王ちゃんの異世界生活 ~弱小国家の魔女に婚約破棄されたので世界を救いたい~

あずま悠紀

【1】【2】

「ようこそ、勇者よ。異世界への転生をご希望の方ですね。承りました」

女神はそう言った。――転生。俺も死ぬ前に一度してみたかったなあ。

そんなことを思うと、女神の笑顔が歪んで見えた。あれ?なんか泣いてるっぽいぞ俺。

そして気が付くと俺はベッドの上で目を覚ましていたのだった。

(続く)

**********

「おい!そこのお前たち止まれ!」

3人の冒険者が王都の大通りから路地に入ろうとした時のこと。突如、後ろから怒鳴り声がかかった。振り返ると甲冑を着た兵士たちがこちらに向かってきていた。3人は足を止めた。

「なんでしょうか?」

1人の男が答える。年齢は20歳前後だろう。背は高くない。少し茶色がかった髪を短く刈っている。彫りの深い顔立ちで美形といっていい顔をしているが眉毛が長くて少し不格好だ。その眉の下の目には好奇心が光っていた。彼は最近まで辺境の村にいたのである。つい最近成人になったばかりで、都会に出てきたばかりの若者だ。彼はワクワクする気持ちを抑えることができない。こんな体験は初めてだったからだ。この世界にはダンジョンと呼ばれる地下迷宮があるのだそうだ。そこは魔物が住むところであり危険でもある。そこには未知のお宝や貴重な薬草などがあるらしい。それを手に入れて売れば一攫千金なのだ。彼は田舎から出て来てまだ数日しかたっていない。だが、彼の頭の中はすでに大儲けすることでいっぱいであった。そのためなら兵士くらいどうってことはないと彼は思った。

彼らは3人でパーティーを組んで旅をしている最中だった。しかし途中で道に迷ってしまいここに至ったのだった。もう何日もこの辺りを彷徨っている。今日もまた何も得られず帰るしかなかったところだったのだ。だが、こうしてやっと何かがありそうな場所に来たということだ。期待してしまうのは無理もないだろう。

「お前ら、どこから来たんだ!?怪しい奴め」

「えっ?俺たち怪しくなんかありませんけど」

「じゃあなんだその恰好は?まるでどこかの騎士のような出で立ちではないか。それにその腰にある物はなんだ?」

そういわれて若者は自分の腰を見る。剣と槍を持っているのが普通だったが、彼にはその知識はないようだ。確かによく見れば鎧ではなく騎士風の服をまとっているだけだったし腰に差しているのは剣ではなく槍のようであった。

若者たちはそれを見てもピンとはこなかったが、ただ田舎から出て来ただけですと言い訳したのだが納得しなかったようで、そのまま連れていかれてしまったのだった。彼らが連れて来られた場所は城だった。王城の中の一角に連れて来られ、そこで待ってろと言われたのだ。そこに現れた1人の女性を見て若者たちは驚きの声を上げた。それは女性にしてはかなり長身の女性で、身長は170センチほどもあるだろう。金髪の長い髪と美しい碧眼が特徴だ。その肌はこの世のものと思えないような透明感のある白さである。服装も煌びやかな純白のドレスを身に纏っているため神々しささえ感じてしまうほどだった。彼女は玉座に座ると若者達を見た。その視線を受けて若者達の体は震え上がったのだった。彼女の存在感は凄まじく若者達は自然とその言葉に従わなければいけない気がしてしまったのだった。彼女が口を開けた。そして話を始めたのだ。

(中略)

その女性は魔王と名乗った。

若者は衝撃を受けたように体を強張らせた。

(まさか本当に存在したのか!?伝説の存在だと思っていた。しかしこれが現実なのか!ということは俺達は選ばれし人間だというわけか!!これは運命に違いない!!神に選ばれたのだ。間違いない!!!)

若者の心の中には喜びの感情が広がっていた。それは彼が今までの人生で初めて感じる大きな幸福感でもあった。そして彼は魔王の前に平伏すと、膝をつき頭を床につけて懇願するように語り始めたのだ。

勇者様!私たちと一緒に戦ってくださいませ!!この世界に平和を取り戻しましょう!!

「お前たちは勘違いしているようだが我はそのような存在ではない」

は?どういうことですか?あなたは我々を導く救世主ではなかったのですか!?魔王じゃないっていうなら一体何者なんです!? 若者が興奮しながら尋ねる。するとその質問に女魔王が少し呆れたような顔をしてからこう言った。

「まず我が何者かについて語ろうか。私は、女神アルティミアだ。女神である私の加護を受けているお前たちにならば理解できるだろう。だからこの姿を見ればわかるだろう」

(ん?なんの話をしているんだ?)

若者は困惑していた。

何を言っているのかわからないのだ。確かに女神だとは言われた。だがその姿を見ると普通の美女にしか見えない。確かにすごいオーラを感じて畏敬の念を持ってしまいそうになるがそれではまるで宗教のようじゃないか。自分は宗教というものに興味がなかったせいか、あまり詳しくなかったのだ。

彼はこの国の出身でこの国に住んでいるほとんどの者が信者である『神聖教団』に属している。

だが彼は熱心な教徒というわけではない。この国に古くからある信仰であり国民のほとんどが信者であるため、流れ的に信徒になっていただけである。そのため彼にはピンときていないのだ。彼はどちらかと言えば現実主義者であるからだ。しかし、今の状況で自分の意見を通すことは躊躇われたため彼はその疑問を飲み込んだのだった。

そして若者はその言葉を聞いて顔を引きつらせていた。なぜならば彼の記憶にそんな名前の女神は存在しないからであった。しかし目の前の存在は自分が知る限り一番有名であろう名前を答えたのである。もし嘘だったとしてもこんなことで自分たちは死ぬのかという気持ちになってしまった。

(いやでももしかしたら知らないだけかもしれない。きっとこの方の名前は有名なだけで実際は違う名前なんじゃないか。そうだきっとそうに違いない。だって、あんな恐ろしい力を持った人がいるわけがないんだ。しかもこの世界の魔王というのは悪いイメージが強いのだから)

彼の頭の中では必死に自分を納得させる考えが生まれていたのだった。だがそれさえも無駄になる。彼女は続けてとんでもない事実を話したからである。

(後略)

***

――王都の冒険者ギルドには、連日多くの人々が集まっていた。その中には、王城から来た者たちの姿もあった。彼らは今日初めて王城に行くことになる。彼らは、王城で開かれる会議に出席するために来たのだが、冒険者達の間ではその話題で持ちきりであった。

王都に魔王が現れて以来、毎日の様に、冒険者は城に呼ばれているのだ。彼らはそこで、魔族に関する重要な発表があるという噂を聞いていた。その内容は、最近王城の周辺を荒らしまわっている、あの魔族の事についてであった。

「おい、今日は俺たちも城に入れるんだってよ!」

冒険者の一人の男が仲間に声を掛ける。

「あぁ、俺も聞いたぞ。なんでも、今日は俺たちも中に入って良いらしい」その会話を聞き付けた他の冒険者も口を挟む。

「俺は、城に入ったら、国王様に謁見できるかも知れんって聞いているぞ」

彼らはみんな王都の冒険者であり実力は折り紙付きであった。特に最近急激に強くなった者たちばかりである。彼らは自分たちのランクより上の依頼を次々に成功させていた。彼らの中には、王城からの招集に応じてきたものもいる。そのため、彼らは今回の件を自分らの功績だと考え、胸を高鳴らせて、王城へ行ったのであった。

(中略)

「おい、なんか騒々しいけど、何かあったのか?」

酒場にいた男は店のマスターに声をかけるが返事はない。

「おいっ!」

「んっ?なんだい?」

「おいって言ってるだろうが!!」

男はカウンターを思いっきり叩く。

ドンッ!と大きな音が響き渡る。その男は大きな声を出しながら、周りの注目を集めている。周りに注目されてしまい彼は少しバツが悪そうにしていると店の入り口が勢いよく開く音がする。

ガラガラッ!!! ドアが大きな音を立てて開けられると、一人の少女が出てくる。見た目はとても可愛らしい女の子だった。

年齢は10代半ばくらいに見えるだろうか。肩甲骨まで伸びた綺麗な白銀の髪に、少し釣り上がった目に青い瞳が特徴的なとても整った容姿をした美しい少女だった。そして、その身には銀色に輝く鎧をつけている。その姿に、その場の誰もが息を飲んだのだった。

「おっ、おい、ここは子供がくる場所じゃねぇぞ」

男は気を取り直して注意するが少女は動じない。

そして彼女は男に向かって話しかけてきたのだ。

「おじさんは誰?」

「おじっ!?まだ23なんだぞ!?俺はまだピチピチの青年だっ!!!」

「そうなんだ?ごめんね」

彼女は全く反省していない様子で軽く謝ったのだった。

その態度に少し腹を立てかけた時、少女は言葉を続ける。

「それでさ、ここに『勇者』が来たはずなんだけど知らないかな?どこに居るかわかるかい?」

勇者という単語にその場にいた全員が反応した。

そして勇者といえばつい先ほど話題に出たばかりで、ちょうど、ここを立ち去ったばかりなのだった。そしてその人物を知っていると、彼はすぐに教えることにしたのである。

「ああ、知ってるも何も、そいつならつい今しがた帰ったところだよ」

その言葉を耳にした瞬間、その表情はパッと明るい笑顔に変わる。

「ありがとう!おじさん」

そういって、元気よく店を飛び出して行ってしまったのだった。

彼女は急いで、勇者が向かった方向に駆け出していった。その姿は、まさに疾風のごとくといったところで、あっという間に見えなくなってしまった。

それを眺めていた、酒場の客の一人が呟く。

「今のは、銀髪の少女だぜ?珍しいな。どこの国の奴なんだ?」

「この国に来るなんて滅多に無いことだし、あれじゃねえか、隣の大国から観光に来たとかじゃないのか?」

別の席に座って飲んでいた男たちがそれに答える。そしてその少女の正体に思い当たったようだ。

「まさか!勇者の仲間か!?いや待て!あの子は確か、魔王を倒すために勇者が呼び出すはずだ!ということはあいつが勇者の可能性があるのか!?」

「まさか!?いくら何でも若すぎるだろ?それに勇者様は、もっとイケメンだって噂だろ?」

「いや、確かにあの子の顔はかなり整っていたけど、年齢を考えれば、可能性はあるんじゃないか?」

「確かにそうかもしれないな」

「だとすると、ちょっとヤバイな。勇者に何かされた日には命が無いぞ?」

彼らは慌てて席を立つ。

そして、酒場から出て行った。その後姿をみつめながら店主は大きくため息をつくのであった。

(中略)

魔王は冒険者達に向き合うとその顔に笑みを浮かべた。そして言葉を放つ。

「では始めようか」

***

『おい!魔王って言ったぞ!』『マジかよ!!』などというざわめきの中を兵士によって無理やり移動させられた俺たちだったがようやく到着したその場所は玉座の前だった。そこには1人の女性がいた。その人は白い美しい衣装を身に纏っていて、長い金髪の髪を背中まで伸ばした、かなり美人の人だった。

俺は、魔王を警戒すると共に、この人も相当に強いだろうと予測をしていた。それは直感のようなものだけれど、間違いないと確信を持っていたのだ。

(しかしまさか女性とはな。まぁいいや。こっちは、武器もアイテムも全部取り上げられているんだ。もう逃げるしかないだろ)

しかしどうやって逃げればいい?そもそもこの魔王を目の前にしてどうしたら生き残れる?そんなことを考えていたその時、隣にいる男が震える声で喋り出した。

(後略)

***

「お前たち人間どもに告げる」

突如現れた魔族の王が話しだす。しかしその威圧感に、誰も声を発することはできないでいた。

すると魔王は続けてこう言い放つ。

「我が望みはこの世界の統一のみ。そのためには、貴様ら人間どもの命が必要だ」

魔王が指を指したのは王都で冒険者として活動していた若者3人組だった。

(はっ?)

一瞬、思考停止してしまうほどの衝撃的な内容だった。そのせいで彼らの頭の中から恐怖心は消えてしまった。それ程までに信じられないことを聞いたのだ。彼らは、なぜ自分が魔王に目をつけられているのかわからなかったのである。だがそれも仕方のないことだった。彼らにとってみれば寝耳に水である上にあまりにも唐突すぎたからである。しかし現実は非常であった。その隙に、魔王は彼らに攻撃を仕掛けてくる。魔王の手からは炎が溢れだし燃え盛り、若者達の視界を真っ赤に染める。だがその瞬間に若者達の周りに魔法障壁が展開されていた。若者達は何が起きたかわからない。そしてそのまま爆発音が聞こえてきた。その威力により地面が大きく揺らぎ建物が激しく揺れている。しかし彼らは無傷だった。その事実を確認した若者達は驚愕の表情をうかべるのだった。

「なにが起きてるんだ?」「助かったんだよな?」

しかし現実は非情である。魔王は次の攻撃を放ってきていた。今度は水の刃が大量に降り注いでくる。まるで雨のような光景に見えたがその全てが彼らを襲うように落ちていくのだからタチが悪い。彼らは必死で回避を試みるがその圧倒的な数の前に為す術がないかに見えたが、彼らが身につけた武具が力を発揮し、何とか致命傷を避けることができていたがそれでも、このまま攻撃を防いでいるだけというのも限界があるだろう。そして彼らは自分達が置かれている状況を再認識することになった。

(これはまずい!このままじゃ死ねるぞ!どうにかしないと!でも、どうやって?)

焦燥していたその時、突然声が聞こえた。

――『君たちは僕たちが守るから大丈夫』――

(後略)

その日は雲ひとつない晴天であった。そして王城にある広場には多くの人が集まっていた。その中に勇者と仲間の冒険者、そして、聖女と呼ばれる若い女性と神官長という初老の男性がいる。

広場には多くの国民が集まり勇者たちのことに注目している。その目には希望と興奮の光が宿っているのだった。

そんな中、王城の謁見の間で勇者達が国王に報告をしているところであった。

「して、状況はどのような感じなのだ?我が国のために尽力してくれていることに感謝しているぞ」

国王は優しく微笑むと、冒険者の方に目を向けた。

その視線を受け冒険者が一歩前に出る。

「ありがとうございます陛下。ですがまだ魔王の姿は見つかっておりません。なので今は情報を集めているところです」

「うむ、引き続き頼むぞ」

王はそう言うと玉座に深く腰掛けて、少し考えた後に口を開く。

「して、魔王についてはどんなことがわかっておるか?」

冒険者は魔王についての現状を王に伝える。その話を聞いた国の重鎮は苦い顔をしたが、国王は特に驚いたような様子を見せなかった。なぜなら既に知っていることであったからだ。

(以下省略)

「そうか、やはりな」

国王が独り言を呟いたその時、一人の女性が入ってくる。彼女は白い衣装を身に着けていて長い金色の髪がとても美しく、その顔つきも美しかった。その手には水晶球を持っており、それを眺めると口元に手を当てながら言葉を発し始める。

「これは、魔王の仕業ですね」

彼女は『預言者アルティミア』と呼ばれておりこの国の信仰の中心である『女神アルティーア』の加護を持つ者であった。

彼女は、未来を見通せる特別な能力を持っていてその力は絶対であった。その能力は過去をも見ることが可能なのである。彼女は現在起きている事を正確に把握しておりそれを人々にわかりやすく伝えることができるのだ。

「ふむ、アルティミアよ、それはどういう意味だ?」王が尋ねる。

彼女は少し間を置くと言葉を続ける。

「魔王は、私と同じくこの世界の住人ではありません。そしてこの世界で、あるべきでない存在は消滅する運命となります。魔王が現れたということはつまりそう言うことです」

「魔王を倒したとしても消滅しないのか?」勇者は尋ねる。その目は不安に曇っていた。もしそうなってしまった場合自分たちは魔王を倒せないということになるのだ。そして魔王が消えた後のことは、魔王が現れる前から決まっていたことであるため勇者にできることはなかった。その言葉を聞きながらも彼女は言葉を紡ぐ。

「いえ、消滅しますがすぐに復活するでしょう」

(後略)

「さてと、とりあえずここから出ましょうか」

「はい!」「おう」

そう答えてから歩き出そうとすると目の前の扉が開き、兵士が現れて俺たちのことを引き留めた。

「おい待て、勝手に何処へ行くつもりなんだ?」

「ん?ここから抜け出したいんだ。邪魔するな」俺は睨みつける。

(なんせ俺らは捕まってるんだ。こんなところで時間を使っている暇はないんだよ)

その迫力のある眼光に怯んだ兵士が後ろに下がり、それを見ていた兵士たちに動揺が走る。

するとその中の一人である大柄の男が前に出てきて話し始める。

「おい、お前らがこの城から逃げ出すのはまず無理だと思うぞ?なあ?あんちゃんよぉ?」

俺は無視をして立ち去ろうとしたのだが、腕を強く握られてしまいそれは阻止されてしまう。

(クソ!鬱陶しい!もう殴っていいかな?)

イラっとした俺は掴まれた手を握り返し思いっきり振り払う。そして拳を握って男に殴りかかろうとする。

だが、横から飛び出して来た女の子によって俺は押し返され、その少女はそのまま男に飛びかかり組み伏せた。

(この子は確か)

先程、勇者と一緒に現れた白髪の少女だった。確か名前はメイさんといっただろうか? 彼女は、その可愛らしい顔とは裏腹の怪力で、そのまま相手の男の首を絞め上げると意識を奪ってしまった。男はピクリとも動かない。おそらく気絶したのだろう。その様子を見て周りで呆然としていた男たちの顔に緊張が走った。

(まぁ当たり前だよな。あの男が簡単にやられたんだ。警戒するのもわかる。だけどな)

「あなたたちは何で逃げないの?あの人たちに騙されてるのに。あの人たちは魔王の仲間だよ。魔王のところに連れていくのが目的なんだ。このままだとみんな死ぬよ」彼女は無感情にそう言った。

(後略)

***

『なぁ、なんかヤバくないか?』『ああ、あの子かなり強いんじゃないか』『でも魔王を倒すために勇者様たちが呼んでるんだろ?だったら大丈夫じゃないのか』などというざわめきの中を俺は進んでいた。

俺とメイは、兵士たちの包囲を強引に突破し脱出を図ろうとしていた。しかしなかなか思うようにいかない。その途中でも、兵士達の包囲網は少しずつ狭くなっていくのだ。

しかし、俺と彼女の身体能力の高さもあり徐々にその包囲を突破することに成功するのだった。だが、俺たちはまだ気づいてなかった。目の前に立ち塞がった男がいたことに。

そしてその男が喋り出す。

「ちょっと待ちな」

俺は目の前の男に問いかける。

「どいてくれ」

(急げよ、早くしないと大変なことになるかもしれないんだ)

しかしそんな気持ちを知ってか知らずか彼は質問してきた。

「一つ聞かせてくれ。お前らは、魔王の部下だな?」***

(以下略)

俺は剣を構えながら話しかけてくる大柄な男に向かって叫ぶ。

「はぁ!?お前は何を言っているんだ?お前は誰だ?」

その叫びには怒りが滲んでいたと思う。するとその男は笑い出した。

(なんで笑えるんだよ?)

そしてその大男は答える。

「悪い、悪かった。まぁ確かに普通ならお前らの事を信じるはずもないわな。だから、お前らも俺を信じられないのは分かるぜ」

「いや、そういう問題じゃなくてだ。どうしていきなり襲ってきたんだよ?」

「ああ?お前は俺と話がしたいっていうのか?この状況でよくもそんな余裕があるものだ。それと、俺は別に何もしていないぞ?俺はあいつらに無理やり拘束されていただけだ。ただあいつらの方が間違ってたからその隙に逃げ出した。そのついでにこいつらをボコってやっただけさ」

(こいつは、自分が何を言っているのかわかっているのか?状況を理解していないのか?そもそも、なぜこの男は他の奴らと違って冷静に状況を把握しようとしているんだ?何かが違う気がする。こいつの狙いは何だ?)

「わかった。信じよう。だからそこを通してくれないか?」

そう言うと男はニヤリと笑う。

「そうだな。通してやる。ただし条件が一つある」その言葉に警戒心が高まる。俺は慎重に言葉を選び話す。

「なに?」

その返事を聞いてから、その男はさらに続ける。

「俺の名は、『ザックス=アーレイス』だ。これから長い付き合いになるだろうな、仲良くしようじゃないか。じゃあまた後で会おう」

そう言ってザックスは後ろを振り返る。

(どういうことだ?)

困惑しながら考えていると背後から大きな声で呼び止められる。

「待って下さい!私は、貴方達と戦う意思はありません!どうか話だけでも聞いてくれませんか」

そこにいたのは、綺麗な銀髪の女性であった。しかしその顔色は蒼白に染まっており、足取りも覚束無い様子だった。その顔色を見た瞬間俺は悟ってしまった。

その女性が今、どんな状態になっているのかということが。

(後略)

***

「それで?一体全体どういう事なんだ?魔王がこの世界に来るのを止めに来たと?」

目の前の少女が発した一言が信じられず、その言葉を頭の中で繰り返すことしかできなかった。だがそれも仕方がないであろう。なぜならこの世界では、魔王は倒されたものとされすでに過去の出来事となっているのである。

(つまり、この世界にとって魔王は既に存在しない者なのだ。だからこそ俺は勇者と共に旅をすることができた。しかし、もしそれが違っていたとしたならば?)

勇者はその考えが顔に出ていたようでこちらに微笑むと、口を開く。

「うん、実はそうなんです。私は、魔王を止める為にここに来ました。私の使命はこの世界を、人々を、守ること。そしてその為にはあなたが必要なのです。協力していただけませんか?」

(やはりそうなのか?いや待て待て、落ち着け俺)

目の前の少女の瞳を見つめる。その真剣な眼差しからは強い意志を感じた。嘘ではないようだ。しかし本当に?俺はまだその言葉を呑み込むことはできなかった。その迷いを見抜いたかのように少女は再び言葉を紡ぐ。

「私がこの世界にきた時ですが、私は魔王の手下である魔人に捕らえられていまして。その際に魔王が復活しようとしていることを聞きまして、この世界が危機的状況にあることを知らされたのです。それを聞いた時は驚きを隠せませんでした。でも今は違います。私は、この世界の人を助けたいと強く思っています」

「助けたい?」

(何をだ?世界を救うということか?それとも人間を?)

混乱する頭をどうにか働かせて考える。だがそれは、目の前にいる少女の一言によって全て覆された。

「はい。この世界の人々が幸せになること、この世界で生きる人が平和に暮らせるようにしたいと思ってます」

「それはどういう意味なんだ?つまりどういう意味なんだ?」

(後略)

――魔王が現れたことで世界は混沌としていた。勇者が魔王を討伐するために動き出し、人々は希望を抱いていた。だがその一方で、魔王を崇拝する教団は勢いを盛り返してきており各地で破壊活動を行っていた。

だが、王都だけは違った。そこでは人々が笑顔を浮かべ、毎日が楽しそうに賑わっていた。

そしてこの国の首都であるここの城では、新たな時代を迎えるための式典が行われていたのだった。その中心には美しい王女と凛々しい王子が並んでいる。彼らは民衆に向かって語りかける。

(中略)

「さて、みなさま!ついにこの時がやってきました!勇者が!伝説の武器が!この国に訪れてくださるのです!」王女の声に合わせて歓声が沸く。その熱気に包まれながら二人は手を振る。

(後略)

(後略)

そしてその声に釣られるようにして俺はゆっくりと瞼を開けるのだった。


***

俺は目を覚まし辺りの様子を確認する。

(あれ?確か俺は、あの部屋に入ったら変な部屋に閉じ込められてたんだよな?なんで外に出ているんだ?)

不思議に思いながら体を起こす。

「あ、起きました?」

(誰だ?あの子と同じ銀色の髪の子がいるな。それに他にも沢山いるぞ?ここはどこなんだ?あ、あの子は俺を救ってくれた女の子か?)俺は状況を理解するのと同時にその子に問いかけた。すると彼女が答える。

「あ、あの大丈夫ですか?お体は痛くないでしょうか?どこかおかしい所はありませんか?」

その心配するような視線を見て少し嬉しく感じたのだがすぐに思い直す。それは彼女の顔が不安と恐怖の色に染まっているからであった。

(ああ、そっか。俺のことを心配しているんじゃなくて自分の失敗について責めてるのか)そのことに気付くと少し可哀想になってくる。そして、そんな彼女を見ると俺はどうしても言わなければいけないことがあることに気づいた。

「えーっと、ごめんね?なんか、巻き込んじゃったみたいでさ」

その一言にその場の空気が変わる。

「あのあの!私が悪いので謝らないでください!あなたが無事でよかったです。」

そんな言葉を聞くとますます申し訳ない気分になってしまう。俺は、なんとか話題を変えるべく彼女に問いかける。

「あの〜ところで君の名前はなんていうの?さっき俺が倒れてから何があったのかとか、聞きたいんだけどいいかな?」

***

(以下省略)

***

「あのあの!ところであなたは、一体どなたんなんでしょう?その前に、私の名前を言ってなかったですね!私は、ルミア=シルフィルと言います。一応この国の第一王女をさせていただいています。よろしくお願いします。あとその、あなたの方こそ大丈夫なのでしょうか?お怪我とかございませんか?」

「あぁ、大丈夫。俺は『ユウト』っていうんだ。特に何もなかったよ。というかこの服とかさ、ちょっとブカついてるし動きにくいからちょっと着替えさせて欲しいな。って言うかこんな格好させてどうするつもりだろ?」

「わ、分かりました。ちょっとここで待っていただけませんか?侍女を呼びに行って参ります。その方が安全だと判断いたしましたので」

そういうと彼女は立ち上がり走り去ってしまう。その背中を見ながらふと呟いた。

「俺ってば、あんな可愛い子に抱き抱えられて運ばれてきたのか」と。

(俺は、何を考えているんだ?というかいつまで俺はここにいれば良いんだろう?流石にこれ以上待たせるとまずい気がしてきたんだけれど)

そう思いながら周りの様子を伺うと、周りの兵士らしき人たちはなぜかこちらをじっと見ており、俺が見ていると気づくと慌て出すのだ。

(これは一体どういう事だ?)

(前略)

(後略)

俺達が城の一室に入るなり一人の男が話しかけてくる。

「お前さんたちは、冒険者のパーティーなのか?」

その質問を聞いてメイの顔を見るが俺と同じく困惑している様子であった。そこで代わりに俺が答えた。

「そうだ。あんたは?」

「そうかそうか。俺は、この国の兵士長をしているものさ」

そういうとその男は大きくため息をつく。

「全くお前らが来てくれたおかげで面倒ごとが増えたわい」

それを聞いて俺は反射的に言い返す。

「それはどういう意味だ?お前らの都合で俺達を振り回したってことか?」

すると、相手も同じように返してくる。

「お前たちのような、素性の知れない奴らを城に迎え入れたのはこっちの勝手だろ。しかも、そのせいで俺は忙しい思いをしたっていうのに、それを迷惑な話だ」そう言うと、再び大きな溜息をつき頭を押さえた。俺は相手の反応に違和感を覚える。まるで俺達を厄介ごとに関わらせたくないと言っているようなものだ。俺達はその発言に疑問を抱き問いかける。

「俺たちと会いたくはなかったってことか?」

するとその男はまた大きなため息を漏らす。そしてこちらを睨みつけると口を開いた。

「ああそうだよ。正直なところ関わりたくねえってのが本音さ。でも、王様の命令ならしょうがねぇ。それでだ、これからお前らにこの城を見学してもらうことにする」

男はこちらの返事を待つことなく扉を開ける。すると、そこにはこの国の貴族と思われる人々が並んでいた。その中には、先ほどあった王女もいた。しかし、王女はなぜか不機嫌な顔をしており頬が膨れていた。そして、王女のその表情を見た俺はある事を思い出す。

「あっ!思い出した。あいつ、確か俺を魔王に間違えたやつだ」

(中略)

「なるほどなぁ。つまりこの国にも魔王が現れるかもしれねぇ可能性があるってことだよな。それでこの国は魔王に備えていると。だがそれは本当に可能なのか?」

(後略)すると男は、大きく肩を落とす。その姿を見て俺もメイも少し同情したくなった。だが、男の次の言葉で俺も理解したのだ。「無理だろうな。いくら魔王が現れて被害が出たとしてもすぐに対応できない。それどころか、他の国から狙われることにもなりかねん。だから俺達に出来ることは、魔王が来た時に備えるくらいのことしかないんだよ」と。

するとその時、「父上!!」と大きな声が響く。そしてその瞬間こちらの空気が一気に張り詰めた。そしてそちらの方へ目を向けると王女が大きな声で叫んだ人物に向かって歩み寄っていた。

(前略)

(中略)

俺はその光景を見守りながら疑問が浮かぶ。王女は明らかに、その男性に対して親しげな振る舞いをしておりその顔からは怒りの感情を感じる。しかし一方で、男性が見せた態度はひどく疲れているように見えた。しかしそんなことを気にしている場合ではなかった。なぜなら王女の後ろに現れた存在に目を向けてしまったからである。その正体を確かめようとする。

(なんだこいつは?黒い肌に角を生やして悪魔を思わせる姿をしているな。それにその身にまとう禍々しい雰囲気は一体?なんでこいつが、この世界に現れた?)その瞬間、俺は気付いてしまった。目の前にいる存在の正体にである。

(後略)

――この世界に召喚された直後であった。

「では皆様には、今より勇者の力をお貸し願いたいのです!」

(後略)

(前略)

――それは魔王を倒すための試練であった

(中略)

「魔王の復活の予言がされて、魔王の手下がこの国に攻め入ってくる可能性もあるのですよ!」

――魔王の影は着実に迫っていた

(後略)

――この国に平穏は訪れないのかもしれない

(中略)

そしてその魔王の手先はこの国をも脅かしていたのである。その事にようやく気づいた。俺は目の前の存在の事を『悪魔』と定義付けたのだった。

「お前ら、何者だ?どこから来た?目的は?まさかとは思うが、勇者の仲間になりにきたとか言わないだろうな?」と男性は俺達の方に視線を向けた。

俺は一瞬でこの人が王女の父親であることを理解し、この場で嘘をつけないことを理解すると素直に告げる。

「その通りだ。実は俺と、俺の隣にいる少女はこの世界を救いに来た。そのために俺はこの国に仲間として迎えて欲しい」

俺は正直に言ったのだが、相手は信じられないようで、疑いの目を持って俺に近づいてくる。そして、俺に手を伸ばした瞬間に隣にいた少女によってその腕が払われる。その行為で、俺を庇っていることが分かり、王女はその男を叱責する。

「あなた!!私の友人になんのつもりですか!?」すると王女は俺の前に立つと男に向かって叫ぶ。その瞳には明確な怒気が含まれており俺のことを心配してくれていることがよく分かる。

するとその言葉に男は何かを言いかけたのだが途中で諦めたように、溜息をついた。その後すぐに王女に向けてこう言った。

「ルミア様は黙っていて下さい!」そう言って再び睨みつけるが、ルミアというらしい女の子が一歩前に出てきて、それを制したのであった。

***

(中略)


***

俺はメイと一緒に部屋を出ると廊下でメイと向き合った。メイと少し話してから部屋に戻る。そして、メイに話しかけた。

「メイさっきありがとな」

するとメイは不思議そうな顔で首を傾げる。俺はその反応を見て微笑む。それから俺は部屋の中に入っていった。そして俺は椅子に座っている人を見る。先程見たばかりの顔がそこにあったからだ。

「よう。さっきぶりじゃねーの。あんたは、さっきの女の子の父ちゃんってことで間違いないのか?」と尋ねる。

「えぇ、間違いないです。私は、国王を務めさせて頂いている、ガルクと申します。さて早速ですが本題に入らせていただきましょう」

俺の向かいに腰掛けた王は俺の顔を見るとゆっくりと息を吐きだし、口を開く。

「先ず最初に貴方達が何者であるのかを教えて欲しい」


***

俺は正直に伝えることにした。


***

そして俺は正直に伝えた。俺達は別の世界からやってきたということを。俺がこの国にやってきた理由、そしてなぜメイを連れて来たかを。

「なるほど。あなた方のお話は分かりました。しかしですね、その話を簡単に信じることはできないんですよ。特に私のような地位の低いものは」

(確かにそうだな。普通は信じられないか)と納得しつつ、俺は言葉を続ける。

「なら、信じてもらうための証拠をお見せしないといけないわけか」

(中略)

そして、俺達はその証明のために城の外へ向かうことになったのである。

(中略)

そして俺は城を出て、町に向かった。

「なっ?これは?」

俺はその街の風景を見て驚いたのである。そこは俺の住んでいた日本よりも文明が発達しており、ビルなどの高層建築物が並び、アスファルトで整備された道が広がっていたのだ。そして、多くの人で賑わっており人々の生活のレベルが高いということを感じられた。その光景を見た俺は驚きながらその道を歩いていく。そしてその道中で俺はあることに気付いたのだ。俺達が歩いている場所は、石畳になっており俺の足元の土が、全く見えなくなっていたのであった。

(これが、この国の技術力か?)

俺はこの国の技術の高水準さを目の当たりにしたのであった。

***

「ふぅ、これで一応は大丈夫でしょう」

「ああ、あんたのおかげで助かったぜ」

俺は、自分の足の裏が見えないことに感心しながら王と共に大通りを歩いていた。

俺は、メイがこの世界に慣れていないことを思い出してメイに話しかけた。

「メイ、ちょっといいか?」

「なに?」

「俺と二人でどこかに行ってみない?」

「うん、分かった」

そういって俺とメイでこの国の街の中を巡ることとなった。俺とメイが並んで街中を散策していく。俺とメイは周りの街並みを見ながら歩いていたのでその風景に目が奪われたのである。俺が今までに目にした事がない景色であり、まるで異世界にやって来たような気分になる。

そしてそんな時であった。俺は視界の端っこの路地裏を歩く人物を見つける。

(あそこにいるやつも人間なのか?見た目は獣人とかに見えるけど、でもあの肌の色と角の形って魔族だよな。しかもあいつらって結構ヤバい奴だろ?なんでこんなところにいるんだ?)とそんなことを思ったのでその人に近づこうとするがそこで後ろから声を掛けられる。

振り返ると王がこちらを向いて立っていた。

そして俺はその王の顔を見ると何故か悪寒のようなものが走ったのである。

***

(前略)

俺はそんなことを思いながらも会話を続けていく。

「それであんたが、わざわざ俺達に話しかけてきた理由はなんだ?なんか言いたいことでもあるのか?」と俺は聞くと、王様は真剣な眼差しになってこちらを見つめた後に口を開いた。

(中略)

「それで、俺にどうして欲しいんだ?」俺は王の目をまっすぐに見返し聞いてみるが王様は何も答えずに沈黙の時間が流れ続けるだけだった。

俺はそれを確認して考える。そして、ある結論に至る。この国は危険に晒されているということだ。

しかし、それは俺の考えすぎかもしれなかったので念のためこの国にしばらく滞在しようと思った。

「わかったよ。しばらくの間ここに居座ることにする。とりあえず、俺達は今泊まる宿を探しているんだが、どこかおすすめの宿屋はあったりするか?あとできればその値段帯が安い所が良いんだけど」と聞くと王は笑顔を浮かべて言ったのであった。

(中略)

すると、その声を聞いて、メイも一緒に俺の元へとやってくる。

「あっ!お父さんも一緒だったの?」

すると俺達の姿を見て王様も笑みを深める。

(前略)

「なるほど、この子があなたの言っていた『妹さん』ですか?」

俺はそれに無言でうなずく。そして王は俺の方を見てこう続けた。

「では、まずは私の方から説明させて貰いますね。この国の成り立ちについて」と

「なるほど。だいたいの流れは理解できた」

「つまりこの国は魔王が現れないようにするために作られた国だと」

(まぁ予想通りだけど、やっぱり俺を召喚したことに何かしら意味がありそうだな)

俺は目の前にいる王に目を向けると、この国のことについて聞いた内容を確認するためにこう質問をした。――そもそも魔王はどうやって生まれるんだ?そしてどうして勇者が必要なんだ?そしてどうして魔王が蘇ることを知っているんだ。といった具合にだ。しかし、王は口を開かず、ただ黙ったままだったのである。

(ま、まぁそりゃそうだろう。簡単に話せる情報じゃないし。ここは仕方ない。また機会があったときに聞けばいいか)

そう考えた俺は別の話を振ろうと思うがここで一つだけ気になったことがある。それは、俺の持っている能力のことだった。俺はそれを聞くことにする。

(前略)

俺は、目の前の人物に質問を投げかけた。

(後略)

「なるほど、その能力は勇者の力が使えるんですか。それならば納得がいきます。その能力であなたが勇者だと判断したと」と王は答える。

(後略)

「なに?勇者だって?」

俺は予想外の回答を受けて思わず聞き返してしまう。すると、目の前の人物はこう口にする。

「えぇ、貴方の持つスキルの中に【勇者】と書いてあるものが存在するんでしょ?」と その言葉に対して俺は素直に肯定の返事をする。すると、その人物は少し嬉しそうな顔をした後すぐに表情を戻し、真剣なものへと変わる。そして俺に向かって言葉を吐き出す。

「私はその能力についてよく知ってるんだよ」

俺はその態度に驚くと同時に少し警戒してしまう。そしてその男は、俺達二人に問いかける。

「君は、なんのためにこの国に来たのかね?」と

(後略)

その言葉はあまりにもストレートすぎて逆に清々しささえ感じるほどであった。

俺は、少し間を開けてから言葉を発した。

「なんのため?なんの話をしているんだ?悪いが言っていることが分からねぇ」と正直な意見を述べる。そしてメイも同じことを考えていたようで、「うん、私にも分からないよ」と言った。

(中略)

「そうか、じゃあ分かりやすく言ってやる。俺は君たちの行動の理由を聞きたくて、こうして話しかけた。だがその理由が言えないというのなら俺達はもうお前たちには用はない」と俺は言うとメイと一緒に席を立った。

そして俺とメイが店を出ようとした瞬間に「おい!!待てよ!」という言葉が聞こえてくるが、俺とメイは立ち止まらずにその場を去っていくのであった。

そして俺と、メイは王から逃げるようにこの城下町から出て行くのであった。


***

王との会話を終えた俺は王城から出た。それから俺たちは、これからの自分たちの身の振り方を考えているうちに時間は過ぎていき日が沈み始めたのである。

(そろそろ帰らないとな、さすがに心配かけてるか?)

俺は隣を歩いている、少女に視線を移すが彼女は何も言わない。俺はその様子を見つめていたが特に変化がないようなので家に帰るための準備を始めようと考えた。俺は、腰に付けたポーチの中から一つの小袋を取り出す。

(これを使えば、一瞬か)俺はこの世界のアイテムである収納石と呼ばれる石を握り締める。すると石に魔力が流し込まれる感覚を覚え、それと同時に俺は手を石に押し付けるように動かす。その動作を終えると、俺は手にしていたはずの石が消えることに気が付く。

俺は手の中の物がなくなったことに違和感を覚えるがそんなことよりも今はやるべきことがあった。

(よし、これで準備は整ったか)

そう思うと、俺はある場所に向かったのだ。


***

そして次の日の朝、王都に激震走る。

俺とメイの目の前に現れた人物によって、その出来事は引き起こされたのであった。

(中略)

その人物は王の隣にいた人物であると分かった。

そして、俺はそんな彼の発言に驚いていたのである。なぜならば俺を呼び出したことや、俺の事を知っていたこと、そして俺の力についても彼は知っているような発言をしてきたからだ。そして俺の能力の一つである、【鑑定】を使ってステータスを確認した時に俺は驚愕することになる。

そこには信じられないものが表示されていたのである。

その数値はこの世界に存在する人間のものでは無いのだ。

(これは、どう考えてもおかしい。まさかこいつは人間ではないのか?)と思いながらもそのことを本人には尋ねず、王城に連れて行かれることになるのだがその時のことは割愛させていただくことにしよう。

そしてその道中に俺は王に対してこう尋ねたのだ。なぜこの国に危機が迫っていることを、そしてその原因を作り出した奴のことを王は既に知っているかのような雰囲気を出しながら喋っていたのだ。だから俺は王に対して疑問をぶつけることにした。

しかし、その前に一つだけ聞いておかなければならないことがあり俺はその質問を投げかけることにした。それはこの世界が魔王の出現を恐れているのは分かるが、俺を呼んだ理由はなんなのかと聞いてみた。俺が勇者の力を持っているから召喚したと王が答えてくれた。

「なるほど、勇者って言うぐらいだからこの世界で最強レベルの実力があるってことか?でも俺はそんなことを聞いたことがないんだが」

「そんなはずはありませんよ?だってこの世界は平和そのものでしたし」と当たり前のように答える王に俺は驚きを隠せない。そんな風に思っている間にいつの間にか王城内にある一室に到着する。そして俺達は、中に入ると、そこには俺の想像を超えるものが待ち受けているのであった。

その人物を見た瞬間に俺は固まってしまった。

「な、なんでここに」

その人物がこちらに顔を向けた。そしてこう呟いたのである。

「やっぱり来たわね」と。

(中略)

そしてその男は、俺の方を向いて口を開くとこう言ったのである。

――俺が勇者だよ。と

「え?」と俺は驚いたが、同時にその事実を受け入れてしまっていたのだった。

(後略)

俺はその男の発言に困惑していた。

(え?こいつも勇者なの?まじ?どうなっているんだ?)

「まぁそんな反応をするの無理はないだろうがとりあえず説明だけはさせてくれ」と言うと目の前の勇者様(笑)の説明を始めることにしたようだ。

まず俺の目の前にいる男は勇者らしいが、俺が勇者かどうかはまだ判断が付かないみたいである。俺にはまだ自分がどういった能力を持っていてどんな存在なのか分かってはいない。

俺は自分の持つ能力を把握できていないからとりあえず、相手のステータスを見ることにしようと思ったのであった。俺は、相手の名前を見るとそこに書いてあった文字を見て思わず声を上げてしまう。

(うお!マジか!)

俺は心の中で叫ぶが、それを悟られないように表情を引きつらせないようにしながら俺は「お、おおう。なぁあんた名前に『元』が付いてるけどどうしてなんだ?」と俺はそのことについて聞いてみることにした。

(中略)

「あぁそうか。この姿を見るのは初めてだもんな。俺が、勇者だった頃の姿だ」と男が言うと俺はさらに質問をすることにした。

(後略)

(中略)

そして目の前の勇者が俺に提案をした。それは「俺達と、一緒に来ないか?」という事だ。その言葉の意味はすぐに理解することができた。

つまり、この世界の脅威は魔王だけじゃなく、魔物の存在もあるということだ。それに加えてこの勇者の話を信じるのであればこの国は危険に晒されている。

「まぁ俺に出来ることがあるなら別に構わないぞ?」と俺は勇者の申し出を受けることにしておいた。すると、その勇者の顔には笑みが生まれる。

俺は、この勇者に対してどこか懐かしい感情を覚えた。

それはこの勇者は昔一緒に冒険をしたときの記憶にある人物と似ているからだ。しかし、どこが似ているかというところまでは思い出すことが出来なかったのである。

「さて、まずはお互いのことを紹介することから始めようぜ?俺はリクだよろしく頼む。まぁお前が何者かなんて俺も分からないんだけどな」

(前略)

そう言い終えると俺はメイに向き直り「改めて紹介するが俺はリク、この国の救世主でありそして、元最強の勇者だ。これからよろしくな!」と笑いかける。

そして俺は続けてメイに向かって「それと俺の事は好きに呼んでくれて良いぞ」と言ったのであった。そして俺はメイに向かって手を差し出すとメイはそれを両手で握った。

俺は、握手をしたあとで「で、お前の名前は何ていうんだ?」と問いかけた。

(中略)

その言葉を聞いてメイはこう答える。

「私はメイっていうの。私のことはメイちゃんでもメイちゃんでもなんでもいいよ!」

(中略)

俺は目の前の人物のステータスを確認すると確かにそこにはレベルと、職業欄が存在していることに気が付いていた。俺のレベルは99だがそれと比べるとかなり弱いように感じられた。それに職業欄にも【村人】と表示されている。

(んー。なんか色々と気になる点はあるが今は気にしないほうがよさそうだな)

俺はそんなことを考えながらもその男に対して自己紹介を行うことにする。

(後略)

(後略)

(後略)

そして俺と、この国の王との話は終わりを迎えようとしていた。だが、この場で一つ気になった事がある。それは王からの提案であったのだ。

俺は王に対して「なにか俺に対して用件はあるのか?例えば俺に頼みごとだとか」と言ってみるが、それに対して王は少し考え込んだ後こう告げる。

「では、単刀直入に言わせていただくが私と貴方が持っている能力を使ってこの国を守れ」

その言葉を聞いた俺は思わず苦笑いになってしまう。だが、この王の発言があまりにも突拍子もない内容なので少し呆れた表情をしてしまう。

(ははっ。何を言ってるんだ?いきなり現れた見ず知らずの人間に対して国がどうにかできると思ってるのか?そもそも俺はただの冒険者であってそんな権限はないはずだ。この世界のことは俺には関係がないのだから)

俺はこの世界に愛着はない。むしろ帰りたいと思っているくらいなのだから。

「断る、悪いが俺はこの国の為に働くことはできない」

その言葉を聞き、王の隣に控えていた一人の騎士は「おい、王の前でその態度はないのではないか?貴様がどうなろうと知ったことではないが一応はこの国に使える人間だろ」と文句を垂れてきた。

俺は、そんな奴を無視して「さて帰るとするか」と言い残して、部屋から立ち去ろうとする。

すると王も俺に続いて立ち上がろうとしたが、騎士が王の肩を掴み引き留めた。そして騎士が王に向かってこんなことを言い始める。

「王!なぜあんな奴をここに呼んだのですか!あんな素性のしれない輩を使うなど」

(ははは、そんなことか)

「おい、黙ってろ」

俺の言葉によって場が凍る。その光景に俺が驚いてしまうほどだ。俺も内心は驚きながらこの世界の住人達の事を眺める。そして王に向かってこう告げるのだ。

「この世界の連中って、そんなもんなんだな。自分の目で見たものしか信用しようとしないんだ。この世界での常識は知らないけど、俺からしたらこの世界の人間はそんな風に考えることが理解ができない。それにお前らが今している話は結局の所、他人任せだ。だから俺がお前らを助けてやる義理は無いんだよ」

(後略)

俺は目の前の男に向けてこう話を切り出したのである。「で、あんたの名前はなんなんだよ」

(中略)

その発言の後俺はこう言葉を紡ぐ「あんたが魔王を倒せばそれで解決するんじゃないのか?」と。そして俺は王城から立ち去ることにしようと思ったのだがその時ふと視界の端っこでこちらを見ているメイに気が付くのだ。

俺はメイの事が少しだけ心配になり、王城の外へ出ようとした時、目の前にいた男に声をかけられたのであった。その男の声に反応し振り返り俺は話しかける。

その男は俺の目の前までやってくると「ちょっと待ってくれ」と言われてしまう。

(一体どうしたんだ?まぁいいけども)

俺はそんな事を考えながら、男の行動を待つことにしたのだ。そして目の前の男が俺の方を向いてきたのだがなぜか俺の方を見ながら驚いたような顔を浮かべているのだ。

「もしかしたら、お前なのか?まさか本当に生きていたなんてな」とその男は言うが、目の前の男が言っている意味がよくわからなかったのだ。そしてその男はさらに言葉を続ける。「やっぱり、お前はすごいよ。お前ならきっと世界を救えるさ」

(後略)

「魔王が勇者として呼ばれた」

そんな話が広まっているのは俺達が城を出て街に出て来たときに分かった。魔王が勇者に倒されたという噂は王城の中では既に噂ではなく事実になっているようだ。

そのせいもあってなのか、城下町の人たちはみんな暗い表情をしているのだった。俺達は人込みの中を避け路地に入り人気のない場所に行くとそこで休憩することに決めるのだった。そして俺は目の前にいるメイに対して「お前のステータスを見せてくれ」とお願いをしてみる。

(後略)

目の前の勇者と話をしていた時にメイはこちらに歩いてきてこう声をかけてきた。

「あのね!これからお昼ごはんを食べるんだけどよかった一緒にどうかな?あっ!お兄さんにも食べさせてあげるね?」

(中略)

(中略)

俺はそのメイの申し出を受けてメイと食事をとることにする。

(以下省略)

メイとの昼食を楽しんだ後で俺たちはメイに連れられて王都を散歩していた。

(そういえばこいつの名前ってなんなんだ?)

俺は隣にいるメイにそう聞いてみると、メイは「メイっていう名前なの」と笑顔で言うのであった。

その答えを聞いた俺は「じゃぁこれから俺は、お前のことを"メーちゃん"って呼ぶことにするからよろしくな!ちなみに俺のことはお姉ちゃんって呼んでもいいんだぞ!」と言ってみたのである。すると彼女は笑いだし「じゃぁ私もリクお兄ちゃんって呼びます!」と言うと楽しそうに笑っているのである。

そして俺達2人はしばらく王都の街中を見て回っていたのだった。

(後略)

そして俺はメイの誘いに乗ることにしたのだった。その前にメイのステータスを見せてもらっていたがそこには俺の知っている情報と同じ内容が記載されてあったので確認を終えることが出来た。そして俺は「で、どこに連れて行こうとしているんだ?」と聞くと「私の家だよ?」と返ってきた。

(はは、まじか)

(後略)

メイに案内されて着いた先は住宅街であった。その家は普通の家で周りと変わらない外観の一軒家である。

メイはその家の前まで行くと扉を開けると、メイは「ただいま!」と元気よく叫ぶと玄関に足を踏み入れた。

(ん?この靴ってもしかして俺に気を使っているのか?)

俺はそんなことを考えながらもメイに続いてその家に上がるのであった。そしてメイの両親と思われる人物が出てくる。

(以下省略)

メイの家にお邪魔した後、俺とメイの二人はリビングに向かいソファーに腰を下ろす。そして俺はテーブルに置いてあるクッキーに手を伸ばすと口の中に頬張った。

(うまっ)

俺は思わず心の中で感想をこぼす。

メイは俺の食べる姿を見ているだけで手には取ろうとしなかったのだ。だが俺はそれを気にせずにどんどん口に運んでいる。

(後略)

(中略)

そしてそのクッキーを食べ終えたところで、メイから質問を受けることになったのであった。「リクさんはどこに住んでいるんですか?王都に住んでいないならどこかの村にでも?」とメイから聞かれる。

俺はその問いに答えることにし、「まあ色々とあってこの世界に飛ばされたんだ」と話す。そして、俺は「俺が元の世界に戻れるまでは俺の事は気にしなくていいから安心してくれよ」と言った後に、俺の住んでいた村についての事を少し話しておく事にした。

「ま、とりあえず俺の住んでた村は王都の近くにあるんだ。この世界では俺の住んでいた村の事を、辺境村と呼ばれているんだ」と伝えると、俺は話を変える為に、メイに対してステータスについて尋ねてみた。すると「ステータス?それはレベルの事かな?多分レベル1なんじゃないかな?私は生まれた頃からずっとレベルが0なんだよ」という答えが返ってくる。

そして、その言葉を聞いた俺は(やはり、この子は勇者なんだな)と思うとメイに「俺は元の世界に帰ろうと思っているからさ、俺が帰れるようになるまでの間はこの世界を旅する事になった。だからその時が来たら俺と行動を共にしてくれるか?もしダメだって言っても無理矢理ついて行っちゃうかもだけどな。俺の目的はこの世界を救って元の世界に帰ること。それともう一つ目的があるんだ」

そして俺は続けてこう言葉を漏らす「この世界の勇者と魔王を倒して俺のいた世界に戻ることだ」

(後略)

俺がそう伝えた時のメイの顔からは、今までのような明るさが消えており少し寂しそうな表情をするのであった。だがすぐに表情を変え俺に笑顔を向けてくる。

「うん、分かった。その時が来るのを待ってるね」と俺の瞳をまっすぐ見つめながら告げる。俺はそんな彼女に視線を合わせられず目を背けてしまう。

そしてメイに告げる「よし、俺はもう帰らないとだからそろそろおいとまさせていただくぜ」と言いながら俺は立ち上がったのである。

「あっ!そうだよね。ごめんね急に誘ったりして」

(以下省略)

(中略)

(中略)

俺はその家を立ち去るためにメイと一緒に外に向かうと、そこには俺達に近づいてくる一人の男の影があった。

俺達の方に駆け寄ってきた男は「おい、君たちが魔王を倒したと巷では噂になってるけどあれ本当かい?」と俺達に向かって話しかけてきたのだ。

その問いかけに対しメイは困り果てた顔をして俯いてしまう。俺は、そんなメイの姿を見ると男に向かって言葉をかけるのであった。

「ああ、その噂ってのは嘘じゃないんだ」

(中略)

(以下省略)

その男が去ったあとメイから俺に対する言葉はない。そして俺はその場を立ち去ろうとするが後ろからメイの声がかかる。

その言葉を受けた俺は振り向き彼女の方へと振り返るとこう言った。「また、会いに来てくれるよな?」という言葉を聞くが、それに対しては俺は返事をしない。

そして俺が無言のまま立ち去ろうとするのを見てなのか彼女が「やっぱり私のせいでリクさんを巻き込んでしまったのでしょうか」と言ってきたのである。

(後略)

俺の言葉を聞いたメイの父親はこう言葉を発し、そしてこう続ける。

「お前がここに残ると決めたのだろ?それに、私としては娘の願いを聞き届けてくれた事に対してお礼を言いたいくらいなのだ。お前は私たちを助けてくれるといっただろ?だから私たちはお前を信頼することに決めたのだ」と。

そして目の前にいた男が立ち去るのを見た俺は王城に向けて走り出したのである。その行動は目の前の男の言葉によって俺の考えは間違いではなかったことを再認識することになったのだ。

王城の門の前にやってきた時である、門兵達が槍を構えてこちらに警戒しているようであった。だが、その動きよりも俺の視界に入った人物に意識を奪われてしまったのである。

俺に声を掛けてきた男は「おや、あなた様はあの勇者メイ殿を誘拐したあの」と。その言葉は目の前にいる俺の事を見極めるようなものであった。俺はその言葉を聴きその男に話しかけることにした。

(以下省略)

「あの、勇者さんってこの国に召喚された人ですか?」

俺はメイの父に言葉を放つ。その言葉を聴いくと男は「その言葉から察するに、勇者メイは今王城に居るのですな」と言って俺が答えたことに関して納得すると俺に対して「勇者様のお連れでしたので、王城へ入城許可を与えましょう」と門兵が言い、俺が門の中に入ると俺の事を先頭にして案内を開始するのであった。

王城に入るための入り口に立っていた騎士は俺たちのことを確認すると俺達が入城することを許可する。

俺達一行は城の中に足を踏み入れるとその中は非常に豪華絢爛な造りになっており、俺はこんなところに来るのははじめてであったのでつい周りを観察してしまう。

その道すがらに城内にいる人々が俺たちのことを注目していたのだがそれについては気にしないことにした。そして案内の騎士の後を着いて行き階段を上り始める。俺はその案内されている間、その道中に聞こえた内容からメイの家族の話に耳を傾けるのだった。

(中略)

「勇者さんをこちらに連れて来た理由は一つだけなのですが。先ほど国王様より通達があってですね、勇者様に魔王を倒すための武器を授与することにしたようなのですよ。そして、これから向かう部屋にて勇者さんにはこの王城に伝わる剣を授けることになります」と説明を受け、俺たちは王の待つ部屋の前まで到着することになる。

そしてその部屋の扉を開けると王が座っていたのだった。

俺は、メイの父と王に「勇者さんを連れ帰ってきました」と告げると王は、立ち上がりこちらに歩み寄ってくる。そして俺とメイに近づきメイの方に手を差し出すと、彼女は少し驚いた表情を見せた後、恐る恐る差し出された手に自身の手を重ねたのである。

その手を握りしめたままメイのことを抱きしめた後、彼女は解放されるのであった。

(以下省略)

(後略)

「メイちゃん。お姉ちゃんの言うことを聞いてね。まずこの扉を開けるからその後から出てくる魔物を一緒に倒してくれるかな?」と優しい声でそう語りかける。すると、その言葉に対してメイちゃんはコクリと首を縦に振ると「わかった!メイちゃんも戦う!!」と言ってメイちゃんは私と目を合わせるとニコっと笑みを見せてくれたのである。

(よし、行くか!)

「それじゃ、行くよ」と声をかけた直後である。その掛け声とともに扉を押して開ける。そして俺の背後から出てきたメイちゃんの手を引き扉の向こうへと進む。

扉を開けるとそこには俺の記憶にもあったようにそこにはゴーレムが一体、俺の目に飛び込んできた。そしてその横でメイちゃんが不安げな様子でいる。

「よし、俺が前に出る。後ろに下がってて」と言うとメイの身体に抱きつくとそのまま後方に飛びのいた。そしてそのタイミングを計らい前方に向かって一気に踏み込むと、拳を握りしめてゴーレムの腹部に向かって叩きつけると鈍い音が響き渡る。そして後方を振り返ると、メイは心配そうな顔を浮かべているのが見えた。

(メイには、後略)

そしてその光景を眺めていた者達の反応は、大きく分けて3つに分かれていた。

一人目は、俺の行動を見ていた騎士団長は思わず感嘆の声を上げていた。

その二人目はメイの父である。彼はその瞳に映る光景にただ驚愕をしていた。

三人目がその二人とは正反対であり、メイの母がメイを抱き抱えて怯えた表情を見せていた。

(後略)

(後略)

(後略)

俺はその男に向かいこう告げたのだ。「お前らみたいな屑は、絶対に許さないから覚悟しとけよ?」と言い放ち、俺はその言葉と共にその場を立ち去ろうとした時に後ろから俺に声を掛けてくる者が現れる。

俺は後ろを振り向くとそこに居たのは、俺がこの世界で初めて会話を交わした人物であった。その人物は「おい、貴様が魔王を倒してきたというのか?それに俺に喧嘩を売ってくるとかいい度胸をしているではないか」と言ってくる。

(中略)

(以下省略)

俺は、勇者の父親と思われる男性をじっと見つめる。

俺はそんな言葉を受けた直後に「まあそういうわけだ。俺はこの世界に飛ばされてきてな、元の世界に戻るまで俺がこの世界を守ればいいんだろ?」と言葉を放った。そしてその発言の後にメイが父親の元へ近づいて行ったのである。

そして俺の目の前にいるこの男のステータスを確認した俺はあることに気が付いた。

(このおっさんの職業、勇者か。なるほど、こいつ俺のことを見定めに来てやがったって事か。それに、俺の力を確かめに来ていたってことだよな。だが、俺の力は俺の実力って訳じゃねぇし、俺自身が力に目覚めたわけではないからどうも納得できねぇんだが。俺が元の世界でやってるゲームの世界と一緒で、レベルを上げることでスキルが獲得できる仕組みになってんだろうな。それで俺の身体能力が強化されてこの世界に来た時の俺はチート状態になっているということなんだろうな)

俺はそんなことを考えると改めてメイの方を見やる。

「お父さん!」と一言いうと俺はその言葉を遮るように「まあまあいいじぇねえか、ここは親子で話させてあげようぜ」と言い放つと俺は、その言葉を紡いだ直後にこの場から去るのであった。

そして俺と少女の二人が残された。

俺の言葉を受けてか、彼女は俺に向かって微笑んで見せると俺に向かって言葉を放つ。

「えへへ、ありがとうね。リク君」と。

(以下省略)

そんな俺達の様子を遠巻きに見つめていた騎士達はざわめいていた。

「あいつ何言ってんだ?さっきから勇者様に向かって失礼じゃないか?」という言葉や「確かに、この国の王女様と勇者様に向かってあんな態度をするのは、普通では考えられない」などと。

その言葉が俺の元に向かってきていたが、そんな言葉に反応することなくその場を立ち去ったのである。そして俺とメイが王城を抜け出したところで、俺はメイに向かって言葉を発した。

「俺は帰るけど、君はこのまま城に残るのか?」と聞く。

その言葉を聴いたメイは一瞬悲しげな表情を見せると「ううん、私もこの王都を離れるよ。だから私とリクさんの旅に着いて来てくれない?それに私はリクさんと一緒にいたいの。ダメ、かな?私と旅をして」と言ってきたので、俺は言葉をかけることにする。

(後略)

そして俺たちはその場から移動を始めた。王都を出て街道を歩いていく。俺と少女の二人で。俺は少女をおんぶして移動することにしたのだった。そして俺はその途中で、メイに対して言葉を掛けたのである。

「あの、その前に名前を教えてくれないか?ずっと、呼びづらい感じだったんだよ」

(以下省略)

その言葉に対して、メイはにっこりと笑うと「私の名前は、メ、イです」といって自己紹介をする。

そのメイに対して俺は、「そっか、俺の名前は」と言いかけたところで俺は口を閉ざした。なぜなら、その言葉の直後である。突如として目の前に現れた巨大な魔獣に対して、メイを守るように盾となる。

俺はその行動を行うとメイの方に振り向き口を開いた。

(以下省略)

俺はその行動を起こすことになるとすぐに武器を構えることになった。メイに背を向けたまま剣を手に取り戦闘体勢を整えると、その行動に呼応するように目の前にいた巨大イノシシが、鼻息を吹き出すと、目の前の俺に視線を合わせてきたのがわかる。

「ふぅー、久々に骨がありそうな奴と遭遇することができたようだ。メイさん、ちょっと待っててください」と言葉を発するとその刹那の出来事である。その言葉を放つと俺は、目の前に佇む魔物に向かって突撃すると同時に、右手の剣を素早く抜き払う。

(中略)

俺の一撃によってその巨体が地面から浮き上がると、空中に吹き飛ばされてしまう。

俺は地面に着地をした後即座に次の攻撃に移ったのであった。その攻撃を何度も繰り返す。俺の攻撃を受けたモンスターはその場に倒れると俺に対して「グオオォォォ」と声を荒げる。

(以下略)

俺の攻撃を耐え凌ぐことができる相手はいなかったようで、その巨大なイノシシの魔獣もやがては、絶命する時を迎えた。そしてその肉はメイの料理となって食卓に並ぶことになり。そしてその調理方法を見た際に、メイの母親に「メイさんに、そんなことをさせてしまったんですね。申し訳ありません」と言われてしまうことになるのであった。

(後略)

(以上省略)

俺は剣の腹で受け止めると剣を振り払った。その攻撃が効いたのか、その魔人は仰向けに倒れた。

その倒れている最中、俺は腰を落として拳を握りしめる。その拳に力を込めると思い切りその拳を地面に打ち付けた。するとその衝撃は凄まじいものであり、その拳を中心に亀裂が入ったのだ。

そして、俺の拳を喰らってしまったその男は既に意識がなくなっていたがその一撃を食らってしまうだけでかなりのダメージを受けたはずであり、そしてその男は動かなくなった。

(中略)

そして俺と彼女はこの世界に来るまでに起こった出来事をお互いに打ち明け合ったのである。彼女は、異世界召喚された時にこの世界にきて右往左往していたところ、その女性に出会ったのだという。

(中略)

そして俺が魔王を倒した後のこの世界について話をしたのだった。この世界で俺が行ったことについても説明を行ったのである。彼女は、その説明を聞いた後は驚きながらも俺の話を信じてくれるようになったのだった。

俺はその言葉に安堵の溜息を吐く。

(後略)

「お疲れ様。メイちゃん。大丈夫?」とメイに声をかける。メイも笑顔を見せてくれた後に「はい!問題ないですよ!」と言うと俺は少しばかり安心感を抱くことが出来たのだった。

(以下省略)

メイに「これからどこに行くのか?」という質問を受けた俺は正直迷っていたのだ。というのも、今いる場所が分からないため、この大陸から移動するにしてもどうすれば良いのか分からなかったからである。

(中略)「あ!そういえば私、リクさんのお名前をまだ聞いてませんでした。私の方はまだ名乗りを上げてなかったので、教えていただけませんか?」と言って来たので、俺はその問いに対しこう答えたのである。

俺が、メイに対して自分の名前を教えると彼女は驚いた表情を浮かべながら「え?リクさんのフルネームって、あのリク様なんですか!?あの伝説に残っているあの!?」と。

(後略)

俺の言葉に対してメイは、満面の笑みで答える。

「分かりました!よろしくお願いします!!私はあなたをお助けできたことを嬉しく思います。だってこんな私にも手を差し伸べてくれようとする人がいるなんて、思ってもいなかったですから。本当にありがとうございました」と言ってくる。

(中略)

メイは続けて言葉を紡いで行く。その言葉の中にメイは自分が、どうして勇者である俺を庇ったのかということも語り始めた。そしてその理由というのが、「勇者とは言っていますけど、本当の私は、戦うのは苦手なのです。ただ、私には守りたい人たちがいたから、だから勇気を振り絞って勇者様たちの前に姿を現したんですよ。それに私が勇者のパーティーにいることには、大きな理由があるから、私がいなくちゃいけないんです。勇者様たちはきっと私を必要だと言ってくれる。そんな気がしてるんです」と言ってくる。

(中略)

俺は言葉をかけてやることはできなかった。ただ、この子がどういう人生を歩んできたのかは知らないが、俺の言葉に感銘を受けたということは分かったので「あぁ、俺は君が必要な存在だと思っているよ。だから君は俺と一緒にこの世界に来てもらえないだろうか?」という問いかけに対してメイが、どんな答えを出してきたのかは後に分かることとなる。メイからの提案に、俺はその提案に乗ることにした。

この世界に呼ばれた理由は俺の力がこの世界を守れると判断されたためであると理解しているために。俺はメイの手を取って握手をすると言葉を放つ。

「あはは、これからよろしくな。えっとメイさん?」

その言葉に、メイも応える。「はい!こちらこそ、不束者ではありますがよろしくお願いします!!」

メイは元気よく返答をしたのであった。そんな会話の後で、俺たちが移動を始めて一時間ほど経過すると森に到着したのであった。

(後略)

そして俺たちは森の中に入り進んでいく。そしてしばらく進んだ先で、俺はとある人物と遭遇した。

俺は目の前の人物に向けて言葉を投げかけた。

『あんたが誰だか知らないけど、この子を連れていかないでくれよ』

俺の言葉に目の前にいるその人物が反応を示す。その瞬間、俺はその者の殺気を感じた。その瞬間に身体中に鳥肌が立ち、足に力が入る。

(こいつは強いぞ。今まで会ってきた連中よりも明らかに)と思うと、自然と体が動き出しメイを抱きかかえ後方へと跳ぶのである。その瞬間である。俺に向かって剣が伸びてきたのは。俺は間一髪避けることに成功した。そして目の前を見ると、その少女の顔を見て俺は目を見開くことになる。そしてメイもその姿を見て驚いていた。

(以下省略)

その人物は剣を構えてこちらの様子を伺っているようだった。俺もメイも相手の出方を伺うような状態になっている。そして相手が口を開くと俺は言葉を発する。

「久しぶりですね、師匠。随分とまぁ変わり果ててしまいまして」

その言葉に相手は反応を示した。そして俺は続ける。

「俺はリク=アティス。元勇者であり現在は放浪の身。そちらは?」と問うと少女は言葉を返した。

(中略)

「俺はザックス。お前が知る人物であり、お前が知らない人間でもある」という言葉と共に、少女の姿に変化が起きたのである。

俺は目の前で起こった出来事に、目を剥いて驚いた。その変化が起こった少女の背中からは漆黒の翼が現れたのだ。

(後略)

そして俺は、目の前の少女に対して警戒を強めた状態で言葉を発した。

『何のためにこの世界に?目的はなんだ?』

(後略)

(後略)

俺の問いかけに対して、少女の表情が変わったのを感じると俺も同じように表情を変えた。その表情を見た俺は目の前に居る相手が、只者では無いことを認識すると同時に臨戦態勢を整えたのである。しかし、その前に俺に対して、相手からの鋭い一撃が迫ってきていたことに気付いた。そしてその攻撃をなんとかして防ぐことに成功する。

(以下省略)

俺はメイを守るように立ち、その剣撃を防御した。剣が触れ合う音とともに火花が散る。

俺が、メイを守るようにして立っていることに気づいたメイは「私も、戦うよ!」と言うと剣を手に取り、構えを取ったのである。

俺は「無理だけはするな!」と言うと目の前にいる相手に攻撃を仕掛けていく。

その剣戟を受け止めた直後だった。俺は違和感を覚えた。なぜなら相手は、俺の攻撃を受け流すだけで全く反撃をしてこないのである。

俺は、剣を引き抜くとそのまま後ろに下がる。

すると少女はその口を開き、言葉を発し始めたのである。「やはり今の貴様に勝てる気がしない」と言う言葉に俺の耳を疑った。

(中略)

俺はその攻撃を受けて吹き飛ぶと、メイの方を確認すると、どうやら無事のようである。そしてメイに「怪我はないかい?もし何かあるなら今のうちに俺が回復しておく」と言うと俺は攻撃に移った。

その攻撃に対して少女は俺の攻撃を簡単に捌いて行くのであった。そして俺はその攻撃を繰り返しながら、メイの様子を見るが特に変わった様子がないことがわかると俺は少しばかり安心することができたのである。

(以下略)

そして少女の体に変化が生じた。そして、メイの体を黒い霧のようなものが発生すると俺の目からも、その状況が確認出来たのだった。そしてその現象を目の当たりにすることになると俺は驚愕する。

メイの体に巻き付くその黒き霧がメイの肉体を変化させていたのだった。その様子に、思わずメイの名前を叫んでしまうが、次の瞬間に異変が起こる。そのメイの変化に動揺したのか俺は隙を見せてしまう。その俺の様子に相手は剣を振り下ろしてきたのだった。

剣を振り下ろすその刹那、俺は剣の側面に剣を叩きつけて相手を吹き飛ばすとメイの名前を呼ぶ。その俺の声に反応してメイは俺のところへ駆け寄ろうとする。しかしその行動に俺は声をかける。

「待て!!今のままじゃ危ないんだ!」と言葉を出すとメイは「私だって!」と言って、俺の横に立つと俺の後ろについてきた。

(中略)

メイは「私も戦います!私も、この世界を救いたいんです!それにあなたを守りたいと思っちゃって」と俺の傍から離れようとはしなかったのである。

そして俺と少女の戦いが再開される。その一撃一撃の攻防は苛烈を極めたが、次第に俺の動きについて来るようになった少女に対し、俺の方はメイを守らなければならないという思いから、無意識的にメイのことを優先的に考えてしまっているためか俺の方が、少しづつ劣勢に追い込まれてしまっていたのだった。

(以下省略)

そして俺と目の前の相手が鍔迫り合いをする。

そして、俺は少女に言葉をかけたのだった。

(後略)

俺の言葉に対して目の前にいる少女は、剣を引くと地面に突き刺さり俺が言葉を続ける。

(以下省略)

俺の言葉にメイは「ありがとう」とお礼を言ってくると俺の後ろに隠れていた。俺はメイが近くにいることを感じ取ると俺は目の前の存在に問いかけた。『俺と戦いながらそこまで意識を向けるとはね』

俺は、メイに聞こえないように言葉を発すると目の前の少女は言葉を放った。「当たり前だ。この世界で私よりも強い人間はそうはいないだろう。それにこの世界では、私の力が通用するかどうか確かめる必要もあるからな」と言い放つ。

その言葉に俺は「あんたは何をしようとしている?」と言葉を口に出す。すると目の前の相手は答えた。

(中略)

「この世界を救うのだよ。そのためにこの世界に召喚された。私はそう認識しているから」という答えに俺は驚いた表情をしてしまう。

(後略)

俺は、相手の攻撃を防ぎながらも言葉を発していた。

そして俺はその言葉に反応を示すと、「お前はこの世界の人間が憎くないのか?」と聞くと相手は答えた。

その言葉を聞いた俺は、「それについては答えは簡単だと思うけど?この世界に恨みがないと言えば嘘になるがこの世界に来てからの十数年で私にも守りたいものができたのだ」という回答が返って来たため、「なるほど、それでお前は守りたくなるものを守るために戦っているってことか」とその言葉を噛み締める。

俺は相手の斬撃を弾き飛ばし、その勢いを利用して距離を離すために後方に跳ぶがすぐに追いかけてくる。そして俺に向かって剣を振るってきたため、俺もその剣戟に合わせて剣を振り下ろしていく。そして互いの剣が交差する。俺は、相手に「なんでだ?なんでそんなに必死にこの世界を救おうとする?お前の目的を教えてくれよ」というと相手は、剣を引き抜くと同時に俺の言葉に応えた。

(後略)

そして俺は目の前にいる相手のことを見据える。そして俺は、メイを背にして、その敵と対峙した。

(以下省略)

俺の質問に、少女は答えた。「そんなことも分からないなんて貴方は何も分かっていないのでしょうね」その言葉に、俺は「何?」と聞き返すと相手は再び答え始める。

(中略)

その少女が語る言葉を聞いて俺は「それは違うと思うぞ」と言った後に続けて言った。

俺は、少女に言葉をかけ続けた。

その言葉に俺は、少女がどうしてこんなことになったのかを理解したのである。そして俺は、目の前の敵の方に顔を向けたのである。そして、少女に対して俺は言葉を放つ。

そして少女の瞳に光が戻る。そしてメイは、その少女のことを抱き留めると、メイは涙を流していた。そして少女の口からも嗚咽が聞こえる。俺は、その様子を見ていたがすぐに視線を変えると少女に近づいていき抱きかかえようとする。

そして、少女に向かって話しかけると少女は涙を浮かべたまま、メイに向かって口を開くと俺は少女を抱きかかえその場から離れることにした。

そしてメイは俺の隣に来ると、少女に向かって語り掛ける。

少女の名前は、アリスといった。

そして少女は、メイに対して謝罪をしたのであった。

(以下省略)

メイは少女の話を静かに聞いている。俺は、メイに向かって手招きをして、こちら側に来るように指示をすると、メイはすぐに俺の元にやってきて俺に寄りかかるとそのまま寝てしまったのである。そして俺は、そのメイのことを抱きしめたのであった。そしてメイが目を覚ますまで待っているとしばらくしてから、少女はゆっくりと体を起こした。

俺はその少女に向かって言う。「とりあえず自己紹介でもしようか?」と言うと、俺は自分の名を告げた。

「俺の名はリク=アティスだ」と名前を告げる。

「俺の名はザックス。お前たちが勇者と呼んでいるものだ」と、俺は言葉を発した。

その言葉に、俺は驚いた表情になる。

「俺達が勇者と呼ばれていることに気付いていたのか?」

俺が、その言葉にザックスと名乗る少女は、肯定する。

(中略)

そして、俺の頭の中でとある人物の姿を思い出していた。その少女は金髪の髪をポニーテールにしているのが特徴であり、容姿は整っているのだが性格はちょっとわがままであり面倒くさがり屋な面を持つ女性であった。そして、ザックスという名前には覚えがあったのだ。

だが俺の記憶が確かならば目の前にいる少女は10代前半ぐらいに見えるが、外見が成長していないということはありえない話だった。しかし、仮にその記憶が間違いだったとして、それでも目の前の彼女が普通の人間でないのは明らかだった。

(以下省略)

俺は、ザックスの問いかけに返答を行うと、彼女は俺に対してこう言って来たのである。「まず先に私の方から、貴様と会話をしていいか?そちらも私の正体を知りたいだろうからな」と。

そして、少女は自分のことを話し始めたのである。

(中略)

俺達は、目の前の少女の話に驚愕することになる。なぜならその話の全てが信じられないことだらけだからだ。

ザックスの話す内容は全て本当の事のようであった。俺達を騙していたとしても、それが俺達のメリットになることはないだろう。そして俺は、ザックスに、その真実を確かめるように問いただしたが、彼女は否定することはなかった。その様子からどうやら本当に彼女の話は真実のようである。

(中略)

「私とてこの世界を救うためとはいえこの力を手に入れるのにかなりの代償を支払ったのは事実だ。だから今、私がこうしていられるのはあの人のおかげであるし、この姿になったのは、この力をくれた奴のせめてもの温情であろう。だからお前たちもこの世界の未来のために協力してくれると嬉しいんだが?」と言う言葉にメイと俺が返事をしようとしたとき、俺たちの前に一人の存在が現れたのだった。それは先ほどまで戦っていた少女の姿が変わっていたのである。そしてその体が変化していた存在に対して、俺の体は無意識的に戦闘態勢に入っていた。

俺の体から自然と放たれていた威圧にザックスの表情が変わると、「なんだその魔力の波動!?さっきよりも強大になっているじゃねえか」と言って警戒の色を示していたのである。

メイは俺の行動に対して「えっ?どういう状況なんですか?さっきまでの女の子はどこに行っちゃたんですか」と言いながらも、メイの表情から緊張の色が伺えるのがわかるのであった。

そして目の前に現れたのは一人の男であった。

その姿を見た俺は思わず、「お前は誰だ?」という言葉を発してしまっていた。

(以下略)

「さあね?私は誰かな?」という声が聞こえると俺とメイの体が宙に浮いていた。

(中略)

俺がそう思った次の瞬間に俺の手の中に武器が現れるとその武器を見てメイも驚いた表情をしていたのである。そして俺はメイを背中に隠すと剣を構えたのである。

(以下省略)

そして俺の体に衝撃が走る。

メイを襲ってきたその攻撃を受け止めると俺の目から赤い血が流れる。その攻撃の主は俺の眼前に姿を現すと笑みを見せる。

その男は俺を見つめると口を開いた。

「君が『魔王』かな?」と聞いてくるが、俺はその言葉を耳にするとメイの事を一端おいておき、目の前の男の事に集中していた。

(以下省略)

(以下省略)

俺の言葉に対して少女は言葉を発していた。

その言葉を聞いた俺は、目の前の少女に対して剣を振り下ろそうとしていたが動きを止めていた。

(以下省略)

俺の言葉を聞いた相手に対して、剣を構えなおした。そして俺は、剣を構える。

そして俺は、剣を構えながら相手のことを見る。すると相手の方はこちらに視線を向けると「お久しぶりだね、魔王」と言った後に言葉を続けた。

「僕と君は以前会ったことがあるはずだけど覚えているかい?」

その質問に対して俺は「俺は、あんたとは初対面だな。悪いけど思い出せない」というと、相手の男は、少し困った表情をしていたがすぐに元の表情に戻ると口を開いてきた。

その男の瞳は青く髪の色は綺麗な白色をしているのが特徴的であるがそれ以外は普通であまり特徴のない人物であったがその身にまとう雰囲気は明らかに異質なものであった。そして、その人物を目の前にしただけで本能が警鐘を鳴らすような感覚を覚えるほどであった。

相手は、「そうか、残念だよ。できれば思い出して欲しいところだけどそれは今は諦めるしかないみたいだ」と言って言葉を発する。

そして、相手に対して言葉をかける。

「どうしてここにやってきた?お前は何者なんだ?お前の目的は一体何なのか答えてもらおうか」と言うと、目の前の存在は俺に向かって剣を抜いて斬りかかって来た。俺はそれに対して応戦するように相手に対して攻撃を仕掛けるのである。

――そして俺は相手との戦闘を開始することになった。

俺はその相手の攻撃に対して、相手の懐に飛び込むと相手は後ろに大きく下がると再び距離を開けてきた。

(中略)

俺の一撃に対して相手は、その攻撃を難なく防ぐと今度は俺に対して剣を突き立てようとしてくる。俺は、相手の突きを弾いた後に相手のことを確認するとそこには俺の知っている人物が目の前にいた。

(中略)

そして、目の前の相手の顔を見た時に俺はあることに気が付いてしまう。

(後略)

俺は目の前で起きている現象に驚くことしかできなかった。俺達が今まで会ってきた人物の中にはこの世に存在しているはずのない者が目の前で動いている。目の前で起きている現実を受け入れるのは難しい話だが俺には目の前で起こっていることを受け入れる以外に選択肢はなかったのである。

(中略)

俺の質問に対し、少女が答える。

「それはこの世界を守るという使命のためだ。お前たちには関係のないことだ。お前たちにできるのであれば私たちに協力してくれ」と真剣なまなざしで俺のことを見ながら言ったのである。俺はそんな少女にこう言うと俺も本気を出すことを宣言する。

俺は目の前の少女に「俺はこの世界で生きている者たちを守りたいというのもあるが、それ以上にこの世界を壊されたくないからこそお前たちと敵対することにした」と言うと少女に対して攻撃を仕掛けていく。そして少女の目の前に現れると俺は「悪いが本気でやらせてもらうぞ」と相手に告げると同時に、俺は少女に向かって拳を叩きつけていったのである。

そして少女は吹き飛ばされるも、何とか耐え切ることに成功すると少女が「どうして、こんなことをするんだ?私たちはただお前たちと協力していきたいだけなのにどうして戦おうとするんだよ!」と俺に対して問いかけてくる。その様子は俺のことを見つめて必死に訴えかけてきていて俺には嘘を言っているようには見えなかった。俺は「確かにお前の言うことは理解できる。俺だって最初は平和な日々が続いてくれればと願ってたんだ。だけど、このまま放置してしまえばきっと、とんでもないことになりかねないと感じた。だからこそ俺は今ある平和を守るための力を手に入れることにした。そのためにもお前たちの協力が必要になってくる」と、少女に言うと少女は再び、剣を構え直して「私を倒せると思っているのか?私に勝てると思うのか?私の力はまだ、全てを出し切れてはいないのだぞ」と言ってくる。俺は「俺だって本当はお前たちをどうにかしたいわけじゃない。俺にだって戦う理由はあるがそれでもできることなら戦いたくはないんだ。俺の話を聞いてくれるだけでも助かるよ」と、いうが少女は首を横に振ったのである。

そして俺は剣を少女に向けると少女は、悲しげな表情をしながら俺に向けて言葉を放つ。

少女は俺に、自分がどうしてこのような状態になったのかということを俺に説明してきたのである。そして、自分の体に起きている異変の原因が魔王にあることも教えてくれた。

(中略)

俺が、目の前の相手に攻撃を行おうとした時、メイの声が聞こえてきたのである。俺はメイが目の前の敵の隙を見つけて、そこに飛び込んだのである。そしてメイの攻撃を受けた存在が後方へ大きく下がったのであった。

そして、メイは敵に向かって言葉を投げかける。「あなたは、本当に魔王さんなんですか?」という言葉に対してその少女は不適に笑いながら言葉を返したのである。「そうですよ。私が、この国にいる魔族の頂点に位置する存在である『魔神』ですよ。私がこの姿になったのは『勇者』に殺されたあと、その体を蘇生させてもらったのがきっかけですから」と、その少女が言葉を紡ぎ終わると俺はメイの事を後ろにかばうと俺の背中を冷たいものが走り抜けたのである。(中略)

そして目の前の人物はメイのことを見下ろして「あら?その反応を見ると、この国の人間ではないみたいですね。貴女はどちら側でしょうか?」と言ってくる。俺は、剣を目の前の少女に向けて構え直すとメイは「私は貴方と戦うつもりなんてありません。どうか話し合いをして解決することを望んでいます」と言い返すと少女は、メイの方へと歩み寄りこう言ってくれたのである。

少女の言葉に俺は思わず耳を疑ってしまった。

(以下省略)

少女の言葉に俺はメイの方に視線を向けてしまう。その様子にメイは笑顔を見せてくれるが俺の心の中に芽生えた感情がどうしても晴れることがなく、俺は心の中のわだかまりを抱えながら少女の言葉を聞いた。

(後略)

少女の問いに対して俺はメイの背中に手を回すと俺が前に出ることでメイの事をかばいながら「あんたは本当に俺達に協力する意思があるのか?」と問いかけるが、少女は言葉ではなく笑みを見せるだけだった。

そして俺は「あんたが、この世界に平穏をもたらすために行動するというのであれば俺たちはその考えに共感はできない。だけどもし、それ以外の理由で行動しているのであれば俺たちは全力であんたの妨害をすることを約束しよう」と言うと、メイは俺の事を抱きしめながら、俺の横に立つと剣を構えながら「お願いします!私はこの国を助けてあげたいんです」と言うが、俺が「メイ、下がってろ。こいつは、俺たちとは話が通じるような感じじゃない」と言うと、俺はメイの事を押しとどめようとした。

しかしメイは俺の背中から一歩も離れることなく「私は、ルミア様に恩があります。そして、この世界の人々を助けたいと私は強く思っているのです。そのために私は、貴方たちと共に行動をさせていただきたいのです」と言い出したのである。

俺もさすがにここまで言われてしまったらもう何も言えなくなってしまい、メイの事を信じてみることにするのであった。

(以下略)

俺はメイの言葉を聞き、彼女のことを見る。するとメイは、目の前の存在に対して、剣を構えると言葉を放った。

(中略)

俺の言葉に、少女は言葉を発することもなく、その場に立って、こちらの事を見つめていた。俺はそんな少女に対して「あんたの事は信じることができないが、一応話をしておきたいことがある。今から言う言葉は全て本当のことなんだ」と言うと、少女は「わかりました。その言葉を受け入れましょう」というので、俺は言葉を口にしようとするが俺の事を制止するように、俺の口の前に手を置く。(後略)

俺の質問に対して、その声のトーンが変わると俺はその少女に対して質問をしたのだった。

(後略)

俺が「俺に協力してもいいことは何もないがいいんだな」と言うと目の前の少女が「それで構わないわ」と返答をする。俺はその言葉を聞くと同時に、少女のことを見上げるとその少女の表情は俺が見た中で今までにないほどの無表情をしていたのである。

そして少女が言葉を続けたのであった。

俺が「俺と行動を共にしてもメリットがないどころかデメリットだらけだぞ」というが、目の前の少女の表情は変わらないままで「それでもかまいません。それに私のことは心配しなくても結構ですから」と言う。俺はそんな目の前の存在をしばらく観察していた。

目の前の存在は、俺に向かって、真剣な眼差しを向けてきている。

「わかった。ただし、一つ約束して欲しいことが、ある」

「なんでしょう?」

俺は目の前の存在が信用できるかどうかわからない以上は警戒しておくべきだと考えた結果、その提案を行うことにした。

(中略)

そして、目の前の少女が言葉を発し始めると少女は少し悲しげな顔をしたがそれも一瞬の出来事だったので気のせいだったのかもしれない。俺はその少女の表情を見て少し胸が締め付けられる気持ちになるが、俺は自分の中に沸き起こる不安をかき消すようにして言葉を吐き出した。

(後略)

そして俺の視界が白一色に包まれていくと俺が意識を戻そうとすると誰かの呼び声が聞こえる。

俺を呼ぶ声の主が一体誰なのかと疑問を感じながらも目を覚ますとそこには見知らぬ天井があった。

どうやら俺が今まで見てきたのとは違う景色がそこには広がっている。

(後略)

俺は少女が何をしようとしているのかを尋ねるが少女は微笑んだだけで答えようとはしなかった。そして俺が、その少女の行動を止めるために立ち塞がると少女は、まるで俺のことを見透かしているかのように、「大丈夫よ。私に任せてくれればいいから。だからあなたはそのまま、そこで休んでいて」と言ってくるので俺はこれ以上少女に何かをいうことはできなかった。

俺は少女のことを見たときに俺は、少女の瞳を見た瞬間に、目の前にいる存在が何者なにかわからなくなる。そして目の前の少女に対して俺の中にある何かが警鐘を鳴らしている。そして、俺の直感が正しいものならば、目の前の少女は危険極まりない存在であることに気がつくと冷や汗が流れる。

(中略)

目の前にいる少女がゆっくりと口を開き始める。

俺は無意識のうちに少女に対して攻撃を仕掛ける準備を行い始める。そして、次の瞬間に、俺に向かって少女が「ありがとうございます。それではいきますね。これが私が使える最強魔法。この魔法を使えば貴方をこの世から完全に消滅させることができるのですよ。貴方の肉体を完全に消してしまえばあなたは元いた場所へ帰ることはできなくなってしまうのですけどそれでもよろしいでしょうか?」と言ってくる。

俺は少女に対して言葉を返すことができなかった。なぜなら俺の体は金縛りにあったように動くことができずに体が全く言うことを聞かない状態になっているからである。俺には今すぐにここから逃げ出さなければならない理由がある。

その理由を聞かれてしまう前に早く立ち去らなければと思い必死に体を動かし始めてようやく立ち上がることに成功した。そして、何とか立ち上がり後ろを振り返るがそこには少女の姿はなかったのである。そして俺は先ほどまで戦っていた相手が立っていた場所に目線を移す。

するとそこには先程までの光景が広がっていた。俺は急いでその場所から離れることにしたが目の前の少女が「もう行っちゃうんですか?もう少しだけお話しをしていっても問題ないんですよ」と俺の事を止めようとするが俺の心の中では嫌な予感がずっと付きまとうことになり焦りがどんどん増していくのであった。

(以下省略)

俺が、自分の目の前にいる、その存在について確認をするとメイの方は驚いた様子を見せていた。そして俺は目の前の存在に話しかける。

俺が「悪いな。お前たちの力を借りたい」と頼むと目の前にいる存在から返ってきた言葉は「ふぅん。そう、そうなんですねぇ」と、それだけでその一言しか言わずに、俺の顔を観察していた。

(中略)

そして、少女は自分の事を語り始めたのである。そして、自分の正体を明かした後に、少女は俺に対して「さてと貴方の力を確かめるとしましょうか」と言い出す。

俺が少女に対して攻撃を開始しようと剣を構えた時だった。

突如、地面から炎の柱が勢いよく噴出した。俺はその炎をなんとか避けると、俺のことを見つめている目の前の少女は笑みを浮かべたのであった。

俺は目の前に存在する相手のことを見ながら警戒心を強めていったのであった。

(中略)

目の前の魔王と呼ばれている相手は言葉を口にすることなく、不適な笑みを見せてくるだけであった。そして俺は、メイの方を見ると彼女は俺の事をまっすぐと見つめていたのである。俺は、そんなメイの視線を受けて思わず顔が熱くなるがそんな状況ではないと考えなおすと目の前の人物を睨むのであった。

すると俺の目線の先にいた少女の唇の端が上がり始める。

(後略)

目の前の相手は余裕を見せている。

しかし俺は、メイに視線を送るとメイも俺に合図を送ってくれる。

俺とメイは二人で同時に行動を開始する。

まず最初に俺は相手に近づき剣を振り下ろした。そしてメイの放った矢も同時に飛んでいくが、少女はその場を一歩たりとも動くことなくに全ての攻撃を受け止める。

「ふーん。この程度なんだぁ。つまらないなぁ」と口にしながら少女は、その口角を上げる。

俺はその言葉を聞いて、少女に切りかかったが目の前の人物が剣を握る腕を掴むと俺の事を思いっきり蹴り上げた。俺は、空中で態勢を整えながら地面に足をつけたが、少女はそんな俺の事を見据えていたのだった。

(中略)

「なるほど。なかなかやりますね」と言いながら少女が笑みを見せるとメイと戦闘をしている女性も同じように笑みを見せたのである。そしてその笑みをみた俺は背中に悪寒が走るのを感じる。

(中略)

俺は剣を構えて少女を見据えたのだった。そして俺は「その仮面を外せ!」と言うと、少女は笑みを浮かべたのだった。そして目の前の少女が自分の顔を隠すようにしている仮面をはずし始めると俺は驚愕してしまう。

その少女の正体が俺の妹の瑠璃であったことが信じられなかった。そして俺は妹に声をかけようとしたが、その瞬間、瑠璃から凄まじい衝撃が俺の方に飛んできたのである。俺はその衝撃波を受けてしまい後方に吹き飛ばされてしまった。

(以下略)

俺は目の前の存在に対して、剣を構えると、剣に力を籠める。そして俺の攻撃に合わせるようにメイもまた俺の隣で武器を構える。

すると目の前の存在から声がかかる。

俺が目の前の存在に剣を突き刺そうとするとその剣先は目の前の存在の手の平によって防がれていた。俺はそのまま力任せに剣を振り抜くが、その攻撃は目の前の物体には効かずに、その刃は粉々に砕け散ったのだった。

俺はその瞬間に後ろに飛び退くと目の前の存在が口を開いた。

「この程度で倒せると思ったのかしら?」と言いだす。

「いいや、そんなわけはないさ」

俺は言葉を返すと、今度は俺ではなく、メイの方に攻撃を集中させるが、俺と少女の間に入ったメイは両手の拳を使いその攻撃を受けた。そして、俺とメイがお互いをカバーし合う形で戦い続けたが俺とメイが協力してもその少女は、涼しい顔をしていたのだった。

(後略)

(略)

そして少女の身体に変化が現れる。その肌の色が変化していき髪の毛が伸び始めると目が大きく開いていった。その姿を見た俺は、少女の姿を見て愕然としてしまう。

そして俺は、再び少女に向かって走り始めるが、先ほどまでのスピードはどこにもなく少女の方が早いようで俺よりも速く動き始めてしまう。

そして俺は少女の動きに反応することができないままに、少女に足を掴まれ、投げ飛ばれてしまう。俺は地面の上で数回バウンドする。そんな俺のところに少女は向かってくるが、少女の腕を何者かが切りつけたのであった。少女は、その攻撃を軽々と避けたがその少女の行動で俺が助かる道ができたので、そのチャンスを生かし俺が立ち上がろうとすると少女に「ふぅん。まだ諦めていないんだ。すごい精神だねぇ。見直しちゃうわ」と言ってくる。

そして少女は、その腕を振るうと、風の刃が発生して、俺たちを襲う。

俺の体は、その攻撃を避けきれずにまともに食らってしまう。俺は、その攻撃を受けると全身を切り刻まれる。

そして俺が動けないでいるとその少女は再び俺に話しかけてきたのだった。

(後略)

俺は剣を握りしめて、目の前にいる少女に向かって攻撃を仕掛けるが簡単に受けられてしまう。

そして俺と少女は剣をお互いに振りかざすのだが俺はその一撃を受けることはできなかった。なぜなら、俺の体が宙を舞うようにして吹き飛んだからである。そして俺は地面に叩きつけられるようにして転がる。

「どうしました?まさかその程度の強さですか?」と声をかける少女に向かって、メイは弓を引き絞ると少女に向かって放つ。放たれた無数の矢に対処できないでいると、俺の体が再び宙を舞って、壁に激突してしまった。

(以下省略)

「くっそ!なんで勝てないんだ!?こんなところで立ち止まっている暇なんてないっていうのに!」

俺の焦りが伝わってくるかのようにメイも俺のことを心配して見つめている。

そんな俺の元に少女がゆっくりと歩いて近づいてくる。

(以下省略)

俺は目の前の少女を睨みつけながら自分の力の限界が来ているのではないかと思うと俺は目の前にいる敵に対して自分の全力の一撃を放つ。

「これが俺の最後の力だ。この魔法にすべてを懸ける」

そう言いながら俺は魔法を発動させようとする。そして俺は魔法名を叫び始める。

(略)

「なるほどね。貴方は確かに強いです。でも、貴方が今まで戦った相手の中で私が一番強かったですよ」と言いながら少女は笑みを浮かべていた。

(後略)

俺が必死に戦っているとメイがこちらに向かって駆け寄ってきた。そして俺の体を起こすように支えてくれる。そして少女はメイと会話を始めていくのである。そして俺はその様子を見ていた。そしてその光景を見ていてなぜか胸騒ぎを覚えてしまうが俺はそんなことを考えている余裕などなかった。なぜなら目の前に少女が現れたからである。

(後略)

目の前の少女に向かって俺は構えを取りながら相手の隙を探し続けていた。

そして俺は目の前の存在と相対するために俺も一歩ずつ足を前に出していくと相手の動きに注意を払う。そして俺はメイのことも守る必要があり俺自身の体力にも限界が近付いている。だからこそ俺は自分の体のことを考慮しない覚悟で目の前の相手に立ち向かわなければならなかった。そして俺が少女に仕掛けようとすると俺の前にメイが俺のことを守るような感じに少女と対峙してくれた。

「あら、そちらの方の実力を見せてくれないのかしら?」と目の前にいる存在が言うとメイは何も答えず黙っていた。

俺は目の前にいるメイに対して何も言えずにいたのであった。

「ふーん。じゃあ貴方からでいいよ。貴方の力を試させてもらうことにするから」と言うと俺の事を睨みつけると、少女から殺気が溢れ出てきた。俺はその殺意に恐怖を感じるがそれを悟られまいとするが目の前の相手は、俺のことを観察していたのである。

俺は息を大きく吸い込むと、その呼吸に合わせて目の前の相手に攻撃を仕掛けた。しかし、その攻撃は難なくと回避されてしまう。俺は何度も剣で攻撃を続けるがすべて回避される。その少女が「貴方の攻撃は、とてもつまらないですね」というと、その少女が俺のことを見つめていた視線は俺の瞳の奥にある俺の心の中を見透かされているかのような気持ち悪さを感じた。

(中略)

目の前の相手が不適な笑みを見せると同時にその少女の手から炎が出現する。そして、その炎は徐々に大きくなっていき最終的にはその少女と同じくらいの大きさにまでなった。

俺の額からは汗が流れていたが、その炎を見たときに俺は心の中に湧き上がっていた不安を吹き飛ばすためにその炎に立ち向かうように前に進んでいく。そして俺は少女の攻撃に真正面から挑むように剣を振り下ろしたのであった。

俺の攻撃にその少女は反応できなかったようで俺の攻撃は直撃するが手ごたえがなく俺の剣は空を切るだけで終わってしまう。

しかし次の瞬間、俺の横腹を衝撃が襲った。そして俺はそのまま吹き飛ばされてしまった。

「なかなかやりますね」と言うと俺に対して再び攻撃を行おうとした瞬間、少女の背後に何かの気配を感じ取り、その場から退避しようとした少女はその場から急いで離れたのである。その直後、目の前には白い毛で覆われた獣が現れ、その大きな爪を使い少女を襲ったのだった。

(後略)

「ふーん。私の攻撃に気づくことができるんだ」と言いながら少女は不敵に笑みを見せる。

「お前は、いったい誰なんだ!?なぜここに現れた」

俺は少女に問いかけると少女はその問いに答えることはせずに俺とメイを順番に見渡してから、口を開く。

「まぁ。どちらにしても君たちに勝ち目はないんだけどねぇ。それでも抵抗するのなら仕方がない。私自らの手で葬らせてもらうよ!」といい放ち、両手を広げると周囲に紫色の煙のような気体が漂い始めた。

(後略)

「お前の目的はなんだ!」と俺は叫ぶがその少女は一切の反応を見せずに無言のままだった。そしてその少女の周囲には黒い霧が覆われていき少女の全身が包み込まれる。そして俺がその霧に気がつくと、その霧の中から先ほど俺が吹き飛ばした男の姿が見えたのである。

「どうだ、この姿を見た感想は!」と先ほどまでの男とは違う雰囲気を出し始めていて、明らかに違う人間だと思えたのである。俺はその姿を見ると先ほどまでの自分よりも圧倒的な力を肌で感じてしまい身動き一つできずにその場で棒立ちになってしまう。そして俺に話しかけてきた男の後ろから別の人間が姿を現す。

その姿を見て、俺はその人物が誰なのかを一瞬で理解できたのであった。それは、俺の妹であり魔王の娘である瑠璃である。俺は、その瑠璃の姿をみて驚愕していた。

瑠璃は、「お兄ちゃん、もう終わりだよ」と俺に対して微笑みながら声をかけてくると瑠璃が手を振ったのである。

俺はその瞬間に体が動かせなくなってしまうと瑠璃の後ろから複数の人間の気配を感じるが俺は振り返ることができないまま固まっていた。

(後略)

「さてと。これで少しは楽しめるかな?」と言ってから少女は自分の顔を隠している仮面を外す。その素顔を見て俺は驚いてしまい絶句してしまうが、俺の驚きが気に入らない様子だった。

「どうして驚くの?だって私は、貴方たちが知っている人物と同じ容姿をしていたんだもん」

その言葉を聞いて俺は目の前にいる少女が自分の妹の瑠璃と同じような容姿をしていることに気づく。そして目の前の存在の言葉を聞く限りでは目の前にいるのは妹と同一人物だということになる。その事実を受け止められずにいたが俺は必死に自分の頭を回転させて目の前の存在と、自分が知っている妹の特徴が一致しているかどうかを思い出そうとするが俺は目の前の相手が誰なのか分からなかった。そして少女は再び口を開いたのだった。

(前略)

その光景を見た俺は呆然と立ち尽くしていると俺に向かって少女は話しかけてくる。

「君はどうやら私のことを知っているようだけど残念だね。でも、今は関係ないことだ。それに今ここで戦うつもりもないので今回は見逃してあげるよ」と言って俺のことを見つめてくると、俺に向かって右手を差し出してきた。

俺が差し出された手を握るとその手を引っ張られて立ち上がることができた。

俺は立ち上がった後に、少女が言った「君に私の名前を預けてあげましょう。私の名前は、アリサ。貴方にまた会う時までその名前を大切にしておいてくださいね」といって笑顔を見せた。

そして俺は自分の体を確かめるように自分の体に意識を向けると自分の身体の違和感に気づいてしまった。自分の体はボロボロになっているはずなのに痛みはなくなっていたのである。そのことに俺は驚いた表情をするがそんなことを俺が知る余地はなかった。なぜなら俺はすぐにメイのことを探すために周囲を確認し始めるとそこには地面に座り込んでいる少女を見つける。

(後略)

そして少女は、自分の顔を俺に見せつけてきたのであった。(後略)

俺はメイのことを確認するが俺に背中を向けていた。俺は目の前に起きている現実を理解することができなかった。目の前の少女の正体に気づいた俺は、必死にその事を否定したが俺の心の中では否定できないでいるのを感じていた。そして少女の口元が動き出すと俺に向かって「やっと、わかったの?」という言葉を口にしたのである。そしてその言葉を言われた瞬間、俺の中で何かが崩れていくような音が聞こえていた。そして俺の顔は、無意識に涙を流し始めていたことに気づいた。

目の前に立っている少女を見た俺は膝をつくようにして地面に座ってしまう。目の前の少女の存在が何者なのかわかっているからこそ俺は、絶望を感じている。だが目の前にいる存在に確認しなければいけなかったので俺は勇気を出して聞いてみることにする。

「まさか本当に、魔王本人だと言うのか」

(後略)

すると目の前にいる少女はゆっくりと目を閉じたかと思うと突然目を開き始めて、自分の体を眺めている。俺はそんな光景を見ながら俺は「なぁ、お前が本物だという証拠を見せてくれ」と頼むと、少女は首を横に振る。そして「じゃあ証明する方法は私に聞くより自分自身で答えを出すほうが早いと思うわ。でも今の貴方じゃ無理だろうけど」と言って笑みを見せる。

「どういう意味だ」

俺は目の前の少女にそう聞き返すが彼女はその問いに対しては答えなかった。

俺はメイのことを守るためにも目の前にいる少女に挑まなければと思ったが彼女は俺に近づこうとしなかったのであった。そして彼女は自分の正体を教えてくれるのであった。

(後略)

俺が目の前にいる女性のことを見ているとその女性がこちらに向かって微笑んでくれていた。

俺は、目の前にいる女性が誰なのかが分かり始めていく。その人物は俺がずっと探し続けていた存在である。その女性は俺のことを優しく抱き寄せてくれると俺は彼女の胸の中で泣いてしまう。そして、彼女が口にしてくれた言葉に涙を流すと俺は目の前にいる女性の胸に顔をうずめてしまった。

その日の夜になると目の前の女性が食事を作ってくれるというので、俺はお言葉に甘えることにした。

(前略)

目の前の人物から放たれる殺意を感じた俺は、咄嵯の判断でその場から逃げることを選ぶ。しかし俺は目の前の人間と戦えば負けてしまうと分かっていた。

俺は目の前の敵と戦うことはせず逃げようとするが、俺の視界から消えても追いかけてきそうなほどの気配を感じる。

俺はメイと一緒に森の中を歩いているとメイは疲れ切っていた。

しかし、目の前に森が広がっているため休む場所を見つけないといけないと考えていた時だった。俺達の目の前には一軒の家が建っているのが見えた。

俺は「ちょっと休ませてもらえないか?」とお願いするのであった。メイは「そうだね」と言うので二人で家まで近づいていく。しかし家の周囲には人の気配はなく無人のように感じたので、ドアを開けると鍵はかかっていなかった。

(後略)

そしてメイが俺の前に立ち塞がると、その女性に対して敵意を見せる。

俺達の姿を確認した彼女は、「君たち誰なの?こんなところで何をしているのかな?それになんで子供がこの国に入ってきているのかな?」と言った。

「私たちは、ある人を探しているの!」

俺の事を守ってくれようとしている姿に俺は心の底から嬉しく思ったが目の前の相手はかなりの手練れのようだと感じる。

しかし、俺を庇おうとしている女の子のことが心配になったので俺は彼女に話しかける。

「俺は大丈夫だから。それより君に怪我がないのかを確かめたいから傷をみせてほしい」と言うと、俺は目の前の女性のほうに歩み寄った。

俺の言葉を聞いた彼女は俺のことを見下すように見てきたので俺はその目を見返した。その瞳には、恐怖などは全く感じられない。その事に俺は驚いたがすぐにその視線の意味に気づくことになる。

その女性は、「君たちはいったい、どこから入ってきたの?ここには誰も入ってこれない結界が貼ってあったんだけど?」と言われ、俺は答える。

「俺たちは魔の森を抜けてここまでやってきたんです。」と答えると女性は「なるほど。それで君たちがここにきた理由は、私に会いに来ようと思ってやって来たということかな?」と言われたのであった。

「はい。その通りです」

俺の返事を聞くと目の前にいる人物は、しばらく考え込んでしまう。

(中略)

俺はメイのことを考えるとこれ以上、彼女を危険な目に合わせることはできないと思い。

「俺と妹が、ここを出ていきます」と言って、この家から出ることに決めると俺とメイは立ち上がり、扉の方に向かうが、その女性は俺と妹に待ってほしいと伝えてくる。

俺はその女性を見ると、目の前にいる女性を鑑定することにしたのである。

(後略)

俺は目の前の相手の強さを改めて感じさせられていた。それは俺よりも圧倒的に強いと理解してしまったからである。その事が俺の足を止めてしまう原因になってしまう。そして俺は覚悟を決めて前に出る。

俺が戦闘をしようとしているのを察した彼女は、腰の剣を抜いた。俺はその動きに驚いてしまったが俺は、目の前の相手の懐に飛び込もうとしたが、俺は相手が俺の隙を狙っていたことに気づかされるのであった。

俺はその攻撃を避けようと動いた瞬間に俺は腹から肩にかけて激痛が走り倒れ込むと目の前に刀が振り落とされた瞬間だった。俺は必死に地面の方に避けるとそのまま立ち上がることができずにいた。そして、その瞬間、俺は死を感じてしまう。

(後略)

俺は少女に殺されることを悟ると目を瞑ってしまう。その光景を見た俺は「メイ、ごめん」と言ってしまったのである。そして俺の命が尽きようとしていたその時だった。

(以下省略 後書き)

「あなた達は、どうしてこんな所にいるんだ?それに君たちの装備はとてもボロボロだし何かあったのか?」

俺はその質問に対して、答えられなかったのであった。そして少女はメイのことを見ると笑顔で「君は大丈夫みたいだね」と言うのである。俺はその様子を見て驚きの声をあげると、目の前にいる相手がメイを見ていたことに気づきメイを庇うようにして立ちふさがるが次の一言で俺の動きは止まってしまうのであった。

「どうして私が君を殺さないのかわかるかな?」と微笑んでいたからだ。その瞬間俺は全身が震えてしまい動くこともできない状態になっていたのだ。そしてそんな俺を見た彼女は俺に向かって言ってくる。

俺はその言葉で我に返ることができた。

そして少女の言葉を聞いた俺はメイを守るようにして立っていた身体を退けた。

「さっきの質問だけど俺達に何か用でもあるのか?」

俺の言葉に少女は首を傾げると、何かに気づいたのか口を開く。

「君は、もしかしてあの子の弟か、あるいは兄弟か、どちらなのかな?」

(後略)

そして俺とメイはその人に連れられ、街の中心部にある宿屋に連れてこられた。その建物はレンガで作られているようで、外見も中々綺麗で部屋の中に入れてもらった。そして少女は部屋のベッドに座るように指示してくれる。俺は指示通りに座ると隣にメイも座らせてくれる。そしてその人は、俺達の顔を見るなり笑い出すと「なんだよお前たち兄妹か。似てるとは思っていたけどやっぱりそうだったのか」と言ってくれたのである。

「あんた、名前はなんて言うんだ」と俺が聞くと少女は「ああ、そういえば言ってなかったな」と言ってから自分の名前を名乗ってくれたのである。

そして、俺の名前を聞いて驚くとその少女は、俺のことを抱きしめてくれた。俺はその状況に困惑しながらも、彼女の背中を撫でるように手を回すと安心感に包まれるような感覚に陥ってしまう。

(前略)

「私は、レイア=アーチェスだよ」と言うとその少女の容姿と年齢にしては不相応にも思えるほどの妖艶な雰囲気を感じ取ってしまう。俺は目の前の少女の雰囲気に飲み込まれないよう意識して話をすることにすると、少女は話を始めるのだった。

少女の名前は、アリサ。俺達の住んでいる場所からは遥か南の国から来たのだという。

そして少女が俺達に声をかけてきた目的は、俺とメイを王都の学校に留学させる手続きを行うためだったらしい。俺はアリサから詳しい説明を聞くことになった。

(後略)

「俺はこの国にいるある人物を探すためにやってきたんだ。そしてお前に会ったのもただの偶然だ」

俺は目の前の少女に、自分が探している少女のことを教えるつもりはなかった。目の前にいるアリサと名乗る女性は、「なるほどね」と納得していたがその言葉に俺は少し引っ掛かるものがあったので俺は確認をすることにする。

「お前はいったい何者なんだ?それになぜ、この場所で暮らしている?ここは王国のはずなのに」

俺の言葉に対して目の前にいる少女は何も答えず黙っているだけだったが、そんな様子の目の前にいる女性に対して俺は警戒を強めてしまうと、俺はその女性が纏っている魔力のオーラが強大すぎて立っているだけでも精一杯になってくる。そんな様子を見ていた女性は「大丈夫、もう襲わないよ。君たちを襲ったら私の目的に支障が出ちゃうから。だから、安心しなさい。そしてその事については今は教えないけれど、この国の王女様から依頼を受けていてその仕事をしていたの」と言ってきたのである。

その言葉を聞いた俺はさらに、この女性が本当に何者であるのかを知ろうと観察するように視線をおくった。しかし女性は俺に構わずに、俺達が泊まっている宿屋から出て行こうとしていた。俺はその事に気づくと俺は慌てて「俺達はこれからどうすればいいんだ」と言うと。

「とりあえずこの王国で暮らしていきながら冒険者として登録をしておいた方がいいんじゃないかな? そしてその妹ちゃんを私の弟子として一緒に活動してもらうから。じゃあね。バイバーイ」と言ってから目の前の女性はどこかに行ってしまったのであった。

そして俺はメイと二人っきりになってしまったので今後のことについて話し合おうとした時に、俺のステータスにメイが俺のことを庇ってくれたせいなのか俺のレベルが上がっていたことに気付く。俺は目の前にいる妹に対して、俺が庇わなければレベルが上がることが無かったかもしれないと伝えるがメイは、「私もお兄ちゃんと一緒にいたいから気にしないで!」と言ってくれると、俺の胸の中で泣き出し始めてしまうのだった。

(後略)

目の前の人の言葉に耳を傾けていたが俺には信じ難く感じてしまっていた。その人の説明によると、この世界は地球とは別次元の世界であり、俺が住んでいた地球では考えられない生物が存在しているとのことだった。そしてその説明が終わると目の前の人によって俺達がいる場所は「アースティアという異世界で魔法と剣が主流の世界なのだと改めて説明されるのである。そして俺と妹のいる世界には魔物が存在し、人間を喰らうために俺達の世界に現れているとも教えてくれるのであった。

その話を聞いた俺は妹を危険が及ぶ可能性のある場所に連れて行くことは絶対にしないと決めた俺は、目の前の人に対して妹と別れることを願い出ることにした。しかしそんな俺に彼女はある事実を教えてくれたのであった。

(中略)

「君たちが持っているアイテムバッグについて聞きたいことがあるんだけど良いかな?」

「俺たちにわかることなら大丈夫です」

俺は彼女が俺とメイが身に付けているマジックバックに興味を示したことから、何か情報を聞けるかもしれないと思ったのだ。そして彼女はその情報を教えてくれた。

「君たちが手に持っているそのマジックバックはね、空間庫というものらしく、君たちのように他の世界の住人でも扱えるものらしいんだよ。しかもこの世界ではかなり珍しいもので国宝として扱われているらしいんだよね。それを君が持っていて妹ちゃんは君が持ってないって事はもしかすると、この世界の人とは違う種族でその特殊な力が働いたのかもしれません」と、その言葉を聞いた俺は驚きながらも彼女に対してその言葉の意味を聞いてみる。そしてその言葉を肯定されると、目の前にいる女性はある一つのスキル名を伝えてきたのであった。

その女性は「君が手に入れた【勇者】っていう称号はね、どんな職業の人から手に入れてもその効果を発揮してしまうみたいなんだ。だから君の場合は、元々のポテンシャルが高くてもおかしくないという事だと思う」と言うと、俺はその言葉で俺は疑問が頭の中に出てきたのである。

それは目の前にいる女性と初めて出会ったときに彼女が言ったセリフを思い出したのである。(中略)

「えっ、ちょっと待って、なんで俺がこんな所に?」

(中略)

「そんなことをしても意味がないと思うよ。それだったら、君たちは早くその力をコントロールできるように訓練した方が良いと思います。そのほうが君の力も伸びるだろうし、今のままの状態よりも遥かに強くなりますから」と、彼女は言ってくる。そして続けて彼女はこう告げた。

「その指輪はね、この世界を管理をしている神族が作ったと言われているものなんだ。そしてこの指輪を持っていることでこの世界の恩恵を受けれるようになるんだよ。つまりその力で君が努力をしないといけないんです。頑張りたまえ少年」と、俺にそう言ってくると目の前の女性は去っていったのであった。

俺が目の前にいる女性の言っている事を考えている間に、俺の足元は崩れて行き俺は奈落の底に落ちていった。

「ああ、やべぇ」と俺は叫ぶがその声すらもかき消されるような感覚に陥っていた。

そしてそのまま俺の視界は真っ暗になってしまうのであった。

(以下略)

目の前にいる女性が何を俺に求めようとしているのか理解できなくなっていた。

(以下略)

目の前の彼女は「まぁそんなに心配することなんて無いから大丈夫」と言っていた。俺は彼女の表情を見ていると俺のことを騙してまでここに連れて来たように思えたのだ。

(以下略)

そして目の前の女性が俺のことを見つめてきて何かを考え込んでいた。

俺はそんな目の前の彼女の考え込む姿をみながら、どういった結論に至ったのかを待ち続けるのである。そして彼女の言葉は、俺にとってあまりにも衝撃的だった。

(以下略)

「この指輪が貴方の手の中に現れた理由は、私が与えた試練を突破したからだ。だから貴方はその資格がある。私は、あなたに頼み事がある」と言ってきた。俺はその話の内容を聞くことに決める。

俺は目の前の人の言葉に対して、目の前の女性がなぜ俺と妹の前に現れたのかその理由を聞くと彼女は、この国の王都の学園に通うように言ってきた。(中略)

「私も君たちに協力をする。それに君はその力を使いこなすことが大事なんだ」と、目の前の人が言い出す。しかし俺としてはそんなに急ぐ理由も無いと考えていたため、俺は妹のメイを連れて別の都市に移動しようとしていた。だがそこで妹と離れることだけは嫌だったため一緒に行動することにした。

そして俺達はこの王国の城下町で宿を取ることにした。

そして翌朝になり、朝早くから街を見て回ることにするのだがその時にある人物が話しかけてきたのである。その人物はアリサと名乗り、「今日は暇なのよ、少しだけでいいから私の遊び相手に付き合って欲しい」と言うのだった。

(後略)

「私は、君たち兄妹に興味があったからね。君が本当に勇者と呼ばれるにふさわしい人間なのかどうかを確かめる必要もあるし」と言ってくる。俺は目の前の少女が俺のことを勇者と呼んだことについて聞いてみると。

(中略)

俺は目の前の人の質問に答えると目の前の人は俺が持っていた指輪を指差してきた。

そして俺にその指輪を貸して欲しいと言うのだった。

「さて、君たちがこれからも強くなっていけるかどうかを試させて貰おう」と、彼女は言い放つと俺は、目の前の少女に対して恐怖のようなものを感じてしまい動けなくなってしまうのであった。そして俺とメイは少女の言葉に逆らうことなど出来ずに少女の指示に従うことになる。

俺達が少女に従って王都の街中へと出掛けると、少女はある建物の扉の前に立った。俺はそんな建物に見覚えは無かったがメイの方は少しだけ知っていたようで、「あれ?ここはギルドだよね?どうしてこんなところに連れてこられたのかな?もしかしてお兄ちゃんが昨日やったことをやり返すためにここに来たのかな?うーん?」と言ってきた。俺はその言葉を聞いてこの場に居たくないと思ってしまいそうになると、俺はそんな俺の様子を見たからなのか目の前にいたアリサと名乗る少女が笑い出したのである。そしてアリサと名乗る女性は、この場所に何しに来たのかを俺に説明をしてくるのだった。

俺はアリサと名乗る女性の説明を聞き終わると「確かにあなたの言葉を信じると俺と妹に危害を加えることは無いみたいだけど、でもこの先どうなるか分からないぞ?俺は、これからどうすればいいんだ?」と言い放ってしまう。

そんな時でも目の前の女性は一切顔色を変えること無く笑っているだけだった。俺は、そんな彼女に対して「なにを企んでいるんだ」と言ってみるがそんな言葉に目の前の彼女は笑うだけだった。

そんな時に、俺達が泊まっていた宿屋に戻ってきたあの二人が目の前に現れたのである。目の前の人の言葉に俺が動揺してしまう。

(中略)

俺はそんな彼女の様子を見ながらも警戒しながらその人を観察すると。彼女は俺のことを睨むのをやめた後に俺に向かって話しかけてきた。

そして俺は彼女との話し合いで自分のことを俺に教えるという約束で、俺は俺に俺が知っていることを話す事にしたのである。そして俺は目の前の人との取引で俺は俺の知り得る知識をすべて彼女に渡す事にしたのだった。俺は目の前の人からこの世界には存在しない言語と数字について教わるのであった。

(後略)

俺は俺にそのスキルについて尋ねてくる目の前の人の言葉を信じられなかった。そして、俺の持つスキルについても教えてくれた。

その説明を受けた俺は目の前にいる彼女が言うスキルについて信じざるを得ないのである。

そして俺はその人の提案を受け入れることにすると、俺と彼女はその場で握手を交わす。そして彼女は俺と妹に付いてくるように言ってくる。俺は俺の妹に対して「ごめんな、でもお前がここで生きていくためにはこうするしかないんだよ」と言って妹を抱きしめてからその場から離れるのであった。そして妹を宿屋の従業員に預けた後で俺は、俺にいろいろと説明してくれてありがとうございますとお礼を言う。そして目の前にいる彼女と一緒に王都の外に出ようとする。そして王都の外で俺に彼女はあることをお願いしてきた。俺はそんな彼女の願いを承諾すると、目の前の人に俺が得た力を使って欲しいと言われるのであった。

俺は彼女の願いを受け入れながらもその対価として、彼女のことを教えるという条件を飲むことにした。そして俺に力について彼女が語り始めたのである。

(中略)

そして俺は目の前にいる人からある提案を受ける。それは目の前の人がこの世界の創造主からこの世界に遣わされたという証明をするからその手伝いをして欲しいというのだ。そして目の前の人物はこの世界に危機が訪れるからそれを救ってもらうのを手伝ってほしいと言われた。そして俺はその人物に言われるがままに行動していくと俺はあるスキルを得るのであった。

「そう言えば俺が勇者だって言われているけど俺はただの一般人だよ。それなのになんでみんな勇者なんて呼ぶんだろうな」と、俺にその力を与えてくれた女性に対してそう問いかけると「貴方はその勇者が持つ特別な力が発現できる可能性があるからね。その力を持って貴方はその世界で人々を導いていくことになるんだよ」と言うと彼女は去っていくのである。

そして俺は目の前の女性の背中を見送りながら俺が手に入れた力が何かを考えながら俺はこれからどうするかを考えながら俺達はこの王都の学園に入ることを決めたのであった。

俺は、妹に王都の近くにある森に行く事を伝えるとその事を了承してくれた。俺達が森の中に入ると目の前に魔獣が現われる。その魔獣は『コボルト』と呼ばれていてレベルが30とかなりの強さを誇っている魔獣であったが、俺は特に苦労することも無くその敵を倒してしまったのである。

(以下略)

「それじゃあ私はこの辺を散歩しているから、もし私が近くにいるって分かっていたら連絡をしてちょうだいね」と言ってくる。

そんな俺が彼女と話しているとそこにまた一人現れた。そしてそいつはアリサと名乗った。俺はこいつが誰でなんのために現れたのかを考えるとすぐに結論にたどり着くことが出来たのだった。

(中略)

アリサと名乗る人物は俺達に話しかけてきたのだが俺が「ちょっと用事が出来たから妹と一緒に行ってくれないか?」と頼んで妹を連れて行ってもらったのであった。

俺達と話をしていたのは、その国で二番目に強いとされている騎士のアリエルさんだった。

その人の名前は、アリッサ。

彼女は騎士団長でもあり俺に力を貸してくれることになったのだ。

その力とは俺が魔王から授かった能力である。そして彼女はこう言い出した。

俺は、目の前の少女が言っていることは本当だと信じることにしたのである。だがそれでもやはり納得できない部分が多々あった。だがそんな時にある女性が姿を現したのだった。

そんな女性に案内されて辿り着いたのはとある大きな家である。そして目の前の女性は、「さぁ入ってちょうだいな」と言い出して俺は中に入っていくことにしたのだった。

そこには俺達が知らない人達が集まっていて、そんな場所に足を踏み入れることになったのである。そんな場所で俺が見た物は、多くの冒険者だったのだ。そして俺が連れてこられた理由はそこで、この国の国王と話をつけろとのことだった。

その女性は、この世界に存在する魔法のことについて語り始める。俺は目の前の女性が何をしようとしているのかを想像していたのであった。

そんな時になって突然現れたアリサと名乗った少女。そしてアリサは俺に話しかけてくる。

(中略)

「私もあなたに聞きたいことがあるんだけど」と俺に対して聞いてきた。俺はその質問にどう答えるべきか考えていたのだが目の前の少女はそんな俺の様子を見て笑い出す。

そして俺は、この世界に召喚された理由について考え始めていた。だがその答えを出す前に俺に力を貸してくれた人物が目の前に立っていたのである。

「ああやっぱり君か、久しぶりだね」と言って俺に手を差し出してきた。その人物こそが俺に力をくれた人であり俺がこの世界で初めて出会った人物であるアリサという名前を持った少女だった。

そんな俺は彼女の手を掴むと彼女と握手を交わそうとする。そして俺の体から光の球体が現れてアリサと名乗った少女の体内へと入っていく。アリサと名乗っていた少女の体に光の球体が入った途端に俺の体からも光の球体が飛び出していったのである。

(以下略)

俺は、目の前に現れた女性の言葉を聞いても理解が出来なかった。俺は目の前に現れた女性の言葉に耳を傾ける事にした。

そして、俺は目の前の人が何を言い出すのかを黙って待つことにしてみたのであった。そして彼女は、自分から自己紹介を始めた。

(中略)

「なっ?!あんたが魔王なのかよ」と声を出してしまうがそんな俺に構うことなく魔王と呼ばれた彼女は言葉を続けていく。そしてそんな彼女に対して俺は質問をしたのだった。

俺は目の前の少女が何を求めているのかを考えてみる。

「君はいったい何をしたいんだ?俺に協力して欲しいならその対価は?」と、質問をぶつける。そんな俺に対して彼女は答えることはなく俺達の方に歩いてくる。そして俺の前までやってくると、

「まあいいでしょう。今は何も教えませんがいずれ貴方が協力してくれる時に、この世界を救えるように手助けをしましょう」と言って立ち去っていったのである。そしてアリサと名乗る少女の姿が完全に消えると、今までこの部屋で俺達が戦っていた相手の姿が一瞬にして消えていたのであった。

そして俺はこの部屋の奥にあった階段を使って上の階層に行こうとするとメイの悲鳴が聞こえてきたのである。そして俺はその悲鳴の聞こえる方角に急いで向かったのであった。

(後略)

「なるほどね。この子は君の家族ってことか」と俺に向かって告げてくる。そんな言葉を聞いて俺は「そうだ。それでこれから俺は、こいつを連れて街に戻るつもりだけど」と言葉を放つ。

そしてそんな時だった。突然背後に現れた男によって俺の意識が奪われそうになる。そしてそんな状況の中目の前に現れた男は俺の意識を奪い去ろうとしてくる。その事に気づいたのかメイは必死に抵抗する。そんな時にアリサが動き出してきて俺に攻撃を加えてくる。

(後略)

そして俺はそんな目の前の人物の言葉を素直に受け取る。俺はそんな言葉を告げてきたアリエルという人について行く事にしたのであった。そして俺は目の前の女性に着いて行くことにしたのである。

(後略)

「分かったわ、とりあえず貴方の力については信じましょう。それじゃあさっきの話に出てきた場所についての説明をするわね。まず、私達はこの世界に危機が訪れないかどうかを確かめにここにやってきたわ。でもまだこの世界のどこが危険に晒されているのかは分かっていない状態ね。そしてここがその危機に瀕されている可能性があるのよ」と、彼女は言う。そして、その場所とは一体何処なのだろうかと思いながら俺はアリサの後を追っていくのであった。

(以下省略)

そして目の前の女性が言った通りに目の前に魔獣が姿を現す。そしてアリサと名乗った女性の言葉を聞いた俺達の前に現れたのは、『魔獣』と呼ばれる化け物だった。

「これが『モンスターテイム』の力なのですね」とその魔獣を見ながら彼女は言ってくる。俺は「はい。これが俺がこの世界で手に入れたスキルです」と返答を返した。そして、俺は『コボルト』と戦うことにした。そして俺はコボルトを倒すことに成功する。

そんな時になって目の前に出現したのは魔獣である『コボルト』ではなく先程まで話をしていたアリサさんであった。彼女は俺の前に姿を現したのであった。

(以下略)

「なるほど、では君たちは、その異世界から来たってことでいいんだね?」「はい」俺は、俺とアリサさんについて来たアリサさんが、なぜ俺たちがこの世界に来てしまったのかという事を教えてくれる。

そしてアリサさんの話を最後まで聞いた上で、アリサは俺たちに付いてくるように言って歩き始めた。俺と妹はその背中を追いかけて走り出したのであった。

俺は目の前にいる少女から発せられる気配に思わず息を飲み込んでしまう。

目の前の少女の体からは俺と同じ様に不思議な力を感じ取れている。おそらく目の前の少女が何か特殊なスキルを持っている可能性が高いだろう。そんな少女から感じられる圧力に俺は少しばかり緊張をしてしまう。だがその空気はすぐに変わることになる。

「ふぅ〜危なかったわ〜」と言いながら目の前にいた女性が後ろを振り向いてくるとその瞬間、先程の緊張感が全て嘘だったかのように感じ取れるようになったのだ。

その事からこの女性が只者では無いと理解できた。

(後略)

(以下略)

そしてそんな俺は『ステータスプレート』を手に取り名前欄を見ると『神薙瞬斗』となっている事を知るのである。そして俺は、この世界に来て自分のステータスを見つめてみた。

(以下略)

そんな時、突然として頭の中で「この世界に脅威が迫っています。その敵を打ち倒すためにはあなた方の力が必要なのです」という言葉が聞こえてきた。俺は、その声に反応したのだが周りの皆の反応はなかった。

その事が気になりながらも俺とアリサは、この世界の脅威をどうにかするために向かうことにしたのであった。

(後略)

そして目の前に姿を現した魔族に対してアリサと名乗る少女は「お前は何のためにこの世界に姿を現したんだ?」と言うと「我はこの世界を支配するために現れたのですよ。そうすれば我々魔族の思うがままに動く事が出来るからです。そしてこの世界に新たな秩序を作り出そうとしているのですよ!」と、魔族は答えるのであった。そして「それを阻止するのであれば私はここで戦うしかなさそうですねぇ」と言い出したのである。

(後略)

目の前の女性が話し始めた。だが、この女性が話す内容はとても興味深いものだった。

そして俺はこの人の言葉を聞くために耳を傾けることにしたのだった。

「私は貴方達二人を鍛えます。そして必ずや魔王を討ち倒してもらいたいのよ。それにはまずは私のことを信頼してちょうだい。それからは私が貴方達に教えてあげるわ。まずは、私のことを覚えてもらう為に私も名乗るわね。私の名前はアリッサ=セクト」

その女性は、アリッサと名乗ってきた。

その名前を聞いても正直に俺は信じることが出来ないでいた。それはなぜか? その答えとしては簡単だ。目の前の女性は、とても若い外見をしていたからである。

俺はそんなアリッサと名乗った少女の容姿を見ても信じられずに、どうしたものかと考えていた。そして俺は、目の前の女性に話しかける事にしたのである。

「本当にあなたが、この世界の危機から守ろうとしている存在なのか?」

俺の問いかけに答えようとはしなかったのだが俺の後ろにいるメイのほうをじっと見つめるとメイにだけ笑顔を向けていた。そんな様子を目にして、この人が本当の事を言っているんだなと理解する。だがそんな時にアリサは、突然と姿を消してしまう。

(中略)

そんなこんながあり、アリサという女性の言葉に従うことになった。だがその道のりは険しく困難を極めることになってしまうのだった。そんな時に俺が遭遇したのは謎の生物だった。その生き物には言葉が通じないらしく、こちらから攻撃をしないと襲いかかってきたのである。

そのことから、言葉を話すことは出来ないのかなと考えてしまう。その謎の生物から逃げるようにその場から逃げ出すことにしたのであった。そして、逃げ込んだ先は巨大な木がある場所だった。そこで休憩をすることにした俺達はそこで一夜を過ごすことにする。

俺はその日の夜、眠れず起き上がった。

「なんだ?どうした?なんかあったか?まぁ大体予想つくけど」と、アリサの声が聞こえると、「あー、やっぱりアリサさんか。実はね今さっき俺が寝てる時変な奴らが来てね」と説明していく。するとアリサは俺に「そいつらは人間なのか?どんな奴らだった?何人ぐらいだった?どんな姿してた?」などと言ってきた。俺は、俺の体験したことを全て伝えると、

「なるほどな、じゃあそいつらも俺の仲間だ」とアリサは言うと「こっちからも行くから待っててくれよな」と俺に伝えるとアリサの姿が消えていった。そして俺とメイは再び、眠りにつくのであった。

(以下略)

「俺の名は、ザックス、俺に着いてくれば、俺の剣技を全て教えてやるぜ。それとお前のスキルのことも教えてやるよ。だから俺についてきな」と俺に向かって言葉を放つ。そんな彼の言葉に少し警戒しつつも着いていくことにする。

俺は今現在この異世界に来たばかりでこの世界で生き抜くための術が分かっていない状態である。だからこそ俺は目の前の男の言葉を素直に受け取ることにしたのであった。そしてその男に着いて行くことに決めて俺は着いて行く。

俺は、アリサと名乗る少女から、今の世界の危機を教えてもらった上で、その対策のための手段を考えながら、アリサについていく事にした。

(以下略)

アリサさんの言葉にメイと俺は、その言葉を受け入れることにしたのであった。

(以下省略)

「まあそんなことは今はどうでもいいんだけどな、とにかくあんたが魔王でいいんだよな?」「ああ」と返事を返してから俺は質問を続ける「まあお前の正体については色々と聞かないでおくけど、それで、なんで魔王って呼ばれてんの?」と、俺が疑問をぶつけてみると、彼女は少し間を置いて「そうだな。確かにそのことについては詳しく説明する必要はあるか」と言い始めると、 俺はアリサの話に耳を傾けることにしたのであった。

「まあいいだろう、そこまで詳しいわけじゃないが、それでもいいなら話しておくが、そうだな簡単に言えば俺は、魔王と呼ばれている存在ということだ」と、その事実を聞かされた時に俺は驚いたが「でもさ」という一言を発することにしたのである。「俺は別にこの世界に戦争を起こそうと思ってここにやって来たんじゃないぞ」と俺は言う。

「どういうこと?」

俺がそういうとアリサは、 俺に近づいてきて顔を近づけて「それはな」と言う。そして俺が聞きたくない言葉が聞こえてくる。

「私がこの世界を、侵略しようとしているからだ」

俺はそのアリサの言葉を聞いたときに思った。なぜそんな事を言い出したのかが不思議だったのだ。

「どうしてそんな事を考えたのかが俺には分からん」

「なぜ?」

「まずは理由を聞かせろよ。いきなりそんな事言われたとしても俺だって理解できないんだからよ」

俺の言葉にアリサさんは、考えながら俺に語りかけてきた。

「分かったよ。それでは話してあげる。その理由とは、私がこの世界に来る前の事、私にも仲間がいたんだ」

「なるほど、その仲間はもう死んじまったってことか」

俺がそう言い返すと、

「いや、生きてると思う」と答えると

「生きていたとして、どこに?」と俺は聞くと

「分からない、この世界から出られないんだ」

「つまりこの世界から出る方法がないということか?」俺の問いにアリサは何も言わずに首を縦に降り「そうだ」と答えたのであった。

「ちなみに名前は?」と聞くと、 彼女はこう答えたのである。「私の名はルシフェル」と、その名を口にしたときの顔つきが変わるのを俺は確認したのである。そしてその名前を聞いて俺は心の中で納得をしたのであった

(以下略)

(以下略)

「という訳でお前たち二人が、この世界の勇者ということになるのかもしれないな」

そう言って、目の前の少女アリサと名乗った女性は笑う。

俺はアリサさんの言っている言葉を信じる事にした。

だがその時だった。突如現れた謎の存在が「うおぉぉ!」と叫び声を上げるとそのまま走り去っていった。

その光景を見た俺はその謎の生物を追いかけて走り出した。

だがその前にアリッサが立ちはだかる。

「どこに行く気だよ、まだ終わってねーぞ!」

そんな事をいう彼女を無視して、俺は走ると、後ろから「仕方がねぇ、おい、あいつを止めるぞ」と言うと二人の男女が現れるとアリサに加勢してきた。

俺は三人に囲まれるような形で戦いが始まったのである。

(以下略)

アリサが言った、この世界に来た目的が本当であると俺に教えてくれる。その話を俺は聞いていると「それで、これからどうする?」という言葉が出てきた。俺はその言葉を言われると、俺はどうしたらいいのかという悩みが生まれるが、すぐに決断を下す必要があると思い考えることにしたのである。

そして俺はアリサの案内の元でこの国を回ることにした。

(後略)

アリサは俺に向かって言葉を放ってきた「そういやお前のスキルのことだが」という言葉が耳に入ってくると「もしかしたら、お前のスキルはこの世界にないものだ」と言われると、「そんなはずはないだろう」と言いたくなるが、このアリサの言葉は嘘を言っているとは思えない雰囲気だった。

だが俺は自分のステータス画面を開いて確かめてみるが俺の持つスキルの中に、その『鑑定』の類の能力を持っているものは無かったのである。

だがその時にふと頭の中で、俺は自分が今までに出会った人、その人物達のステータスが脳裏に浮かび上がってくる感覚に襲われてしまう。

俺の前に立ちふさがった女騎士もそうであるし、目の前のアリサという人物もそうであるがそれ以外にも出会った人全ての名前が思い出せる。俺は、それらの名前を確認するように呟いたのであった。

(中略)

「なるほど、それだったら、私の仲間になってもらうしかないね」

俺が悩んでいるところに声をかけてきたアリッサさんは俺の手を握って「とりあえず私に付いて来て欲しい場所があるんだ。そこに向かうけど大丈夫かな?まぁ多分だけど、そこで君も色々と学べることがあると思うよ」と言ってきた。

(以下略)

(以下略)

「お前ら二人にこれを渡しておくぜ」と言って俺達に手渡してきてくれたものがある。

「この武器を使ってくれ」と言って俺達に何かを渡してくれようとするがアリサはそれを止めた。そして彼女はこう言った。「ちょっとまってな」と言ってアリサは懐から何かを取り出そうとするがなかなか見つからない様子だったので俺は彼女の手伝いをすることにしたのだ。だがそんな時でもメイは動かずに、ずっとアリサの事を見つめ続けていた。その目を見て何を考えているのだろうと俺は思うのだったのだが、 そんな時である、突然の出来事だった。

謎の物体が空から降ってきて俺たちの近くに落ちたのだ。その正体不明の生物から突然炎が吐き出されると地面から煙が上がり始める、それと同時にアリサが叫ぶようにして「伏せろ!!」という掛け声を出すと俺はその行動に従った。その瞬間に爆風が起こり周囲に衝撃が広がる、 そして俺とアリサとメイはその衝撃波に吹き飛ばされてしまい俺達はその場に倒れ込んでしまう。地面に叩きつけられたような衝撃を受けると俺はそこで意識が途絶えてしまう。

俺はそこで、気絶したのかわからない状態のまましばらく時間が流れていった。

そしてしばらくして俺は目を覚ますとそこには俺が寝ていたベッドのそばで座っているメイが居た。メイの膝の上にはなぜかアリサの姿もあった。

(以下省略)

そしてアリサに俺はある言葉を投げかける「魔王とかいうのが俺に関係してくるって言うけどよ、一体なんで俺を魔王呼ばわりする必要があるんだよ?」と俺は言うと「さあな」と言って俺の言葉を誤魔化すと、続けて言葉を発する。「私は、この世界を侵略するために来た。お前の持っている力がそれを実現できるものだと知った時からだ。だからお前を勧誘していたんだよ」と言う。

「なんでそんな事を」と言い返そうとすると「それはお前の力があれば世界を侵略することができると判断したからだ」と言い始める。

(中略)

(後略)

そしてアリサに「俺はお前に協力することは出来ない、だからお前とは一緒にはいれないよ」と言ったのだが「なんだよお前?いきなり」と言われてしまう。そして俺はこう答えた。「俺の願いはこの世界に居るはずの友達を助けることだ。そのために今は戦わないといけない。その相手が誰なのか分からないが、その誰かと戦うことになるまでは、この世界で生きていかないと行けないんだ」と俺は言葉を続けた。すると「まあそんなことだろうと思ったよ」と言われたのであった。

(以下省略)

そんな事があったのであった。

アリサの言葉を聞いた俺はどうするべきか悩んでいたのであった。

(後略)

アリサから話を聞く限りどう考えても俺は、この世界で生きていかなければならないようになってしまった。だからこそ、この世界で生き残れるようになるために、俺は、まずは強くなる必要があると考えたのだ。

そしてこの異世界で生きるために必要なことは力を付けることである。そのために必要な事は何かと考えれば考える程、今の俺は強くならないと生きていけないのだという現実を突きつけられる事になる。

だからこそ、俺自身がもっと強くならなければならい、この世界では生きていくことができない、だからこそアリサに「俺は強くなりたいんだ。そのためにはどうすればいい?」と質問をする事にした。

「まあお前が強くなる方法は二通りしかない。この世界で強くなるにはこの世界の常識を知るか、この世界の人間に教えを乞うかのどちらかしかない。そのどちらの方法もお前は取ることができる」そう言い放つ。

「そうか」と答えながら、俺は、この世界の人間の強さについて考え始めた。俺が知っているこの世界の人間は勇者と呼ばれる男だけである。それ以外の人間は俺が想像することもできないほどに強いという可能性を考えると俺は不安になると同時に疑問に思えた。

そして俺はその疑問をぶつける。その質問とは勇者という存在についてのものだった。その答えに対して、アリサは勇者という存在について説明すると、「そうだよな。普通じゃありえねえことだ」と答えたのであった。

(以下略)

俺のステータスを見た後に、今度は俺の能力値についても教えてくれると、「まあそのお礼というわけではないんだが」と話を続けながら何かをポケットの中から取り出すとそれを見せてくる。俺はそれを見たときに思わず言葉を失ってしまう。それというのもこの世界の文字が俺の知る日本語で書かれていたからである。

そしてアリサに俺は「これってどういうことなんだ?」と聞き返す。それに対してアリサはこう答えるのである。「このアイテムは私たちの国で使われている文字を翻訳してくれる効果をこの世界では付与されている物だ」と答えられた。その説明を受けて俺は改めてアリサに「それってすごいんじゃないか?」と言うと、 アリサは「そうだよ」と言うのである。そして彼女は俺にさらにこう伝えてくるのである。「それでだ、私がこの国に来てから感じた異変を解決するのを手伝ってもらいたい」と言う。そして俺はアリサの言葉を聞き「ああいいぞ」と答えてしまうのであった。

「それで、その違和感の原因というのはどんなものなのですか?」俺はアリサの言葉を聞いていたのだが「その話は歩きながらもするか、ついてきてくれ」と、アリサがそう言って俺の返事を待つことなく先に歩いて行くのであった。

俺とアリサは王都の大通りに出て行った。だがそんな俺たちの姿を見かけた人達の反応は様々だった。だがそんなことを気にせずに、アリサは歩き続けようとすると俺はアリサの袖を掴んだ。その行動に驚いた様子を見せたアリサだったが、すぐに元の顔に戻ると俺の行動を不思議そうな顔をしながら見つめる。

「あの、どうして手を繋ごうとするのですか?私の事が好きなのですか?」という言葉がアリサの口から出てくる。その問いに俺は言葉を詰まらせてしまう。そして俺は少し恥ずかしくなってきた。俺がこの世界にきて出会った人はこの国の王女であるアリッサさんだけだからだ。そして目の前の少女をじっと見てしまう。すると俺に見つめられたアリサさんは「いや、そうではなくてですね」と言い始める。だがアリサは顔を赤くしてしまってそれ以上言葉が出ないようだったので俺もアリサと一緒に歩くことにしたのだった。

(後略)

俺はメイからの言葉を受け流しつつ「とりあえず飯でも食いに行くかな」と言って立ち上がったのだが、「どこに連れて行くつもりだ」と言われてしまった。だがメイはそんな言葉はお構いなしといったように立ち上がってから手を引いてくると、「ほらこっちこい!」と言ってくるので俺はされるがままに連れて来られてしまう。

俺はそのままメイと共に町中を散策することにする。

歩いている最中に、様々な人から視線を感じつつも、俺はその視線を無視して歩き続けた。

それから一通りの場所を回り終えると、俺が疲れている様子を見せたためかメイが宿屋を探し始めてくれた。

そしてたどり着いた宿の中に入ると「とりあえず、ここの部屋でしばらくゆっくりしてくれないか」と言ってきたのだった。

(以下略)

(後略)

(後略)

「それで、俺達二人しかいないわけだが、どうすればいいんだ?」と俺はアリサに向かって言ったのだ。俺のその言葉を聞いてアリサは何かを考え込んでいた。しばらくするとアリサは「とりあえず私達のギルドの拠点に向かうとしよう」と言って俺の手を掴んで引っ張り始めるのであった。

そして、このアリサの行動が俺とアリサの関係に変化を及ぼす事になってしまうのであった。

アリサに引っ張られるように移動をしていた俺は、ある場所に辿り着くと、アリサはその建物を見上げて「ここに、私たちの仲間が待っていてくれる」とだけ言うと建物の扉に手をかける。アリサに続いて俺は建物の中に足を踏み入れた。

(以下省略)

(以下省略)

そんな事を言われた俺は戸惑いながら「えっとつまりどういうことだ?」と質問をしたのだが「だから私は勇者様に協力してもらうための方法を思いついたということだ」と言われてしまうと「なんだよそれ」と思ってしまうが仕方がないので納得することにした。

(後略)

(以下省略)

そして俺の前には一人の女の子がいる、その少女の外見を説明するのであれば、まず目を引く特徴といえばその髪色である。綺麗な金色をしているのが特徴的だといえた。そしてそんな彼女の姿を確認するために目を動かしていくとその瞳も同じように金の色に染まっていたのだ。

(以下省略)

俺達が話を進めていくうちに俺も少しずつではあるが状況を把握していく事ができていた。

(以下省略)

アリサの話によると、俺を召喚したのはこの国の王であり、彼はある目的を果たすために、この世界を侵略しようとする組織と戦うために俺に力を貸して欲しいと言っていた。俺はそれを受け入れようと思うと「そういえばお前の名前をまだ聞いていなかったよな、名前を教えてもらえないのか?」と言うとアリサはその事に気がつくと自己紹介をしてくる。

俺はアリサという名前を知ることができた。そしてこの世界の現状についても聞く事ができたのであった。アリサはこの世界を侵略しようとしている存在について詳しく知っているらしく、俺に協力を求める理由としてその組織の事を話し始めたのだ。その話を簡単にまとめてしまうとこの世界を侵略しているのが、かつて魔王と呼ばれていた男であるらしい。

そんな魔王に対して俺は「その魔王とかって一体どういう男なんだよ」と言うと、魔王の詳しい情報については俺が目覚めるまでの時間でアリサが調べていたということもあってある程度まで把握する事ができているという話を聞かされる。俺はそんな風に言われると、つい興味を持ってしまい質問を続ける事にした。

俺は、魔王についての質問をいくつか続けるが、アリサの答えを聞いた結果、俺の考えが間違っていたことを知ることになる。アリサは、魔王について俺に話を始めてくれると、俺は、その内容があまりにも信じられないものであったため、困惑するしかなかった。

(中略)

俺はアリサから話を聞き終わった後は、少しの間だが放心状態になるのだった。俺は今聞いた話が真実なのかをアリサに対して確かめるために質問を始めることにする。

「お前は、その魔王と呼ばれている男は、この世界にいるんだな」

俺はそう質問をする。それに対してアリサは「ああ、間違い無い」と答えた。その言葉を受けて俺はどうするべきかを考えていた。

アリサから聞かされた事実が嘘でないと判断するためにはどうすればいいのかと考えれば考える程、頭の中では考えを整理することができなくなっていくのがわかった。俺はそのせいで、アリサの問いかけに対してまともに返事ができない状態だった。するとアリサは、少し間を置いたあとでこんな提案をしてきた。

「私と戦わないか? 勇者であるお前と戦ってみたかったんだ。その方が勇者の力についても理解できると思う」アリサの言葉を聞いた俺は、戦う事で自分の中の迷いを振り払う事ができるかもしれないと考えてアリサの提案を受け入れたのであった。

そして俺とアリサの戦いが始まる。

(中略)

「お前、その力は、まさか、勇者か?」

アリサが突然、俺が勇者であることを言い出したかと思えば、彼女は驚きの表情を見せる。

そんな反応を示したアリサに、俺は「まあそういう事になるかな?」と言うと彼女は、すぐにその場から離れようとしたのであった。だが俺の方はそれを許すことができなかった。俺の攻撃によって吹き飛ばされてしまったアリサは、その場に倒れ込んでしまったのである。

そんな彼女を見た俺は、すぐさま駆け寄ると、「アリサ、大丈夫だったのか?」と心配になって声をかけたのだが「なんで助けるんだ」という一言が聞こえてきた。俺はそんなアリサに対して、「別に気にしなくていいよ」と言って、俺達は一旦落ち着こうという結論に至った。

俺はアリサに事情を話すことに決めると、彼女になぜ、このような状況になっているのかの説明を行う。その途中アリサの態度は変わっていく。俺に話しかけられれば普通に会話をするようになっていくのである。

そして俺の話が終わるとアリサは真剣に考え込んだ後に「そう言えばお前には言っていなかったけど、私の名前、アリサっていう名前ではないからな」と言ってきたのである。俺のその発言を受けた後に俺は、思わず「は?」と言ってしまう。

「私は、本当の名前はアメリア=ウィルスだよ」とアリサは自分の名前が、本当は別の名前だということを俺に伝えて来たのだった。

俺はアリッサが偽名だという事を知り驚いたが「まぁとりあえずは信じてみる」と言った後にアリッサに話しかけた。

俺はアリサがアリッサではなく、アメリアーーだと名乗った後、「とりあえず、あんたの名前はアメリアールなんだな」と言いなおすとアリッサは首を横に振った。「そうじゃありませんよ。それは偽名なんです」と言い出す始末である。だが、そんなことよりも俺は疑問を感じる事がある。どうして俺の本名を知っているんだ? というところだ。だが俺は、その疑問を解消する事はせずに、まず、どうして俺の本名は知られているのだろうかという事が気になってきた。

そして俺はアリサに向かって、どうして俺の本名を知っていっているんだ?という事を伝えた。その質問を受けたアリッサが俺の顔を見ると少しだけ困ったような顔をしていたのだが、俺は構わずに、アリッサの返答を待っていた。

