第2話 思わず続いちまったな…
オレ【
…そう、馬鹿なあいつの為にわざわざ来てやったはずなのだが…。
「カクヨムーー!!」
玄関の所でスマホを持ちながら何故か号泣している麻倉がいた。
一体、何やってんだ?
訳が分からないからとりあえず話を聞くとする。
「おい、バカ。玄関で何やってんだよ?そして、叫ぶな!近所迷惑になるだろが!」
「久遠、それどころじゃねーんだよ!この小説がめちゃくちゃ泣けてー!!」
「うぉーん!!」と泣き叫ぶ麻倉。
もしや、ついには狼化したのか?それともやっぱり…。
「頭がおかしくなったから救急車を呼ぶしかねぇな」
「久遠…もう、そのネタ止めにしろよ!!何度も言うけど、おいらはどこも悪くないからな!!」
スマホを持っているオレに麻倉は呆れ気味に言ってくる。
…いや、別にこれはネタで言っている訳では無くて本気でしようとしているんだが…?
まぁ、あいつにはオレの気持ちなんて分からないであろう。
そう思うとため息がでてくる。
「なぁ!久遠、前回の小説の話なんだけどな…」
そんなオレの気持ちを気にもしないで麻倉は満面の笑みを浮かべながら言う。
…何があった?そして、何故オレに小説の話を振るんだ?
確かに前回は読ませろなんて言葉を掛けたが、今回はそうもいかないぞ。
何故って?
とりあえず勉強会をしないといけないからだろーが。
だけど、麻倉は勉強会というものを忘れて小説の話を続ける。
「前回の小説…おいらの名前は麻倉のハズが浅倉になってたのを気づかずに投稿しちまって…あとから気づいた…。だからやばい…」
「…はぁ?それなら今、直せばいいんじゃないか?それぐらい簡単だろ?」
「だけど、ネタとして今使ったから直すのが勿体なくって…」
「そんなネタ、いらねーからさっさと直せよ!バカ!!」
…呆れた。ってか、もうすでに呆れたのレベルを通り越している気がする。
こいつは本当に小説書く気あるのか?初歩的な誤字脱字を直すということも出来ていないなんて…もう、小説書くなよ!!
だけど、麻倉は直す素振りを見せず、逆にキラキラ目で話を続ける。
「あ!あと、間違えているのに応援してくれている人がいたからすげーやる気が出た!!ってか、読んでくれている人がいるって凄くね!?駄作な小説でも読んでくれると嬉しくなるよな!!」
…ん?
「…おい、今なんて言った?応援してくれてるだって?」
危ない、危ない。
思わず、嫌気さして麻倉の話を完全スルーするとこだった。
「そ!カクヨム見たら通知できてた!0でも良いやとおいらは思ってたけど、読んでくれている人がいたからよかったーー!!」
「…へー、ナルホド。ソレハ、ヨカッタナ?」
マジか…。あまりの事に片言になったが、気にしないでくれ。というか、読んでくれた人に拝んでおかないと…。
って…。
「…お前、本腰の小説は書けてるのか…?さっきも思ったけど、読み専になっていないか?」
「…あれ?バレた?」
バレた?じゃねぇよ。どうした?あのときの宣言は?オレに堂々と言っていたのに…。
オレは思わず、麻倉を睨みつけた。だが、麻倉はのほほんとした表情で理由を言う。
「実は…文章に詰まって書くのを辞めました!そして、おいらたちの作者も詰まっている状態です!!」
「おい!辞めんなよ!最後まで書くって言ってただろーが!あと、オレたちの作者話はするな!ややこしくなるだろが!!」
ああ…また頭が痛くなる。早くこのバカをどうにかしないと…。
どうにも出来ないから今の現状に至るんだが…それをオレは認めたくない。
認めたくないから麻倉に対して怒る。
「…あのなぁ、麻倉。最後まで書く気がねぇんだったら小説書くのは辞めておけ。生半可の気持ちで書いてたら、本当に自分の黒歴史になるぞ」
「…あ!この小説面白い!久遠、一緒に読もーぜ!!」
「って、話聞けよ!あと、週刊漫画誌を読むみたいなノリで言うなよ!」
こりゃ、だめだ。オレのほうがどんどん、可笑しくなっていく。
否、元から可笑しいのは自分でも分かっていたがそれ以上に頭が…。
ともかく、オレはこいつがいるせいでバカの頭がバカバカになっていくんだ。
「…って、何言ってんだよ、オレは!!」
「…?大丈夫か?久遠」
「うるせぇ、心配すんな!バカ!」
「ええ!?なんで、怒るんだよ!?それよりもお前、読まねーの?小説…」
「…読むに決まってんだろ」
こうして、オレらは、勉強会そっちのけでカクヨムの小説を読み漁るのだった…。
〈あとがき〉
「なぁ、久遠!おいら、また話を上げてみたぜ!」
「この小説って完結してなかったのかよ…。ってか、今すぐにでもいいから完結ボタン押せよ!」
「えー、せっかく続いたのに?」
「オチのない話なんて続かせるな!!」
小説書こうぜ!でも手が止まる! 紅茶時間 @teatime03
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。小説書こうぜ!でも手が止まる!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます