13.ツッコミどころが多い作戦

えーっと、なんでこんなことになったかな?

 ちょっと振り返ってみよう。


 


 

 〜半日前〜

 「それじゃ、行きますか」


 そう私が言って作戦は始まった。 

 なんと、今日に能力者が核実験を行う可能性が高いって前に二人で導き出した。


 なんと、前の核実験の日が暦で言う仏滅だったんだよね。

 え?だから何だって?

 能力が発現した日も仏滅だったんだよね。

 これは偶然じゃないでしょ! 


 だから仏滅の日に核実験が行われるんじゃないかって考えた。


 まあ最悪違っても被害はないし、やり得だからね。


 それでですよ。

 いちばん大事な実験が起きる場所ですよ。


 今の所3つ場所が考えられる。


 1つ目は前に核実験が起こった場所。

 ここは、本当に実験を行うのなら前に起こした場所でやったほうがいろいろと便利だから一応候補に入れた。


 2つ目は東北の辺り。

 まあ、北日本で一番人がいる場所って今も昔もだけど東北なんだよね。 

 だから非能力者を虐殺したいのならここが一番だろう。


 3つ目は北日本と南日本の丁度境目あたり。

 理由は進軍に便利だからですね。はい。

 強化版スマートフォンは有能すぎて体力に作れないだろうしそれを兵士全員に配布するっていうのは無理だろうから進軍するときの道を作るために領地を増やさなきゃいけないんだよね。

 だからそのために掃除するんじゃねっていうことです。


 で、でですよ。

 これ丁度3つだから、一人一つずつ場所を持つことになったんですよ。

 で、私の持ち場が東北のところなんですけど……

 なんですか?

 当てつけですか?


 今いるこの場所でも充分人多いのに更に多い場所なんかにいたらまじで酔うだろ!

 まあいくんだけどさ?


 こんなブルーな気分の中私達は家を出発した。


 


 


 瑠衣野さんたちをそれぞれも位置へスマホを使って送り届けた後に私の持ち場に来た。

 東北って前はどうだったのか知らないけど、今は人がいすぎて修学旅行で行った時の東京みたいな感じになってる。

 私は空の上から透明になってその状況を見ていた。


 エグい量の人間が色んな方向に歩いていて軽く酔いそう。

 でも、ここは非能力者区画にもかかわらず活気がある。

 あちこちで笑い声や出店があり昔みたいな光景が見れて感動する。


 まあ、だからこそ危ないんだけどね。

 周りを見ると明らかに怪しい人や軍隊の人やら色んな人がいる。


 能力者にも見えるし、ここが危ないと思った非能力者の上層部の判断にも見える。

 周りの人たちが楽しそうに見物したり話したりしている中真剣な面持ちでスーツとか軍服を来てるんだもん。

 これで一般人だったら怖いよ?


 なんか、もしこの軍隊っぽい人が非能力者だとしたら私のやってたことが世界を救うごっこみたいな感じで遊んでたように思えてくる。

 なかなか人も集まらず、瑠衣野さんたちに全部任せっきりで特に目立った活動もせず情報も一般人でわかることばかり。

 一応、能力者の山本君がいるから情報は困らないようになったけどやっぱりいいおもちゃを与えられた子供に自分が見えてくる。


 行動したいっていう気持ちはあるんだよね。

 でも、非能力者の軍に入るとしても国会のところに能力者の人が堂々といた以上なんか能力者とべったりしてそうな感じがするし、一応能力者を倒そうみたいな団体はあるよ?

 あるんだけどそれはただ騒いでるだけっていうか私達よりひどいんだよなー。


 だから私が行動してもいいと思えるところに入りたい。

 それで私はメンバーを募集した。

 なのに私にはごっこ遊びしか出来ない。

 自分自身が悲しくなる。


 まあ、ここで活躍できればそんな考えもなくなるでしょ。

 だって実際に人の命を助けられてるっていう実績がつくんだから。


 ……あれ?もしかしてこれってフラグ?

 うん。きっと違うよ。うん。

 多分。 


 ちょっとダークな気分になったけど切り替えて行きますかね。


 それじゃ、作戦の確認しますかね。


 まず、ここに設置されている核をなんか……無効にする装置で耐えている間に核を落とした奴らのところに乗り込む。

 で、捕虜にする。

 以上!


 えーっと、ツッコミどころも多いですね。

 とりあえず説明しますか。


 核を無効にする(?)装置は確実にある。

 これは非能力者の上層部から能力者を使って核を無効にする装置をつくったということが報告されたからね。

 よくわかんないいんだけどこれは嘘じゃないって瑠衣野さんから教えてもらった。

 能力者のある能力を使えば実際に作れるらしい。


 で、その能力を持つ能力者が非能力者側についているから作ることは簡単らしい。


 さっきから、らしいばっか言ってるのは全部私に理解できなかったからですね。はい。

 それにしてもさ?

 非能力者側についている能力者って実際にいたんだね。

 いや、さ?

 山本君が近くにいるけどよく考えたら何も知らない赤の他人に能力者に対して反逆をするってすごいよね。


 まあそんな事は置いといて、ワープで乗り込む予定で乗り込んだ後は一応捕虜として捕まえる予定。

 なんかこのスマホに人を捕まえるっていう機能があるらしい。

 ……すげーな!

 で、捕虜にした後に情報を全部吐き出させる。 


 え?何するんだって?

 フッフッフ、世の中には聞かなければ良いこともあるのだよ。

 真面目に言うと、特に何をするのかは決めていない。

 だってさ?

 どんな人なのかもわかんないし何をしている人なのかもわからない中で先に何をするか決めておくっておかしくない?


 あ、あとついでに私達には核を無反応にさせるみたいな能力をかけてある。

 あれ?これ簡易的な能力か?

 まじで、スマホが万能すぎる。

 やっぱり現代人にはスマホが必要なんだな。


 これを使って転移をあと5回分しか出来ないくらいのエネルギーしかなくなって、充電しなきゃもうスマホは使えなくなった。

 まじで悲しい。


 で、これからみんなを回収するためにあと最低2回は使う予定だから転移3回分ですね。はい。

 で、で、更に上空の能力者を捕まえるために行きと帰り合わせて2回使うから実質あと1回しか使えないんですよね……

 で、で、で、その一回も東北って広いから爆心地に行くために使う予定だから使うんですね。はい。はい……。


 非能力者区画じゃ充電もできないからいつか能力者区画に行った時に充電しないとな。

 まあ、それもいつになるかはわかんないけど……。


 うーん、何する?

 後は待つだけだから暇なんだよーーー。

 何も出来ないし静かに待ってますかね―――。


 その時だった。


 「バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」


 突如として意味わからないくらい大きな音と光に辺りが包まれた。


 ―――え?

 もしかして私フラグ回収しちゃった?

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無力な私たちが世界を変えるまでの物語〜突如として人類の半数に能力が発現し、非能力者が差別されるようになった世界で非能力者の私が状況を変えるために行動する〜 ゆめうめいろ @yumeumeiro

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