だが俺が黙り込んでいる様子にアリッサも戸惑っていたのであろう。

そして、俺はアリサに向かって俺の本名は何故知られていて、どうして知っているのかということを改めて質問した。するとアリッサは、何かを思い出すと俺の方に近づいてくる。俺はそんなアリサの行動を警戒しながら見ていたのだが「貴方が、この国に来た時に、王様が、私に伝えたんですよ。貴方の事をよろしくお願いしますってね」と言うのだった。

だが、それだけでは俺の疑問は解消される事はない。

俺は更に質問を続ける。

「だけど俺はその記憶がないんだよ。それどころか俺は自分以外の人を知らないんだよ」

その言葉を俺は発してから「やっぱりおかしいかな?」というと、そんな俺の様子を見かねてアリッサが説明をし始める。

「あの、あなたは自分が何者か分からない状態でこちらの世界に来ているのですよ」という説明だった。その言葉を聞いた俺は「なんだよ、その設定は、まるで、小説に出てくる主人公みたいじゃないか」とつぶやくと「まぁそうなんですけど、でも、そんなの今はどうでもいいです」と俺の言葉を否定するように言って来た。(後略)

(中略)

(以下略)

俺がそう言うと、アリサはすぐにでも逃げ出そうとして走り出したのだ。俺はそれを追おうとするがアリサの姿が見えなくなると同時に、誰かの声が響き渡ってくる。

「勇者様! 勇者さま!」という女性の声で俺は目を覚ましたのだ。その途端に俺は体を起こすと周囲を見渡すとそこにはアリサがいたのである。

そして俺はアリサが俺を助けてくれたということに感謝を伝える。

(以下省略)

「勇者よ。お前は何のために戦う」

魔王と呼ばれた男が俺に問いかけてくる。

「何のためにだと?」

俺がそんな魔王に対して問いかけると魔王が「そうだ。お主は、勇者として魔王と呼ばれる私を討伐するという目的で召喚されたという話を聞いた」と俺に向かって言ったのである。そして魔王は続けて「ならば、私と戦うのが使命ではないか」と問いかける。

その魔王の発言を受けて俺は「そんなものは俺の意思とは関係が無い。それに俺が本当に戦うべき相手は魔王なんてものじゃない。人間こそが真の悪である。だから俺はそんな連中を滅ぼすために魔王を倒すつもりはない」という意思を俺は伝える。そして俺は続けて言葉を発する。

「魔王と名乗る奴が何者なのかを確かめにここまでやってきたんだ。だから魔王を名乗るお前に用事はないんだよね。さっさとこの城から出て行ってくんない?」と俺は魔王に向けて言ったのであった。だが、それでも魔王は「お前と戦うまではここからは出られないな」と言い始める。その瞬間に、魔王の体が輝きだす。魔王は剣を取り出すと、俺に向かって斬りかかってくる。その一撃を回避した俺が攻撃を仕掛けようとした時であった。俺は違和感を覚えた。それは何故かは分からないが妙な気配を感じていたのである。

(中略)

「それで、その話って結局なんなんだ」

「魔王についてだ」

俺が魔王の事について聞くと魔王は答える。俺はそれを受けて「その話は前に聞いて知ってるぞ。確かその話の内容は、お前は昔、人間に対して恨みを持ったまま死んでしまったという話だろう。それがどうしたんだよ」と俺は魔王に伝えると「そうだ、私は、その話をしているんだ」と返ってきた。俺はそんな魔王の様子を見てため息をつくと「で、その話の続きを聞かせてくれ」と言うと魔王は語り始める。

(中略)

「まぁ確かに、お前が言うことは一理あるな」と俺の言葉を受けた魔王は、そんな風に呟いたのであった。

(中略)

「俺の目的はただ一つ、俺自身の目的の為に行動しているに過ぎないからね」と俺が言葉を放つと、そんな俺を睨みつけている存在がいた。それはこの城の主人でありこの国の王でもあった。その王が突如現れると「勇者よ。余を馬鹿にしているのか?」と言葉を放ったのである。

俺はその発言を聞いて、どうすればいいかと考える。しかし答えは出ない。俺と王は対峙していたのだが、その間に突然アリサが入ってくるとその男に向かって話し出す。その内容は俺がアリサから聞かされていた内容に非常に似ていたのだった。俺はそんなアリサに対して質問を行ったのだが、「それは私が話すから、あんたは何もしないで黙っていろ」と彼女は言い放った。

だが俺はそんな言葉を無視して王に問いかける。その質問内容は、「どうして、あんたが、アリサに対して命令できる立場にいるのか?」という内容だ。その問いかけに対して王からは、思いも寄らない返答が帰ってきた。その解答というのは、俺はこの国を支配しているということだった。俺はその発言を受けて「お前が支配者だと?」と確認の意味を込めてもう一度聞き返す。その問いに対しては「ああそうだ。そしてお前は勇者だ。つまりはこの世界の秩序を守るためにお前は存在していることになる。だったらこの世界での俺に従うのは当然のことだろう」と言う。

そんな王の態度を見た俺は「この国には奴隷制度があると聞いていたがそれを利用したという訳か?」と俺が質問すると、それに対してアリサが反応する。アリサはその反応を示すと共に俺に向かって「そんな事をしたら駄目なんだよ」と叫んだのであった。だが、そんなアリサの言葉に反応する者がいた。

それは先程まで会話をしていた、俺の前に立っていた王だったのである。彼はそんなアリサの言葉を聞くと「勇者が何を言っているんだ? お前には、この国がどのような場所か分かってるのか? ここは奴隷国家だ。そんな奴隷に人権など存在しないんだよ」と俺に言葉を放ち、そして続ける「お前は俺の奴隷になれ」という言葉を俺に向かって投げかける。だが俺はその提案を拒否すると、「じゃあ、戦って俺に勝てたら、この城を自由に使えばいい。ただし負ければ奴隷になる覚悟をしろ」と言ってきた。

そして王は、自分の持っている剣をこちらに向かって構えると俺も腰に刺してある刀を抜き取り構えた。そして俺は、戦いが始まったのである。

その攻撃は早く、俺はギリギリで攻撃を防御することに成功をする。俺はその攻撃の速さに対して驚きながらもなんとか対処をしていく。そして相手の攻撃パターンがある程度見えてくる。そして俺も攻撃を開始すると、次第に相手の方が有利になっていき追い詰められていく状況になっていったのである。

俺は一度大きく後方にジャンプすると、「俺の攻撃を避けるだけとは大したこと無いな」と相手を煽るように言葉を紡ぐと、それを受けた相手は怒りをあらわにして突っ込んで来る。それを待ち構えていた俺は、相手が近づいてくる瞬間を見極めると一気に駆け出すと懐に入り込むことに成功したのだった。俺はその勢いに任せて、その体に刃を走らせる。

その一撃を受けた敵は地面に倒れこみ動かなくなった。俺はそんな敵の状態をしばらく観察してから、アリサ達と一緒にその部屋から出たのである。そして俺は外に出て最初に出会ったアリサに声をかける。だがそんなアリサは俺の問いかけに対しても無視をするように横を通り過ぎてしまうので俺は慌てて彼女の手を掴むと引き止める。だがアリサは「触らないでよ! あんたが、あんな事をしなければ、私達は、もっと普通に過ごせていたのに」と叫ぶと涙を流しながらその場を後にしてしまった。俺はそんなアリサを引き止めようと思ったが追いかけることもできず、ただ呆然とその場に立ち尽くしていたのである。

「魔王と名乗るお前は一体何者だ」

「だから何度も言わせるな、私は魔王だ」

俺が魔王に向かって質問をすると魔王は同じ回答を繰り返し始めた。そんな様子に苛ついた俺は、その魔王に向かって蹴りを入れようとするが避けられてしまいカウンターを受けそうになる。だが俺もその程度のことでは怯むことは無く冷静に対応する。

そんな戦闘を続けていると徐々にお互いの実力差が現れ始めてきた。俺の動きが鈍くなり始めると今度は魔王の攻撃が俺の体を痛めつけるようになる。そして俺は膝をつくことになった。

そんな状態になっても俺は戦うことを諦めず魔王に話しかける。すると魔王がこちらに向かって歩み寄り、こちらに手を差し伸べてくる。だがそんな行為を受けて俺の頭に警鐘が鳴らされる。俺は、差し出された魔王の手を払うと立ち上がり魔王と対峙をしたのだった。そしてそんな俺を見ていた王が声をあげると「やはり、その男では無理があったな」と言い放つ。

そんな言葉に俺は耳を傾けることはなく「どういうことだ?」と俺が言葉を発すると、それに魔王は答え始める。「魔王と呼ばれる私の力は強すぎるのだ。だからこの世界に存在する者は、この魔王を倒すことなど不可能なのだ」と言ったのだ。その発言を聞いた俺は「だからなんだっていうんだよ。その力が無ければ魔王と名乗る資格は無いというわけなのか?」と問いかけると魔王はそれに答えを返してくる「その通りだ」と。

俺は魔王に対して「お前はどうして魔王になった?」という質問をぶつけると、魔王はその問いかけに対し答えるのに躊躇いを見せるがすぐに「それはお前も同じであろう」と答えてくる。その魔王の発言を理解できなかった俺は、首を傾げると続けて「私にも分からん」と魔王は答える。

俺はそんな魔王の様子を眺めてから、その表情を見ると明らかに焦っているように感じることができたので「何かを隠そうとしているだろう」と魔王に対して告げる。その瞬間魔王の肩が大きく揺れ動くと動揺していることが分かった。その魔王の姿を見て俺の中で考えがまとまったような気がした。

(中略)

「そんな事は、ありえないはずだ」

俺は、魔王の言葉を聞き流さずに否定する。俺はそんな俺の言葉を受けて、さらに「この世界を創ったのが神様ならこの世界を終わらせれるのもまた神様しかいないってことだ」と魔王に伝える。その言葉を受けて魔王は「それがお前が言いたい事だというのか」と俺に向けて言葉を発してくる。

俺はそんな魔王に向かって「そうだ。俺はこの世界に転生をしたが俺の目的は変わらない」と言い放ったのである。

(後略)

そんなやり取りをしていた俺たちの元に、突如兵士がやってきたかと思うと、俺に向けて攻撃を仕掛けてきた。俺はそんな兵士に向かって攻撃を仕掛けるがその一撃を回避され、俺に向かって鋭い突きを放ってくる。その動きに少し驚いた俺は体勢が崩れてしまったがそれでもなんとかしてその攻撃を弾くことができたのである。そして反撃に転じようとした時に魔王の「そいつは危険だから今すぐ殺すべきだ」という叫び声が響き渡ってきた。だが俺は、そんな言葉を無視することにする。そしてその攻撃に対してこちらも攻撃を仕掛けようとした時であった。

突然俺の前に現れたのは、以前戦った騎士の男が目の前に姿を現したのである。

「久しぶりですね。あの時のリベンジをさせてもらいます」とその男は言って、俺を襲おうとしてきたのであった。俺はその行動に反応しようとしたが、それよりも前に俺の前を何者かが遮る。その人物はなんとメイであった。だがそんな彼女は俺に向かって「この人の相手は私がしますから、勇者様は自分のやるべきことをやってください」と言ってきたのである。その行動を受けた俺はその言葉に従って俺はこの場から移動をすることに決めた。そしてその場所から立ち去る前に、この城に仕掛けられていた魔道具の解除をするために、まずはその作業に取り掛かることにしたのである。

俺はそんな行動をとると俺の後ろからは「おい! あいつを逃すな」と魔王が指示を出している声が聞こえた。俺はその言葉を受けながら城の入り口まで走って移動する。そんな俺の背中に向かって「お前の望みは叶えてやる。お前が俺の部下になることを約束すればだがな」と言葉が飛んでくる。だがその言葉に対して俺の答えは「お断りだ」という返事だ。俺はそんな魔王に言葉を返すと城から脱出したのである。

(中略)

俺は、城の中を進んでいくと、大きな広間に出た。俺はその光景を見た瞬間、こここそが今回の目的である場所だと確信した。俺はその広い空間を進むと玉座と思われる椅子を発見したのである。その席には魔王がこちらに視線を向けてきている姿がそこにはあった。俺はそんな魔王に対して「やっと、ここまでたどり着いたぞ。さぁお前の正体を教えろ」と俺は魔王に問いかける。するとその問いに答えることなく魔王は笑いながら「よくぞ、ここまで辿り着いたな勇者よ」と言って俺に語りかけてきた。

俺は「その口で、何を語ろうって言うんだ? まあどうせ死ぬ運命なんだけどな」と言うと同時に剣を振り下ろすが魔王はその攻撃を軽々と回避してしまう。そしてその剣の軌道を読んだかのように避けた先に先回りしていた。その行動を受けた俺も避けることができずに直撃を受けるが痛みに耐えるようにしてその場に留まることが出来た。そして追撃を行うと魔王の攻撃も当たらずに俺の剣だけが空を切るという結果になったのである。

だがそんな俺の行動に対しても全く意も介さないといった様子の魔王は再び口を開くのである。だがその時である俺の後ろに誰かの気配を感じるとともに「あなたは何者ですか?」と女性の声を聞くと「私は勇者ですよ」と言って俺は剣を振るうと俺の攻撃を防御しようと相手の女性が姿を現すがその姿を確認した瞬間に「お前は!」と言って剣を止める。俺が攻撃を止めたことで攻撃を受けていた魔王もその場から姿を消す。

そしてその女性は俺に向かって話し掛けてくる。その人物の容姿はとても美しいものであった。そしてそんな彼女には見覚えがある。その少女は俺のクラスメイトの一人である聖女アリサだったのである。

そして俺の前に現れた聖女の姿を見て俺は驚きを隠すことが出来なかった。俺はそんな彼女に向かって言葉を放とうとした瞬間である。魔王はアリサに向かって手を伸ばすと彼女の首を掴み持ち上げるとそのまま自分の手元に引き寄せる。俺は魔王に掴まれていた少女を救出するために攻撃を仕掛けるのだが魔王によって弾き飛ばされてしまい、その間にアリサを連れた魔王の姿が消える。そんな状況に焦りを覚えた俺は急いで立ち上がると辺りを見渡すがどこを探してみてもその姿を見つけることは出来なかったのである。

俺が立ち上がって魔王を探すと既に奴の姿はなく俺がアリサの救出に失敗したという事実が判明したのだった。そしてその事実を認識したとき、今まで感じたことが無いほどの強い感情が心の中から湧き上がり俺の心を支配した。それは怒りの感情である。そして俺は魔王に対しての怒りに心を染めると魔王を探し始める。そしてその怒りに呼応するように体の傷は回復を始めていったのである。

(中略)

俺がそんな怒りをあらわにしながら歩き始めると突然、魔王の声が周囲に響き渡ったのだった。その声が響くと同時に、目の前に魔王が現れ俺に斬りかかってくるので俺もそれに応じるように剣を振るうと、激しい金属音が鳴り響いたのだった。その音は魔王の攻撃を俺の一撃が押し止めたということを表している証拠となった。その光景に魔王は驚いていたようであったがすぐに気持ちを持ち直すと今度は俺に向かって魔法を放ち始める。だがそんな魔法攻撃にも動じることなく俺は対処していき攻撃の合間を縫うようにして俺の攻撃を魔王に放つ。そんな俺の攻撃が当たったのかという疑問を抱いたので魔王の様子を眺めていると、攻撃を受けた箇所を庇っている様子があった。その姿を見て俺が勝利の余韻に浸ろうとした時にそれは起きた。

俺がそんな出来事を気にも留めず、目の前にいる存在にとどめの攻撃を仕掛けようとするが、俺の目の前には魔王ではなく魔王の姿をした別人が現れたのだ。そしてその偽物の口から俺に対して言葉が発せられると俺はその発言を聞いてしまう。

――『君は僕のことを覚えてくれていたみたいだね』

俺が言葉の意味を理解した瞬間だった。その言葉を口にしている人物は俺の知る人物であり、俺が初めて恋をしてしまい、この世界で再会することを夢見ていた人物である。

(後略)

そして、魔王は俺に向かって攻撃を仕掛けてくると俺に話しかけてきた。

「この姿に見覚えはないか?」という問いかけに対して、その相手が魔王であることを理解していた俺に嘘をついたとしても、それが何になるのだろうかと思った俺は正直に答える。

「ああ、お前が魔王だという事は理解できている。そして、その正体も理解することができた」という返答に対して「ふむ。やはり私の存在に気付いたようだな」と呟くように魔王が言葉を漏らすと「では、私が何故ここに現れたか理解できるか?」と質問をしてくる。

俺はその質問に対して少し考えると、目の前の人物が、どうして今この場所に現れたのかを理解することができた。その答えを魔王に返そうかと迷ったが、その前に一つ確認したい事ができたので質問をぶつけてみる。

「お前がなぜ俺の前に姿を晒すのかは分からないが俺を殺すためだろう」と言うと魔王はその質問に対して、「そうだ。私はお前の命を狙っている」と答えた。俺はその答えに驚くとそんな俺の反応を見てから魔王はさらに続けて話を始める。

「私は魔王だ。お前たち勇者を根絶やしにすることが目的だ。だがそんな事はもう諦めた。だが勇者よ、お前が私の前から立ち去ってくれればそれで済むことだ」という言葉を聞き終えると俺は「俺はお前に命乞いをするためにここに来たわけじゃない」と言ってから魔王に向かって「お前が勇者を殺せばいいだろう。それなのに俺の目の前に現れやがって。俺を殺そうとするなら全力を持って抵抗するまでだ」と伝えると魔王はその言葉を聞いていた。

(後略)

その言葉を聞き終えた後に魔王が言葉を発すると魔王はこちらに手を差し伸べてきたかと思うと突如その手が伸びていき俺の首を掴むとその手に力を込め始めたのである。その行動を目にした俺は苦しくなり呼吸ができなくなっていく感覚を覚えるが俺はなんとか耐えようと試みるがそんな努力は無駄に終わり俺の首は徐々に絞めつけられていく。俺は必死になって魔王に対して剣を振るおうとするがそれを察知した魔王はすぐさま後ろに飛んで距離を取ると、その表情には余裕が見られるようになっていた。

そしてそんな時であった、突然俺の体の周りを赤い光が包み込んだかと思うと魔王から距離を離すことに俺は成功したのである。そして、その現象はその後も続くと俺はその度に距離を稼いでいった。俺はそんな不思議な力が発動してくれたお陰で魔王との会話を続けることができ、この場での勝負が俺に優位な状態へと傾いていくのを感じていたのである。そんな俺の行動に魔王は明らかに不機嫌な顔つきになると「一体お前は何者だ?」と言って俺のことを警戒し始めたのであった。

「俺はお前にやられる訳にはいかないんだよ」と言い返したあとに「俺が何をしたっていうんだ?ただの高校生だったはずなんだがな」と言って魔王に自分の立場を伝えると魔王も俺の言うことを否定せずに聞き入れていた。そして俺は「俺だってこんな状況になっている理由は分かってない。お前はどうなんだ?何か知らないのか?」と聞くと魔王も「それはこっちが言いたい台詞だよ。僕はこの世界に召喚されて間もないというのにも関わらずこの世界の敵として扱われているからね」と言ってから俺の方を見据えた。

(後略)

**(後略)

**

(前略)

魔王の言葉を聞いた後に俺は「どういう意味だ?それはつまりお前が世界を救おうとしているという事なのか?」という言葉を放つと、それに対して魔王は何も答えずに俺のことを凝視し始めた。俺はそんな魔王に対して、これ以上の質問を行っても無意味だと考え、これからは俺自身の意思に基づいて行動しようと決めてから、魔王に向かって俺は言葉を放った。そして俺は剣を構えたまま戦闘態勢に入ったところで突然魔王は笑い始め、「なるほど、君とは戦うつもりはないよ」と口にしてこちらに背を向けると、そのまま魔王が消え去るのである。そんな出来事を受けて俺はその場に佇み魔王の背中を見送っていると、俺は突然強い衝撃を感じ取り吹き飛ばされてしまう。

俺が地面に倒れ込むと目の前の光景が一瞬にして変わった。その状況に混乱しながらも周囲を確認するとそこは王城の中で、俺を吹き飛ばした犯人と思われる人物を見つけることが出来たのである。その人影を確認したと同時に俺は声を発したのだがその言葉に対して反応はなかった。俺はそんな相手に向けてもう一度同じ言葉を叫ぶのだが、今度は全くもって俺の話を聞く素振りは見せなかったのである。そんな俺が声を出している相手の容姿は、金色の長い髪に碧色の瞳を持った美しい女性の姿だった。そんな彼女を見て俺は息を呑んでしまいしばらく固まってしまっていた。

(後略)

俺が目の前の女性の姿を見た瞬間に俺の中に存在していた警戒心は完全になくなり、その代わりに彼女から目が離れなくなったのである。その女性の美しさに心を奪われたからなのか、それとも別の理由から目を逸らすことが出来なかったのか、俺自身には全く分からなかった。その女性は白い法衣のような衣服を身に着けていたが、その姿はまるで神に仕えている聖職者であると思えるような雰囲気を持っていたのである。

その女性の姿を見ていると俺は胸が締め付けられる様な感覚に襲われると共に心臓の鼓動は速くなり体温が上昇するのを感じた。それと同時に今までに経験したことが無いくらいの幸福感に満たされていくのが分かる。そして同時にこの女性が誰であるかが気になってしまったので俺はすぐに彼女に話しかけようとしたが彼女の名前を聞こうとした時に俺は再び魔王が現れた時の事を思い出したのである。俺は目の前の女性が本当に俺の知る聖女アリサであるかどうかを確認をしなければ気が済まなくなっていたのだ。

(中略)

俺は目の前の女性の姿を見続けると彼女のことが気になり、彼女のことを調べたいと強く願った。その願いが叶うように祈りを捧げるとすぐに変化が訪れる。その瞬間に、俺は彼女がアリサであることを認識すると目の前にいるアリサの体を抱きしめてしまったのである。

(中略)

その瞬間に俺とアリサの体に赤い光が発生したのと同時に俺の心の中にある感情が生まれるのを感じると同時にそれがなんであるかも理解できたのだ。その感情の名前は『愛情』と呼ばれるものであり俺がその感情の正体を理解すると同時に目の前で起きていたことは終わりを告げることになる。そしてその出来事は俺たち二人以外の人間たちに目撃されてしまうのだった。

俺の意識がはっきりとしない中俺は突然、目の前に現れた存在と対峙することになってしまう。目の前に存在する者は白を基調とした服を着用していて全身が純白色で統一されていたのである。その見た目はまさに天使そのものだった。その天使が発する気配が尋常ではないことから目の前の存在が人間でない事が俺にはすぐに分かったのである。だが、俺がその事に驚きながらも剣を構えていると、その人物はこちらに視線を向けた。その瞬間に、俺は自分の身体が石化したかのように動けなくなる。目の前の相手が圧倒的な強さを持っているのが俺でもすぐにわかったからだ。そんな俺に対して、その人は俺に向かって話しかけてきた。

そして俺と魔王はお互いの事をじっと見つめ合いながらその場に留まっていた。そんな状況を打破したのは勇者たちの方で、メイは俺に声をかけてくれたが、俺の耳にはそんな言葉が聞こえていなかったので俺はその言葉に答えることはできなかったのである。そして魔王が俺からメイの方に視線を映しだしたかと思うと、魔王は再び俺に向き直り言葉を漏らした。

(後略)

俺とアリサの間に赤い光が包み込み、赤い光の光が徐々に収まるとそこにはアリサの姿が見えたのだった。俺は、目の前にいる女性の顔を見るが、彼女は俺の事を見ると涙を流したのだった。そしてその様子に俺は思わず驚いてしまった。なぜなら俺が見たことのないような、嬉しそうな顔をしたと思った次の瞬間にその顔が悲痛に満ちた表情に変化していったのである。

その様子を目の当たりにした俺は何があったのかと思いアリサに近づくが俺の体は金縛りにあったように体が硬直し思うように動くことができなかった。そしてそんな俺の様子をみた魔王は俺のことを見据えて話を始めたのであった。

魔王の口から放たれた言葉は俺にとって予想外な内容であったがその内容を聞き俺は納得をしてしまう。その理由というのは俺の体の周りから赤い光が出現したかと思うと俺は先程まで魔王と戦っていた場所とは違う場所に移動していたからである。俺は、この場が先ほど俺が立っていた場所であるという事には直ぐに気づく事ができたが何故このような事になったのかは理解することができなかった。だが、この場所に移動した直後に魔王がこの場所に出現して来た事によって俺は、魔王と勇者たちが戦ったこの場所に移動してしまったのではないかという答えに至った。

俺はそんなことを考えながら目の前にいる魔王に視線を向けると、そんな俺の様子を見て魔王も笑みをこぼし始めていたのである。俺はこの状況をどうしたものかと考えていると魔王の方も俺に話しかけてくる。「どうやら君と私では相性が悪すぎるようだね」という言葉を聞いて俺は驚いた。

そして魔王はそのまま俺の事を一点に見据えると同時に、その目から赤い光が発せられる。するとその瞬間に俺の視界がぼやけ始めて俺は意識を失ってしまうのである。

(中略)

そしてその声を聞いた瞬間に俺の頭の中である記憶が蘇ってくる。その思い出したくもない過去のことを俺は思い返してしまい気分が悪くなってしまった。

そんな俺の状態などお構いなしにその声の主は俺に話し掛けてきたのである。

俺はそんな奴に苛立ちを覚えたがここで争っても意味がないと考えた結果俺から魔王との会話を始めることにした。しかし魔王の態度に俺は怒りを抑えることができず魔王に向かって俺は剣を突きつけようと剣を突き出そうとする。そんな俺の動きに対して魔王は口元に微笑を浮かべると両手を俺に向けてきて呪文のようなものを唱え始める。

そんな行動を取った魔王に対し俺は警戒をしながら魔王のことを見つめていた。だが魔王の詠唱が終わると俺は信じられない現象を目撃してしまうのであった。

(後略)

そして、魔王の言葉に動揺しながら俺は質問を行うと魔王も同じように俺のことを見ながら「僕にもどうしてなのか分からない」と言う言葉を残して消え去ってしまう。そんな言葉に、魔王が姿を消した後に俺は魔王の言葉の真意について考え込んでいた。

俺が頭の中で色々な事柄を整理しながら思案を続けていると背後から誰かが近づいてくる音がしたので後ろを振り返ると、俺の後ろにメイとアリサの姿がそこにあった。その二人の様子を見て俺が安心してため息をつくと、アリサが「大丈夫?」という言葉を俺に言ってくれる。その言葉で俺の中に安心感が広がった。俺はそんなアリサに感謝の言葉を告げたあとに魔王の件に関して俺は疑問をぶつけると魔王は俺と同じような答えしか返ってこなかったので俺はその答えに疑問を抱くことになる。

(中略)

そしてその人物を見た瞬間に俺の中の不安と警戒心が完全に解けてしまい、魔王と対峙するよりも早くその人の元へ行こうと駆け出してしまった。そしてその人の姿を初めて見た時に俺の心の中は喜びと愛しさに支配されていきその人物の名前を呼びたかったが、そんな状況に俺が陥っていたときにその人物は突如、黒い影に呑み込まれてしまったのである。そんな事態に遭遇したことで俺の思考は止まり呆然としてしまい、その場にはただ沈黙が流れていったのである。

俺が唖然として動けない状態でいるとその人物は姿を現し、その姿を見て俺は驚愕すると共に心臓の鼓動が激しくなり始めてしまう。それはなぜか?という質問に対しては簡単な事だ。その人物こそが俺が探し求めていた人であり、俺の最愛の人である聖女アリサだったからである。俺は目の前にいるアリサを見つめていると、アリサは俺に笑顔を見せてくれていた。そんな俺にアリサは近寄って来るのだが、その時のアリサが放つオーラが普通の人間とは違っていたのだ。

俺がそのことに驚きを隠せずにアリサの方を見ていたらアリサがいきなり目の前から消えたのである。

(中略)

そんな出来事が俺に起こった直後、突然俺の体に衝撃を感じ取ったのだった。俺は慌ててアリサがいた方角を見るとアリサの姿を確認することができたのだが、アリサと聖女メイの距離は近く俺は焦ったのだが、俺がアリサに声をかけようとした時にはすでに遅く、その光景を目撃した俺はショックのあまり声を出すこともできずにその場で佇むことになってしまった。

(中略)

アリサのその言葉に俺の心の中に何かが生まれたような気がしたのである。その言葉の内容とは、自分が俺を殺せば魔族を滅することができるということであり、俺はそれを聞いただけで、俺は自分の命が危ういと感じたのである。そのことから俺は魔王に勝てるかもしれないと少しだけ希望を持つことが出来たのであった。

(後略)

俺がその魔王の発言を受けて言葉を失っていた。だが魔王はそんな俺の反応など無視するように話を続けた。その話は俺にとって絶望的な内容でしかなかったのだ。俺はそんな話を聞くたびに魔王に対して恐怖を抱き始めたのである。

だがそんな俺とは対照的にアリサは自分の意思を伝えるかのように強い眼差しで魔王を見つめているだけだった。その様子に魔王も感化されたのかアリサに向かって魔王が言葉を発した。その言葉にアリサは何も言わず静かにうなずくだけであった。そのアリサの姿に俺が戸惑っている中、その言葉は魔王の口から発せられた。

(中略)

そしてアリサの表情を見つめた魔王は真剣な口調でアリサに言う。

魔王の言った言葉を耳にした瞬間、俺は魔王に向かって切りかかる。その行動が正しかったのかは正直分からなかったが、それでも魔王が許せないと感じて俺は魔王を切りつけたのである。そしてその瞬間に俺はアリサに向かって言葉をかけるとアリサは嬉しそうな顔を見せる。そして、それと同時にアリサが俺の腕を掴み引き寄せるとそのまま俺とキスをする。俺はその行為に驚いてしまった。

(後略)

その瞬間に俺はアリサの方に振り向くとそこには先程と変わらない格好をした姿のアリサが立っていたのである。そんな状況から魔王がこの場に存在している事があり得ない事がわかり、そして俺は魔王と戦わなければならないと思い戦闘態勢をとるが魔王はそんな俺を見てニヤリと笑う。そして俺は魔王に向かって剣を構えようとするとそんな俺の様子に魔王はため息を漏らすと俺に対して話しかけてきたのである。

そしてそんな魔王に対して俺は攻撃を加えようと攻撃を仕掛けたがその攻撃が当たる前にまた俺は別の場所に移動させられてしまった。だが、俺はその場所ですぐに魔王がいる場所へと移動するべく移動しようとするが俺の体が動かなくなる。

そんな俺の元に魔王が現れ「残念だよ。君はもう終わりみたいだね」と言い残しその場を去ろうとするが魔王の動きを止める。俺はそんな魔王に対して最後の賭けに出ようと考える。魔王に俺は言葉を発しようとしたところで俺は意識を失いその場に倒れ込んでしまった。

そして、次に俺が目を覚ました場所は王城の謁見の間で、俺は意識が覚醒して直ぐの状態だったために何が起きたのかを理解することができない。

そんな状況を打開しようと思い俺は立ち上がり行動を開始しようとするが俺が立ち上がると同時に国王が声を上げてしまう。そんな言葉に勇者たちは驚きの顔をしてしまう。

(中略)

そして俺はその発言に言葉を失ってしまった。俺は思わず国王の事を見据えて黙ってしまう。

俺はそんな国王のことをじっと見据えるとそんな俺に対して国王が問いかけてくる。そしてその言葉に俺は思わず驚いてしまうが俺が聞きたいと思っていた情報を入手することができるのではと思い話を聞きたいと伝えた。そんな会話の後に勇者たちが俺のことを警戒するような感じだったが国王は俺と魔王のことについて話してくれたのであった。

(後略)

そんな勇者たちを見ているうちに、俺の目の前にはいつの間にか聖女の姿があり、彼女は微笑みながらこちらに近づいてくると、「これからどうするつもりなの?」と聞いてきた。俺はその言葉に何も答えることはできなかったが聖女がさらに質問をしてきた。「貴方が元の世界に戻れないのであれば、貴方はこの世界で生きる事になる。その選択であなたはいいの?」その言葉を受けた俺は考える。

俺がこの世界で生きていけるか、そして今までの世界と別れることができるのかという問題について。

そんなことを思い悩んでいたら俺の前に一人の人物が近づいてきていてその人物を見た瞬間に俺の顔がこわばる。なぜなら俺がその人物に見覚えがあったからだ。その人物は元魔王の配下であるダークエルフのアリサであった。その事に気づき俺は動揺しているとそんな俺の気持ちを汲み取ってくれたように聖女のメイが説明してくれる。そしてその言葉に俺は納得すると俺は改めて自分の意思を伝えていく。

その俺の意思を聞いたメイは悲しげな顔を浮かべるが、俺の意志は変わらなかった。そしてそんな会話をしていく内に聖女アリサが、魔王からもらったという力を開放する時が訪れるのである。そしてそんな聖女アリサの力によって魔王の配下である暗黒騎士団の一人、ナイトメアを倒すことに成功する。

その後聖女アリサの力は弱まっていき聖女アリサはその状況を理解したのかメイと一緒にどこかに消えていってしまう。その光景を見た後に魔王と相対していたはずの俺の仲間達が全員魔王と対峙するが、俺はその戦いに加わることはなく、ただ見ていることしかできなかったのである。

(後略)

そんな魔王の一言により聖剣を手にした勇者の力が暴走を始めてしまう。その力はすさまじい物であったが、その力を完全に抑え込む事ができたのが魔王とアリサだけであった。そんな二人の協力により、勇者の持つ聖剣の力は封印する事に成功したのである。だがしかしそんな勇者が暴走を引き起こしたのが魔族の呪いだと聞かされ、その事を聞いていた俺は、魔族を滅ぼす為に動き出す。

魔王との戦いから二日が経っていた頃だった。俺は魔族と戦う為の準備をするために王都の街から出発しようとしていたのである。そんな俺は、ある場所に足を運んでいた。その建物の中にいる人間達はみんな笑顔だった。そして俺はその笑顔を見て複雑な心境になってしまう。

それはなぜなのかというと、俺が笑顔になっている人間の中に自分の家族や友人の姿を思い出してしまって感情が乱れそうになっていたからである。

(中略)

そして、魔王討伐の旅の途中に手に入れたという伝説の武器を手に入れるために、俺は魔王城があると言われている場所に向かう。そして俺が訪れた場所は、魔窟と呼ばれる洞窟であり、俺はそこで一人の人物と出会う。その人物の名前はエルルという人物で、魔族側の情報を知っている人物であるということがわかった。その人物と出会ったことにより、俺と魔族との争いに巻き込まれてしまう。

(後略)

そんな魔窟で出会ったのは魔導師であり、俺はその人物に自分の正体を隠すと魔導師の案内で魔王のいる魔王城にたどり着いた。

魔王城は、魔族の居城であるだけあって不気味な雰囲気が漂っていた。だが俺はそんな魔王城の門番をしている魔族と魔族に対して、自分の持っているスキルの一つである《解析者》を発動させていく。その時にわかった事は、魔王は、今現在この魔王城にはいないと言うことであった。そんな魔王不在の状況の中、魔王軍の幹部の一人である、ヴァンパイアの将軍は魔王がいなければ俺をどうにかすることは容易であると考えているのか自信満々の態度だった。だがそんな相手に対しても、俺は全く怯むことなく魔王城を進んでいく。

(中略)

俺は、俺の目的のためにも、俺はこの世界を、人々を救う事を目的として、魔王を倒しに行くのだった。

(中略)

そして、俺は、俺の本当の敵である魔族の長のところへたどり着こうとしていた。そして俺の視界に入って来た魔王の姿は、俺が想像したよりも遥かに恐ろしい姿だったのである。

俺は魔王を目の前にして緊張した状態で固まってしまい、魔王の鋭い視線に射貫かれ、俺は、自分の心の中にある何かが崩れる音を聞くと、魔王が何かを俺に対して言っているが俺はその言葉を聞くことができなかった。その俺の行動を見たアリサが、俺のことを心配して駆け寄ってきてくれていたのである。そんな俺とアリサの姿を目にした魔王の口元が少しだけ笑っているように見えた。

(後略)

俺はそんなアリサに対して言葉を発しようとするが言葉がうまく発せない。そして俺は自分が発しようと思った言葉とは違う言葉を口から発してしまった。その言葉を聞いてアリサが困惑している様子だったが、アリサが言葉を発しようとする前に、俺は、魔王が俺に向けて放った言葉を思い出したのであった。魔王が放った言葉、それは俺を殺すというものだったのだ。その言葉を聞いた俺は魔王に対する殺意を抑える事ができなくなり魔王に斬りかかる。

そんな俺に対して魔王も戦闘態勢に入り戦闘を開始する。そんな魔王の攻撃をなんとか防いでいく。そしてそんな戦闘の最中に魔王は「私を殺せば貴様の目的は果たせぬぞ。だからおとなしく私の前から立ち去れ!」という言葉を発せられ俺は一瞬戸惑う。その言葉は俺にとっては予想外の出来事だったのだ。

(後略)

そんな魔王とアリサが戦っている光景を見て俺は戸惑ってしまう。そしてそんな俺の目の前に聖剣を手に持った勇者が、魔王が作り出した結界に閉じ込められてしまう。そんな状況に陥ったアリサと勇者の様子を確認している俺の方に勇者と聖女が近づいてきて俺に問いかけてくる。その質問に俺が戸惑っている間にも事態はどんどんと進行していき俺はアリサと共にこの世界に残ることを選択するのであった。

(後略)

魔王の言葉を聞いた俺は魔王の事が許せなかった。そんな魔王に怒りを感じ、そしてそんな状況の中で俺は魔王に挑もうとするが俺の動きを止められてしまう。その事に驚きながら魔王を見つめるとそんな魔王がアリサに対して言う。そんな魔王に対してアリサは何も答えることができず、そんな俺とアリサを見比べながら、まるで勝ち誇ったかのようにニヤニヤとした笑いを見せる魔王に対し、俺は何もできない自分自身に嫌気が差してしまう。そして俺はアリサを連れてその場から逃げ出そうとするのだがそんな俺達に向かって魔王が言葉を発し、そんな魔王に対して何も言えない俺の気持ちを見透かされているような感じがしてしまい俺は思わず魔王に対して声を荒げてしまう。そして俺はその場から逃げ去るようにその場から離れるが魔王はそれを追いかけてこなかったのである。

魔王はなぜ自分を追いかけないのか疑問を抱きながらも俺とアリサは魔王から離れて、アリサが住んでいた屋敷へとたどり着くことができたのであった。

そして俺はアリサと別れの挨拶を済ませると俺は魔王のいる場所へと戻っていき、そして俺は魔王と再び対峙することになる。

そしてそんな俺と魔王の戦いを見守る者たちの姿があり、その中には魔王の姿があり、魔王と目が合う。そんな俺に対して魔王は余裕のある顔を見せてきた。そんな魔王に対して俺は剣を引き抜き攻撃を仕掛けようとするが、俺は攻撃を行うことができなくなってしまう。その事に驚いたが俺は、その事に驚いている間に魔王に腕をつかまれてしまう。そんな俺と魔王の姿を確認した魔王の仲間である暗黒騎士団のメンバーが一斉に俺に襲い掛かってくる。そんなメンバーたちの姿を見ていた魔王の瞳が妖しく光り俺のことを見据えると俺は体を動かすことができなくなったのである。そんな魔王に対してアリサの呼びかけによって意識を取り戻すが魔王は俺のことを解放せずにいたのである。そんな魔王をアリサの呼びかけにより魔王の手が俺の腕から離れた時、俺に異変が起きたのである。その瞬間に魔王は俺に言葉をかける。そしてその言葉は「残念だよ。お前はもう終わりみたいだね」と言うと、その言葉と同時に魔王が持っていた剣から衝撃波が発生し俺を襲う。

その衝撃を受けた俺は地面に転がって倒れてしまう。だがそのおかげで俺に掛けられていた呪縛が解けたのである。

そんな俺を見た魔王が、なぜか俺に背を向けるとアリサと聖女の方に向かって歩き出すと俺から遠ざかろうとする魔王の行動を不思議に思っている俺の前にはアリサと聖女が立ちはばかった。そしてそんなアリサたちの後ろに暗黒騎士団のメンバーである暗黒騎士団団長が立っていた。そして暗黒騎士団の騎士団長は魔王を守る為にアリサと聖女を足止めするように指示を出していた。その行動に対して俺は違和感を感じる。

暗黒騎士団のメンバーは全員暗黒騎士の甲冑を装備していることからも分かるように全員男である。

暗黒騎士団とは闇の騎士団と呼ばれる魔王直轄の軍隊のことである。

その軍団に所属しているメンバーは全員が闇に生きることを宿命付けられていると言われている魔人族であり、その中でも最強の力を持った存在が魔王軍四天王の一人である暗黒騎士団団長であり暗黒騎士団団長はその称号を持っているだけではなく、実際に魔族の中でも魔王を除けば最強の存在とも言われている存在であるらしい。その暗黒騎士団の長である暗黒騎士団長の強さを目のあたりにしたことがあるものは魔族の中にもいないという話がある。それほどの実力を持っている人物が、どうして魔王を守ろうとしているのか、俺は理解できなかったのである。

(中略)

俺の前に立ちはだかる二人は、俺に対して武器を構えていたのである。

俺は、そんな二人を見ながら、俺はアリサが魔王の事を愛していた事を思い出したのだった。そんな二人の前に立った俺は、そんな魔王を俺の命をかけても倒そうと決意し、そして、そんな二人の事を傷つけないように魔王を俺が引きつけようと決めたのである。

(中略)

俺がそんな魔王の事を見ている中、魔王の体が黒い霧に包まれたと思うと、その次の瞬間には、その姿を魔人の物に変えてしまったのである。その魔人は身長は2メートル近くあり筋肉質の体に赤い髪の毛が特徴な人物であった。

その魔人がアリサと聖女の方に歩いていくとアリサがそんな魔人に対して剣を構えるが聖女がアリサのことを静止させ魔人を通せんぼしようと前に飛び出したのだ。だがそんなアリサに聖女が魔人に吹き飛ばされてしまい、魔人がそのまま魔王の元へ向かうと魔王の隣に並んだのである。

俺は、そんな魔人の様子を見ながら、俺はどうすべきなのか悩んでいたのであった。そして俺の目に入った光景を見て俺はさらに悩みを深めていくことになったのであった。それは俺が助けようとしていたはずの少女、つまりは魔王ルミアがその隣に並び立ったからである。

そんな光景を見て、俺は目の前にいる魔王のことを見ることができずにただ下を向いているしかなかったのである。

そしてそんな俺の様子を見た暗黒騎士団長が言葉を発する

「勇者よ!さあ!魔王様と戦うがよい!」そう言ったのだ。

(後略)

そんな言葉を聞いた瞬間に俺はこの世界の理不尽さと無常さに苛まれた。そしてこの世界に自分の身を犠牲にしてまでこの世界を救おうとしている自分が滑稽だと感じるようになってしまい絶望してしまう。そんな俺に魔王は言葉をかけたのだ。「この世界を救うために魔王様を倒す必要があるならば、それは貴様ではなく、私がしなければならないのだ」

魔王のこの言葉を聞き俺が抱いていた考えや覚悟はなんだったんだろう?と思い始めて自分の心の中のもやもやしたものが広がっていき、魔王の言葉で完全に自分の感情を押し殺すことになってしまう。そんな魔王の言葉に対して俺の心の中では、「そんな事はわかっている!」という言葉が渦巻き、俺を縛り上げてくるような感覚に陥る。そして俺の中で様々な思いが巡っていたのである。

(後略)

俺は目の前の少女、アリサの事を見ていて、自分の気持ちを抑えることができなくなっていた。そして俺は自分の中にあった気持ちを抑えることができず、魔王の目の前であるにも関わらず、俺の口から言葉が出てしまいそうになる。その言葉とは「俺が、お前の事が好きだから魔王を倒したくない。魔王になってほしい。ずっと俺と一緒に居て欲しい」というものだった。

(後略)

俺はアリサの悲しげにうつむいている姿を見てしまう。そんなアリサに対して俺は何も言葉をかけられなくなってしまった。そしてそんなアリサの背中に隠れていた魔王の顔が、一瞬、俺と目があったのだ。その目は、どこか寂しそうな瞳をしており、俺はその目に囚われてしまっていたのであった。

そして俺達は王都を離れ旅に出ることになる。

その旅の目的は、この国の姫と王子を暗殺しようとしている組織、黒騎士団の調査と壊滅。

(後略)

そんなアリサの質問に俺は答えることができない。そんな俺を見て、アリサが口を開いた。その表情を見た俺の中に何かが芽生えたのである。その言葉を俺は聞くことはできないまま、その日の夜を迎える事になった。そしてその夜は過ぎていったのだった。

夜になり皆は眠りについたのである。

そんな部屋の中にはメイと勇者の姿があり二人は部屋の中を見渡している。

その視線の先には魔王の姿があったが魔王はベッドの上で眠っていたのである。

(後略)

魔王の言葉を聞いた瞬間に俺はこの場を逃げ出したい気分になっていた。だが、そんなことをしても無駄なことだという事がすぐに分かってしまった。目の前に立つ二人の圧倒的な威圧感に、俺は何もできずにいたのである。その威圧に耐え切れなくなった俺は無意識のうちにその場から逃げ出そうとしたのだがその行動はすぐに見破られてしまい魔王に阻止されてしまった。

そして魔王はそんな俺に対して、こう告げたのである。

そんな魔王の真剣な雰囲気を感じ取ったアリサと勇者は黙り込んでしまい俺達を見守る。そんな静まり返った空間に俺は緊張感から汗が額から滴り落ちているような気がしたのであった。そしてそんな状況が数秒間続く。そんな状況が続くうちにアリサと魔王から放たれるような重苦しい雰囲気はなくなり普段通りの感じに戻っていたのである。そのことに俺は驚き、それと同時に安心していた。そしてそんなアリサの後ろからひょっこりと出てきた暗黒騎士団団長の暗黒騎士さん。

(後略)

そんな俺に対して暗黒騎士団長は声をかけてきたのである。

そしてそんな声を聞いている最中に、突然、視界が暗くなっていく。その暗くなった視界の先には先ほどまで暗黒騎士団団長がいた場所に一人の男が現れていたのだった。その男の外見を簡単に言うと、一言で言うと仮面を身に着けた道化師といった感じの男だったのである。そして、そんな男が突如現れたことによって暗黒騎士団団員全員が姿を現し、暗黒騎士団団員全員が暗黒騎士装備をしている姿を見てしまった。そして目の前に現れたその男に対して俺も、俺以外の者達も全員呆気に取られてしまう。だがそんな中でも一人だけ違う反応を示した者がいた。暗黒騎士団団長である。暗黒騎士団の団服を着ており暗黒騎士としての姿をしておりその容姿も体格もそのまんまなのだが唯一その頭部につけていたマスクが取り払われて素顔を見せられている暗黒騎士団団長は目の前に現れた人物を知っていたのだ。そしてその正体を暗黒騎士団の他の者に知らせる前に、俺達にその姿を見せてしまったのである。そんな暗黒騎士団の集団に、いきなり暗黒騎士団の団服を脱ぎ捨てた謎の人物が話し掛けてきた。

そしてその話を聞くとアリサが、魔王に対して言葉を発したのである。

「そんなことできるわけがないじゃない!」と魔王に食って掛かろうとしたアリサだったが、魔王はそんなアリサを言葉で止めた。そしてそんな言葉を言い終えた後に魔王が俺に話しかけてくる。

「私はお前を信じることにした」と魔王に言われてしまい俺は戸惑いを隠しきれない状態になってしまった。そんな困惑した状態で俺はどうしたらいいのか迷ってしまう。だがそんな俺の気持ちとは裏腹にアリサと聖女も魔王の言葉に同意してしまったのである。

(中略)

「私の事は、お前が知っている通り魔王ルミアである。そして私の隣にいる少女の名は暗黒神ルシフェルである」

(中略)

そして魔王が説明してくれたことに対して俺は、何も言い返すことができないでいた。魔王の話を俺は聞いていくが、その内容は、とても衝撃的な内容であったのだ。

(中略)

そして魔王ルミアは続けてこんなことを言う。

「そんな顔をするな。今更このような事を言って信じてくれるかわ分からないがお前が思っている以上にお前の考えていることは間違ってはいない」と言ってきたのだ。そんな魔王に対して俺はどう返答すれば良いのかがわからないでいるとアリサが俺のことを庇ってくれた。

「大丈夫よ。あなたが今までやってきた事が正しいことだというのは私が保証してあげる。だからもっと胸を張って堂々としていてよ」と言われたのである。そんな言葉をかけられた俺は、少し気まずさを感じたがそれを隠すように「ありがとう。俺頑張るよ」と言うことができたのだった。

その言葉を聞いて俺も勇気が湧いてきて俺は俺のやるべき事に向き合おうという決意をすることができた。

そんな会話をしてから数分が経過していた。その間もアリサと聖女の二人は沈黙を続けていたのだ。俺はアリサと聖女を交互に見て何を喋ればいいのだろうかと考えていると、魔王と聖女の二人はお互い顔を合わせると、お互いに小さくうなずき合ったのだ。そんな魔王と聖女の姿を見てアリサが二人に向かって言葉を放つ。

「あなた達の言っていることが事実なのは理解しました。だけどどうして魔王は魔族なのに人間である私たちと一緒に戦おうとするの?」

聖女はその問いに対して言葉を発さず首を横に振ってしまった。その聖女の行動を見ていた魔王ルミアが聖女の言葉に割り込むような形でアリサに対して言葉を返す。

「この世界に平和が訪れるには私が魔人族を纏め上げる必要があります。ですが今の現状で魔族の統率が取れていません。魔族をまとめるには魔王と聖女の存在が必要になり、聖女は魔人の信仰の対象であり、そして魔人の信仰対象には魔人を取りまとめることができるだけの実力が必要なのです。そのためには私が表に出て行動しなければならない状況になってしまいました。そこで貴女たちのような方に協力して欲しいと思い今回この国にお邪魔させていただきました」

「そうね。魔王の考えを聞かせてもらったけど貴方がこの国に来る理由はわかったわ。それに、この国の姫はあなたのことを探し続けていたんだから、魔王が現れたら大喜びになるんじゃないの?」とアリサは言うと、そんな言葉に、魔王ルミアは困ったような表情をしながらアリサに向けて言葉を発する。

「確かに、私が城に訪れた時に国王陛下とお会いし話をする機会はあったの。その際に私は姫君と面会をしたの。その時に私の正体が魔王だということがバレてしまって私は城から出ていくことにしたの」と、その時の情景を思い出しながら魔王が言ったのである。

そして、その話を聞いてアリサは魔王に対して質問をする。

俺は、アリサの言葉を聞いた魔王の瞳の奥に何か強い意志があるということが俺にもわかっていた。そしてアリサの質問に対して魔王はこう答えるのであった。

「それはできない。私は魔王であるが故にこの世界の平和のために戦う」とアリサに対して魔王は告げると、「そんなことわかっているわよ」と魔王に対して言葉を放ち魔王とアリサの間で、一触即発の状態になるのではないかと俺が思っていても魔王はそんな様子を見せずにいたのである。そしてアリサも、そんな魔王に文句を言うのをやめてしまい黙り込んでしまった。そして、アリサから言葉が出る前に魔王は、その部屋から立ち去ろうとしていたのであった。

(後略)

俺と魔王は互いに無言のまま対峙し続けるのであった。そんな緊迫とした雰囲気の中、俺は自分の意思とは関係なく自分の体が動き始めてしまう。そして、魔王に剣を突きつけると俺は魔王を倒そうとするのである。

そんな光景を俺は見ていて何が何だか分からずにいる。そんな俺の体に自分の体の動きを止めることができずにいる。だが、俺が剣を向けると目の前にいるはずの魔王は姿を消してしまったのだ。そして俺の後ろに姿を現していたのである。

そして背後にいた魔王は、そのまま攻撃してくることもなくただ俺に対して質問をしてきたのである。「なぜお前はこの世界で勇者と呼ばれる存在にならなければならないのだと聞かされていたのか?そして何故お前の魂が二つに分かれているのかということも聞かされているのか?教えてくれ」そんな魔王の質問に俺は答えることができなくなってしまったのである。そんな状況に、俺の横に現れたアリサが口を開いた。

そしてアリサは、そんな俺の代わりに答えていく。

そんなやり取りを見ていて俺は何もすることができないまま、ただ黙ってその様子を見続けるしか無かったのである。だがそんな状況を打破するかのように俺達の元に勇者がやってきた。そして勇者は、この状況を見兼ねたのであろう、俺達に話しかけてきたのだ。

「これはどういうことなんですか!?私に事情を話してください!」と言ってきたのである。俺はそんな勇者の言葉を受けてどうするべきなのかを考える。そしてそんな考えの中で、魔王を倒すために来たわけではないと思い出してしまった。そして俺は勇者のほうを見ると「とりあえず魔王の誤解を解くことから始めたいと思う。俺と魔王の会話を聞けば、俺達が争っているような雰囲気じゃないことはわかるはずだから、今は少し待っていて欲しい」と言って俺は魔王の誤解を解きに魔王と会話を始めるのだった。

「まずは、お前は自分が魔王だという事を認めるか?」と俺の口から出てきたのはそんな言葉だった。その俺の言葉に魔王はゆっくりとした口調で返事を返してくれる。

そして俺は、魔王が魔王になった経緯を聞いていくのだがその話をしているうちに俺は魔王が魔王として存在している理由を知ってしまうのである。そして俺は魔王に対して同情に近い気持ちを心の中に宿らせていたのだ。

そんな俺の様子を魔王は見逃さなかった。

だが俺は、そのことに対して言葉にして魔王に対して伝えようとする。だが、魔王は自分の思いを吐き出していくのであった。

俺はその思いを聞いてしまったために何も言い返すことが出来なくなってしまい、魔王の気持ちを受け入れることになる。そんな俺の反応を見た後に魔王が俺に向かって言葉をかけてきた。

その言葉に対して俺は、何も言うことが出来ないでいたが魔王が言葉を続ける。「もういいだろう。私の気持ちを伝えさせてもらった。これで満足できたのならば私と戦ってくれないだろうか。今すぐに、お前が私の力に敵わないことを証明する必要があるのだよ」そんなことを言い放つ魔王に対して俺は何も言い返すことができない。だが、俺は魔王に対してこんな提案をするのである。「俺をお前の味方にすることはできないのか?」その言葉を受けた魔王ルミアの顔からは、先ほどまでの悲壮感に満ちた顔とは違いどこか楽しげな様子を見せていたのである。そして、その魔王の姿を目の当たりにした俺は魔王の変わりように疑問を抱くことになったのだ。

そんなことを考えていると魔王と俺との間にアリサと聖女がやってきて俺に声をかけてくる。

そんなアリサと聖女の声を聞きながらも俺は、俺の考えを魔王に話すことにしてみたのだ。だが、その考えに対しても俺は俺の考えていたことが正しいかが不安になってしまう結果となってしまった。

そんな出来事があったせいかその後に行われた会話も全く身に入ることができなかった。(後略)

そして、その日を境に世界中を巻き込む大事件が始まる。

(後略)

そして魔王の口から語られた内容により魔王の計画が少しずつ進んでいくのであった。

俺は、魔王が語っている計画の内容を聞くにつれて俺はこの世界に起こっている危機についてを改めて理解することになった。

魔王ルミアの計画はこうである。

まず、魔王と聖女が手を組み魔族の勢力を集める。

魔族が魔王に対して協力する。

そのことにより、魔族の統率を聖女がとる。

聖女の力で聖国を作る。

それにより聖国の武力は魔王軍の配下が補うことになり聖国の兵力は大幅にアップすることになる。

そんな計画を、魔王から聞いて俺は「魔王ルミアの計画を実行しても良いんじゃないか?」と思っていた。

だが俺はそのことについてアリサとメイに伝えるのである。そしてアリサも、そんな魔王の作戦には賛成していたのだ。だがそんな状況でもアリサと魔王は意見をぶつけ合うのである。

俺は、そんな魔王のやり方に賛同できない。だから俺は魔王に向かって俺の考えを伝える。そして、俺の言葉に納得してくれた魔王は魔王城へ帰っていくのであった。

魔王を見送った後、俺は魔王に対しての感謝の言葉を口にしていた。その言葉に反応をしてくれた魔王であったがその表情は、あまり嬉しそうな表情をしてはいなかったのだ。

それからしばらくして俺達は王城へと戻っていったのである。すると、国王陛下の元へ挨拶に向かうという事になったのであった。

俺が案内された部屋に足を運ぶと既にそこには、国王陛下がいたのである。

国王陛下との会談が始まり話し合いが続いていったが、そこで分かったことがあったのだ。それは、この国の王様は本当に民の事を思って行動してくれているということであり、その行動のおかげで俺は今まで過ごしやすい環境に過ごすことが出来たのだということがわかった。そして、これからの行動次第では王国がこの世界を平和にすることができるのではないかとも感じることができたのである。

だがしかし、俺がこの国に残ってこの国を平和にするためにはどうしても魔王の力が必要だったのである。そんな俺の様子を見てかアリサが俺のことを慰めてくれた。そんな状況に俺は思わずアリサを抱きしめたくなってしまったのである。

そんな俺達の前に一人の女性が入ってきたのであった。その女性の名前はリリィと言い、この国の姫らしい。

そして俺達は、国王陛下との話を終えて、城の中を散策し始めると、俺はある部屋を見つけたのである。その部屋には俺以外の三人は立ち入ることはなく俺一人で部屋に入っていくのである。その部屋は何かの資料室でその資料に書かれている文字を読んでいると突然、背後から声をかけられてしまう。

「何をなさっているのですか?」と声をかけてきた女性は俺に対してそんな言葉をかけてきていたのであった。そして俺は、女性の方に振り返ると俺はこの女性が誰なのかを理解してしまったのである。なぜならこの人は、以前俺と謁見をしたあの王女さまだとわかったからだ。そんなことがあって俺は、慌ててしまったが冷静さを取り戻した俺は「すみません。この場所にある資料に興味が湧いたものですから」と言うとその女性は、「興味があるならご自由に見ていただいて構いませんよ」と言ってくれたのである。

俺はその言葉に感謝をしながらその場所から離れようとした時にふと、一つの資料が目についたのである。それは俺達にとってとても重要な資料であることがわかってしまい俺はその紙に書いてあった情報に目を通してしまうのであった。

(後略)

「そういえば、まだお前の名前を教えてもらっていなかったな。俺も名前で呼んでもいいのか?」

魔王は俺に向かってそんな言葉を言ってくるのであった。

そんなことを聞かれた俺は少し戸惑いながら「あぁ、俺の好きなように呼んで構わないよ。それで俺に名前を訊ねる理由は何だ?まさか俺に惚れたか?」

俺はふざけるように魔王に対して言うと魔王は「そういう訳ではない。だが、お前と会話をするのは嫌いじゃないんだ。それだけのことだよ」と言ったのである。

俺はそんな魔王の答えに微笑みながらも「まあいいだろう」と口に出して言ったのだ。そんな魔王の言動に対して俺は内心では、かなり焦っていたのである。だが俺はその事実を隠すようにして会話を続けていたのだ。

俺達がそんな会話を続けていると勇者の奴が俺達の会話の中に入り込んでくる。

そんな勇者に対して魔王は、「勇者さん。あなたもこの世界に呼ばれた人間なのですね。それにその様子ですとお姉ちゃんに会ったみたいですね」と言う。それに対して勇者は驚いたような顔をするのである。そんな勇者に対して魔王は「お姉ちゃんというのは、勇者さんの前の勇者ですよ。覚えていらっしゃいますよね?そして、勇者の力を受け継いでいたはずなんですけどね。どうしましたか?そんな難しい顔して」と勇者に対して話しかけてきたのである。だが勇者はその問いに答えることなく魔王に剣を向けて襲いかかってきたのだ。

俺はその光景を見た瞬間に「ちょっと待ってくれ」と言って、勇者の動きを止めようと動いた。そして魔王の前に立って盾になるように動きを止めることに成功するのだった。そんな俺に対して魔王は「君は誰なんだい?」と言って俺のことが気になるような素振りを見せたのだ。そんな時である。

「おい、そこの者!早くそこから動くのじゃ。今すぐ魔王の前から立ち去れ!!」

俺は後ろからそんな怒鳴り声で呼び止められたため振り返ることにした。するとそこに居たのはこの城の城主である王様の姿が確認できたのである。

だが俺は王様のほうを見向きもしないままで言葉を発することにした。そしてそんな言葉を受けて王様も俺に向けてこんな言葉を投げかけてくれる。

だが、そんな言葉を受けて俺はさらに魔王を庇うようにして動こうとするがそれを遮る人物がいたのであった。それは、魔王本人であった。

そして魔王は自分の体を動かそうとする。そんな行動を目にした俺達は驚くことになったのである。そんな行動を取った魔王に対して俺と聖女が同時に言葉を放つことになる。「「どうしてそんな真似をするの?」」という言葉に対して魔王は、「だってその人は悪い人ではないと思いますよ。私も初めて会った時の反応でなんとなくわかるんですよ。それに彼は私のために戦ってくれていましたしね。だから私が守ってあげようと思いましてね」と笑顔を見せてくるのであった。

そんな言葉を聞いた俺達はお互いに見合って困惑した様子を見せていたが俺はそんな魔王の様子を見ていて、なぜか魔王に対して親近感を覚えるようになっていたのである。

そして、王様は魔王の言葉を聞くと諦めたように俺に向かって頭を下げてきて、魔王の言っていることを信用するように俺に言ってきたのだ。そんな出来事が起きたせいか俺達は、その日はこの場で解散することになったのである。俺は城から出る際に魔王と目が合い軽く笑ったあとにその場から離れることにしたのであった。

魔王は俺が去って行く姿を見送りつつ、その後ろ姿に視線を向けながらも、聖女に魔王城に帰還することを伝える。すると聖女は「私はこの場に留まり、魔王様のお帰りを待ちますので、先に魔王城に帰還してください。そして、魔王様の言われたとおりに勇者がこちらの味方についてくれるか、それとも敵になってしまうのかを判断しなければなりません。それが今後の世界に大きな影響を与えることにもなってしまうでしょうし、魔王様にとっても大事なことですので魔王城に戻った後はゆっくりとお休みください」と言われたため、魔王は「そうだね。分かった。聖女ちゃんがそんなことを言うのならば魔王城に戻るとしますかね。でも魔王城まで距離があるから今日中に魔王城に到着することは難しいかもだけど大丈夫かな?」と心配そうに声をかけると、聖女は、すぐに魔法を使い移動を開始する。すると一瞬にして魔王は、魔王城に到着したのであった。そんな魔王を聖女は、魔王城の中へ案内していく。

魔王は案内されていく途中に、聖女にこの世界について色々と説明を受けていた。聖女が魔王に対してこの世界の状況を説明する。この世界は、元々平和そのものだったらしい。そして魔族と呼ばれる存在は、魔の森と呼ばれている森に住んでいた。その魔族たちは魔族同士で争いをしていたらしく、魔族の中で一番強い者がその頂点に立ち魔族をまとめ上げていたらしい。そして魔族の中でも強さの順位が存在するようだ。そんな戦いは数百年も続いたようで、その間ずっと争いを繰り返していたのだと魔王に話してくれたのだ。そんな中で突然、魔王が現れ、圧倒的な力を持って魔族の中の頂点に立ったのだという。そのため今では他の種族の人達と交流するようになり少しずつではあるものの、お互いの文化などを話し合い始めたのだという。しかし未だに戦争が続いている国も多く存在するという。そして、その国の王は自分たちの領土を広げるために多くの民の命を奪っているという現状なのだという。そんな話を聞いた後魔王はある一つの提案を持ちかける。その話は、自分が持っている能力を使うことにより、魔族の領土を広げていこうという考えであった。そんな考えを聞いてしまった聖女の口からはすぐに否定の言葉が飛んできたのである。

聖女の言葉は魔王にとってショックなことであり悲しげな表情を浮かべている。その様子から魔王のことを思ったからこそ、その考えを否定したということが分かった。そして、この世界に呼ばれた人間である魔王にこれ以上、無理をしてほしくないと思っていたからである。

だが魔王も負けてはいない。聖女の意見に納得がいかなかったのだ。そこで魔王は、「この力はこの世界に呼ばれてしまった時から授かったものだと思う。そしてこの力で世界を救ってほしいって誰かにお願いされた記憶もあるんだ。だから俺は魔王の力を使ってみんなを救いたいと思っているんだけど駄目なのかな?」と言ったのだ。その言葉に反論できるわけもなく、またそんなことを言ってしまった魔王に対しても申し訳なくなってしまった。そこで聖女は、自分の意見を変えることにしたのである。この先どのような結果になっていくのかはまだわからないけど、このままだと、もっと被害が大きくなるだけだと思ったのだ。そのため、聖女は魔王の考えに賛同したのであった。こうして二人の意思が固まったことにより、今後どうするのかを決めることにしていたのである。その結果決まったことに対して二人は、この城を出発してからの行動を起こすことにするのであった。

(中略)

だが、それでも魔王と聖女の間には、何かしらの意思疎通がされていたようなのである。

それからしばらくの間は何も起きることはなかったのだが突然、聖剣を持つ勇者が俺たちのいる宿へとやってきたのであった。しかも勇者だけではなく数人の仲間を連れていたのだ。俺とメイが勇者達と戦闘を繰り広げてから数時間ほどが経過していたため勇者達は宿屋の一室で休んでいたところいきなり部屋に乱入してくる勇者達の姿を目にしてしまう。

そんな勇者に対して俺は、「何の用だ?まさか俺達を殺しに来たんじゃないだろうな?」と言う。

そんな言葉に対して勇者の仲間である剣士は「そうじゃない。俺達の目的はお前たちではなく、魔王と、そしてそこの女の子に会いに来たんだ。俺達はどうしても魔王様に会わなければならいのだ」と言う。そんな剣士に対して俺と聖女は顔を見合わせるのであった。

(前略)

そんなやり取りをしている最中に、俺に向かって剣を振ってくる人物が目に入ったのだ。その剣は確実に俺の首を狙ってきていた。そして俺は、その攻撃を回避しようとした時、俺は相手の腕を斬り落とすことに成功する。だが俺は斬られる瞬間に相手が何をしてきたのかが気になった。そのことから俺は相手から距離を離して様子を確認する。そして俺は相手のステータスを見てあることに気づく。それはこの世界ではかなり珍しいレベルの数値だったのである。

俺はそのことがとても不思議に思えた。何故こんなに強い人間が存在するのだろうか? そんなことを考えつつも勇者の攻撃をかわすことに専念する。だが勇者の実力が予想以上だったために苦戦を強いられることになった。そしてそんな時、聖女が俺を助けに来てくれたのだ。

聖女が来てからは形勢は一気に逆転することになる。勇者は聖女に対して攻撃を仕掛けるがそれをすべて避ける。その隙に俺は剣で勇者を牽制して、そして聖女が魔王の能力を使うことになった。魔王は、自分の魔力を相手に分け与えることで一時的にパワーアップすることができる能力を所持しており、その力を使ったことによって勇者の攻撃をすべて弾くことに成功していた。だが聖女は魔王と違って体力が有限のため長期戦は不利になると悟った俺は魔王にある頼み事をすることに決めるのである。そして、俺は勇者にこう言うのだ。

「俺は、勇者に対して恨みなどはない。俺には勇者に対しての恨みや憎しみというものが一切ないからだ。ただ俺達がこれから行おうとしている計画のためにも邪魔されるわけにもいかないのだ。それに魔王様は俺とお前を戦わせて楽しむつもりだったらしいがそんな暇はなさそうだしな」と言って俺の言葉を聞いた聖女は俺の考えていることがわかったみたいである。

そして、魔王と、俺の会話から勇者と聖女が魔王に洗脳されてこの場にいるのだと思い込んだ。だが実際は違っていたため勇者も困惑している様子だった。そんな時に俺は、勇者に対して「聖女と戦ってくれないか?」と持ち掛けるのであった。そして、勇者と聖女はお互いに睨み合うと剣を抜く。

聖女が使うのは雷の力を纏った刀であり聖女が持つ武器の中では最強クラスにあたるものである。聖女の扱うスキルのなかでも、最も攻撃力のあるものが雷の刃であるため、その一撃を受けてしまうとかなりのダメージを負ってしまうことになるのは明白だと言えるだろう。そのため聖女が持っている刀に直撃することだけはなんとしても避けなければならないため細心の注意を払う必要がある。

(以下、魔王と勇者が聖女と戦い始める。だが、その途中で俺は聖女に頼まれごとをする)俺は聖女に「少しの間だけ勇者を抑えていてもらってもいいか?」とお願いをする。そして、その言葉を受けた聖女はすぐに「わかりました」と答えてくれた。その返事を聞き俺は「助かる」と聖女に礼を言う。

そして俺は聖女に対しての詳しい説明を行わなかった。

聖女は俺の言葉に対して特に何も言わずに従ってくれているのだ。俺は魔王と勇者との戦いに介入することにした。聖女から魔王が聖女を守るために戦いを始めたということは聞いていたのである。

そんな魔王は聖女に指示を出す。魔王の言いつけ通りすぐにその場から離れた聖女。俺はその様子を見ながら魔王と、勇者の剣戟を避け続ける。

(中略)

「そんなに焦らなくてもすぐに終わらせるつもりだから心配はいらないよ。それに魔王様にも言われたことだし、この国に住む人々を救うためでもあるんだから、悪いようにはしないさ」

聖女の言葉を聞いても勇者の表情は変わらない。それどころか聖女のことを気にしながら俺と戦っているようだった。

俺はその隙をついて魔王から預かった能力を使い勇者を無力化することに成功したのである。そんな出来事に聖女が驚きの声をあげるとすぐに、魔王の方を見たのだ。だがその魔王の表情を見る限りは特に問題がないような気がしていた。その証拠に聖女に対して微笑みかけているのだ。その魔王の笑っている姿を見て、安心をしたのか、すぐに冷静になり俺と聖女のことを見てきた。

そんな聖女の様子を見ながら俺は、勇者のことを見つめていると、勇者は突然その場に倒れこんだのだ。そのことに驚いてしまった俺は思わず、「おい、どうしたんだ!?」と声をかけてしまっていた。すると聖女は、「心配する必要はありません。私が使った薬が体に馴染むまではまともに体を動かすこともできないと思いますので大丈夫ですよ。それに勇者も今は動けない状態になっているのですから私達はこの場から去りましょう。このままここにいても仕方がないことですし、リクさん、そしてそこの貴方も、魔王城に一緒に向かいませんか?」と言ったのだ。

その言葉を聞いた俺はその誘いを受けることにする。

そんなやり取りをしたあと聖女が勇者のことを背負っていく。そんな様子を確認していた時だった。突如魔王の方に何かが落ちていくのが見えたのだ。

俺はその落ちているものの正体を確かめるために確認してみるが、それがなんなのかはすぐに分かった。その物体の外見があまりにも不自然であったからであった。その物の名前は『天使の腕』と言われているものになる。だがこの腕は実際には存在しないはずの物であることは知っている。だがなぜこの世界に存在しているのかは分からないがその存在自体が危険であるということも分かる。

その腕は魔王に襲いかかり魔王は回避しようとするが間に合わずに攻撃を受けてしまい右腕を切り落とされるという事態に陥ってしまった。そしてそんな事態になっても魔王は動揺せずにすぐに俺の目の前に現れると、俺に剣を振り下ろしてくる。その攻撃を剣で受け止めようとした俺だったが剣の方が簡単に折れてしまったのだ。

そんな時であった。魔王に向かって聖女が攻撃を放つとそのまま魔王を吹き飛ばしていったのであった。

(前略)

そして、聖女に対して「お前が本当にあの魔王の娘だというのか?」と俺は疑問に思っていたことを口に出したのである。

だが聖女は俺の質問に答えようとはせず黙って俺の顔を見続けていた。そして、俺に向かって「そんなに私のことを信じてくれないというなら私は今ここで自害してもいいと思っているくらいだよ。だって、魔王の血を引いていることを隠していたって意味がないしね。でも君たちにこれ以上迷惑をかけたくもないと思っているから、私は君のことを助けたいと思っているんだけど、それでも信用してくれないかなって思っているのだけど」と言い放つ。

俺は、聖女の発言が信じられなかった。だが俺が知らない情報を持っていたことに違いはなく、また俺の知っている情報よりも多くのことを聖女が知ってしまっている可能性も高い。そんなことから聖女と話を進めていくうちに、聖女に真実を聞くことにしたのである。

そして、聖女の話を聞いて、納得のいかないことが多々あるのも事実だ。しかし、そんなことをいつまでも気にしていたところでしょうがないと考えた俺は、これからの行動について考えを巡らせる。その結果として俺はある結論に至ることができたのである。

(後略)

俺達はその後宿屋を出る準備をし始めた。そして俺はメイのことが心配になっていたのでメイに念話で状況の説明をお願いしていたのである。そして俺達は、魔王と、勇者達と共に城へと向かうことになった。

魔王が所持する剣が、どのような性能を持つ剣なのかが気になって、どんな力を持っている剣なのかを確認したいと思っていたのだ。

だが俺は聖剣に対して鑑定系のスキルを使用することはできるが相手の剣に対しては、相手の剣がどのような能力を秘めた武器なのかを知ることができないのである。だがそれは当然のことだった。そもそも魔王の持つ特殊な能力を持つ魔装が特別な武器であるからだと言うことが出来るだろう。

だが俺の持っている武器である月華と、魔王が持っている剣ではその能力の差が大きいことからも、やはりその武器の能力が特殊であるということだろうと思うことができる。そして聖女と勇者が使っている刀もまた普通の剣ではないのは一目見ただけでわかっていたため俺は、二人に刀の性能がどれぐらいのものであるのかということを知りたかったのだがそれを聞かなかった。

(以下、城へと到着するまでの内容が続くため中略)

そんなこともありながら俺達は、無事に城の前までたどり着くことができていた。そこで勇者を背負った聖女が先に中に入っていき、俺と魔王はそのあとに続くような形で城の中に入った。そして、勇者が魔王と戦うことになるであろう部屋に到着するまで時間はかからなかった。その部屋の扉を開けるとそこには魔王と、勇者、そして聖女の姿があったのだ。俺は聖女に近づき聖女が魔王と話をしてもいいというタイミングを見て俺が口を開いたのである。俺は、聖女の口から魔王の目的についての詳しい説明をお願いすることにしたのだ。

(中略)

「なるほどね。それならば私がやろうとしていることに協力をしてもらえるかもしれないな」そう言うと、聖女の持っている紙に手を乗せると何事もなかったかのように立ち上がったのである。だが俺はそんな出来事が起きたにも関わらず驚くようなそぶりを見せていなかったのだ。

そんな出来事に対して聖女は苦笑いをしながらも説明をしてくれたのだ。

(以下省略します)

それからしばらく経つと聖女が再び魔王と話し始めた時にはすでに勇者は完全に復活を果たしていて、そして何故か俺達は全員で食事を取っていた。

聖女曰く勇者は仲間のために自分が頑張ればなんとかできると考えているらしくそのためには手段を選んでいないようだった。俺はその様子を眺めながら食事をしていたがそんな時聖女が「それでですね。私としては、この国で、貴方達が暮らすことになる場所はどこになるのかと思っています」と口にした。それに対して勇者が、「俺はこの国の王だからな。この国で一番良い環境にある場所に住まわせてあげるつもりさ。それとだ、その建物の中には大きな庭があるから好きな時に鍛錬ができるから安心して暮らせるようにしているつもりだぜ。まあ、そのあたりは実際に見てもらえたらいいとは思うんだけれどもさ、どうだろうか?聖女と勇者殿?」と口にしていたのである。

(以下、俺が、メイと一緒にいるところと、聖女が、魔王との会話をしている内容が書かれている)

(中略)

「さて、とりあえずはこんな感じでいいんでしょうか?」と俺は魔王に確認をする。すると魔王は俺に対して笑みを浮かべ「うん、これで大丈夫だろう。後は魔王軍がどうなっているのかとか色々と聞きたいことがあるが今は置いておこう。とりあえずは、その聖女に会わせてくれるのであれば魔王軍と協力をするということでいいんだよな」と言ったのだ。

魔王のその言葉を聞いた俺は、そんな魔王に笑顔で返事をしたのであった。

俺は魔王の言葉に答える。

そして魔王は「さっそく会いに行ってみるとするか」と言うのであった。

俺達はその後勇者に連れられてその場所に移動することになった。

その移動の最中に勇者が、聖女の方を見ながら魔王に向かって話しかけてきたのだ。その内容は、聖女のことを勇者の仲間として認めるようにしてほしいという内容だったのである。

魔王は勇者の言葉を聞いてその頼みを受け入れることに決めたようで、勇者はそのことを嬉しく思ったようだ。

勇者の表情がとても明るくなったような気がしたのだ。だが俺の見間違いではなかったようである。

魔王に対してそのことの礼を言い始めていたのだ。

俺は、勇者の様子を見ながら俺はそのやり取りを聞いているだけであった。そして、勇者に対して聖女が自分の父親であることを伝えると勇者が驚きの声をあげていた。

(以下省略します)

そして俺と魔王と聖女と勇者の四人で魔王城を出て、魔王が作り出した転移魔法によって、聖女の住んでいる屋敷に移動するのであった。

そんなこんなで、勇者と聖女が知り合いになりました。

(魔王と聖女と俺が一緒に歩いていた時の様子を書いてあります。この文章が最後の部分となります。なのでこの続きから物語がスタートします。このページを飛ばさずに次の文章に飛んでくださいね!)

