私だけのヒーローというのはありえるのだろうか

シカンタザ(AI使用)

私だけのヒーローというのはありえるのだろうか

私だけのヒーローというのはありえるのだろうか。自分のことを絶対に裏切らない、必ず期待に応えてくれるヒーローなどありえるのだろうか。

「でも、私はそんなにかっこよくないよ」

「……は?」

「だって、私のヒーローは君だから」

そう言って、彼の手を握る。彼は呆気に取られたように口を開けていた。

「えっ? いや、なにを……」

「君は私のヒーローだよ」

「待てって。なんでそうなるんだよ」

「だって、助けてくれたから」

「いや、別に俺じゃなくても……」

「ううん。君はあの時、確かに私のヒーローだったよ」

私は彼を見上げる。そして、そのままじっと見つめた。

すると、彼は顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまう。

「……恥ずかしくなってきたからもういいわ」

「どうして? 私は嬉しいけどなぁ」

「……お前さぁ。そういうところだぞ」

「どういうこと?」

「なんでもねぇよ!」

怒ったような口調で言うと、彼は勢いよく歩き出してしまった。私は慌ててその背中を追いかける。そして、隣に並ぶと、自然とその手を繋いだ。彼は何も言わずにそれを受け入れてくれる。

「……まあ、あれだ。なんかあったら言ってくれ。俺はいつでも力になるから」

「ありがとう」

やっぱり優しい人だと思った。私が困っている時はいつも駆けつけてくれて、いつの間にか傍にいて、当たり前のように助けてくれる。そんなところが大好きなのだ。……いつか、この気持ちが彼に伝わる日が来るといいんだけどなぁ。

それから、私たちはお店に着くまでずっと手を繋いでいた。

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