第39話 エピローグ

 ステラが去り、空間が崩れた後、シール閉鎖型ダンジョンの方はクリアとなって消え去り、入口となっていたBランクダンジョンはただのダンジョンになっていた。

 博士が呼んだ救助部隊が突撃した結果、快人は、ダンジョンのボス部屋の前の安全地帯で気絶した状態で発見される。

 実を言うと、ちょっとボロボロ(元々ボロボロだったので、そこはよかったのだが、服に穴が空き、血だらけになっていたので、着替えた後、わざと服だけボロボロにして着た)になって、ノアに気絶させてもらうという自作自演だったのだが、特に詮索されることはなく、治療後すぐに解放された。


「ノア。」


「うん・・・」


 ノアとリディアと快人は、情報をきっちりと共有していた。

 なんと、リディアを操っていた人物はノアの姉であるらしい。


「そろそろ、快人に教えておかないとね。」


「あら、教えてなかったの?」


「そうだよ。ボクもふんぎりがつかなかったんだ。」


 結局のところ、ボクもカイトのことを心からは信用できてなかったのかもね、とノアは自嘲するように笑う。


「そんなことないだろ。別に信用しているからって、秘密を全部ばらさないといけないってわけじゃないし。」


「そっか・・・でも、もう隠してられないからね。話すよ。」


「いったい何をだ?」


「ボクとリディアと・・・ステラ姉さんは同じ世界・・・こことは別の世界から来たんだ。」


「え?」


「快人達風に言えば、異世界って言えばいいのかな?」


 異世界、という言葉に快人は驚く。

 確かに、ひと昔前に小説で異世界やダンジョンが出てくるものが流行っていた。

 実際に、ダンジョンが地球にできてからは、異世界もあるのではないかと言われていたのだが、本当に存在しているとは快人も思っていなかった。


「リディアは本来なら、ボクが簡単にあしらわれるほど、強いんだけど、契約しても封印の方は続いているみたいだね。」


「えぇ・・・歯がゆいわ。せっかくカイトと契約ができたのに・・・あまりに力になれそうにないもの。」


「現状、ボクより強いけどね。単純なステータスの比べ合いならボクの方が強いんだけど。」


「あら、でも、すぐに抜かされそうだわ。あの戦いの最中もどんどん強くなっていたものね。」


「そんなの言い訳にもならないよ・・・カイトがもし、普通の人間だったら、死んでたんだから・・・」


 意気消沈するノア。


「私のせい・・・よね・・・。」


「あ、いや、違うんだよ。別にリディアを責めてるわけじゃなくて・・・」


 リディアは自分が快人の腹を貫いた時の感覚を思い出して、全身に寒気が走る。

 一歩間違っていれば、自身の想い人である快人を殺しているところだったのだ。

 落ち込んだリディアを見て、ノアはわたわたと慌てだした。


「はいはい!いったんストップ!」


 パンパンッ!と手を叩いて音を鳴らす快人。

 さっきから話が一向に進んでなかった。

 一回仕切り直し!と快人は言う。

 自分のことで延々と後悔されても、快人にとっては居心地が悪いだけだった。


「で、異世界から来たのは分かったんだけど、そのノアのお姉さん?ステラさんだっけ?その人について、教えてくれ。」


「あ・・・うん。でも、見た目は同じでも、本当にステラ姉さんなのか分からないんだ。」


「ん?」


「ステラ姉さんは優しいから。ステラ姉さんは種族的にも自然や平和を愛する種族だったから、あんなふうに人を無理矢理従えるなんてことはしないんだよ。絶対に。」


「でも、現状、そういう行動をとっている・・・まさか、そのステラさんもリディアみたいに操られているとか?」


「多分・・・」


 そう思いたい、でも、実際に目で見たものに違いはないため、ノアも戸惑っていた。

 もしかして、本当はステラ姉さんはああいう性格だったんじゃないか・・・自分が理解していなかったんじゃないか・・・という泥沼の思考にずぶずぶと沈んでいく。


「いえ、おそらくそれは違うわ。操られているはないでしょうね。おそらく完全に中身が入れ替わっているのか、そもそも別人なのかのどちらからだと私は思うわ。」


「そうなのか?」


「えぇ、だって、私を封印や従属していた術式は・・・それこそ、神くらいじゃなければ、まともに扱えない代物のはずよ。」


 勇者や魔王と言われる存在ならありえないこともないかしら?とリディアは付け加える。


「それに、ノア、あなたの姉ステラはそれほどまで強かったのかしら?」


「実力を隠していたのかも・・・いや、待って、もしかして・・・」


 ぶつぶつとノアは何かを考えだす。

 すると、顔を明るくさせた。


「ようやくわかったよ!ステラ姉さんがどうしてリディア程の強者を従属させれたのか、そして、封印できたのか!」


「分かったの?」


「説明してくれ。」


「うん、それはステラ姉さんの種族が関係していたんだ!」


 その後も、リディアは驚き、快人は知らないことも多かったので戸惑うことも多かったものの、そのたびに質問することで全容を把握する。

 最終的に、3人が出した結論、それはステラを救うというものだった。


――――――――――――――――――――


作者「いやはや、これで3章完結!」


快人「今回、俺ボロボロ。」


リディア「申し訳なかったわ・・・」


ノア「ボクも・・・」


快人「あ、やっぱやめやめ!この話なし!」


作者「快人・・・ハーレムいっとく?」


快人「は?」


ノア「あ、ボクはそれには賛成!」


快人「え?」


リディア「私も賛成するわよ。」


快人「え?」


ノア「あ、最初はボクだからね!」


リディア「あら、選ぶのは快人じゃないかしら?」


バチバチ(ノアとリディアの間で火花が散る音)


作者「あれ!?比喩じゃなくて、ほんとに火花散ってる!?」


快人「お前のせいだぞ!?」


バチバチバチッ!(雷が発生する音)


作者「うわっ!?なんかびりってした!?」


快人「どうするんだ!?」


作者「とりあえず・・・逃げろー!!快人は頑張って止めてねー!」


快人「後で覚えとけよ!」


ピシャァァァン!(雷が思い切り落ちた音)


シュタタタッ!(忍者走りで逃げる作者)


作者「・・・ふぅ、ここまでくれば大丈夫なはず!では次話からは第4章に入ります!お楽しみに!ただ、ごめんなさい!第4章、マジでどうしようかと悩んでおりますので、一切かけておりません!はい、自信満々に言うことじゃないですね。いや、まじでかなり長い間更新できないと思います。本当に申し訳ございません。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

なんちゃって契約士の逆転劇~契約の相手をようやく見つけたかと思ったらやばい奴だった~ 棚からぼたもち @tanabota7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