エピローグ

 先輩がいなくなって数ヶ月経ってしまった。私はずっと考えていた。「」ということについてだ。先輩のデスクにあった置き手紙に書かれていたのは独白に似た何かだった。先輩はある女性を模倣することに意味を感じていたようだった。強迫観念のようなもののように感じた。「そう在らねばならない」というような。だが、そんな先輩はもう居ない。失踪と言われているが恐らくもう亡くなっているだろう。誰に言われた訳でもない。置き手紙に書いてあった訳でもないが、なんとなくそんな気がした。先輩が模倣したものを、残したかったものを私も残せないだろうか。いや、これは自分の意思だ。

私は


だから私、白花茉莉は、先輩、今井廉音を模倣する。

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imitatio 雨空 凪 @n35

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