昔に戻れる日記
虹なん
第1話 今
私はもうすぐ中学2年生になる。私は小学校の時に色々やらかしたせいで今は全く楽しくない。
「はぁ〜。戻りたいなぁ」
が口癖になっているような気がする。学校でも同じ事を一日に何回も呟くせいで友達から
「そんなに戻りたいの?」
と笑われてしまう。まぁ言ったところで戻れないけどね。
「じゃあ日記やってみたら?そうすれば少しは楽しめるかもよ?」
「えっ?」
日記か…。昔やってたような気がする。
「でも毎日書くことないよ?何書けばいいの〜?」
「うーん、例えば今日は空が綺麗だった!とか、授業つまんなかった〜とか?」
「それ意味ある?」
「うーん、でも1日くらいはやばいこと起きるでしょ」
「例えば?」
「例えば…誰かと喧嘩したり?」
「っ…」
思い出したくなかった。そこから人生が楽しくなくなった。
「だ、大丈夫?私、余計な事を言っちゃったかな?ごめんね。」
「う、うん!、大丈夫だよ!ちょっとね…。」
なんでよりによって喧嘩した事になるのか意味が分からない。
私は喧嘩した時から今まで全ての選択肢を間違えてきたような気がする。
「と、とりあえず!日記やってみるよ!」
「うん…あ!日記って継続が大事だから!頑張って!」
「う、うん!」
無理やり笑顔になるの疲れたな。
「ただいまー」
「おかえりー」
おかえりと言ってくれるのはお母さんでもお父さんでもない。おばあちゃんだけだ。でも私にお父さんなんか居ないんだけどね。別にいないって事はないけど。
家に帰ったら手を洗って2階に言ってゲームをしたりする。最近は6年の時の友達に誘われた音ゲーにハマっている。飽きかけてるけど。
最近いつもこうだ。人生楽しくない。学校が楽しくなる時期は春しかない。春は楽しいけどそれ以外は地獄だ。たまに病んでしまいそうになる。それでも黒歴史あるけどね。
「あ…」
黒歴史と言う言葉で思い出した。日記。昔書いた日記があるはずだ。だからその途中から書いてみようと部屋中を探した。でも私の部屋は汚いので日記が見つからない。
「うそでしょ〜。」
私は諦めた。
あっという間に寝てしまっていた。起きたのは夜の12時ぴったり。夜ご飯も食べずに寝てしまったせいでお腹が空いた。そんなことを考えているとふと頭の感覚に違和感がある。起き上がってみると昔書いた日記が自分の枕となっていた。どうしてここにあるのだろうか。寝る前はなかった気がするけど。
私は日記を開いてみた。私が開いてみたページは2月の15日。少し読んでみよう。
『 今日も一日すごく楽しかった!もうすぐこのクラスもはなれちゃうのか。。悲しいな。』
と書いてあった。次のページをめくってみた。でも何故か白紙だった。最低でも6年生の後学期までは書いてたはずだ。それに1度も日記を書くノートを変えてないからこの日記にこれからの事も記録しているはずだ。
「一体…どうして?」
とりあえず夜中に起きているのはまずいので眠くなくても頑張って寝た。
起きると部屋にランドセルが置いてあった。中学生になる前に切ったはずの髪もまるで卒業する前みたいに長くなっている。スマホを確認する。けどスマホも無くなっていた。
「え…?」
すぐ1階に行っておばあちゃんにきいた。
「今日何日!?」
「え…今日は2月の16日だよ?」
「え…と私って中学生だよね?」
「何寝ぼけてるの?まだ小学5年生じゃない」
とおばあちゃんは笑った。
私は過去にタイムスリップしてしまったのかもしれない。
昔に戻れる日記 虹なん @niziirodesu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。昔に戻れる日記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます