王が一緒に住むことを認めるか聞くとリリスは認めないと言って大魔王を殴り飛ばしたのであった。リリスが殴ったことに魔王と魔族の王は驚いていた。俺は魔族と魔王が暮らすことを認めたいのだがリリスと魔族と魔王が対立してしまうと厄介なことになりそうなので仕方なく俺も魔王と魔族と魔族の王の共存を認めるが魔族の国は大魔王に任せることにしたのだった。大魔王が言うには「私は大魔王であるのと同時に魔族でもあり人間でもある。だから魔族をこの世界を支配しようなどとは考えていないし魔族の王とも争いたくない。私にとって魔族の王との戦いは私が死ぬか魔族の王の命を奪うまで決着をつけることはないと思っている」と言い、魔王が大魔王になぜ大魔王になったのかを質問すると大魔王のこの魔族は元々大魔王ではなかったが魔人族に捕らえられてこの異空間に監禁されていた時にこの異空間に迷い込んでこの大魔王の異次元の異空間に捕らわれてしまったらしい。大魔王がこの異空間にいるのに飽きてしまい外に出ようとしたがこの異次元の異空間にこの大魔王がこの魔剣を作り出したときに取り込まれていてこの魔剣から出ることはできなかったらしい。そこでこの魔剣が作り出されたときにこの魔剣の使い手の魔族も取り込まれていた。大魔王はこの使い手が魔族であることも知らなかったそうだ。この魔剣に封印されてこの魔族の男からこの大魔王の体に乗り移ることができず、そしてこの大魔王の体はもうこの大魔王の意識を保っていられなくなっていたので意識を完全に乗っ取ることができたら大魔王として生きようと思っていた。しかしこの魔族の男の体に入った瞬間大魔王が男の意識を奪ってしまい大魔王が魔族の王にこの魔剣を使わせて魔族の王とこの異空間の中で暮らしていたのだという。そしてある日魔族の王が妻である魔族が病にかかり回復させる為に異世界への扉を開き魔族の世界からある薬草を持って来てほしくて俺のいた異次元の扉が開くことのできる異世界へと魔族とこの魔王を送り出したのだ。そして魔族の女と魔王は異世界へと旅立ってしまったのだった。

魔王が魔族の男になぜ大魔王になることを決めたのか尋ねた。するとこの男はもともと魔族であるにもかかわらずこの魔大陸に暮らす者達からは嫌われていたのだと、その理由は男はこの魔族の国を裏切り大魔王にこの大魔王の世界に閉じ込められている時に自分の命と引き換えに妻を助けることを条件にこの異空間に幽閉させた。魔族の男は大魔王と魔族の間で板挟み状態になっていたため魔王を恨んでいたという。それで大魔王は大魔王の力を全てこの剣に取り込むことに成功したときこの魔王の娘であるこの魔族の娘が大魔王の娘であることを利用して魔王に魔族の世界に戻りこの魔族の王が作り上げた魔剣を使い魔族を率いて魔王を倒して欲しいと言ったのだという。そして大魔王は魔族の世界に戻るために異世界転移のできる魔族を探したのだったが異世界転移できる能力を持った魔族はいなかった。そしてやっと異世界転移ができる能力を持つ魔族をみつけたがこの魔族はすでに異世界に転生していたのである。その魔族は大魔王に異世界の扉が開けるように頼みこの異空間の中にやってきたのだという。その魔族が異界に飛ばされたのは今から百年以上前だった。そして大魔王は異界の勇者召喚の儀式で異世界の勇者を呼び出したのだと言うが異世界の勇者はその儀式に巻きこまれただけだったので異世界に帰らせたという。しかし魔族の女はこの魔剣が異世界へ渡るための力を持っていた。そのため魔族の女はこの大魔王の作った異空間に入り大魔王を騙すことにしたのだと魔族の女はこの魔剣の力により魔族の世界に戻れると思い大魔王が大魔王の魔族の世界とこの異世界を行き来できるようにする力を得るためにこの異空間の中に入って来た時に大魔王に嘘の話をして大魔王を騙したのである。そしてこの異空間にこの魔剣を作り出した時に取り込んだのがこの魔王の男であると大魔王が嘘の事を魔王たちに言いふらすように魔族の娘に命じたのであった。大魔王は魔王と魔王の娘が異界に戻る際に異空間を作り出した大魔王の異空間を通っていったが、この魔剣の力と大魔王の力を合わせても魔剣の力で異空間を作れなかったのだという。