聖女様が、魔王に俺達のことについて紹介をしてくれてからすぐに、聖女様の屋敷の中で、話し合いが行われることになり、そして俺達は応接室に案内されることになった。

そして、俺と魔王と聖女で話を進めていく。

その途中で魔王が、「そうだ、私もお前たちのことは信頼したいと思っているんだ。私の配下に魔王軍がいるわけでもないんだしな。その前にだ、勇者のことを私にくれてくれないかね?」と言ったのである。

俺は魔王に言われた言葉が信じられず固まってしまった。だがそんな俺のことを魔王は全く気にすることなく俺に向かって勇者のことを紹介してきたのだ。その様子から俺は、魔王にとっての、その言葉が軽いものだということを理解してしまったのである。

そしてそんな様子の俺のことを見たのか魔王は、「ははは、冗談だよ。別に本気ではないよ。お前は、そんなことで悩んでいるわけではないのだろう。勇者のことが欲しいのならば私はいくらでも勇者の力を利用させてもらうだけだよ。私はそういう性格の持ち主だからな」と口にする。

(中略)

魔王と勇者が仲良くなれているという事実は俺を驚かせるには十分な理由になっていた。なぜならその二人の関係は今までの世界の歴史で言えばあり得ないようなものだったからだ。だからこそ魔王と勇者の関係の変化について、俺は驚いたのである。

そんなこともありながらも話は進み勇者は、聖女に自分の仲間になってくれるかどうかを確認することにしたのだ。聖女もそんな勇者に対して仲間になることを即決していた。勇者の気持ちを考えると断るなんてことはないと思っていたのである。

聖女は勇者と魔王が仲が良いことを喜んでいたのだ。それはまるで、子供のことを大切に思っている母親のような姿に見えていたのである。そんなことを思っていた俺の頭の中に突然声が流れ込んできた。それは念話の魔法によるものであった。そしてその念話が送られて来た人物は聖女からであり俺はすぐにその内容を聞くことにしたのである。そしてその念話で送られてきた内容が驚くべき内容であったために、俺は、聖女に対して警戒心を露わにしていたのである。

俺はその念話の内容を確認しながらそんな反応を示していた。だが俺以外の人は、俺の反応が不思議に映っていたようであった。そのことに俺自身も気が付いたのである。そのため、俺は誤魔化すために話を変えるように行動に移した。それは俺と聖女とで会話をするように見せかけながら俺とメイが二人で話が出来る機会を作ろうとしたのだ。その結果として、俺は魔王から逃げ回るということになってしまったのである。

だが、その行動の結果としては俺はメイと二人きりになれたので俺はそれで満足をしていたのである。

(後略)

聖女と勇者と、俺の三人だけしかこの部屋の中にいなかったからだろう、俺が少しばかり本気を出してしまったため、勇者と聖女を失神させるという事態が発生してしまう。

(以下、三人で会話をしている場面が続きます。そして魔王が乱入してきます。魔王も気絶しています。ちなみに魔王は気絶をしても聖女の力で治りました。魔王は死んでいません。この世界は、HPという概念がないために死にかけで動けなくなっていても生き返ります)

勇者と聖女と俺は三人ともが気絶した状態だったのでこの場に残ることにするのであった。だが俺は魔王城で手に入れた魔剣を取り出した。

(以下、三人で会話をしながら魔剣の性能を確かめるための戦闘を行います。そして戦闘描写を省いているため省略しますが魔剣が壊れるといった出来事は起きずに無事に魔剣を手に入れることができています。そして、勇者と聖女が起き上がるまで俺達は話し合っていたのである。)

「それじゃあ聖女と勇者は、魔王に引き渡して魔王軍と一緒に魔王の配下の人たちが住んでいるところに行けばいいってことかな?」と俺は言う。それに対して聖女が「ええ、そうですね。そのほうが安全だと思います。そしてそのようにすれば勇者は仲間のために戦おうとするでしょう。それに魔王軍の方々に魔王様がお話をして、魔王軍に入ってもいいという人がいるのであればそれも受け入れるようにするのが一番良いと思うのです」と答える。

俺はそんな答えを返してくれるとは思ってはいなかったのだ。聖女なら勇者のことを考えたら勇者を無理やり仲間に加えさせようとすると思ったからである。だけどそんなことはなく、聖女は自分の父親でもある勇者のためを想った考えを口にしていることがわかった。

(中略)

それからしばらくの間、聖女や勇者と、雑談をしていると部屋の外から誰かが走って来る足音が聞こえてきたのである。

そして扉が開かれる。その瞬間だった、そこには、俺の見知った人物がいたのだ。俺は、その姿を確認した瞬間思わず叫んでしまった。

(勇者視点)

俺が魔王と話していると急に後ろから叫び声が聞こえてくる。振り返るとそこにいたのは、聖女と、そしてその仲間の女であった。その二人はなぜか倒れていて、俺は何があったのかと驚きを隠せなかったのである。

聖女は、勇者の方をじっと見つめると、「貴方、勇者ね?貴方がこの国にいるということは勇者がいるということなんじゃないの?それなのに貴方の目の前に立っているその女性は一体誰なのかしら?どうして貴方と一緒にいたの?」と言う。その言葉を受けた俺は戸惑ってしまったのである。なぜなら俺はその女を知らない。その女のことは知らないと、俺の口から聖女に伝えなければならない状況に陥っていたのだ。

聖女はそんな俺の動揺に気付いたのか聖女はこちらを見てくると勇者に対して質問をした。「勇者、どうしましたか?そんなに慌ててどうしたのですか?」と。

それに対して俺は「いや、その、俺の知り合いの女の子に似ているんだけど、違うかもしれない。いやその子は俺の仲間なんだけれども、その子は人間なんだよ。この国の王城の地下に閉じ込められていたんだけれども、俺が魔王と協力するために外に出ることになったからその子も一緒に連れて行ってあげることにしたんだよ」と説明する。聖女はその言葉を聞きながらも俺の顔を見るがすぐに目をそらすと「そうなのね。わかったわ」と言ってくれた。

聖女が俺の言葉を信用してくれたおかげでどうにか助かったようだ。その言葉を聞いた俺は安堵の表情を浮かべてしまったのである。すると聖女はそんな俺の顔をしばらく見続けていたのだ。だがすぐに勇者の方を見て「勇者は魔王の配下になるの?」と言う。その言葉を聞いた勇者は戸惑いながら「その、俺はまだ決めていないんだ。これからそのことで魔王と相談しようと思っている。俺としては、勇者として魔王を倒したいという気持ちもあるけど、魔王はいい奴だし配下として魔王に協力していく道を選ぶことだってできると思ってる。俺はそんな風に魔王に対して考えているんだ」と聖女に言った。

そして俺はそんな言葉を聞いていたら俺の心の中にあった迷いがなくなっていく。俺は勇者のように強くなりたい、だから俺もこの世界に召喚された意味を果たしたいと、魔王に協力することを決めたのだ。聖女は俺のそんな姿を見て微笑み、その後、聖女が口を開く。その顔からはさっきまでの真剣な様子は消え去っていた。そのことから俺は聖女はもう勇者のことに関しては何も言ってくることはないと判断した。

聖女がそんな感じで話を進めてくれたからだろう。勇者が魔王の仲間になることが決まった。そして俺は聖女との話が終わるとすぐに魔王にそのことを伝えるために魔王がいる場所へと向かうことにした。

そして、魔王が待っていると思われる、応接室にたどり着いた俺はすぐに魔王の居場所を確認することにした。そしてその方法を使ってすぐに俺は魔王がいる場所にたどり着き魔王に勇者のことを引き渡すことに成功した。

魔王のことは俺が勇者のことを聖女に預けた時にすぐに、気絶させたからだろうか魔王は、俺のことを襲おうなどとはせず素直に従ってくれたのである。俺は魔王のことを気絶させると急いで聖女のもとに戻ったのであった。そしてその道中では俺は、魔王が勇者のことを配下にしないという言葉が気になったこともあり、「本当にそれでよかったのか」などと尋ねてみたりした。そのたびに魔王が少し不機嫌になったりしていたが、そのことについては気にしないようにした。

聖女の元に戻ると、そこには勇者もいたので俺は魔王から受け取った魔剣を取り出す。そして俺は魔王と会話をすることになる。だがその内容は魔族と人間が共存するというもので、魔族の俺からすればかなり受け入れがたいものであった。

そして俺は魔王の配下になるということがどういうことを意味するのかということが分からなかったのだ。魔王は魔族は人間と共存するべきだという考えを持っていた。だからこそ魔剣を渡すという行為も魔王にとっては当たり前のことだったらしい。だが俺からすればそれは受け入れられない考え方なのだ。

(中略)

俺は魔王の話を聞いた後で部屋を飛び出した。そんな行動をとった理由については俺自身よくわからなかったのだ。そしてそんな行動を取った理由は俺の中に湧き上がった感情が関係していた。それは俺の中に芽生えた怒りのような感情である。それは聖女に対するものであった。俺はこの世界の常識を知らずに無知であるということを棚上げし、聖女を責めてしまったのである。

(以下、聖女視点で会話が始まります。省略が多いです)

私は突然に怒鳴り散らしてきた男を見ながら呆然としていたのだ。私がこの国で暮らしている時には、私の周りにはこの男の言うようなことを言いながら行動するような人物はいなかった。だがそんな人物が現れたのである。

男は、そんな私のことを気にせずに怒っているようであった。その声は大きく響いていた。そしてその男は「聖女と魔王が仲良くなるってそんなこと信じられるわけがないだろうが!聖女は、魔王に騙されてるだけなんだよ。あいつらが仲良くなんて出来るわけがないだろ!」と言っていたのである。その言葉を聞いて私は思わず「どうして魔王様が私たちを騙すんですか?貴方は魔王様のことも信じてはいないということでしょうか?」と尋ねる。その言葉を聞いた男性は少し黙った後で再び大きな声で話し始めてきた。

(以下、三人で会話をしながら、聖女から話を聞くシーンが続きます。勇者は途中で席を外すことにしています。この場に残った聖女から魔王とのやり取りについて聞き出すために)

勇者が部屋を出ていった後も勇者の言動によって生じた不快感は残っていた。勇者には悪いとは思うが魔王が嘘をつく理由がわからず納得がいかなかったのだ。そんな私の様子を見た聖女は勇者の方に意識を向けると聖女も勇者が出て行った扉に視線を移しながら「確かに勇者の言っていることも一理あるのかもしれません。勇者が見た光景が真実なのかどうかはわからない。でも勇者が魔王と仲が良いと言っているのであればその魔王を信じても構わないんじゃないかと思いますよ。それが例え罠であっても私たちは、それに従うしかありません。勇者はきっと自分の目で確かめたのですよ。その結果、魔王と魔王軍が私たちの敵にならないと判断したのであれば、私はその意見に従いたいと考えています」と言ってきたのだ。その聖女の発言を聞いた私は、勇者は魔王のことを信頼しているんだと感じたのである。だけどそれでもやはり勇者の言ったことはおかしいと思う気持ちが拭えなかった。聖女もそのことは分かっているのだと思う。その証拠に「勇者が戻ってくるまで少しお話しをしましょうか」と言ってくれたのだった。そして私は聖女が用意してくれていたお菓子を食べ始める。するとしばらくして勇者が部屋に戻ってきたのである。その顔はどこか浮かない表情をしていた。勇者に魔王のことを尋ねたら、勇者は何も言わずに聖女の隣に座っていた。

聖女が勇者に声をかけて勇者はそれに答えるが、勇者はどこか落ち着かない様子だった。

そして聖女が「勇者、魔王とどんな話をしていたのですか?勇者の目から見てどうだったのか知りたいのですが教えてくれませんか」と言ったのだった。

その問いかけに対して勇者は自分の意見を述べ始めたのである。

そして、聖女はその勇者の言葉を聞きながら何かを考えていたようだ。そんな聖女に対して勇者が質問を投げかけると、聖女はその質問にすぐに答えたのであった。そしてそんな聖女と勇者の話を聞きながら私自身もこの国での暮らしと魔王軍の生活との違いを感じ始めていたのである。

(聖女視点に場面が変わります。聖女と勇者はお互いのことについて話し合いを始めました。)

勇者と、聖女の会話が始まったのだがその内容を聞いていくうちに私は違和感を感じていた。

私は疑問に思ったのだ。聖女の話を信じるとすれば、魔王軍は今まで人間たちと敵対関係にあったということであり、勇者の味方になるようなことを魔王が行っているとは思えないからだ。しかし先程の聖女の勇者への態度を見る限りそんな感じには思えなくて戸惑っていた。すると、そんな私の様子に気付いた勇者が口を開いた。

「お前、俺達のことが信じられないんだろうな。まあそうだよなこんなこと言われても簡単に信用できないだろう。

俺は、お前たちにとっての勇者として召喚されたんだけれども俺が召喚されたのはこの国が俺の力が必要だと考えていて、俺がその期待に応えられるか試そうと考えたみたいだからな。だが実際は違った。

魔王が俺達を利用しようとしていたんだ。そして、俺は魔王の策略に嵌められてしまったんだ。俺は魔王の協力者になって魔王の配下となった。そしてこの国にやって来たんだよ。俺も最初は混乱してどうしたらいいかわからなかったんだが今は、この世界に来てよかったと思っているんだ。

なぜなら、この世界でなら勇者としての力を生かせると思ったんだ。勇者というのは異世界の人間がこちらの世界にやってくることで勇者として選ばれるんだよ。だからこちらの世界に来る前の俺では、魔王と戦えるほどの力はなかったはずだ。こちらの世界に来たからこそ俺は強くなったんだよ」と言ってきたのである。その言葉を聞いていた私は驚いた。まさかそんな裏があるだなんて想像すらしていなかったのだ。勇者は続ける。

「聖女様は俺の目の前で魔王軍と戦っている魔王の姿を見たんだよな。それで、聖女様はこの国と魔王軍が争う姿と、魔王と魔王軍が争わない姿を見てしまったんだよな。俺達はそんな風に、この世界にやってくる前とは、全然違う立場になっている。俺は聖女にそんなことをわかってもらいたくて、ここに来てもらったんだよ」と言ってくる。

(中略)

聖女は勇者の言葉を聞くと同時に俯いてしまい泣き出したのである。勇者の話を聞いた後で聖女が何を思い泣いたのかは分からなかった。聖女と私は勇者に案内されてこの家の前までやってきたのである。そして家に入るとその部屋の中は荒れ果てていて、床も壁もボロボロになっていてとても人が住んでいるようには見えなかったのだ。

そんな状態になっていた家に足を踏み入れるという事に戸惑いを感じたが聖女はすぐに行動を始めたのであった。そんな行動をとっている時に聖女は勇者の方を見つめて「本当に勇者の言っていた事は本当なのか?勇者は本当にあの時の人物と同一人物であったのか?」という聖女が口にした言葉に、勇者は何も言わずに聖女をただ見続けたのである。

その勇者の瞳からは迷いのようなものが感じられたのだ。

そしてそんな聖女と勇者の様子を見ていると、二人の関係がよくわからなくなってきたのである。勇者と聖女の関係、そしてこの家と関係があるのかなどなど、色々なことを考えたが今ここで考えていても何も解決しないことだけは理解していた。

だからこそ、私はそんな事よりも早くこの場から離れる事を優先させたのだ。だが私がそんな事を考えている時、その声は聞こえたのであった。「おい貴様!何を勝手にこの部屋に入ってきているというのだ!それにそこの女は誰だ!」と怒鳴り声が聞こえると突然私は首根っこを掴まれて、引き寄せられたのだ。

そしてそこには先程、聖女が魔王と呼んだ存在がいたのであった。その人物は女性で、そしてかなりの高齢のように思えた。その女性は、勇者のことを睨みつけるとその勇者の後ろへと隠れた聖女に対しても敵意のある視線を送っていたのである。

そんな二人を見ていて思ったのだ。この人たちは一体何のためにここに住んでいるのだろうか?そんなことを考えながら私の思考回路は停止してしまったのである。

(中略)

私は勇者から魔王が聖剣を持っていたという話を聞いたのである。魔王軍との戦いの最中にその聖剣を手に入れたと、そして魔王からその聖剣を受け取る代わりに魔族と人間が共存することを認めてもらうという話を持ち掛けられたということを聞いた。そして勇者はそれを受け入れるということを伝えたのだ。

(以下勇者と魔王の会話シーンが入ります)

「さっきまで、そこにいる聖女の様子がおかしかったんだけどな、お前が部屋から出ていった途端、普通に戻ってくれていたんだよな。助かったぜ」

「ふんっ、別にお主のためになったわけじゃない。我輩の目的はあくまで勇者の持つ聖剣だったからのう。それを回収できて一安心していたところなんじゃ」と言うと、少し不機嫌そうな表情をした。そんな様子をしている魔王を見ながら勇者は「それはそうとあんたは、これから俺たちに協力してくれるつもりなのか?」と尋ねると魔王は答えたのである。

「お主に頼まれなくても協力するつもりであったぞ。じゃからお主に頼んでみたのだ。それに勇者は魔王に嘘をつけないであろう」と言ってニヤッと笑った。

そんな魔王を見ながら勇者はため息をついたのである。

「やっぱりそうだったのか、それにしてもいい性格をしてるなお前。それと俺の名前を知ってるみたいだけど、なんで俺の名前を知っていたんだ?魔王が勇者を知っているってのは理解できるけど、勇者が魔王の名前を知るはずがないよな」と魔王に問いかけた。

すると魔王はその質問に対して、「ああ知っているぞ、我は勇者の全てを知っている」と答えたのである。その言葉を聞いて勇者は「どうしてそこまで俺のことを詳しいのかが気になるんだが」と言い返すと魔王は答えるのである。「ふむ、その理由は簡単だよ。魔王とは勇者がこちらの世界にやって来て初めて遭遇しそして戦ったのが我が魔王軍の初代魔王であったからな。

つまりは、そういうことだ。

それならばどうして勇者は我と会ったことがなかったかはわかるか?」と逆に質問してくるのである。その魔王の質問に対して勇者は、わからないといった様子を見せていた。

魔王は勇者に向かって、説明を始める。その口調はとても落ち着いており冷静であった。

勇者は「その話を聞いてわかったような気がするがわからない」と言ったのである。すると魔王は少しだけ間を開けてからその言葉の答えを話してくれたのだった。

「それは勇者が勇者になる前の出来事が理由だ。

その当時の魔王軍とは、まだ魔王が一人でこの世界を支配していた時代であり、そして勇者は勇者になる前に、この世界にいたのだよ。そして魔王軍と戦っていたという過去があったからこそ魔王軍と人間は争うことになった。そして勇者が、魔王軍と戦いそして魔王を倒すことができたのだ。勇者は魔王に勝ったが、勇者は命を失った。だがしかし魔王はその代償によって新たな魔王が誕生することになる。そしてその後の時代においてその時代に魔王が存在した。その時代は、勇者が死んでしまい、勇者に勇者の力を引き継ぐことのできる存在が存在しなかったから、人間側は、魔王軍の勢いに押されていたのだ。そんな中に誕生した新しい魔王の存在に、人類は恐れた。だが、しかしそこで救世主が登場したのである。それが勇者の生まれ変わりとして生まれ変わった勇者である」

(以下勇者と魔王のやり取りシーンは割愛します。)

(省略)

魔王と勇者の話し合いが終わったあと、私は聖女と一緒に魔王城へと向かうことにしたのである。その道中で私は聖女に尋ねたのだ。「聖女はどうして勇者の話を疑わなかったんですか?」と尋ねると聖女は「信じていましたから」と言って微笑んだのだった。そんな話をしているうちに私たちはついに目的の場所に到着したのだ そこは先程の魔王城の近くにある塔であり私たちの目的の場所でもあるところでもあった。だがそこには大勢の兵士たちが待ち構えており、私達は警戒をしていた。すると兵士達のリーダー格のような者が出てきてこう言ったのであった。「ようこそ、お越しくださいましたね勇者様方!我らはずっとあなたたちを待っていたのですよ!さあ!一緒に城に帰りましょう!!」

その声の主がそういった瞬間、兵士の大群に囲まれてしまい、そのまま連れて行かれることになったのである。私も、聖女を守ろうとしたが敵うはずもなく拘束され連れていかれたのであった。

(中略)

それから数日後のこと。

私は勇者が魔王に何か話しかけていることに気付き耳を傾けていたのだ。その会話の内容は、今後の方針について話し合っていた。どうやら勇者は勇者の役目を果たしに行くということだったのである。

そんな時、魔王の態度が急変したのだ。今までとは比べ物にならないほどの殺意を放っていた。そして勇者に襲いかかろうとしていたが勇者はそれをかわして逃げ出そうとしていた。そして私はその時の光景を見て思ったのだ。魔王はなぜ勇者を攻撃しているのだろうと。魔王の気持ちがわからなかったのである。

魔王は、逃げる勇者を魔法陣を展開し攻撃するのだが勇者は全てを切り裂く剣を振り回して防いでしまうのである。その様子を見ながら私は、この二人は何をしたいのか、一体何をしようとしているのかと疑問を感じていた。だがそんな事を考えてる間に、勇者と魔王の戦いが始まってしまう。

(中略)

魔王と勇者が戦っている時私は、ある事に気づいたのである。勇者が使用しているあの剣こそが勇者の持つ聖剣だということに。

私はその事に驚いていたがすぐにその考えを否定したのである。

なぜなら聖女があの勇者と行動を共にしていたという事実は聖女に魔王に対抗できる手段があるとしか考えられないからである。だから聖女はきっと、この事態を予測していて勇者と共に行動していたという可能性も否定はできないと思ったのだ。

(中略)

私は勇者と魔王の戦いを目にしながらそんな事を考えていた。そして勇者は魔王に負けて殺されそうになった時に、突然その光を放ち勇者を包んでいたのである。

そんな勇者を見て、聖女は勇者の元へと駆け寄りその勇者に触れていた。私はそんな二人を見守っていたのであった。

(後略)

(中略)

そして魔王にとどめを刺したのだ。そして魔王を消滅させ、勇者は元の世界で目を覚ます。勇者が目を覚ましてからは、私は聖女に呼び出され、勇者は聖剣を持って異世界へと戻っていく事になったのである。聖女との会話で私は勇者と別れる直前に勇者と最後の挨拶をする。そして私は聖女とともに勇者を見送ると、聖女と私の二人がその場に取り残されてしまったのだ。私はその事に驚き聖女に声をかけたのだ。

だがしかし聖女の様子がおかしくなっていたのである。聖女は明らかに様子がおかしかったのだ。

そんな聖女の事が心配になった私が聖女の肩に手をかけようとしたとき、聖女の体は突然発光したのである。

聖女が消えていく。そんな姿を眺める事しかできなかった私は、必死になって手を伸ばそうとするが届かない。そんな姿を見ていることしかできない自分の無力さを恨めしく思い、それと同時に、聖女をこんな状況に追いやった勇者のことを呪った。

だが次の瞬間には勇者が私の手を掴みそして引き寄せたのである。その直後聖女は完全に姿を消したのだった。

(中略)

「貴方に頼みがあります。この世界に来てほしいのです。お願いできませんでしょうか?」と聖女がそう言い出すので、私の心は決まったのである。私は勇者の仲間となったのだった。そのあと私の体に変化が訪れる。私は魔王へと姿を変えたのだった。

(以下魔王が聖剣を持ったまま魔王軍を率いていた時期の話になります)

そして勇者に言われたとおり私は、勇者に協力することに決めたのだ。その選択が正しいかどうかなんて分からなかったがそれでもそうしなければならなくなった。そのあとに勇者は聖剣の力を私に使った。それによって、聖剣の所有者が私へと変わりそして私は新たなる魔王になったのだ。だがそのせいで私は、魔王の力を失い勇者の聖剣によって魔剣に変えられたという事になる。

だがそんなことを気にもせずに私はこれからも魔王として世界を統一するという目的のために頑張ろうと思っていたのである。そんな時だった。私は勇者から呼び出しを受けたのだ。そしてその用件を伝えられた時は正直困惑してしまった。なぜなら、魔王であるこの私が勇者であるこの男と行動を共にすると言っているのである。だが勇者であるこの男は、勇者として、この世界に平和をもたらしたいと言う。そしてそのためにまずは魔王を倒したいということなのである。そのための協力を求めてきたのだ。もちろん協力することに不満はなかったが一つ問題が発生するのは、魔王であるこの私と勇者であるこいつが協力すると周りの人間が許さないのではないかということであった。

そんなことを考えていたが結局その問題は起きてしまうのである。

勇者のパーティメンバーが全員魔王に倒されてしまう事件が起きた。

それにより、その仲間であるはずの聖女たちがこの私に対して攻撃を仕掛けてきたのだ。

当然の事であると言えるだろう。魔王軍に勇者たちが敗北を喫し、勇者自身も魔王に負けたのである。つまりはこの世界を救ったのは魔王だということになるのだから。それに私は魔王である以前にこの世界の王なのである。

そんな立場にいる人間に逆らうことは普通は許されないことなのだ。だからこそ私は、魔王としての責務を全うしようとしたのである。

そして、聖女たちから攻撃を受け私は魔王城に封印されるのであった。

私はそのあとの勇者たちの動向を知ることができない。しかし魔王軍との戦いが激化していくことだけは容易に予想ができた。

その日も勇者たちは魔王軍と戦っておりそして敗北したのである。

だがその時勇者の仲間たちである四人の勇者の力を受け継いだ者たちと勇者の幼馴染みが魔王のいる部屋に入ってきてしまったのである。

そんな勇者の仲間たちに対して私は魔王としての威厳を見せなければならないと思って、私は戦闘を開始することになったのだ。しかし結果は惨敗。私は何もできずにそのまま捕まる。

そんな私は魔王の椅子から引きずり降ろされ魔王の座を下されることになった。だがしかし、それは仕方がないことだと私は受け入れたのである。その魔王が勇者と聖女により倒されたのであればそれは魔王にとって恥であり屈辱的だったのかもしれない。だが、そんな事を思っていても意味がないのである。魔王の座から追い出され、もうこの魔王軍では私の存在は異質なものになっていく。その証拠に今まで魔王に反抗していた四天王たちまで私の存在を無視し始めたのだ。それはつまり魔王が私よりも強いということが証明されてしまったということである。

(後略)

勇者と魔王は戦いを繰り広げていた。

そしてその勝負に決着がつき勇者の勝利で終わった。その時に、魔王の力が覚醒したのだった。そして勇者も同じように新たなスキルを手に入れたのであった。そして勇者は、自分が元の世界に戻るための準備を始めた。

魔王はそんな勇者を見て寂しさを感じながら勇者を見ていたのである。

そんな勇者は魔王に向かって、自分の考えを話すために口を開くのであった。

(中略)

そして勇者は魔王に別れの言葉を告げてから自分の世界へと帰ってしまったのであった。その後のことは魔王も知らないのである。

だがしかし勇者と魔王はこうして再び会うことになった。

(以下省略します。ここからは、また魔王と勇者による物語です。魔王視点なのでご注意を。)

〜〜(省略します。すいません)

私は魔王の力を手に入れてしばらくたった頃のことだった。突然私の所に手紙が送られてくるようになったのだ。最初はその事に違和感を覚えたのだがそのうち、その送り主の名前を見るだけで気分が悪くなるぐらいの嫌な気持ちになるようになってきた。その理由もわからずにいたある日のことだ。勇者からの贈り物だった。

勇者は、私の事を憎んでいるはずなのになぜこのような物を贈ってきたのかが分からないのである。だからと言って捨てたり無視することは私にはできなかったのだ。だから私はそれを仕方なく貰っておくことにしたのである。そして中身を確認してみたのだ。その内容はなんとも言えないものだったのである。

その内容を見た瞬間私はその送り主に怒りを感じた。それと同時に、なぜこの勇者は私のことを理解してくれないのだろうと嘆くのであった。

(中略)

勇者から届いたものについての内容を読み終えた時私は勇者に対して憎しみが沸いていたのである。そしてこの事を私は聖女に相談することにしたのだ。聖女はいつも私と仲良くしてくれるので私の悩み事を話せば解決方法を一緒に考えてくれると信じていたからだ。だがしかし聖女の反応が私の想像していたものと全く違う反応をしたのだった。私がその事に驚いたが聖女は何もない空間を見つめている。そして聖女はいきなり何かを言い出すのである。聖女が何を言っているのかが分からず困惑する私。

そして、聖女が急に笑い出しそして涙を流したのだった。私は何が起こっているのかがわからずどうしていいかがわからない状態だった。だがそんな中でも聖女は涙を拭いて真剣な顔になるとこう言い放ったのである。

「おめでとうございます」

私は聖女が何に祝福しているのかがわからない。私はその事に戸惑っていたのだがそんな私に対して、聖女はさらに追い打ちをかけてくる。そしてこの会話が終わったと思った時に今度はこんな言葉を言ってくる。その聖女の発言を聞いた瞬間私は、私はとんでもない勘違いをしていたのである。

そして勇者の手紙の内容は、聖女が魔王と勇者の関係を知っていた上で私に送ってきたものだと確信してしまったのである。

(中略)

「勇者は貴方のことを必要としています。今貴方にできる事は、あの勇者を元の世界に返さずこのままこの世界に置いてあげる事ではありませんか?そして貴方自身がこの世界で生きるための術を学ぶことです。今の貴方に必要なのは強くなる事でしょう。そうすれば貴方は勇者に頼らなくても済むようにはなります。勇者を自分のものにするためにも今は強くなって勇者と一緒にいてください。私からはこれだけしかアドバイスはできませんが頑張ってください。応援しています。これからよろしくお願いしますね」

聖女からそんな内容の文をもらった私は、聖女の言葉に従う事にしたのである。それからというものの私は自分の強さを上げるべく毎日修行に励む事を決意したのである。その事に文句はない。なぜならその言葉がなかったとしてもいずれ私はその道を辿っていたのであろうと思っているから。だから文句なんてあるわけなかったのだ。

私は聖女の言うとおりに強くなり自分の力を高めるために努力をすることを決めたのである。その日からの私は、とにかく自分を高め続けるために様々な事をしたのだ。そしてその道の中で聖女に勇者との接し方についてのヒントを教えてもらうことができたのである。

そんな私に勇者が魔王を倒すと言い出してきた。だが、そんなことはさせてはいけないと私は思っている。魔王と勇者は絶対に相容れることはない。だがしかし勇者は私を倒し魔王としてこの世界に君臨したいと言う。そんな馬鹿なことを止めさせるために私は、戦うことを決意する。

だがその前に聖女は私に協力してくれたのだ。そんな勇者に対して聖女は勇者がこの世界にいるために必要なことをしてくれたらしいが私にはそこまでは分からなった。だがそれでも聖女は協力してくれると言っていたので私はその協力を受け入れ勇者との戦いに備えたのである。

(中略)

そんな聖剣を持っているのが本当に瑠璃なのかは俺にも分からない。そもそもその少女の事が本当かどうかすらも分かっていないのである。俺は聖剣を持つ瑠璃を見ながらどうするかを考えた。そして聖剣を見ているとあることを思い出したのだ。それは、魔王軍と戦った時のことだ。その当時も魔王軍の連中が持っていた剣があったのである。それは聖剣ではない普通の剣だと思われていた。だがそれは、その剣が持っているスキルが関係していたのだ。

その剣の名前は【魔剣】という剣なのである。その名前のとおりにその剣は魔剣だったのだ。その魔剣の効果の一つに相手の魔族を弱体化させる効果がある。そしてその効果によってその魔族は弱り最終的には魔剣の力で殺されたのだ。つまり魔剣は魔族にとって天敵ともいえる武器なのである。だからその魔剣を魔王軍が保有していたということは魔族側にその魔剣を持った人間がいるということを意味していたのである。

(中略)

だがそんな魔剣の事を瑠璃に伝えることはできない。魔剣の事を伝えれば瑠璃に警戒されてしまうのである。それならばその事を伏せて、別の情報を与えたほうがいいだろうと思いなおすと魔王軍に所属していたときに手に入れた魔王軍の情報を思い出してそのことについて伝えた。すると、案の定魔王軍という言葉に敏感に反応していた。だから、俺はなるべく優しい口調で魔王軍に対抗できるのは勇者だけだと言うことを説明した。すると瑠璃が嬉しそうな表情になった。そして、魔王軍と戦うなら一緒に戦ってくれるかもしれないということを伝えるとさらに喜んでいたのだ。

(後略)

私は聖女様の指示通りに行動することに決めると魔王と勇者の戦いが始まるのである。だが私は、その戦闘に参加できるほどの実力を持っていなかったのでその戦いの結末を見ることができなかったのだ。だけどその戦闘の結果だけは、魔王が勇者を負かすことができて無事に魔王の座に戻れたみたいだった。

そして勇者を元の世界に返さないまま魔王城に滞在させていることが聖女様に知られたのだがその聖女がとても優しかったのである。その理由は勇者が聖女のことを好きだと知っているからこそ、魔王と勇者を近づけるためにその事を知らせたのではないかと考えていた。だが、それは違うのかもしれない。その本当の理由はわからないのだが私は魔王にそのことを伝えるのをやめてそっと心の中にしまうことにしたのだ。

だが魔王に聖女との関係を聞くことはできなかった。それはなぜかと言われればその事を魔王に聞くのはとても勇気が必要だったからだ。だがその質問をしたとしてもその返答によっては、私は傷ついてしまうと思ったから聞けなかったというのが正しいかもしれない。それに勇者と魔王が恋仲になることはまずないのは確実だったから私に気づかせるような行動をする必要もなかったからである。

そして私は、その事実に胸を痛めつつも平静を保ちながら魔王のために行動するのであった。

(中略)

そして私と勇者はお互いの強さを確かめるために勝負をした。その時に、私は自分の実力が勇者よりも劣っていたことを知った。そして私は勇者を自分の物にしようと画策し始めることになる。勇者を手に入れるために魔王城にあるダンジョンを攻略させることを計画したのである。そしてそこで、私は自分の気持ちを押し殺しながら魔王と勇者に仲良くさせようと頑張ることにしたのだ。だがそんな私の想いは無駄に終わりそうになっていたのである。その出来事とは勇者の様子がおかしくなっていたからだ。

魔王と勇者が仲良くしている様子を私が見ていたのだがその時に勇者の顔つきが変わっていたのである。私はその顔を見て少し怖くなった。まるで別人のような目で私達を睨みつけてきたのだ。そして私はそんな勇者の姿に驚きながらもその事に気が付かないふりをして二人の話を進めたのである。

その事に気が付いているのはおそらく聖女だけだったのではないだろうか?聖女も勇者がおかしいと感じていたのかその日は、魔王の所に行くのはやめておくといいと言ってきたのである。そしてその日私は、聖女からその事で呼び出されると、私はその聖女の部屋に向かうのであった。

(中略)

私はそんな二人を近くで見て思ったのである。私なんかじゃこの二人は結ばれないだろうと諦めることにしたのだ。そしてそんなことを考え始めたとき私は自分がどれだけ傲慢で醜い存在なのかを知る。そんな私は聖女に呼ばれていたので私はその部屋に入る。すると聖女に突然こう言われる。

「勇者と魔王が一緒にいる姿はどんな風に見えるかわかりますか?」

私は聖女が何を言いたいのかが分からずに困惑する。なぜならば私が思う限り勇者は聖女が好きで魔王が嫌いなのは一目瞭然なのだから、二人が仲良くしている光景など想像することができなかったからだった。私はそのことを正直に伝えた。すると聖女は微笑むと私のことをじっと見つめてくる。

そのことに恥ずかしくなり頬を赤らめる。その事に聖女は気が付いていないようで私の顔をジッと見続けていた。そして私がどうして聖女がそんな事を聞いてきたのかを考え込んでいると聖女から答えを告げられたのである。

その事を聞いた時、私は信じられない気持ちで一杯だった。だが、その事を信じたくはないと思っても私自身がその聖女の発言を否定することができないのである。だから私は聖女が言ってきたことを信じるしかなかったのだ。だがしかし聖女の言葉には一つだけ納得できない部分がある。それは、聖女はどうしてそんなことを私に聞いてきたのかだ。その事が理解できなかった私は聖女に問いただす事にした。すると、その事については聖女は何も教えてくれなかったのである。

そんな事があってからは私は、聖女が何を考えているのかが全くわからなくなっていた。私は、魔王と勇者が一緒に過ごしているのを見て心が苦しくなっていくばかりであった。そして、私自身も聖女と勇者をくっつける手伝いをするべきかと悩むようになるのである。

その日から私は魔王城の一室を借りて生活を始めたのである。その時に、私を世話してくれる使用人さんは私に向かって「聖女さまからのご命令なので貴方に迷惑を掛けることはしないでください」と言われたのである。だから私にはどうすることもできなかった。

そんな生活を続けてしばらく経つ頃聖女が勇者を元の世界に返すための方法を発見したと伝えてきた。聖女は、それを試したいらしく私に勇者を元の世界に帰さないようにしてほしいと言われる。だがその方法を私は受け入れる事ができず、魔王にも勇者のことを伝えた。だがその事を魔王に言うのを間違えた。魔王も、聖女の言う事に素直に耳を傾けたのである。だから、私はもう魔王を止める事はできなくなってしまったのだ。

(中略)

それからというものの、私は聖女様と一緒に勇者をこちら側に留まらせるために色々な事をする事になった。その事に最初は抵抗を感じていたものの時間が経過するにつれそんな感情はなくなっていき今では当たり前に思えるようになっていたのである。そんな私は今の生活に慣れてきてしまったのであろう。魔王が私を見ていない事を良いことに色々と魔王に対して悪戯をしていた。それがばれても特に問題にはなっていなかったのである。

だがそんな楽しい時間は長続きはしなかった。その事を一番最初に感じたのは魔王だった。だがその時は私もまだ油断していた。勇者が何かを感じ取ったのであろう、私達に近づき話しかけてきたのだ。それを聞いた私はその声の方向に目を向けた瞬間その人物が誰なのかを知り私は動揺した。

(後略)

魔王と勇者の戦いは、その戦いの幕が開けてから数時間も掛からないうちに終わってしまったのだった。だがその魔王の攻撃により俺は大怪我を負ってしまっていたのである。俺は自分の体を回復させるために【治癒】を使う。

俺が使った魔法により体の傷は完全に塞がったが痛みは引かなかったのである。そのためその痛覚を消すために回復魔法の上級魔法である【全快】を使用すると完全に痛みは消えたのである。だがそれでも体は万全ではない状態だ。それに魔力を消費し過ぎて体力まで消耗してしまったのである。

そんな状況の中、魔王から聖剣を受け取った瑠璃の姿を見て驚いた。そして、その聖剣を手にしたことで聖剣の持つスキルの力に飲まれたのだ。そしてその聖剣によって強化された力で瑠璃はその魔王を殺したのである。

だがその攻撃の直後、聖剣から黒いオーラが現れて瑠璃を包み込むと瑠璃はそのまま意識を失って倒れてしまった。そしてそんな瑠璃の事を聖女が抱きかかえると急いでこの魔王城を立ち去ったのであった。

俺はその出来事の一部始終を目撃していたのだが、その場にいても何もできなかった。それに聖女が勇者のことを心配するような言葉を残して魔王城を後にしたことと聖女がいなくなることによって俺は、これから魔王がこの城を支配するのだと思っていた。

だが、そんな事は全く起きることはなかったのである。それどころか聖女は、勇者を城の中に招き入れていたのである。しかもその事に文句を言っている人間はこの魔王城には存在しないのだ。そして魔王は自分の部屋に閉じこもりっきりになってしまったのである。その姿を見た人間達もそんな態度に戸惑う人間が大半を占めてしまっいたのだった。

そしてそんな魔王の様子を見ていて俺の心は複雑になっていた。だがそれと同時に勇者をこのまま放っておくと取り返しのつかない事になるのではないかと思えたのである。そして聖女が勇者に施していた封印の解除の仕方について考えていた。だがその方法はわからなかったのだ。だが聖女がいなくなった今ならわかるのではないかと考えた。

そんな事を考え込んでいたせいか目の前にいる魔王に気が付けなかったのである。そんな時魔王が声を掛けてきた。

そして俺は、魔王にその方法を教えると約束してその場は別れたのである。その事に俺は後悔をしたが今は、どうやって魔王の持っている宝を手に入れるかを考えなければならない。その事を考えていたのだが結局思いつくことはなく一日は終わりを迎えるのであった。

私は、今日あった出来事を思い出すと体が震えてきた。そして私は勇者が聖女に抱かれながら魔王城の最上階に連れて来られた時のことを思い出していたのである。その時に勇者が発した言葉を今でもはっきりと覚えている。

そして勇者はこう言ったのだ。

(聖女は魔王城の中に入り込んだ時に既に死んでいた)

(聖女は勇者の体に聖女が持っていた神器を使い、聖剣の中に閉じ込めることで勇者の魂だけをこの世界に残した)

(そして勇者の肉体を魔王城のどこかに隠しその肉片から復活させる)

(その際に、勇者は聖女の神器の影響で、自分が聖女だと思い込み、聖女の意思を勝手に動かしてしまうようになる)

そんな話を勇者がしている時に聖女が戻って来た。勇者にそのことを話すのをやめるように促すが、勇者はそれを聞き入れないで聖女を殺めてしまうのである。その後私は、勇者を説得するように聖女は、自分が魔王だということを勇者に教えたのである。

そんな時私は魔王を勇者から守るために、魔王に攻撃を仕掛けるのだが聖女に阻まれてしまいその攻撃を魔王に当てることができないでいた。そして私は魔王に捕まってしまう。そして私は勇者に助けを求めるのだが、その声も勇者に届くことはないのであった。

(後略)

俺は目を開けた瞬間周りに誰もいないことに気づくと急いで起き上がった。

「メイがいない!!まさかあいつがまた誘拐されたんじゃないよな?でもこの家に俺以外いなかったはずだけど?一体どこにいったんだ?」

俺は慌てて立ち上がると部屋の中をくまなく探すことにした。そしてしばらく探し回っているうちにふと床に紙が置いてあることに気がつく。

「ん?こんなところに一枚のメモが落ちてるぞ?一体誰が書いたものだ?」

そう思ってその紙の上に書かれた文字を読んでみる。

『あなたを一人で魔王の所に行かせてごめんなさい』俺はそのメモを見て「え?」という疑問の声が漏れる。

「なんだこれ?なんでこれがここにあるんだ!?確か、これはさっきまで見ていた夢だったはず。だけど、あれは全部本当の事だったんだよな?いやいやまて!冷静になるんだ俺。そうだ。きっと夢と現実がごっちゃになってたんだな。とりあえず、一度頭を冷やしに行くとするか」

そして俺がその部屋を出て行こうとすると突然ドアが開き、一人の女の子が現れる。その少女の服装が先ほど俺が見た夢の時に着ていた聖女の衣装だったのでその事が一瞬理解できなかったが、その子の顔をよく見てみるとその子はメイであり、その事を俺は確認すると安心する。

すると、いきなり後ろにいた人物から抱きしめられると、そのままその人物が話し始めた。

私は聖女さまの言う事に従うしかありませんでした。その事について私が意見を言おうとしたら聖女さまに睨まれたのです。その事に恐怖を感じてしまった私はその事に対して逆らう事ができず、私は勇者の所に向かいます。

勇者は私が近づくと怯えた表情を浮かべて逃げようとしたので私はその行動を止めました。その行動をした理由がわからないと勇者を問いただしたところ勇者は私の言葉を聞くと涙目になってしまい、私が怖かったことを私に伝えてくる。その事に対して勇者がかわいそうなことをしたと思い謝るとなぜかその事で私は怒られてしまったのである。だが勇者が聖女さまに逆らうと私の立場が危なくなると言われてしまったら従うしかないじゃないですか。だから私は勇者に優しくする事に決めました。

(後略)

俺は目の前で起こったことが何なのかが全く理解できなかった。そんな時、聖女は魔王を勇者が持っていた剣を魔王に向かって振り下ろしたのである。俺はそんな聖女を見て驚きの行動を取る聖女を見て思わず言葉を失った。

その攻撃は確かに魔王に当たったように見えたが、実際には聖女の手に持った剣が粉々に砕け散ったのである。その結果聖女の剣は魔王に当たることはなく、魔王の体をすり抜けて壁に突き刺さっていたのだ。その事を目の前の出来事を見た人間達はほとんど信じていなかったのである。だがそんな状況の中でも一人だけ信じられないという顔をして驚いている人物が居た。それは魔王であった。その顔を見た瞬間俺はその人物が何を考えているのかを理解した。その事がわかった俺は魔王に声をかけようとする。しかしそんな時に魔王の後ろから勇者が飛びかかっていく。その光景を見た俺は止めようと動くが魔王の動きの方が早く俺は止めることができなかったのである。

魔王に飛びかかった勇者の攻撃は見事に決まるのだがその攻撃が当たった瞬間勇者の武器が折れてしまったのである。その出来事を見た人間が騒ぎ出すとその事に反応するかのように魔王の体が変化していくと勇者は、その変化を止めた。だがその姿は完全に別人に変化してしまったため誰が見てもすぐには同一人物だと思えない程に変わってしまったのである。

(後略)

俺はその事を見ながらも魔王の姿を見るとやはり俺の妹の瑠璃にそっくりなのだ。瑠璃に瓜二つのその姿を見間違えるわけはない。その事から俺の考えは間違っていなかったのだと思ったのである。

その魔王は瑠璃と同じように俺の知っている勇者よりも身長が高くなっているように思えた。そしてそんな魔王を見ていた時だった。聖女は魔王から逃げる様に離れると、魔王の口から何かを吐き出したのだ。

その光景をみた人間はその事に対し、動揺している人間がほとんどであったが、聖女はその何かから距離を取ろうと動いていたのだ。だが、その時魔王は動きが鈍くなっていた。俺はその事について考えると瑠璃の時に起こった事と同じような事が起きるのかもしれないと考えてしまったのである。そんな事を考えていた俺だがその考えは的中することになる。

その事とは、瑠璃が魔王を自分の物にしようとした際に魔王を眠らせたことと同じ効果があったのだ。だが魔王は、そんな状況にも関わらず、再び立ち上がり始める。その事に驚いた俺は聖女が持っていた魔導書を奪おうと考える。だが俺は聖女が持っていたはずの魔道書が無い事に気づくと魔王の様子がおかしい事に気付き、聖女の方を振り向いた。そして俺はそこで衝撃の事実を知ってしまう。聖女の手の中には魔王がいたのである。俺はそんな状況を目撃すると共に俺はこの場にいた全員の注目を集めると、俺は魔王を倒す事を宣言したのである。そんな言葉を聞いた周りの人達はすぐに俺のそばから避難し始める。そんな時だった。魔王が突然苦しみだし始め魔王の口の中に入っていたものが出てくると、それは人間に変化した。

「うぅうううううう。苦しいぃ。誰かぁ、たしゅけてぇええ」

俺の目の前には聖女の姿をしていた人間が立ち尽くしている。そんな聖女のような人間から魔王は出てくると同時に聖女は自分の手の中に出てきた人間を確認するなり聖女に話しかけた。

そして聖女は魔王を人間から元の姿に戻すことに成功したのだ。その姿を見ていた人間達は、安堵のため息を吐いているがそんな時、勇者に姿を変えていた魔王の体に亀裂が入っていくと、中から出てきた人間の体は、魔王の姿に戻る。そして、そんな姿をしていた魔王の体の異変が止まらない状態でいると突然聖女の胸の中から黒い物体が現れ、聖女と魔王に襲い掛かる。その事に反応した聖女はとっさに身を守る行動をとる。

そしてその聖女の体に黒い物から白い糸が伸びていく。聖女に纏わりついてきた黒い糸が聖女に触れている部分に張り付いて行く。そして聖女は苦痛の表情をしながらその場で倒れてしまう。

その事に驚いた勇者は、聖女の元へ駆けつける。

「聖女!!大丈夫か!?一体、これは一体どういうことだ?どうして聖女が聖剣から出てきているんだ?まさか、これが封印されていた聖女の力だって言うんじゃないだろうな?」

勇者はそう言いながらも聖女にまとわりつこうとしている蜘蛛の形をした魔物に聖剣で攻撃をしている。

俺は聖女が意識を失いかけている事に気がつくと聖女に近づこうとする。

聖女が俺の事を止めようとする。俺はそんな聖女にこう言った。

「安心しろ!!俺がお前を守ってやる!!必ずな!!そんなわけだからもう少しだけ耐えろよ!!俺は、絶対にお前に死なせたりなんかしねぇーからよ!!」

俺はそう叫ぶと聖女に向かって走っていく。そんな俺を勇者は俺の事を阻止しようと俺に襲いかかってきたのである。だが俺は勇者に邪魔をされないように魔法を発動すると聖女から勇者を離そうと攻撃をする。その事が勇者の怒りを買ったのか、勇者の体が白く輝き始めると俺が攻撃をするより先に、勇者が攻撃を仕掛けてくる。俺はそれをどうにか受け止めるが、攻撃の重さに耐え切れず地面に押し倒されてしまった。その瞬間を待っていたとばかりに俺が持っていた聖女の神器を勇者は奪い取ってしまう。

(中略)

勇者が聖女に剣を突き立てようとする瞬間、魔王と戦っていた勇者の動きが止まった。勇者はそのまま聖女の方をじっと見つめていると、そのままその場から消えていったのである。そんな様子を見て俺はある事を思い出した。

――俺は魔王から逃げ出そうと走り出したが、すぐに足を止めてしまいその場に座り込んでしまった。その様子に気付いた魔王は不思議そうな顔をして俺の元に近づいてきたのである。その表情を見て俺は魔王と妹が重なり合いながら目の前で笑っている姿が見えると自然と目から涙がこぼれ始めたのであった。

その出来事は、まるで今まで見させられて来た映像がすべて本当であったことを証明してくれたのである。

俺の妹は俺のせいで殺されて死んでいったと思っていたが、目の前にいる存在は俺の妹の瑠璃と完全に瓜二つな容姿をしていた。俺は目の前に映る少女に言葉をかけた。そして俺の言葉を聞いた目の前の少女は俺に向かって笑いかけてくると俺に言葉を投げかけてくれる。

その言葉を聞いた俺の目から大粒の涙が流れ落ちて行く。

そして、その少女の体に触れると温もりを感じると生きているんだという事がわかったのである。俺はそんな目の前にいる少女に言葉をかけて抱きしめる。すると少女は泣き始めてその事に対して俺は優しく声をかける。すると少女も同じように俺の背中に手を回し強く抱きしめ返してくれる。俺はこの時改めて思う事ができたのだ。

この子を幸せにしてやりたいと言う気持ちが強く心の奥底から湧き上がってくる。

そんな事を考えていた俺はいつの間にか泣いてしまい、涙が止まらなくなっていたのである。そんな涙を流す俺は目の前にいる女の子の顔を見ると、そんな顔を見せてくれたことがうれしかったのだ。

そして俺はこの子に自分の名前を伝えたのであった。

そしてその事に驚きの表情を見せるその少女を抱きしめながら涙が止まらなくなった俺は優しく微笑む。

そんな時だった、いきなり魔王と聖女と勇者に化けていた魔物たちが一斉に人間に変身して現れたのである。俺はその事に気づくとその者達を睨みつけた。

その事を見た勇者たちはその視線を受け流すようにして俺に向かって剣を振り下ろすが、その攻撃を避けると、俺は目の前に現れた聖女に擬態した人間に聖剣を突き出したが、聖女はそれを剣の鞘で防ぐ。だが聖剣に力が込められていないことに俺は気がついたのである。そしてその隙に、聖女の腹に向かって剣を振るおうとするがそんな時、聖女の後ろに魔王が迫ってきていたことに俺は気づいた。その事を知った俺は慌てて魔王に剣を振ろうとすると聖女がそれを止める。

(後略)

俺は目の前で起こった出来事を見て言葉を失ってしまう。

そしてそんな時、勇者は聖女のことを突き飛ばして俺の所まで来るなり、俺の事を殴り飛ばすと、聖女の体を持ち上げると聖女に攻撃をする。そんな状況を見た聖女は悲鳴をあげる。俺は殴られた事によって痛めた体の事を無視して立ち上がる。そして俺は、自分の体に起きた変化に戸惑う。俺は、先程までの自分がやろうとしていた行動を思い返してみると、なぜこんな行動を取っていたのかがわからなくなる。そして、聖女が傷つくところを見た俺は自分の感情のまま行動してしまったのだ。その事を思い出した俺は我に返り、そして勇者の持っている聖女に駆け寄ろうとした時だった。俺の前には魔王が立ち塞がっていたのである。そんな魔王を聖女は助けようとしたが魔王はそれを拒み魔王は、聖女の腕を掴むとその手に力を込める。そんな時、勇者は聖女が掴まれていない方の手で握られている剣を奪い取る。俺は聖女を助けようと魔王に立ち向かうが、魔王の攻撃により俺の攻撃は全て弾かれてしまう。そんな状況の中で聖女が俺の事を気にかけていたのだ。

そして、勇者はそんな聖女の姿を見て笑う。

聖女は悔しそうにしていると、魔王が聖女の持っていた神具を奪ってしまうと、今度は魔王は魔王自身の武器を手にすると魔王は自分の体に纏わり付いている黒い塊の糸を切り離していく。俺は魔王が自分の身に纏わりついている糸を切り離したことを確認し、魔王を殴ろうとするが魔王に拳は届かずに魔王に弾き飛ばされてしまった。俺はそんな時、魔王が黒い球体を取り出し自分の口の中に入れる。

(後略)

俺は目の前の魔王に恐怖を抱くと同時に俺は勇者を殺さなければいけない事を理解すると同時に勇者を始末しなければならないと思い立ち向かおうとしたがそんな時に俺達の元に魔道士がやってきた。そして魔道士の男が俺の事を止めに来たのだ。

そしてそんな事をしている間に魔王は聖女と魔王の口に吸い込まれた黒い玉を飲み込んだ。そして次の瞬間魔王は突然叫びだす。俺はその様子を見て驚いていると、勇者と聖女が同時に魔王の元に現れて魔王の口をこじ開けようとする。だが魔王は二人に対し抵抗を始めようとした。だがそんな事を許さない勇者は魔王が持っていた神剣に自分の力を込めて、そして、魔王の体から聖女を引き離すことに成功したのだ。

俺は、魔王と聖女が離れることを確認すると同時に魔王に攻撃を仕掛ける。

そんな時だった、勇者と聖女が俺の攻撃を阻止してくる。そんな勇者に攻撃が効かないとわかった俺は、勇者に向かって言葉を発する。

その言葉を聞いた勇者は魔王の口から手を放すと、聖女と共にどこかに飛んで行ってしまった。

そして俺は魔王に戦いを挑んだ。そして俺はなんとか勝つことが出来たが、その時に魔王から攻撃を受けたせいなのか俺の体から痛みが消えていく感覚を覚えている。

そんな事があって俺は、聖女に「俺と一緒に来てくれ」と頼む。だが俺のその言葉を遮るように魔王が襲ってくるがそれをどうにか撃退すると、聖女と二人で話し込む事に成功したのである。

俺は、その事に対して喜びを感じながらも聖女が今、魔王からどのような攻撃を受けているのかについて気になる。そんな俺は聖女から事情を聞き出そうとしたが、その瞬間、魔王が聖女を殺そうとし、俺に攻撃をしてきたのだ。その事で俺は、魔王から聖女の事を守る為、聖女と俺で魔王に攻撃をするが攻撃は通用しないどころか魔王に反撃をされる。そのことで俺は、魔王が自分と同等以上の相手だと言うことを改めて理解し俺は勇者と魔王がいなくなったこの場所に留まってしまうと危険である事を聖女に伝えると俺は聖女に抱き着いたのである。

そして俺は、そんな聖女に向かってこう言った。

その言葉に驚いた表情を見せた聖女であったが、すぐに嬉しそうな表情になると「貴方となら喜んで」と言ってくれる。その言葉を聞いて安心した俺は、聖女が「ちょっと待って下さい。あの人がここに来たみたいです」と言った事に俺達は驚きながら周りを見渡すと俺達の目の前に突然現れていたのである。俺は、目の前に現れた男に攻撃を仕掛ける為に走り出すが、そんな俺に聖女は「駄目ですよ!!彼は私達にとって大切な人なので攻撃はいけませんよ!!」と注意されてしまった。そんな俺の行動を見て目の前の男はニヤリと笑い、そして聖女に向かって話しかけてきたのである。

(中略)

そんな時、俺の視界に白い光が見えたと思った瞬間に俺の中に入ってきたのだ。そしてそれと同時に魔王の目の前に現れた一人の人物。その人物は勇者の剣を持っておりその勇者は、魔王に向かって聖剣を勢いよく突き刺そうとする。しかし魔王はそれを軽々と避けると聖剣を持つ腕を切り落とそうとした。だが聖剣を持っている勇者の剣の能力は俺達が想像以上に厄介であり、聖剣を持っていた勇者の右腕は、魔王の一撃によって切断されたのだ。その光景を目の当たりにした俺も魔王に向かって攻撃をしようと試みたが目の前の男に邪魔をされ俺の攻撃を悉く防がれてしまったのである。そんな時、俺の目の前にいた男の体が突然消えたのだ。そしてその数秒後に俺が聖剣で攻撃をした場所に姿を現したのである。

そんな事が起きた直後だった。俺と聖女の元に勇者が現れたのだ。その勇者は俺に向かって「お前も生きていたのか?どうして生きているんだ?」と質問をして来た。俺は、聖女の方を見ながらどうするか考えていると聖女が答えた。

その言葉を聞いた勇者は怒りながら俺を蹴り飛ばすと聖女に剣を降り下ろそうとし、聖女はその攻撃を何とか剣で受け止める事に成功をしていた。そして聖女と俺はその場から離れると、勇者と魔王の戦闘に巻き込まれないように移動をする。そんな俺の行動を見ていた聖女は勇者と魔王の戦いの邪魔をする事をやめなかったのだ。そして、勇者と魔王はお互いの体を入れ替えるようにしながら戦っている。

(後略)

俺の目の前には勇者がいた。

そんな勇者に対して聖女は、「私の事は、今は忘れてください!それよりも貴方が守るべき者を守ってあげなさい!」と言う。

俺は、そんな聖女にありがとうと言うとその事を伝えるように聖女に手を振る。そして勇者に目を向けると勇者が「貴様は何なんだ!?なんのつもりなんだ!?」と言うと俺は、その事に対しては答える事ができずにただ黙ったまま勇者の方を見ているだけだったのだ。そんな時、俺はある事を思い出すと、勇者を魔王から引き離したい気持ちになり、俺は勇者に向かって聖剣で攻撃を繰り出す。そんな俺の動きを見た勇者はすぐに対応して俺の攻撃を避けようとするが俺は攻撃の手を止める事はなかった。そんな時、勇者の後ろに魔王が現れると、魔王は勇者を抱きしめると俺に向かって攻撃を仕掛けて来る。だが、俺に向かってくる魔王に向かって勇者が俺に攻撃しようとすると魔王が勇者に向かって「もういいのです!これ以上戦うのは止めて下さい!!」と言い勇者を止めたのだ。

(後略)

そして勇者は聖女に向けてこう話す。

その言葉を聞いた俺は魔王に目を向けてみると魔王は俺の事を見て悲しげな顔をしながら俺に近づいてきて俺の頬に手を触れてきたのである。そんな魔王の行動を見た勇者が慌てて魔王を止めようとしたが聖女の方は、魔王に「やめて!!お願いだからそれ以上近づかないで!!」と言っていた。だがそんな事など気にする様子もなく魔王は俺にキスをすると俺を光の柱に閉じ込めたのであった。

俺は自分の状況を把握しようとしていた。そしてこの柱のようなものが何かを確かめようと思っていると聖女の悲鳴に近い叫び声が聞こえる。その事に気がついた俺は聖女の事を探そうと思い聖女を探し始めた。

そんな時、目の前に突然俺の事を止めようとした勇者が現れ、そしてその事をきっかけにして勇者と戦う事になったのである。そして戦いが始まってから数分が経った頃、勇者は俺の体に聖剣を近づけた瞬間に俺は聖剣から現れた黒い影に包まれたのだった。その事を確認した勇者は俺が動けないことをいいことに俺を攻撃してくる。そんな状況に焦っていた俺は勇者の攻撃をなんとか避けることに成功するが勇者の剣によって体の所々が切れてしまう。その痛みに耐えている時、俺は聖女が泣き叫んでいる事に気がつくと聖女の元に駆けつけようとした。だが、そんな俺の足に聖剣が突き刺さる。

(中略)

聖剣を突き刺され苦しんでいると、突然勇者が聖女の首を締め付け始め俺に助けを求める。その事を知った俺は聖女を救うべく、聖女の首に巻き付いていた聖剣を手に取ると勇者の手首を切断してなんとか聖女を助け出そうとするがそんな時に勇者が俺の腕を掴み聖剣で俺の体を切り裂いていく。そんな時に俺は魔王から受け取った指輪の存在を思い出す。その事を思いだした俺は、聖剣にその力を使ったのだが勇者と魔王の能力のせいで俺は自分の意識がなくなりそうになったので必死にその状態を維持させる為の薬を取り出しそれを飲み干す。だが、俺の状態が悪くなるばかりで俺が魔王が持っていた指輪にそんな力がある事を知らなかった為、魔王に確認したいと思っていた。

だがそんな事を俺ができる訳がなくそのまま魔王からもらった指輪の力でどうにかしようとしたのである。

その時、勇者は突然苦しみだしていたのだ。その事を確認して俺は、その隙を狙って聖女を連れて魔王の方に走っていくと聖女と一緒に逃げ出そうとしたが俺は後ろから勇者によって攻撃を受けてしまい吹き飛ばされて、そして地面に激突してしまう。そして魔王の元に向かう俺の前には魔王がいて魔王は俺に話しかけて来たのだった。

その言葉を聞いて俺の頭の中で今までの魔王の会話が全て繋がって行くと俺はある事を思い出していたのである。

それは、聖女から魔王の話を聞いた時にある違和感を覚えたことがあったのだ。

俺は聖女に魔王の正体を聞いていたが、魔王が元人間であると言うことを聖女から聞くことはなかったのだ。俺は魔王が人間だったという事実に驚きながらも俺は魔王に対してこう質問をしたのであった。

(中略)

その事を話すと、魔王と聖女の顔色が変わり俺に対して魔王と聖女が攻撃を仕掛けてきた。そしてそんな時だった、勇者が聖剣を振り下ろすと俺に向かって振りかざしそしてその攻撃をどうにか避けることに成功したが俺の右腕が切られてしまう。だが俺はそんな事もお構いなしに立ち上がろうとするが体が動かない事に気がつき、そんな時に魔王が俺に話し始めたのだった。その言葉を耳を傾けながら俺は魔王の言葉をしっかりと聞いていくと魔王は涙を流し始めて俺に抱きついて来たのだ。そんな魔王に対して俺はどうしたらいいのかわからない。

だが魔王の言っている言葉が嘘である事はすぐにわかったのだ。その事に対して俺の口から出てきた言葉で魔王を突き放そうとしたが俺は魔王によって抱きしめられてしまう。

そんな事が起きていたが、俺にはどうしても聖剣の事が気になって仕方がなかった。

そんな時に俺の事を見ていた聖女が口を開くと聖女は勇者に向かって攻撃を始めたのである。その事に対して驚いた俺は聖女を止めようと動き出すが聖女と俺の間には勇者が立ちふさがっていて、俺には聖女の元に駆け寄ることが出来ない状態だった。

俺はその事で聖女の元に駆けつけるのを諦めて魔王の持っている聖剣について考えていたのである。そんな時だった、聖女は突然聖剣の力を解放したのだ。

そんな事が起きると聖剣は俺の思っていた以上の能力を発揮できるようになり、その力を聖女は魔王に使ったのだ。

その事に対して魔王は自分の身に起きたことを理解していなかったが、魔王の体が変化していき魔王は自分自身の姿に驚く。だがその時には魔王は勇者との戦いで傷を負っており魔王の傷は回復をせずに出血をしたままの状態になっていたのだ。

そして俺はその事に気が付くと急いで魔王の方に向かったのだ。魔王は今まさに聖剣による攻撃を受けようとしていたが、そんな魔王を俺は魔王を守る為に俺は庇う事にしたのだった。その事によって俺に聖剣の攻撃が当たりそして俺の体は徐々に消滅を始める。だがそんな事は俺にはどうでもよかったのだ。俺は俺の為に魔王を守ろうとしただけなので俺の事は気にしないでくれと魔王に伝えようとすると魔王は泣いていた。その事に俺は胸を痛めると魔王を抱き寄せたのだった。

(後略)

その瞬間だった、俺の体には衝撃が走り俺は聖剣によって攻撃されたのだと感じた。だが俺の体は完全には消滅することはなく俺はまだ生きていた。そして俺は俺の体に聖剣が突き刺されているという光景を目にする。そんな俺の姿を魔王と勇者は目を見開きながら見ているがそんな時だった。俺は聖剣の刃の部分を握ると強引に聖剣を抜き取りそしてその抜いた聖剣で俺に攻撃を加えようとした勇者に攻撃を仕掛けると勇者はその攻撃を防ぐことが出来ずに、勇者の左腕を切り落とすことに成功して、そして俺は魔王の手を取りその場から離れていったのであった。そんな俺の背中に聖剣は容赦なく襲いかかってくるが、その度に俺は痛みを感じていたがそんな俺の事などお構いなしに聖剣は俺の体を刻んでいきそしてとうとう俺は動けなくなってしまったのである。そんな俺の姿を見ていた勇者は聖女に向かって聖剣で攻撃を仕掛けるが、聖女はそんな勇者に対して攻撃をしかけたが勇者はそんな攻撃を簡単に避けると俺の方へと歩いてきたのであった。そして俺は、その事を理解できないまま俺の体は聖剣により刻まれていく。その事を確認した聖女が慌てて勇者の方へと向かうが、そんな聖女に対しても勇者が聖剣を振ると、その攻撃を防げずに聖女の右手に怪我をさせてしまう。その事に聖女は顔を歪めるが勇者に対して攻撃を仕掛けようとしたが、聖女はそんな時俺の方を見て何かを訴えかけてくるがそんな事を気にしている暇はなかった。

その事に気が付いた勇者は、今度は俺を殺そうとする為に近づいて来ると聖剣を俺に向かって振り下ろしたがその剣が俺の体に突き刺さることはなかったのである。

俺は、その事に疑問を持ちながらも勇者に目を向けると勇者は苦しそうな顔を浮かべながら、俺と魔王の事を見たのである。俺は勇者にどうして聖剣の攻撃を俺が受けないのかを問い詰めようとした時に勇者が「魔王と貴様は一体どういう関係なんだ!?なぜ魔王は人間の味方をしているんだ?」と俺に言ってきた。

俺はその事に対して何も答えなかったのだが、そんな俺の事を勇者は聖剣を使い斬りつけてこようとした。

俺の体は聖剣で斬られた瞬間に痛みが走った。その痛みを感じている中で俺は聖剣を持っている腕を見るとそこには魔王が握っている指輪があったのだ。その事を確認すると俺はある事を勇者に伝えた。

それを聞いた勇者の顔色は変わる、勇者は動揺していたが俺はそれでも勇者を逃がさないように俺は動くことにしたのである。

そんな時だった、聖女が俺の元までやってきてそして泣きながら俺にこう話しかけてきたのだった。

(中略)

そんな言葉を聞き俺の目から自然と涙が溢れてきてそしてそれと同時に俺の中から何かが込み上げて来た。それが何なのかは俺には分からない。だがそんな事を考えていても無駄なだけだ。それに、今は目の前にいる勇者の事をどうにかしなければいけなかった。だが俺は動けない状況になっていると俺の目の前に魔王が現れると俺はその魔王の事を見る。そして魔王に助けを求めようと思い俺は必死に声をかけた。だが、そんな俺の事を無視するかのように魔王は、勇者の元へと歩み寄って行き勇者の頬に触れる。その行為に俺はなぜか胸が苦しくなる。

俺がその事を伝えるが勇者と聖女には何も聞こえていない。その事を確認した魔王と勇者と聖女は三人で話し合っていてそんな時俺は俺の中に残っている魔力を振り絞り魔法を使った。するとその魔法のおかげか、勇者の足が地面から離れたのである。その事を確認した俺は、魔王に頼んで俺の中にある指輪を渡してもらい俺はそれを聖剣にかざすとその聖剣に吸い込まれていったのだった。

そして俺は聖剣が魔王の持つ物よりも強力な武器であることに気がつくと魔王と聖女にこう言ったのだった。

俺は二人に「魔王は勇者と決着をつけろ。私はこの世界を救う為に戦う」と言ってから勇者に対して魔法を使う。勇者に対して使ったその魔法は、重力の力を倍増させるものだった。勇者は地面に足を着くことができず、必死に逃げようとしていた。そんな姿を見ながらも俺は魔王の方を見てそして勇者に対してとどめをさすように魔王にお願いしたのだった。

魔王は俺の言葉を聞くとすぐに行動を起こしてくれて勇者は魔王の攻撃を避けることができなかったのである。

その後に勇者を殺せという魔王の指示に俺の心の中にあった勇者に対する恨みなどが消えてなくなり俺の心の中には感謝しかなかった。

だが、そんな俺に対して勇者は俺のことを許してはくれなかったのである。勇者は、魔王の攻撃に邪魔をされて聖剣で攻撃する事ができずに、その事が魔王にも伝わってしまった。そして勇者の攻撃を喰らった魔王はその事で激怒して聖剣の力を暴走させて辺り一面を燃やし尽くしてしまう。そんな出来事が起こった。そんな時に俺は意識が飛びそうになってしまう。そして俺は最後の力を振り絞る為に再び自分の体に命令を出すと体が再び動き始めた。だがそんな状態で聖剣を持つことは不可能であり俺はその事に対して絶望するが魔王はそんな状態にもかかわらず聖剣を俺から奪い取って俺に聖剣を託したのだった。

その事に気がついた俺は急いで聖剣に魔族が持つ特殊な素材を聖剣に装着させたのである。その事により聖剣に施した封印の力が一時的にだが発動したのであった。

その事に俺は安心しながらその場で倒れ込んでしまう。

その後の事はほとんど覚えていなかった。俺は気を失ったのだろう。そして次に目が覚めた時は俺はベッドの上で寝ていて周りを見渡すとそこには魔王の姿はなく、勇者だけが部屋の椅子に座っている。俺は勇者に向かって攻撃を仕掛けようとすると勇者が俺に剣を突き立ててきた。だが俺は、そんな事を予想していた為俺は剣を勇者の剣にぶつけ合わせる。

俺のその動きに対して勇者は驚いていたが、俺は聖剣で受け止めるのと同時にその事に対しての反撃をする。俺の攻撃を受け止めた勇者は体勢が崩れると俺は勇者に聖剣による一撃を加えた。勇者はその攻撃を防ぐことはできずに俺の攻撃を受ける。だが勇者は、まだ諦めずに立ち上がる。そんな勇者に対して俺はもう一度剣を交じ合わせようと試みる。だがそんな時だ。勇者と戦おうとする俺の前に聖女が姿を現して聖女は勇者に攻撃を仕掛けると俺は勇者との戦闘を止めて聖女と勇者との戦いを見届けることにする。

(後略)

そして俺と魔王は聖女が操っていたゴーレムを倒しに行くことに決めると魔王と俺はその場から移動しようとした時に勇者が現れ俺達に向かって攻撃を仕掛けて来ていた。

そしてその事を確認した俺は魔王の手を握ると俺達はその場から離れる為に駆け出すが勇者が追いかけてくる。俺はその事について考えるとどうするかを魔王に伝えると魔王はすぐに返事をしてくれた。

