私だけのヒーロー
水谷一志
第1話 私だけのヒーロー
一
私の職場には、ヒーローがいる。
……と言っても、そう思っているのは私だけかもしれない。
これは、そんな「私だけのヒーロー」と私との些細な物語。
二
「おはようございます!」
私は出社すると、必ず先に来ている彼にあいさつする。
……と言っても、無口な彼はあいさつを返してくれないけれど。
ただ、そこで彼の顔を見ることが、私のやる気スイッチにつながっている。
三
「今日は外回り中心か……」
私たちの職場には内勤も外回りもおんなじだけあるが、基本彼は外回りをしない。
でも彼はいつも動じず、そこにただいるだけでかなりの存在感があるのでそれはよしとしよう。
それで、私は外回りの時はいつも、実はかわいらしい顔の彼を一目見てから行くことにしている。
四
これはとある先輩から聞いた話だが、彼がこの会社に来るまで、うちの会社の業績はイマイチだったそうだ。
でも彼が来た途端、売り上げがアップし会社は成長する一方!……それもこれも無口ではある彼の腕前のせい!?まあみんな彼には感謝しているが、「ヒーロー」と思っているのは私だけかな?
とにかく彼は社員のみんなから愛され、そして社外の皆様からも愛されている。なんか、いいキャラクターをしているなあと思う。
五
さあ、今日も出勤!ちなみにいつも通り彼は会社にいる。そして彼は左利き。……と言うことは、客を招く力を彼は持っているらしい。
いつもありがとうございます。「私だけのヒーロー」、私の会社の【招き猫】さん! (終)
私だけのヒーロー 水谷一志 @baker_km
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