第4話 朝まで生討論

ついに始まった。

人間だった時は何度も司会をやりはしたが、この緊張感は猫に成っても味会えるなんて思いもしなかった。


双方に猫達が出そろった。

僕は中立の立場としてこの場を仕切る事を任されている。


テッテッテェ テッテッレッテェ~ ♬


頭の中にアノ番組のオープニング曲が流れた気がした。


右側には、にゃん太郎の他に『ガンモ』と『コロッケ』が並び昨日紹介された『 ウッシー』が不満げに座っていた。


対する左側には 二丁目のボス猫 ダルタニャン と その恋人………恋猫たちである『リン』と『サクラ』の姉妹猫が居た。


目撃者として『 タマゴロウ 』と云う猫が、改めて詳細に渡り説明してくれた。


話を聞いて呆れてしまった。

この二匹、争うようにアチコチでナンパを繰り返す問題猫だったのだ。


自分達の縄張りだけでは飽き足らず隣の縄張りまで足を運びしつこくナンパを繰り返していたらしくダルタニャンが警戒パトロールをしている隙に リンとサクラをナンパしていたらしくダルタニヤンが凄く怒っているのだ。


これは完全に『 黒 』でかばいようが無いと思いつつ冷静に司会を進行しているが味方のハズの『ウッシー 』が怒りだし


「 もー ! もー ! もー !

いつまでもここに居る程、ひまじゃ無いのよ !

子供たちにミルクをあげる時間だから帰らせて貰うわ ! 」


と、言いながら帰ってしまった。


猫は自由だと思っていたけど案外大変なんだと感心していたら、それをきっかけに口喧嘩を始めてしまった。


「 皆さん、 落ち着いてください !

先ずは、話合おうじゃないですか ! 」


それでも

ニャァ ニャァ ニャァ ニャァ


と五月蝿く鳴いている猫たちに僕は


「 うるさーい ! 先ずは僕の話を聞きなさい ! 」

と、怒鳴ってしまったら………………








ゆさゆさ とゆすすられて目が覚めた。

「 田原さん、お時間です。

準備をお願いします」


若い アシスタントディレクターに起こされたようだ。


そうか、アレは『 夢 』だったのか ?

不思議な夢の事に思いをせつつ

僕は本番の準備をするのだった。

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猫になっても田原総一郎は総一郎である るしあん @猫部 @SHIGEMI

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