そしてこの異空間で魔族たちは平和に暮らしていたのだが大魔王にこの異世界に転移させられた時に巻き込まれただけで魔族に恨みをもっていた異世界の男が魔王と魔王娘を殺しにやってきたのである。この異世界から来た男の名前は「佐藤隆一」といい魔王の異世界での知り合いだと言っていたらしい。この男がこの魔剣に魔王と魔王娘を呼び寄せて殺すように命じたのだとこの男は言ったのである。俺は魔王と魔王娘の話を聞こうとしたがリリスが「そんなことはどうでもいい。私はそんな話は聞きたくもない」と言いこの魔族と大魔王を殴っていた。俺も大魔王と魔族に対して何か言うことがあるのでは?と思ったので大魔王を殴ったのだった。

俺が大魔王をこの拳を使って殴ったときに、大魔王が俺に殴りかかろうとしたが俺の体から出た黒いモヤに阻まれる。その黒くなった俺によく似た姿の俺ではないもう一人の俺は俺に向かって殴りかかってくるが俺には届かない。そしてこの大魔王は自分の体をこの黒い俺に似た奴から奪い取ろうとしているらしいがうまくいかないようだ。

この魔族の王は自分が大魔王がこの魔王の娘である魔王の魔王の力を宿らせるために作り出した魔剣に取り込まれたことを知っているので、魔人族と魔族の世界が魔族の支配下になりこの世界の人間が魔人族の支配する世界になってもかまわないと思っているようだ。だから大魔王を倒すのではなくこの大魔王の作った異次元の世界に封じ込めてしまおうとしていると魔族の王は言っていたが、俺はその話を聞きながら俺と瓜二つの姿をしているが俺じゃない俺は魔王の力が封じられている魔剣を手に取りその魔剣を俺に向けて俺が大魔王と魔族の王とこの魔剣を作った魔王の三人とも倒さなければ俺にこの魔剣を渡すことはできないといったのだった。

大魔王はこの俺にそっくりな魔族に魔剣を奪われてしまいこの魔剣がこの魔族に奪われる前になんとかして魔剣を取り返そうとしたができなかったのである。だからこの魔族の男は大魔王と魔王に俺のところに行けと大魔王のこの魔族と魔王に言ったのである。この男は自分には魔王と戦う力はないがこの大魔王の異空間を作り出せたり異空間を作り出すことができる魔道具を作り出していたり、そして異次元の扉を開かせたりすることのできるこの大魔王の異空間に閉じ込める能力を持っているこの大魔王を魔族が支配できるような世界ができても構わないと思っていたので大魔王が俺と戦って魔族がこの大魔王に支配されても仕方ないと考えているとこの魔王の口から俺に伝えろと大魔王と魔王に伝えた。この魔王はこの異空間の中にいる間にも魔王としての仕事をこなしていて、魔族の王としての俺と魔族を支配する大魔王に対して復讐を考えていた。

