追放されたハーフエルフの少女は自身に宿るもう一つのユニークスキルを知る
もう一枚の紙に書かれていたのは、私の成人の儀の鑑定結果の続きだった。そこに書かれていた内容は……
『ブレイブラブハート』
種目:ユニークスキル
勇敢な心!慈愛に溢れた心!とにかく強い心を持てばどんな事もへっちゃら!魔力が0?魔法が使えない?そんなデメリットもドントウォリー!強く逞しく慈愛に満ちた心があればどんな事だって乗り切れるから心配ナッシング!心を強く持って生きていこうぜッ!!
…………何これ?多分私にもう一つスキルがあって、そのスキル鑑定結果なのは分かるんだけど……また何でこんな説明軽いの?ってか、ドントウォリーって何?どういう意味?
「って!?リアナお嬢様!?これもまたユニークスキルじゃないですかあぁ!!?」
ネリネがまた突然叫び出し、私は驚いてネリネの方を振り向く。って、さっきと似たようなパターンなんだけど……
「何よネリネそんな急に大声を出して……確かにユニークスキルってあるけど、スキルを複数所持してる人なんてそこまで珍しくないでしょ?」
スキルの複数所持者は珍しいと言えば珍しいが、全くいない訳ではない。現に確かお義母様もスキルを複数所持していると聞いた事があるしね。
「確かに!スキルの複数所持者はいますけど!ユニークスキルを複数持っている人はいないんですよ!?」
ネリネの説明曰く、ユニークスキルはその人特有の至高にして最強のスキルである為、ユニークスキルは1人に一つしか宿らないというのが世界的に認識されているらしい。故に、ユニークスキルを二つ所持している私は全く前例のない存在になるらしい……
「凄いですよ!リアナお嬢様!やっぱりリアナお嬢様は最高にして最強ですね!!」
「最高にして最強ねぇ〜……」
ネリネはそう言って私を鼓舞してくれているが、ぶっちゃけ私はこの二つのユニークスキルが本当に凄いのか疑わしい。
だって、名前も二つ共小さな男の子が考えそうな感じな上に、このやたら軽いノリの説明文……いくらユニークスキルが至高のスキルと言われていても、疑いしかもてないのは仕方ないだろう。まぁ、それでも無いよりはマシなのかもだけど……
「ふふふ……!この二つのユニークスキルで!リアナお嬢様が英雄となり!あのバカ国王やバカ王太子の鼻っ柱をポキリとへし折ってやるんですね!!」
「いや、英雄になるつもりもないし、鼻っ柱をへし折るとかも考えてないから」
黒い笑みを浮かべてそう言うネリネに、私は溜息混じりにツッコミを入れる。
けど、このユニークスキルを二つで、果たして私に何が出来るんだろうか?やたらと軽いノリの説明文には何でも出来ると書いてあるけど、そもそも私は何をすれば……出て行かなきゃ的な事は考えていても、今後どうやって生きていくか全く考えてなかったなぁ……私……
「きゃあぁぁぁぁぁ〜ーーーーーー!!?」
今後について頭を悩ませている私の耳に、女の人の叫び声が入ってきた。私は条件反射的にその叫び声がする方へ走って行った。
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