私だけのヒーロー

砂漠の使徒

私だけのヒーローへ

 あなたは私だけのヒーロー。

 いつも私を助けてくれる。


「はじめまして!」


 出会ったときもそうだった。

 私が困っていて、どうしていいかわからなかったとき。

 ふらっと目の前に現れたの。

 あなただって、自分のことで精一杯なはずなのに。


「どうして助けてくれるの?」


 こう質問したのは、一度だけじゃない。

 あなたは決まって私の頭にそっと手を置いて、なでてくれるよね。

 ちょうど猫耳の間のところを。

 顔には優しい笑顔が浮かんでいる。

 けれど、肝心の答えはいつも謎のまま。


「今日は誰を助けたの?」


 あなたはヒーローだから、色んな人を助けてる。

 たくさんの人から感謝される。

 でも、私だけのヒーローなの。

 だって、私を助けることが一番多いんだもん。


「いつもありがとう」


 感謝は欠かさない。

 何度もお礼を言った。

 その度に返ってくる笑顔。

 「どういたしまして」とは言わないよね。

 たぶん、私を助けるのは当然だと思ってるでしょ。


「これ、プレゼント!」


 誕生日だったり、記念日だったり。

 一年のうち、何回か……何回も。

 特別な日じゃなくても、プレゼントを送る。

 私だけのヒーローが、これからも頑張れるように。

 ……他にも理由はあるけどね。


「大好きだよ」


 あなたがみんなのヒーローなのはわかってる。

 けれど、やっぱり私だけのヒーロー。

 この気持ちを抑えるなんて、できないよ。

 だから、今日も。

 ううん、これからも。

 いつまでも私の側にいてね。


「私だけの……ヒーロー!」


 あなただけのヒロインより

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私だけのヒーロー 砂漠の使徒 @461kuma

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