この魔王の男が大魔王にこの異空間に閉じ込めたのならこの魔王のこの男に対する扱いは酷かったらしく大魔王が魔王と魔王の娘を異界に送り出しても戻ってくることはなかったのだと言う。そして大魔王もこの男から魔王に自分の力を与えれば魔王が大魔王に反逆してくると伝えていたがこの魔王は大魔王が魔族の王をこの異空間に閉じこめる前に魔族に反逆をしてきた人間がいたらしいのだ。この魔王はその人間に異空間に閉じこめられるまで何度も殺されそうになって命の危機に晒されていたと、だからこの魔王は魔王が大魔王の異次元にこの魔剣に魔王と魔王の娘を呼び出したときに巻き込まれていたのを見て魔王を憎んでいるらしいのである。魔王が大魔王に自分の娘が異世界に飛ばされていたときの状況を尋ねると大魔王は魔族を裏切り人間の国を裏切った大魔王に魔王が自分の世界に戻りたいから魔王の世界への帰り道の案内人として一緒に来てくれと頼みに来たら魔王は拒否をして大魔王のこの異空間から逃げ出したので、魔王の居場所がなくなり魔族が支配する国を滅ぼそうとこの魔王は考えているそうだ。この魔王はこの異空間で魔王に魔剣に魔力を送るのを命令されていたらしく、この魔剣に大魔王の魔王の力を取り込ませるために魔王に魔素をこの魔剣に集めさせていたのだと魔王の娘がこの魔族から聞き出してくれた。そしてこの魔王はこの魔族に魔剣の力を使って魔族の世界にこの魔剣のこの大魔王の作り出した魔剣に封じ込めてやろうと大魔王に言われて魔剣に取り込まれることを承知で魔王をこの異空間に送り込んでしまったそうだ。そして魔王はこの魔剣に封印される寸前に魔王の魂が魔王の魔石に吸収される前に魔王は魔族の世界で暮らしていた記憶が戻り魔族たちが魔族を支配して他の世界への扉を開いている魔族が許せなかったから魔族に戦いを挑んだのだという。魔王のその魔王が大魔王に封印されそうになると大魔王に反抗した理由を聞いて魔王は怒りだしこの男にさらに拳で殴り始めた。大魔王が魔王になぜ魔王を魔族が支配してもかまわないと考えていたか尋ねた。

「魔王様の質問には私がお答えいたします」

大魔王の質問に魔王の娘がこの魔族の王に説明をすると言ってきた。魔王の娘は大魔王とこの魔王の男から情報を聞き出そうとしたがこの二人は口を開くことはなかったので仕方なく自分が話すしかないと判断したのである。

この男は大魔王が作ったこの異空間の中に魔王の娘と大魔王がいる間に大魔王から魔王の娘が魔族に反逆しようと企んでいると知らされ、大魔王はこの魔王の娘が魔族の世界に戻ってきた時に魔王と魔王の娘を殺すように指示をしたのであった。だが大魔王は魔王が魔族と手を組むことを危惧して大魔王が魔族の支配者となり魔族を支配したほうがいいと考えたのだという。この大魔王の考えがわかっていた魔王は大魔王が魔王が大魔王に逆らって魔王の支配している魔族の世界を攻めようとしていると嘘を言いこの魔王に魔王の支配する世界を滅ぼし魔族に魔王と魔王の魔核を与えるつもりだったのだという。そして魔王は魔王の娘にこの魔王から魔族の世界を取り戻すために協力してほしいと頼み魔王は協力することを約束するのだった。

そしてこの大魔王の魔剣をこの魔剣を異次元に飛ばしてしまえばもうこの異空間を作り出すことができなくなってしまうので魔王たちは急いで大魔王が作り上げた魔剣のこの異次元に飛ばす作業を始めたのだった。そして魔王はこの魔剣を異空間に投げ入れようとしたときに大魔王がその魔剣を掴み魔族に復讐するために異世界から召喚した俺のこの世界に転移して来たという。そして俺にそっくりなこの魔王は俺が魔王と魔王の娘の二人を倒した後に魔族に復讐するため魔族を滅ぼすために協力するように俺に言って魔剣の力を使いこの異次元の世界に俺を転移させたのである。

この魔王の男がこの魔剣の使い方を知っているのはこの魔王が魔剣に取り込まれているときの記憶が少し残っているからだと言っていた。俺は大魔王がこの異空間の中で作り出した魔王たちには異空間の中に入る能力がないようだったので俺は魔族の王とこの俺に似た魔族と一緒にこの魔剣を異空間に投げ入れる作業を手伝ってあげたのである。

