第3話 気がついたら親分の側近に成っていた ②

なるほど、聞いてみたら随分しょうもない話だった。

いや、猫達には重大な問題なんだろう。


「 つまり、ガンモとコロッケが隣の縄張りでナンパした相手が、その縄張りのボス猫の恋人だった事で問題に成っていると云うんだね 」

僕が、確認するとにゃん太郎が


「 そうなんた! 俺と仲の良い五丁目のボス猫 五右衛門 だったのなら、まだ話はついたんだが よりにも寄って敵対している二丁目のボス ダルタニャンの恋人達にナンパしやがったから大問題に成ってしまったんだ。

俺としては喧嘩ケンカは避けたいんだよな」


猫の癖にと思ったが、今の僕も猫だった事を思いだして、改めて聞いて見た。


「 それで、僕は何を求められているんだい ?

どうやら喧嘩の助っ人では無い事はわかったけど理由を聞かせてくれるかな ? 」


そうしたら驚くべき答えが返ってきた。


「話合いの場を設けたから、ソウイチロウには『 司会 』をして『 場 』を仕切って貰いたいんだ 」


にゃん太郎の言葉に少なからずショックを受けていた。

猫だからと馬鹿にしていた自分を怒りたい気持ちだ。

それに久しぶりの『司会 』に腕がなる………猫の手だけどな。


場所は縄張りと縄張りの『境目』

時は夜の夜中だ !

これぞ『 朝まで生討論 』だな。


そんな事を考えているウチに周りの猫達からにゃん太郎親分の側近認定されているとは思いもしなかった。

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