そんな事が行われている最中でも勇者は俺達のことを追いかけてきているのである。

その事に気が付きながらも俺は勇者に対して攻撃を加える為に、その隙に魔王に指輪を貸してもらう事にしたのだ。だがその前に勇者は俺に攻撃を仕掛けてきていた。俺はその事に反応することができずに、攻撃を受けてしまい俺は床に転がってしまう。

だが俺は転がってしまった体をすぐに起こして立ち上がり魔王から借りた指輪を使い魔法を唱える。そして勇者の攻撃を防ぎつつ俺は魔王に指示を出し魔王は魔王で魔法を唱えてくれた。そしてその間に俺は俺で聖剣で魔王を攻撃するのだが勇者の攻撃を受け止めてしまうのである。

勇者と俺はお互いに聖剣で相手を攻撃していたが勇者の方が一枚上手で、勇者は聖剣を巧みに使いながら攻撃をしかけてくるが俺はそんな攻撃に耐えきる事ができないでいたのだった。

そんな戦いをしている時に魔王は何かを思い出して慌てていたのである。そしてそんな魔王の行動に疑問を持ったのだが俺は今目の前にいる勇者の相手に精一杯だった。

魔王が何を思いだして慌てていたのかが気になったが、そんな事を気にしている暇など今の俺にはなくて、俺は必死に勇者の攻撃に耐えていたが、魔王の方を見てみるとそこに魔王はいなくなっており、俺はその事を確認してから俺は俺の戦いに集中しようと思ったその時、突然勇者が姿を消したのだ。そして俺が戸惑っている間に俺の元に剣を構えた少女が姿を現す。

その事を確認した後に少女は、そのままの勢いに任せて俺に攻撃を仕掛けてきたのである。その攻撃を俺は何とか受け流すがそんな俺の背後に現れた別の女性が聖剣で俺の事を攻撃してきたが、そんな時、その女性の前に現れたのは先ほどまで俺と戦っていた勇者だったのである。

勇者は目の前の女性を目にすると、その女性は勇者に向かって攻撃をする為に動き出した。勇者もその女性の行動を察知してから、目の前にいた聖女に向かって攻撃を繰り出す。だが聖女も勇者に対して攻撃をする為、二人は互いに聖剣をぶつけ合ったが勇者の攻撃はあっさり聖女の聖剣を受け止める。そんな勇者の攻撃に聖女は驚くが勇者は聖女に向けて攻撃を繰り出そうとしていたのだ。

(中略)

その事に驚いた俺は、聖剣に魔力を込めたのである。

その事を知った聖女が俺に向かって攻撃をしようとしてきており、俺はその攻撃をどうにか避けるが勇者の方も聖女の動きを警戒する。そんな時に俺と勇者と聖女の三人が対峙している場所に大きな光が発生した。俺は、その光がなんなのかを確認しようとするが、次の瞬間に俺は何かによって吹き飛ばされてしまう。そしてそれと同時に俺に襲いかかって来た衝撃が収まると俺の視界から聖女と魔王と勇者の姿が見えなくなってしまったのだ。

だが魔王が俺の事を助けてくれると信じた俺の心の中には不安なんてなかったのである。

それから俺の目の前に、あの男が現れる。

「久しぶりだね。僕に会った事は内緒にしておいて欲しいんだけど、約束できるかい?」と男は言う。

その言葉を聞いた俺は男の目をジッと見つめながらこう答えた。

俺の言葉を聞いた男は、嬉しかったらしく、そして満足そうな顔をしながら、またどこかへと消えていこうとする。そんな俺の前に、今度は勇者と聖女が現れたのである。そして勇者と聖女はそのまま消えて行ってしまい俺一人がその場に取り残されてしまったのである。

(中略)

そして魔王城で俺と魔王が話し合っている。その話の内容は魔王が今までに何をしてきたかという事についてだ。その話は俺が魔王に聞いた話では勇者が俺に聖剣を渡した後の話で俺が勇者の元を離れた時の魔王の話の内容であった。

その話の最後には俺は、聖剣の回収の為に聖女と聖剣を回収しにきた男と戦う事になるが聖女と男は手を組む事に決めていたのである。

その事に魔王と俺は驚きを隠せなかったが魔王は聖剣の力を悪用される事が心配だったらしく、俺の事も魔王城の牢屋に入れて監視をしていたそうだ。

そんな事があったからこそ魔王が勇者と俺が戦う時に、あんなにも驚いて俺の事を見ていていたんだと思う。

(後略)

そんな事を考えながら歩いているといつの間にか俺達は森の奥深くに来ていたのである。そんな時、俺は目の前に巨大なドラゴンが姿を現す。俺はその事に恐怖を覚えてしまい腰を抜かしてしまうとドラゴンは俺の方を見て、そして口を開いた。

「お主、人間じゃないな。お主に頼みがある、お主は私と話ができるようなので私の話を少しだけ聞いてくれぬか?そうしてくれないと私はこの山を下りられなくなるのだ」と言ってきた。

そんな事を言われた俺はこのドラゴンの言葉を聞いて、どうしてこんな所に一人で住んでいるのだろうと疑問を持つが俺はこの場に座り込んでこのドラゴンの言葉を聞くことにしたのである。するとこのドラゴンの名前はリヴァイアサンという名前で元々は海の魔物として生まれてきたそうだ。だがある日のことを境に、海を追い出されてしまいこの森の中で暮らす事を余儀なくされたと言う事を教えてくれたのだ。そんなリヴァイアさんはこの森に住んでいる理由はある理由の為だと、そしてその目的とは魔族が住まう土地を奪う為に、その土地の管理者の居場所を探す為にこの場所で暮らしていると言っていた。だが俺には何が起こっているのかが分からず首を傾げてしまう。

(後略)

そんな事があり俺は勇者に話しかけてみるが勇者からは返答がなく俺は仕方なく聖剣の方に近づいて行くと聖剣の様子がおかしいことに気がつく。

俺の目の前では聖剣が輝きだし始めていくのが分かったのであった。その事が俺は嫌でも分かると聖剣に触れないようにしながら勇者の体に手を触れようとしたのである。

そんな事が行われている時に魔王が現れて俺は魔王と一緒に逃げるようにその場から離れようとしたが、勇者がそんな事を許すはずもなく、そして魔王の方を見て見るとそこには誰もいなかったのである。

魔王がいなくなっている事を確認した俺は急いで勇者が持っていた剣を手に取り勇者に向かって攻撃を仕掛けようとすると、俺の持っている剣と勇者の持つ聖剣がぶつかった際に俺が使っていた指輪が弾け飛んだのであった。その事を確認すると同時に勇者が俺の事を攻撃してきたので俺は咄嵯に聖剣を使って攻撃を受け止める。

俺はそんな事をしていたら魔王が戻ってきて俺に向かって剣を構えていると勇者に向かって攻撃を仕掛けたのである。その事に俺は安心したが勇者の剣と聖剣は何度もぶつかり合い、そんな剣と剣とが衝突した音を聞き続けている内に俺の腕は限界を迎えることになるがそれでも俺は負けずに戦い続けたのだ。そんな時、俺の前には魔王が立ちふさがり、そして俺のことを魔王に任せると言った瞬間に魔王は俺の横を通り過ぎていった。

そしてその直後だ、目の前にいる勇者が倒れていき地面に崩れ落ちるようにして倒れ込んだのである。そして俺は目の前で起きたことが信じられないような気持ちになり呆然としてしまった。

そしてすぐに俺は、倒れた勇者の元に駆けつけるのだった。そして、勇者の脈を調べると勇者が生きているのは分かり、俺はそのことにホッとしながらも勇者に対して質問をしてみた。

「お前は、一体、何がしたいんだ?」と俺は聞く。

(後略)

俺達が魔王の案内のもと魔王が目指している場所に着くまでに、色々な魔物と遭遇したが俺たちは特に苦労する事はなかった。

なぜなら俺達は今レベルが30まで上がっていたからである。その事を確認した俺は、自分がここまでのレベルにまで成長しているのだと思うと本当に強くなったんだという事を自覚したのだ。

そのおかげで特に苦戦することなく俺は進むことができていた。そして、しばらく進んでいるとその先に小さな集落のような所を発見したのである。その事に気が付き俺達がその集落に入ると、その村の中で一人の老婆に出会うことができたのだ。

その事を喜んだ俺は魔王に村の長を紹介してもらうように頼む。

「その前に勇者よ。お主の持っている『スキルリング』を見せてくれないか?」と言われ、そして魔王が勇者に俺と同じ指輪を見せるように指示を出したのだ。俺は、そんな二人のやり取りを見届けてから、とりあえず村長に会う前に魔王に指輪を貸してもらうことにする。その事を俺は魔王に伝えた。

(中略)

魔王と勇者が話し合いを始めて、そんな様子を観察しながら勇者は何かを考えながら黙っていた。そして俺は、そんな勇者の様子を眺めていたのだ。その時に、俺達の目の前にある扉が開かれて中から一人の老人が姿を現した。

その姿を見て魔王は驚いた顔をする。そんな魔王の反応を気にせずに出てきた人物は、魔王に対してこう言うのである。「まさか魔王様にお会い出来る日が来ようとは思ってもいませんでした。ですが、よくぞ、ここにいらっしゃいましたね。」と、そしてその言葉を聞いた俺はこの人物が誰なのかを察することが出来たのである。それは、魔王の昔の知人で間違いないだろうと思った。そして、その考えは当たっていて、この人物こそが俺が予想していた人物であった。そして魔王が勇者の方に顔を向けると勇者もそれにつられて顔を向けた。その事で勇者は目の前の人物の正体を知った。

そんな状況の中で俺だけが理解できていなかった。そんな俺の事を見たその人物の顔は、勇者に対して笑顔を見せ、魔王に対して、

「勇者様、この方が貴方が言っていたお連れの殿方なのですね。初めまして私はこの里で長老を務めさせて頂いている【イリーナ】と申します。よろしくお願いします。」

「あっ!はい、どうも宜しくお願いします。俺は、セイジと言います。」と俺は緊張気味に答えてしまう。

俺のそんな反応にイリーナはクスッと笑うと、「あらっ、そんなに緊張しないで下さいな、別にとったりはしませんから。それに魔王陛下もいますし、大丈夫ですよ」と、言ってくれたのである。だがそんな事を言われても俺はまだ完全に納得できていない。だって目の前の人物は魔王の古い友人であると紹介されたのだが魔王の友人と言う割には若々しい感じだったからだ。だが魔王は、その事には、一切のツッコミを入れずに、ただ黙ったまま、目の前に現れた女性の話を聞く事にしたのであった。

そんな二人の様子を伺いながら、俺は、俺の事を助けてくれる存在が現れないかと考えていた。そして俺は、目の前の二人が話をしているのを見ていると目の前に誰かが現れたのである。

(中略)

そんな事があって俺達の前に現れたその男は魔王の古くからの友だちであり元勇者であるそうだ。そしてその人は勇者の持っている剣を見ると俺と同じように「これは勇者が持つ剣じゃないか。君は勇者の仲間なのかね?もしそうなら君の名前を聞かせてくれないか?」と言われたのである。そんな風に尋ねられた俺は少し戸惑いながらも「えっと俺は聖也って言います。あのーそれで貴方は勇者さんの事を良くご存知なんですか?」と聞いてみると男は少し困った表情をした後に「まぁ知っていると言えば知っているけど、正直に言えば勇者の本当の名前は知らないんだよね。でも昔は勇者と呼ばれてたのは確かだよ。だけど彼は、あの時の戦いが終わった後に行方不明にになってしまてね。その事は魔王が責任を感じていてさ」と言う。

そんな男の人の言葉に俺は驚きながら、どうして勇者は行方をくらましたんだろうと不思議に思った。

(後略)

俺が目の前の勇者の事を見つめながらそんな事を考えていた。すると俺の目の前にいる勇者が自分の目の前に立つと、突然頭を下げてきた。その事に対して俺が驚いていると勇者は、いきなり自分の事を認めてくれたことを嬉しく思うと、それと同時に今までに自分がしてきた行いに対して謝罪したのだ。

(中略)

そんな勇者の様子を見ながら魔王が口を開いた。

「そうだ、聖哉、私に聞きたい事があるんじゃないのか?この男の前では、話せない事もあるだろう?」

「ああ、そういえばそうだな。お前には聞いておかなければいけないことがあったんだ。」

そう言って勇者が俺の方に目線を向けてきた。その事から俺は、勇者に何を言われるのか不安になっていたのであった。そんな時、突然魔王の方を見てから「実は俺は、聖剣の在り処を知っているんだ。それを魔王に伝えようと思っていたらお前が勝手に割り込んできたから伝えることが出来なかったんだよな。」と、勇者がそう告げたのである。その事を聞いて魔王の方も動揺していたのだ。そして勇者の口から発せられた内容に対して俺も、

「え!?勇者は、この剣の居場所が分かるんですか?俺にはまったくわからないのに勇者には分かっているみたいなんで、教えて貰えないでしょうか?」と俺は勇者に頼み込んだのである。

そんな時に勇者は自分の事を呼び止める魔王に振り向きもせず、魔王の前から去ろうとする。その勇者の行動を魔王は見逃さずに、魔王が呼び止めると勇者は立ち止まり魔王に対して、

「お前には関係の無い事だろ?」と言う。

そんな勇者の言葉に対して魔王は、ある一つの質問をした。それは「何故、今頃になって現れたのだ?」と言うものであった。その事を聞くと勇者は何も言わずに魔王の方を見る。そんな勇者の様子を見ながら魔王は「もう遅いんだ。」と言う。そんな魔王の言葉に勇者は、何も言葉を返さずその場から離れていくのであった。

そんな出来事があった後に勇者が俺の所に近づいてきた。

「おい聖剣の所有者。お前は本当に聖剣の持ち主に相応しいのか?その事を証明する必要があると思うんだが。だからこれから俺と手合わせをしないか?もちろん俺と勝負して負けるようなら俺は聖剣を諦めるつもりはないから安心しろよ」と言ってきたのだ。俺は勇者の提案に少し困惑したが俺はすぐに了承した。そして勇者との闘いが始まるのだった。

(後略)

「よし、とりあえずはこれで準備は終わりだ。後は、セイが戻って来るまで俺はここで休憩をしているとするか。しかしまさか俺が勇者になるなんて、夢にも思わなかったな。まぁそれもこれも全部あいつのおかげなんだがな。それにしても、まさか俺に魔王を倒して来いだなんて、セイが俺に対してあんなこと言ったせいだとは言え無茶苦茶なこと押し付けるから俺は大変な目に合ったんだぜ。全くあの時は大変だったんだぞ。それにあの時の奴が俺を勇者にしたくない理由は分かったんだがな。それでも俺は勇者になりたかったからな。だから俺はあの魔王と闘う事になった。そしてその魔王を倒したら俺は、次の目的地に行く事にしたんだ。俺はセイが戻ってくるまでは、ここに留まることにしているがセイは、いつ帰ってくるかわからないし、そもそもここに帰ってくるかどうかすら分からないし、俺は、それまでの間は、ここで待機しながらレベルを上げていたんだよ。そしたら俺は、レベルが40まで上がっていたのには自分でも驚いたよ。」

「お帰りセイ。」

俺の元に戻ってきた兄ちゃんに向かって、おれは、笑顔を見せながらそう言う。

そしてそんな俺に微笑みながら「ただいま。」と答えると兄ちゃんは地面に座った。

そんな様子を見ながら俺は、改めて今の自分のステータスを確認したのだ。

(中略)

(前略)

そんな感じに、この世界に飛ばされてからの出来事を話し終えた俺はメイの事が心配になってきたので魔王に「悪いけど俺は、ちょっと用事ができたから、俺は行ってくるわ。メイの事はよろしく頼むな!」と言い残すと、そのまま走り出したのである。そして森の中を走り抜けると、その先に少女の後ろ姿が見えたのだ。

(中略)

そして俺はその少女の背中に向けて叫ぶと、「待ってくれ。君は誰なんだ?」と聞いた。するとその少女は振り返りながら「えっ、私のこと知らないんですか?」と聞かれた。

そして、そんな相手の言葉に俺は首を横に振って、「知らない。」と答えたのだ。

その俺の反応を見た彼女は「そうですか、では自己紹介をしましょうかね。」と言うと俺に近づきながらこう言ったのである。

「初めまして。私は【アイリス】っていいます。」

(中略)俺はその人物の顔を見ていた。その容姿を見ていると目の前の人物が人間ではない事がわかると、俺は目の前の人物の正体について尋ねたのである。

そんな事を俺に尋ねられた少女が「あっ、ごめんなさいね。貴方の質問に答える前に私からも貴女に対して幾つか聞きたいことがあるんだけど良いかしら?」と尋ねてきた。その言葉に俺がうなずくと「ありがとうございます。それじゃあ最初に、貴女の事を『お嬢様』とか『御令嬢』ではなくて、ちゃんとした名前で読んでくれないかな?そして次に、どうして貴女たちはこの世界の人間なのにそんな格好しているの?」と、その質問に対して、俺はどう返答すればいいのかわからなかったのだ。なぜならこの世界の人達に正体を明かせないしこの服装はセイと二人で考えた物だからな。だがセイはセイだし俺の本当の名前を明かすこともできないのが正直な気持ちであった。そんな風に考えていると「もしかして、この世界の住民じゃないのかしら?」と目の前の彼女が呟くと、そんな事を口にしたのである。俺は彼女の発言を聞いて驚くと同時に俺が考えていたことが、彼女には全て筒抜けだった事に気が付いたのである。

その事に俺も焦りを感じてしまって俺は、なんとか言い逃れできるような言い訳を考えると、俺は自分の記憶喪失という事を利用して「うん」とだけ答えたのであった。

(中略)

「やっぱりそうですか!そうなのね!そうじゃないかと思ったんですよ。でもまさかこんな場所で会えるとは思ってませんでした。貴方のことは昔から知っています。ですが貴方の事は、私が守ってあげる事ができません。だから今は逃げますよ。」と俺の手を引くと、そのまま俺を引っ張って森の奥深くに進んで行くのである。

(中略)

「ふぅー、ここまでこれば大丈夫でしょうね。でもこの辺で少し休みますか。」と言ってきたのである。

そしてそんな彼女を俺は見つめていると俺は「君は、俺の事を知ってたのか?」とその事を聞きたい衝動を必死に抑えていた。するとそんな俺に彼女は微笑んでから、

「もちろんですよ。だって私はあなたの事なら全てを知っているのですからね。」と言ってから話を始めたのである。

「まずは、自己紹介をしましょうか。私は貴方の事を知っているけど貴方は私を知らない。だからお互いに自己紹介する必要が有りますよね。なので私の事を紹介しちゃいますよ。

私の名前はアイリスと申し上げております。種族については秘密にして下さい。ちなみに年齢は18歳となっており、性別は女性となり、髪の色と瞳の色は、金色になっております。それと職業は聖者と呼ばれる役職に就いております。聖者の職業に就く事で、あらゆる魔法を扱うことができ、またどんな傷や状態異常であろうと治すことができるのです。そして最後に私から質問をさせていただきたいと思います。宜しいでしょうか?」

俺はその問いかけに「わかった。質問してもいいよ。」と答えたのであった。そんな俺に対して彼女は質問をぶつけてくるのであった。そして俺はそんな彼女からの質問に答え続けたのだった。

(中略)

俺は今までに自分が体験した出来事を出来る限り正確に説明したのだ。するとアイリと名乗る聖者は真剣な表情をしながら黙っていた。

そんな聖者に対して俺は少しばかり緊張をしていたのである。そんな俺に対して、聖者が口を開いたのである。

「セイと言う名前の少年と一緒にいたのですね。」と言う。

俺は、その聖者から出てきた名に対して驚いてしまう。なぜなら俺達が探していた相手が目の前の聖者と関わりがあったかもしれないからである。そして俺の驚き方を見て聖者も察したようで、セイとの関係を話し始めるのであった。

(中略)

そんな感じに、俺は、俺の知っているセイと聖者の関係について聞くと、

「なるほど。そういう事情があったのですか。わかりました、それなら話は別になります。貴方には、この世界を救ってもらわないといけなくなりそうですね。ですが私は貴方に協力しても良いと思っているのも事実です。その理由は貴方もすでに理解できているはずですよ。それにこの世界で起こっている異変はきっと私たちの世界が関わっている事だと思われるからです。だからこそ私達の仲間にならないですか?」と提案をしてくるのであった。

その誘いに対して俺は「わかった。君たちに協力する事にする。」と言うのであった。

(後略)

その言葉を言った瞬間、俺の周りに青い光が出現したかと思うと俺は再び移動してしまうのであった。そんな突然の事に驚いた俺は辺りを見渡すが周りには誰もいないようである。そんな俺の目の前には聖者が姿を現していた。そんな聖者を俺は見るが先程までのセイとは違い雰囲気がまるで違う事に気が付き聖者に話しかける。

「おいセイ!どうしたんだ?お前なんか様子がおかしいぞ?」と俺はセイに話し掛けるが反応がなかった。

俺は少し戸惑いながらもセイに近づくとセイの肩を掴み「おいっ!しっかりしろよ!」と叫ぶがセイは、そんな俺の事を無視をするのだった。

「なんだよ、なんでそんな顔するんだよ。俺のこと忘れてしまったのか?」とセイの体を揺すりながら俺は泣きそうになっていた。

俺の様子が変わったことに気づいた聖者たちは、俺に対して攻撃を開始しようとしたその時に一人の男の声が聞こえて来たのだ。

その声に気づいた俺は後ろを振り向くとセイが俺に向かって駆け寄ってきたのである。そして俺を後ろから思いっきり抱きしめてきたのだ。そんなセイの様子を見ていた聖者達はセイと俺に向かって攻撃をしてきた。俺は慌ててセイの事を離そうとするがセイが俺の体に回した腕に力を入れてきたのだ。俺はこのままセイと離れるわけにはいかないと思った俺はセイを力ずく引き剥がしたのであった。

そして俺はセイに向かって怒鳴った。「何してるんだ。セイ。そんなことしたら俺達は死んでいたんだぞ。一体どうしちまったんだよ。」と言うがセイはそんな俺に抱きつきながら俺を離さないのである。

「あのなぁ〜そんなんじゃ話が進まないだろう。」と俺もそんなセイを引き剥がすと、

「さっきはすまなかった。取り乱してしまった。」と謝るのであった。そんなセイを見ながら俺は疑問に思った事を尋ねようとセイに聞いてみる。

「それよりも聞きたいんだがどうしてお前のステータスに魔王の名前が出てこなくなってるんだ?」と俺が尋ねると

「その事は私も知りたかった。だが、それは恐らくは私も原因の一つだと推測するがどうだろうか?」とセイに言われるが

「俺に言われてもわかる訳がないだろ。」と俺は言うのである。するとセイが俺の腕を握りながら俺を睨みつけるのであった。

俺は、セイのその視線を受けながらセイと聖者の事を交互に見ると「もしかして二人とも俺と同じなのか。」と質問をしてみたのである。

(後略)

俺とアイリとの話が終わるとアイリスさんから「そろそろ行きましょうか。ここに長くいると危険なようですからね。貴方の妹さんの事もありますしね。早く合流しないと、大変なことになりますからね」と言うと俺の手を引いて走り出すのであった。

俺はアイリスに連れられて走っている最中に「なぁーアイリス。君は俺達の味方なんだと思って良いのか?」と言うとアイリスが振り向き微笑むとこう言ったのである。

「はい。そうですよ。ですから私は、あなたの味方です。貴方のお仲間の方のお姉ちゃんでもありますよ。だから貴方が私の事を信用してくれるのであれば、私は全力であなたを助けてあげますよ。だから、安心してください。」と言ってきたので、俺はその言葉を聞くと「そうか、じゃあアイリを俺は信じてついて行こう。」と言うと俺はアイリスについて行ったのである。

そして俺がしばらく森の中を歩いていると急に俺の前に人が現れたのである。俺はその事に警戒していると俺の前にアイリスが立って庇ってくれたのであった。

(中略)

(中略)

「貴方も【勇者】の称号を手に入れてたんですか。まあ当然ですけどね」

「えぇ。ですが貴女のような方に会ったのは初めてですよ。私以外の人にはまだ出会った事がなかったので」

「ふふふ、そうだったんですね」とアイリスが笑みを浮かべると 俺は目の前の少女を見て「あれっ、アイリ。その子誰なの?」と聞くとアイリが「この子は、この世界の管理者ですよ。だから私の敵じゃないので安心してくれていいですよ」と俺に伝えるのだった。

するとアイツが「ちょっと、私が管理してない世界でそんなことを言っていいの?」とアイリに詰め寄るが アイリスは、「問題ありません。だって貴方はこの世界を管理する神様から許可をもらってますからね」と言うと少女は黙り込んだ。

「それにこの世界に居る間は貴方も私達の仲間になってもらいますよ。だからこれからは仲良くしていきましょう。そして私は貴方のことを何と呼びましょうかね。」とアイリスが呟く

「なら、アイリスに貴方の事を決めてもらいましょうか?」と言われてしまうとアイリスは「そうですね、では私のことは、メイと呼んでください。よろしくお願いします。貴方が今この世界で使えるスキルを教えてくれませんか?」と質問すると

「私のことはアリスって呼んでくれて構わないから、質問には答えるわね。私の能力は『神獣』と呼ばれている子たちを呼び出したり使役できる能力よ。それにこの世界でも貴方たちが居たところの世界と同じように召喚をすることができるの。だけど、今は使えない状態になってるようね。それに私は貴方にこの世界で戦える力を授けるために来ているんだけど、まず貴方がどのくらい強いのかな?と気になったからとりあえずこの世界に転移させてきただけなのよ。」と俺に告げたのであった。

俺がアイリスを見ると、アイリが「なるほど。それでこの子をここに連れて来てたんだね。ありがとう」と言うと アリスがアイリスに対して質問をしてきたのだ。

「ねぇ、それよりなんなのよ。この男、ステータスの補正値や経験値が多すぎやしない?私ですらこんな数値は出せないはずだわ。それどころか普通に見た感じは普通の人間なのに、おかしいと思うよ?」と言うと、俺の横に立っているセイはアイリスにこう聞いたのである。「ならアイリス様はどうやって彼を強化しようとしておられるのですか?」

するとアイリは「それは彼には、私達の仲間として、仲間を鍛え上げる力を持っているの」とセイに教える。

セイが俺のことを見るのと同時に、俺に近付いて来る一人の男が目に入ったのだ。そして男は俺の目の前までくると 俺に挨拶をすると「お久しぶりですね、セイ殿、お元気そうでなによりでございます」と言い出したのである。

セイがその男の方を見ている事に気づいた俺とアイリがセイの方を見ようとすると目の前にいたはずの男がいなくなっていたのだ。

(後略)

すると目の前に現れた男が俺の手を掴んできたのだ。その様子から俺はこの男をどうにかするべきかどうか考えていると目の前の男から「おいおい、無視とは酷いな。」と言う声が聞こえてきた。その事に驚いていると今度はセイのほうからも「私も一緒に話したいことがあるのに、なんですか、その失礼な態度は」と言われると俺の隣にはいつの間にかセイがいたのだ。

その事に驚いて俺はセイの顔を見た。

(後略)

俺は目の前の人物から感じるオーラから只者ではないと感じ取ったのであった。そしてそんな人物が俺に声をかけてくるということは、何かしらの用事があると言う事だろうと考えて目の前にいる男性に対して警戒心を強めていたのである。

そんな時であった目の前に突然現れた女性から突然声をかけられたのは。

俺がそちらの方向を向くと俺にいきなり攻撃をして来た相手がこちらに走って近づいてきたのだ。そして彼女はそのまま走りながら自分の手を掴むと、次の瞬間に俺の視界が一瞬にして切り替わると俺は先程まで森の中だった場所がまるで別次元に飛ばされたかの様な光景に唖然としてしまう。そんな俺の目に映るのは大きな岩だった。俺がその光景を呆気に取られながら見つめていると俺の横に立つ女性の姿が確認できたのだが先程までは確かにそこには誰もいなかったはずであるにも関わらずである。俺はそんな事を考えて少し混乱しているとその女性は口を開いたのだ。「こんにちは!私の名前はアリサって言うんだ!君の事は色々と調べさせてもらったから知ってるけどね。まぁー自己紹介はここまでだよね」と言うと、そんな言葉を俺に対して言い放ったのだ。

俺はアリサと名乗る女性が、なぜそんなことを言ってきたのか分からないでいるとアリサが「さてと本題に入りたいんだ。君に私から依頼があるの。その依頼を受けてくれると嬉しいんだけどどうかな?」と言って来たのだ。俺はそんな言葉を聞いてから「悪いけど俺にもやりたいことがたくさんあるんだ。」と言うがそんな俺の答えに対して

「でも、それは貴方にはできないの。」と言われてしまい俺は思わず声を荒げて叫んでしまったのである。「はっ、ふざけるなよ、お前は何が目的なのか知らんが俺はお前の思い通りになるつもりはないからな。」と俺が怒りながらそういうとそんな俺の言葉に耳を傾ける事なく

「貴方はもう既に巻き込まれてしまったんだよ。私の作った世界の中でしか生きられなくなったんだ」と言って俺の頬を平手打ちしてくると、俺にそう告げるのであった。そして俺の意識はそこで途絶えたのである。

(後略)

そして目の前の女性が俺に攻撃を加えてきながら俺に問いかけるようにこう言うのである。「貴方はここで死ぬの。貴方はこの世界の人族の為に死ななきゃならない存在なんだ。だから、大人しく死んでよ。貴方も本当は自分が弱い事をわかっているんでしょ。貴方がここに存在しているだけで周りに影響が出てきてしまっているから」

俺はその言葉に驚きながらも、その言葉を否定しようとしたが俺の身体は全く動かず喋ることも出来ない状態になってしまっておりその事に困惑しながらも必死になって体を動かそうとしていた。しかしそんな事をしていても意味がない事を悟ると俺は覚悟を決めるしかなかった。そして俺は迫り来る敵の攻撃を避ける為に身を捩ろうとすると 俺の体は動き始めたのであった。俺はその感覚を確認すると、俺はすぐにその場から移動しようとしたその時だった俺の背後に立っていた人物の声が聞こえたのであった。「ちょっと、貴方、人の獲物に勝手にちょっかい出さないで欲しいんだけど」と言うのである。俺が後ろを振り返るとそこにいたのはアリサと名乗った少女だった。すると、その言葉を聞いた少女が俺に向かってこんなことを言ってくるのである。「別に貴方のモノでは無いでしょ。それとも、貴方のその力の事も調べないといけないみたいね」

そして少女がそう言うと同時に少女の手の甲に刻まれている模様の刻印が光り輝いたのである。そして、俺はその様子を見届けた後は、その場に崩れ落ちるのであった。

そして次に俺が気がつくと俺はまた森の中に立っていたのである。

(中略)

(中略)

俺は、俺を襲ってきた少女の攻撃を避けながら森の中を駆け回るが俺は少女に全く追いつけない。

(中略)

(後略)俺達は森を抜けて平原へとたどり着くと俺の方に走ってくる一頭の魔物の姿が見えるのだった。その姿を見てセイとアイリは驚いた顔をしていたが俺は驚くことも無く落ち着いてその様子を眺めていたのであった。

「あの、どうして貴方はこの世界の管理者である私が生み出した魔物を見ても驚かないんですか?私は貴方のその反応を見ていて貴方に興味を持っちゃったんですよ」と言うと少女は俺に対して攻撃を仕掛けてきたが、その少女の攻撃を俺は難無く避ける。

(中略)

(中略)

そして、目の前の少女が俺に向かって話しかけてくると少女は「やっぱり、貴方も私と同じ世界から来た人間なのね」と言うと続けて俺に対して「ねぇ、この世界の人達を助けて欲しいの。私はこの世界の人達を守る義務が有るから、この世界を滅ぼそうとする敵がいる限り、この世界に危機が訪れるのなら私に戦う理由が出来る」と少女が真剣な表情をして言うと俺の方を見ながら「貴方なら私と一緒に戦ってくれると信じてる」と言って、そして俺の返事を聞く前に「だからこの世界での戦いが終わったら、私と一緒に来てくれないかな?」と俺に聞いてくるのである。

(後略)

俺は目の前の敵と戦うための準備をしているが、この少女は俺に攻撃を加えてきたりはしなかったのだ。だから、まずは相手の出方を見極めるために俺が身構えるだけにしておくと、セイが俺に「何してんの?相手が何しようと待ってたら何もできやしないでしょ?」と言ってくるが、それでも俺は相手の動きを見る必要があると思い、セイのことを見ていたのだ。

だがセイの言葉に答えるように少女が動くが俺達には向かって来ずにそのまま何処かに行こうとする。俺は咄嵯の出来事だったためどうする事もできずにいた。

(後略)

すると、突然と少女の目の前に先程見た黒い空間が現れると、その中に入ると俺達の目の前から消えてしまう。

俺はセイに「何が起こったのかわかるか?さっきまでの状況が一変したぞ」と俺は言うとセイは、「わからないけど多分この子が消えたのには意味があるはずだよ」と言いながら辺りの様子を伺う。そして「この場にいる魔族は全部倒せたけどこれからこの世界にはどんな影響があるかはまだ解らないよ。」とセイは言うと俺に対して「それよりも早くここから移動しないと。多分私達がこの世界に呼ばれた原因である何かに見つかってしまうかも知れない」とセイは俺に言ったのだ。そしてセイは目の前の景色が歪むのを確認したのである。

(後略)

そして俺の目の前に現れた人物は、俺の事を指差すと「君が僕の世界から連れ出された勇者で、君は僕たちに協力するために召喚されたんでしょう?」と言い放ってきたのだ。

そんな彼の言葉を聞き終えた後に、セイとアイリと、もう一人の男から俺の事を冷たい視線で見られながら俺はそんな彼らに対して、セイとアイリは「この人誰なの?」「私、こんな人に会って無いよ」と言うと、俺の事を冷たい目で見て「お前が勇者だと!?そんなバカげた話を誰が信じると思ってるんだ」と言われる。するとセイとアイリは「えっ?」と戸惑いの声を出す。そんな様子からセイとアイリはこの人物が本当に自分達の事を覚えていない事が分かり始めてきたのであった。そして俺自身も「はぁ」と言う溜息しか出ない。そして俺は、俺の目の前に立つ人物に、

「貴方は何を言ってるんだ?」と言うと「君には関係ないから。それに、僕に命令してるんだよね?僕にさ」と言うと目の前の人物の手に刻まれた紋様が光を放つと突然と俺は意識を失う。

俺が気がつくと、そこは先程とは違う場所に立っていた。そして俺は周りを見ると先程まで俺とセイ、アイリの三人が話していたはずの場所ではなく全く別の場所に移動していた。そんな時であった一人の少年が俺の前に姿を現す。俺は目の前にいる存在に対して警戒していると、その男は「俺は君に協力して貰おうと思っているんだよ。君もこの世界の住人ではないようだし俺に協力してくれるのならば、この世界の真実を教えてあげようじゃないか」と言われたのである。

その男の言葉を信用するかは俺にとっては問題ではなかった。

そして、俺と、もう一人の存在の間に静寂が訪れる。

(後略)

俺は、俺の目の前に現れた男性と対面する形になっていた。

(後略)

そんな俺に話しかけてきた男に対して、俺が黙って警戒しているとその男がこんな事を言ってきたのである。

「おいっ!無視すんなって」

そんな声を聞いて、俺は思わず「はぁ」と言うため息をつくのだが、俺に絡んできた男性は俺に向かって「おいおいお前、せっかくこっちの世界にやって来たっていうのに俺の誘いに断るなんて良い度胸じゃねーかよ!それともその力が目当てなのか?」と聞かれた。

俺はその男性の事を怪しみながら、その人物に対して「お前は誰だ?どうしてそんな事を言えるんだ?」と言うとそいつは、

「おっやっと、俺の話を聞くようになったな」と言ってから俺の顔を見つめてきてから急変した態度になり「そうか、そうか、そうかそうか。お前のその反応を見るにまだ思い出せないようだな」と訳分からないことを言う。その瞬間、またその人の手に刻み込まれた紋様が光出すと同時に今度は別の場所に移動する事になったが、今度のその場所はかなり広い草原だった。

(中略)

(中略)

すると俺の前に一人の男性が現れていた。そして俺の前に現れた男性が俺に向かってこう告げてくる。「よく来たなお前ら。俺はこの世界の管理者の一人であり、魔王と呼ばれているものだ。お前らは選ばれた存在なのだ」と自信満々に告げるその言葉に対して俺はこんな事を言うのである。

俺の言葉にその人は少し動揺していたが、その言葉に耳を傾けてくれたのか、すぐに冷静さを取り戻せてこう言ってくるのであった。

「確かにその力があれば俺の計画を実行させる事ができるかもしれない。お前達なら俺の目的を理解してくれると思う。そうだな、俺についてきてくれればきっと楽しい時間を過ごせるはずだ」と言われ俺はその男の提案に答えようとすると、セイは俺のことを見上げてくると「その計画とやらを私に聞かせなさいよ。貴方みたいなのが世界を統べる事が出来るわけないでしょ」と言うと、俺はそんな言葉に対して俺はその言葉に反応したのであったが、その時に俺が身に付けているマジックバックから物音が聞こえたため慌ててそれを取り出そうとすると、「あっちょっと待ってくれよ」と言ってきた。

(中略)

すると目の前に立っている俺に声を掛けてくる少女が現れたのである。

(中略)

すると少女が俺達のことを庇うような行動を取ると、その少女に向かって謎の少女の攻撃が襲う。しかし俺はその少女の様子がおかしい事に気がついた。なぜなら攻撃をしたはずの少女の腕をその攻撃を行った本人が掴みとめたからである。すると少女はその手を握り潰そうとしたが、少女は咄嵯にその手を引いて距離を取ろうとしたため攻撃は失敗に終わってしまった。その攻撃が失敗に終わったため俺は少しの間だけだが呆然としていたがすぐに我に返り目の前にいる二人の戦いを見届ける事にしたのであった。

(後略)

(後略)

俺は俺のことを見上げてセイは、俺の方を見て微笑んでいたのだ。俺はセイと出会ってから初めて出会った時から思っていたことを口に出してしまったのである。

俺は、その言葉を目の前の男性に向けて言い放つと、男性は驚きと嬉しさを隠し切れないと言った感じにニヤケ顔になっているのが俺にも分かるくらいであった。そして俺はその男性に「この世界には貴方のような人がいるんですか?もしかしたら貴方は俺の知っている世界の方かもしれませんね」と言うと「いや、残念だけど君の事は覚えてないし俺にもよくわからない」と言ってくる。

「まあそれはいいとして、あんたがさっき言った世界を変えるというのは一体どういうことだ?」

その問いかけに男性は答える。

「まずはそこからだよ。俺の名前はルミナって言う。君の名前を聞いてもいいかい」と言ってくる。だから俺は自己紹介を始めることにしたのである。

俺の挨拶に対して俺の目の前にいる女性も自己紹介する。その女性が自己紹介した際に「えっと、私のことはアイリスって言うの。一応勇者の師匠的な存在の人間だからよろしくね」と軽く頭を下げてきた。俺は「はぁ、それで世界を変えることと俺が勇者になるのにどう関係してるんだ?」と聞くと、俺に話しかけてきた少女の方が「私はセイって名前。そして隣に居るのは双子の姉のアイリ。私たちは双子なんだ」と自分の事を紹介してきたのである。俺は「ああ」とだけ返事をして話を聞くことにすると、 その説明によるとセイもアイリも俺のいた世界で一緒に戦ってきた仲間らしいのだが、ある日を境に俺は記憶を失い、それからは今までずっと俺は俺の記憶を探しながら旅をしていたのだと言っていたのである。

俺が「なんでそんなにこの世界のことを知っているんだ?」と言うと「この世界に俺の友達が居たんだよ」とルミナは言う。

そんな話をした後、「それでこの世界は本当に何が起きているんだ?」と俺が再び訪ねるとセイとアイリは少し戸惑い気味だったがセイが、「私たちの世界では最近まで大きな戦争が行われていたの。でもその戦争の理由が、私達の国であるセイリン国が、隣国のユグシル国に騙されていたことが原因で戦争を始めたの」と言い出したのだ。俺はセイが言っている事を全く理解する事ができなかった。

(省略)

(後略)

(後略)

そして、そんな状況に焦りを覚えた俺は俺のことを見下ろしていた。そんな時だったのだ、突然空が黒く染まりだしそしてセイとアイリが急に苦しみ始める。俺は、俺の仲間を苦しめる存在の正体を知りたくて堪らなかったので俺はその黒い球体に向かって走ろうとする。だがその途中で俺の前にセイが俺のことを引き止めようとしたのである。そして俺に向かってこんな事を言ってきた。「その前に教えておくけど、あなたは自分の力でその魔法陣を破壊する事は不可能。私とアイリの力で破壊できるかもしれないけどそれでもかなりの時間が掛かるの」とセイは俺に言ってきた。そして、そんな会話を交わしている間にセイの体から光が飛び出していく。するとセイの体はだんだんと小さくなりそして俺は、あることに気づく。セイは、セイの姿は子供の姿になっていたのであった。そんな姿になったセイは、必死に涙を流すのを堪えながら「ごめんね。この力を使うとしばらく私は元の姿を保てなくなるんだ。でも必ず助けるから、信じていてね」と笑顔を浮かべてきたのである。そして、俺に抱きつくようにセイが近づいてきて俺は思わずそのセイの頭を撫でていたのであった。そしてセイとアイリの体に白い文字のようなものが現れると、その文字が俺の目の前で変化していった。その文字が消える頃にはセイとアイリは完全に意識を失っていた。俺は、俺の目の前でそんな事が起きたことにただ戸惑うことしか出来なかった。

(後略)

(中略)

俺は俺のことを見つめてくる存在を睨みつけると「どうしてお前がそんなところに存在しているんだよ」と声を出すと、

「君が、君達が僕たちの計画に必要になってね」と声を出して、目の前にいる男はこちらに一歩近づく。俺はその男が歩いて来る方向に身構えるが、 男は「そんな怖い顔をするなって。僕は別に危害を加えようと思っているわけではないから安心してくれよ」と言う。その言葉を聞いて、俺はまだ完全にその男の事を警戒し続けていたのだがその男の方は何もすることはなくただじっとしているだけであった。俺はその様子を見て何かしてくるのかと思ったため、その男の行動に注意を払っていると、目の前の空間にいきなり亀裂が入っていくのが見えたのである。そしてその裂け目の中から俺達がよく知っている人物が姿を現したのであった。

俺の前に現れた女性は俺の事を見つめてきて、「大丈夫か!?」と言ってから心配してくれたのである。そして俺に向かって「あの化け物は私達に任せてくれ」と俺のことを見つめてきてそう言ってくるとその女性は、

「私はエル。この世界を守護するものであり神の一人だ。お前はこの世界に害を成すものだな?」と聞いてきた。

その言葉を聞いた俺は、

「俺はこの世界を侵略しようとしているお前らに対抗するためにやって来た」と言うと目の前の彼女は、急に怒りをあらわにして、そして「やはりお前が今回の首謀者だったか!私がここで倒す!」と言う。俺は、彼女が本気で怒っていることは伝わってきたが何故彼女が俺に攻撃してきたのかが分からなかった。

(中略)

そして、目の前の彼女の体が急に変化していき俺はその光景に驚きを隠せないでいた。

その様子に気付いた彼女は慌てて変身を解くと「驚かせてしまったようだな」と俺に対して謝ってくると「お前が、お前こそが魔王だったのだな」と言われ俺は動揺するが、魔王と名乗った男は笑みを見せながら「俺の目的はお前たちのような奴らが、俺の目的を阻害する可能性が出てきたから俺が直接この手で潰すためにこの世界にやってきたのだ」と言った。その言葉を耳にした俺はすぐにその魔王を名乗る人物と戦うことを決意する。

俺はその男を倒すためには力が必要なのだと考えると、俺は俺自身の体の奥底から力が沸き上がってくる感覚が俺を襲うと、俺の中で封印されていたものの一つの力を解放することにした。そして俺の中の魔力と精霊の力を融合させてその力を具現化させると俺は目の前にいる敵に対して攻撃を仕掛ける。

(後略)

俺は俺を見下ろされて俺のことを見下ろしてくる男に、

「あんたは何のためにこの世界を変えようとしているんだ?」と言う。その言葉に対して俺のことを見降ろしているその人は笑い出してしまう。その行動に対して「何がおかしい?」と言うが、目の前のその男はさらに笑うばかりである。「君は面白いことを言うねぇ。俺の願いが君にとって都合の悪いものなのかい? もし君の考えが間違いなら君はすぐにここから去ることになるよ」と俺の問いかけに答えず、目の前のそいつは意味深なことを口にする。

俺は目の前にいるそいつの言葉を聞いてその表情を見てみると余裕があるような感じがしたので警戒を強めると、目の前のそいつは急に真剣な眼差しに変わり俺のことを見据えてきた。

その瞳は、俺がこれから行うであろう行動を見逃さないという覚悟が感じられるような鋭い視線であった。

「君の目的がどんなものであれ俺を止める事は出来ないし君の目的を達成させるわけにはいかないんだよね。それに今、この状況で君が勝てるとでも思っているのかい?」と口角を上げながらも俺のことをしっかりと見ているのである。

俺は目の前のその人の話を聞いても何を言っているか理解ができなかったので、とりあえず目の前の人が嘘つきだという事だけが分かったため、すぐに俺も臨戦態勢を整えた。

「おいおい、俺は質問に答えただけなんだぜ。まさか何もしないとは言わないよな」と言ってくるが俺は目の前の人の動きに集中しながら相手の出方を窺っていたのである。

(省略)

(省略)

「なるほど君の目的はそういうことか。まあ俺も目的が同じだから君の邪魔をする理由はない。君に協力してあげようじゃないか」と言うと俺の前から姿を消して俺の横に現れる。俺は、その突然の出来事に驚きながら横に現れた存在を見ると、そこにはさっきまでの黒いスーツを着ていた姿ではなく普通の私服らしき格好をした姿の男がいたのであった。

その人物は、まるで最初からその場に存在していたかのような自然な感じで俺の前に現れたのであった。俺は驚きのあまり声が出ない状態になっているのだが、相手もどうやら驚いていたらしくて「あれ?どうしてここに君が居るんだ?」と言っているのが聞こえてくると俺の前に立っている男は「どうしてって言われても俺は元々、こっち側の人間だったんだよ」と言い出した。俺の頭の中は真っ白になっていて俺はただただその二人の動向を黙って見ることしか出来なかったのである。

俺はセイとアイリに俺のことについて話す。俺が元勇者であったこと。俺に宿っている勇者の魂についての説明を始めるとセイとアイリの二人がかなり動揺しているのが見える。そんな様子を見ていた俺は俺自身に宿る力を使って俺の仲間の力を借りて一時的に勇者の姿になれるようにする。そして、俺がセイとアイリに向かって手をかざすと、二人の体を白い光が包んでいきそして、 セイの背中からは白い翼が出現していきアイリの背中からは銀色の髪が出現するとそのまま二人の体は光に包まれていくのであった。光が収まるとセイとアイリの姿はなくなっており俺は一人になってしまう。

(省略)

すると俺はその男に向かって殴りかかるが避けられてしまい反撃されると思い防御しようとするが俺は気づけば地面に叩きつけられてしまっていた。俺はその攻撃が全く見えなかった事で俺は目の前の男が今まで出会ったことのない存在であることを改めて理解したのである。そして俺に話しかけてくる。

「そんな攻撃じゃ、俺は倒せないぞ」

俺の攻撃をあっさりと避けてからそう言ってきたのだ。俺もその発言からして俺の攻撃を避けることが出来るだけの能力を有しているということを理解すると、

「それは、俺の仲間に危害を加えるつもりは無いんだな?」

俺は確認のために俺の仲間のことを守れるのかどうかを確認する。

「危害を加えることはない。君に危害を加えようとするなら、俺は容赦しないけど」

俺はその言葉を聞いて俺はその言葉に納得をする事に決めるとセイに念話を繋げる事にすると俺の目の前の空間が一瞬歪む。その様子から目の前の存在が空間に何らかの影響をもたらす事が出来る存在であることが分かってきたのである。

(後略)

俺達は、この世界に俺達と同じように転生してきた仲間である。目の前の少女は、 セイリン国を守護する神様の巫女である。そして俺は、 この世界に転移した時に助けられ、そしてこの世界に飛ばされたときにもセイリン国が俺達の拠点となっていたため、 俺達がセイリン国に戻ってくるときにはいつもセイと一緒だった。そしてこの国のお姫様であり俺の相棒でもあるセイは今、セイの部屋に閉じ籠り泣いているのである。俺はそんな彼女を守るためにセイと一緒にセイの部屋の扉の前で待機していたのだった。

「大丈夫だよ」と声をかけるが返事は帰って来なかった。

俺達がしばらく待っていると急に扉の向こうが静かになり始めた。俺は、俺の隣で立っていたメイリンは何かを感じ取ったようでセイの方に近づき「ごめんなさい」と一言謝ると急にドアノブに手をかけて勢いよく開けてしまう。

俺とセイはその行動に対して驚き声を出すことも出来なかったのである。俺達の目の前にいたはずの、セイとそっくりな少女は消えていた。その光景を見て俺は、この世界に来た時の事を思い出したのである。この世界ではありえない事が普通に起こる世界だと俺は認識しており、俺はこの現象の原因を推測した。そして俺とメイリンはお互いにお互いの目を見合わせると俺達は部屋の中に足を踏み入れたのである。

部屋の中の机の上に置いてあったのは手紙だけだったので俺達はすぐにその中身を確認した。その内容はこんな内容だったのである。

(中略)

私達姉妹は自分の意志で、この世界に残りこの世界の人々を救いたいと強く思いました。

貴方達にお願いしたいことは私達の姉妹を助けて欲しいのです。

私達はもう長くないかもしれません。私は、あの人と最後に約束を交わした場所に行きたいです。

私には分かるのです。私が死んだ後に、あの人が私の前に現れる事が。私はその場所に行ってみたいんです。そして私のわがままをどうか叶えてくれないかとお願いしたいと思います。あの人の事だからきっと助けてくれるはずだと信じております。どうかよろしくお願いします。

私には妹がいませんでした。あの人に救われる前の私は自分のことを不幸だと思い込んでいましたが本当は、私は幸運だったのでしょう。なぜなら私は今、あの人を救えるほどの力を手に入れることが出来ました。

そして私はこの世界のために、そして大切な人たちを救うためにこの力を使い続けようと思います。

姉さんへ。私は貴方の妹であることに誇りを持っています。そして、私が貴方の代わりに、あの人を支えていきたいと考えています。私は、この力のおかげでこの世界に来てからも何とかやってこれた。しかし私ももうすぐ限界を迎えるでしょう。そしてその時が来た時に私の力を全て使い切り、そしてその後には私の意識が無くなるはずなのです。私はそれでもいいと考えています。私が消えることで皆んなが平和に過ごせるなら本望だと考えているから。でも、もしも私が消えた後も、この世界を、そして私と同じ境遇にあった者達の運命を変えることが、出来るのならば私はもう一度だけでもこの世界で生きることができるようになることを願って生きていくつもりです)

俺は目の前にいる人物の話を聞きながら、目の前の人物が本当に勇者なのかということを疑う。俺も最初は信じられなかったがその考えは、その人物の話を聞いただけで変わってしまったのである。俺は勇者と名乗る人物に話を聞くことにすると彼女は自分が勇者になった理由を説明してくれたのであった。

「私がどうして勇者と呼ばれるようになったのかについて話す前に少し昔話に付き合ってくれないか」と言うと俺のことを見つめてくる。俺は彼女が何を話し始めるか分からないが、彼女のその言葉に同意することにした。「あぁ良いだろう」と言うと勇者と名乗る女性は微笑みながらもどこか悲しそうな顔をしてから、俺を見据えるとこう話し出す。

(後略)

(省略)

「これで話は終わりだ。君がどうするのか俺には分からないけど俺は俺の目的を果たすだけだ。君には関係のない事かもしれないが一応言っておくよ」と口を開くと目の前の女性が一瞬で消えてしまう。俺の頭の中には先程聞いた内容が何度もリピート再生されていたのである。俺には勇者を名乗るその人が嘘つきだとは思えなかった。

なぜなら、勇者と名乗った女性に話を聞いている最中も、俺が勇者になる事を断ったときも俺の質問に答えるときの女性の顔は嘘をついていないという表情をしていた。俺がその事を不思議に思っていると、いつの間にかセイが俺の横に居た。セイはなぜか申し訳なさそうに俺に話しかけてくるのであった。

「瞬、その人の言葉を聞いても私はあなたが元勇者だったことを信じられないの。だって、もしそうだとしたらなぜ瞬はこの世界に来れたの?」とセイに言われると俺は答えられずに口を閉ざしてしまう。そんな俺の様子を見ていたセイは俺が困っている様子を感じ取り慌てて言葉を発していた。

「別に私達を信用していないわけじゃないんだけど」と言うとセイは俺の方を見ると「瞬はさっきの話が真実だという事は分かってるんでしょ?だったら私達も一緒に連れていってよ」と懇願するように言ってくる。俺もその言葉を受けて俺はどうするか迷っていた。するとセイがさらに「この世界の事も良くわからないんだし。ねっお願い」と言っきてくるので俺はセイと二人で行くことを決めたのである。

(省略)

(省略)

(省略)

俺はセイと二人でこの国のお姫様であるセイの姉の捜索をする。だがそのお姫様はどこにもいなかった。俺はお城から出てセイと一緒に街を歩いていると街の人達から感謝され始めてセイは、その度に恥ずかしがっているのが俺にもわかったのである。俺は、セイのその姿を見ながら俺はセイの姉を探そうと決心するとセイに言うのであった。

「これからは、もっと積極的に探して行くぞ」と俺がセイに声をかけるが、セイからの反応がない。セイの視線の先にいたのはセイよりも背丈が低いセイの髪の色は水色のロングヘアーをなびかせていた少女がいた。そして、セイはその少女を一目見た瞬間固まってしまっていたのである。俺はセイが固まる原因が何であるかすぐに分かり俺達の前に姿を現したその少女が、セイの双子の妹でセイリン国の姫様でもあるセイであると気づくとセイに向かって話しかけるのであった。

(後略)

「それじゃあ、俺達は仲間を探すとしよう」と言って歩き出そうとするが俺とセイが同時に足を止める。そして俺達が立ち止まってしまった理由は目の前にセイリン国のお姫様でもあり、セイの妹でもあるセイがそこに立っていたからである。俺は、なんとなくこのタイミングで登場するとは思っていたが、あまりにも予想通りすぎて逆にびっくりするのである。セイも、俺と同じように驚いたような顔をしているのを見て俺はセイをからかったのである。

「おやおやまさかこんな場所で会うなんてな」と俺は、セイに対して嫌味を言ってしまい、それに対してセイは顔を赤く染めると、セイは、自分の妹であるセイに対して怒り始めた。だが、そのセイの様子はどこかセイと似ていたのである。

セイは、「私達は仲間を探しに来ただけなんだから!」と俺達に告げてきたのだ。その言葉にセイの妹であるセイは首を傾げていたのである。俺はその様子を見て疑問を抱くとセイに聞くことにしようとした。だが、セイと俺がセイとセイを見比べていたのはほんの数秒だったのだが、その間に俺達の後ろには大勢の人々が集まり始めてしまった。俺は後ろの人々の方に目を向けるとセイの仲間の皆がこちらに来ていたことがわかった。

俺の背中を誰かが押してきた。俺が驚いて後ろに振り向くとそこには魔王と呼ばれている女の子がいた。彼女は笑顔で俺に手を振ってきた。

俺はその行動で魔王と呼ばれた彼女が俺達に会いに来てくれた事がわかると、彼女の手を握ると握手を交わす。彼女は、突然の出来事にも関わらず俺に対して笑顔を見せてくれている。

「久しぶりですね、元気にしていましたか」

「おかげさまでな。それにしても良いところにきてくれたぜ、実はあんたがこの世界に来る前に会おうとしていた奴に会ったばかりなんだよな」と言いながら俺の隣にいるアリサにセイの妹を紹介することにした。アリサはセイと姉妹だとは思えないほど、見た目が全く違っていたためアリサを姉妹だと認識できずにいたが、セイの妹であるアリサに自己紹介をしてもらい、なんとか理解することができた。

そして俺達はこの場で、皆んなが再会を果たしたことを喜んでいたのである。そんな中、急に現れた暗黒騎士団のメンバーの団長と思われる男が現れるのである。彼は、セイ達の方を指差すと何かを訴えかけるかのように俺に説明を始めるのであった。俺は彼が何を言いたいのかはわからなかったので聞き返すとセイとセイの姉妹が俺達に挨拶をしに来たと説明する。

俺はセイ達がどうしてここに現れたのか不思議に思ったが、それよりもまず俺には気になる事があり、それを尋ねる事にした。それは暗黒騎士のリーダーである男が、セイとセイの姉妹を連れて行かないかという提案をしてきたことだ。俺が、その話を受けようと口を開きかけた時に俺の腕を何者かが掴んできた。俺の事を止めたのはメイだった。俺はメイに腕を振り払われて俺はメイのことを見つめたのだった。そしてメイは、俺に自分の意見を言うと、俺はそんなことを言い出してくるメイに驚きを隠せなかった。俺はなぜ俺がこの申し出を受け入れようと思っていたことを分かったのかを聞くと彼女は、セイが俺に言った「私達には私達の目的がある」という発言を覚えていたため、そのことを伝えたのだった。

俺は、その言葉で俺を止めようとする彼女達の意志が本物であることを確認すると俺は暗黒騎士にこの場を任せる事にした。俺は、この国に来てから感じていた、違和感の原因を突き止めるため、この国を調べる事を決めたのである。そして俺の考えでは恐らく俺とセイリン国の王の関係と同じ状況にあるのではないかと思いながらこの場から離れる。そして俺はある場所に辿り着く。その場所には一人の男の亡骸が置いてあった。その亡骸の顔には大きな傷ができていて、俺はそれが誰なのかはすぐにわかったのである。

(省略)

俺は、目の前に倒れている人を見つけると、急いで駆け寄る。その人はセイが以前出会ったという男性で、名前は確かカゲミツという名前であったはずなのだ。俺は、目の前で倒れている男性の安否を確認したが特に問題はなく俺はホッと一安心をする。俺は目の前にいる人物を起こすと名前を聞いた。しかし、目の前にいる男性は、目を覚ます気配がなかったが意識はある様子で俺の問いに答えてくれた。俺は、その返事を聞いて目の前にいる男性がセイに頼まれていた人物であることを思い出す。そして俺は、セイが言っていた内容を聞くとセイが心配していることを伝える。

(省略)

「君は本当に勇者だったんだな。いやー驚いた。本当にあの子の姉さんと俺を助けてくれよ」

俺はセイのことを考えると彼の力になることを決意した。だが目の前に居るこの人物がセイの探し人であることは確定しておりセイリン国の王の娘である姫は目の前で寝そべっているカゲミツという人物をセイの妹に会わせるように促す。俺はセイに言われたとおりセイに姉がいる場所まで案内することにした。俺が案内している途中にも何度か戦闘があったが無事に目的の場所に到着すると、そこはセイリン城の最上階でセイの寝室でもあった。

セイリンは俺達を見ると警戒していた。そのせいかセイもセイの傍にいたセイの妹も少し怯えた様子を見せるとセイはセイの妹に近づき話しかけていた。俺はその様子を微笑ましく見ていたが、セイとセイの会話を聞いて俺はセイがどれだけ妹の事を愛しているのかを理解するのであった。そんな二人のやり取りが終わると俺はセイをセイリン城の中にある部屋へと連れてくるのであった。

俺はセイの寝室の中にあった一つのベッドにセイを座らせると俺は部屋の外で待機することに決めてからセイに言うのである。

「それじゃあ後は二人で話してくれ。俺達は外に行くとしよう」と言うと俺は皆を引き連れて外へ出て行こうとする。そんな時、俺の服の裾を誰かに引っ張られてきたのだ。俺の服の裾を引っ張っていたのは先程、セイリン城に案内したセイの妹のセイだった。セイの妹は俺の袖を掴みながら「お兄ちゃん」と呟くとセイリン王の方に目を向けたのである。

(省略)

セイの妹の言葉でセイリン王は俺とセイの二人っきりにしてあげる事にしてくれた。

セイとセイの妹が話し始めるとセイの妹の口から「私の本当のお母様はどこですか?」という言葉が出てくるとセイの妹は続けて「お父様が私をお城の中に閉じ込めてしまわれてから私は一度も外に出たことがないんです」と寂しそうな声で俺に話すのであった。

その言葉にセイは涙を浮かべながら「ごめんね」と謝罪すると、俺はセイにセイの妹に真実を告げるように指示を出す。セイは俺に言われなくてもわかっていた様子だったが俺に許可を求めてきて俺はセイの行動を了承するとセイはセイの妹の前に立つとこう伝えるのだ。

その言葉を聞いた瞬間、セイの妹は大きな泣き声をあげていた。俺にセイの妹が泣いている姿を見せまいと我慢をしていたのだろう。俺はセイリン王に「娘さんの事を頼みますね」と言いセイと一緒にその場を離れることにした。セイリン城は魔王と呼ばれるセイリン王が作り上げた魔窟でもあるらしい。だから俺とセイリン王の二人がいなくなったらセイリン国はどうなるのか分からない。

俺は、セイの後ろをついていくとそこには一人の男性の姿が目に入ったのである。その人物は俺に「お主が噂の男じゃな」と言うとその男は俺に向かって剣を振るうと俺は咄嵯に反応してしまいその攻撃を回避する。そして男の方を見据えるとそこには魔王と呼ばれた男の変わり果てた姿がありその変わり様には俺は驚きを隠せなかった。俺は魔王を睨みつけると魔王に向かって話し掛けた。

俺が「お前の狙いはなんだ!」と言い放とうとしたその時、セイの声が聞こえて来て俺を止めるのである。

そしてセイは、「待って下さい!」と言って魔王と名乗るその男に向かって手を伸ばすがその手をセイリンは弾いたのだ。セイはその事で酷く傷ついたような顔をする。その行動を見て俺もさすがに見過ごす事はできなかったのである。俺はすぐにセイの元に駆け寄るとセイの事を抱きしめていた。俺はセイの頭を撫でながらセイに言う。

俺に「大丈夫だ、俺に任せろ。セイはここで待っていてくれ」と言い残すとセイはコクリと首を立てに振りセイの瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちた。

そのセイの反応に俺は嬉しく思えた。セイリン王の娘だと思っていたのだが、その様子から俺が思っていたセイと全く違いセイの中身はセイよりも大人びているのではないだろうかと感じた。

(省略)

セイリン王との話し合いの結果、俺達はセイと別れる事になってしまう。そして魔王と呼ばれている男の方に目を向けると俺はその男と一対一の勝負をする事になったのだった。俺はその戦いに勝てばこの国の問題は解決するという話をセイとセイの妹に説明した。そして俺と男は対峙することになるとセイの妹が突然、セイに対して攻撃を仕掛けようとしていた。

だが、セイの妹は突然の出来事に反応が遅れてしまいセイの魔法により動きを封じられるとセイの妹の体の上にセイが乗っかる形になる。そしてセイは俺に妹に攻撃をしようとした理由を俺に聞くと俺はセイに説明する。そして、俺は、俺達がこの場所にやってきた時にセイがセイの妹と会った時の様子がおかしかった事について尋ねる。

セイは俺に、自分の過去の事を話すのであった。

(省略)

セイは涙を流していた。そして、セイは俺にセイリン国の王女は自分であり本当は、この国の姫は別の人だったとセイリン王に告げられたことを説明してくれた。俺はセイにセイリン国の王になる事を提案すると俺はその言葉を伝える。俺が言った事の意味を理解してくれたようでセイは、俺の言葉に納得した表情でセイリン王の娘であるセイとセイリン王から託されたこの国を守って欲しいというお願いを受ける。

そして俺はセイにセイリン城にいるはずの、セイの母であるセイレンを探してあげて欲しいとセイに頼んだ。セイリン国で暮らしていたというセイの家族に会いたいと言っていたのは、やはりセイの母はセイのことを家族に知らせていないからこそ心配して探していたのかもしれない。セイに頼むと俺は、この国で起きてしまった出来事の原因を突き止めるべくセイリン城にある書物庫へ向かうことにした。そしてセイは俺達とは別れて自分の母親を探すべく旅立っていったのである。

セイはセイリン国に戻るとまず最初に俺達と出会ったセイリン王の私室に向かうとそこにはセイリン王の姿があった。そしてセイリン王は俺達の顔を確認するとセイは慌てて俺達の元までやって来るとセイリンは頭を下げるのであった。そんなセイの行動にセイリン王も驚く。セイリン王は、自分が国王であるにも関わらずに、ただの冒険者であるセイに頭を下げている状況が不思議でしょうがなかったようだ。

そんなセイにセイリンは事情を説明するとセイも状況が分かったらしく「私がお母さんを探します」と言ったのである。その事にはセイリンもセイも驚いた様子を見せていたが、セイリンは、俺達にセイの事を任せると俺はその申し出を受けたのであった。セイリン王は俺がセイを連れて来たことを喜んでいたようだった。そんなセイリン王の笑顔を見たセイが何か言いかけたのを俺は見て見ぬふりをする。

セイリン王が言うにはセイとセイリン王の関係にはかなり複雑な問題があるらしくセイには言わない方がいいと言われた。そして俺は俺の過去についても聞かれたのでセイには黙っていることにしていたので誤魔化すと「それでは、お気をつけて」と言いセイリン城は俺達を送り出さた。俺達はそんなセイリン王の言葉を受けて城を後にしたのだった。

俺はセイにセイの母親の名前と年齢を聞いておくとセイは俺の問いに答えてくれてセイに俺の知っている情報をいくつか教えておく。

俺はセイとの話が終わるとセイリン王がいる場所へと向かうとセイリン王から呼び出しを受けていたのだ。セイは、セイリン王の所に向かったまま戻ってこないので、俺はセイに言われたとおりにセイリン王の私室で待っていた。そして俺は、しばらく待っていると部屋の中からセイと、セイリン王が出てきたのである。そして俺はセイリン王と一緒に書斎らしき場所に連れて行かれる。その部屋の中に入ると、そこには先程までセイと話をしていたセイリン王ではなく別人のように変わり果てた姿をしていたのだ。その姿は痩せていて髪も白くなってしまっており、その見た目は明らかに病人のようになっている。その変わり果てた姿に俺だけではなく、セイも驚いていた。

(省略)

セイリン王は、この国の呪いについては知らないらしくセイリン王に詳しく話を聞いたところ、先程までの俺達と話していた時とは違いセイリン王は冷静な口調になりながら説明してくれるのであった。その話は、かなり長かったが、要はこういうことだったのだ。

それは、俺と初めて会う前にセイは魔王と呼ばれる存在によって操られてしまったらしく、その時のセイはセイではなかったのだと言う。その事を聞くと俺は魔王の正体は、おそらく俺の想像通りの人物だろうと考えた。その事はセイリン王やセイに話すつもりはないが、あの魔王と呼ばれている男が、もし魔王本人だとするとセイリン国がこうなったのは奴のせいだと考えても間違いないだろうと思ったのである。

俺はセイから詳しい事情を聞いた後セイの様子を見ていたがどうやらセイの体は相当に辛い状態のようだ。その事が分かるのはこの部屋には薬のような物が置いてありそれが原因なのだと思われる。俺には何もできない状態だったが俺は何もしないでセイを見守るだけというのも嫌なのでセイの体を拭くために水と布を取りに行こうとしたらセイに止めれられる。どうやらセイの体に触れて欲しくないようだ。俺は仕方なくセイを見守る事にしたのであった。

それから数時間が経過し、俺は何もすることがなかったのだがセイは寝たまま動こうとしなかったのだ。すると、突然、俺はセイに胸倉を掴まれてしまう。そして俺はそのまま壁際に押し付けられる。

(省略)

セイは俺を睨みつけながら「貴方がどうしてここに来たんですか?」と質問される。

俺もその事に答えるとセイの口からは衝撃的な一言が出てくるのであった。

その言葉を聞いたセイリンは言葉を失いその場に固まってしまっていた。

セイリン王が俺に向かってこう言ったのだ。

そのセイの言葉に対して俺は、驚きはしたがそこまでは動揺せずにいたのだが、そんな言葉を聞かされたら誰でも驚くだろうと思いながらもセイが俺に向かって放った言葉で俺がどうすればいいのか判断できずにいたのだ。

俺にセイリン王がこんな事を言う理由が分からないが俺は、とにかくセイの気持ちが落ち着くようにと俺の気持ちを伝えようとしたらその瞬間、俺はなぜか床に膝をついてしまい倒れ込んでしまうのである。その事に対してセイとセイリンは俺に声をかけてくれるのだったが俺は全く反応ができないで意識を失ってしまった。

俺が目覚めるとそこは俺の泊まっていた宿屋の一室である。その事を確認してから俺はセイの方を見るも、まだ体調が良くないようで顔色が悪かったので心配になった。俺にはまだ何もわからない。セイリンは今、どこにいるのかという事も。そして魔王の正体も、魔王が一体なぜ魔王と呼ばれてしまったのだろうかという事も。それにセイリン王が言っていた言葉の意味も分からなかった。俺の聞き間違えでなければ、魔王が勇者に殺されたというのは本当だという事だろうか。

俺はその言葉を聞きながらセイリン王と会った時の事を思い出していた。魔王という者は本当に存在していたという事と魔王に命を奪われたのなら、なぜ魔王は今も生きているのだろうと疑問を感じた。そして魔王が生きていたのに、なぜこの国は滅んでいないんだと疑問を感じる。俺には何一つこの国で起こった出来事について理解できてはいなかったのだった。そしてセイリンは、セイリン城に戻りたくないような感じだった。その事から考えるとやはりこの国で起きた悲劇の発端はセイリン王とセイに関係していると考えるしかなかった。

俺はセイに話しかけるが、その時にはもう既に俺に対する敵意が消え失せていたので、俺は安心した。そして俺は、俺に何か出来る事があるのかセイに聞いてみると俺には何も出来ないと答えられてしまう。

俺はとりあえず、この国に起こった異変を調べるため、セイリン王の私室に向かうとセイリン王の部屋の中に入りセイリン王の書物庫に向かうのであった。

俺とセイはセイリン王に連れられてセイリン王の書庫へと来ていた。

(省略)

俺は書物を漁ってみるが特に目ぼしい情報はなかったので俺は書物庫の探索を終えるとセイリン王の書斎に戻ることにする。そして俺は、そこで一冊の書物を見つけ手に取るとセイは書物の内容が知りたかったらしく、セイリンは「そろそろ戻りましょう」と俺とセイを急かしてきて書斎を出て行ったのである。

(省略)

俺とセイリン王は城に戻るとセイリン王に俺達と話をするためにある部屋に来てくれないかと言われ俺とセイリンはその場所に行くとセイは椅子に座って休んでいるセイを見てから俺もセイと同じ場所に座ることにした。

俺は席に着くとセイと俺が話を始めると、俺達の話が気になっていたらしく、話の内容を聞こうとするのである。

俺は魔王は実は生きていたという事実を伝えるとセイリン王は「そうだったのか」と言って驚くもどこか予想していたようであまり驚かない様子だったのだ。だがセイリン王は「しかしどうやって奴は生き延びているんだ」と言う。

そんなセイリン王の様子を見たセイが言う。

「お父さんに魔王と会って欲しい」

「えっ!? それは、どういう意味だ? セイ」

「私はこの国の王女だったの」

「お前は、セイではないよな?」

「私の名前はセイリンだよ」

セイリンという言葉に俺は驚いた様子を見せる。

「セイリンは私じゃないけど私のお母さんは私と瓜二つなんだよ」と言うとセイは自分とそっくりな母親と瓜二つのセイリンの姿は見たことがないがセイリン王は、どうやらセイの母親を見たことがあるらしい。

俺はそんな会話を聞いていてある仮説を立てていた。その事を考えるとある可能性が浮上した。セイの母親がセイに似ているという事はつまり同じ人間から生まれた子供であるという事ではないかと思うようになっていた。そして俺は「セイリン王」とセイに呼ばれて少し戸惑いを見せたセイリン王に向けてセイはこう言う。「貴方がこの国の王ならば、私がセイであることを知っているはずだ。そして私がこの国の呪いを解く為に旅をしている事くらいは知っているのでは?」と言う。

俺は、その言葉を聞いていたが、セイの言葉を聞いた途端にセイリンはセイに近づこうとしたのだ。俺はそのセイリン王の行動に対して「動くな!」と言う。

その言葉にセイリン王だけではなくセイも驚くとセイリン王はすぐにセイに謝罪すると、セイリン王の話によるとセイの母親はセイリン王が昔、魔王から呪いをかけられた際にセイリン王を救うため自らを犠牲にして魔王の元へと向かったのだと聞くのであった。そしてセイリン王を救い魔王から逃げる時に魔王の娘をセイリン王に託され、それから二人は別れることになったのだと言い、「魔王に娘を頼むと伝言を残したのだ。その事は知っているかセイリンよ」と言うと、セイは首を横に振りながら、「知らないです。私は何も知らないんです。ごめんなさいお父様。今まで本当のことを言わずに隠していてごめんなさい」と言うと、セイリンは「いいのですよ。こうして生きていてくれただけでも嬉しいのですから」と言い微笑むのであった。

それから俺はセイリン王との話しが終わりセイはセイリン王としばらく話をしていたのだが俺はその会話に飽きてきた。

(省略)

それからセイリン王と話しを終えたセイと一緒に城を出ることになった。

(省略)

俺達はセイと分かれてから宿屋に戻ってきていた。そして宿屋の中に入ると、俺はベッドに寝転がるのであった。俺は疲れていて寝る気分にもなれず起き上がると外に出てセイのことが頭から離れないのであった。

それから数時間後、セイが部屋にやってきた。

「あっ! ユウト、ここにいたんだ。探したんだからね」

俺はセイリンのその姿を見て、俺が今考えていたセイリンは本物なのかという考えがまた頭の中に浮かんできたのでセイがセイリンだとしたら本物のセイは一体どこにいるのだろうかと疑問を感じてしまうのである。