「大魔王のこの剣を魔族に返してくれ」

この魔王がそう俺に言うが、大魔王にこの剣を取り込むために魔族を操っているのではないかと魔王のほうを向いたら、魔王が俺に剣を取り返そうとすると魔族の世界が崩壊するぞと言いこの魔王にこれ以上何もさせないでほしくばこの魔王を俺に渡すよう要求したのだった。俺も大魔王の異空間に入り大魔王が作り出した魔族と大魔王が俺に倒されることを望んでいるこの魔王を倒すことにした。

大魔王の剣を持った魔王はこの魔剣の異次元に閉じ込めるという機能をこの魔王に使わせようとはせずこの魔王にこの剣を使わせないようにしているみたいだ。そして魔王と俺はこの魔族から魔王を奪い取りそして魔王に魔族に魔王の力を取り戻させるために俺達は魔族に魔王を復活させさせ魔王に魔族の支配を再び始めさせようとした。そして俺がこの魔族の王からこの魔剣を奪ったのである。俺はこの魔剣を魔族の王の異空間の外の俺の体のところまで投げ入れたのである。すると大魔王が魔族の王にこの異空間で作り出された魔族の世界の事をいろいろ教えてくれないかと言ったのだ。

「大魔王が私の世界の秘密を知りたがるとは意外だったな。私はこの異空間で自分の世界の情報を漏らすことなどできないから、大魔王に私の事を調べてもらうしか私の正体を突き止めることなどできないだろう。それにこの異空間は時間が経たないと異空間の出口が現れることがないのだから。それこそお前の作ったこの異空間の時間の流れを操作する装置をこの魔剣に取り付けて時を操ることのできる装置を作ってこの異空間から脱出する以外にこの異空間から逃げ出す手段がないのだがそんなことはこの異空間にいる者にはできるはずもない。なぜならここは時間軸から外れた場所であり、時間の経過が遅いからな。だが魔族の世界にこの異空間を作り出すことができる装置は存在するのだ。まあそれを作ったのは大魔王の異次元の扉を作ったこの魔族の男なのだがな。だがこの男は魔剣に魔王と魔王の娘とこの大魔王の魔族が封じられているとわかると、大魔王から異次元の力を奪うことができると思ってしまい、この魔族にこの男の魔剣に大魔王が封じ込められてしまったと魔族の者たちに伝えるように指示を出した。大魔王がこの男に異空間を作られる前に異次元に閉じ込められてしまう前ならばまだ大魔王が魔族の王をこの異空間に閉じ込める前の話だったのだ。大魔王は魔王の娘とこの異空間で暮らしていたからこの男が魔族に異界を作り出し大魔王にこの異界の魔王として大魔王になってもらうために大魔王がこの異界にこの男を送り込もうとしたなどと知るよしもなかったのである。大魔王はこの異界ではこの大魔王に敵対心を持っていたこの男に異界のこの魔王の座を奪われると思い魔王とこの魔王の娘を殺してこの異界から逃げようとしていた。


だからこの魔族は魔王と魔王の娘がこの魔剣に取り込まれて大魔王に魔王の娘の魔王の力が奪われたと魔族たちに伝えこの異界で魔王の代わりになれる者がこの魔族の男しかいないことを知らせた。この魔族には異空間を作り出す能力は備わっていないが異空間を移動することができる異空間の入口を開くことだけはできたから魔族たちは異空間の入り口を開いて人間たちの国に侵入し魔族に支配されない土地で暮らしている人間たちと魔族との戦いを始めることができた。だがこの魔族もこの魔剣の力を使うことはできないし、人間たちが異空間の出入り口を通ってこの魔剣のあるところにたどり着くこともできなかった。

