第5話 魔物たちの住む街へ(2)

ルゥーンはすぐに着替えを済ませ、部屋の扉の前にいるであろうレーヴェンに声をかける。


「着替え、終わった、よ」

「終わったか。…扉を開けてもいいか?」

「う、ん」


すぐに扉を開けてレーヴェンが入ってくる。

すると、レーヴェンはルゥーンを見てこう言った。


「街に行ったら服も買うか。今の服よりも、もっと上質なものを仕立てよう」

「そんな!これ以上、よく、してもらう、のは、申し訳、ない、から!」

「問題ない。これは私からのプレゼントだとでも思えばいい」

「でも!」


ルゥーンとレーヴェンはそんな押し問答をしたが、結局押しに弱いルゥーンが負けたのだった。



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魔物たちの街は、いつも賑わっている。だが、それを外の人間は知らない。

だからこそ、その街は平和なのだろう。


ルゥーンはレーヴェンに連れられ、街の入り口へ行く。

街の入り口はレーヴェンの城の中にあるらしく、案内してくれた。

一見何もないように見える空間だったが、触れてみると何かがあるような感覚がする。

そこにレーヴェンは躊躇いもなく入っていく。すると、レーヴェンの姿が見えなくなった。ルゥーンもその後に続き、その空間の中へと足を踏み出した。


「わあ……!」

「すごいだろう?この街は私が何百何千年とを使って築き上げたのだ。皆が笑顔でいられるような、そんな場所だ」

「すごい、です!!」


その先には、とても賑わっており、美しい街があった。

幻想的なその街は、王都でも見ないほどに賑わっており、行き交う人々は皆笑顔だった。

治安の悪い場所もないのだろう。それだけ、平和な街だ。

ルゥーンはその街を見て、自分もこの街に住んでみたいと思った。


「ルゥーン。早速あの店に行くぞ。あの店で服を仕立てる」

「あ、ま、待って…。レーヴェン、早い…」

「ふむ……なら、手を繋ぐか。そのほうがいいだろう」


ルゥーンはレーヴェンの提案に、鼓動が早く脈打つ感覚がして、また胸がドキドキしてくる。

この感覚は本当になんなのだろうか?何かの病気ではないだろうか?

ルゥーンは買い物のついでに薬も買って帰ろうかと迷った。

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