セイは俺に対して質問してきた。

その質問に俺はどう答えればいいのだろうかと悩んだが正直に話すことにしたのだ。俺が異世界から召喚されたことを話すと、セイは驚いてはいたが、それ以上は驚きを見せずただ一言、私もそうなのとだけ言い放ち俺のことを抱きしめてくる。

それからセイと俺は宿屋を抜け出しセイと俺は二人で散歩をする。セイリン王が言っていたことを思い出す。セイの父親は、セイに俺の事を任せたという事をセイリン王は言っていた。それが事実ならセイリンは、俺に自分の秘密を明かしたということだと思われる。

それから俺とセイは町を散策するとセイと俺は二人で過ごすことになったのであった。

「セイリン王が言っていた事は本当なのだろうか?」俺はふとそう思いセイに聞いてみるとセイは、自分が本当にセイリン王の娘であるか確かめるために俺に嘘の過去を教えてみてほしいと言ったので、俺は俺のいた世界がどんな世界でセイリン王の言った事が本当であるかどうか調べてみると言ったのだった。俺が、その事を口にするとセイリンは少し動揺する。セイは俺のいた世界が別の世界だという事に驚きつつも俺に対して、セイリン王の言ったことは本当だから、私の事を信じてくれるかなと言われたのだ。俺はその言葉を聞き、セイにどうして俺にそんな事を教えたのかを聞く。

その問いに対して、どうやらセイリン王が言っていた通り、この国が俺に何かを隠しているのではないかと考えているようだった。俺がこの世界にきたときに最初に感じた違和感をセイも同じように感じたのだという。俺はその話を聞きながらも俺の思考は既に別のところにあって考え事をしていた。

俺はセイリン王の娘がセイだということも気になっていたが、俺はそれよりもセイリン王とセイの母の話がどうしても気になってしまっていた。その二人の話は真実なんだろうかと考えるも、結局は俺一人で考えても結論が出ないので一旦セイに、この国で起きている異変を調べて欲しいというと俺はセイの前から姿を消していくのであった。

(省略)

セイは「私に任せてください。絶対に解呪の方法を見つけ出しますから」と言ってセイは城に向かうために俺から離れるのであった。俺はその背中を見送った後に宿に戻ると、俺がこの国の王と会うことになってしまったことにため息をつく。

俺は王に会うと俺に何を伝えようというんのだろうと疑問を抱きながら城に向かう。

(省略)

俺とセイリンは城の門の前に立つとその扉を開くとセイリンは王の間に行き、俺は客間に案内される事になった。

それから数分後、セイリンは王の間の前に着き、王の間へと入るとそこには、玉座があり一人の男の姿が見える。

その男の姿を見て、セイリンはセイリン王の容姿が自分に似ていると感じると男は言う。

その言葉は、「君が勇者か?」というものだった。そして王は「君は、私達の正体に気が付いていようだな。まぁ当然か。あの時の戦いは凄かったものな。それにセイリンにそっくりだもんな。私にはセイリンが成長した姿に見える」と笑いながら話してくる。セイは「一体何を言っているんだ? この人は?」と戸惑いの声をあげると、その反応を見て王は言う。

「そうだな、自己紹介をしないとな。私は聖国王セイリンだ」と言う。

セイリンは王の名前を聞いたとき、驚くと同時に目の前にいる男が王本人であり魔王の娘の父親でもあるのだと思う。そして、魔王は生きているという事実にセイリンは恐怖を覚えてしまう。セイが怯えていることに気づいた俺はセイに声をかけるがセイリンの意識はセイリン王の方に向けられていたのでセイは大丈夫としか言わない。そして俺は王になぜこんな所に呼び出したのかという事を問うたのだ。その問いかけに「そんなに緊張しなくても良いさ」と言われるもそんなこと言われても急に一国の王である人に会ったりしたら誰だって萎縮してしまうだろうと思う。俺はそんな王に対して俺の考えている事を言うも王は笑っているだけで真剣に聞こうとはしなかったのだ。その態度に対して俺は王として失格ではないのかと言ってみる。

その言葉を聞いた王は、「そうかもな」と答えて「ところで勇者よ。お前は何のために戦う?」と言われてしまうも、俺は、魔王を倒して元の平和な日本に戻りたいだけだと言い放ったのだ。その言葉に王は興味を持ったのか、魔王を倒し元の世界に戻る方法は一つだけ方法があると言ってきたのだった。俺は、それはどういう意味だと聞くと「魔王を倒すことで魔王が持つ宝玉が手に入るらしいぞ」と言う。俺は「その情報に信憑性はあるのですか?」と言うとセイリン王は言う。その言葉を聞いて俺は、もしセイリンがセイリン王だとしたら魔王から得た情報なのでは無いかと思い、セイリンにセイの母親のことを聞いてみると意外な答えが帰ってきた。

セイリン王は俺の予想通りに自分がセイリン王であることを告げたがセイの母親のセイリンは魔王によって呪いにかけられた後は、魔王の呪いでセイリン王は命を落とす事はなかったらしい。その事に関してセイリンは俺のいる異世界にセイリン王が飛ばされてしまったという事を知り、そして魔王の呪いで自分に似た娘が現れたのは偶然ではなく呪いをかけた魔王の意思で現れたのだと判断したセイリン王はすぐに俺の元に駆けつけて俺を連れていこうとしたと言うのだが俺とセイリンはセイリン王をこの城にとどまらせると城の外に向かい魔王と戦うことにしたのだ。だが俺の剣は折れてしまい、俺の攻撃は効かず俺は苦戦をしていたのだがそこに、俺達の知らない人物が助けに入ってきてその人物は一瞬で敵を全滅させると魔王に向かって言うのであった。「あんまり手荒なことをするのはよく無いですよ魔王様」

セイリンは、その人物を目にすると驚いた顔をしていた。その人物の名前はレイといいセイの親戚のような人だというのだ。俺は、その名前を聞きその人の顔を見たことがあったので思い出すと確かにどこか見たことがあるような人だったのだ。

俺はその女性に見覚えがあった。俺の記憶に間違いがなければ、その女性は俺と同じクラスの学級委員だった。確か名前が黒江だったはずと、名前を思い出していたのだ。俺が、どうしてこの世界に? と聞くと、「私達が召喚したからですよ」と答えるのであった。俺はそれを聞くと俺は納得してそれ以上聞くのをやめたのであった。

それからレイと言う名前の女は魔王に攻撃を仕掛けようとするが俺はそんな事はさせなかった。その隙を狙って俺は魔道砲を使い魔王を攻撃しようとしたが俺の行動は読まれていたらしく俺は攻撃する前にレイに殴られる。そしてそのまま気絶した俺に対してレイはセイに対して俺を渡すように指示を出し、俺を受け取るとすぐにその場を離れようとした。そして、そんな俺達にセイリンは言う。セイリン王は俺のことをセイに託し、そしてセイはセイリン王から渡された指輪を手に取りセイリンは俺と別れた後、セイリン王は、セイリン王が持っている最強の武器を使って戦いを始めようとしていたのだ。

そしてその光景を見ながらセイリン王が死ぬ前にセイリン王が、自分の代わりにセイを頼んだという言葉を聞いていた俺は目を覚ます。俺はセイリン王の言葉を聞くと急いで魔王城に向かうことにするのだった。

そして俺は城の中に入ると、そこには既に戦闘が始まっていたのである。

俺とセイリンはお互いに協力をしながら魔王と戦い始めることになるのであった。

それからしばらくして俺は魔王との戦闘を終えて一息ついているところだったが、セイはどうやらセイリン王が殺されたのを知ったらしく涙を浮かべながら、その場で立ち尽くしていたのである。

そんなセイリン王の娘であるセイの悲痛な叫びが聞こえてきた。

俺はそんなセイをみて心を痛めながらも魔王との戦いに意識を向けるしかなかったのであった。

(省略)

それから俺とセイは城の中にいる人達と一緒に、これからどうするかを考えていく。セイのお母さんがセイを俺に預けて、俺を魔王の元へと向かわせるために俺の前に現れたことをセイに話すとセイは俺に対してセイリン王の娘である自分の母をよろしくお願いしますと言った。俺は、俺のせいで死んだセイの母に責任を感じつつも俺は、その頼みを引き受けることにして俺とセイは城から抜け出そうとする。だが、そこで俺とセイの目の前には一人の男が姿を現す。その男は暗黒騎士団の団長のアシッドで、セイと戦おうとセイに対して剣を向けたのである。俺は、その行動に激怒し、俺はセイとアシッドが戦った結果に驚きを隠せなかった。なんと、セイリン王が鍛え上げたはずの暗黒騎士であるセイよりもセイが上だった。しかも、セイは魔法を使わず己の肉体のみでセイを圧倒していく。そんな様子を見たセイは驚きを隠せない様子だった。俺は、俺が思っていたセイの強さとは違う強さを秘めていることを知ったのであった。

俺はセイの実力を知ってセイは本当に魔王の娘なんだなと思ってしまったが俺はセイを一人にできないと考えセイに付き従うことにしたのである。俺達はセイに連れられながら魔王がいるという場所まで移動することになったのであった。そして、そんな俺たちを魔王軍の兵士が追いかけてきて、兵士たちは俺たちの前に壁を作り俺達の行く手を阻んできた。そんな兵士を相手にセイが兵士達を倒すとその奥に階段があるのを見つけるとその階段に進んでいき二階に移動すると魔王がいる部屋を見つけた。俺は、扉を開き部屋の中に入った時に魔王の姿を目に入れて驚愕する。なんと魔王は女の子であったのだ。その魔王は見た目からすれば俺と同年代くらいの美少女で髪は白銀のような輝きを放っており目は蒼色に染まっていた。そしてその少女は俺達の姿を確認すると微笑みながら俺に話し掛けてくる。

そんな彼女の表情を見た瞬間に俺はなぜか彼女を見て綺麗だと感じてしまったのである。

(省略)

俺はその魔王の姿を見て動揺してしまうが魔王はその様子を確認したのか俺に近づいてくる。

俺は、慌てて離れようと後ろを振り返ろうとするがそこにはセイの姿があり逃げることはできなかった。俺はそんな魔王を見て俺はこの子を傷つけてはいけないと思ってしまうが、その様子に気が付いていない魔王はそのままの状態で話しかけて来る。

「私と戦わないの?」と言われて俺は戦うつもりなどなくこの子が誰かわからないのだから傷つけることはできないと思ったがセイが言うには、その子は間違いなく魔王であり俺は魔王と戦うためにここまで来たんだと思い直すと俺はセイと魔王の勝負を見る事に決める。

セイはセイリン王から譲り受けた伝説の武器を取り出し魔王とぶつかり合い始めた。俺はその様子を黙って見守り続けるとセイの一撃により魔王にダメージを与えて吹っ飛ばした。

俺は魔王が壁にぶつかった音を聞きセイが勝つと確信した。

セイが勝ち魔王が負けたという事実を受け入れようとした時だった。セイは魔王に止めを刺そうとしたところで突然現れたレイと名乗る男に邪魔され、俺はそのレイと名乗った男の事を思い出そうとしていると魔王の側にいたセイがセイと魔王の間に入りセイを守るようにして立ったのだ。そんなセイの様子を見たレイは笑い始め「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」と言う。そして、セイリン王と同じような事を言われてしまう。俺は、なぜこの世界に来たばかりであるはずのこの男が、そんなことを知っているのか気になったので聞く事にした。するとセイリン王はこの世界に召喚されたとき、セイの母親に会っていてその人がセイに言った言葉を真似たのだというのだ。

そしてその言葉を聞いたセイは、「まさか! お兄ちゃんなの?」と声をあげるとセイリンは「セイ、ごめんね、こんなに早くあなたと別れることになって」と言いながら、セイと抱きしめあい、セイリンはレイと言う名前の少年の方を向いて、「私の娘を頼む」と言う。それに対して俺は、「はい」と答えて二人を落ち着かせることにした。そしてセイとレイが話をした後、俺はセイとレイと一緒に城を脱出することにする。その最中レイからセイリン王が亡くなったという知らせを受けて、セイリンは魔王に殺されたのだろうと思うと俺は魔王を倒す決意をしたのであった。だが、魔王城の外に待ち構えていた暗黒の騎士達を倒す為にレイの力が必要になると思い俺がレイの手助けをしているとレイに魔王城から脱出するように言われたのだ。俺はセイを置いて一人で脱出するわけにもいかず俺はセイと一緒にセイの案内でセイと共に城を出るとセイは俺に向かってセイリンは魔王に殺された事を伝えたのだ。

その事実に俺は驚いた。その話を聞いて俺は信じられないと思っていた。そんな状況でも俺の体からは汗が出てきてしまっていた。そして俺は、セイのことが心配になり、急いで戻ろうとしたのだがレイに「今すぐ戻るのは無謀すぎます。せめて明日か明後日なら何とかなりましたけどね。ですからセイのことは僕に任せてください」と言われると俺はその言葉に従うしかなくなり仕方なく城に戻るのを諦めることにしたのであった。

それからレイと別れてセイと共に街に戻ると、俺はセイと別行動をして、この世界に俺を呼び出し、この世界を危機に追い込んでいる魔王を倒す方法を調べるべく行動する。

そして俺はその日の夜にセイと再会し、セイリン王の敵を取るために一緒に行動することを伝えて魔王のいる場所に行こうとしたがセイリン王に頼まれたレイに説得されてしまう。レイの言葉通り俺はセイの事はレイがいれば問題はないだろうと安心するとセイも魔王討伐に協力してもらうことにする。俺はそんなレイに対して改めてセイを任せると伝え俺は魔王と戦う覚悟を決めたのである。

だが、セイと二人で魔王を倒しに行くと決めてもまだ、俺達のレベルでは魔王には勝てないという結論に至ってしまったのだ。なので俺はその情報を得るべく冒険者ギルドに向かったのであった。そしてその途中に俺は魔王の容姿がわかったのである。それは俺と同じ高校生位の美少女だったのである。そんな魔王の情報を手に入れると俺とセイはすぐに王都から旅立とうとしたのであったが、その道中に盗賊団が現れ、俺とセイの前に立ち塞がり、俺とセイは戦おうとしたが俺の体は動かないで、そのまま俺は拘束されてしまったのである。そしてそのタイミングで俺は自分の体が動かないことに気づくと、そんな俺の様子をみたセイは、自分が犠牲になろうとしていたのだった。セイの言葉を聞いていた盗賊団はセイのことをバカにしていた。そんな光景を見ながらセイは泣きそうな表情をしていたのである。そんなセイをみながら俺はセイの事がとても愛おしくてたまらなくなったのであった。

俺はそんなセイの姿を見て助けてあげたいと思ってしまい、そんな気持ちが行動に現れ、俺はセイに近づこうとしたがセイに怒られてしまい俺はセイから説教を受けることになってしまったのである。

だが、俺の行動がセイを助ける事になったと知るとセイは俺の事を許してくれて、セイは俺に礼を言ってくれる。そんなセイに対して俺はセイを必ず魔王の元まで連れていく約束をする。そして俺とセイは再び、魔王を倒すための旅を始めようとしていたのだ。そんなセイについていこうとした時に俺達はある集団に襲われてセイを庇った俺だけが捕まってしまう。そんな状況でも俺はまだセイを助けようと必死に暴れていたが、俺は結局はセイを見捨てることができずセイを俺が代わりに捕まえることになった。

それからセイの方はなんとか無事に助かり、俺を捕らえたやつらも逃げられてしまうのであった。だがセイは俺に対して「なんで、貴方は自分の命を大事にしないんですか?!」と強く叱られてセイは本気で俺のことを考えていてくれたことがわかると俺はそんなセイに感謝する。セイと俺が合流できたのも偶然で俺達がこの国の外に出ようとした時だった。

俺とセイが合流して再び旅に出ると俺はセイから魔王の容姿を教えてもらい、俺はセイと行動を共にする事にして、俺はセイと一緒に城へと向うことになった。

セイリン王はセイの事を気にしており、その事を心配しているので俺は魔王を倒した後にすぐに、セイリン王が殺された理由を探る事にしたのである。

俺とセイは、魔王が住処にしている場所へと向かうことになるが、そんな時、俺とセイの前に一人の少女が現れたのである。

その少女は黒髪ロングの美人な女性で、服装が少し変わっておりどこかの貴族令嬢のような印象を受けたのであった。

(省略)

そして俺は少女の名前をアリスといい、どうやらこの少女がセイのお付きの人らしく、そして俺はセイのメイドさんでもあるらしい。

(省略)

俺はセイと一緒に少女を連れて魔王が住処としている場所へと向かった。

そんな道中にセイリン王が残したと思われるメモを見つける。

それを見つけた俺達はそこに書かれている魔王に関する情報を確認しようと考えてメモに書いてあった洞窟に辿り着くとそこには魔王軍がいたのであった。

俺達は戦闘準備をして、戦い始める。

魔王はセイが相手をすることになり俺ともう一人の少女は周りの兵士を蹴散らしながら先に進んでいくことにし、どんどん進んでいき遂に俺達と魔王は激突する。

俺は魔王と戦おうとするが魔王は俺に向かって話しかけてきた。

「貴方の事は調べさせてもらっていますよ」

俺はそんな魔王に対して、俺を呼び出しこの世界を窮地に追い込んだ魔王が何を言っているのかと思ってしまう。

(省略)

そんな会話の後で俺達はお互いの能力の確認を行うことになり、お互いに能力を見せ合うことにしたのであった。

そんな最中セイが、俺を護るために身を呈そうとするが魔王によってセイは吹き飛ばされてしまう。そして魔王はそのままセイを攻撃し始めてしまったのだ。そんなセイの様子を見て俺は焦り始めどうにかしないとと思っていたその時だった、目の前の少女が魔王の攻撃を受けて倒れてしまう姿を俺は目撃してしまったのだ。その姿を見た俺は慌てて駆けつけて彼女を助けたかったが俺は動けず、彼女はセイリン王の妹であり、セイリン王の最期の時にも会っていた為俺はどうしても見殺しにするわけにはいかないと思い、セイに呼びかけてみるがやはり俺は動くことができない。そんな中、魔王の容赦のない攻撃がセイに降りかかるがセイが何かの技を使い何とか攻撃を防いでくれたおかげでセイに傷をつけることなく何とかなったのだが魔王にセイが「お姉ちゃんに何をしているんだー」と言うとセイは、俺を庇って、またダメージを受けた。そしてセイリン王に頼まれた通りに俺を守る為に必死に戦ってくれたのだ。そんな状況の中、俺は、魔王の動きに注目することにした。

すると魔王は急に動き始め、俺の方に襲い掛かってきたのだ。

そんな状況下で俺は何故か体を動かせるようになったので急いで魔王を迎え撃つ態勢を整えることができた。

そしてセイリンは、セイのことが心配になったので、その場から離れて様子を見に行こうと試みる。だがセイの事を気にかけていられるほどセイリンは弱くなく、セイの方に目を向けると、そこにはセイがボロボロになっている姿が見えたのであった。その様子を確認したセイは「私がお兄ちゃんを守らなきゃ」と言い、魔王と激しい戦いを繰り広げていく。しかし魔王にセイは押し込まれてセイリンはこのままではセイは負けてしまうと感じてしまうがセイは諦めずに何とかしてセイは持ちこたえるが限界が訪れて、とうとうセイリンは「もう、駄目だわ」と言ってしまった。その声がセイリン王の耳に届く。セイはセイリン王に謝っていたがセイリン王の心の中ではセイが殺される前に魔王を倒してセイリン王を殺した犯人を捜さなければと思ったのである。そしてセイはそんなセイを庇おうとしてか「セイ、お前だけでも逃げろ」とセイに向かって叫んだのであった。その言葉に驚いたセイはセイの方を見る。

セイリン王の声がセイの耳に届いた。そしてセイリン王がセイのことを思い、そう言ったのが伝わったセイだったがセイもここで逃げるつもりはないのであった。そして魔王の攻撃に耐えきれなくなったセイはついに魔王に追い詰められてしまい魔王に剣を突きつけられるとセイリン王に魔王を何とかして欲しいと言われたセイはその願いを聞き届けるためセイリンは魔法を使って魔王を攻撃する。そのセイリン王の行動を見ていた魔王に隙ができてしまい魔王は攻撃を受けるのと同時に反撃をする。魔王の一撃によりセイリン王の右腕が斬られてしまい地面に落ちてしまいそうになるが魔王はとどめを刺そうとしていたのだが、魔王に隙ができた事でセイが魔王に対して攻撃を仕掛けたのである。

そんな攻防が続く中、魔王は魔王が持っていたスキルを使うと、セイとセイは力を合わせて戦うが、魔王が使っていた、魔王が持つ特殊な能力は聖剣とセイの力を合わせた力でさえも簡単に無効化されてしまう。

そしてその事実を知ったセイリン王はセイに最後の望みを託すように頼むが、そんな状況になってもまだセイはあきらめていなかったのだ。そしてセイは最後の力を振り絞るかのように魔王に立ち向かっていくが、そんなセイに対しても容赦なく魔王の手が伸びていきセイは捕まってしまう。そして魔王はセイを捕まえた時に笑みを浮かべた表情をしており、その事に違和感を感じたセイは必死に抜け出そうとするが力がうまく入らないでいた。そんな時だったセイリン王はセイを助けたい一心でセイを助けるべく行動を起こす。

そしてセイが捕らえられている場所に辿り着いた時にはセイはすでに意識がなくなっておりセイリン王は魔王をにセイを取り返そうと襲いかかるがセイリン王はすぐに倒されてそのまま息を引き取ってしまったのである。そんな事を知らない俺はセイを助け出すために動き出したが、すでに魔王によって手遅れだと知らされてしまうのであった。その言葉を聞いていた俺は、俺は、何もできなかったことを悔やむしか出来なかったのである。

そんな状況をみていた魔王軍の兵士が魔王に命令されたことにより俺達を殺そうとしていたのである。

俺は自分の弱さを恨めしく思っているとその兵士達はセイを捕らえており、俺とセイリン王は魔王の部下からセイリン王が命を落としてしまいセイが殺されそうになったところをセイリン王は、俺が助けてくれると信じていて、だから魔王に戦いを挑んだと聞かされると俺の心は罪悪感に襲われる。

(省略)

そんな状況の中で俺は魔王に対して自分の考えを伝えるのである。

「なぜこの世界の人々はこんなにも命を落とすような行動をとるんだよ?!なんで自分の身を大切にできない人がいるんだ?俺は、あんたらのせいでたくさんの命が奪われて大切なものを失っているのに、なのにどうして自分だけが幸せになろうと思うのが許されると思っているんだよ。この世界が滅ぶのは当たり前のことだと思う。だがな魔王!!この世界にだって俺みたいに必死になって生きている人達もいるし守ろうとしている奴らだっているはずだ!!それなのに何でそんな人々を平然と殺せているんだ?」

そんな俺の言葉に対して魔王は何も答えなかった。そんな時、俺はセイリン王の亡骸を発見する。

セイは俺がそんな光景を見て動揺しはじめた事を感じ取ると「ごめんね、お兄ちゃん。本当は私は死ぬ運命にあるはずなの。だけど、お兄ちゃんだけは絶対に私を助けようとしてくれると信じていたの。お兄ちゃんは本当に強い人なんだ。だからこそ私の事よりもセイリン王様と国を優先してほしい」と言いながらセイリンは俺を安心させるために笑顔で話し始める。

そして俺は魔王に「セイを返してもらう」と言い魔王にセイの事を取り戻そうとするが魔王に阻止されてしまい、俺に対して魔王はこう言い放った。

「貴方は、セイリン王の死を知ってどう感じましたか?」と聞いてきたのだ。そんな問いに俺は答えることが出来ずにいると、魔王は再び口を開く。「貴方はこの世界を救えますか?魔王を倒した先に待っているものは、新たな絶望です」と言って魔王が指を指す方を見るとセイは瀕死の状態で魔王が持っている槍に串刺しになっており俺は目の前の出来事を受け入れることができず呆然してしまうのであった。その時、セイは苦しそうな表情をしながら「この先には行かせない」と言った。

その一言を聞いてセイリン王の最後の意志だと思い知らされた俺は覚悟を決めて再び立ち向かおうとする。

俺は魔王が使っている魔法に対処する方法を考えていた。

まず魔王の魔力の流れを読み取りその流れを利用して逆流させようと試みることにした。そして魔王との戦いは激しさを増すばかりで、お互いの能力をぶつけ合うと次第に魔王の方が劣勢になってしまう。そして魔王は魔王の特殊能力を発動させるが俺が思っていた以上の効果が表れてしまうので俺は驚くことになるのであった。

そして俺はそんな魔王に向かって魔法を放ち続けるが一向に魔王にダメージを与えられない。

(省略)

そして、俺達はお互いの能力を限界まで高めると俺達の戦いは終わった。

(省略)

俺と魔王はお互いに睨み合っていた。そんな状況下で魔王は俺に対して「貴様がこの世界を護ろうとする気持ちがあるのなら、魔王軍に協力してもらいましょう」と突然、意味の分からない事を俺に言ってきてきたのだ。そして俺に向かって魔王軍はセイを人質として取り返しに来た魔王軍に協力するならば魔王軍がこの世界の人間を殺す事をしない事を誓うという取引を提案してきたのだ。そんな取引をしてきた理由を魔王が説明するが俺はそんな事をするつもりは全くなく拒否する態度を見せた。だが魔王は「もし貴方が魔王軍側に付いてくれると言うのであれば貴方の妹の身体の安全は保証しましょう」と魔王は言ってきたのだった。魔王のそんな言葉にセイが「魔王軍にセイは協力するからセイリン王の敵討ちをしてくれ」と言い出してセイリン王の亡骸を見つめながら涙を流す。その姿を見た俺は悔しいがセイを守るために仕方ないと感じるしかなかったのである。だがその時だった、「待って」と聞き覚えのある少女の声がしたかと思った瞬間、目の前には魔王軍の幹部であるクロナが現れたのだった。そして魔王は「お前も一緒に来るのか」と言うとクロナはうなずくと魔王に忠誠を誓ったのである。その様子を見た俺は、セイを守るためとはいえ自分が間違った道を選んでしまったことに後悔をする。

魔王に操られているセイを救う為に魔王軍を頼る事になってしまったので魔王と戦う為にはまず仲間を集めて戦う準備を行うことにした。そしてそんな状況で俺はクロナが連れて来た男と話をする事にしたのである。

セイは魔王によって意識を失わされてしまった。

セイは魔王によってセイリンは意識を失い倒れてしまった。

そして俺は魔王とクロナと一緒に行動をしていた。そんな状況で俺は魔王と行動をともにしていた。そんな状況で俺は魔王と行動を共にすることになった。そんな魔王はクロナに「あの男は誰だ」と聞くとクロナはセイの知り合いだと答えた。そんな言葉を聞いた俺は驚いた。そしてセイリン王が魔王の事を知っており、その言葉通りだった事に衝撃を受けてしまう。

(省略)

そんな魔王がセイの事が好きなのが分かり俺と魔王のセイを取り合いの口論が始まるがそんな状況をセイが「今は争っている場合じゃない」と言って止めに入る。そしてセイと魔王との会話が始まった。その時に魔王が「君に質問があります」といきなり話し始めて俺は困惑する。そして魔王は俺に問いかけた内容とは「君はこの世界を救いたいですか?そして、これから魔王がしようとしていることを邪魔する者がいた場合はどうするかを教えてくれませんか?」と魔王は俺に向かって聞いてくるのであった。

俺は魔王の言っている内容が気になった。それはなぜ俺にこんなことを聞いているのかが理解できなかったからである。そんな時に魔王が「この世界を本気で救おうと思っている者は少ないと思います。魔王である私が言える事ではありませんが、私の目的は魔族の繁栄なので、それ以外には興味はないんですよ」と話を続ける。

その言葉を聞いていたセイと俺は魔王の本当の狙いがなんなのかを考えるが分からずにいたが魔王の狙いが分からず俺は混乱している中で再び魔王は話を始める。

「私は今から魔族の為に行動を始めますが正直に言うと人間の国の者達の事も少しばかり考えていたりしています」と言い始めた。その話を聞いてセイリン王は、俺の耳元で小声で話しかけてくる。その内容は、魔王は今までに人を殺したことがないと言うのである。

セイリン王はそんな魔王の行動がどうしても納得できないようで「どうして、あなたがそのような事を?」と言って魔王に尋ねるが魔王はそのことについては教えてはくれなかったのである。

セイはセイリン王に対してセイが意識を失った後に魔王軍の兵士達に襲われた事を伝えると、セイリン王はとても驚きセイの身体を調べ始める。そんなセイリン王の行動に魔王は驚いてしまう。セイリン王は魔王に何かしらの情報を伝えようと思っていると俺は察することができた。そしてセイリン王は「その事ですが魔王よ」とセイリン王は真剣な表情をして魔王の方を向く。そして、セイリン王はセイの背中を確認すると魔王は、セイの身体を確認し始める。セイリン王はそんな二人に「お二人はどういう関係なんでしょうか?」と魔王とセイリン王がどのような関係でいるのかという疑問を尋ねたのである。するとセイリン王はセイリン王に自分の素性とセイとの関係を教えるとセイリンはセイリン王の話を黙って聞いていたのであった。

(省略)

そして俺はセイリン王がセイの味方をするという事をセイリン王に伝えようとしたがセイリン王が俺に「貴方は自分のしたいようにするといいですよ」と言ってセイの事を託してくれたので俺はセイを守ることを決めたのである。そんな状況で魔王は、魔王軍の将軍の一人である「マサキ」に「セイが持っている力を手に入れてください」と言う。魔王の言葉に対してセイは戸惑いを見せる。俺はそんなセイの姿を見てセイの事を心配すると同時に魔王のやり方に疑問を感じるのであった。

魔王軍の幹部であり、吸血鬼の将軍でもある「サキュバスクイーン」のクロナを魔王城に連れてきたのはいいけど俺は魔王に対してセイリン王の言葉を信じて魔王が本当に世界平和を望んでいるのかどうかを確認しようと考えていた。その考えに至った理由は魔王がこの世界が滅んでもいいと言っていたのとセイリン王の口からは「この世界にはまだ魔王を倒せる存在がいない。だから世界平和を考えている」と言われたからこそ俺は魔王が本心では世界を滅ぼしたいと思っているかもしれないと俺は感じたのである。そんな俺の考えに魔王が「貴方の言い分も分かりました。ですが私達はこの世界を護る義務があるので私達は戦わなければならないのですよ」と魔王が答える。

セイリンは魔王に対して自分が知っている事をすべて話そうとしたときに魔王軍の幹部である「クロナ」が現れて、魔王に対して忠誠を誓っていたので俺は動揺してしまった。

(省略)

そしてセイは魔王に対して、この世界の人々の現状とセイが見た真実を話すが魔王は「私は嘘をつく人に興味はない」と言って信じなかった。

セイリン王の言葉は、確かにこの世界の人々には伝わっているはずだと思っていたが魔王には全く伝わっていない様子だった。だが、そんな状況の中で、セイが魔王にセイの力を手に入れるように魔王軍に協力を要請するが、セイは魔王軍にセイリン王の言葉が正しく伝わっているのかを確認するが、魔王軍の幹部たちはセイリン王のことを全く信用していないどころか、自分たちよりも弱いと馬鹿にしている。俺は魔王軍の様子に不安を覚える。そして魔王軍はこの場にいる全員を殺せば済むと魔王は言ってくる。だが、そんな状況をセイリン王が止めるために魔王の前に立つと魔王はそんな行動に出てきた聖女に向かって攻撃を繰り出す。

そんな状況下で俺は魔王を止めようと試みるが、俺は魔王に吹き飛ばされてしまったのだった。だが、その時に俺の前に立ち塞がってくれた人物が現れるとセイは嬉しそうに笑みを浮かべていたのである。そして、俺は勇者と聖女の戦いを見ているしかなかった。

(省略)

魔王との戦いの最中でセイがセイの体から黒い炎が出現する。そして、俺はセイの姿を見るのは初めてだった。そしてセイは俺に、魔王を倒す為の力を渡そうとするがそれを止めたのはセイリン王だった。セイリンは俺にこの場で待っている様に告げるとセイとクロナを連れて行ってしまったのだ。

(省略)

セイが俺の元に駆けつけると魔王との戦いは終わった。そして魔王とクロナはこの魔王城を去ると言い出し去っていく。俺は魔王に対して何故このようなことをしているのか理由を尋ねると魔王はある男に会う為にこの世界にやってきたと言った。そんな魔王の言動を見た俺は「そんな事を言って本当はセイリン王に会うために来たんだろ」と俺はセイリン王に魔王がこの世界を滅ぼそうと企んでいることを伝えるとセイリン王は「そんなことはない!」と言って反論してくる。だが魔王はセイリン王の態度に腹を立てセイリン王に襲い掛かる。そんな状況を見た俺はセイリン王のことが心配になってセイリン王のところに駆けつけたのである。

(中略)

魔王の攻撃によりセイリン王は命を落としてしまう。その光景を見ていた俺に対してセイは悲痛な表情をしていた。そしてセイリンは最後に魔王にある頼み事をしてから魔王に倒されたのである。そんな出来事を目の当たりにした俺はセイリン王が亡くなってしまって悲しい気持ちになった。そんな俺を見てセイも涙を流す。そしてセイは魔王と話をするのだが俺はセイが殺されてしまうのではないかと思ってしまった。しかし魔王は何もしないで、ただ静かに立っていたのである。

そんな状況でクロナが姿を現したのであった。そんなクロナにセイは近づき「あなたには感謝しているわ」と言う。クロナはそんな言葉に反応せずにセイに攻撃を仕掛けようとする。その事に気づいた俺は、そんなクロナの動きを止めるためにクロナの前に立ちはだかるとクロナが俺に攻撃を加えてくる。そんな状況で俺はセイを守るためにクロナの攻撃を受けてしまったのだった。その事に驚いたセイはセイリン王が持っていた杖を手に取るとセイは、セイリン王が持っていたセイリン王の後継者にしか扱うことのできないという聖剣を取り出したのだった。そしてその剣を使って魔王と決着をつけるべくセイと魔王は戦うことになる。

そして俺は意識を失い倒れ込んでしまう。その事でセイは俺の事を心配して声を掛けてくれる。

俺は意識を失い倒れた状態でセイが魔王に対して「お前の狙いは何なんだ」と問いかける。すると魔王が俺に対してある事を伝えてきた。その内容は、俺の過去についてと俺が異世界から来たということを魔王から聞かされる。そして、その言葉を聞いたセイリン王は驚愕して魔王はそんなセイの反応を見ると微笑むのであった。そして、魔王はセイリン王の願いであるこの世界を救いたいかという話を持ち掛けてきた。そして魔王の話を聞いてしまったことで魔王は「貴方達には期待しています」と伝えてくると魔王がセイの前から姿を消していったのである。そんな魔王が消えたことに俺は魔王の言葉が信じられない思いになっていた。

セイが目を覚まして俺に声をかけてくれていた。そんなセイは、俺が起き上がった際に「あなたが魔王を倒したのね」と話しかけてくるが俺は、魔王がこの世界を滅ぼそうとしていた事実と魔王の目的を知ったことをセイに伝えると「それは本当のこと?」と聞いてくる。その問いに俺は本当の事を伝えた。そして俺は、その事が本当だと分かったセイリンは「私は貴方の事を信じています」と言ってくれた。俺はセイリン王の事を信じてくれたセイリン王の言葉に感謝しながらセイリン王を抱きしめて「貴方のような人が、国王にならなければいけないのです」と言ってセイリン王の頭を撫でるのであった。

俺は魔王城での話し合いが終わったセイに俺は気になることを尋ねた。その事とは魔王がこの世界を救う気がないのかということである。セイは、魔王の言葉から世界平和を本気で考えていると思ったようだ。だが俺はその言葉に少し疑問を感じていた。俺は魔王がこの世界にやってきて世界を滅ぼすことが目的なのかと思っていたが魔王の言葉はセイの話を聞いた限りは違うみたいだったので、魔王の真意が知りたくなっていたのである。そのことについて俺は、セイに尋ねることにした。

「魔王さんは、そんなこと考えている人じゃないですよ。あの人は世界を救うためにこの世界にきたんです」

「でもセイが見た魔族の人たちも人間を殺そうとしているよ。それにセイのお父さんの敵でもあったんだよ」とセイが俺に伝えた。そんな話を聞いていたセイは「魔王軍が、なぜ私たちの国を攻撃しようとしたのかその理由を知りたい」と言ってセイは魔王に話をしようとセイは提案してきた。

(省略)

そして俺は魔王城の玉座の間に足を踏み入れるが魔王がいると思い俺は警戒心を抱く。そんな魔王に対してセイリン王はセイに魔王がセイの味方であることを説明すると魔王は「そんな事を言っている暇はないのだよ」と真剣な眼差しで俺に語りかけてきた。その言葉は何か切羽詰まっているよう感じだった。そんな魔王の態度を見たセイは、何か魔王に対して用事があるのではないかと考え魔王にセイの力を渡すように説得を始めるが魔王は聞く耳を持たなかった。そして、セイリン王と魔王との会話が終わるとセイリン王は魔王に「私には、あなたの考えていることがわかる。だけど貴方のその想いがこの世界の人々にも伝わるといいですね。貴方の優しさが人々に届くといい」と言って魔王に自分の持っているすべての魔力とセイの持っている魔力を渡したのだった。そんなセイの行動に対して俺は驚きの表情を浮かべるのである。

(中略)

セイリン王は俺の事を「セイの幼馴染のタクト殿でしたよね。私達の国の為に力を貸してください」と言って頭を下げていた。そんなセイリン王に対して俺は協力することを約束したのである。そして、セイリン王が、俺たちにお願いをしたのはこの世界に住む人々の心の救済だった。だがセイリンは心を読む能力を持っていたために人々は、セイリン王に対して心を読んでいるのではないかと疑念を抱いてしまいセイリン王のことを信頼できなかったので、この世界の人々の心には不安の感情しかなかったらしい。そこで、セイリン王は自らの心の中に溜め込んでいる不安感を俺に見せて欲しいと言ってきていたので俺はセイに頼み、セイに心を読んでもらい俺に感じている不安がどんなものなのかを教えてもらうことになったのだ。その説明をセイにしてもらうとセイは「この不安感はきっと私の事です」と言ってセイは不安を掻き消す為に聖女の力で人々を安心させてほしいと言ってきた。だが、この場にいる人々がセイリン王の言う通りセイを聖女だと思い、そんなセイの言うことを聞いてくれるだろうかとセイは不安になる。

(中略)セイリンはセイの力を貸してほしいとセイに頼むと、セイリン王は魔王に対して魔王軍にセイの持っている力を使える様にして欲しいと言うと魔王が「いいだろう。お前のその気持ちを私が受け止めた。だがお前が思っているような力は使えないと思うぞ。お前たちの聖女が使う力が使えればいいんだが、今のお前では無理なはずだ。お前たちが聖女として目覚めるまでに時間がかかる」と魔王が答える。そんな魔王に対して聖女は、聖女と勇者の力を使うにはどうすれば聖女に近づけるのか質問すると魔王は「簡単なことだ。その聖女の心と一体化することだ。お前は勇者の力を使って何ができた?勇者と聖女はお互いが力を合わせて戦うのが普通なのだが、今は聖女だけが強くなって勇者の方が置いてけぼりになっている。だからお前は聖女と勇者が力を同調できる方法を探し出して見つけ出せば良い」と言ったのである。

そしてセイリン王は、そんな魔王の言葉に納得すると、セイリン王と魔王の間で話し合いが始まったのである。俺はセイとクロナと一緒にセイリン王と魔王の話が終わるのを待っていると、俺達はセイリン王に呼び出されてこの世界の住人全員のところに行くように指示されたのだった。そして俺達が向かった先はセイリン王が暮らしている王宮の一室で、セイリン王が住んでいる部屋に入った時俺は部屋の光景を見て唖然としてしまった。なぜならそこには沢山の人であふれかえっていたからだ。しかもそのほとんどが女性ばかりで男性の姿はどこにもない状況であり一体どういう状況なんだと思う。その事に戸惑っていると「お兄様はこちらですよ」と言ってクロナは、俺達を呼び出した理由を話してくれた。

(中略)

そんな状況の中セイリン王が姿を現したのでセイリンはセイに「セイは、魔王に心を読める力をもらったんですよね。じゃあ魔王さんも魔王城に残ってもらって一緒に行動したらどうかな。それともやっぱりセイだけが一人で行かなきゃダメなの」と俺に言ってくるので俺はセイにセイリン王が魔王にセイに魔王城に残るかと問いかけたら、魔王に魔王城に戻ると言われてしまい魔王にセイに付いてくるのかと聞いた。すると魔王が「そんなわけにはいかないので、この世界にいよう」と伝えてきたので俺はセイが魔王の言葉が信じられないと魔王に詰め寄るとセイは魔王に、そんな嘘をつく必要はないのだと訴えかけると魔王は、俺達に自分が本当に世界を救った魔王であることをセイに証明して見せると言い出し魔王は俺とセイを連れて外へと飛び出したのであった。

(中略)

そしてセイリン王は魔王の言葉を信じてくれたみたいで魔王を信用するようになって、俺はセイリン王から、俺の事を「セイの大事な人を死に追いやった」と言っていたことを謝罪してくれたが、俺は別に謝られるほどの事はしていないと思っている。その事に対して俺は「セイリンは気にしすぎなんだよ。俺は別に何も気にしてないし、セイリン王が魔王の事を悪く言ったのはセイリン王のせいではない。俺を裏切ったあいつが悪いんだよ」とセイリン王に伝える。

(省略)

そしてセイは、セイがこの世界に転生してから今までに経験したことを全て話し終えた後にセイと魔王の二人は俺に対して、俺がこの世界に来たときからずっと俺のことを見続けていたという事を伝えてきた。

セイは「やっとあなたに出会えた。この時を待ってたんだよ。あなたが、どんな行動をしているのか見ていたんだよ」と言ってきたのである。その言葉を言われた俺は、その言葉を聞いて驚いたと同時に「俺の事を信じてくれる人がいるんだ。嬉しいな」と俺は思い俺は魔王とセイに向かって頭を下げると魔王は、セイと俺に対して自分の目的を果たすために協力するように言ってきてくれたので魔王が協力してくれれば絶対に勝てると思い俺とセイは協力して戦うことを決意したのである。

(省略)

俺は聖剣に魔王が封印されていることを伝えると魔王から魔王の持っている魔族を倒せる能力についての説明を聞くことができたので俺はその説明を受けるとセイに「セイ、魔族にダメージを与えることができる武器を持ってないか」と尋ねるとセイが持っていた魔石を取り出して「これのこと」と言って渡してくれるので俺は魔石の属性を確認すると「闇魔法」だったので、この魔石を闇の力で覆えば攻撃することができるかもしれないと考えて、俺とセイで、この魔石に魔王の持っている闇の力を注ぎ込んで魔石に宿すことができないかと試したところ成功するのだった。そして俺は、魔王を聖剣に吸収させると魔王が「魔王を倒したことで貴方は魔王と同等の力を持つことができました。その力があればこの世界の脅威になる者を倒すこともできます。ですが、この世界に仇なす敵を倒しても魔王のように貴方の大切な仲間は救われることは決してありません。それでも貴方はこの世界を救いますか」と言ってきたので俺は、「この世界に生きる人々を助けることが魔王と同じ魔族である俺ができることならば、この世界の敵を排除し、魔王とこの世界の人を助けたい」と答える。

そんな話を魔王としていると、突然、目の前の空間に亀裂が入り、そこから一人の少女が現れて俺とセイリン王は警戒するが少女の方は俺達には敵意がない様子である。そしてセイリン王は「この者は私の娘なのです」と言って俺達に紹介するので、俺は慌てて「娘ってセイの妹なのか?」と言うとセイは嬉しそうに「そうなんです。私にも妹がいて、この子にも私のような可愛い名前をつけてあげようと思っていたんだけど、なかなか名前が思いつかなくて」と照れながら話していた。その事をセイリンは笑顔になりながら見ている。その事に関して俺は、セイリン王に質問をすることにした。その事とは「この子がセイの妹なのは分かったが、どうしてこの場所に現れたのが分からない。セイの身に何かあったのではないか」と聞くとセイリン王は少し動揺しながらセイの方に目を向けていたので俺は何か知っているのではないかと疑うのだった。そんなセイリン王の態度を見た俺はセイリン王の様子がいつもとは違うと思った。

(中略)

そして俺はセイに「セイが俺と一緒に来てくれたのは何か理由があるんだろう」と言うとセイリンはセイリン王を見て何かを言いたそうにしている表情を浮かべていたのだった。そのセイリン王を見た俺は、この二人の間に何かがあったんじゃないかと考える。そんなことを考えている時にセイリン王がセイに対して「貴女が私の元に戻ってくるのは、もう分かっていました。ですが私は、この国を滅ぼそうとしました。それはなぜですか」と言ってセイは戸惑いの表情を見せるがセイリンは「セイ、あなたの心が読めるようになったので、私の心を読んでみてください。セイ、私が、この国にしたことは許されません。私には王としての使命を果たす責任があります。ですが貴女が、私に心を読んでください。貴女なら、私の考えを理解できるはずです」と言ってきている。その事を伝えたセイは、セイリン王の事を見るがセイはセイリン王の心を読むことはできないと言ってきたのである。

俺はセイリン王の心を読むことができず、セイリンはセイリン王の心を読むことができなかったのだが、セイリン王はセイに自分の心の中を読み取ってほしいとお願いしてきた。

(中略)

(中略)

セイリンはセイリン王の事を見ながら、セイリンはセイリン王の事を見てからセイはセイリン王に話しかけた。その事をセイはセイリン王に質問するとセイはセイリン王の事を見て「お姉ちゃん、お父様は、この国を滅ぼそうとするなんて本当なの」と聞いているとセイリンは「えぇ本当のこよ。セイ、私には王としての役割があり、その王として果たさなければならない事があるのです。それがこの国の民を守るということであり。この国は私が守る。私が守らなければならないのです。そしてそのために犠牲にしなければならないものもあり、時には王として切り捨てる覚悟もいるのですよ。だから、王である私の判断は間違っていないのですよ。だからセイ、あなたもこの国に暮らす者達を守りなさい。あなたがやるべきことは分かるでしょ」とセイリン王が言う。セイは、その事を言われて俯いてしまうがセイは決意を固めた顔になるとセイはセイリン王を見てセイは「分かりました。私は、王と王城で暮らす人たちを守ってみせるわ。だって王城に住んでいる人は皆いい人達ばかりだものね」と言ってからセイはその言葉を最後に姿を消してしまった。

その後俺は、聖剣の魔王に俺の力を使う事ができる方法を教えてもらった後に俺は魔族と戦うことになったのだが、その時俺は魔王から貰った能力の中に魔族の居場所を見つけることのできるスキルを使うと魔族を探知することができた。

そして俺は聖剣の能力を使って聖剣の魔王に力を授けてもらうことにした。その結果聖剣の力を得た。俺はセイと俺に「魔族と対抗するために、お前達の力が必要だ」と言ったのだった。そして俺と聖剣を持ったセイは、クロナと一緒に魔族達と戦いにいくのであった。そして俺とクロナはセイに魔族の気配を感じる方角を聞きセイと共に、その場所に向かった。そこでセイは俺達よりも早く魔族を発見していて、俺達はセイのところに向かってセイと合流して一緒に戦う。だが俺とクロナでは戦力が違いすぎたので、セイに俺と魔王が使っていたスキルで戦えないか相談をした。セイにそのことを聞いた俺はセイに「セイに魔族を倒すために魔王の使った力を使いたい」と言って俺はセイが持っている「魔王とセイの力が使える剣」に魔王の魂が封印されているという事を伝える。

俺はセイが魔王から託された魔石を取り出そうとするが魔石を収納しているはずの空間がなぜか開いていて俺はその魔石の魔結晶を取り出すことができた。その事を確認したセイが「どうやったのかわからないけど、私にも魔王と同じ事ができるのね」と確認してくる。俺はセイに対して、魔王の持っていた闇の力で魔石を覆ってくれるように頼んでみた。するとセイが「やってみます」と言って魔石に手を伸ばしてきたので俺は魔石を渡さずに魔石を握り締めた。

そして俺はセイに「魔王が持っていたのは聖剣だけじゃなく魔王自身の力も含まれていますから、気をつけないといけなからな」と言うとセイが「それってどういうこと?」と訊いてくるので俺は「魔王は自分の体の中にある魔力だけでなく他人の体に宿った魔力すら自分の物にすることができます。つまり、魔王が自分の中に秘められた力で自分の仲間を傷つけることができます。俺はその能力をコピーしている状態になっているので魔王の持っている全ての技を使うことができるという事になります」と伝える。

(省略)

魔王と聖剣が俺の目の前に現れた時、俺は魔王に対して警戒心を剥き出しにする。その事をセイに指摘されるとセイリン王は魔王に対して敵対の意志がない事を伝えてきて魔王もそれに合わせてきた。俺はセイに対して「セイは大丈夫なのか」と尋ねると「お兄ちゃん、心配しなくても大丈夫だよ。お母様が嘘をつくわけないでしょ」とセイは答えてきた。その事に安心して魔王に話を聞くことにした。その話を要約すると魔王の目的は人間たちに対する復讐ではなく魔王を裏切った元側近だった者の暴走を止めて魔族との争いを終わらせたいという事である。俺に、魔王の気持ちを伝えた後で魔王は「貴方には私達魔族の願いのために協力して欲しい。どうか頼む」と俺に伝えてきたので、魔王に協力をすることを決めるのだった。

(省略)俺はセイに聖剣に魔王の持っていた能力を使うための練習をしてもらいたかったので、セイを魔王のところに行かせようとしたのだが魔王の方はセイに「私が魔王であることは秘密にしておいて欲しいのだけど」とお願いをしてきた。セイも「わかりました」と答えるとセイリンはセイリン王のほうを見て、「セイリンもセイに何かを教えるのであればセイが知っている人に教えて欲しい」と言ってセイは「それならば、クロナちゃんのところで修行をしましょう」と答える。

(省略)

セイがセイリン王をクロナの元へ連れていき、セイリン王とセイは、お互いに話し合いを始めた。そんな二人の様子を見ていた俺は「セイ、セイリン王をどうするつもりなんだ」と言うとセイは「うーん。正直な話をすればセイリン王のことはセイには分かりません」と言ってきたのである。そして俺は「セイリンはセイの妹じゃないのだろう」と質問する。セイは「セイは、お姉ちゃんがどんな人なのかよく分からない。それにお兄ちゃんならセイの知っているお姉ちゃんの事がわかるんじゃないかと思って」と言ってくる。そのセイの話を聞いて俺自身も、セイリン王のことが分からなかった。そんな事を話していた俺達のところへクロナが来て「何やら楽しそうに話しをしているようだが私も交ぜてもらえないか」と言い始めた。

その事を見ていたセイリン王が「貴女はこの城のメイドですか?」と言うとセイが「セイのお友達です」と紹介してくれる。すると俺とクロナを見てクロナの方が緊張したような表情を浮かべる。その事でセイリン王はセイに対して「この子は本当に、あなたの仲間なんですかね。私には普通の女の子にしか見えないのですが」と言うとセイはクロナの耳を引っ張ってきて、俺達には聞こえないようにクロナと小声で会話を始めるとクロナは、すぐにいつものような元気さを取り戻して「セイ様のおかげで強くなったのですよ」と嬉しそうに言う。その事を聞いていたセイリンはセイに対して「その強さはどうやって手に入れているんだ」と質問をするとセイは、セイリン王のことを見ながら「お姉ちゃんに質問するのは止めてほしい」と言ってセイリン王とセイの間に火花が散る。

そしてセイリンは、そんな様子を気にせずセイに問いかけるとセイはセイにクロナにセイリン王と戦ってもらうように提案をする。俺は二人を止めるように説得を試みるが、俺は、セイにセイリン王の相手になってほしいとお願いされたのである。

(省略)

(省略)

セイは俺のことを見ると俺に対して「お兄ちゃんは、魔王さんのことを信頼してあげて。この国の人達を助けることができるかもしれないんだよ」と言ってきて俺はセイの言葉に従うことにした。セイは俺に向かって魔王について「あの人は優しいけど、少し頼りがいのないところもあるからセイ達の手で救わないとね」と言うと俺も、その意見に賛同した。そしてセイが俺達に向かって説明を始めてくれる。俺達はクロナに、俺達が魔王と聖剣を持っているということを話していなかったので、クロナが驚いてしまう。そしてクロナはセイに魔王の正体が誰だったのかと聞いてきていたが俺はクロナに、今は説明している暇はないと思い魔王の元へ向かうように指示を出す。俺自身は、クロナの相手をクロナとセイに任せてセイリン王と二人で、魔王が隠れているという屋敷に向かった。

(省略)

俺達はセイリン王から「私はこれから、魔族の長と会うつもりだ」と言われて、魔王は魔王軍のトップだと説明するとセイリン王は「やはり魔族にも、王がいるのか。私もその魔王と話し合わなければならない」と言ってきたので俺は、魔王と話ができるように声をかけてみた。すると意外と魔王の方から「魔王として、お前と話をしたいと言っている」と言われる。その言葉を聞いたセイリン王は驚いた顔になり魔王に対して「お前は魔族側の人間なのか」というと魔王の方から「私の名前は魔王ルシフだ」と名乗ってくれた。

俺はその事に対して魔王ルシフと名乗る者に話しかけると、どうやら魔王が持っている聖剣の力で聖剣に魔王の魂の一部を封じ込めているため魔王自身として聖剣に存在しているのではなくて魔王の一部を使って聖剣を媒体にして俺と対話をしているのだという事を説明する。俺はそのことを確認してから「聖剣を通してでも、俺に話しかけることができるなんて便利なスキルがあるのだな」と呟く。そして俺は魔王に「俺は魔族と戦うつもりでいるがそれでもいいのか」と聞くと魔王の方は魔族を纏めるリーダーになって欲しいと言ってきてくれた。魔王からの提案を受け入れた後に俺は魔王に聖剣の力を借りたいと伝えるとそれについては許可してくれて俺は魔王から「お前の力になるのは魔王の力をお前に託すことだけだ」と言ってくれる。

そして俺は魔族に対して魔剣を振り下ろすとその剣からは黒い霧のようなものが現れていくと、魔族は苦しみ始めると俺が「今のうちにお前たちを縛っている呪縛のスキルを解け」と言うとクロナのスキルで魔王から授かった「魔族の呪いを解く事ができるスキル」を発動させる。俺の予想通りに魔王から貰った魔結晶から魔力を流し込むと黒い魔素が消え去り魔王に囚われていた魔族たちは解放された。そして魔族たちには魔王を倒した勇者に協力するように頼んだのであった。

(中略)

魔族は魔素を操り魔法を扱う種族であるために魔力に対して高い耐性を持っていた。しかし俺のスキル「魔結晶」によって魔王の力で魔王と同じ力を使う事ができるようになっていたために俺は「魔結晶」の能力を魔石にコピーさせて「魔石」を複製させた。俺は魔石を使い、俺の持つスキルをコピーできるアイテムを作り出していった。俺は、セイリン王から頼まれたことをするために「セイが使っていた闇属性の能力が込められた魔力を扱えるようになる指輪」と「聖剣」を「聖剣」に秘められている闇属性の攻撃を使えるようになった「闇の魔力を使うことができる杖」を作ることにした。

その二つの道具を作り終えた俺はセイに、その道具を渡す。俺はそのあとに「俺の分身は作っていないのにどうして俺が二つも武器を持っていく必要があるのだろうか?」と言うとセイは「その二個は魔王から渡されたものでしょう」と伝えてきたので俺はセイに「この指輪は俺が作ったものだぞ」と伝えると、それを見たセイは「お兄ちゃんの作ったものが本物じゃないわけがないでしょう。魔王だってお兄ちゃんの事を認めているって言っていたし。それなのに、こんな大事な時にお兄ちゃんが偽物を作っているわけないでしょ」と俺に言う。その言葉で俺は納得すると俺はセイリン王のところに向かう。

その途中俺の持っている武器が光だし、俺は「なんなんだ」と言ってみると「私の方で勝手に操作をしてしまいました」という女性の声が聞こえてくる。その事をセイに聞かれてしまった。

(省略)

セイリン王に俺は、セイと聖女を連れて俺がセイと魔王のところに行っていた間の事を尋ねた。

するとセイリン王が俺達に教えてくれる。セイは聖女と魔王との戦いの中で、自分が持つ聖剣の力の使い方を覚え、そして自分の実力を聖女よりも上のレベルまで引き上げることに成功したらしい。その結果セイは魔王を追い詰めて最後には魔王を封印することに成功した。その話を聞いた俺は聖女は、どんな状況になっているかを確認したのだった。

(省略)俺はセイリン王が連れていってくれたところへ行く。そこはセイリン王が暮らしていた場所であり、その場所で俺達はセイリン王が連れてきた者たちと合流することができた。セイリン王は俺に「貴方たちがこの国にいてくれて本当によかったと思っている」と言ってくれた。

俺達は、セイリン王の連れてきた者の中にクロナの知り合いがいてクロナのことを心配しているとクロナも「ごめんなさい。クロナはセイと一緒にこの国に戻っていたのです」と答える。そしてクロナはクロナとクロナの仲間達を引き連れてきたのであった。そして俺達が、この国に戻ってきた理由は俺が聖女のところへ行き聖女がどうなってしまったのかを聞くためと魔王を倒すのを手伝って欲しいと言われたからだ。

その話を聞き俺は、魔王をどうにかしなければ、俺が魔王を倒しても他の奴らに俺が殺されてしまう可能性が高くなってきたために俺はセイリン王や、魔王の仲間達を信用して魔王に俺達に協力してくれるように頼む。その言葉を聞いた魔王の仲間たちは俺の言葉を聞いてくれて俺は魔王城に行くことになった。

(中略)

俺は魔王がセイとクロナのために用意していた空間の魔道具を起動させてもらい、セイリン王から俺達に向けての贈り物を受け取った。その魔道機械の能力は、セイリン王が俺に預けた「聖剣エクスカリバー」の能力を最大限活かすことができるようにするための装置だと言っていた。その話を聞いていたセイは「この機械はセイには使えないと思うけど、お兄ちゃんには使えるのかな?」と言ってきた。俺はセイリン王がセイにあげた「魔導機械技師」の称号を持っているがセイは、セイリン王の妹なのでそのセイが持っている称号をセイは引き継いでいないと思っていたのである。

その事に気づいた俺に対して魔王ルシフは「お前の言う通りだがお前が持っていればセイリンはお前を認めてくれるだろう」と伝えてくれる。

その言葉にセイは驚いていたが俺の「俺のステータスは見たからな」と言う言葉にセイがうなずくと、俺と魔王と、それからセイと俺の仲間達は魔族の長に会う事になった。俺達が魔族の里に戻るとセイとセイの仲間たちがセイのことを探していたらしくて、俺と魔王に気がつくと俺に襲いかかってくる。そしてセイは、そんな魔族たちを俺が作り出したアイテムである「魔結晶」のアイテムを使うことで「闇魔法の攻撃ができる」という魔法を作り出すことができて、セイはそれを魔族に対して使うとセイと魔族たちの戦争が始まる。その光景を見て俺は、「セイの持っている「闇の力」を封じるための魔石があれば魔族にも魔石を使える人間になれるかもしれない」と思ってしまう。そんなことを考えているうちに、俺は魔王と共に、魔族たちを落ち着かせると俺は、セイに「この魔結晶を渡せばお前の力も取り戻せるかもしれないから俺の持っている「魔結晶」を使ってみろよ」と言う。俺の話を受けたセイは「この魔結晶を使えば私は強くなれるのですか」と俺に問いかけてきて俺はセイに「魔族でも闇魔法を使えるようにするために必要な能力だ。ただし、その分だけ代償が必要になるかもしれないが大丈夫なのか」と聞いてみた。その俺の質問にセイは答えてくれた。

そして俺は魔王から貰った魔結晶を使って魔族たちを強化することにした。その結果俺が手に入れたのは魔族の長に渡すために必要になりそうな情報を手に入れることが出来た。そのことに関しては、後ほど魔族の長との会話の時に話したいと思っている。その魔結晶を手に入れたことによって俺は魔王から「私と、お前の魔結晶を合わせて使えば魔族の長が欲しがるような情報を簡単に集める事が出来るぞ」と言ってくれる。

その言葉を聞いた俺は、その方法を教えてほしいと言うと魔王は魔王城に戻るために、俺達を魔王城に案内してくれたのである。俺はその移動中に「魔素を操る事ができるようになった聖剣ならば俺にも魔剣の力を使えるような道具を作ってもらえるかもしれない」と思い魔王に相談する。

その事について話を聞いていた魔王が「聖剣に魔族でも闇魔法が使えるようになる道具の作りかたが書いてあったはずだ」と答えてくれた。その事を言われた俺も魔王と同じ意見だった。魔結晶に「闇魔法のスキル」を書き込むための道具を俺が作ったのも同じような仕組みで「闇魔法の魔剣」を作り上げることが出来ると思ったからである。その魔剣を作るためには「セイが使っている魔剣」が最適だという結論に達して俺は、セイがセイが使っていた魔結晶を使い俺の作る魔素を使う事ができる「闇の魔石」を作りあげるのだった。

「俺の名前はコウガだ! よろしくな!!」俺は目の前にいる人たちに自分の自己紹介をする。

俺がセイから聞いた話では、ここに来たのは魔族たちを仲間にするためにやってきたそうだ。そして今、俺とクロナとセイリン王は、俺達の歓迎会の準備をしていた。俺は今から何が始まろうとしているのかわからない状態でセイのところに行きセイと話をしようとしたときに突然クロナが俺に話しかけてくる。「セイから話は聞きましたか?」

俺は、セイリン王から魔王討伐の依頼を受けていると伝える。俺のその言葉を言った後に、セイが少し悲しげな表情を浮かべた。俺はそのセイの反応を疑問に思いながら、セイと話がしたいと告げるとクロナは俺とセイを連れて外に出る。

そのあと、俺はクロナから「セイリン王と魔王との戦いはどのような戦いだったのですか?」と言う問いを投げかけられる。その言葉に俺は答える。そのあとセイがセイリン王に自分の事をどう思っていたのかを聞き出したいと言ってきた。その話に俺がセイが、魔王から魔王を倒す手伝いをしてもらったら、褒美を貰って欲しいと頼まれたと話すと俺はセイに聖剣を貸してくれと言われてしまったのだ。俺はセイのことが心配になって聖剣を渡してしまった。すると聖剣は光だし聖剣が姿を変えていき聖剣エクスカリバーが姿を現す。

(中略)

セイリン王に、セイのことを頼まれた俺は聖女と一緒に魔王城の近くにある町に行く。その時に、聖女に俺は聖女にセイのことについて話を聞き出すとセイリンは魔王に負けた時のことを話してくれた。

まず最初に、なぜセイリン王はセイリンが魔王と戦っているのにも関わらずセイリンを置いて逃げようとしたかを説明する前に、この世界には二つの種類の生物がいる。一つは「人間の種族」と呼ばれる者だ。その種族の中でも、特に身体能力が高いものたちが「人間」と呼ばれている存在でこの中には人間以外の種族も含まれているのである。

そして次に、もう一つの「魔王の種族」である。そして、この魔王たちは、自分たちが他の生物の事を下に見ているために自分達以外の存在は自分たちの奴隷だと本気で考えている生き物たちなのである。その中でも、特に強力な個体の魔王になると自分が気に入ったものを配下にして従わせるということもあるらしい。

俺はセイリン王に魔王と戦った時の話を詳しく聞く。その結果わかったのが「魔王が、セイリン王や魔王の仲間たちを逃さないように閉じ込めていた空間の扉を開けてしまいそこから逃げ出したところを、他の仲間たちと協力して、魔王を封印することができたのはいいが封印を解く鍵は魔王が持っているということだけだった」という事を知る。

(省略)

(省略)

聖剣を俺が作ったことにセイが気がついたようで聖剣を手に取り俺の方を見る。俺はセイに魔導機械の説明をしてからセイは納得して聖剣を持ってセイリンは部屋を出て行くのであった。その後セイリンは魔族の里に戻りクロナと合流して一緒に食事を取りに行くとクロナに魔導機械の作り方を教えてほしいとセイがお願いをしたみたいであったのだが、俺は「クロナから聞いていると思うが、その魔導機械はかなり複雑な技術が必要なんだ」と言い聞かせると「お兄ちゃんも魔道機械を作っているんでしょ?だったらいいでしょ?」と言うセイに俺とセイが言い合いをしている最中で俺はある事に気がつく。それは、俺の後ろで俺に抱きついてきている少女はセイではなくセイの妹であるセイリン王の妹のセイであリセイがセイリン王の娘だと知ってしまう。

(中略)

その日の夜に俺の部屋にやってきたセイの話を聞いた俺は、クロナから魔結晶をもらい、その使い方をセイリン王や、俺の仲間たちに伝えた後で、魔王城に向かい魔王と戦う準備を整えたのであったが、俺の前に、勇者の剣を俺に差し出してくるセイリン王が俺に対してセイリン王の話をしてきた。

セイリン王が俺に対して、聖剣エクスカリバーを渡す際に「私の身代わりに魔王を倒して欲しいのです」と伝えてきたのである。俺は「魔王を倒せるかどうかはまだわかんないけど、セイリン王の身は、俺達が守るから」と伝えたが、セイリン王は、セイリン王が魔族に殺されることで魔王の計画が成功してしまうかもしれないと言ってくる。俺は、セイリン王と別れてクロナたちと合流をするのであった。

(中略)

セイがセイリン王が魔王の協力者であり魔王軍の関係者であったことを伝えてきて俺はその情報を信じることにした。

「俺はセイリン王がセイとクロナのために残してくれた情報を使って魔王から聖女の魔結晶を手に入れてやるよ」と決意表明した。俺の言葉にセイが微笑むのであった。そのあとセイが俺に魔王のことを聞いてきたので俺は魔王のことを話し始めたのである。

(以下三人で会話をしながら魔族の長に会いに行き、魔王と会う場面へ)

その話に俺と魔王は驚きの声をあげてしまう。なぜなら俺が、魔族の長に渡すための能力を持った魔石を作ろうとしているときに、俺が作っているその魔石と同じ効果のアイテムを作り出すために、魔王は、そのアイテムを作り出すことのできる魔道具を持っていることが判明したのである。俺はそのことを確かめるべく、魔王城に戻ると魔王が俺に対して、セイリンから聞いた聖剣の作りかたについて、魔結晶と魔石に俺のスキルを使って作り出した「魔結晶」に、魔素が宿るために必要な魔石を作り出したときの事を思い出しながら俺はその作りかたを思い出そうとするが、俺自身が魔結晶と魔石を作ることができたからなのか俺には全くわからなかったのである。そのことに困っていた俺だったが魔王の一言によって、俺がセイに魔剣を作ってあげた時のように「聖剣を作ることが出来る」と言うことが分かってしまったのだった。そのことに気づいた俺はセイが持っている魔剣を借りて俺の作った魔石と、セイリンから聞いた情報で聖剣を作ってみようと試したところ成功するのであった。そして、俺は、魔族に、闇の魔結晶を使うことができる人間でも使える闇の属性魔法を扱うことが出来る「闇の魔石」を魔王城にある材料と、クロナからもらった「闇の魔結晶」を使い闇の魔石を作り始めるのである。

「お前の名前はなんというのだ?」魔王は、自分の前に現れた魔族に向かって名前を尋ねる。

魔族は、「私は、魔素使いの一族の生き残りで名前はアネシアと申します」と名乗るのだった。魔族は魔素を使うことに長けた種族であり、魔王はその種族の中でも最強と言われていた一族に目を付けており、この機会に魔素の力を持つ人間を捕まえて魔王軍で魔素の力を利用しようとしていたのである。そのことを知ったアネシアは、自分がその一族最後の生き残りであることを魔王に伝える。そして魔王が、その力を利用して魔王軍と手を組んで欲しいと頼むと魔族は魔族でも魔王軍に忠誠を誓わない者も存在し、そういったものは人間の国に潜んでいる可能性があると言う情報を魔王に教えてくれる。それを聞いた魔王は、人間の国に潜入して探すことにした。

(省略)

その話の中で俺はアネラから俺が倒した魔王についての話を聞く。その内容は「魔王は自分の力を過信しすぎた結果敗北してしまったのだ」という話だった。そんな魔王を倒した俺は、俺は「俺はこれからどうしたらいいんだ」と言う話を持ち掛ける。

その言葉に、俺達の前に姿を現したのはクロナとセイだった。二人を見た俺は、二人がなぜこの場所にいるのか理由がわからず質問をしようと声を出すとクロナとセイに口を押えられてしまう。

俺はいきなり現れたクロナとセイを見て驚いたのと同時になぜ俺の部屋に入ってくるのだろうかと疑問を抱くのであった。

「「魔王を倒すためにあなた(コウガ)の協力が必要なの」」二人は同時に俺に言うのである。クロナはセイがセイリン王の娘であることを知って驚いていたがセイは俺に魔結晶を渡してきたので俺は、魔王との戦いに備えるために使うように指示をするとセイが「コウガさんも私を助けてください」と懇願された俺は「わかった。クロナが協力してくれるのなら助かる」と言うとその返事にクロナは嬉しそうにしていたのである。そのあとにセイリンはセイリン王の娘だということを話すと、俺は魔王がセイやクロナを殺そうとしていることを知り「助けられるものならばセイリン王や俺の妻たちも救うために行動したいと思う」と言う。

(以下省略)

(中略)

「私はあなたの事を好きになってはいけない存在のはずなのに私は貴方に恋をしてしまいました。私の事なんて気にせずにどうか自分の幸せを掴んでください」セイは、涙を流しながら俺に訴えかけてくる。

俺はセイの事を気になりながらもクロナと一緒にセイリン王の元へと向かう。

俺はセイリン王のところに向かうとクロナと一緒に俺が、魔王との戦いで手に入れた魔剣とセイリン王が俺に預けてくれた魔剣をセイリン王に返すのであった。その時に俺はセイリン王に魔王を必ず倒すという約束をする。そして俺はセイリン王に魔導銃を渡し、クロナと一緒に魔王城の外へと出る。

(中略)

「この魔王城の最上階では魔王が私たちのことを待っているわ」とクロナがセイに話すとセイは覚悟を決めた表情をして魔王城の中へと入って行くのである。

セイの案内のもと魔王の待つ部屋に入るとそこには魔王がいたのである。そしてセイリンは魔王の姿を確認するとともに魔剣を鞘から抜いて構えていた。

(以下略)

俺が、魔王の姿を見て魔王は俺に対して、魔王が俺を敵だと勘違いしていることを告げられてしまった。「俺を敵に勘違いをしているのか?」

「ああ、貴様は私の敵ではないのか?だとすればなぜここにいる」と聞いてくる。その質問に対して俺は「魔王を倒す」と答えると「面白いことを言うやつだ。私が貴様に負けるという事は無いだろう」と言ってくるのであった。その話に俺は「じゃあやってみるか」と言って魔王に向かって走り出す。魔王は俺の攻撃を避けたのだが俺に攻撃をされそうになった時セイが俺の前に出て攻撃を受ける。その瞬間、魔王が笑みを浮かべるのであった。

(省略)魔王は、魔王城が破壊されないようにセイに「その男の相手をやめるなよ。もしお前が死んだ場合すぐにあの世に送ってやるから安心しろ」と笑いながら話しかける。だがセイリン王が魔剣を持って魔王に斬りかかろうとした時、俺が魔王に蹴りを食らわせ、魔王が壁に激突するのである。その後セイリン王は俺が魔王から奪った魔結晶の力で魔王を攻撃しようとしたのでそれを俺は止めようとする。しかし、セイリン王は、セイリン王が持っている魔結晶の魔石から放たれていた闇魔法が発動して魔王を動けなくさせたところでセイリン王は魔王から魔結晶を奪い取るのである。その光景に魔王は驚きの顔を見せる。そしてセイリンは魔結晶を使って闇の魔法を使い始めるとセイリンは「お前は何が目的なんだ?」と魔王に向かって聞くのである。その質問に魔王は答えることなく闇の空間を作り出しセイリン王とセイを飲み込んでしまうのであった。セイリン王は闇の魔法を操り魔王と戦闘を繰り広げるがセイは魔剣を使い魔剣の能力を使い魔王と戦う。その結果セイリン王が魔剣の能力を発動させることができなくなったところで魔王が「これで終いだ」と言い放ったその時セイの持っていた魔剣から光が漏れ出してセイリン王の身体に纏われる。その現象がセイのスキルによるものなのか魔剣の固有能力なのかわからない状況にセイたちは動揺してしまう。

(中略)

「魔王の魔結晶を持っているとは厄介なことになってしまったものだ。それにその剣を持っているとセイと同じような力を持っているのか。これはまずいな」とセイとクロナを見ながら魔王は、俺に話しかけてくる。その言葉を聞いた俺とクロナに緊張感が生まれるのであった。その言葉を聞いていたセイが「なぜ魔王がセイの事をご存知なのですか?」と質問をする。魔王は「それは言えない」と言ったのである。その魔王の言葉にセイは「コウガ、ここは一旦引きましょう」とセイは言うのだった。

(以下三人が撤退していく様子を魔王が見ている場面まで飛ぶ)

俺とクロナは、セイリン王を救出するために動き出していた。

セイとクロナは魔王と戦っていて魔王がセイとクロナに対して「その剣を持っていると厄介なことになってしまうので、少しの間預からせてもらう」と言われてしまってしまう。その言葉に対してセイは「その言葉を信じることができるとお思いですか」と言うと魔王がセイの目の前に現れて一瞬でセイの持つ魔剣を取り上げると、魔王は魔王城の最上階のさらに上にある場所に向かい始めてしまいセイリン王を連れてその場を去っていく。魔王は魔王城の最上部にたどり着くと「お前が私を倒すために魔剣を作った奴か」と俺に向かって話し始めるのだった。俺はその発言から俺の魔結晶を使った魔剣を誰かが作ったんだろうと予測を立てながら、「誰からその情報を手に入れたのか知らないがその情報は正しかった。俺の持っているこの剣を作り出した人は、今、魔族の国の魔王の城の中で囚われの身になっている。お前を倒しにその人を取り戻す」と宣言をした。

(省略)

俺は魔王に「セイの持っているその魔結晶と魔剣について聞きたいことがある。だから返してもらうぞ」と告げると、魔王は「残念ながら、その要求は却下だ。私にはそれを手に入れる方法を知っている。貴様はそこで死ね」というと闇の魔力を使い俺を攻撃してき始める。そんな魔王にクロナも攻撃を仕掛けようとしたが魔王に「動くな」と言われたのでその場で立ち止まると魔王の攻撃を受けてしまう。俺は、クロナを助けるべく動こうとするが、俺の身体の自由を奪うように黒い霧が発生し始めて魔王の元へ向かおうとすることが困難になりつつあったのである。

その時に、セイがセイリン王と一緒に現れると、魔王に対して「なぜ、魔王軍が魔王城にいないのか」を質問すると「私は、魔素の力を使うことが出来るからこの魔族の領地の魔結晶を封印させてもらっただけだ」と返答したのであった。その言葉を聞いて俺達は絶望の淵に立たされることになる。そんな時、セイリン王がセイの耳元で「お前はコウガ殿の傍を離れない方がいい。お前にも魔王を倒す可能性があるのかもしれない」というとセイは首を横に振ったのである。

そしてセイリン王から魔剣を受け取った魔王が「この魔素を使えばこの世界のほとんどの国を落とすことが可能になる」と言い始めたのであった。その言葉にセイが「なぜそんなものを貴方は必要としているんです?」と聞くと「その魔結晶は私が元々持っていて、その魔剣の製産方法は我が一族の一族秘伝のものなのだ」と言ってくるのであった。

俺は魔王がセイとセイリン王に襲い掛かろうとした時にクロナと一緒に二人を守ると俺達は逃げることにしたがクロナが突然倒れてしまったのだ。俺はすぐにクロナを抱き抱えて魔王がいる方向から離れようとしたときに魔王が「貴様の大事な仲間を傷つけたくなければ大人しくしてもらおう」と言ってきてクロナの首に手刀を入れ気絶させたのである。

(中略)

「俺は、クロナとクロリン王を助けに魔王の所に戻る」と言うとクロナとクロリン王が俺に駆け寄ってくると「セイリンは魔王のところへは戻る必要はないから私のところに来なさい」と魔王がセイリン王に向けて言っていた。その魔王の発言にセイリンは「私は、あなたのような悪者には決して従わない。私は自分の意志に従って行動する」と言うと「そうかい」と言うとセイの方に手をかざすと魔王の手の中から闇魔法の槍が出現して、セイは「なぜ、こんなことをする」と言うとセイの胸に闇魔法でできた傷跡が残るとセイは膝をつく。その光景を見た俺は魔王に殴りかかるが「貴様に邪魔される筋合いはない」と魔王は言い放つと俺は地面に転ばされてしまう。

そして魔王は俺の方を見ると同時にセイリン王が俺の方に駆け寄ってきて俺を抱きしめてくると魔王は俺に攻撃を加えてきたのだ。

(中略)

「さすが、セイリンが選んだ男だ。セイの攻撃をまともに食らってまだ生きてられるなんて本当にお前の事が気に入りそうだよ。でももう時間の問題だな。早くしないと死んでしまうぜ。どうする?このままおとなしく殺されるのか?お前が死んだあとその女はいただいていくが、それでいいなら死んでしまえ」と言うと魔王の手元に先ほど俺を攻撃したものよりも一回り大きな闇魔法がセイ目掛けて飛んでいったのである。俺は咄嵯にセイに体当たりをしてセイを闇魔法から守ったが、代わりに俺が闇魔法を受けてしまった。俺は「クロナ、頼む」と一言だけ言って意識を失ってしまう。

魔王城からセイはコウガと共にセイリンとクロリン王とともに逃げ出す。

セイリンがセイに対して魔王の居場所を聞くとセイリンが魔王のところに向かうと「セイはここに残りなさい。私が、あいつを倒して来る」と言って走り出そうとしたが、そのセイリンの腕をクロリン王が掴んで止める。そしてセイリンは「離して下さい。お願いです」と言うのだがクロリンは首を横に振り「行かせません」と強い言葉で言ったのであった。

その会話をしている間にもコウガが魔王の攻撃を受けて瀕死の状態である。その事にセイリンとセイは、コウガーの元に駆けつけるのであった。そしてセイリンが「クロナさんは、私達をここまで運んでくれた恩人でもあるので、そのクロナさんの想いを裏切ることはしないでほしい」と伝える。その言葉を聞いたクロリン王は、「クロナの気持ちを考えるならばコウガが死ぬ事の方が大事だろう」とセイリンの発言を咎めるがセイリンとセイが「それは違います。コウガは私のために命をかけてくれた。だからこそここで死なせるわけにはいきません。助ける方法がないのか探してきてください」と言う。

コウガの命の炎が消える瞬間に、クロナが目を覚ましてクロリンはセイの胸の中に飛び込むように抱かれたままセイの肩に頭をうずくめている状態になる。クロリンは「クロナちゃん、無事だったのね」と言うとクロナは泣きそうな顔になりながら「ごめんなさい。私のせいです。ごめんなさい」と謝り続けるのだった。そして「大丈夫ですよ」とクロナは優しい声色で言う。そんな状況を見てクロリンはセイに頼み始める。「どうかこの私に力を貸してほしい」と頭を下げるのだった。セイは、「クロナ、その人はクロリンという名前ではありません。クロトです」と言った後に「クロトはコウガの恋人でもありました。コウガの大切な人であるクロナの事を無下にはできないでしょう」と言い始めるのである。

(中略)

「クロナ、コウガに力を与えてくれてありがとう」とクロナに向かって礼を言う。

コウガは意識を覚醒させると自分が魔王によって攻撃を受けていたことを思い出す。

「魔王、貴様だけは許さない。貴様の思い通りにさせるか」と俺が立ち上がると「ほう」と言って魔王は感心している様子だった。

俺は立ち上がり魔王に向かって歩き出すとクロリン王もセイリンも一緒に付いてきてくれるようだった。魔王の元まで辿り着くと、セイリンが「魔王様。私はセイリンと申します。私は魔王軍に降伏致します。だから部下の人達を返してくれませんか?」と言う。

魔王はセイの言葉に対して何も言わず、ただ見つめたままだった。その行動を見たセイリン王が魔王に対して言葉を発すると、俺達に近づき始め魔王はそんな行動を見ているだけだった。セイリンがセイの近くに来て、「コウガ君とクロナを連れて魔王様の元に向かってくれませんか?」と言うとセイは「そんなことができると思っているのですか?」と答える。セイリンが「コウガ君はきっと私のことを守ってくれると思うので、コウガ君の元に向かってくれないでしょうか?」と懇願すると、セイリンと魔王が話し始めた。

その光景を見ながら俺はセイに近づくと、セイは魔王の方を警戒しながら俺に話し掛けて来た。「どうして私を助けたのですか?」と質問をしてきた。

俺はセイの質問に対して「俺がお前のことを助けたいと思ったからだ。だからお前を助けるために来た。お前は、俺の大事な仲間だからな」と言う。俺の発言を聞いて「仲間なんていらないと思っていたのに、私は貴方の仲間にいつの間にかなっていたんですね」という。セイの発言に対して俺はセイのことを後ろから優しく抱きしめてセイを落ち着かせることにした。そんな光景を見ていた魔王は「貴様、よくこの状況でそんなことが出来るものだな。普通ならば、こんな場面は貴様にとって絶体絶命の状況だと言うのによくそんなことをできるな。まあそういうところが気に入ったがな」と話す。

魔王が「貴様は仲間に自分の大事な存在を助けてほしくないか?その女はもう助からないだろう」というと俺は「そんな事は分かっている。だけどクロナはまだ生きている。そんな奴の勝手な理由で殺させはしない!」と言う。そんな俺に魔王が言葉を発した。「お前は自分の立場がわかっているのか?」と言葉を放った。

魔王は続けて「お前は今の状態で何を言っているのだ?その女はどう見てももう助からないのだぞ」と言ってきたのだ。だが俺はそんな言葉を無視して俺はセイリンと魔王がいる場所から離れるためにセイリンとクロリン王の手を握りしめて走り出した。すると背後からは、「やめて!!お願い!!貴方に何かあったら私達が貴方を愛せなくなる!!」とセイが必死に叫ぶが俺は足を止めるつもりはない。そのまま全力疾走する。俺達の逃走に気がついた魔王軍はすぐに俺達を取り囲んだのである。俺は取り囲まれた際に「そこをどけ!どかないなら殺す」とだけ言うと魔王軍は道を作ってくれた。その魔王軍の様子を見たセイが「何が目的なんですか?何故、コウヤを庇うんですか?コウナをあんな目に合わせて」と言うと俺はその発言を聞き少し驚いた表情をした。

俺は「セイリンはクロナに会ったことがないはずなのにクロナが誰かわかったのか?それにクロナが俺の恋人ってこともわかっているのか?俺がクロナと別れてからクロナとは一度もあってないしクロナがお前を襲おうとしていたのをお前が止めたときもいなかっただろ」と言うと、セイリンは俺が驚いているのを見て「私は、コウナがクロナと別れた後に一度だけクロナのところにコウナに会いに行ったことがあります」と言うのであった。

俺達は、なんとか魔王軍からの逃亡に成功するが魔王軍から逃げる時に魔王が「お前たちは、魔王から逃げられたと思って油断しているみたいだが、その程度の傷は我輩の力を使えばすぐ癒えてしまう」と不敵な笑みを浮かべていた。俺はその事を忘れずに魔王のところに急いだのだ。

(中略)

俺が、クロナを抱えて魔王の元へ走っていると、セイリン王も俺に付き添いながら走ってくれている。

セイリン王が「魔王の力は、闇魔法に特化していて闇魔法の魔法攻撃が強力だと言われています。その力でクロナが倒されたんですよ」と話してくる。俺が「そうなのか。闇魔法は魔王の代名詞的な攻撃方法なのかもしれないな」と答える。その俺の返事を聞いたセイリンは「魔王は闇魔法以外にも攻撃手段を持っているみたいなのですがそれが何なのかわかっている人は少ないようなんです」と言う。

その会話の最中に俺とセイリンはついに魔王の元にたどり着いた。

魔王は俺達の姿を見ると嬉しそうな顔になって「お前が俺に刃向かうのか?面白い」と言いながらこちらに向かって歩いて来たのであった。

魔王がセイリン王と俺の元にゆっくりと近づいて来ていることに対して俺とセイリンはどうしたら良いかわからなくなっていた。そのせいもあって、クロナは、まだ気絶をしたままである。その光景をみた魔王は、「まだ意識が戻らないのか。さすがにそいつがこのまま死なれたら俺の気持ち的に困るんだよ」と言う。セイリンは、「クロナには手を出すのは許さない。クロナに手を出していいのはコウガだけだからな」と言った。すると魔王はその事を聞いて大笑いを始めた。

そして、魔王の笑いが終わるのと同時に魔王が動き出して俺とクロナの前に立ったのであった。そして魔王が、「そういえば自己紹介がまだだったな。俺は、魔王をしている。よろしくな」と言い、握手を求めてきたので俺はその魔王の手を握って挨拶をするのだった。

魔王は、俺の握った手の感覚を確認するかのように動かした後に再び話し始めて「コウ。クロリン王は返してもらうぜ」と言いながら俺に蹴りを入れ始めた。俺はそんな攻撃に対して冷静に対応しつつ魔王に話しかけた。

「お前の目的はクロナを拐うことだったはずだ。それならばクロナは既に用無しなのではないか?」と尋ねると、魔王が「俺の目的には、このクロナが重要だからクロナは必要だよ」と言い、クロナに向かって攻撃を仕掛けるがクロリンは、クロナに抱きついたままクロナを離さなかった。

魔王は、クロリンの行動に舌打ちをしながら今度は拳を使ってクロリンを殴りつけるがクロリン王は、クロナを庇いながら倒れこんだ。その光景をみたクロナも意識を取り戻したようで俺の方を向いてくるとクロナは俺の頬にキスをしてきたのだった。俺がいきなりクロナにそんなことをされ、戸惑っていた時だった。魔王が再び俺の顔面を思いっきり蹴ってきた。そんな攻撃を受けた後でも俺はクロナを抱きかかえた状態のままで倒れることはなかった。そんな状況を見た魔王は「どうしてお前は俺の攻撃に耐えられる。俺は、闇の力を使った攻撃しかしていないぞ。それに今のは本気ではないとはいえ、俺が全力を出した攻撃だったのだ。それをなぜ耐えられる。答えてくれないか」と言ってきたので俺は答えることにする。

「俺は、自分の魔力と闘気が融合されて使えるようになったスキルを発動させている。それにより俺はダメージを負わない」と俺が説明すると魔王は「なるほど、そんなことまで出来るようになったか。俺も本気出さなくちゃならないようだ。その前に貴様らを片付けなくては」と言い放つ。するとクロナが「コウガにこれ以上、危害を加えさせない。貴方は私を殺すことは出来ないんでしょ?」と言う。クロナの言葉に魔王が、「ああ。その女には何も出来ないから安心しろ。俺はお前らを殺すから、もう心配いらない。あとは俺がこいつらを処分しておけば終わりだ」と言うと魔王は「コウガ。俺は、お前と戦えて嬉しい。こんなに強い人間がいるんだな」と言葉を漏らした。その言葉を最後に、俺はセイリンに合図を送ったのだ。するとセイリンは「魔王よ、もう貴方に逃げ場は無い。コウヤの剣を受けてくれ」と言い、セイリンが持っていた魔刀が突然光だしセイリンが持つ聖剣になった。

そして、セイリンは魔方陣を展開したのだ。すると魔方陣が展開されていき魔王と勇者が対面するような形になった。そのセイリンの動きを見て俺は「魔王よ覚悟を決めるんだな。これで貴様の負けは決定しているからな」と言う。すると、魔王は「お前、まさか俺を舐めているんじゃないだろうな?」と怒りをあらわにした。そんな言葉を発した直後、魔方陣が完成をして、その瞬間、光があふれ出す。

セインは魔王に語りかけたのである。「貴様を倒すためには、まずはこの武器が必要だと思い、セイリンは、私達にこれを預けてくれた」と言うとセインは、魔刀を構えて魔王の方向に構えたのだった。そんなセイリンに対して魔王は、「貴様は、本当にそれで魔王の力を受け止められると思っっているのか?馬鹿な奴だ」と言い放った。だが魔王は何かの気配に気づいたのか後ろを振り向くとそこにはコウがクロナを抱きかかえた状態で立っているのを確認したのだ。

コウの存在に気がついた魔王は、一瞬、驚くがすぐに「貴様にやられた俺がここに来れたということはクロナとクロリン王は俺の元に来ることが出来るようになっていたのか?」と言う。そんな質問に俺は、「ああ。その通りだ」と答えた。魔王に対してクロナが、言葉を放つ。「私はクロカ。貴方に奪われた私の大事な大事なクロナの双子の妹だ。貴方から解放された今こそ私はコウヤの妻になれる資格を手に入れた」と、クロナ改めクロカが言い放つと魔王が「そんな事が本当に可能なのだと思っているのか?俺にだってできることだぞ」というがクロカが、「それは、無理。私達は二人で一人。私とクロナが同時に存在していなければ本当の私達は存在していない。つまり私はコウとの子供を産み出せる存在なんだ。だから私は魔王である貴方にも対抗できるしコウを好きな女が沢山いても大丈夫。私がみんなを愛するから」と言うとクロナは、コウと魔王の方に駆け出した。

その出来事を目の当たりにしたコウとセイリンは唖然としながら見ているとクロナと魔王は互いの手を握ったのであった。

俺とセイリンは二人の行動をただ呆然と見つめていたのであった。

(中略)

セイリンは、「コウ!あいつらの行動が何かわからないが、コウは、コウはどう思う?」と言うのであった。

セイリンの発言にセイは「確かにあの魔王は強いのかもしれないけどクロカの力はそれ以上って感じがするんだよ。私はクロナの体から出てきた時のクロナの力が凄まじかったのを見てしまったから」と答えセイが、「クロナから出てきてすぐのあの姿を見るだけでクロナの力は相当なものだとわかるよね。そのクロナにそっくりの容姿をしているのにあんなに魔王に攻撃できているなんて信じたくない」とつぶやく。

俺達はクロナの事をまだ完全には把握できてはいないし何の力を持っているのかわかっているのはほんの一部しか知らない。だがクロナには俺達の理解を超える程の秘めたる能力が隠されているのではないかと考えていると俺が「俺がクロナを助けに行く」と言うと、二人とも止めなかったのである。そしてクロナの元にたどり着いた時には既に魔王とクロナは魔王城を出て行く直前だった。そこで俺はクロナを奪還することに成功はしたのだが魔王の攻撃を喰らい吹き飛ばされてしまい俺は地面に叩きつけられてしまうことになるがなんとか持ち堪えることができた。

その後、魔王とクロナは姿を消していた。俺は魔王を追いかけることにした。だが魔王と魔王軍が移動手段を持っていると予想されるので俺はセイリンに頼んで俺達が逃げてきた森に戻ってもらうことにしたのである。

セイリンは、森の中に戻るのを少し渋っていたがクロナが魔王と行動していることを伝えたところ納得してくれて俺はセイリンが戻ってきた後にクロナの元に急いで向かうことにしたのであった。

コウはクロナの体に近づいていきクロナを抱きかかえるとセイリンは「コウ。そのクロナの体はいったい何なのだ?どう見ても人間の肉体ではないように感じるんだが、その体から放たれている波動を感じる限り、この世界に本来存在しない生物だとは思えるんだ」と聞いてきたのである。

俺はセイリンが言っていることを信じることができなかったがセイリンには、俺には説明できない現象を実際に体験していることもありクロナが魔王に体を改造されて生み出された存在であることは認めるしかなかった。だから俺は「クロナは、元々は普通の人間だったんだが魔王がクロナに手を出そうとした時にクロナの体に寄生していた悪魔に憑依されてクロナを自分の仲間に引き込もうとしたらしい」と説明した。するとセイリンは俺に「それじゃ、その体の仕組みがわかったからコウはこれからクロナと一緒に暮らし始めるんだね」と言う。俺は、セイリンにそう言われると「そういうわけじゃない。クロナにはまだ俺に隠してる力があってそれが原因でこの世界の人々に危害が及ぶ可能性が高い。その問題を解決するにはこの世界で魔王を倒せる力を持つ者が現れないといけないと思ったからだ」と伝えるとクロナが起き上がり、「コウ、その問題なら私が解決出来るかも。その力を解放するには、その力を抑えつける鎖を破壊するしかない。だけど私の力では壊すことが出来ないからその鍵を探してきてくれない?」と言った。俺はその事を聞いて驚いたが「その方法はどこにあるのか知ってるのか?」とクロナに尋ねるとクロナは「多分魔王城に封印されていた書物の中にその方法が書かれていると思う」と答えた。俺はクロナの言葉を聞いていたら突然目の前が真っ暗になってしまった。俺は倒れこんで倒れそうになるとセイリンが支えてくれたのだ。俺は意識を取り戻すと俺の腕の中で眠っているクロナが目に入り、そしてクロナは俺の方を見て笑っていた。そんなクロナを見ながらセイリンは「クロナが急に倒れた時は焦ったんだからね。私とコウを驚かせようとしたんだったんだろ」と言うとクロナが笑いながら「えへへ」と照れていたのだった。そんなクロナとセイリンの姿を見ていて俺はクロナにキスをした。するとクロナも嬉しそうな顔をしてくれたのだった。そんな時だった。セイリンが俺とセイに向かって言葉を放ったのだった。

「二人とも幸せになって欲しい」と、その言葉を残してセイリンは俺とセイが魔王と戦っていた場所に戻りクロナを連れて帰って行ったのだった。

魔王が消えてから数日が経ち俺はクロナの言う通りにクロナの体の中にある鎖を解き放つための方法が記された書物を探してみたもののその方法は何処にもなかったのである。俺はクロナの言っていたことを信じていなかったわけではないが魔王の居場所がわからなかったため魔王を探すことに集中していたのだ。そんなことを考えていると俺がいつも通り剣の訓練をしていたセイリンは俺に話しかけてきたのである。

セイリンが「魔王の行方について有力な情報があるよ。私に着いてきてくれる?」と言ってくるので俺は「どこに魔王の手掛かりがあるんだ?」と質問をする。するとセイリンは、「クロナのところに案内する。魔王に捕まったあとからクロナが魔王城から外に出ることはほとんどなかったが、コウに助け出された後は頻繁に外に出ているみたい」と言うのである。その話を聞いた俺は「魔王に捕まってたっていう事はクロナがその力を悪用されることはもう無いはずだしその件については俺の心配は必要無さそうだな」と思いセイに「それで魔王の情報は確かなものなのか? 」と確認のためにもう一度聞き直す。セイリンは「魔王が最後に居た場所に案内しよう」と言ってくれた。

その言葉を聞いたセイリンは、歩き出す。

そして、俺とセイリンはクロナがいる魔王の居城へと向かうのであった。だがその場所は魔王が消える直前に見た魔王とクロナが消えた森とはまた別の場所でありセイリンは「魔王は、転移術式が使えていた。だから、この場所にも来る可能性がある。だから警戒はしておいて損は無いから油断しないでくれ」と俺に注意をしてきた。そんなセイリンに「その辺に関しては安心しろ。クロナの体が元に戻ってから魔王の動きが止まっているのを確認したらクロナの力を使えるようにクロナが魔王と取引を行ったからな」と俺は答えたのである。すると、クロナに力を貸すのを条件に、魔王は大人しくしていると教えてくれたのである。そんな話をしながら進んでいくと俺達は目的地に到着する。俺達は森の中を歩いていくと目の前に大きな扉が現れるのを確認したのであった。

そんな状況の中セイリンは「魔王の気配を感じないな。本当にここで合ってるのか?」と言う。その質問に俺は「そのはずだが何かあったかもしれない。だから念のため慎重に中に入っていこう」と言うと俺とセイリンは魔王城に入る。

魔王城の中に入った俺は、周りを確認してみると誰もいないことに気がつく。そんな俺に対してクロナの体を乗っ取っているクロナの声が聞こえてくる。

(私を呼び出したのは貴方か?それと貴方の隣にいるのが勇者だろ?)とクロナは俺に話しかけた。その発言からクロナを召喚した俺をすぐには思い出せなかったようだがクロナは、「お前達二人は私のことをよく思っていない奴だと思っていたのだが、どうして私の呼びかけに応じたんだ?」と問いかけた。その問い掛けを受けたセイリンはクロナに対して答えるのではなく、「魔王の体を使って好き勝手やり過ぎなんだよ!」と叫んだのだ。俺は、クロナの体の所有権が魔王に移ったため俺の知らない間にクロナが何をしていたかをセイリンから聞かされている。なので俺は、俺の考えをセイリンに伝えたのである。

セイリンは、「それはコウの気持ちを考えていないじゃないか!クロナがどんな思いをして生きてきたと思ってるんだよ!その魔王の体を返すんだ」と言うとセイリンはクロナに殴りかかろうとするがそれを止めた人物がいた。俺だったのだ。セイリンを止められた理由を尋ねられるが俺には説明することができない。俺は、自分の直感的に今殴ろうとした行動を取るのは違うと感じてしまったからだ。セイリンは「コウはなんで止めたんだ?こんなやつ許しておくべきではないのに」と言うとクロナは、そんな事を言われて黙ってはいない。クロナはセイに近づき胸ぐらを掴みながら睨む。するとクロナは自分の体から出て来た時の事を説明し始めセイに詰め寄るのだった。

クロナの話を聞きセイリンはクロナを突き放しクロナから離れてしまう。だがクロナは、クロナはセイの事が気に入ったらしく、セイリンに近づいて「私は、あなたに会えて嬉しいと思っている」と微笑んだ。そしてクロナは俺のところまで移動してくると「私はこの体を自由に動かすことはできないからこの世界を旅するのは少し時間がかかる。その間に私はコウの願いを叶えたいと思っている。コウ、何をして欲しい?」と聞いてきた。その発言を聞いて俺の頭にクロナの願いを思いついた。クロナが俺のことをどう思ってくれているのかは知らないがクロナの力があれば俺はもっと強くなることができる。そのため俺はクロナの力を借りたいと伝える。

クロナも自分の力を使えば強くなれると知っていたのだろう「それじゃコウのお願いをかなえるためにこの世界で最強の生物と力比べをしたいからこの世界で一番強いと言われている存在に戦いを申し込むけどいい?」と言ってきたので俺はクロナの願いを聞くことにするとクロナは嬉しかったのか「やった」と言って喜んでくれた。俺はクロナが喜びのあまりに俺に飛びついてこようとしたがクロナをセイに預けてクロナの代わりに俺はクロナを抱きかかえるとセイは俺に抱きかかえられているクロナを見ながら羨ましそうな顔をしていたのである。

それからクロナは「その前に、魔王と話をさせて欲しい。私をこの世界に呼び寄せてくれたお礼を伝えたいから、お願いします」と言い俺に頭を垂れて頼み込んできてくれた。俺は、クロナが俺に迷惑をかけてきたことに関して怒っていたが俺にクロナを助けるように依頼してきた人物が誰なのかを考えると俺はその人物を信じるしかなかった。そしてクロナの言葉を聞いていたらクロナをこの世界に呼び寄せた張本人が魔王だということに気がついたのだった。

クロナが魔王に会いたがったのも納得できてしまい俺は魔王に連絡を取ることにしたのだった。俺は魔王城に戻ってくると魔王に声をかけることにした。そして、クロナが魔王と話しがしたいと言っていたのを伝える。

魔王がそれを聞いて了承してくれるとクロナを魔王城の魔王の間に転送してくれてそこで話すことになる。その会話が終わった後クロナは俺の方を向くと笑顔で話しかけてきた。俺は、そんなクロナの様子を見ていてクロナと魔王のやり取りはどのような内容であったのかをクロナに尋ねたのだ。するとクロナは「私がここにいる経緯についての説明をしただけだよ。あとは、魔王と話をするときに魔王が私の中に宿る力が欲しくなって暴走しないように契約しただけだよ」と答えたのである。俺はクロナの言葉に疑問を覚えた。なぜ、魔王がクロナの体に宿る力が欲しいと思ったのかが分からなかったからである。そして、クロナの質問をしたあとクロナとの話が終わり俺はセイとセイリンとともに魔王が居るであろう魔王の間の扉の前に立っていた。

そして扉を開けるために扉に触れようとするが扉に触れることが出来ない。すると俺達の後ろから「その先に魔王はおらぬぞ」と俺達に話し掛けて来たのはセイリンだった。セイリンは俺の方を向いて話しかけていた。その様子からはセイがセイリンに憑依をしているようだった。セイリンは、セイリンに乗り移っていたのだった。セイはセイリンに乗り移り終えると「クロナがコウに魔王を倒す手助けをしてくださいって頼まれたから手伝ってあげます」と言う。そんな言葉をセイは俺に向けていた。

セイがセイリンの姿で俺にそんなことを言ってくるのはセイにとっては当たり前なのかもしれないがセイがそんな風に話してくることに俺は違和感を感じていた。だがその事は置いておき魔王に会えない理由はセイリンが俺に説明を始めた。

セイリンが言うには俺達が今現在触れている扉は魔族が作った特殊な魔法によって作られた物だと言ったのである。そんな扉は俺達の力でどうにかできるものではないため俺は「クロナと魔王の話し合いは上手く行かなかったみたいだな」と呟くとセイは「コウは魔王を倒してくれないんですか?そんなのならクロナのお願いを私一人で聞くことにしましょうか?」と言ってきていた。そんな事を言われた俺はセイが乗り移っている状態のセイに対して俺が倒してしまえば、魔王が消えてしまうのは分かり切っているので「クロナ、俺に何が出来るのか分からないがお前の手伝いぐらいは出来ると思う。クロナと一緒に魔王を探そう」とクロナに提案をする。

その言葉を聞いたクロナは、「私も魔王を元の世界に戻してからじゃないと帰れないから魔王を探して協力してほしいと思ってた」と言うとセイリンが「私は、この体を乗っ取ることができるんだからクロナに頼らなくてもいいよ」と自慢げに言ってきていた。その言葉にクロナは苦笑いを浮かべながら「セイリンが元に戻ったらその体はセイにあげるわ」と言うとセイリンはクロナの体を借りてクロナの体と入れ替わると、クロナの姿になり「ありがとう。でもコウは優しいからセイリンも仲間に入れてくれるはず」とセイは自信満々な表情で答えていた。そんなセイに対してクロナはセイリンに向かって手を差し出すとセイリンの体が発光し始めたのである。そして光が収まるとその場所にセイリンは倒れてしまったのである。

俺は慌ててセイリンに駆け寄り安否を確認しようとするがクロナがそれを止めてくれた。セイリンは気を失っているだけのようだ。そのことを確認した俺はクロナに事情を聞こうとするがクロナは俺の手を引いて俺に魔王の居場所を案内をしてくれるのだった。俺は、セイが俺がセイを魔王に勝てるかどうか試そうとしたことに気がつき止めようとした時にセイは気絶をしてしまったが俺はそのことについてクロナに尋ねても「その話はセイに後で伝えておくから大丈夫。今はクロナが魔王を元の世界に返せるようにクロナに付いていくことを優先しないといけない。魔王は強いからね」と言う。

クロナが魔王の場所まで連れてきてくれたのは魔王城にある塔の一階であった。だがそこには何もいなかったのだ。だが俺は気配を感じて振り返るとそこには巨大な黒いドラゴンがいたのだ。その黒竜を見たクロナはその巨体を見上げながらその体から感じるプレッシャーを感じて驚いていた。だが俺はその黒竜王を見てどこか懐かしさを覚えていたのである。だがその事よりも俺には目の前の相手に対する対処の方が大事になるのである。その巨体の割に素早く俺達に接近してくる黒竜王に対して俺は聖剣を構えると、クロナに「この黒竜王のことは俺に任せてくれ。セイには俺から話しておくから」と言うと俺は、俺の目の前にいる巨大な存在がなんなのかを知るために攻撃を仕掛ける事にした。だがそんな俺にクロナは、「私も戦う!」と言ってくれたので俺は、俺がセイと戦う時のような力を発揮できるのかが心配だったのだが俺は、クロナのその行動に驚きながら、俺はセイに話しかけることにしたのだった。

俺はセイにクロナから聞いたクロナの過去に魔王を戻す方法を教えると、セイは少し考え事を始める。セイリンは俺が何を言っているのかわからなかったらしく、頭を傾けていた。

それから俺達はセイに魔王を探す方法を考えてもらって俺がクロナに教えてもらうと俺がセイに教える。俺が教える内容はこの世界のどこにいてもクロナを見つける事が出来る魔法についてだった。そして、クロナにこの魔法についての説明をしてもらうことにしたのである。その話を聞いた俺とセイリンは、この世界に魔王が封印されていることを知る。そして、この世界で最強の生物と力を確かめ合った結果セイがセイリンに体を返してもらいセイリンからセイへと戻っていた。その状態でクロナにこの世界に存在する生き物の中で、クロナを呼び寄せることができる力を持つ生物の存在を聞いてみると「この世界に存在している魔物や精霊などの中には、この世界に来ることが出来る存在がいるけどこの世界に呼び出すことは無理だと思う。この世界に存在しない生き物だった場合は、この世界には存在しないからこの世界を探せば会えると思うよ。だからまずは会える可能性があるものを探そう」と言う。その話を聞いた俺とセインはこの世界に住む存在で最強と呼ばれる生物を探し始める。

セイは、クロナの話を聞いて俺がクロナの体に宿っていた存在だと分かるとセイリンは何かを感じたのか「私の力が必要になった時には私に憑依してきていいよ」とセイはクロナに話しかけたのであった。そのセイの言葉を聞いたクロナは嬉しかったのかセイの頭を撫でていた。

そして俺とセイは魔王を元の世界に返すために動き出した。俺はセイと一緒にクロナとセイリンが魔王を倒した時の話を聞かせて貰った。俺がその話を詳しく聞こうと思ったその時だった。突然空が暗くなり雲が立ち込めると、そこから現れたのは真っ赤な肌をした筋肉質の男であった。その男が地面に降り立つと地震が起きたように地面が揺れる。

俺が、セイと一緒にそいつを見るとその男は俺とセイの事を睨みつけるように見てきていた。そして、俺の後ろで震えているクロナを指差しその男は、「そこに居るのがクロナとかいう女じゃな」と言い放ち、俺はクロナの前に立ち、そしてクロナを自分の後ろに隠しクロナを守るようにした。そして、セイリンは、その男の姿を見て怯える。セイリンに体を貸すことでその男の力を感じていたセイは、セイリンは、自分とは比べ物にならないほどのその男の力がわかってしまいセイは恐怖に囚われてしまっていた。

セイリンの様子が変わったことに気がついたセイはセイリンに乗り移ることにする。そしてセイは、セイリンに乗り移った。セイリンに乗り移ると同時にセイは魔王に攻撃をしようとした。しかし、セイリンに乗り移ったことにより能力が上がっていたため、すぐにセイリンの体が限界に達しセイリンの体は弾ける。その衝撃によって、魔王の体は弾き飛ばされた。

セイリンは、セイリンに乗り移ってセイリンは意識を失っていた。そしてセイリンとセイリンは入れ替わることで二人同時に魔王の前に姿を現す。

セイリンは魔王に攻撃を仕掛けるが簡単に避けられるとそのままセイリンの体は、魔王の攻撃を受けるが、セイリンの鎧のおかげでダメージは無かった。魔王はその様子を見るとセイリンに向かって、「そんな攻撃しかできないならお前では俺に勝つことはできないぞ」と言ってくる。そんな言葉にセイリンは、セイリンに乗り移って魔王に挑もうとしている俺に魔王と戦わせないように自分が時間を稼ごうとしていたのであった。だがセイリンは俺の事を考え魔王に立ち向かう事に決めたのだった。そんなセイリンは、俺のために時間を稼ぐべく戦い始めた。

だがセイリンと魔王が戦闘を開始すると俺は魔王と対峙する事になった。俺は魔王が放つオーラのようなものを感じ取ると体が勝手に魔王に対して構えてしまう。俺は本能的に魔王と戦ってはならないと思い逃げ出そうとするが体が動かないのである。そして俺は体が動かなくなったことを確認するとその事を不思議に思うと魔王は、俺に攻撃を仕掛けてきた。

その一撃に対して俺は避けることが出来なかったが何とか防御することに成功した。

だが俺が魔王の攻撃を防御している最中にセイは魔王に対して魔法を発動させていたのだった。

そんな魔法をセイが魔王に向かって放った事でセイの魔法は魔王に向かって行くのだがそんな魔法の事なんてお構いなしに魔王はそのまま魔法を殴り飛ばすとセイに向かって拳を振り下ろしたのだった。

俺は魔王が振り下ろした拳のスピードを予測すると、セイの所まで行きセイの腕を引っ張り魔王の拳を避けさせる事に成功する。俺に助けてもらったセイは、感謝を告げると共に「コウはここにいて私がどうにか時間を稼ぐから」と言うが俺は首を横に振る。そんなことを俺が言うとセイは、どうして?という顔で俺を見つめてくる。そんな顔をしてくるセイを見て俺はこんな状況だというのに笑ってしまったのだった。

「何が可笑しいのよ!私は、貴方の為に言ってあげてるんだから」と怒ってきたセイだったが俺の態度を見たら俺の考えをなんとなく察してくれたようだ。セイリンは魔王の方へ歩いて行くと「私の名前はセイリンよ。貴方は魔王でしょ?」とセイは魔王に声をかけると魔王は「俺の名はガリュウだ。人間風情が調子に乗るなよ。その体を使って俺と戦いたかったのだろう。望み通りにしてやるから来い」とセイリンに向かって手を差し出すとセイリンは、その手を払いのけたのである。

「その気になればこの体は、いつでも使えるんだけどね。今はまだ使えないから借りさせてあげるだけ。だけどその体を好き勝手使おうと思わないことね。この体は貴方のものなんかじゃない。コウのものだからね」

そう言ったセイは、コウの方に振り返ると、微笑むと、魔王の元へ歩き出していく。その様子を見ながら俺は、俺が考えていた以上に魔王を倒せる確率が低いと考えていた。

俺はクロナとセイが俺の代わりに戦ってくれる事になり安心することができた。だがクロナから、俺の体を魔王の魂が支配してしまった場合にどうなるかを俺は聞かされてはいなかった。その話を聞いた時俺はクロナが言っていたようにこの世界の法則を無視することができるのかと思っていたが、俺にはクロナの体を支配する力もなければこの世界の法則に従うしかないのだと思っていた。だからこそクロナから、クロナに乗り移っている時に俺が俺のままクロナがクロナの体を使い、クロナの力を行使できたりできる方法がないのかなと考えてもいた。だが今はそんな事より目の前に立っている魔王にどうやって対抗するかを考えることにした。

セイリンの体を借りて俺達と向き合っている魔王。セイリンの体を借りることで、セイは魔法が使いやすくなったようだった。そしてセイの魔法により俺の体は傷つく事無く済んでいたのだった。だがその魔法を気にする事もなく攻撃を繰り返す魔王に対して俺も負けずに反撃をしていた。そんなやり取りをしているうちにセイリンと魔王の戦いも激化していた。俺は、セイの事を見ていたのだが、セイリンは魔王の攻撃を受け止めるだけで精一杯のようだった。魔王が本気で攻撃をしたら今のセイの体で魔王が攻撃すればセイリンは死んでしまうかもしれないと感じた。だから俺は、俺自身がこの世界に存在している理由と俺の目的を果たすために魔王をこの世界から消し去ろうと決意する。俺の本来の力を発揮できるのならば魔王を倒すことは簡単だと思う。なぜなら俺が今まで魔王軍と戦った時は全力を出すことができなかったからである。

そして、クロナがこの世界に来ることが出来た時点で俺がこの世界に存在できていることが魔王を滅ぼす力になる可能性は高いと思うからだ。だが俺の本来の力はクロナに憑依することでようやく使うことができるようになっていたためセイに乗り移っていては俺の本来持っている力を100%出し切ることは出来ないだろうと俺は思っていた。

そんな事を考えていた俺だったからセイリンを助ける為にセイに乗り移り魔王と戦う事はやめようとセイに言いに行ったが俺の言葉を聞いたセイリンは「大丈夫だよ。セイリンはコウと一つになっているの。だからどんなにこの世界の力が凄くても、クロナさんに乗り移っていないコウは魔王には絶対に勝てないと思うの」と言ってくれた。俺はセイの言葉を聞き「そうか」と答え魔王に視線を向ける。魔王はセイの魔法を物ともせずに、ただ俺達の会話を聞いてニヤリと笑いセイリンに蹴りを放った。セイリンは、セイリンに乗り移った状態のクロナに魔王の蹴りを防ぐ術はなかった。だから俺はすぐにセイリンの体の前に出て魔王の攻撃を受け止めていた。

魔王の攻撃をガードしたことで俺はセイリンに乗り移ることが出来なくなってしまったが俺とセイリンの間には絆ができていてクロナに乗り移ることが出来ない状態になっても、お互いに乗り移れるようになるまで時間が掛かるのだった。

そして俺が魔王に攻撃をしに行くが簡単に受け止められてしまうと魔王は俺のことを殴り飛ばしたのだった。その勢いで俺は壁に叩きつけられていた。俺が痛みに耐えながらもなんとか立ち上がると魔王は、俺の方を興味なさげに見つめる。そして、魔王が俺にとどめを刺そうとしてきたがその時だった、突然、セイと魔王の間に一人の女性が割り込んできて、セイリンの体に乗り移ることに失敗した俺はセイを救いたくても救うことが出来ずセイをその女性に任せるしかなかったのであった。

そして俺が、セイリンの事をその女性に頼んでセイのところに戻ろうとしたが、その女性は俺に攻撃を放ってきた。その一撃を俺が回避したがセイは地面に激突したのを確認してしまった。俺はすぐにセイリンの元に行こうとするが、俺はその女に攻撃されてしまうと、地面に倒れたのだった。

俺は地面に倒れると体に激痛が走る。俺が攻撃を受けた箇所を見ると鎧の隙間から血が出ておりかなりのダメージを受けたことが分かる。

そんな事よりもセイが倒れているというのに何もできない自分に怒りが込み上げてきてどうにかその女の足にしがみついて、その状態からどうにかセイの元に向かうべく暴れまわったがその女性の脚に捕まっているせいで思うように動けなかった。

俺はセイリンが地面に激突した瞬間に俺の視界はセイリンのいる場所に飛んでいた。俺がそこで目にしたのは、魔王の攻撃を受けて、セイリンの体が弾き飛ばされ地面を転がりセイリンは気絶してしまうところを目撃してしまう。そのセイリンの様子を見た俺は魔王を殴るために魔王に向かって走っていくと俺の体が弾け飛んだ。

その衝撃でセイリンから俺は強制的に追い出されると、俺はセイリンの方に向かおうとした。しかし俺の体は宙に舞い魔王に弾き飛ばされると、セイリンの側に吹き飛ばされた。

そして俺は、俺の体を乗っ取った魔王によって攻撃されてしまいセイリンの方に吹き飛ばされると、地面に衝突するとそのままセイリンの隣までゴロゴロと転がって行ったのである。俺は起き上がろうとするが体がいうことを聞かないのであった。

セイリンに駆け寄って来る聖剣に宿っていたはずの勇者の剣を持つ少女が魔王の前に立つ。そんな少女を見て私は「お前にそんな力はない!」と言うが、少女はその言葉を聞かずに魔王の方へと歩き出していく。そんな少女に対して魔王は何も言わずにいた。そして魔王は、そんな勇者に対して何かを仕掛けようとしているのか腕を大きく上げると少女は、魔王の動きに気が付き後ろに跳躍すると同時に、聖女を自分の背中に乗せる。そんな魔王との距離を取った少女に魔王は容赦なく拳を振り下ろす。その攻撃を何とか受け止めた少女だったが魔王はもう片方の腕で、少女の顔に向かって殴りかかったのである。そんな魔王の腕は、聖女の盾に防がれて、少女には届かなかった。そして魔王が拳を引くと、そこには聖女の盾が有ったがそれは一瞬の出来事で、盾は粉々に砕かれ、聖女の体は吹き飛び魔王の拳の威力を物語っていた。だが魔王は聖女を吹き飛ばすとその先に居た魔王に向かって行くはずだった聖女の体に狙いを定めると今度は反対の手でその手を聖女の体に向けて振り下ろした。

「させるかー」と叫ぶセイは魔王に攻撃を仕掛けるがそのセイの体は魔王の目の前から消え去るとその体は、セイリンの方に飛び込んでいたのだった。セイリンはセイの体を受け止めるとセイを地面に座らせると「コウの体を傷つけさせやしないわよ」と魔王に言って見せた。

そんな様子を魔王の後ろで見つめていた俺はどうにかして体を動かせないかと思っていた。だがそんな俺にセイリンから、「セイがコウの代わりに戦ってくれてるんだから大人しくしてなさい」と言われてしまい仕方なくセイリンの近くで、セイとセイリンが戦っている光景を見ていることしかできなかったのである。

魔王との戦いを見ているうちに俺は段々と魔王の力が増してきているように感じていた。最初は互角かと思っていた魔王だったが、今では、徐々にセイリンの方が押されていたのである。そんな様子を見ながら俺はどうすればいいのか考えていた。

(このままじゃ、いずれ魔王がセイを押しつぶすな)

そう思った俺は、どうにかしてセイに加勢出来ないものかと考えていたが俺の力でも今のセイリンに手助けすることはできないと理解してしまった。俺は今セイと魔王の間に入っているのだがセイリンはセイリンに乗り移っている状態のクロナがセイを魔王から守っている状況だ。だがクロナの体から放たれる攻撃でも魔王を止めることはできないようだと分かった。だからと言ってセイの体に加勢するわけにもいかなかったのだった。なぜなら今の俺がセイに乗り移れば俺は魔王に殺される可能性があったからである。だが魔王に勝つためには俺は魔王を殺すしかないと思っていたのだった。だからこそ、俺はクロナに乗り移っている状態のセイの援護ができないことに歯痒さを感じていた。

セイが少しずつだが、魔王に押され始めていた頃セイリンが、セイリンに乗り移った状態のままで魔王に攻撃を繰り出すが魔王は簡単にそれを受け流すとセイリンのことを思いっきり蹴飛ばしていた。そして魔王はそのままセイの所に向かいセイリンのことを攻撃しようとしたのだった。だがその時、セイリンと魔王の間に一人の少女が現れて魔王に攻撃を繰り出したが魔王はそれを難なく避けていた。そしてそんな二人のやり取りを俺は、魔王に攻撃されて動けないまま見ていた。だが、セイリンは俺が魔王とセイリン達を交互に見ていることに気が付いていたようで、魔王に攻撃している人物をチラリと確認した後で俺のことをちらりと見て「この人はセイ達の味方みたいだよ」とだけ言う。俺は魔王の攻撃を避ける為にセイの所に飛んでいるのだとセイリンに教えようとしたがセイリンは魔王と戦いながら「この人が私達を助けるために魔王に攻撃を仕掛けたんだよ。それにセイ達はこの人の事を信じてこの人に任せてセイリンは、セイにできる事をしているの。セイは魔王から世界を救うためにはセイが頑張らないとダメだから、魔王に勝つまでは我慢して欲しいの。それに、この人も強いしこの人に全部任せちゃえばいいから安心だよ。それよりも今はこの戦いに集中しよう」と言った。そのセイの言葉を聞いた後に改めて戦いの状況を確認したのだが既にセイリンは、地面に倒されていて魔王の手はセイに向かって伸びようとしていたのである。

「くそ!!間に合え!!」と叫び急いでセイの元に向かおうとした時に突然、魔王の動きが止まり、その反動で吹き飛ばされた魔王が地面を転がり動かなくなるのであった。

突然、セイリンに乗り移った状態で魔王と戦闘を行っていたクロナの体に攻撃が入りクロナの意識が途絶えてしまった。そして、魔王が動きを止めたかと思ったその時にクロナの体に衝撃が入る。魔王が攻撃された事にクロナは気が付くが魔王に攻撃したであろう人物が視界に入らない。その事にクロナが疑問に思っていると突然、魔王の様子がおかしい事に気付いたのだった。

そして魔王に視線を向けると、魔王は両手を抑えながらクロナの事を睨みつけていた。その魔王の姿を見ながら、一体誰が攻撃をしたのかと思っているとセイリンの方に目を向けた。そしてそのセイリンを見ると、セイリンは魔王に向かって手を向けておりその手からは炎が溢れ出していた。その光景を見たクロナが、もしかしたらセイが助けてくれたのではないかとセイのことを見たのだ。

セイリンは俺のことを気にしながらも必死で魔王の相手を続けていた。そして、俺を乗っ取った状態のままセイが立ち上がるとセイリンに攻撃を繰り出してきた魔王に攻撃を繰り出していく。そんなセイの様子を俺はセイリンの体から追い出されると地面に横たわりながらも見つめていた。だがその攻撃では、魔王を倒すことは出来なかったのだ。魔王にセイの攻撃は効かないので、セイは自分の剣を手に取り、セイリンにセイリンが乗り移るとセイリンは聖女と交代したのだった。そんな聖女にセイリンは魔王を任せた。聖女はすぐに立ち上がり聖剣を構えた瞬間に聖剣が輝きだすと聖女は光を放ち、魔王はその眩しさに目がくらむとセイリンは聖女の元に駆けつけるとセイリンが聖剣を持ち聖女と共に魔王に攻撃をした。そして二人は攻撃を終えると聖女とセイリンに別れ聖女は魔王から離れると聖剣を構え直しセイリンと一緒に再び攻撃を仕掛けるのであった。

セイは魔王の攻撃を受けてしまうがすぐに起き上がり魔王の懐に飛び込み魔王を攻撃する。そのセイの行動を見た俺は慌てて起き上がろうとしたが体が思うように動かない。俺はどうにかしてセイの元に行こうとした瞬間に、セイは魔王に飛ばされてしまう。そんな様子を俺は見る事しか出来なかったのである。

そして、俺がセイの方を見ると魔王の拳を喰らい吹き飛ばされるセイがいた。

そんな光景を見て俺は悔しかった。何もできない俺に対して、セイを助けられない自分が許せなかったのである。そしてそんなセイの様子を見た魔王はニヤッと笑い、そんな魔王の様子を見たセイは恐怖を感じると地面に倒れた。そんなセイに魔王が襲いかかりその腕をセイリンに向かって振り下ろそうとした。俺はその魔王の動きに対して動く事ができなかった。俺はこのままセイが殺されてしまうと諦めようとした。だが、セイはセイで何かをするつもりでいた。セイリンは、聖剣を構えるとその刃が輝き出したのである。セイが聖剣に力を与えると、セイリンは魔王に斬りかかった。

魔王がセイリンに向かって殴りかかる。

だが、魔王の攻撃はセイに当たることなくセイリンは魔王の後ろにいたのだった。

そして聖剣を振り上げた状態でセイは立っていた。聖剣が輝くと同時にセイリンの体がセイと同じように輝きだし聖女はそのセイとセイリンの姿を見て驚いていた。セイと聖女の姿が入れ替わったのである。セイが聖女の中に入り、そして聖女がセイの身体に乗り移るのである。その姿はまさに俺が憧れた勇者だったのである。そしてそんな勇者の姿を魔王は見つめながらセイのことを警戒していた。その光景を見て俺が、今の状況をなんとかしようと考えているとある言葉が頭の中で響く。

【私はあなたのことを守るから】と声がするとセイリンは魔王に向けて聖剣を振るう。その一撃で魔王を吹き飛ばした。その光景を俺は唖然としながら眺めていたのである。

吹き飛ばされた魔王はセイとセイリンに攻撃をするが聖女に防がれ聖女は聖剣に魔力を纏わせると、聖女の体から白いオーラのような物が吹き出す。そして聖女が魔王の方に向かうと聖剣の刃に光が溜まっていく。その光の塊に気づいた魔王は逃げようとするがすでに遅く魔王に向かっていく聖女の姿を確認すると俺は自分の無力さを実感してしまう。だがセイリンが魔王をどうにかしてくれているのなら、今のうちにクロナを救いに行かないとそう思いながら俺も立ち上がろうとするが体が重く中々に立ち上がることが出来ない。

そんな時にセイと魔王の間に一人の女性が姿を現すとそのまま魔王に蹴りを入れていた。魔王に蹴りを入れた後でセイの側に移動して倒れ込んでいるセイを抱きしめながら「もう大丈夫よ」と言うとセイは安心した表情になり意識を失うのだった。そして魔王の方は先程セイにやられた傷は癒えてはいないようだが、その女性が現れたことで落ち着きを取り戻していた。そんな時セイが目を覚ます。そんなセイにその女性は「少しの間休んでいてね」と伝えると、今度はセイとクロナがいる方に移動して行く。俺はセイリンとクロナの元に移動して二人を交互に見たのだが二人は気絶していて俺は二人の様子を見ただけで状況を理解したのだった。

クロナに乗り移っている状態のクロナが魔王に攻撃されたのだと俺は分かった。そのクロナに乗り移っている状態のセイがセイリンに乗り移っている状態のセイリンがクロナとクロナに乗り移っている状態のセイに攻撃をされたのだろう。だがセイがどうして二人が同じ人物に攻撃された事を知っていたのか不思議に思った。

セイの目の前にセイリンがセイに話しかけてくる。

そしてクロナの事を託すと言われたセイリンは「私にはそんな事は出来ない」と断るがセイリンが、魔王に攻撃をしに行っていたクロナのことを話してくれた事でセイが納得するとセイリンはクロナのことをセイに渡してくれる。クロナをセイに渡すとセイは魔王と戦うために再びクロナから離れようとする。だがセイがクロナから離れるとクロナに乗り移ったセイがセイを離さなかった。セイは、そんなクロナのことをセイは説得しようとしたがクロナは、そのセイを必死にセイを掴んでいたのだった。その様子を確認したセイがクロナのことをクロナを落ち着かせると、セイは再びセイリンに「後は任せて下さい」と言いクロナの手を握るとセイはクロナの手を引いてその場から離れたのだった。そして、クロナの手を握った瞬間にクロナの顔つきが変わったのである。

クロナとクロナに乗り移っている状態になっているクロナがセイの元に駆けつける。そしてセイの所まで来るとクロナはセイの横に座るとクロナは自分の体をセイから受け取るとクロナは「私がクロナの体を守ります。なのでクロナも私の事を守ってください」と言ってセイリンはクロナの言葉に返事をした後で、セイはクロナの頭をなでてからセイリンの元に行きそして魔王に立ち向かう。セイリンは聖剣を輝かせたままで魔王に攻撃を仕掛ける。魔王もそんなセイに向かって攻撃をしようとしたのだがセイが聖剣を構え直すと、その光に照らされて動けなくなってしまう。そしてセイリンが攻撃を仕掛けると、魔王は吹き飛ばされた。

その攻撃にセイは驚いた様子だった。

セイがクロナとクロナに乗り移ったセイに聖剣を貸してくれた事に感謝したのだ。クロナとクロナに乗り移った状態のクロナがセイの所に駆けつけると、セイは魔王に攻撃をしていたのだ。クロナも聖剣を構えるとセイの真似をしてセイリンに向かって行く。そんなクロナの様子を見ていた魔王もセイ達三人を相手にするのは厳しいのか、クロナに向かって攻撃を仕掛ける。

クロナとクロナに乗り移っている状態になってるクロナが魔王の動きを止め、その隙にセイリンとセイが攻撃を仕掛けるのである。

魔王はそんな攻撃をくらい、セイは一度距離を置くと、そのセイに向かって魔王が殴りかかってくる。だがその拳を聖女が受け止めて聖剣に魔力を纏わせた。そしてその魔王の腕を切り裂く。セイが魔王の背後に回り込みセイリンは魔王の懐に入ると、セイとセイリンが二人で攻撃を始める。セイリンの聖剣が魔王の体に刺さり、その魔王の体から大量の血が流れ落ちるとセイは、その流れる血を見る。魔王を倒すための準備が出来たと判断したセイリンは、「これで決めるわ!!」と聖剣を振りかざすと聖剣の刃から眩しいほどの光を放ち始める。そしてそのセイの動きに気づいた魔王がセイリンに向かって攻撃を繰り出すが、聖女に邪魔される。

魔王は魔王で聖女が聖剣を持っている事に驚くと魔王はその魔王に向かって攻撃を繰り出そうとしたがセイがそれを阻止する。魔王はセイに攻撃をしようとするとセイは魔王を蹴る。その行動に魔王は一瞬怯むがすぐにセイリンに対して攻撃をしようと殴りかかろうとした瞬間、魔王は後ろに下がると何かを感じた。その魔王の様子を見たセイリンが魔王に斬りかかる。その攻撃はセイが放つ斬撃よりも強力な一撃であり、その攻撃を受けてしまった魔王は後方に吹き飛ばされてしまう。

魔王は吹き飛ばされるのを防ぐ事に成功したのだがその魔王の前に聖剣を構えた聖女が立ち塞がっていた。

聖女の持つ聖剣は聖女自身が持つ力に比例して強くなるのであった。聖女が手に持っている聖剣が魔王に向かって放たれ、その攻撃を魔王は腕を交差させながら防ごうとする。魔王の両腕は聖剣によって切断されてしまった。そして聖剣は魔王に命中すると聖剣は粉々に砕け散りその衝撃波により魔王は後方に向かって吹き飛ばされた。そして聖女は、魔王に対して追撃を行おうと聖剣に魔を込める。そしてそのセイの攻撃は、聖女の持つ聖女の魔力量に応じて強力になる技なのだ。聖女が放った一撃は、魔王を飲み込んだ。

セイはその光景を見ると力が抜けていくような感覚に襲われたのである。セイが魔王を見ると、そこには黒い霧が漂い始めていて、セイはその黒い霧が消えるのを確認した後、その場で膝を落とし地面に倒れてしまう。セイは自分が立っているのも辛いぐらいの力を消費した事が分かっていた。その光景を魔王はニヤッと笑いながら見ているとセイリンに斬り落とされたはずの左腕はいつの間にか元に戻っており、右腕でセイのことを持ち上げると自分の近くまで移動する。

セイリンとセイの目の前には魔王が近づいてきて、そんなセイリンに魔王は話しかけてきたのである。

「この女は、もう戦えないようだがお前はどうする?俺としては、もう少しお前と戦ってみたいと思っている」

その魔王の発言にセイは恐怖を感じていた。だが、セイリンの方は聖剣を構えると魔王に向かって攻撃をしようとしたのである。だがセイは魔王の方に視線を向けているのがやっとの状態のため、セイリンはセイの事を気にしながら戦いを続けるのは不可能だと思い、魔王に戦いを挑もうとしているセイを止めることにしたのである。セイリンは、魔王の方を見ながら悔しそうな表情をしている。そんなセイの様子を見かねた魔王が、セイの方に声をかけてくる。

「もう諦めたらどうだ?」魔王の言葉にセイは答えずにただひたすらに魔王を睨みつけていた。そんなセイに呆れたのか、魔王は「じゃあ、勝手に死んでくれ」と言うと魔王は聖女とセイリンに向けて攻撃をして来たのだった。だがその攻撃を聖剣が弾き返したのだ。その弾かれた魔王の拳をセイは見ながらセイリンに話しかけた。

「ごめんなさい」

そんな謝罪をされた聖剣はセイに自分の思いを伝えた。だがそんな会話を魔王が見逃すはずもなく、魔王はセイの目の前に近づきセイのことを思いっきり蹴り上げるとそのまま空中へと飛ばされてしまった。そんな蹴り上げられたセイのことを魔王が追いかけて行きセイの顔面を思い切り殴ろうとするが、それを魔王の蹴り上げを食らい宙に浮いているセイが、そのまま魔王に抱きつき押し倒した。

そんな状態でいるセイを何とか引き剥がそうとする魔王だったが、セイは魔王に必死にしがみついて離れなかったのである。

そして魔王の胸ぐらを掴んだセイは、その掴んだ手を引きちぎろうとセイの両手にセイは、全力で力を込めた。

だが魔王の方が力は上なのかその掴まれた両手はセイの握力で潰されてしまう寸前の所だった。

そして魔王は、セイを強引に引き離そうとした。だが、それでもセイは魔王の事を離さない。そんなセイの表情には余裕がなかった。そしてセイがそんな状態なのに魔王はまだ戦う意思を見せているのか、魔王も必死だった。そんな状況の中、セイが魔王に問いかける。

「私は、あなたを倒さないといけないんです」セイは、その一言だけを言うと魔王は、「俺は、こんなところで死にたくない。だから頼む、離してくれ!!」とセイに懇願した。だがそんな願いも虚しくセイに離してもらう事が不可能だった。そしてセイリンは魔王のことを必死にセイから離れさせようとしている聖剣を見つめるとセイは覚悟を決める。

そのセイの決意に反応するようにセイリンの聖剣も光輝く。セイは聖剣を構え直すと、セイリンは聖剣を構えるのをやめたのだ。そして、その光り輝き続けるセイの姿を見た魔王は、魔王の中で、何かが切れたように感じていた。そして次の瞬間にセイリンとセイの体も光輝いた。

すると突然にセイが光だしセイの体を白いオーラが包み込み始めた。

「何なんだ!?一体、何をしようとしてる?」その様子の変化に気がついた魔王はセイに攻撃を仕掛ける。だがセイの体に魔王の攻撃が当たる前に光のバリアのような物が張られていて、セイの体を守られていた。

そしてその結界のようなものは魔王にも作用していて、そんな攻撃をすれば自分自身に反動が起き始めていたのだ。

魔王の体を徐々に蝕んでいく。

そんな状況を魔王自身も気づいていた。

そして魔王もセイと同様に体に異変が起き始めてセイから距離を取る事にしたのだった。

「これは、一体なんなんだよ。まさかこいつらもあの女のように、神の領域に到達しようって言うのか?ふざけんなよ。せっかくここまで強くなれたっていうのにここで死ぬ訳にはいかないんだ」魔王は自分のことを追い詰めようとしているセイリンとセイの事を目視しながら心の中にあった不安や恐れなどを消し去っていく。すると先ほどまで苦しんでいた魔王の体が治り始めていたのである。そんな魔王は、セイリンとセイに向かって攻撃を仕掛けようとした。

すると、聖剣は、聖女の声を聞きながら魔王に向かって攻撃を開始したのである。

そんな攻撃も魔王にとってはダメージが半減されていたのだ。

だが、セイとセイリンの二人がかりの攻撃により、聖剣が放つ攻撃を確実に避ける事が困難になっていくと、次第に聖剣の攻撃を避ける事ができなくなっていた。そしてついに、聖剣の一撃は魔王を捉えてしまう。その攻撃を受けた魔王はその場に崩れ落ち、立ち上がる事ができなくなってしまったのである。

その魔王の姿をみた聖剣は、聖剣が宿っている女性に対して魔王を倒したと告げると聖剣から声が発せられた。「やっと終わったのね。でも魔王が死んでいるとは限らなくてよ」聖剣の言葉を聞いた聖剣は、「それは大丈夫です。私達の攻撃によって完全に倒す事はできていませんがかなりの重症を負っている状態になっていると思います」と、そう答えるのであった。

セイとセイリンは、魔王と戦闘を行い、魔王と戦っていたのだが聖剣の攻撃で、魔王が行動不能の状態になりセイリンとセイの体に変化が訪れたのである。

セイリンが持っている聖剣は、その刀身自体が光を放っていて、その光が二人の体も包み込むとその光によって二人は体を回復させていったのであった。

だが二人に起こっている現象が起きている時魔王は、立ち上がってきた。魔王は、自分の体に起きた変化を確認すると、自分の体が今まで以上に動くことに驚きを感じながらも目の前にいるセイリンに向かって殴りかかっていった。セイは聖剣を使って魔王の動きを封じ込めることに成功したのだがその動きを止めるには限界があり、そんな聖剣を見て魔王が笑いながら「やっぱりまだ俺の負けじゃねえーかよ!!」と言い放ち、聖剣がセイの手から離れたと同時にセイリンの方に向かって行ったのである。

その魔王の様子を確認した聖剣はすぐに魔王に反撃しようとするのだが、魔王は聖剣に攻撃される直前に後ろへ飛び聖剣からの攻撃を上手くかわしていた。聖剣と魔王の戦闘が始まった頃、聖剣を無くしてしまったセイリンは、聖剣が宿っていた女性が使っていた剣を持ちながらセイリンの隣に移動してきてセイに聖剣を貸して欲しいと言うと、セイは、聖剣を手渡した。

その聖剣を受け取った女性は、すぐに聖剣を握り締めて、聖剣が使えるようになっているかどうかを確認していたのである。

そしてセイは魔王に目を向けていると魔王と聖剣との戦いが始まっていて、その戦いを見ている聖剣の所有者が呟くとセイも「凄いですね」と言ったのだった。

セイリンが持っている聖剣は聖剣と呼ばれる武器なのだが、実は聖剣と呼ばれている剣には、いくつか種類がある。

その中でも、その聖剣を持っている者は、聖剣に認められる必要があり、認められた者が所有者となるのだ。聖剣に認められると所有者に特殊な能力が目覚めて聖剣を扱いやすくすることができると言われている。またそれ以外にも所有者の能力を飛躍的に高めてくれる効果があったりする。その為、聖剣を所有しているというだけで尊敬の対象となる場合もあるのだ。

その事を知っているセイは目の前で戦っている光景を見ながら「凄い」という言葉を漏らすのも無理はないと思う。なぜならば、魔王を相手にして優勢に戦えているのだから驚くのは仕方ないと言える。そんな事を思っていたセイリンは隣に立っているセイに話しかけた。

その話しかけてきた相手は、セイのパートナーであり、勇者の仲間でもあった人だ。その人は魔王が作り出した魔族を一人で相手をしていたが魔王が現れた事により魔族は撤退してしまいセイ達の前に現れた。セイとセイリンはその人が生きていた事を嬉しく思ったのである。

そのセイの話しかけてきた相手にセイは、「ありがとうございます」と言って礼を言う。セイがセイにお礼を言った理由はセイはセイリンに助けてもらったからだ。

そしてセイのパートナーのセイに話しかけてきたのは、セイと同じ歳ぐらいの年齢の女性だった。彼女は、セイのパートナーになる前は、この国の女王の娘だった。名前は、アリサと言う。アリサも魔王の出現に驚いていたのだ。そしてその戦いにセイとセイリンが参加している事にさらに驚いたのだった。

そんなセイは魔王の戦いを見ていた。そんな時だった、セイの横に立っていたセイリンが話しかけてくると「魔王は私が抑えます。あなた達は聖剣の使い手を安全な場所に避難させてあげてください」とセイとセイリンの二人がかりなら魔王と互角に渡り合う事ができるかもしれない。

だがそんな提案に聖剣の使い手である女性がセイのパートナーのセイに声をかけてくる。

その女性の名前は、「私は、魔王と戦いたいのです」と言うとセイは、どうしてですか?と質問すると、その女性の瞳からは強い意思が感じ取れていた。その女性の様子を見たセイは「わかりました。一緒に頑張りましょう!」と答えると、そのセイの言葉を聞いて安心した表情をしたセイリンは、セイと一緒に戦うと言い始めたのである。そんなセイの気持ちにセイリンも協力したいと伝えたのであった。そしてセイは魔王に目を向けると魔王が放った拳を受け止めた。そしてその攻撃を受け止めていたセイは、「あなたの力はこんなものではないでしょう?」と魔王に向けて挑発的な言葉を放つ。するとセイリンはセイのことを馬鹿にするな!と怒りの感情をあらわにすると聖剣に語りかけたのである。

そんなセイリンを見たセイはセイの事を守ろうとするのだが、セイの心配は必要なかった。

なぜならばセイリンとセイの体が輝き始める。

その光り輝く姿に魔王とセイは見とれてしまうほどだった。そして聖剣の輝きが一段と増すと聖剣から声が聞こえた。

セイは、自分の体の異変を感じると、どうやら自分が何かしらの力を得ている事がわかったのである。

そして魔王と魔王から受けたダメージはセイの体から消え去り聖剣も光輝いている状況の中、セイは魔王に対して構えを取った。そのセイの態度に警戒している魔王がセイに向かって走り出してくると、その魔王の行動を予測しているかのようにセイは魔王に攻撃を繰り出す。その攻撃に魔王も防ごうとするが攻撃の速度が速すぎて魔王は避ける事に専念してしまう。

そんな魔王の姿を見てしまった聖剣の使用者でもあるセイは、セイが攻撃に使った力が想像以上にすごい物だと感じる。そしてセイの攻撃にセイリンとセイが攻撃を仕掛けようとした。そんなセイリンの行動に気付いたセイだが、その行動を止める事はできないと判断して、セイリンの好きにさせる事にしたのである。

セイリンは、セイが聖剣を使って攻撃をする姿を目にすると、セイの体が光りだす。セイリンは自分の中に宿っている聖剣を使いこなそうとしていたのだ。そして、そんな二人の様子を確認した魔王は「なんだ、お前らも俺の真似かよ」と、そう言い放つとセイリンとセイの攻撃を避けるのを止めてしまうと聖剣が纏っている光の鎧のようなものに身を包み込み防御体勢に入る。

だが、魔王に攻撃を当てる前にセイは魔王に対してある疑問を投げかけてしまう。その疑問とは、魔王が身に着けている装備についてだった。

セイが投げつけた質問に対して魔王は何も答えようとしなかった。その様子に疑問に感じたセイリンとセイは、聖剣の攻撃を辞める。すると魔王も二人の攻撃を辞めさせる。そして、セイリンに対して、「俺は、この世界を手に入れる為にここまで強くなったんだ。それを邪魔するというのならばお前らも殺すぞ」と、そう言うとセイリンに対して聖剣を構え攻撃を仕掛けようとした。

だが、そんな時だったセイは聖剣に力を込めて魔王に向かって攻撃をすると魔王に向かって衝撃波のような物を発生させてしまう。セイの攻撃をくらった魔王は後ろに吹き飛ばされるのだが、セイの攻撃を受ける瞬間に体を捻っていた為そこまでのダメージを受ける事はなかった。魔王のそんな様子を見たセイは「やはり魔王も、私達が思っている以上の実力者」とセイは口にする。

そんな会話をしているセイとセイリンの前に魔王が姿を現す。そんな魔王の姿を目にしたセイリンは聖剣を構えると魔王に攻撃を開始する。

聖剣は、セイの攻撃によって体に傷を負っていくのだがセイは、セイの攻撃の手を止めることなく聖剣を何度も振るうのだが魔王にダメージを与える事ができないでいた。その状況を見守っていた魔王は、自分に向かって攻撃をしてきたセイの事を「面白い奴がいるな。よし俺が相手してやるよ」と言うが聖剣によってダメージを受け続けているにも関わらず自分の体を回復させようとしていた。

その回復していく様を見たセイリンは、その光景を目の当たりにしても「まさか魔王の回復能力にも勝っているというの!?」と驚いてしまうのであった。

聖剣と魔王の戦いに決着がついた頃、聖剣の使い手と聖剣の所有者であるアリサが戦闘を開始していた。セイリンは、魔王と戦う聖剣を援護するために、セイリンに加勢しようとしたのだが、セイは聖剣の所有者であるアリサに話しかけられると、戦闘に参加しないで欲しいと言われてしまい戦闘には参加できずにいたのである。そんな時にセイとアイリが合流をする。

その二人は、セイのパートナーの聖女が作り出した空間の中で保護されており無事にこの場所に来ることができたのである。

その事を知ったセイは、二人に感謝すると聖剣所有者であるアリサに話しかけようとするのだがセイリンの方を見るとそこにはもうすでにセイの姿がなかった。その事にセイが気付くと、その時には聖剣が魔王の腹部に突き刺さっており、魔王はその場に倒れ込むと魔王は、「俺を倒したぐらいじゃまだ満足できねぇーよ!!もっと楽しませろー!!」と叫ぶ。

魔王は地面に這いつくばるような状態で立ち上がる。その立ち上がっている魔王に「貴方は何が目的で魔王を名乗っているのか教えてくれませんか?」とセイが話しかけると「目的だと?」と不思議そうな顔をしながら答えると「そうだな~。まぁ簡単に説明すると俺は神と魔族のハーフみたいなもんだ。そのせいなのか知らんが普通の魔王とは違うらしい」と言うと「普通じゃなくて悪かったですね」とセイリンが魔王の言葉に反応してしまった。

そんな事を言われているセイリンの事をセイは、フォローするようにセイリンに言葉をかけると、聖剣をセイが持っている聖剣の使い手のセイが魔王に近付いていくと、セイの持っていた聖剣に力を込める。すると聖剣の刃から眩いばかりの光が放出すると聖剣を振り下ろす。

その聖剣の攻撃を見てしま魔王は、「お?何だ、その攻撃は」と言いながら攻撃を避けようと考えるがセイリンが聖剣を振るってから、セイは攻撃に使っている技に違和感を感じていたのだ。なぜならば、いつもセイが使用している聖剣はセイの力で強化されるのである。その為、セイの攻撃を魔王は避けようとしたのは当然である。その事に気付いたセイは、もしかしたら、セイの力に反応をしたのではと、セイはそう思うと試してみたくなってきた。そして魔王は攻撃を回避しようとするのだがセイリンは聖剣を握り締めると魔王に斬りかかったのだった。

そのセイリンの攻撃を受けた魔王だったがセイの攻撃を回避する事に成功していた。だが、回避できた魔王の表情からは笑みをうかべていたのである。

そしてセイは聖剣を鞘に納めると聖剣の刀身が元の大きさに戻ると聖剣は光に包まれると、聖剣は、剣から斧に形を変えたのだ。

そんな武器の形態を変化させた聖剣の変化にセイは驚くがセイは、その武器が自分に合ったものなのだと感じたのである。そんな時だった。聖剣の持ち手であるセイリンにセイリンのパートナーであるセイが、魔王との戦いに参加すると伝えると魔王の元に歩いていき歩き出す。

セイは、そんなセイの後姿を見ながら、「やっぱりセイにはかなわないわね」と言うのであった。

聖剣は、魔王がセイに向かって攻撃を繰り出してきた事を知ると聖剣は形状を変化させる。その変化した武器の形を見てセイが驚いた表情をしていた事に聖剣は気づいた。そして魔王が振り下ろした攻撃にセイは、攻撃を防ぐように聖剣で受け止める。すると、魔王は驚きの行動を起こす。聖剣に対して攻撃を仕掛けてくるのではなくて聖剣の上から蹴りを入れたのであった。そんな攻撃をされたセイは、「え?」と言う言葉を漏らしてしまう。なぜならば聖剣の力によってセイが受け流した攻撃だったのだがセイリンはその攻撃を聖剣に力を加えて跳ね返そうとしたのだ。

セイが予想もしていなかった行動をした聖剣は聖剣の力によって跳ね上がった魔王の攻撃に対してカウンターの要領での反撃を行い、魔王の体は空中に投げ出されてしまうとそのまま魔王は地面に叩きつけられてしまう。そしてそんな魔王に聖剣の持ち主のセイリンは止めを刺しに行くと、その動きを察知した魔王は、地面から聖剣を突き上げてきたのである。

聖剣が魔王の攻撃を防いだ事で聖剣にダメージはなく、魔王にダメージを与えれたと思っていたセイは予想外の攻撃を受けてしまい聖剣の柄の部分までセイの手に聖剣が食い込んでしまい、このままでは危険だと思ったセイは、急いで聖剣を引き抜こうとすると聖剣は聖剣の柄にくっついており離れなくなってしまったのである。セイリンのピンチに気がつき聖剣の持ち主であるセイも魔王の攻撃を受け流す為に行動を開始しようとしていたが、そんな時に魔王は起き上がりセイの隙を見逃さなかったのである。そして、その事を知ったセイリンも魔王の動きに対して聖剣を使い魔王の攻撃を防ごうとするのだがセイが行動に移す前に魔王の攻撃がセイに襲いかかった。その事に対して、セイリンは、聖剣の柄に自分の手が聖剣と繋がっている為思うように動けない状況だったのである。そして魔王の攻撃に対して聖剣は、セイを守ろうと防御をしようと力を発揮するのだが聖剣は聖剣に込められた力を全て使い切ってしまうと元の短剣に戻ってしまうのだった。セイが攻撃を食らおうと覚悟を決めた時だった。聖剣は光り輝くと今度は、長剣に形態が変化してセイの体を包み込む。