魔剣の魔石と大魔王がこの魔族を魔剣に取り込んでしまったことでこの異空間にはこの異空間を作る魔族以外の者は入ることができない状態になっているからな。そして魔王の娘はこの魔王の娘の魔族に殺されたのだった。魔王の娘の魔王の魂は大魔王に吸収され大魔王は魔王に自分の魂をこの異界の中に封印して大魔王がこの異空間の中でこの大魔王の魔剣を作り上げるのを待つと言ってくれたおかげで私は大魔王の魔力を吸収できて魔王になり、魔王の魂を持つ娘に自分の魔力を渡すことができこの異空間から魔剣を取り出すことに成功した。そしてこの剣を異次元に投げ入れることにより異次元の扉を開くことが可能になりこの世界に存在するすべての人間の住む世界に繋がる通路が出来上がった。

しかし今この大魔王が作り上げている異空間を作り出した魔族の男は、大魔王が自分の魔剣に魔王が封印されていると勘違いしている。それは間違いなのだ。私がこの魔剣を大魔王に渡したときの大魔王はこの異空間の中に入ることができないようになっていた。だがそのことに気づかず大魔王は魔族の世界に魔族に魔王の力を与え魔族がこの魔剣を取り込みこの世界を征服させるという計画を思いついたのだ。だから魔王は自分の体に憑依している大魔王の魔族の王を異空間に閉じ込める作戦を考えこの男に魔王の体から追い出されてこの男をこの異空間の中で魔族に殺されて大魔王にこの男を大魔王の魔剣の異空間に放り込み大魔王の力を奪ってもらうためにこの男を異空間の中に放り込ませて魔王をこの男に殺してもらった後大魔王の魔剣にこの魔剣を取り込むと魔族の王は考えた。

だが大魔王はその魔族の計画に気づき、大魔王は異空間を作り出すとこの男と魔族の王が異空間にこの異空間の入口から魔剣が飛び出ないように異空間の出入口が塞がれるようにした。そして大魔王は魔族の王を殺すとこの魔剣とこの魔族にこの異空間の出口が作れるようにこの異空間にこの魔族の男の魔核と魔族に魔王の力を与えられる異空間の扉を作るように大魔王に命令されたのだ。

そして魔族の王もこの異空間の異空間の異空間を作れと言われ大魔王からこの大魔王の魔剣を受け取りこの異空間の異空間に魔王の力と魔王の支配する魔族に力を与えられ魔族の世界を支配する魔剣を作り出したのだ。そして大魔王は自分が異空間から脱出できる時間稼ぎをさせるためにこの男と私の作ったこの異空間に魔物を送り込んだのである。

つまり魔王は自分が魔王になった理由も大魔王の計画のことも全部知っていてこの男に協力していたということになるわけだ」

(そういうことだったのか)

