作品4『だるまさんが…?』

安乃澤 真平

作品4『だるまさんが…?』

ツ「はいどうもー、こんにちはー! いやー、いきなり一人でごめんなさいね。相方、遅刻しちゃったみたいで…。あ、でももう来たみたいです。すみませんがもう一度、拍手お願いできますか?」


ボ「ごめんなさーい。ごめんなさいっ! 砂利公園二周してたら遅れてしまって…。」



ツ「いや、収録前なんだからそこはせめて一周にしておきなさいよ。てかどこよ、砂利公園って。」


ボ「あ、地元のね、第一公園。遊具とかなくて砂利ばっかりだからさ、ジモッティには通称砂利公園。テニスコート2面ぐらいの大きさでね。」



ツ「大した広さじゃないじゃんか!」


ボ「いやいや、最近あったかいからさぁー、思わずゆっくり、散歩しちゃったわけ。」



ツ「うんまぁ、いいんじゃないの。健康的で。遅れたのは本当に反省しなさいね。」


ボ「はい、すみません。いやーでも、近所の子どもたちがああして遊んでるとこ見ると、たまには外遊びもいいもんだって思いますね。」



ツ「そうだねぇ。子どもの頃は、時間も忘れて遊んでましたよね。」


ボ「そうそう。あっ、なんだか久しぶりにしたくなってきた!」



ツ「じゃやってみようか。何やる?」


ボ「外遊びの定番と言えば、これでしょこれ。だるまさんがってやつ。」



ツ「はいはいはい。じゃ、鬼お願いね。」


ボ「おっけい、じゃあいくよー。だるまさんが…。」



ツ「(絶対動かないよっと。)」


ボ「…ころんで!」



ツ「…え?」


ボ「ん?」



ツ「え、あっ、いやいやいや、ごめんごめん。うん、もっかいもっかい。」


ボ「大丈夫? いくよー。だるまさんが、ころんで!」



ツ「うん、やっぱり、ちょっとまとっか。」


ボ「何、急に。」



ツ「…。これなんて遊びだっけ?」


ボ「だるまさんがころんで、でしょ。」



ツ「んー、たぶん、てかきっと違うよ? ころんで、って言われるとなんか続きが気になっちゃうじゃん。」


ボ「そうなの!? ずっとこうやって遊んできたのにな…。」



ツ「お前どこの出身だよ。それかお前の友達がものすごく優しかったんだな。」


ボ「そうか…。あ、でもわかった! 次は大丈夫!」



ツ「ほんと大丈夫だろうな。」


ボ「心配すんなって。じゃ行くよー。」



ツ「頼むぞ。」


ボ「だるまさんでころんだ!」



ツ「うん、だるまさんってそんな邪魔にならないと思うんだ! 大体タンスの上とか人のいい家なら床の間とかにあんだよ!」


ボ「ごめんごめん、口が滑っちゃって…。だ、が入って来たから、つい、で、が上に来ちゃって…。」



ツ「つい、とかで動くもんでもないと思うけどな言葉って!」


ボ「ほんとごめんな! でも大丈夫、口乾いてきたから。」



ツ「別に乾いてるから滑らないわけじゃ…。」


ボ「いくよー。だるまさんが…。」



ツ「まぁいっか…。」


ボ「…ころぶよ!」



ツ「んーもうっ! この際だからちゃんと支えてあげよっか!手を差し伸べて、ぜひ!」


ボ「なんかしっくりこないよな、やっぱり。だるまさんが…。」



ツ「まだ定位置戻ってないっての!」


ボ「…ころんだの?」



ツ「まだ始まってなかったのかよ!」


ボ「だるまさんところんだ?」



ツ「…。」


ボ」だるまさんがねこんだ?」



ツ「お前もうわざと言ってるだろ…。」


ボ「うるさいな! じゃあもう、だるまさんがころべば!?」



ツ「なんで逆ギレなんだよ…。もういいや、鬼、交代な。準備いいか? だるまさんが、ころんだ!」


ボ「やっぱりしっくりこないよな…。」



ツ「ってこっち見ろや!俺一人に何させてんだよ! 一人で、だ、って笑顔で振り返った俺超バカみたいじゃん!」


ボ「いやさ、ちょっと考えてたんだよ…。」



ツ「考えてたって何を。」


ボ「いや、だるまさん、かわいそうだなって。」



ツ「もう何の話!?」


ボ「いや、だるまさん、ころんだのに、みんなこっち見てるのに、立ち止まって全然助けに来ないんだもん…。」



ツ「…まぁな。でもそういう遊びだからな。」


ボ「なぁ。お前さ。目の前でだるまさんがころんでたら、どうする?」



ツ「んー、まぁ、ガーゼでもあててやるか?」


ボ「………。ブー! だるまさんは、何度でも起き上がるから、大丈夫なんですぅー!」


ツ「もうええわ!」


二人「どうも、ありがとうございました!」

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作品4『だるまさんが…?』 安乃澤 真平 @azaneska

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