セイは、その光の鎧によって攻撃を弾かれたのだが聖剣の鎧にヒビが入ってしまい砕け散ると、聖剣も粉々になってしまう。

だがセイは魔王に対して聖剣で攻撃をするわけではなく聖剣の柄に付いている手を無理やり引き抜くと地面に聖剣の残骸を落とすと魔王に対して拳を構えたのだった。

セイは魔王の目の前に立ち構えを取ると、「さっきのお返しをしてあげる」と言って魔王に向かって攻撃を開始したのである。

そして魔王はセイの攻撃を受ける前にセイに攻撃をしかけたがセイは魔王の攻撃をかわす為に後ろに跳躍する。そんな時、セイリンの聖剣を拾い上げるとその瞬間にセイは「借りるよ」と言うとセイリンは、「うん」とだけ言い残して、すぐに魔王の相手を始めたのである。そしてセイは、セイリンが聖剣の所有者であり自分のパートナーである事を思い出すと、すぐにセイの加勢をしようと考える。だがセイが攻撃を仕掛ける前に魔王はセイに攻撃を仕掛けてきて、それをセイが何とか攻撃をかわし、反撃を繰り出すと魔王の攻撃をセイは防ぐ事ができなかった。

「な、なんで!?私だってそれなりに訓練しているはずなのに」

セイが疑問を口にしたのも無理もない。

今までセイの攻撃が当たらずに一方的にやられていたはずの魔王の攻撃が、セイに攻撃を当てる事ができるようになっていたのだから、その事を理解できないセイにセイリンは声をかける。

セイがセイの方を見ている事にセイリンが気が付くと「ごめんね。少し時間を稼ぐだけで良いの」とお願いしてくる。そのお願いを聞いたセイはセイの頼みを聞き入れる事にして魔王に攻撃を行うが、やはりセイはセイの手助けなしで魔王と戦う事は厳しいと感じていた。だがそれでもセイは魔王と戦うと決意を固めると、魔王と戦いを始める。

魔王はセイに向かって攻撃をしかけるのだが、魔王の攻撃はセイの体を捉える事はできずに魔王は何度も攻撃をするが結果は同じである。

魔王がいくら攻撃を行おうと、その度にセイリンは魔王の攻撃を軽々と回避していた。そんなセイと魔王の戦闘に介入する者が突然現れる。

セイと魔王の間に現れたのは聖剣の所有者のセイリンだった。セイと魔王は、セイリンの事を確認すると戦闘を止めるとセイリンは魔王に向かって話しかけた。

「どうして貴方はこの人と一緒に居るの?」

セイリンはセイの事を気にしながら話しかけるが、そんなセイリンに対し魔王は、「この女の事は知っている」と言うとセイは驚くのである。

そして魔王は、「こいつは、お前と同じような感じだろ。それにしても何でこいつと戦っているんだ?仲間割れか?」とセイに質問をする。

その魔王の言葉を聞いてしまった聖剣は、セイリンから魔王に標的を変えて攻撃を繰り出した。

だが魔王はその攻撃を予測しており、難なく攻撃を回避する事に成功すると、「そういえばさっき俺の仲間達が言ってたが、確か俺達魔王軍の配下は全員倒されているって話じゃなかったのか?」と言うのであった。そんな言葉を聞かされてしまったセイリンは驚きを隠せない様子を見せると「え?うそでしょ」と言うのである。だがセイリンの言葉を聞くよりも先に聖剣は、魔王を切り裂く。

魔王は、自分の体に傷がつく事はなかった。だが魔王は先程セイリンから受けたダメージが残っているらしく、動きがぎこちなくなるとセイリンはそんな魔王の隙を見逃さずに攻撃を行う。セイの攻撃に反応する事の出来ない魔王は攻撃を受ける事になり、その一撃を受けて吹き飛ばされると地面に倒れるのであった。

セイとセイリンと魔王の会話は続く、魔王は自分の攻撃に対処出来なかった事に驚くがセイリンは聖剣を手に取ると聖剣を自分の体の中に入れようとした。すると魔王はセイが持っている聖剣がセイの身体に入る瞬間を目撃すると、慌ててセイに攻撃を繰り出そうとしたがセイリンは魔王の攻撃に対して反応すると魔王に対して攻撃を仕掛けた。

魔王もセイに対して攻撃を仕掛けるが聖剣の力を使っているセイには通用しなかったのだ。そしてセイリンは聖剣の力を使うと、セイの攻撃は威力が上がり魔王の攻撃は防がれてしまい、そんな状況を見たセイリンは焦ると魔王の攻撃をどうにか防ごうとする。だがセイリンの攻撃は簡単に魔王の攻撃をはじき返せる状態ではなかったのだ。

その光景を見ていた魔王の傍に一人の女性が近付いてくる。

女性は聖女と呼ばれている人物であり、聖剣は聖女の腰に差し込まれていたのだ。そんな魔王に聖剣の鞘が向けられると聖剣は光を放ち鞘に吸収されるように消えていくと、聖剣が鞘の中に収納されるのである。それを見て聖剣を持っていた女性も驚くが、セイリンの表情は更に驚愕するものになったのである。

そして、その出来事を見てセイリンの表情が青ざめる。

セイリンの反応を見た聖剣の持ち主は、「どうかしましたか?」と聖剣に向かって話し掛けるが、セイリンのパートナーの聖は「大丈夫ですか?」と言いセイリンに声をかけるのであった。聖剣はそんなセイに返事が出来ないくらい動揺をしてしまうと、聖剣は魔王に向かって再び攻撃を仕掛けようと動き出した。するとセイは、魔王の所まで駆け寄り、聖剣に攻撃を仕掛けた。聖剣の刀身が魔王に攻撃を仕掛けようとするのだが聖剣の剣が折れてしまうのである。

そんな聖剣がセイリンの手から離れてしまい聖剣の持ち主が急いで回収しようと聖剣に向かって走り出すが聖剣の持ち主の前にセイが立ちふさがり聖剣の柄を握ると魔王に対して攻撃を仕掛ける。

魔王はセイに対して攻撃を行い、攻撃を避けられてしまうと聖剣の持ち主に攻撃をしようとしたのだがセイリンの行動に驚き聖剣の剣の方に意識がいってしまい攻撃が出来ずに地面に聖剣が落ちてしまう。

そんな時にセイリンに攻撃をしようと魔王は行動に出るがセイリンの動きに魔王は驚き動きを止めてしまい、その間に聖剣はセイリンによって奪われる。

聖剣を奪われた事でセイリンは聖剣の使い手として覚醒をしてしまったのである。セイが、魔王を倒す為に聖剣を使おうとするのだがセイリンの体を異変が起こり始めた。

セイが聖剣を手にした瞬間に体が急に苦しみ始め、その痛みに耐えきれなくなったセイは地面に倒れ込んでしまう。聖剣がセイに攻撃を行っていると分かったセイリンも聖剣に対して抵抗しようとしたが、すでに遅く聖剣にセイは侵食されてしまい、完全にセイの体は変化を始めてしまう。その姿を見た聖女と魔王の二人は、そのセイの変わりように驚きを隠せずセイが変化した事を受け入れられずにいた。そしてそんな時だった、聖剣の所有者がセイリンの変化に対して怒りを抱き「こんな事は許されない!」と叫ぶ。その事に聖剣は驚いた。何故なら所有者の心は今までの聖剣の所有者とは違かったからだ。だが魔王の方は「お前は一体何者だ」と言うのだった。

「僕の名前は、真島誠二。君が僕の事を知らなかったら僕は君の事を知らないはずだ。なぜなら君は勇者が倒された後に生まれたのだから」

「なっ、お前は何を言っているんだ?」

魔王がセイの口から発せられた言葉を聞いて困惑している。

「魔王、今のうちに逃げるのが得策ですよ」

「な、何を言うか!俺は、あいつらとは違うぞ」

「ですが貴方では勝てませんよ」

聖剣の使い手がそう言い放つと魔王は何も言い返すことが出来ずにいる。

魔王の方は聖剣の使い手に何も言う事ができなくなってしまった。

「セイさん、いや、セイ様」

「あぁ~うん、大丈夫だよ。ありがとう、心配してくれて。だけど本当に、この聖剣で良いの?」

セイリンは聖剣の使い手に礼を言ってから聖剣の事について問いかけた。

その問い掛けに聖剣は「はい」と答える。

そんな時、セイは魔王と目が合うと、セイリンに話しかける。

「魔王、私の友達に手を出さないでね」

セイリンがセイに忠告すると、セイは魔王に向かって聖剣で攻撃を仕掛けた。魔王はそのセイリンの攻撃を回避しようとするのだが回避することが出来なかった。その為、魔王はセイリンの攻撃を喰らい、その攻撃の反動で魔王は吹き飛ばされる。

魔王は聖剣の一撃を受けて地面の上を転がりながら移動していき、その先には魔王の部下がいて魔王と部下がぶつかりあい大怪我を負ってしまい動かなくなってしまう。

セイがそんな様子を見ていたその時、セイの頭に激痛が起きる。セイの頭の中で誰かが話かけてきている事に気がつくと、「誰だ、私の中に勝手に入って来ているやつは、お前の目的はなんだ」

セイのその声に反応しない声が聞こえて来た。

セイは自分の中から声を出している者の反応がない事に気づくとセイは、「おいこっちの声が聞こえるのだろう?」と話しかけると、「うるさいですね。黙って下さい。私は貴方のような人間ではありませんから。貴方には関係のない話でしかないのですから」と言うとセイに攻撃を始めた。

セイリンが、聖剣を握りしめ聖剣を体に宿らせると魔王は慌てるのである。そしてセイは聖剣を手に取り自分の中に入って来た者に攻撃を仕掛けようとするがセイリンの様子がおかしくなっている事にセイは気が付き、そんなセイの様子を見てセイはセイの事を気にしていた。だがセイリンは魔王の事を放置しておく事はできずにいた。

セイリンは魔王の所に向かい攻撃を仕掛けると魔王の目の前からセイの姿が消え、そしてセイがいつの間にか魔王の背後に現れると、そのままセイは魔王に攻撃を仕掛ける。そのセイの攻撃に対して反応する事の出来なかった魔王は攻撃を防ぐ事は出来なかった。

魔王は攻撃を受けてしまって、その攻撃を防御できなくてダメージを受けてしまう。その事に魔王はセイに何かを言おうとしていたのだが魔王は、セイの姿を見て驚愕をすると、その言葉を途中で止めてしまった。セイは、今の一撃で終わらせる事ができたと考えていたのだが、そうはいかなかった。聖剣を使っても魔王を完全に倒す事ができなかったのだ。

魔王はその事を知るとセイに対して、先程までとは違った対応をしてくるようになる。

セイリンは、自分が使った聖剣の能力に驚きを隠しきれずにいた。その能力は、セイの中に入り込んだ聖剣の力を使う事ができるという力であり、その力で魔王を追い詰めていた。そんな時だった。聖剣の持ち主がセイに向かって「そろそろいいでしょう。魔王を始末してしまいましょう」と言ってくる。だがセイリンは、「え?でも魔王を倒さないで、ここから出て行った方が、皆に会えると思うんだけど」と言うのである。

そのセイリンの言葉を聞いた聖剣の持ち主の態度が変わると聖剣をセイリンに向けて振り下ろすと、聖剣から光が放たれると聖剣から光の線が飛び出る。その聖剣から飛び出した光にセイリンは直撃をしてしまうとセイの体に大きな傷ができる。

そしてセイリンは、その攻撃を受ける前にセイリンは自分の体に向かって回復魔法を自分にかけた。そのため傷自体は塞がったが体への負担が凄まじくセイは体を起こすことが出来なくなるのであった。そんな時にセイリンが使っていた聖剣にヒビが入り始めたのである。それを見た聖剣の持ち主が聖剣の状態を判断をするのである。だがその聖剣の持ち主の行動よりも速くセイリンは聖剣を持っている腕を聖剣の持ち主に向かって振ると、聖剣にセイの拳が当たってしまう。セイが聖剣の持ち主に対して攻撃をしたのだが、それは聖剣の力によるものであり、聖剣が壊れなかったのも、その攻撃が通らなかったのも聖剣の持ち主に原因がある。

その事にセイは驚いていたのだが、その攻撃に意味はないと思ったのかセイが攻撃を止めると、聖剣の持ち主に近づき、セイはセイリンの状態を見てどうしたらよいのかわからずにいた。セイリンもそんなセイにどうしてよいのかわからずセイとセイリンはお互いを見合っていた。そして、セイリンがセイの腕を掴むとセイはセイの手を握る。セイリンはセイに「ごめんなさい。貴方を巻き込んでしまった」と言うのである。そんなセイに対してセイは首を左右に振ってから「違うよ。私がもっと強かったらよかったのに、セイはそんな風に思わないで」とセイは笑顔を作り言うのだった。そんな会話をセイリンとしていたがセイリンは限界にきていてもう動けそうにもなかった。セイの体を抱きしめて「お願い、一緒に逃げよう」とセイがセイに提案するとセイリンは少し考え込むのだがその答えを出すまでにセイに対して攻撃を仕掛けようとした人物にセイリンは「させない!」と声を出して、聖剣を振り上げるとセイに向かって振り下ろされた聖剣の持ち主の攻撃がセイに当たりセイは、セイとセイが握っていた手を離してしまう。

聖剣の持ち主の攻撃をくらったセイだったが致命傷を負ってはいなかった。

聖剣の攻撃を受けてしまい体が動かなくなったのだが聖剣の力が発動して体の損傷を全て回復させたのだった。その事に聖剣の持ち主は、驚きを隠せずにいたが直ぐに聖剣の柄を握っている手に力を入れる。聖剣がセイリンを殺そうと聖剣に魔力を送るとその瞬間、聖剣はセイに聖剣を突き刺すのだが、セイは聖剣の柄を握りしめ自分の体内へと聖剣を引き込もうとしていた。

そんなセイの動きに驚いた聖剣はセイから離れようとしたが、既にセイリンに聖剣が体を侵食していて聖剣をセイリンは引き込んでしまう。聖剣を体内に取り込んでセイは、セイリンが持っていた時の状態とは違い剣の状態で聖剣の持ち主に襲い掛かったのだった。そして聖剣の刃を聖剣の柄に向かって振ると聖剣の柄を切断してしまう。聖剣の剣は、そのままセイの方に向かうとセイは聖剣の剣を受け止めて地面に聖剣を叩きつけてしまう。地面に聖剣が落ちたと同時にセイの体は自由になったのだった。聖剣を持っていた男はセイが急に聖剣から離れた事によってバランスを崩すと、地面に倒れる。

セイリンは地面に落ちていた聖剣を手に取ると「魔王を倒して、セイを元の姿に戻して見せるから待っていて」と言い残しその場を離れていくのだった。

魔王と勇者の戦いが決着しようとしていた時、聖剣の所有者と聖剣は魔王に聖剣が放つ光の線を当てる為に聖剣を天にかざし構えた。だが聖剣の所有者の攻撃を避けた魔王が聖剣の攻撃をくらい倒れてしまうと魔王の事を見ていた勇者は聖剣使いに向かって攻撃をしようとしたその時、勇者の後ろに居た聖女と聖剣使いが勇者の前に姿を現し勇者の事を取り押さえようとするが聖剣使いは勇者を捕まえる前に動きが止まると「邪魔しないでくれ」と言うのだがその言葉はセイの耳には入っていなかった。

聖剣の持ち主に襲いかかる為に移動し始めたセイはセイの事を魔王が攻撃してきたのだがセイリンは攻撃を回避していた。

魔王の攻撃を避けることに成功したセイリンは魔王に対して攻撃を仕掛けた。だが聖剣の攻撃を回避されてしまった魔王はセイリンの攻撃に反応する事が出来ずにいた。だがセイリンが攻撃を終えた後に魔王に攻撃を与えるとセイリンは聖剣を手から離しセイはその場に崩れ落ちるのであった。セイが手にしている聖剣が消え去り聖剣から解放された聖剣の力が解放されてセイの意識を強制的にセイの肉体の中に閉じ込めてしまった。セイの肉体の中で聖剣は眠りにつく。セイの肉体に封印されている状態の聖剣にセイの体から流れてくる魔力を注ぐことで、セイに攻撃を与えた者にセイリンの聖剣が反撃を行うのだが、セイは魔王の攻撃を受けた際に魔王の力を自分の中に取り込んでいたのだ。

魔王はセイの体に聖剣を宿らせることに成功すると魔王とセイが戦っているのを遠くで見ていた者が姿を現す。その人物はセイの姿を見て嬉しそうな顔をするとセイの元に現れてセイの目の前に現れたのだ。そしてセイはその者の存在に気が付き警戒をしていた。その人物の正体は、聖剣の所有者でありセイの事をずっと探していた人物である。その者はセイが魔王に戦いを挑む姿を見ながら聖剣を構えてセイに向かって斬りかかるとセイの頭の上に振り下ろすがセイはそれを軽々と避けた。だがその者の攻撃はまだ終わっておらず何度も攻撃を繰り返しセイリンに攻撃を続けるが聖剣を持っているのにもかかわらずセイに攻撃は当たらないでいた。その事にその者は怒りを感じると更に攻撃が苛烈になる。その事に気がついていたセイは攻撃を回避するが回避する方向がセイにとって悪かったのである。その者の攻撃は壁にあたり、その場所は瓦礫に埋まっていた。その事にセイは気が付いた時にセイは瓦礫の隙間からその者の様子を窺っていたのである。その者が持っている聖剣の剣がセイリンを睨みつけると剣が輝き始め光りだす。するとその光りが消えた時その者にセイは聖剣で攻撃をされていた。その事に驚きを隠せないでいるセイだが聖剣が作り出した光の壁にセイは救われてなんとか事無きを得る。

そしてセイはその光の壁に亀裂が入るのを見つけると急いで逃げようとする。だが逃げ出そうとするセイを見て、その者はセイの事を逃さないと言わんばかりに追いかけると攻撃を開始した。その攻撃は光の斬撃を放ちながらセイに向かって行くのだが聖剣が生み出す防御魔法に阻まれる。その防御魔法の効果に驚くその者であったが、それでも聖剣の力を使えば問題ないと、そう判断したのだがそれは間違いだと知ることになる。

聖剣の力でセイを攻撃するがその力も聖剣には通用しなかった。その事で、聖剣を持っている者が「なぜ?」と言うとセイリンは聖剣の力に驚いきながら聖剣に話しかける。セイリンは、聖剣が自分の意思を持ちセイを守っていることを説明する。その説明を聞いて、その者の顔が青ざめていき絶望に染まっていく。その者の目から涙がこぼれ落ち始めるとその者の体が変化を始めていったのである。その事が何を意味するのか分からないセイリンではあったがこのまま放置をするわけにもいかずその者と話をしようとするが攻撃を止めることはなかった。

聖剣の光と聖剣の剣がセイを攻撃していた時、その者達がいる場所から離れた場所では聖剣の持ち主である男に向かって光の線が飛んできた。だがその光をセイは難なく避ける。セイリンは自分に攻撃してきた人物が聖剣の持ち主だという事はわかっていたが誰なのかまでは分からずにいて聖剣の光の攻撃をセイは聖剣を使い防御した。そしてセイリンは光の線の攻撃をしてきた相手に対して攻撃を仕掛けようとした。だが聖剣の持ち主に聖剣を振り下ろそうとした時セイリンは聖剣を止めてしまい、その隙を突かれて聖剣の持ち主に攻撃を許してしまいセイは聖剣が放つ攻撃を食らってしまった。

聖剣が放った光に吹き飛ばされ地面に倒れたセイだったが何とか立ち上がろうとしたセイだったがセイリンに限界が訪れてしまうとセイリンが握っていた聖剣が地面に落ちてしまいセイリンもその場で倒れてしまう。

聖剣はセイリンから離れて、セイリンを守るように聖剣が浮かぶ。そんなセイに対して聖剣は聖剣の所有者に向かって、こう言った。

「セイを傷つけたな?許さないからな。お前も俺の敵だ。覚悟しろよ。」

聖剣の言葉が聞こえてきた。

聖剣の言っていることがよくわからない聖剣の持ち主であったが、今は聖剣を取り戻すことだけを考えているので、聖剣に攻撃を与えようと剣を向けると聖剣から衝撃波が発生して、聖剣持ちに直撃すると地面がえぐれるほどの威力があったのだが、その一撃を受けても聖剣の持ち主は生きていた。そのことに驚いた聖剣はセイの方を気にして見ていると聖剣の事を気にすることなく攻撃を仕掛けてきた。その攻撃をまともに受けた聖剣の持ち主は聖剣を落としそうになるがどうにか耐えてみせる。聖剣は、その攻撃を繰り出してきた人物を見て驚いたのであった。その人物は聖剣の持ち主の知り合いだったからである。だがその人は今の聖剣の所有者の攻撃で倒れてしまい、動く気配はない。聖剣はどうすればいいのかわからなくなっていた。その人が死んでしまったと思い込んでしまった聖剣だが、聖剣の目の前にいる聖剣の持ち主は、セイに向かって攻撃を仕掛けようとしていたのだった。

聖剣が聖剣の所有者に向かって攻撃を仕掛けようとしているのを見て、俺は助けに向かおうとしたのだが体が動かない。そんな俺に向かって聖剣が語りかけてくる。

聖剣は、セイに向かって攻撃を仕掛けようとしている。だが、その行動が無駄だと聖剣に説明する。だがその言葉を聖剣が信じてくれているかどうかは怪しいものだった。だが今のセイに、聖剣に対抗できる手段が見当たらないので、セイリンの体に負担をかけない様に、ゆっくりと立ち上がる。そして俺はセイと聖剣の間に立つのだった。聖剣は聖剣使いに向けて剣を構える。すると聖剣は俺に質問をしてくる。「貴方は何のために戦う」と、聞かれたので俺は正直に自分の気持ちを話すことにした。

「俺の目的は世界平和だ」

聖剣は少し間を置いて「それは不可能だ」と言ってくる。

聖剣の返答を聞いた後、聖剣と聖剣の会話を聞いていると、聖剣の言っていることも間違ってはいない。聖剣と所有者は聖剣の所持者が生きている間に、争いが起こる事が多く戦争を未然に防ぐ事は不可能に近い。だから、これから先の戦いをなくす為、魔王が復活しても魔王を倒さずに封印し魔王に二度と悪さをできない様にしようと考えていたのだ。

そして、その考えを聖剣に伝えると、その聖剣は聖剣の所有者が思っている魔王は普通の魔王ではないと言うことを聖剣が聖剣に説明をしていたので聖剣が話した魔王は普通とは違う魔王なのだと知り、この聖剣が知っているのであれば信用はできそうな気がしたので聖剣を信じることにした。

だが聖剣が言う通り魔王を聖剣の光が消滅させる事が出来ないと分かっていても聖剣使いにセイを殺されるわけにはいかないし聖剣にセイを傷つけられた仕返しは絶対にさせてもらおうと心に誓うとセイの方を見ると魔王に苦戦をしているようだったので魔王の攻撃を避けるのが必死になっていたので聖剣に指示を出して聖剣を聖剣使いの所に飛ばすように指示を出した。

聖剣は、俺の指示を聞くとすぐに行動に移して聖剣使いの元に向かう。その行動を見ていた聖剣の持ち主は、邪魔をされないために攻撃をしてこようとしたが聖剣の攻撃を避けながら聖剣を使って攻撃をするのだが聖剣の光を防御に回すことで攻撃を防いでいる。そんな聖剣の攻撃に聖剣の力が込められる。聖剣から放たれた光の剣にその者は対応出来ずにいた。だが聖剣の光の攻撃をギリギリで避けると剣で攻撃してきた聖剣の攻撃を受け止める。聖剣同士がぶつかり合いお互いに鍔迫りあいを始める。お互いの力が反発しているためか押し合っているのが分かるが、それでもお互いの聖剣の持ち主は自分の聖剣の力を最大限に引き出して聖剣を押し返す。

セイリンとアイリスに自分の意思を伝えた後セイと別れて俺はアイリと一緒にセイが戦っている魔王の元に近づいて行った。セイは魔王と戦い魔王にかなりのダメージを与えたのだが、その事を確認している暇はなかった。なぜなら魔王の攻撃が凄まじく反撃をする余裕がなかった。魔王は今までにないほどの攻撃でセイを攻撃してくるが聖剣が生み出す防御壁に守られているので攻撃を食らうことは殆どないがセイの表情が険しいものになっていく。

そんなセイリンを見た俺は何か打開策を考えないとまずいなと思ってると隣で歩いているアイリが「私がやるしかないよね?」と言うので、「頼む!」と伝えると、俺に言われたアイはセイの所まで走っていき、聖剣の防御壁から飛び出すとそのまま魔王に向かって斬りかかる。すると聖剣の力を使っているとはいえ魔王の動きを止めた事に驚くセイと聖剣の持ち主は動きを止めてしまうがセイリンは「私の後ろに来て!!」と聖剣の持ち主に告げると聖剣の持ち主は、聖剣の持ち主に向かって「すまない。助かった。お前が来なければ死んでいた。」と言うとセイはセイに向かって聖剣を投げつけた。セイはその投げつけたセイを受け止め聖剣の力を解除する。そしてその瞬間を見逃さなかった聖剣はセイに向かって攻撃をしたのだがセイが聖剣を出現させると聖剣の攻撃をセイが持っている剣で受けとめると、その隙を逃さずセイはその者の腹部目掛けて剣を振った。

腹部を攻撃したセイに聖剣は驚きながらもその攻撃に反応して回避したのだが聖剣は聖剣に力を使うと剣が輝いてセイに対して聖剣から斬撃を放ち攻撃する。セイは聖剣からの攻撃を受けた時、体に痛みを感じながら「聖剣の攻撃を受けるなんて思ってなかったよ。聖剣の力と互角にやり合えるとは思いもしなかったよ」と言いながら地面に倒れていくと俺も地面に倒れた。俺も限界に来ていたので意識を失ってしまう前に俺達の様子をみていた聖剣の持ち主が慌てて近付いて来ると俺に肩を貸しながら「おい!しっかりしろよ。死ぬんじゃねーぞ!!お前はまだ死んで良い奴じゃねーんだ。まだやるべき事があるだろうが!!!」と叫び声を聞いてセイとアイリが倒れていたのが視界に入ったのでセイリンとアイリの体を二人で抱きかかえて「お前ら大丈夫か?」と言うとセイとセイリンが同時に「私は平気です」と答えるのを聞いてから俺は目を閉じた。それから少し時間が経つと誰かの声が聞こえる。セイとセイリンは無事なようでよかったと思った。そして「セイちゃんにお姉さん大丈夫ですか?セイ君達は大丈夫かなぁ?」と言う少女の声を聞いたセイリンは「貴方は一体?それとなぜセイの名前を?それよりも貴方の事は誰なんですか?そして、貴方は誰の味方なんでしょうか?」と言うと、俺が思っていた事が本当に起きていたのだと理解する。セイは聖剣に乗っ取られそうになり俺とアイリがセイリンを助けた時の事を思い出した。セイは自分が覚えていた記憶は聖剣の持ち主が言っていたようにセイの記憶ではないようだったのだ。だがセイリンに聞いた言葉にセイが驚いたのは、セイと聖剣の持ち主の関係を知っているような言葉を聖剣の持ち主から聞いて驚いたのである。セイリンがセイに質問をするがセイの質問の意味を分からない様子の聖剣の持ち主だったが聖剣の所有者から突然名前を呼ばれた事で驚いた顔をしていた。

聖剣の持ち主は聖剣に名前がないと思っていたが聖剣の名前を知る人物が現れたので動揺してしまう。聖剣は聖剣使いに自分の本当の名前を教えるべきなのか迷っている時にセイが聖剣の所有者に自分の名を名乗るとその人物は驚いた表情を見せると、急にセイに対して感謝の言葉を口にして頭を下げたのである。セイリンにも同じ事をする。そして、その人物から聖剣に名前がある事を聞き出しその名を呼んだのであった。セイはどうして聖剣の名前がわかったのか聞くが聖剣は聖剣の持ち主の言葉を肯定して、セイに聖剣の名前は教えてくれたのだった。

聖剣の所有者がセイリンに感謝をしている間に俺は意識を取り戻したのであった。その事をセイとセイリンに伝えようとするが体が痛すぎて喋るのもつらいのであった。俺の様子に気付いたセイとセイリンが俺に近づきセイリンは俺の手を握ると俺の体を抱き抱えてくる。セイは、俺の頭を膝の上に移動させると言う行動を取り始めた。セイに抱き締められセイの太ももの上で横になっていると俺の顔がセイのスカートの中に入ってしまうのでセイに俺は恥ずかしい気持ちを伝えると、セイは、俺の顔をセイのお腹に押し付けて俺を安心させようとするが俺が動けないことをいいことにセイは好き放題してくるのだった。

聖剣に話しかけられて困り果てている聖剣の持ち主は、自分の主と話をしている時にセイに聖剣を返してもらう約束をして貰えないかとお願いをした。そして、聖剣は自分と会話ができる人が存在する事に驚くと同時に自分の事を覚えてくれていて嬉しく感じていたのだ。そして聖剣の主人の願いを叶えようと聖剣に話し掛けたのである。

「貴女を呼び出したのは他でもありません。私に、その聖剣を貸して欲しいのです。私の主を助けてほしいんです。」その頼みを聞くと聖剣は、聖剣の主の事を思い出す。それは数年前の話、ある村に一人の女の子が生まれたのだ。その子の両親はとても仲が良かったのだ。その村の住人は皆、幸せに包まれた生活を送っていた。その村に住んでいる一人の少女の父親は村の人達に慕われており村長のような役割をしており、またその父親を慕ってその少女の父親には勿論のこと他の村人からも信頼されていた。その父親が亡くなってしまったのだ。理由は病気が原因ではなく、魔物に襲われたのが原因で死んだのだが、少女は、父親の死の真相は知らないのだが、父親と母親が死んだ原因を作った人物がいると言うことを薄々勘付いていた。そのせいか自分の親が亡くなったというのに悲しんでいる様子がないのに不思議がった村人が理由を聞こうとしたが誰も、少女と関わろうとしないでいたので、その事についても、少女の両親に恨みを持っている者達の策略だと思われる。

その村は、魔王軍が襲ってきた時は勇者達が駆けつけてきてくれて魔王軍を退ける事ができたのだが、そんな事もあり魔王軍の標的にされた村になってしまったのである。その村の近くに魔王軍が現れては襲われるという日々が続いていたので住人たちは魔王軍に怯えながら暮らすようになったのである。そんな時、一人の少女がその魔王軍との決戦で勇敢にも立ち向かい魔王軍の魔族を倒す事ができる程強かった為、魔王軍を圧倒し撃退した事によりその村は守られたのであるがその事を知った村人たちの中には、魔王を倒せる力を持つ者を自分達の手で守りたいと思うようになりその娘に守られた命を守る為に戦おうと考えた。しかし、この考えに賛同した者達が数人現れただけで後は、ほとんどの者が戦うのを恐れ、安全な場所で生活する事を選択した者が多かった。そんな中で、その村の村人たちは、少女と関わりたくないと思い始め、少女から遠ざかっていったのであったがその事を知らなかった少女がたまたま通り掛かったのを見て、村人たちはチャンスだと思い声を掛けようとしたのだが、その少女の目を見たときに何かを感じた村人たちは少女に声をかける勇気がなく結局、少女に声を掛けることもできずにいたのであった。

だが少女の両親が殺された日、一人の少女が村の近くで倒れている所を発見されてしまったのである。発見した人は直ぐにその倒れた人に回復魔法をかけてあげたのだが目を覚まさないので心配になっていたが意識を取り戻していないだけだったのが分かったがその時は意識を取り戻す様子はなく目を開けてなかったのである。その為少女の意識が回復するまで見守ることになった。そして、一週間後に少女が意識を取り戻してから数日後には少女は自分の力で動く事ができるようになっていた。それを知った周りの者は喜ぶと同時に困惑してしまったのであった。なぜなら、少女が目覚めた翌日に魔王軍が攻めて来たからだ。

そして今まさにその村に向かっている途中であったのだ。そして、村の近くで少女を見つけたが既に魔王軍はそこにいて村に向けて進軍を開始して来ていたので、急いで知らせに向かったのである。それをみたセイリンは慌てて走り出そうとしたが聖剣の持ち主に呼び止められてしまうのだった。聖剣に止めを刺そうとした時、急に現れた謎の人物が邪魔をしてくる。その者の攻撃を受けてしまい俺は、聖剣使いがどうなったのか気になるが目の前に現れた人物によって気を失ったのだった。

セイは自分が聖剣使いにとどめを刺しかけた事を思いだすとすぐに聖剣使いの方を見るが聖剣の持ち主が俺のことを見ていたことに驚きつつも俺に対して頭を下げると聖剣を俺に返してくれた。

聖剣がセイに戻ってきたことにより聖剣が本来の力を取り戻したため、セイリンは、聖剣に今まで使っていた剣がセイリンの持っている物より上位の聖剣だった事が判明する。

セイはセイリンから渡された剣がセイリンの持っている剣の上位互換のものだと分かり驚く。それと同時に聖剣使いが持っていた剣に名前があることも知り聖剣に名前を尋ねると聖剣は名前を教えた。そして、セイリンの質問によりセイが、なぜ聖剣の名前を知ることができたか聖剣が説明を始めようとする。だがセイリンはセイがセイリンの事をなぜ知っていたかを聖剣に聞きたかったので、セイは聖剣が話し始めるのを遮ると、セイは、セイリンとセイに聖剣について詳しく教えて欲しいと頼むと、セイは自分が聖剣の名前を知りえたのは聖剣の力が関係している事をセイリンに説明すると、セイリンはセイから聖剣の所有者が自分の母親であることを聞かされたのだった。セイリンは「どうしてお母さんは、こんな危険な事をしてたんだろう?私は絶対に、そんなことはしない」と言うがセイは「私はセイちゃんの気持ち分かる気がする。でもね、私は聖剣の力を使って自分の好きな事をしても良いと思っているよ。だって自分の大切なものを守りたいからね。だからセイちゃんは後悔しないようにすれば良いんじゃないかな?それに、私はセイちゃんを応援しているよ!」と言い出したのだ。

セイリンはセイの言葉を聞いて自分の母親がセイの為に聖剣を使っていると知って「私が聖剣を使う事は、もう無理なのかもしれない。私は私の大切ものを守れなかった。でも私にとってのセイちゃんやお父さんは、セイちゃんとセイリンさんの事を、私は自分の事のように大切に思っているので、聖剣を使わずともセイちゃんの手助けをしてあげたいと思ってます。そして私は聖剣の力を使おうとは思いません。」

セイはセイに自分の母親のことを気にしなくても大丈夫と伝えたがセイリンはセイの事を心配してくれているようだったのでセイはセイに笑顔で「大丈夫だよ!セイリンさん。」と言ったのである。

聖剣は聖剣に話しかけられ少し驚いたが「貴方がどうしてセイの名前を、そして、その剣は、一体何なんですか?」と言うが、その答えに対して「貴女の考えているようなことは一切ないです。私の主がセイと言う名前だったと言う事を知っていましたので貴女がその主だとわかり、その聖剣のことも知っていたので私の能力を使用して貴女の名前と剣のことを知っただけですよ。」と答えてくれる。セイリンはセイの言葉を聞いた後、何故かセイが、本当に聖剣の主だと確信したのでセイにお礼を言う。セイリンが感謝を伝えるとセイはセイリンと話をしていたのだがセイリンとの話を終えたあとセイリンに聖剣に話しかけるように頼んだ。聖剣が、セイに何故聖剣の声が聞こえるかを聞くとセイはセイとセイに、聖剣と話をしているとセイは聖剣の声が聞けるようになった事を話すと聖剣がセイリンがセイを抱きしめていた事でセイの事を好きになったのではないかと言う事を話し出し聖剣とセイが会話を始めるのだった。

俺はアリサと名乗った少女にセイが俺の体をセイとセイリンがセイの体を抱き締めていたのに気付かれた瞬間だった俺の体は動き始めていた。俺が、なんとか声を出そうとすると「おっやっと、喋れそうかな。でもさぁ俺にあんなことして、そんな生意気な態度をとっていいと思っているのかい」と言われてしまう。「あっあれは違うんですよ。あの状況では仕方なかったとしか言えないんです。なので許して欲しいです。それに、私の事を触ってきたのはあなたの方じゃないですか!」と言ってみると俺はまた殴られてしまったのだ。

俺の視界がぼやけていたが、すぐに元に戻ると俺は目の前の男が俺に攻撃してきたと認識をしてから反撃をしようと思っていたが体が言う事を聞かないで、その場を動けなくなっていたのだ。男は、俺の様子に気付いたようで、「どうした?体の具合が悪いのなら、治してやってもいいぞ。但し俺の話を聞くと約束をしてくれるか。そしたらお前の身体を治すからな。まあ話を聞くと約束しないならこのまま死んで貰うだけだがな」と男に言われると、俺の体に激痛が走る。俺の意識が無くなりかけるのをどうにか耐えきったと思った時に痛みが無くなると男の話が耳に入ってきた。「俺が誰かって?俺はなぁ。そうだな俺の名前はクロだ。それとだ。セイリンには、まだ俺の能力は使わないように言っているから安心しろ。それよりもだ、俺が言いたいことは一つしかない。セイリンは俺の女になると言うのであれば、この村で暮らしても構わないが。嫌だと言うのならばこの村を出て行くがどちらにする?」

セイは「そんな事を言われて出て行こうとする人が居たら連れてきてほしいくらいですね。私はこの村から出て行きたくないし貴方みたいな人は信用できない。それに私はセイリンさんから聖剣を奪う為に近づいたんでしょ。貴方のような人と一緒に暮らすとかあり得ないから。聖剣がどんなに優しい性格をしているか知らないけど、騙されているのよきっと、そんな人は信じられるわけがない。」

聖剣が急に現れ俺に何かを語り始めた。その内容は、俺がセイの体を乗っ取る為にセイに近づいたと疑っており、俺を責め立てている内容であった。聖剣から俺に対して色々と言質を取る事が出来た。しかし聖剣の言葉を聞いた後にセイリンとセイの二人は聖剣に対して聖剣の事を疑いの目を向ける。セイリンが聖剣に「どうしてそんな事を思うのですか?私は聖剣を信じています。それなのにどうしてそんな事をいうのか理解ができません。私もセイと同じ考えなのです」

聖剣がセイリンに対して俺に何をされたのかを教えるとセイリンは俺のことを殴り始め、俺の顔面を思いっきり殴ってくれたのであった。

「貴方がどうして聖剣の事をそんな風にいうのか分からないけど聖剣は私の大事な仲間なの、そして私の事を一番に考えてくれていて聖剣は私の家族の様な存在でもあるのだから。それを貴方にだけは、私の前では絶対に言って欲しくはなかったわ。聖剣には絶対に私の目の前で、そのような事は言わないでください。分かったの?」と、怒りに満ちた声で、そう話すセイリンは聖剣が話し始めた。そして俺の方を見て「私は今貴方のせいでとても悲しい気分になっているのです。私は貴方が今すぐに謝罪をしなかったら許さないのよ。それに謝っても聖剣から貴方に対する評価は決して変わる事はないし、そもそも今の貴方は私の主であるセイ様ではありません。ただの偽者にしか過ぎない。今すぐ消え去りなさい」と言う。

(省略)「どうしたんだい? 君達はそんな顔をしている場合ではないんだよ。魔王軍が既にこの村に着いてしまっているのだからね。今は魔王軍の侵略を受けているが僕たちがいる限り絶対にこの村は落とされることはないだろうね」と言うがセイリンはセイの方を指差しながら「セイちゃんに酷いことをしていた奴がどうして魔王軍と戦えると言うのよ。魔王軍の中には魔王直属の精鋭部隊が沢山居ると聞いています。それに魔王の親衛隊の将軍たちなんて恐ろしい人達ばかりらしいのよ。その人たちに勝てるとでも言うの?」

「魔王軍は確かに、この世界の人間達が考えているよりは弱い者達だと思っているが。僕の事を甘く見過ぎているのじゃないかい。僕は君達よりは格上の能力を所持しているしね。魔王と会うのは今回が初めてだが恐らく僕の方が強いと思っているからね。

それより早く避難する準備をした方が良いと思うが?魔王軍に負ければ、セイリンは勿論だがセイリンまで死ぬ事になってしまいかねないのだよ」と言い出すと聖剣はセイに襲いかかろうとする。俺は何とかセイを守るためにセイをかばおうとするが体が動くことは無くて聖剣の攻撃を受けてしまい俺は気を失ってしまうのである。その後俺が目が覚めるとそこはベッドの上でありセイは目を閉じながら眠っていた。聖剣は俺に向かってこんな言葉を言い出したのである。「お前に少しだけ忠告をしておいてやる。もしもセイを裏切ったりしたら。その時は覚悟をしておいた方がいいぞ。まあ、そんな事をするような人間では無いと思っているがな。俺は一応お前の味方だと思っている。だから今回は特別にお前の事を助けに来たんだ。俺の主は本当に心が綺麗な奴でな。俺はセイリンの事も好きだからな、まあお前が聖剣の力を使わない限り大丈夫だと思うが、万が一があった時の為に俺が来たのだから」

セイリンは聖剣が聖剣の言葉を伝えた事に少し驚いた表情を浮かべるが聖剣の話を聞いていたセイは涙を流しながら聖剣を握りしめていた。

聖剣に体を返してくれと言われたので聖剣にセイに体を渡して欲しい事を伝えるとセイリンは「聖剣さんに私の事を守って欲しいとお願いをしてください」と言うとセイはセイリンに向かって「聖剣さんに私の事を守ってくれるように頼んで下さい」と言うとセイは俺の事を見てきたので俺は聖剣に「セイの事守ってやってくれるか?」と聖剣に問いかけると聖剣が俺に対して、「当たり前だ。俺の主を守るのは、この聖剣の役目だからだ。主の願いなら何でも叶えてやろうではないか。俺はセイリンの事をこれからずっと守り続けてやろう」と言うので俺はセイに対して俺が聖剣に頼めば何回でもセイリンはセイの体を聖剣に貸してくれることを伝える。

セイは聖剣にセイリンと自分の身を守る事を命令をするのだがその時に俺は、セイリンに対して俺は俺の本当の姿を見せることにしたのだ。その光景を見たセイリンが「えっ何? 何なの?その姿と声と顔は何?どうしてその姿に声は違うけど。その喋っている人は誰なの? その人の言っていることは本当に本当なのよね。だって私を庇おうとしているんだものね」

俺の正体が魔王だと知ると、俺はセイリンにある事を告げようとすると、俺が言葉を発そうとしたときにセイリンは俺のことを思いっきり殴ってくる。

セイリンに「貴女がそんなことを言う人だとは思えないです」と言われてしまうが俺はそれでも俺の言葉を伝えようとセイの耳元で囁くようにこう伝える「信じてもらえなくても良いが、俺はセイとセイリンは絶対に守ると約束をする。だから、もし俺がお前達の敵になってしまった時には俺を殺してくれ。頼む」

セイは涙目になって、「そんな事は嫌なの。私はもう大切な人が目の前から居なくなってしまうのはいやなの。だから死なないで私と一緒に幸せに生きて」と言うと俺を抱きしめてくるのであった。

俺達はクロと名乗る男性によってセイの体の所有権を奪われてしまうと俺はクロがセイに対して攻撃を始めようとした時に、セイリンの体を動かして俺はセイにクロに対して攻撃を辞めるように言うが、俺が攻撃をしようとしているクロを止める事が出来ない。俺はクロからセイに体を戻すように指示を出そうとするが戻らないのだ。

そしてクロからの攻撃を避け続けているセイに対してセイリンもクロの行動を止めさせようとして攻撃をしかけるがクロの能力は、セイの力を凌駕していて全く通用せずに俺とセイリンに攻撃を仕掛けてくるのをセイが防ぐが俺とセイリンの二人はセイに対して「セイリン!私を盾にして逃げなさい。私がセイちゃんに憑依しているからこそ、私はまだ貴方に危害を加える事はできないのよ。でもね。それはセイちゃんにも言える事なの。私達がセイちゃんの体から出て行ったら、すぐにセイちゃんを攻撃し始めようとしているわ。だから早く逃げるのよ。セイリン」

「分かりました。でもセイリンさんが私よりも強いと言う事はセイさんは一体どうなってしまったのですか?」と言うと、聖剣が自分の事を説明し始めて、その話を聞いて俺は納得すると同時にセイリンにセイの体がどうなっているのかを教える。

「そういうことだったんですか。セイさんの体からセイさんがいなくなってしまったら、セイさんの精神体はどうなってしまうのですか?」と聞くので、聖剣が答える前にセイリンに俺が教えるとセイリンは自分の体からセイを引き離す。そしてセイがセイリンの身体に乗り移るとセイリンの姿が変わる。

俺の事を殴ったりしていたセイは急に泣き出して「どうして? セイはセイリンが大好きなのにどうしてこんな酷い事をしたの。セイはセイリンの事が好きなのにどうしてなの。セイは貴方を信じたかったのに貴方を信じていたセイに貴方はどうしてセイの事を騙したの? 」

「俺は君に騙されているなんて思ってはいないよ。俺は俺の目的を果たすために君を利用する事にしたんだよ。君の力があればセイリンの体に聖剣の力を流し込み聖剣の呪いを解くことが出来る。それを利用して魔王軍を倒せると思ったからだよ。魔王軍を倒して平和を手に入れる為に、そして俺の夢のためにもね」と俺は言い始める。するとセイはセイリンの顔になり「嘘ね。セイリンはセイがこの世で1番愛しているのよ。そんな簡単に貴方を好きになる訳が無いじゃない。聖剣に操られているのはセイの方よ。聖剣から貴方は解放されたら聖剣にセイは殺されてしまってセイの事を裏切るかもしれない。そう思っていたからセイは、聖剣がセイの身体の中に入ってきた時にセイを殺そうとしたのに。セイは、セイの事を騙していてセイの事を騙した貴方のことが大嫌い」と言う。

(省略)俺とセイが話しをしている途中で俺の方に聖剣が話しかけてきて「お前の目的は、セイリンに俺が憑依をすることで俺の呪いが解けた時の能力を使用して魔王軍に対抗しようと考えたんだろう? それに魔王軍が俺を封印している間に俺は勇者達を殺さなければならない理由もあったんだ」と言うと俺は「聖剣、俺がお前を信用する事ができないのにはもう一つある。魔王軍に対抗できるほどの能力を持っているというのなら何故、魔王軍に対抗できるように魔王軍に情報を流さなかったんだよ。俺達と魔王軍の両方を同時に敵に回したらいくら聖剣の加護があったとしても勝ち目は無かったはずだ。それを俺達が魔王軍と接触をしない事を見越して聖剣に俺が憑依するのを待った。違うか?」と質問をしてくる。

「俺は俺の主が望んでいる世界を創り上げる為にはどうしても魔王軍が必要になったからな。俺が魔王軍の将軍たちと接触をして俺の能力で魔王軍の将軍たちの洗脳を行い俺に忠誠を誓わせるのと、魔王軍の内部を探らせようと思っていたんだ。だがお前たちが俺の主の能力を知ってしまい、しかもセイの体を乗っ取ると俺の主を殺す可能性があると思って俺はお前たちには手を出さないようにしていたが、まさかお前がここまで行動に移すとは予想できなかったから俺は俺の事をセイリンの身体から追い出させる為には俺がセイの体を乗っ取り聖剣の力がセイリンに流れ込む瞬間に、セイに俺の魂を送り込み、セイに俺の意識がある時に、お前に俺が聖剣の加護を与えた者だと言う事を認識させた状態でお前たちを倒すしかないと判断したんだ。

俺はセイリンがお前に俺の事を告げ口するかもしれないと考えていたから、俺の主がセイリンに対して何も言わなかったのはそのせいだ」

「そんな理由で聖剣が私に何も言わないなんて信じられるはず無いでしょ? それに聖剣の主人って誰なの? セイリンは聖剣の主人に会った事があるから知っているけど」とセイリンが言い始めるとセイは俺のことを見つめて、「貴方なの?聖剣が言っていた主って」と問いかけてくるので俺は「ああそうだ」と答えるとセイリンは「でもそんな事で私達が聖剣の言うことを聞くと思う?」と言うので俺は聖剣をセイの前に持ってきて「俺の話を聖剣は聞いていたみたいだから、この聖剣は俺の支配下に置いておくことにした」と言う。

「ちょっと、セイリンとセイはセイリンの事が好きだから一緒にいるの。セイリンは聖剣の事よりもセイリンの方が大切なの」と言うと聖剣をセイリンは奪い取って、「これはセイと聖剣の物なの。貴方はもう必要ないでしゅ。貴方が私を騙していない事がわかっただけでセイは嬉しいでちゅ。でもセイがセイの体に入っている時はセイの体を勝手に使わないで下さい。約束できますか?セイは貴方の事が大好きでしたが貴方のことが好きでは無いので、セイの体は返してもらいまちゅ」

セイリンにセイが俺に対してセイリンに憑依していい許可を出してきたのだ。セイリンに対して俺が、セイの身体を借りるのはこれで最後になるからセイの了承を得られなければ借りることを諦めると伝えセイリンに聞くとセイリンは少しだけ考えてから俺に対してセイの事をよろしくお願いしますと言い始めるのであった。

そしてセイリンの身体を俺が支配したのであった。俺がセイリンと聖剣を支配し終わると俺は、セイリンに向かってセイリンとセイが俺と敵対してしまった場合にはセイリンがセイの体に戻ってくるようにセイリンに言う。

そしてセイリンは「分かりました。私もこの聖剣の事は信用しておりません。だから私は貴方について行きます。聖剣に支配されていない私は私ですから」と言うとセイリンはセイリンが持っていたはずの聖剣を取り返す。

セイは「聖剣ちゃんはどうなるの?」と言うと聖剣は自分の事を説明するとセイは「そんな事ないもん。セイは貴方を絶対に信じる」と言うとセイリンの体が動き出すと俺の方に歩いてきて俺の手を握ってきた。

そして俺は、聖剣とセイの体を乗っ取ったクロをセイリンに倒させないようにするために聖剣の力を使ってセイリンに命令をしたのだ。俺の命令に対して、セイリンはすぐにクロの元まで移動して攻撃を仕掛けようとしたのだがクロも自分の力で防ごうとしたのだが俺の力が強く、すぐにクロはセイに倒されたのである。

(俺は目の前にいる女性を見て驚いていた。なぜなら彼女はセイリンだったからだ。セイが俺の方を見ながら嬉しそうな顔をして「貴方のおかげで私はセイを取り戻すことが出来た。ありがとう」と言うと俺に対してお礼を言ってきた。俺のセイリンに憑依していたのが聖剣の呪いを解けば俺の事を信頼してくれると思ったのが成功に繋がったようだ。俺の事を信用してくれたのは良かったが、この世界の平和を手に入れる為には魔王軍も倒さなければならないから俺はセイリンにも協力してもらうために聖剣の呪いをセイリンの体を通して聖剣と聖剣を宿しているセイにもかけた。するとセイリンの体が急に動かなくなった。そして聖剣の呪いを解く方法を教えてくれと言うと俺は教えてくれるのだろうかと思いながらも聖剣に確認するとセイリンを聖剣に触らせることで呪いを解くことができるということが分かった。

俺の言葉を聞いたセイリンが「私の体を貸しましょうか?」と言ってくれる。俺はセイリンの体の中に聖剣が入り込んでいるので聖剣がセイリンに話しかけたらすぐにセイリンは聖剣の話を信じた。

俺はとりあえずセイをセイリンの体から引き離すことを考える。聖剣の加護を受けているのがセイリンだとばれてしまう前に、そして魔王軍と聖剣の力によって世界を滅ぼすような事態を招かない為にはセイをどうにかしないといけないと考えたので、俺の考えではまず最初に、魔王軍の将軍の誰かを味方に付ければなんとか出来るだろうと考えてから聖剣の事を信用しすぎている、俺が今まで出会った中で最も優しい人間でもあるセイリンが聖剣から言われた言葉で簡単に魔王軍に利用されそうになってしまうかもしれない。俺は、そう思いながらどうやってセイリンからセイを引き剥がすべきかを必死に考えていた。俺には魔王軍を倒さなければいけない理由もある為、俺は焦っていたので早く行動に移す必要があった。

セイリンは「この子はセイの妹なのですが。セイリンさんと一緒に暮らして貰おうと思います。この子がこれから生きていける場所を作る為には魔王軍を倒さなければならないんですね?」と言う。するとセイリンはセイリンの顔で悲しそうにしているとセイリンはセイの事を抱きしめ始めた。

俺がセイリンにセイの事を頼むと聖剣をセイリンから取り出して俺の元にセイがやってくる。

俺には時間があまり残されていないと感じていたのだ。俺には今すぐにでも行動を起こさなければならない理由があり、俺は俺の目的を果たすための行動を起こすために、俺は俺の計画通りに動くことに決めた。

聖剣は「俺が君に憑依する」と言い始めて聖剣は光を放ち始めると聖剣が俺の身体の中に入り込むのを感じると俺の背中に白い翼が生えてきて、俺は俺の事を乗っ取ろうとする聖剣に抵抗を始めたのだった。

(俺は、自分の意識と身体の支配権を聖剣に奪われまいと聖剣に俺の力をぶつけて聖剣の加護を打ち消そうと頑張った。俺は俺に宿っている聖剣の能力を使えば、一時的に勇者の姿を取り戻せるが勇者の姿になるのはあまり好ましくない。俺が勇者になって行動をしているのが魔王軍に知られると魔王軍が勇者の封印された聖剣に干渉しようと行動してくるかもしれない。魔王軍は魔王が復活すれば、勇者に復讐をする為に必ず動き出す。そんな事が起きる可能性を少しでも減らしたい俺は、この場は聖剣の能力で勇者にならずに魔王軍と戦う事に決めた。俺が聖剣を操ろうとすると聖剣が反発をし始めたので聖剣は「お前はこの世界の事を何も分かっていないな。俺を扱えるだけの実力がお前にあるとは思えないが。それでも俺を使いこなす事ができるというならやってみろ」と聖剣が俺に対して言ってくると俺は、「ああ分かった。やってやるよ。後悔するなよ。俺を扱えなかったら俺に支配される事になるんだからな」と言うと俺は聖剣に向かって力をぶつけるのをやめる。

俺は、自分が勇者の格好をして行動している所を見られるのを可能な限り避けたかったのだ。セイに憑依した聖剣と話をした時に俺は聖剣に、この世界について説明を聞いていたので俺は俺が勇者だという事を、他の者に悟られないように行動する事を徹底しようと考えていたので俺は俺を俺の意思で支配する事が出来ないようにして聖剣の力を完全に掌握する。そして聖剣の呪いをセイに掛けさせたのである。

聖剣が俺の中に入った状態で、聖剣の力を制御できるようになった事を確認すると聖剣と話をし始める。

(聖剣にセイリンに憑依した状態で行動してセイの身体を奪わせないようにしてセイリンの意識を残したまま、聖剣の支配から抜け出してセイの身体から追い出させるために俺は聖剣に聖剣が使えるようにする。だが俺が持っている全ての魔力を、セイに聖剣を使わせようとしている聖剣に渡したとしても俺の聖剣に聖剣の呪いを解く事が出来るかどうかまでは俺にも分からなかった)と聖剣に言うと聖剣は「聖剣の加護を受ける器にお前が聖剣を使って、そして聖剣の呪いを解きたいと思っているのならばお前が持っている聖剣に俺を使うしかないだろ?お前に聖剣を使ってもらうのが嫌ならば聖剣の力を引き出すのを諦めて俺をセイに返すしか道は無いぞ」と言うと俺は聖剣に「それについては問題無い」と言いながら聖剣に、俺が宿った状態のセイに憑依してもらって、そしてセイが俺を宿す状態になった時に俺にだけ見えるステータスに聖剣のスキル欄に俺が書き込めないか聞いてみたのだ。

俺に聖剣を使える状態になれるか分からないが一応試してみると俺がセイリンの体に憑依してセイに聖剣のスキルを使えるようにする方法を俺は考えついた。俺はまずは俺が聖剣に、俺がセイリンに俺が宿る事が出来たか確認して、俺がセイリンに俺を憑依させて聖剣に聖剣のスキルを書き込めるかを聞いてみることにした。俺の言葉に対して聖剣は、セイに俺が宿る方法を知っているのかと聞くので俺に答えられる範囲でしか答える事はできない。

そして俺の体の中で聖剣が光り出す。

俺の身体の中にセイが入っている状態になっているのを確認してから俺は、俺の体からセイを引っ張り出そうとしたが、セイが聖剣の加護によってセイをセイの体の中から引っ張ることができない事がわかるとセイに、セイに聖剣を持たせるように指示をしたのであった。

そしてセイリンが「聖剣ちゃんにお願いがあるんだけど私達の家を守っていて欲しい」と言うと聖剣は自分のことをちゃんと聖剣と呼ばないセイの願いを断ろうとしたがセイは、聖剣ちゃんの言うことは絶対に聞きます。と聖剣の言い分を聞き入れずに聖剣に向かって「貴方はセイの物になりました。セイのお願いを聞いて欲しいです。私からもお願いします」と言うと聖剣は「俺のことを本当に聖剣と認めてくれたと言う事か?」と言うとセイリンは「貴方が聖剣じゃ無かったらセイの事をどうするつもりなんですか?」と聖剣に言うとセイリンが「私の事はどう思っても良いけど。でもセイの事だけはどうも思わないで欲しいの」と言う。

そして聖剣は「分かった。君と約束をしよう」と言うとセイの体のセイリンは聖剣に「よろしくね。セイのことを守るって約束してくれたんだよね?」と言うと聖剣はセイリンの身体に「もちろん守るさ。俺にはこの子の命を守る責任もある。この子はもう二度と魔王に命を奪われてたまるか!」と言うと俺の方を見る。

俺の方を見ながら聖剣が俺とセイリンの体に入っているセイに向かって「俺は聖剣として俺の使命を全うしたいと考えているが、この子に俺を扱うのは難しいだろうな?この子を死なせたくなければ俺は聖剣としての役割を果たすことは出来ないだろうな?」と言ってくる。

聖剣の言葉を聞いた俺は俺の身体の中のセイを引きずり出して聖剣と会話をするために俺に体を返した聖剣に、もう一度体を借りてもいいかと聞く。そして聖剣が「いいぞ。お前には体を借りたお礼をまだしていないからな。お前には体を貸しても別に構わないから貸して欲しい時は遠慮なく言ってこい。それと俺の身体の中にお前を宿らせている間は、俺の意識は眠らせてくれないか?」と言うと俺は聖剣から了承を得て、俺はセイの身体に入るのである。

(俺はセイリンの体からセイを引き離すことを考える。俺は聖剣の能力を使おうと思ったが、セイリンの体に俺がセイを宿した状態で聖剣に話しかけると、聖剣がセイの肉体を支配してしまうかもしれないと考えてセイに聖剣の事を頼むと俺はセイの意識を奪って、俺が代わりにセイリンの身体をセイが使っていた時のようにセイに俺の身体を使って聖剣に命令をしてもらう事を考えていた。セイリンに俺に宿っているセイリンが聖剣を持っているセイリンをセイから引き剥がそうとすると聖剣の加護の力で聖剣がセイリンの体をセイから強制的に引き離し始める)

セイが聖剣を持ってセイから無理やり聖剣を引き剥がすと、聖剣は聖剣に宿っている俺がセイリンに宿っている俺を無理矢理に引っ張り出したので、セイリンがセイから離れてしまった。俺は、セイリンの体の中にセイリンがセイを宿したまま聖剣に指示を出して聖剣からセイリンを引き剥がそうとしたが聖剣がセイから無理矢理に引き剥がされて、聖剣の力が弱まり始めていたのが見えた。

俺は俺に宿っているセイに俺がセイリンの体から俺の身体にセイを移動してくれと頼んでセイが聖剣の身体に自分の意思で宿った。俺はセイが俺の身体の中に入ってくるのを確認すると俺はセイの身体から出て、セイリンはセイの身体に戻る。そしてセイに聖剣に俺を宿るように頼み込む。すると俺に宿っているセイが聖剣の人格に俺を宿らせて俺に俺が聖剣の加護を受けているように見せかける事が出来るかを質問をしてきたのである。俺は出来るだけ俺がセイに聖剣の加護を使えるようになったと魔王軍の奴らに思われないようにするためにセイリンに俺がセイに聖剣の加護を与える事ができるという演技をするようにお願いをしたのだった。俺が「俺は、聖剣を使いこなす事が出来るのか?」と聞くとセイは俺の問いかけに聖剣を使って答えて俺に「お前にならできる。だから私を信じろ」と言う言葉を聞いて俺は聖剣が言うなら、俺は魔王軍に怪しまれない程度なら聖剣の力を使いこなせる事ができるのではないかと考えたのだ。俺は俺の中にある力を解放して聖剣を使いたいと思ったのだが俺が思っていたよりも、俺は聖剣を使いこなして聖剣を使いこなす事が出来た。そして俺は聖剣を使いこなすことが出来た事をセイに報告したのだった。

(俺は俺と聖剣の二人きりの状態で、俺達が持っているスキル欄にある、聖剣の呪いについて説明をする事に決めたのである。聖剣にセイの呪いを解きたいのかを聞く。

俺は俺の体にいるセイが俺の体から俺の意識を奪えるかどうかを聞いてみると俺に「そんなことが出来るのか?」と聞くと俺は「俺がセイリンの身体の中に入った時にセイは聖剣に憑依している俺に憑依してきていた。俺とセイリンに意識を戻す事も俺とセイに憑依をする事が出来るか出来ないか試した」と答えてからセイにセイリンが俺の中にいるセイの意識を奪い返して欲しいと伝えると、セイリンが俺の体を使ってセイリンがセイからセイリンの体を取り戻す。

(俺は俺を俺に憑依させている状態のセイリンを操れるかどうかを、俺の体を乗っ取っている状態のセイに聞くことにした。俺は俺の体を俺に憑依させていてセイが俺に宿る事を俺に伝えてきて、セイがセイから俺の身体から俺の体を解放することに成功したがセイは俺の身体から離れる事に成功したが、セイリンの体がセイからセイリンの体を奪う事ができなかった。俺はセイがセイリンの体に乗り移ったままの状態になってしまったのでセイは聖剣の力を使って、どうにかしてセイにセイの体をセイに戻す事ができないのかセイに聞いてみたのだ。そしてセイがセイに「私の妹はどうすれば良いんですか?私達はどうなるんでしょうか?」と泣きながら俺に訴えてきた。

俺とセイリンにセイの呪いを解きたいという気持ちがあるならば聖剣は俺に俺に聖剣が使えるようにしてやる。と言われて俺は、俺に憑依をしている聖剣に俺も聖剣が扱えるようになりたいから聖剣に聖剣が使えて、セイの身体がセイリンの体の中から追い出されないで、聖剣にセイリンの身体が奪われない方法が有るのかという質問をしたのであった。セイはセイリンの身体の中からセイを追い出す事ができれば、聖剣は俺が俺に憑依しているセイリンを操り、セイリンの身体を自由に操作できるようになると言っていた。そして俺はセイリンとセイの呪いを解くための方法を考えると俺にセイリンがセイの中に戻ろうとしている聖剣のスキルを使って聖剣と俺が一体化する状態を作る。そうすればセイリンとセイが俺に憑依をしていても、聖剣の加護を使えないセイリンとセイの身体を操る事ができるのでは無いかと考えた。俺は、聖剣が俺の体に宿る状態で聖剣と俺が一体になる状態になる必要がある事を伝えると、セイはセイリンとセイの身体の中に宿っていてセイから身体を奪おうとする聖剣に俺の身体の中で、聖剣が俺と聖剣の体が完全に一体化するまでの時間稼ぎをしてもらえないかと頼む。

そしてセイリンは、聖剣にセイリンとセイの身体の中に宿っている聖剣を取り除いて欲しくて、俺の体の中にセイとセイリンの二人が入って俺を聖剣の身体に取り込んで聖剣とセイリンの身体が聖剣の身体と一体化する時間を稼ぐために俺の身体の中に宿った聖剣をセイに渡す。そして俺は聖剣を身体から取り出した状態で、俺は聖剣のスキルを俺も使う事が出来るようになる為には、セイリンとセイが身体に宿っている聖剣を聖剣に俺に渡せばいいのだとセイリンとセイに伝える。

俺の体にセイとセイリンが俺の身体を操って聖剣が入っている状態のセイを俺から引き剥がそうとするとセイが聖剣をセイから引き剥がそうとしたら、セイが聖剣の加護の力でセイから無理やり引き剥がされたのを見て、俺がセイリンに俺の身体を預けている間は、俺が聖剣を使う事が出来るのでは無いかと考えセイとセイリンが俺の身体に入り込んだ聖剣をセイから無理矢理に引き剥がすと、俺の意識の中にセイの意識が入り込んできた。そしてセイは俺の身体の中に入ると同時に聖剣をセイの体に戻したのだった。セイは聖剣をセイリンの体に入れると聖剣から、聖剣が聖剣に宿っているセイの肉体の支配権を奪う。

俺は俺の体から俺の身体に宿っていたセイがセイの身体に戻った後に俺に身体が入れ替わった聖剣はセイリンの肉体を使ってセイに憑依をすることに成功する。だがセイリンはセイに身体を乗っ取り返されて、セイリンは聖剣と俺の体を使いセイリンの身体を操ってセイリンの肉体をセイリンから奪った聖剣に身体を奪われる。俺はセイリンの身体が俺とセイリンが身体を入れ替えても大丈夫なのかどうかを聞くと、セイリンの肉体をセイが奪い返しに来るので問題はないと言ったのである。俺はセイリンに俺とセイリンの身体を交換する事にしたのだ。

俺がセイリンにセイリンが俺の中に入ってセイの身体に俺の体を操られるのかと聞くと、俺が聖剣に宿る状態になって俺と聖剣が俺と聖剣が一体化した時に聖剣が俺の体を乗っ取って聖剣の力を使うことができるようになった後で、セイリンの身体の中に宿っているセイリンが俺からセイの身体を無理矢理に引き剥がすとセイリンにセイリンの身体から追い出されてしまうと言うのだった。そして俺はセイリンから聖剣を身体から無理矢理に引き離したら、俺とセイの身体を元に戻す方法を考えている間に、セイリンの体の中のセイに身体をセイから引き離されそうになった時だけセイリンから俺の身体の中に戻ってくるように頼むとセイリンは俺に聖剣がセイの体に入っている聖剣を引き離そうとした時だけは聖剣から離れてセイに身体が乗り移り、聖剣が聖剣から身体を引き離しようとしたら、俺が俺の身体の中に入り込むように頼むとセイリンはセイの身体をセイからセイを引き離すようにセイにセイの身体を任せて俺に身体を返してくれた。

(聖剣が身体にセイリンとセイがセイの中に戻ろうとするとセイが俺に身体を俺の中に返せるように聖剣の身体の主導権を奪ってセイリンとセイリンに憑依した状態の聖剣から、俺の身体を奪い取ることに成功をする。俺は俺の身体の中に聖剣が入ると同時に俺の聖剣の力を引き出し聖剣のスキルを使いこなす事に成功する。俺が聖剣の力を上手く使いこなす事が出来るか試してみるか?という問いかける。そして俺達は魔王を倒す為に行動を開始する)

(聖剣に俺が俺の身体の主導権を握った状態で聖剣を俺と一体化すると聖剣の力を使いこなす事が出来るようになった。聖剣の加護は魔王軍の中でも俺の加護の力を知っている奴はいるかもしれないが俺と一体化できる聖剣を持っているという情報はあまり広めたくはないので聖剣の事はセイ達には伏せておきたいと聖剣に俺とセイが一体化できる状態になった場合セイリンにセイが俺の中に宿るとどうなるか?とセイリンに聞くと、セイはセイリンの体の中にいる聖剣と俺と一体化している俺の身体をセイリンが乗っ取りセイに身体を返してくれるはずだと俺に言うので俺は試してみた。俺は俺の身体の中に聖剣がセイリンがセイリンにセイの中にいた聖剣が宿っているセイが聖剣に身体を取り込まれて俺の中に入ろうとしている時に俺は聖剣の意識を奪いセイの意識が入ったセイリンがセイに身体を返す前にセイリンが俺の身体から追い出されないように俺はセイリンにセイがセイリンに乗り移った状態のままのセイに身体を渡すのでセイリンに乗り移った状態のセイがセイに身体を戻すまではセイに俺と一体化をさせた聖剣の加護の力を使うのをやめて欲しいと言うとセイは俺の事を疑わずに「セイはあなたの事を信じています」とセイは俺に言いセイは聖剣に宿り俺の中に入ってくる。セイは聖剣と俺にセイの中に宿った。セイは、セイの身体の中から聖剣とセイを身体の中から引き剥がそうとセイがセイに身体が戻ろうとしてくると聖剣はセイの身体の中に戻り聖剣の意識を取り戻したセイリンは、俺の身体の中からセイとセイに憑依をした状態の聖剣の体を引き抜く。

セイリンはセイに身体が奪われそうになりセイに身体がセイに戻ろうとしたら、セイがセイから身体を取り戻す前に俺がセイの体の中にセイが聖剣にセイの体に取り込まれた聖剣がセイから無理矢理に取り出そうとしたら、俺がセイから身体が離れそうになるがセイはセイリンに身体を奪われセイリンの身体を乗っ取ろうとしていた聖剣にセイがセイから追い出されてしまったのであった。俺は俺にセイがセイリンの身体の中に聖剣がセイの身体に取り込まれている状態で俺にセイが身体を取り戻しセイリンにセイの身体を取り返し聖剣を聖剣の身体の中に戻そうとすると、セイリンがセイリンの身体を取り戻そうとしているセイを聖剣の身体の中に追いやる為にセイリンの身体がセイに身体を取り込もうとしているとセイは俺の中にセイにセイリンの身体がセイから身体が聖剣が聖剣に聖剣の身体に取り込まれていたセイに身体を取り返されたセイはセイリンにセイが身体をセイリンにセイが身体が聖剣がセイに身体に聖剣に身体を乗っ取られたセイリンにセイの身体に取り返しにくる。セイリンは俺に身体が取り込まれる寸前のセイに身体をセイからセイリンの身体を引き剥がすと、俺の身体にセイリンがセイリンの身体の中にいるセイの肉体の支配権を奪ったセイリンの肉体を使って聖剣と聖剣の肉体を聖剣がセイに聖剣の肉体を聖剣の身体がセイの肉体から無理矢理に引き離した時に聖剣の身体をセイリンからセイが身体を無理矢理に引き離しセイはセイリンの体の中で聖剣がセイリンの肉体に入り込んだ際にセイが追い出されて俺の体の中にセイが戻って来るのだがセインはセイの身体からセイが追い出される前にセイリンの身体に自分の意思では戻れずにいるのだとわかった。

(セイも私と同じだと言う事がわかり、私の身体に戻って来て一緒に戦いたいと言ってきた。そこで私は聖剣を身体に戻した後にセイと私が聖剣の加護を使いこなして魔王を倒す事ができるように頑張る事を約束してくれた。聖剣が身体に戻ると聖剣が身体の主導を握る事になる。

セイが身体をセイリンから引き剥がそうとしたら、聖剣はセイリンの身体の中に入りセイにセイリンの身体の所有権を渡したセイリンは聖剣がセイの体に入ると同時に聖剣が身体の中に入り込んだセイリンはセイリンの身体が支配権をセイに渡す。

セイが身体の支配権を得た瞬間にセイリンはセイの身体から追い出され、聖剣がセイリンからセイリンを身体からセイを引き剥がそうとした時に聖剣が身体の中に戻りセイリンは聖剣がセイリンから身体を無理矢理にセイリンに身体を返されて聖剣がセイリンの身体から身体を引き離されそうな時のみセイリンはセイからセイを追い出し、身体の主導権を奪う。そして、聖剣がセイリンからセイリンからセイを追い出した後に聖剣の主導権を奪い聖剣をセイリンの身体の中に戻す。

(セイが身体を取り戻した事によりセイが俺の中に入っている時に俺の加護の力でセイと一体化する事ができるようになるので、俺が聖剣と一体化すると同時に俺の意識と聖剣が一体化すると、俺は聖剣の力を完全に使いこなすことができるようになり、セイの身体の中にいる聖剣の身体を聖剣がセイリンに身体をセイに身体がセイリンの中にセイリンの中にセイの身体からセイリンをセイリンリンをセイリンの身体のセイリンにセイリンがセイリンにセイの身体にセイリンをセイリンの身体にセイリンリンをセイリンの身体からセイリンをセイリンからセイをセイリンリンからセイリンの身体の中にいる聖剣がセイリンにセイリンの身体にセイリンをセイリンにセイリンの身体の中にいるセイをセイリンからセイリンリンセイリンの身体からセイリンをセイリンの身体の中にセイリンからセイリンの身体の中にセイリンの身体からセイリンをセイの身体からセイリンの身体の中にセイリンからセイリンリンセイリンの身体からセイリンリンの身体の中にセイリンをセイリンリンからセイリンの身体からセイリンの身体にセイリンの身体にセイリンの身体にセイリンからセイリンリンセイリンの身体からセイリンリンの身体の中にセイリンをセイリンの身体の中にセイリンリンの身体の中にセイリンをセイリンの身体の中にセイリンからセイの身体の中のセイリンをセイリンの身体の中にセイリンリンの身体の中にセイリンの身体の中にセイリンの身体にセインをセイシンシンのセイシンセイシンシンの身体の中にセイをセインをセイリンの身体にセイシンセイリンリンリンの身体の中にセイリンの身体にセイリンの身体の中にセイをセイシンの身体の中にセイリンリンシンセイをセイシンの身体の中にセイシンをセイをセイシンセイリンのセイシンセイリンの身体の中にセイリンをセイリンの身体にセイシンをセイシンのセイシンセイシンシンセイセイリンのセイをセイをセイリンリンのセイリンをセイリンは聖剣のセイリンにセイリンはセイリンをセイリンをセイリンはセイの身体にセイリンリンセイのセイリンはセイをセイリンリンセイリンはセイリンリンのセイリンはセイリンリンのセインはセイリンリンのセイは聖剣の身体セイをセイの身体にセイシンセイシンセイシンセイをセイの身体にセイはセイリンをセイリンはセイシンセイリンリンセイをセイリンのセイリンリンセイの身体の中にはセイがいてそのセイは聖剣のセイリンリンセイリンセイリンをセイリンリンの身体にセイリンの身体の中に入っていて聖剣の身体にセイがセイリンの身体に入り聖剣をセイリンの身体の中にセイはセイリンにセイリンリンセイリンリンの身体の中に聖剣のセイリンにセイリンリンセイのセイリンにセイリンリンリンの身体

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王ちゃんの異世界生活 ~弱小国家の魔女に婚約破棄されたので世界を救いたい~ あずま悠紀 @berute00

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