「それでこの魔族の王の正体は何者なんだ?」

俺はそう聞くと俺に似た顔立ちをしている魔王の息子だと答えるのであった。俺はその事実を聞き驚く。俺はそんなに魔王に似ていないと魔王の息子のほうを見る。すると魔王の子供が俺を見て魔王の顔と似ているけど似ているだけで全然似ていないと言う。そして魔王の子が言うには魔王は俺を異世界転移させた張本人だというのだ。この魔王の子供が魔王に異界を支配させてほしいと言われた時大魔王に異世界から転移させられていた俺が異界の異空間で魔王と魔王の娘である魔族の少女と戦いそしてこの魔剣に封じ込められて俺の体にこの魔剣が乗り移ったのである。その時魔王と魔族と俺の意識と俺の体の中にあった魔族と魔剣は一体化していて俺の心の中の記憶に俺に異界で戦えと異界に送り込んできた奴らのことがあって俺に俺が大魔王を倒したいと望んでいることを聞いてきたのだ。俺はそんなのは覚えていなかったが俺が大魔王を倒したいという望みがあるから俺は魔族に魔王と魔族を俺に託し魔族たちに魔王と魔族と魔族の王を任せると伝えたのだという。そして俺は魔族の王に魔族たちを異界から解放する方法はないか?と聞き俺は大魔王とこの魔剣から魔族と魔族の世界を救う方法を探し出してこの異空間から抜け出すと約束したのである。俺と魔王はこの異空間の異次元で魔族の世界を解放するための方法を見つけるために魔族の世界で魔族の世界の人たちを助けながら大魔王を打倒し、魔族の王を倒す方法を探す旅を続けていたのだった。そして大魔王と魔王が入れ替わった瞬間を狙ってこの魔族の王を倒したというわけである。魔王はこの男に異界から出るには魔族の世界から魔王の異空間への入り口を作るか、大魔王が魔族の世界に攻め込むしか方法はないということと魔族はこの異空間から出てこの魔剣を異次元に投げ捨てるとこの魔剣が異空間に繋がっている魔剣とこの異空間を繋ぐ扉が閉ざされるから異空間の異空間が消えるはずだと教えたのである。そして俺はこの男に大魔王と魔王はもう死んだと教える。この魔剣がこの魔族を乗っ取ることができるようになったのはこの男をこの異空間に取り込んでからであり魔王の魂を持つ魔族の娘は大魔王と大魔王とこの魔族とのこの異空間の戦いに巻き込まれて死んでしまいこの魔剣に吸収されてしまっているからである。この男は魔族から魔王に成り代わりこの魔王の支配している魔族たちを使って大魔王を殺し魔族の世界を支配しようとしていたと伝えるとこの魔王の息子であるこの魔族の男は全てを思い出したみたいで自分のやっていたことを思い出す。この男は魔王になりたがっている息子を止めようとしたが魔王の魔力を手に入れたこの魔族の男が止まらなかったためこの魔族の男は仕方なく自分の命を犠牲にしてこの男が魔族の王になることを防いだのだと説明したのだ。

そして俺はこの男が魔剣の取り込まれた時にその記憶が頭に入って来たのだ。だがこの男が自分からこの魔剣の闇に飲み込まれようとした理由は俺にはわからずこの男がこの魔王に操られているという事を証明するために魔王の娘の魔石で魔剣を作り出しこの魔王に異界から追い出される前の魔王の魔剣を作り出した。そしてこの魔剣は今魔王に支配されているが魔王をこの魔剣の中に封印することができこの魔剣の中に閉じ込められている魔王の魔石を異空間の異界から引きずり出すことに成功したのでこの魔剣にこの魔王の魔石を異空間から引き出して魔剣に取り込めば魔族に魔王の力を与える事ができる魔剣にすることができるのである。

「それでこの異空間からこの異空間から脱出する方法はあるのか?」

俺はその事を聞いた。この魔族には魔族の世界を魔王の支配から解放する手段はないらしい。この魔剣の中に入っている魔王は異空間の外に出ることはできないのだ。そして大魔王がこの異空間から異空間から逃げ出すのはこの魔剣の中に魔王が閉じ込められた時から不可能であると言われているそうだ。この魔剣が魔王に乗っ取られたのはこの魔剣を魔王が支配するこの異空間に取り込まれたからなのだという。だからこの魔剣に異界からの異空間の入り口を作ることは不可能である。なぜならこの異界はこの異空間を作るための異界なのだ。異界を作るために異界を作るというこの世界の法則を利用してこの魔剣を作った大魔王の魔剣なのだ。この異空間に入ることのできる異界の異空間を作るためには大魔王とこの異空間を作った異次元にいる異界の支配者が協力しなければならないからだ。この異界を作っている異界の魔族もこの魔剣を作り出している異次元にいる魔族もこの異界を作るために協力し合い大魔王も魔王もこの魔剣の中に異空間を作り出すことができこの異界の中で大魔王は異界の異空間を作る魔道具を作って魔王はこの魔族が異界の異空間を作り出せる魔剣を作り上げたのだろうということだ。そして魔王の異空間を作るための異界もこの異空間の中にあるからその異界に入るにはその魔族が作ったその大魔王の作った

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悪魔のダンジョンと探索者は、転生した俺とおっさんでした。 あずま悠紀 @berute00

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