第四十章 大猫島(おおねこじま)の大海戦(だいかいせん)
第227話 第二次大猫島海戦(前編)
---三人称視点---
1月18日。
ラサミス達を乗せた
一方、
それからお互い小芝居じみた駆け引きして、最低限の妥協点をなんとか見つけ出した。そして何度か交渉を重ねた末、アンクロッソン提督はブラックサーベル号及び
それからガラバーンをはじめとした海賊達と
ラサミス達はその場に同席を許されず、同席したのはマリウス王子とレビン団長、ケビン副団長の三名であった。
アンクロッソン提督は最初こそ高圧な態度を取っていたが、ガラバーンはあくまで冷静に話し合いに応じた。
するとアンクロッソン提督も態度を軟化させて、
アンクロッソン提督が受け入れた要求は――
1.
2.
また
この二点においてはアンクロッソン提督も快く受け入れた。
だがそれ以降の条件――
この戦いに勝利した際に、
しかしこの件に関しては、ガラバーンも無理に要求する事もなかった。
当然、その後の【セントライダー
前者もそうだが、後者に関しては今話題にしてもこの場が混乱するだけだ。
とガラバーンが思ったかは分からないが、とりあえずアンクロッソン提督も上記の二点に関しては――
「
と、明言したことにより、
そして翌日の1月19日。
その結果、
竜人族の武装商船団はキャラック船四隻、
そして竜人海賊はガレアス船一隻、ガレー船六隻の合計三十七隻の大艦隊を持って、大猫島に攻め込む事となった。
だが敵――魔王軍側にも艦隊戦力が存在する事は、前回の戦いで分かっている。
前回の戦いでの敵側の艦隊戦力は二十隻前後であった。
今回の戦いでも同数、あるいはそれ以上の艦隊戦力があると思われる。
それを主だって迎え討つのが
ラサミス達『暁の大地』、
敵の攻撃を食い止め、艦隊決戦、あるいは艦隊同士の白兵戦に持っていくのが彼等の任務となる。
今回も敗戦するようだと、今後の戦いに大きな影響を及ぼすのは明白だ。
故に負けが許されない戦いだ。
しかしそれは敵――魔王軍も同じだ。
だからこそ勝つ為にはあらゆる布石を打つ必要がある。
自尊心の高い連合軍艦隊の提督達が海賊の助力を請うたのも全ては勝つ為である。
そしてラサミス達に与えられ任務は重要だ。
敵の艦隊と交戦し、無力化するのが最善の策だが、海の戦いでは向こうに分がある。なので当面の目的は連合軍の上陸部隊が大猫島に上陸するまで、敵を食い止めれたら作戦は成功である。一つのミスが敗因になる危険性がある重要任務だ。
しかしそれはこの海戦に挑む提督、兵士達も同じである。
連合軍側の総戦力は艦隊三十七隻、戦闘型ガレオン船六隻、ガレアス船四隻、ガレー船二十隻、キャラック船七隻。
総兵数はおよそ11500名以上、それに加えて200名の竜騎士団の
これ程の大戦力を投入するからには、何としても大猫島を奪還しなくてはならない。
そして軍上層部による作戦会議が終わり、二日後の1月21日。
すると大猫島からダークエルフ海賊が陣頭指揮を執った海賊艦隊が集結して大猫島の南湾岸にさっそうと現れた。
北ニャンドランド海の大猫島の南湾岸で四大種族連合艦隊と魔王軍の飛行部隊、
そして魔王軍に加勢するダークエルフ海賊艦隊による激しい戦いが繰り広げられようとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます